JP3922466B2 - 半導体論理素子 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は論理ゲート及びそれを用いた装置に関し、特に複数の論理ゲートを一論理素子で構成できる半導体論理素子およびそれを用いたマイクロプロセッサ、電子計算機等の装置に関する。
背景技術
コンピュータの中心部分であるマイクロプロセッサユニット(MPU)は多数の論理ゲートの組み合わせにより構成されている。各論理ゲートは複数のトランジスタ等によって構成され、例えば最も基本的な論理であるNORゲートを含む論理を作るためには、エミッタカップルドロジック(ECL)回路を用いた場合、第24図に示すように、13個のトランジスタと16個の受動素子(抵抗、ダイオード)が用いられる。ここで、Vccは電源端子、a、bは入力を表す。a・bは入力aと入力bのAND出力を、
Figure 0003922466
は入力aと入力bのNOR出力、
Figure 0003922466
はaのNOT出力である。
MPUの回路構成はメモリより規則性に乏しいため配線はより複雑で、多層配線技術等が必須となり、配線の遅延時間、寄生容量の対策等の高度な配線技術の必要性、論理設計の複雑化等がMPUの高速高性能化の妨げとなっている。またワークステーション、パーソナルコンピュータ等でグラフィカルユーザインターフェース(GUI)が高機能化するにつれMPUだけでなくビデオボード、バス等電子計算機の実効処理速度を左右するインターフェース制御部のデジタル回路も常に高速高性能化が求められている。これらの問題に対する有力なアプローチの一つは、素子を多機能化、具体的には一論理素子で一ゲートを構成することにより、MPU等のデジタル回路に必要な素子数を大幅に低減することである。素子の多機能化はデバイス単体としての性能向上をもたらすだけでなく、回路、MPU等電子計算機全体としての性能向上に寄与する。そのような多機能デバイスの試みの一つとして、量子効果を利用した共鳴トンネリング素子がある。ただし量子効果、共鳴トンネリング現象を用いたものは、電子集団の熱エネルギーが着目する量子準位、あるいは量子現象のエネルギースケールよりも充分小さくなければならず、液体ヘリウムないしは液体窒素冷媒等を用いた低温環境を必要とするため、室温動作は困難である。それに対して実空間遷移[アプライドフィジックスレターズ、35巻469ページ、1979年]やバンド間トンネリングを利用し室温での動作を目指したデバイスとして代表的なものにCHINT(電荷注入型トランジスタ)[アプライドフィジックスレターズ、57巻17号1787ページ、1990年]RSTLT(実空間遷移型論理トランジスタ)[アメリカ電気電子技術者協会トランザンクションオンエレクトロンデバイス、39巻10号2189ページ、1992年]ME−HBT(マルチエミッタヘテロ接合バイポーラトランジスタ)[エレクトロニクスレターズ、30巻5号459ページ、1994年]などが研究されている。第4図は実空間遷移を利用した半導体装置の動作原理を示したものである。基本構造はノンドープのGaAsからなるチャネル層10、ノンドープAlGaAsからなるバリア層30、高濃度n型GaAsからなるコレクタ層20、ソース電極510、ドレイン(ヒータ)電極520、高濃度n型GaAsからなるコンタクト層501、高濃度n型AlGaAsからなる電子供給層502、ならびにコレクタ電極530(図面中に番号を追加して下さい。)によって構成される。本デバイスの動作時には、コレクタ電極530をVccで正にバイアスする。その際の本構造のポテンシャルプロフィールは第5図に示されている。各層の電気陰性度の違いとバイアスVccのため、チャネル層10とコレクタ層20との間を隔てるバリア層30の実効的な厚さは高エネルギー側で薄くなり、トンネリング確率はチャネル内の電子のエネルギーに対し指数関数的に増加する。制御電極であるソース電極510とドレイン電極520との間に電位差が生じると、その電界によってチャネル層10内を電子がソース電極510側からドレイン電極520側に向かって走行する。チャネル長がある程度大きければ電子は不純物、フォノン等によって散乱を受け、電子集団の並進エネルギーは個々の電子のランダムな運動を反映した熱エネルギーへと変換されてゆく。また電界によって加速された電子は、エネルギー準位が高く、大きな状態密度をもつLバレイ、Xバレイへと遷移してゆく。そのため電子分布の中心は高エネルギー側へシフトしてゆき、走行時間に比べ短いトンネリング時間をもつエネルギー準位に達したものは、バリア層30を通過してコレクタ層20へ遷移(トンネリング)する。このチャネル層10からコレクタ層20への電子の移動は実空間遷移(RST)と呼ばれるものである。
