JPH11168205A - クーロンブロッケイド型論理素子及びその製造方法 - Google Patents

クーロンブロッケイド型論理素子及びその製造方法

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JPH11168205A
JPH11168205A JP33423597A JP33423597A JPH11168205A JP H11168205 A JPH11168205 A JP H11168205A JP 33423597 A JP33423597 A JP 33423597A JP 33423597 A JP33423597 A JP 33423597A JP H11168205 A JPH11168205 A JP H11168205A
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thin line
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庸夫 ▼高▲橋
Tsuneo Takahashi
Satoshi Fujiwara
聡 藤原
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クーロンブロッケイド現象を用いた単電子素
子で、素子数が少なくEXOR(排他的論理和)ゲート
を実現する。 【解決手段】 両端にトンネル性容量を介しそれぞれド
レイン電極11,ソース電極12と接続されたクーロン
ブロッケイド島10に、2個のゲート電極4,5を絶縁
層を介して接続し、ゲート電極4とクーロンブロッケイ
ド島10との間の容量と、ゲート電極5とクーロンブロ
ッケイド島10との間の容量とをほぼ等しくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クーロンブロッケ
イド現象を用いた論理素子とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータや制御装置に用いられるブ
ール代数で表現される論理は、半導体素子等を用いて実
現されている。これまではMOS型半導体集積回路に代
表されるようにトランジスタをスイッチとして用いるこ
とによって実現されてきた。ブール代数で定義される論
理は、AND(論理積)、OR(論理和)、NOT(否
定)の3種類のゲート(入力に対して出力を出す素子)
で代表される。この機能を実現すれば良いわけである
が、従来の論理回路では、トランジスタをスイッチとし
て単純に実現することができるNANDゲート(AND
ゲート+NOTゲート)やNORゲート(ORゲート+
NOTゲート)を中心に構成されており、ブール代数で
表される全ての論理演算がこのどちらかのゲート1種類
のみで実現可能である基本的な論理ゲートの一つにEX
OR(排他的論理和)ゲートがある。
【0003】これは、たとえば2入力EXORの場合、
(0,0)あるいは(1,1)が入力されたときには0
を、(0,1)あるいは(1,0)が入力されたときに
は1を出力する論理演算を行い、入力の和の偶奇を判定
する機能、あるいはパリティチェック機能の実現などに
用いられる。この機能をNANDやNORゲートで実現
しようとすると多くのゲート数が必要になる。たとえ
ば、2入力のEXORを実現する場合には、最低4ゲー
ト必要になる。
【0004】2入力のEXORゲートを2入力NAND
ゲートで実現した場合の一例を図12に示す。通常、N
ANDゲートは2個以上のトランジスタを組み合わせて
構成されるので、2入力のEXORゲートを実現するた
めには、少なくとも8個以上のトランジスタが必要にな
ることになる。一方、これまでの論理機能を集積化した
論理LSIは、これまでMOS型トランジスタ、あるい
はCMOS型トランジスタを用いて実現されてきた。特
にCMOS型は消費電力が少なく大規模化に適していた
が、CMOS型を用いても、百万ゲートを越える論理規
模になると消費電力が実装された素子からの放熱限界に
達し機能しなくなるという問題が生じる。
【0005】この問題を解決し、更なる大規模化を達成
するためには、より省電力で動作する素子を用いる必要