なお、通常の動作電圧でこのトンネリングが生じるチャネルを以下トンネリングチャネルと呼ぶことにする。
この構造のデバイスは、制御電極であるソース電極510とドレイン電極520との間の電位差の有無によってコレクタ電流をオン、オフするスイッチング機構を持つ。そのスイッチング時間はバリア層30を電子が通過するトンネリング確率の逆数によって決定され、これは一般的に従来型の素子の遅延時間より短い。そのため高速動作が可能で、高周波用素子としての応用が研究されてきた。
一方RSTを利用した機能素子の研究も行われている。RST素子はチャネル内の電位ではなく電位差によって動作するため、元々XOR論理の機能を備えている。この性質を有効に活用し、少なくともNORゲートあるいはNANDゲートを実現できればメモリ、論理素子への応用が可能である。上で述べたCHINT、RSTLTおよびME−HBTは制御電極を3個としたことにより、NOR及びAND動作を示すことが原理的に示されている。
発明の開示
従来技術は基本的な論理ゲートであるNORゲートを一論理素子で実現したものである。NORゲートの組み合わせから任意の論理回路を構成することは可能であるが、一論理素子で任意の論理回路を実現することができれば、従来2〜6個の論理ゲートの組み合わせで構成していた論理回路を1個の論理素子で構成することにより、必要とされる論理素子数そのものを20〜50%に減らすことができる。つまり、単に論理ゲート内の素子数を低減する(能動素子および受動素子で約20素子であったものを一論理素子で置き換える)だけでなく、論理回路構成に必要とされる論理素子の数を低減する事ができればそれに比例した集積化、低消費電力化を実現できる。このように複数の論理動作が可能な論理素子を以下、多機能論理素子と呼ぶ。
さらに、多機能論理素子を用いることにより回路設計技術におけるエレメントノードが減少するのでプロセッサ回路設計のターンアラウンドタイムを1/2〜1/3にする等、論理ゲート、デジタル回路、それを用いたプロセッサおよびそれらを内蔵した電子計算機の開発、性能向上に大きく寄与する。しかし上述した一個で一論理動作をする従来の論理素子は、上面電極(ソース電極51とドレイン電極52)間の電位差が全て等しいかどうかを区別することしかできず、より多様な論理に拡張することが極めて困難である。そこで論理素子の内部状態を増加させる単純な方法が上記の目的を達成するため必要となる。
本発明の目的は、複数の論理素子の機能を有する半導体論理素子(多機能半導体論理素子)を提供することにある。
また本発明の他の目的は、多機能半導体論理素子を用いた装置を提供することにある。
上記目的は、高電位レベル又は低電位レベルの電圧がそれぞれ印加される少なくとも第1、第2及び第3の制御電極と、該第1、第2及び第3の制御電極への印加電圧に応じて高電位レベル又は低電位レベルの電圧を出力する1個の出力電極とを半導体基体上に有する半導体論理素子において、上記出力電極は、それぞれの制御電極への印加電圧により複数の論理動作に基づく電位レベルの電圧を出力するものであることを特徴とする半導体論理素子により達成される。
上記目的は、高電位レベル又は低電位レベルの電圧がそれぞれ印加される少なくとも第1、第2及び第3の制御電極と、該第1、第2及び第3の制御電極が電気的に接続された半導体層と、該第1、第2及び第3の制御電極への印加電圧に応じて高電位レベル又は低電位レベルの電圧を出力する1個の出力電極とを半導体基体上に有する半導体論理素子において、上記第1と第2の制御電極の間の上記半導体層内に、キャリアが上記出力電極へ移動する第1のチャネルと、上記第1と第3の制御電極との間の該半導体層内に、キャリアが実質的に該出力電極へ移動しない第2のチャネルとを有し、上記出力電極は、それぞれの制御電極への印加電圧により複数の論理動作に基づく電位レベルの電圧を出力するものであることを特徴とする半導体論理素子により達成される。