が有る。この候補として、より少ない電子数で動作する
単一電子デバイスを用いる手法が提案されている(たと
えば、K.K.Likharev,Sing1e−e1
ectron transistors:e1ectr
ostatic ana1ogs of the DC
squids,IEEE transactions
on magnetics,vo1.MAG−23,n
o.2.1987)。
【0006】単電子デバイスはクーロンブロッケイド現
象を用いる素子で、小さな島に電子を1個加えるための
エネルギーが熱揺らぎよりも大きい場合に生ずる現象を
利用しているこのため、電子1個づつの転送が可能にな
り、極めて小さな電流(電子の移動)で動作することに
なる。この単電子デバイスは、単電子トランジスタと呼
ばれる素子を基本に構成される。
【0007】この素子を等価回路で表すと図13の様に
なる。微小なクーロンブロッケイド島の両端にトンネル
容量(Cs,Cd)を介してソース、ドレイン電極、さ
らにゲート容量Cgを介してゲート電極を配置した構造
をとる。この回路(素子)では、ソースとドレイン間に
小さな電圧を印加して、ゲート電圧を増加させると、ソ
ース・ドレイン間のコンダクタンスが周期的に増減す
る。これは、あるゲート電圧条件ではクーロンプロッケ
イドの効果で島内の電子個数が整数個(n個)で安定に
なり、電流が流れない(コンダクタンスが小さい)が、
ゲート電圧の増加に伴ってクーロンブロッケイドが破れ
もう1個電子が増えることが可能になる。
【0008】この領域にゲート電圧が入ると、島内電子
数がn個とn+1個の両方の値がとれるので、電子が1
個島に入り、次に1個出ていく(島内の電子数はn個と
n+1個の間を往復することになる)ことで電流が流れ
るようになり、コンダクタンスが増大する。この素子で
は、島を取り巻く総容量をCtotal (=Cg+Cs+C
d)としたとき、温度Tによる熱揺らぎkT(kはボル
ツマン定数)が島の1電子のチャージングエネルギーe
2 /2Ctotal より十分小さい必要がある。
【0009】すなわち、 kT≪e2 /2Ctotal (1) であることが要請される(ここで、eは電子の素電荷で
ある)。したがって、高い動作温度を確保するためには
total を小さくする必要がある。これは島のサイズを
小さくすることと等価である。
【0010】この単電子トランジスタを用いて、たとえ
ば、NANDゲートは図14の様に構成される。この構
成では、2個の単電子トランジスタのそれぞれについ
て、入力ゲート電圧Vgが「high」の時にコンダク
タンスが「high」になり、入力ゲート電圧Vgが
「low」の時にコンダクタンスが「low」になる特
性を利用したスイッチとして用いている。したがって、
直列のコンダクタンス(すなわちId/Vd)の高低に
変換されるので、入力1,2の双方が「high」のと
きのみコンダクタンス(Id/Vd)は「high」
で、入力,の少なくともどちらか一方が「low」
ときは「low」となる電圧入力、電圧出力として用い
るためには、たとえば、電圧供給源側に付加抵抗を取り
付け、コンダクタンスを電圧に変換すればよい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記NANDゲ
ートでEXORゲートを実現するためには、図12と図
14とからわかるように、少なくとも、8個の単電子ト
ランジスタを接続する必要がある。この状況は、スイッ
チとしての3端子素子にどのようなデバイスを用いても
基本的な構成は変わらない。したがって、単電子トラン
ジスタを用い消費電力の問題は解決できても、EXOR
ゲートの実現のための素子数は変わらないという問題が
ある。したがって本発明は、上記の問題を回避し、クー
ロンブロッケイド現象を用いた単電子素子で、素子数少
なくEXORゲートを実現することを目的とする。もの
である
【0012】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明は、EXORゲートのデバイス構成は、
クーロンブロッケイド島にほぼ等価な島との間の容量を
有する2個以上のゲート電極を取り付けたものであり、