また上記目的は、第1の禁制帯幅を有する第1の半導体からなるコレクタ層2と、該コレクタ層2上に形成され、該第1の禁制帯幅よりも広い第2の禁制帯幅を有する第2の半導体からなるバリア層3と、該バリア層3上に形成され、該第2の禁制帯幅よりも狭い第3の禁制帯幅を有する第3の半導体からなるチャネル層1と、該チャネル層1上に形成され、該第3の禁制帯幅よりも広い第4の禁制帯幅を有する第4の半導体から成り、該チャネル層1にキャリアを供給するキャリア供給層502と、該チャネル層1に電気的に接続された少なくとも第1、第2、及び第3の制御電極51、53、52と、該コレクタ層2に電気的に接続された出力電極500とを有し、上記第1と上記第2の制御電極の間には、該電極間を移動するキャリアが上記バリア層3を実空間遷移して上記コレクタ層2に移動する第1のチャネル13(トンネリングチャネル)が設けられ、上記第1と上記第3の制御電極の間には、該電極間を移動するキャリアが実質的に上記バリア層3を実空間遷移しない第2のチャネル11(以下、非トンネリングチャネルと呼ぶ。)が設けられていることを特徴とする半導体論理素子により達成される(第1図、第2図)。
なお、第3電極52と第2電極53との間のチャネル12はトンネリングチャネルでも非トンネリングチャネルでもどちらでも良い。
また、上記他の目的は、上記半導体論理素子を用いたMPUや電子計算機等の装置により達成される。
第1図及び第2図に示した半導体論理素子を例にとって本発明に係る多機能半導体論理素子を説明する。ここで、1はチャネルとなる半導体層でここではノンドープのGaAs層、3はノンドープのAlGaAsからなるバリア層、500はコレクタ電極、501はコンタクト層、502はキャリア供給層(ここでは電子供給層)である。
チャネルとなる半導体層1からコレクタ層2へのトンネリングは、電界によって加速された電子が各種の散乱機構により高エネルギーでかつ状態密度の大きな準位に遷移するため引き起こされるものである。従ってそれを抑制するには、電子が散乱を殆ど受けないバリスティック走行させるのが一つの有力な方法である。チャネルのポテンシャルプロファイルとバンド構造を適切に選べば、あるチャネルがバリスティックチャネルか否かはチャネル長に依存する。従って本発明の要件を満たす最も簡単な構成の一例は第2図に示すように、各チャネル長の間の関係が、
12<Rb<R23、R31 (Rb:バリスティック走行距離)
である。ここで、R12は制御電極51と制御電極52との間のチャネル長、R23は制御電極52と制御電極53との間のチャネル長、R31は制御電極53と制御電極51との間のチャネル長を表す。Rbは、チャネル長やチャネルとなる半導体層1、コレクタ層2、バリア層3の物質定数等に依存する。各層1、2、3にGaAs系化合物半導体を用いた場合にはRbは20〜500nmの範囲となる。
このようにバリスティック効果を応用すれば、キャリアは、コレクタ層2へのトンネリングを全くあるいは殆ど伴わずチャネル内を移動することができる。
バリア層3がチャネルとなる半導体層1より伝導帯の最底準位が高い、または価電子帯の最高準位が低い、またはその両者の特徴を備え、かつ不純物濃度がコレクタ層2より低くなるような半導体からなる構成にした場合は、半導体層1から見たバリア層3のバリア高さが低いこと、ならびにバリア層3中の電子移動度が高いことからバリア層3が絶縁体層からなる場合に比べて、制御電極に印可される電位差がより低くてもスイッチング動作できるようになる。またバリア層3の半導体層としてAlGaAS、InGaAs等の混晶を用いれば、チャネルとなる半導体層1から見たバリア層3のバリア高さを原子組成を変えることによって変更することができる。従ってその原子組成を所定のものとすることにより、多機能半導体論理素子のしきい値電圧を制御できる。このことは動作電圧、消費電力の逓減に寄与する。
またトンネリング確率の特に小さい部分をチャネル11とコレクタ層2との間に設けること、例えば電気陰性度が大きい部分をチャネル11とコレクタ層2との間に設けることにより、チャネル11からコレクタ層2へのトンネリングを抑制できる。この場合には、制御電極間の距離は互いに等しくてもよく、従って短いチャネル長を得るために電子線描画法を用いた微細加工技術の代わりにより安価なプロセス(光リソグラフィ技術等)を用いることが可能となる。
またキャリアの散乱確率は、半導体の材質、不純物濃度によって変化するため、バリスティック走行距離はこれらに依存する。そこでチャネル11の材質、不純物濃度を他のチャネルと変えることによりバリスティック走行距離を変化させることができる。不純物濃度が低いほどバリステック走行距離は長くなる。この場合にも、各制御電極間の距離を等しくすることができる。これにより、パターン形成用のマスクを作成しなおすことなく、非トンネリングチャネルの位置を変更することが可能となり、回路設計と製造に柔軟性を与える。またチャネル層1の材質を変更することにより、チャネル層1からコレクタ層2へのトンネリングの電位依存性を制御することができ、所定のスイッチング特性を得ることができる。