1個の単電子素子でEXORゲートの機能を実現するも
ので、従来のMOS型トランジスタや1ゲートの単電子
トランジスタを用いた構成と比べると素子数を著しく低
減できる。即ち、両端にトンネル性容量を介し少なくと
も2個の電極と接続されたクーロンブロッケイド島に、
少なくとも2個のゲート電極を絶縁層を介して接続し、
各々のゲート電極とクーロンブロッケイド島との間の容
量をほぼ等しくするようにしたものである。また、ゲー
ト電極とクーロンブロッケイド島との間の容量と異なる
容量を有するゲート電極を、絶縁層を介しクーロンブロ
ッケイド島に接続するものである。また、シリコン酸化
膜上に、細線部と,細線部の両端に設けられ細線部より
幅の広い取付部と形成するとともに細線部及び取付部が
酸化されたシリコン層を設け、細線部上に少なくとも2
個のゲート電極を形成するようにしたものである。ま
た、取付部は細線部の中心に対し点対称または線対称な
形状を有して形成し、細線部上には少なくとも2個のゲ
ート電極を細線部の中心に対し点対称または線対称な形
状を有して形成するものである。また、細線部上に形成
されたゲート電極上には絶縁膜を介して少なくとも1個
のゲート電極を形成するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
して説明する。図1は本発明に係るクーロンブロッケイ
ド型論理素子の構成を示す回路図であり、2入力のEX
OR(排他的論理和)ゲートの基本的な等価回路を示す
ものである。この論理素子は、既に説明した図13の単
電子トランジスタと類似する構成であるが、中央のクー
ロンブロッケイド島(以下、島)10に、この島10と
容量的に結合したゲート電極4,5が2個が取り付けら
れている(基本的には単電子トランジスタと呼べる構造
で、ゲートが2個取り付けられている点が異なる)。
【0014】また、このとき、2つのゲート電極4,5
と島10との間の容量Cg1,Cg2はほぼ等しくして
おく(後で説明するように、完全に等しくする必要は必
ずしもない)。また、島10には、トンネル容量Cd,
Csを介して、ドレイン電極11、ソース電極12が取
り付けられている。
【0015】島10を取り巻く総容量Ctotal (=Cg
1+Cg2+Cs+Cd:他にも外界に対して容量を持
っている場合にはそれも加える)としたとき、 kT≪e2 /2Ctotal (但し、kはボルツマン定数,
Tは温度,eは電荷) の条件を満足し、またソース・ドレイン間の電圧Vdが
e/Ctotal より十分小さいとき、この素子の動作は以
下の図2に示すようになる。
【0016】図2は、島10の平均的な電荷量とコンダ
クタンスの関係を示している。平均的な電荷量が電子の
素電荷の整数倍のときにコンダクタンス振動の谷に来
る。ここで、Cg1=Cg2=C0のときは、横軸はゲ
ート電圧の和として読み変えることが可能である。島1
0と各ゲート電極4,5との間の仕事関数差が無く、島
10の周囲に浮遊の電荷が無い場合には、ゲート電圧の
総和が0Vのとき、コンダクタンスが振動の谷に来る
(この条件を満たさない場合は、後に述べる手法で調整
する必要がある)。
【0017】すなわち、入力,入力が0V(lo
w)の時は、コンダクタンスが「low」となる。入力
,入力のどちらか一方がコンダクタンスの山にくる
電圧V0の時には、コンダクタンスは「high」にな
る。また、入力,入力の双方がV0(通常はV0=
e/2C0である)のときには、コンダクタンスは次の
谷の位置に来るため「low」となる。すなわち、入力
が(0,0)、(1,1)のときにはコンダクタンスが
「low」、入力が(1,0)、(0,1)のときには
コンダクタンスは「high」になるので、EXORの
機能を実現したことになる。
【0018】ここで、ゲートと島10との容量Cg1,
Cg2がわずかに異なった場合について述べる。この場
合には、図2に示すように、それぞれのゲート電極が島
10に誘起する電荷量に対応する電圧と容量の積の和で
決まる。したがって、Cg1とCg2とがわずかに異な
った場合、入力電圧が一定(V1=V2=V0)の場合
は、図2で矢印で示した2本のベクトルの長さ(即ち、
Cg1・V1とCg2・V2)が異なることになる。
【0019】ここで、Cg1・V1+Cg2・V2を谷
から次の谷までの長さに取ると、コンダクタンスの山が
左右対称形であるならば、入力,入力の一方のみが
「high」のときは、山のピークからはずれた位置に
来る。したがって、どちらの入力が「high」のとき
も同じコンダクタンスになる。コンダクタンスの山から
はずれるので、「high」と「low」のコンダクタ
ンスの比が小さくなるだけのことであり、基本的な動作
は同じである。
【0020】もちろん、コンダクタンスの比が大きく取
れた方が、回路の動作マージンが増えるので、2つのゲ
ート容量の差は小さい(比が1に近い)方が好ましいの
は言うまでもない。さらに言えば、ドレイン電圧を大き
くするとコンダクタンスピークの形は左右対称ではなく
なることや、素子を動作させる環境の温度によっても特
性が変動することなども考えると、2つのゲート容量の
差は小さい(比が1に近い)方が好ましいのは言うまで
もない。もちろん、入力電圧をそれぞれのゲート容量と
の積が等しくなるよう調整できるのであれば、コンダク
タンスの山を「high」の状態で出力できるわけであ
るので問題は無いのは言うまでもない。
【0021】上記の機能を、電圧出力とするためには、
たとえば、図3に示すように接地側に抵抗Rを取り付
け、コンダクタンスを電圧に変換し、出力(Vout )
として取り出せばよい。また、図4に示すように電圧供
給源側に抵抗Rを取り付け、コンダクタンスを電圧に変
換した場合は、コンダクタンスの「high」と「lo
w」が電圧では反転するので、EXNORゲートが実現
できることになる。ここでは、抵抗負荷にしているが、
MOSトランジスタ等を負荷にしても良いことは言うま
でもない。
【0022】ただし、ここで言う電圧出力は、必ずしも
入力電圧と等価の電圧を出力するわけてはない。例え
ば、金属などの比較的多数の電子が存在する島10(ク
ーロンブロッケイド島10)を用いたときには、Cg1
=Cg2=C0の条件を満たす場合を例にとって説明す
ると、コンダクタンス振動の周期はe/C0であり、ま
た、ゲート電圧V0=e/2C0であるが、ドレイン電
圧Vdは e/Ctotal =e/(2C0+Cs+Cd) より小さい必要がある。したがって、Vd<V0である
必要が生じる。
【0023】この範囲で、出力できる電圧を高く取れる
ようにするためにはゲート容量Cg1とCg2がCs,
Cdに比べて大きくするのが好ましいのは言うまでもな
い。この制約を外して、入力と出力の電圧レベルを一致
させるためには、たとえば、図2の矢印の始点をずらし
て、「low」時のコンダクタンスが多少上昇するのを
犠牲にして、図5に示すようにコンダクタンスの谷の底
から右にずれた位置で動作させれば、入力電圧V0をe
/2C0より小さくできるので、上記の制約を逃れてV
d=V0とすることができる。
【0024】上記の等価回路を有するクーロンブロッケ
イド現象を用いたEXORゲートま、ソースとドレイン
の電極に挟まれた小さな島10に、2個のゲート電極を
取り付ければ良いのは言うまでもないが、次に、この素
子を実際に簡単に実現する手法(製造方法)の第1の例
について述べる。図6(b)の断面図に示すようにシリ
コン酸化膜22の上に2次元シリコン層(上層単結晶シ
リコン)21が形成された、たとえば、SIMOXウエ
ハや貼り付けウエハなどのSOIウエハを用い、その薄
層化された2次元シリコン層21を図6のようにシリコ
ン細線部1の両端に細線取り付け部となる幅広部2,3
を有する構造に加工する。次に、このウエハを熱酸化す
ると、パターン形状に依存した酸化が生じ、細線部1の
両端部が細線部1や幅広部2,3より薄くなる現象が生
じる。この現象を用いると、その薄くなった部分をトン
ネル容量とし、シリコン細線部1を小さなシリコン島
(クーロンブロッケイド島10)に変えることができ
る。この手法により、両端の細線取り付け部(幅広部
2,3;電極として作用)にトンネル容量を介して接続
された、極めて小さなシリコン島10を自動的に形成す
ることができる。
【0025】次に、この細線部1にできた島10の上
に、2本のゲート電極4,5を図7の様に、2本とも細