本発明に基づくデバイスをInGaAs混晶を用いて構成する場合、バリア層3の禁制帯幅がチャネル層1やコレクタ層2より大きくなるようIn組成のより大きな混晶を用いる。半導体材料としてInGaAsを用いた場合は、この物質の持つ高い移動度により更なる高速動作が期待できる。本発明に係る論理素子の構成材料としてSiおよびSiGe混晶を用いた場合は、GaAs系化合物半導体の加工技術より安価かつ安易な加工技術よりICを得ることができる。AlGaAsを用いたときは、Si結晶より高速でかつInGaAs結晶より安価にデバイスを作ることができる。
さて、第1図及び第2図に示した構成において、第3制御電極52から非トンネリングチャネル11を通って第1制御電極51、且つトンネリングチャネル12を通って第2制御電極53の両者へキャリアが流れるような電位を各電極に印加した場合には、トンネリングチャネル12にキャリアが流れてもバリア層3を通ってコレクタ層2へはキャリアがトンネリングしないことがわかった。
また、上記構成において、第1制御電極51から非トンネリングチャネル11を通って第3制御電極52、且つトンネリングチャネル13を通って第2制御電極53の両者へキャリアが流れるような電位を各電極に印加した場合には、トンネリングチャネル13にキャリアが流れてもバリア層3を通ってコレクタ層2へはキャリアがトンネリングしないことがわかった。
即ち、キャリアのコレクタ層へのトンネリングが生じるトンネリングチャネルとキャリアのトンネリングが生じない非トンネリングチャネルに接続された電極からキャリアがそれぞれのチャネルに同時に流れだす電位条件では、トンネリングチャネルにおいてもキャリアのトンネリングが生じないことがわかった。
この現象は電流の流れる方向ではなく、キャリアの流れる方向に依存する。従って、電子では電流とは逆向きとなる。
なお、キャリアが制御電極からトンネリングチャネルのみに流れる場合には、コレクタ層へのキャリアのトンネリングが生じることは言うまでもない。
以下第1、第2及び第3の制御電極にそれぞれ高(High)、低(Low)二種類の電位が印可された場合のコレクタ電極500からの出力について述べる。なお、ここではキャリアを電子として取り扱うが、電子に限定されるものではなく、正孔でもよい。
上記3つの制御電極が全て同電位の時は、全べてのチャネルに電流が流れず、コレクタ層2への電子のトンネリング移動が生じないためコレクタ電極500の電位はHighとなる。
一つの電極、例えば第1制御電極51の電位がLowで、他が全てHighとなった場合、第1制御電極51からの電子は、非トンネリングチャネル11とトンネリングチャネル13の両者へ同時に流れ出る。この場合には上述したように電子はトンネリングチャネル13を移動中にバリア層3をトンネルせずコレクタ電極500からの出力はHighとなる。
一方、第1制御電極51と第2制御電極53がLowで第3制御電極52がHighの場合には、電子は、非トンネリングチャネル11を通って第1制御電極51から第3制御電極52へ、またトンネリングチャネル12を通って第2制御電極から第3制御電極へ流れる。このときトンネリングチャネル12を流れる電子はコレクタ層2へトンネリングするためコレクタ電極500の出力はLowになる。
第1制御電極51と第3制御電極52がLowで第2制御電極53がHighの場合には、トンネリングチャネル12及び13に電子が流れる。これらの電子はそれぞれコレクタ層2へトンネリングするためコレクタ電極500の出力はLowになる。
第2制御電極53と第3制御電極52がLowで第1制御電極51がHighの場合には、電子は、非トンネリングチャネル11を通って第3制御電極52から第1制御電極51へ、またトンネリングチャネル13を通って第2制御電極から第1制御電極へ流れる。このときトンネリングチャネル13を流れる電子はコレクタ層2へトンネリングするためコレクタ電極500の出力はLowになる。
各制御電極とコレクタ電極500の電位の関係を第3図の真理表に示す。第2制御電極53の電位のLow、Highによって、第1制御電極51と第3制御電極52の入力に対しそれぞれNOR、ORの動作を示すことがわかる。従来技術においてはこれら2つの内部状態を識別することが不可能であった。
第6図及び第7図にNOR又はNANDを含む5種類の論理機能を持ち、且つ計算中に論理の変更が可能な多機能半導体論理素子を示す。この多機能半導体論理素子は、半導体層1に半導体層501を介して(直接でも良い)接続された4個の制御電極51、52、53、54及び1個の非トンネリングチャネル11と4個のトンネリングチャネル12、13、14、15とを有する。各制御電極の入力に対しコレクタ電極500の出力は第8図〜第11図の様になる。この図からわかるように素子構造を変えることなく電極の電位あるいは配線の変更のみでNOR/OR/AND/EXNOR/NOT/throughの論理動作の切り替えが可能である。このことはIC製作において、デバイス基板およびコンタクト形成までのプロセスの回路設計に対する依存性を減らし、プロセッサICの製作に標準化基板の導入を可能とする。
またコレクタ層2が制御電極と同じ側にある構成を有する多機能半導体論理素子を第12図ならびに第13図に示す。半導体層1からコレクタ層2へのトンネリングは、半導体層1とコレクタ層2の上下に依らないので、この構造も同様の動作を示す。ただし本構造においてはコレクタ層2へのコンタクトを基板下側に取る必要がないため、隣接する多機能半導体論理素子の間の絶縁分離が容易であり集積化にはより適している。またコレクタ層2が上面にあれば所定の平面構造とすることが容易であり、例えばトンネリングを抑制したい領域ではコレクタ層2を設けない等の手段により、コレクタ層2へのキャリア移動を伴わずにキャリアが移動できるという本発明の必要条件の一つを満たすことができる。なお、50は基板(例えば、半絶縁性GaAs基板)である。
本発明に係る多機能半導体論理素子は1個でNOR/OR/AND/EXNOR/NOTの機能を持つことができるため、これを用いた回路は、例えばECL回路(能動素子8〜10受動素子10〜15)の1/15〜1/20程度の素子数でそれと等価な機能を持つ。このような回路の素子数逓減はセルの面積、消費電力、セル内配線の遅延時間の減少をもたらす。
同様に本発明に係る多機能半導体論理素子を用いた集積回路装置は、論理ゲートの面積が従来の1/10以下であるため、高集積化が可能である。またより少ない論理ゲート数で任意の論理を構成できるため、IC設計、配線、レイアウトがより簡単に行える。このことは、配線およびレイアウトに規則性の乏しいプロセッサICに対してはより重要である。またチャネルとなる半導体層1の伝導型をp型とした場合には、NOTゲートを余分に用いることなくコンプリメンタリな出力を持つ論理ゲートを構成することができ、論理ゲートの削減、回路の単純化により有効である。一例として、半導体層1の伝導型がn型の多機能半導体論理素子のみを用いて構成したNAND機能を有する回路図を第23図(a)に、半導体層1の伝導型がp型の多機能半導体論理素子を用いて構成したNAND機能を有する回路図を第23図(b)に示す。半導体層1がp型の場合には素子数を低減できることがわかる。
更に本発明に係る論理素子は元々高周波用素子であるため、論理素子単体としても高速なスイッチング特性をもち、またこれを用いて論理回路を構成すると配線の総延長を1/10以下にできるため、遅延時間を短縮して高速動作が可能である。従って本発明に係る論理素子を内蔵した電子計算機は高速処理に適している。
これまではキャリアを電子として説明したが、正孔の場合でも電位、電荷の対称性により上述の議論が成り立つ。
またコレクタ層2へのキャリアの移動はチャネルとなる半導体層1内の電位差により行われればよいため、実空間遷移(トンネリング)に限定されない。
本発明によれば、半導体論理素子を多機能化することができる。具体的には単一の論理素子に多様な論理機能を持たせることができる。
その結果プロセッサ用ICに必要な素子数を低減し、プロセッサ開発技術のボトルネックである配線の総延長の短縮、ならびに回路設計を容易化することによって高速高性能なプロセッサを実現する手段を提供することができる。
またそれに用いる半導体論理素子は、高速動作素子であるRST素子が母体となっているため、高速化には更に有利である。