線の上に重なるように形成する。このとき、細線部1を
島10に変換するために行った酸化の際に形成されたシ
リコン酸化膜をゲート絶縁膜に用いることもできるし、
この酸化膜の一部あるいは全部を除去した後に、熱酸化
やCVD法などによりシリコン酸化膜を形成しても良
い。細線部1とその両端の取り付け部2,3を細線部1
の中心に対して対称(線対称あるいは点対称;図7では
細線部1の中心に対して左右線対称かつ点対称)に作製
しておき、ゲート酸化膜厚も対称に形成(熱酸化あるい
はCVDで形成すれば自然に実現できる)し、2本の対
称なゲート電極4,5を、細線部1の中心に対して対称
な位置に配置すれば、自動的にそれぞれのゲート容量は
ほぼ等しくなる(図7では細線部1の中心に対して左右
線対称)。
【0026】もし、細線部1や取り付け部2,3の形状
を左右対称からずらすことが必要であれば、島10の形
状やその後の熱酸化でできる酸化膜厚の対称性が崩れる
ので、それを勘案して2つのゲートの位置を細線部1の
中央からずらせば良い。図7では2つのゲート電極4,
5を島10に対して左右に配置したが、もちろん、上下
に配置することも可能であることは言うまでもない。こ
の場合に、ゲート容量を等しくするために勘案しなけれ
ばならない対称性は、細線部1と取り付け部2,3、ゲ
ート電極4,5を含めて上下の対称性になる。上記の作
製法の例は、島10にゲートを2本同じ層に配置した場
合であるが、積層して配置することも可能である。
【0027】次に第2の例を図8を参照して説明する。
上記の手法で、細線部1にシリコン島10とその両端に
トンネル容量を作製した後、第1のゲート電極4を島1
0の直上にかかるように形成する。さらに、層間絶縁膜
24(ゲート絶縁膜)をCVDなどで形成(ゲート電極
4を多結晶シリコン等を用いて形成すれば、その熱酸化
膜で代用することもできる)後、その層間絶縁膜24上
のゲート電極4の直上に第2のゲート電極5を形成す
る。この構成で、第1のゲート電極4が島10の一部の
みを覆っているので有れば、その上に形成された第2の
ゲート電極5と島10の間にも容量結合ができる。ただ
し、第2のゲート電極5と島10との距離は第1のゲー
ト電極4と島10との距離より離れているので、島10
とそれぞれのゲート電極との容量をほぼ等くするために
は、第1のゲート電極4を小さくして、島10のほんの
一部のみを覆うようにし、第2のゲート電極5を大きく
作る必要がある。
【0028】次に、島10と各ゲート電極4,5との間
に仕事関数差があったり、島10の周囲のイオン化不純
物の影響等で、ゲート電圧が0Vのときに、コンダクタ
ンスが振動の谷にこない場合についての対処法について
述べる。このような場合には、図9の等価回路に示すよ
うに、もう一つ別のゲート電極13(島10との間の容
量が各ゲート電極4,5と異なる調整用ゲート電極)を
配置し、その電極13に印加する電圧を制御し、その他
のゲート電極4,5のゲート電圧が0Vでコンダクタン
スの谷になるようにすれば良い。
【0029】たとえば、図7の例では、SOIウエハの
基板シリコン23と細線部1に形成されたシリコン島1
0との間に容量結合ができるので、基板シリコン23を
もう一つのゲート電極として用い、これに正の電圧を印
加すれば、印加電圧Vbと島10との間の容量Cbの積
(Cb・Vb)分だけ、図2のコンダクタンス振動特性
が負側にシフトするので、Vbの値で調整できる。この
手法は、島10と各電極との間の仕事関数差等で、どの
島10に対しても均等に特性がシフトしているときに、
基板電位を変えることで同じ基板上の全ての素子に対し
て均等に特性をシフトさせることができるという利点が
ある。
【0030】その代わり、個別の素子毎にシフト量を変
えたい場合には適用できない。個別に変える必要が有る
場合には、図7の細線部1の上層に層間絶縁膜等を介し
て第3のゲート電極を形成するか、あるいは細線部1の
横(図7では細線部1の上側)に第3のゲート電極を形
成するなどして、そのゲートに印加する電圧で調整すれ
ば良い。この様な使い方を応用すると相補型のEXOR
ゲートが可能になる。その例を図10に示す。この場