本発明に係る多機能半導体論理素子を用いることにより、NOR論理とOR論理の両者を含む多種類の論理動作を1個の半導体論理素子で実現できる。さらに、NOR論理とAND論理の2つを1個の半導体論理素子で実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明に係る半導体論理素子の断面図及び平面図、第3図は第1図及び第2図で示した半導体論理素子の論理動作を示す真理表、第4図は従来の実空間遷移素子の断面図、第5図は第4図で示したA−A’断面のポテンシャル図、第6図及び第7図は本発明に係る他の半導体論理素子の断面図及び平面図、第8図、第9図、第10図及び第11図は第6図及び第7図で示した半導体論理素子の論理動作を表わした真理表、第12図及び第13図は他の半導体論理素子の断面図及び平面図、第14図は第6図及び第7図に示した半導体論理素子の回路図、第15図は本発明に係る半導体論理素子を用いて構成した、制御入力CのLow/HighによってNOR/OR論理の回路図、第16図は本発明に係る半導体論理素子を用いて構成した、AND論理の回路図、第17図は本発明に係る半導体論理素子を用いて構成した、EXNOR論理の回路図、第18図は本発明に係る半導体論理素子を用いて構成した、CのLow/HighによってNOT/through論理の回路図、第19図は互いに反対の伝導型を有する半導体層をチャネルとする1組の半導体論理素子をコンプリメンタリに組み合わせて構成したNOR/OR論理の回路図、第20図は本発明に係る半導体論理素子を複数個用いて構成した全加算器の回路図、第21図は本発明に係る半導体論理素子を用いて構成したRSフリップフロップ回路図、第22図は本発明に係る半導体論理素子を用いたプロセッサ及び電子計算機の概略図、第23図(a)はチャネルとなる半導体の伝導型をn型として本発明に係る半導体論理素子を用いてNAND論理を構成した時の回路図、第23図(b)はチャネルとなる半導体の伝導型をp型として本発明に係る半導体論理素子を用いてNAND論理を構成した時の回路図、第24図はトランジスタやダイオードを用いたECL回路により構成した従来のNOR論理の回路図である。
発明を実施するための最良の形態
第6図及び第7図に示した多機能半導体論理素子を用いて本発明の実施例を説明する。本多機能半導体論理素子は、4個の制御電極51〜54を有する。制御電極51と52との間がバリスティックチャネル11である。ここでチャネルとなる半導体層1はノンドープGaAsを、コレクタ層2はn型不純物が1×1019/cm3のGaAsを、バリア層3はAlxGa1-xAs(x=0.3)の半導体混晶を用いて形成した。ここで4はn型不純物が1×1018/cm3のGaAs層で、チャネルへの電子供給層としての働きを持つ。ここではコレクタ電極500を正の電位にバイアスし、負荷によってコレクタ電流の変化を電圧に変換している。本構造における非バリスティックチャネル領域のポテンシャルプロフィールは第5図に示すようになる。制御電極51と制御電極52との間のチャネル長は50nmであり、制御電極51(あるいは52)と制御電極53(あるいは54)との間のチャネル長は500nmとした。
次に、本多機能論理素子の製造方法について述べる。
コレクタ層2となるn型GaAs(不純物濃度:1×1019/cm3)基板上に厚さ200nmのノンドープAl0.3Ga0.7As混晶からなるバリア層3、厚さ50nmのノンドープGaAsからなる半導体層1、厚さ10nmのn型GaAs(不純物濃度:1×1018/cm3)からなる電子供給層4を周知の分子線エピタキシャル法により順次成長させる。次に、周知の電子線描画法を用いてパターニングされたレジスト膜をマスクにして、コンタクト層を形成する領域の半導体層1を除去する。続いて、有機金属気相成長法(MOCVD法)を用いて不純物濃度が1×1019/cm3の高濃度n型GaAsからなるコンタクト層501を選択的に成長し、その上にAu/Mo/AuZnの積層膜から成る制御電極51、52、53、54をコンタクト層501上に形成する。なお、コレクタ層となる半導体層の厚さは100nm以上であることが望ましい。
以下この半導体論理素子の動作を説明する。ここで制御電極に印可される電圧をHigh、Lowと呼ぶ。
(1)制御電極53と制御電極54をHighとし、制御電極51と制御電極52の両電極をLowにした場合、電子はチャネル12、チャネル13、チャネル14、チャネル15を制御電極51及び制御電極52から制御電極53及び制御電極54に向けてそれぞれ走行する。これらのチャネルはバリスティック走行距離より長く設定されているため、電子はコレクタ層2内にトンネリングする。この電子のトンネリング移動に伴うコレクタ電流により半導体論理素子のコレクタ電極500の電位が低下し、出力はLowとなる。
制御電極53と制御電極54をHighとし、制御電極51と制御電極52の両電極ともHighの場合、制御電極が全て同電位となり、電子はチャネルを流れず、コレクタ電極500の電位はHighとなる。
制御電極53と制御電極54をHighとし、制御電極51はHigh、制御電極52はLowの場合、電子は制御電極52を起点として非トンネリングチャネル11、トンネリングチャネル12、トンネリングチャネル15を同時に流れる。この場合には、トンネリングチャネルでもコレクタ層2への電子のトンネルは生じないため、コレクタ電極500の電位はHighとなる。
制御電極53と制御電極54をHighとし、制御電極51がLow、制御電極52はHighの場合も、コレクタ電極500の電位はHighとなる。
以上示したように、制御電極53及び制御電極54にHighを印加した場合、制御電極51と制御電極52への入力に対して本半導体論理素子は正論理でOR動作を示す(第8図)。
(2)制御電極53と制御電極54をLowとし、制御電極51と制御電極52の両電極ともLowの場合、制御電極が全て同電位となり、電子はチャネルを流れず、コレクタ電極500の電位はHighとなる。
制御電極53と制御電極54をLowとし、制御電極51と制御電極52の両電極ともHighの場合、電子はトンネリングチャネル12、トンネリングチャネル13、トンネリングチャネル14、トンネリングチャネル15を制御電極53及び制御電極54から制御電極51及び制御電極52に向けてそれぞれ走行する。これらのチャネルを流れる電子はコレクタ層2へトンネリングするためコレクタ電極500の電位はLowとなる。
制御電極53と制御電極54をLowとし、制御電極51はHigh、制御電極52がLowの場合、電子注入の起点は制御電極52、制御電極53、制御電極54である。従ってトンネリングチャネル13及びトンネリングチャネル14を流れる電子はコレクタ層2へトンネリングしコレクタ電極500の出力はLowとなる。
制御電極53と制御電極54をLowとし、制御電極51がLow、制御電極52がHighの場合、電子注入の起点は制御電極51、制御電極53、制御電極54である。従って電子は、トンネリングチャネル12及びトンネリングチャネル15を流れ、コレクタ層2へトンネリングするためコレクタ電極500の出力はLowになる。
以上示したように、制御電極53と制御電極54をLowにし、制御電極51と制御電極52への入力に対して本半導体論理素子は正論理でNOR動作を示す(第8図)。
(3)制御電極51と制御電極52をHighとし、制御電極53と制御電極54がLowの場合、電子注入の起点は制御電極53と制御電極54である。従って電子は、トンネリングチャネル12、トンネリングチャネル13、トンネリングチャネル14及びトンネリングチャネル15を流れ、コレクタ層2へトンネリングするためコレクタ電極500の出力はLowになる。
制御電極51と制御電極52をHighとし、制御電極53と制御電極54もHighの場合、制御電極が全て同電位となり、電子はチャネルを流れず、コレクタ電極500の電位はHighとなる。
制御電極51と制御電極52をHighとし、制御電極53はHigh、制御電極54がLowの場合、電子注入の起点は制御電極54である。従って電子は、トンネリングチャネル14及びトンネリングチャネル15を走行するため、コレクタ層2へトンネリングし、コレクタ電極500の出力はLowになる。
制御電極51と制御電極52をHighとし、制御電極53がLow、制御電極54はHighの場合、電子の注入起点は制御電極53である。従って電子は、トンネリングチャネル12及びトンネリングチャネル13を走行するため、コレクタ層2へトンネリングし、コレクタ電極500の出力はLowになる。
以上示したように、制御電極51と制御電極52をHighとし、制御電極53と制御電極54への入力に対して本半導体論理素子は正論理でAND動作を示す(第9図)。
(4)制御電極52と制御電極54をLowとした場合、第8図及び第9図を参照すると、制御電極51と制御電極53への入力に対して本半導体論理素子は第10図に示すようにEXNOR動作を示す。
またこのとき、制御電極51を入力電極とみなせばNOT及びthrough(ダミー)動作を示す(第11図)。
このように制御電極を4個備えた本半導体論理素子は5種類の論理動作が可能であり、それぞれNOR/ORとNOT/through計算途中で切り替え可能である。またキャリアは電子であると仮定したが、ホールであっても動作原理は同様である。ただしその場合、たとえばチャネルとなる半導体層1としてP型半導体を用いると、コレクタ層2に遷移するキャリアの電荷の符号が逆転するため出力電位もそれぞれの場合で反転し、OR/NOR/NAND/EXOR/through/NOTの動作となる。