合、調整用ゲートa,bに印加する電圧でそれぞれの単
電子デバイスのコンダクタンス振動の位相を90゜ずら
しておくことにより、一方の素子のコンダクタンスが
「high」のとき、もう一方が「low」にできるの
で、電圧入力、電圧出力のEXORゲートあるいはFX
NORゲートが実現できる。どちらにするかは、入力
,が双方とも0Vのとき、どちらの素子のコンダク
タンスを「low」にしておくかで決まるので、もちろ
ん調整用ゲートa,bに印加する電圧を切り替えれば、
EXORゲートとEXNORゲート論理を切り替えるこ
とができることになる。
【0031】上記の実施の形態では、2入力のEXOR
あるいはEXNORゲートこついて示したが、多入力の
ゲートも実現可能であるたとえば、3入力の素子の例を
図11に示す。この場合は、島10(クーロンブロッケ
イド島10)にゲート電極が3本取り付けてあり、それ
ぞれのゲートと島10との容量がほぼ等しく(Cg1≒
Cg2≒Cg3)設定する。この素子では、コンダクタ
ンス振動の周期の1周期半を用いることになり、入力の
ゲート電圧が奇数個「high」のときのみコンダクタ
ンスは「high」になり、偶数個の時は「low」に
なる。このような素子構造は、上記の実施の形態で示し
た作製手法を応用すれば容易に実現できる。
【0032】たとえば、図7に示した構造で2本平行に
並んでいるゲート電極4,5に、もう1本ゲート電極を
追加すれば良い。この場合は、3本のゲート容量を等し
くするためには、ゲートの構造を調整する必要が有る。
もちろん、図7の構造に、層間絶縁膜を形成後、その上
層に配置することなども可能である。このように、コン
ダクタンス振動がほぼ周期的に続く範囲内で有れば、そ
の周期の2倍の入力ゲートを有する多入力のEXORを
実現できることになる。ただし、ゲートの数を増やすと
島10のサイズを大きくする必要が生じ、総容量C
total が大きくなり、動作温度の上限が低下するという
問題もある。また、電圧出力動作をさせる場合には、ゲ
ート容量に対してトンネル容量(Cs,Cd)を小さく
しても、ドレイン・ソース間の電圧はe/Ctotal 以下
でなければならないことが要請されるので、多入力のゲ
ートEXORでは入力と出力の電圧レベルの差が大きく
なる。
【0033】したがって、このような電圧出力動作をさ
せるためには、コンダクタンスの「high」,「lo
w」を電圧出力に変換するデバイスを付加する必要があ
る。ただし、パリティチェック等に要請されるのは多入
力のEXORゲートであり、前にも述べたように、これ
をNAND回路で構成すると相当数のトランジスタが必
要となる。2入力EXORで多入力EXORを実現する
場合でも、たとえば4入力EXORを実現する場合には
3個必要になるというように、一般にn入力EXORゲ
ートを実現するためには(n−1)個の2入力EXOR
が必要になる。したがって、電圧出カへの変換素子を付
加したとしても、多入力のEXORゲートが1素子で作
製できるため利点は大きい。
【0034】このように、本論理素子は、トランジスタ
等を用いて構成した場合に多数個の素子を必要とするE
XORゲートを1素子で構成することを可能にするもの
である。これにより、回路を構成をする素子数を著しく
減らすことが可能となる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、E
XORゲートのデバイスを、クーロンブロッケイド島に
少なくとも2個のゲート電極を絶縁層を介して接続し、
かつ各々のゲート電極とクーロンブロッケイド島との間
の容量をほぼ等しくするような構成としたので、1個の
単電子素子でEXORゲートの機能を実現でき、したが
って従来のMOS型トランジスタや1ゲートの単電子ト
ランジスタを用いた構成と比べると素子数を著しく低減
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るクーロンブロッケイド型論理素
子の構成を示す回路図である。
【図2】 上記論理素子の機能動作を説明するための図
である。
【図3】 上記論理素子の第2の構成例を示す図であ
る。
【図4】 上記論理素子の第3の構成例を示す図であ
る。
【図5】 上記論理素子の第2の機能動作を説明するた
めの図である。
【図6】 上記論理素子の作製手法における第1段階を
示す図である。
【図7】 上記論理素子の作製手法における第2段階を
示す図である。
【図8】 上記論理素子の第2の作製手法を示す図であ
る。
【図9】 上記論理素子の第4の構成例を示す図であ
る。
【図10】 上記論理素子の第5の構成例を示す図であ
る。
【図11】 上記論理素子の第6の構成例を示す図であ
る。
【図12】 従来の2入力EXOR回路の回路図であ
る。
【図13】 単電子トランジスタの等価回路図である。
【図14】 単電子トランジスタによるNANDゲート
の等価回路図である。
【符号の説明】
1…細線部、2,3…取り付け部(幅広部)、4〜6…
ゲート電極、10…クーロンブロッケイド島、11…ド
レイン電極、12…ソース電極、13…調整用ゲート電
極、21…上層単結晶シリコン(2次元シリコン層)、
22…シリコン酸化膜、23…基板シリコン、24…層
間絶縁膜。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端にトンネル性容量を介し少なくとも
    2個の電極と接続されたクーロンブロッケイド島に、少
    なくとも2個のゲート電極が絶縁層を介し接続され、各
    々のゲート電極と前記クーロンブロッケイド島との間の
    容量はほぼ等しいことを特徴とするクーロンブロッケイ
    ド型論理素子。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記ゲート電極と前記クーロンブロッケイド島との間の
    容量と異なる容量を有するゲート電極を、前記絶縁層を
    介し該クーロンブロッケイド島に接続することを特徴と
    するクーロンブロッケイド型論理素子。
  3. 【請求項3】 シリコン酸化膜上に、細線部と,前記細
    線部の両端に設けられ該細線部より幅の広い取付部とが
    形成されるとともに前記細線部及び取付部が酸化された
    シリコン層を有し、前記細線部上に少なくとも2個のゲ
    ート電極が形成されることを特徴とするクーロンブロッ
    ケイド型論理素子。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記取付部は前記細線部の中心に対して点対称または線
    対称な形状を有して形成され、前記細線部には少なくと
    も2個のゲート電極が該細線部の中心に対して点対称ま
    たは線対称な形状を有して形成されることを特徴とする
    クーロンブロッケイド型論理素子。
  5. 【請求項5】 請求項3において、 前記細線部上に形成されたゲート電極上に絶縁膜を介し
    て少なくとも1個のゲート電極が形成されることを特徴
    とするクーロンブロッケイド型論理素子。
  6. 【請求項6】 シリコン酸化膜上に形成されたシリコン
    層に細線部を形成するとともに前記細線部の両端に該細
    線部より幅の広い取付部を形成する第1の工程と、前記
    細線部及び取付部を酸化する第2の工程と、第2の工程
    の終了後前記細線部上に少なくとも2個のゲート電極を
    形成する第3の工程とを有することを特徴とするクーロ
    ンブロッケイド型論理素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 シリコン酸化膜上に形成されたシリコン
    層に細線部を形成するとともに前記細線部の両端に該細
    線部より幅の広い取付部を形成する第1の工程と、前記
    細線部及び取付部を酸化する第2の工程と、第2の工程
    の終了後前記細線部上に第1のゲート電極を形成する第
    3の工程と、第3の工程の終了後前記前記第1のゲート
    電極を含む細線部上に層間絶縁膜を形成する第4の工程
    と、前記層間絶縁膜上に第2のゲート電極を形成する第
    5の工程を有することを特徴とするクーロンブロッケイ
    ド型論理素子の製造方法。
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