本半導体論理素子の回路記号を第14図のように表わすと、NOR/OR/AND/EXNOR/NOT/throughの回路図はそれぞれ第15図〜第18図のようになる。第15図〜第18図における端子Cは制御端子、Vccは電源端子を表わす。
第8図〜第11図の真理表からわかるように、第15図の回路は制御端子CのLow/HighによってNOR/OR動作を示し、第16図の回路はAND、第17図の回路はEXNOR、第18図はCのLow/HighによってNOT/throughである。本発明の別の実施例として、本デバイスをコンプリメンタリになるように回路を構成し、出力の負荷を除いたものが第19図である。出力電流はLowのとき吸い込み(sink)電流、そしてHighのときはホールドではなく流し出し(source)電流となる。これにより消費電力を増加させることなく出力側の駆動電力を増加することができ、ファンアウト(駆動可能段数)を増大できる。第19図に示した半導体論理素子を2個用いたコンプリメンタリに動作するデバイスは、互いに異なる伝導型を持つ半導体をチャネルになる半導体層1に用いたものである。
第20図には本半導体論理素子を複数個用いて構成した、演算ユニットの基礎である全加算器を示す。ECLを用いた従来技術では180個の能動および受動素子を必要とするが、ここでは14個の半導体論理素子からなっている。このため、面積を従来の1/10にすることができた。
また本回路は制御信号CのLow/Highによりそれぞれ半加算器の加数の入力を反転することができる。そのため全加算器と全減算器の切り替えが可能である。これにより従来技術で減算の際必要とされていた補数回路(ECLでは約80個の能動及び受動素子からなる)が不要となる。これは本発明に基づくデバイスの論理機能と計算途中での論理切替機能により可能となったものである。このように本発明に基づくデバイスを用いて回路を構成すれば、特定の機能を実現する際に論理ゲート、回路そのものの数を逓減できる。回路についてのもう一つの実施例として、これまでに挙げた組み合わせ論理回路に対し順序論理回路の基本回路としてフリップフロップを示す。第21図は最も基本的なフリップフロップであるRS−FF(リセット=セットフリップフロップ)を本発明に基づくデバイスを用いて構成したものである。
_RS−FFは、セット入力Sとリセット入力Rの2入力に対し、QQという互いに補数の関係にある出力をもつフリップフロップであり、セット入力SがHighのとき出力QがHighにセットされ、リセット入力RがHighのとき、出力QがLowにリセットされる。セット入力、リセット入力の両者がLowのときは出力Qは前の状態を保持する。なお、セット入力、リセット入力の両者がHighのときは出力Qは不定となるので、これは禁則状態である。
ECLを用いてこのRS−FFを構成するには、能動素子と受動素子が合計で約40個必要であるが、本発明に係る多機能半導体論理素子を使えば4個で構成できる。
第22図は本発明によるデバイスをMPUに適用したときの例である。MPUは演算ユニット、レジスタ、デコーダ、カウンタ等から構成される。デコーダと演算ユニットは専ら組み合わせ論理回路からなる。演算ユニットは四則演算等を行うが、第21図のような加算器があれば、ビットシフトによって他の演算が可能である。レジスタ、カウンタには順序論理回路であるフリップフロップが用いられる。従って本発明に基づくデバイスを用いた回路でMPUを構成でき、それは上に示すように1/10程度の素子数である。そのため、素子単体のスイッチング時間が短いこともあわせて製造プロセスを簡易化しつつ高速動作が可能となる。
また第22図は本発明によるデバイスを用いて電子計算機を構成した例も示している。本デバイス、及びその回路を各部分に用いることにより高速化を実現できる。この中でCPUと共に重要な部分はグラフィックアクセラレータ等のインターフェース制御部である。ワークステーション、パーソナルコンピュータ等でGUIが高機能化するにつれ描画処理部分等の実行速度が電子計算機の実効処理速度を律速することになる。従って本発明に基づく高速動作に適したデバイス及び回路をMPUのみでなく、インターフェース制御部にも用いることにより電子計算機の内部構造の複雑化を招くことなく、実効処理速度を向上できる。
産業上の利用可能性
以上示したように、本発明に係る多機能半導体論理素子は1個で複数の論理ゲートを構成できる。これにより、論理回路に必要とされる素子の数を大幅に低減でき、デジタル回路の配線の総延長を短縮でき、更に回路設計を容易に行うことができる。従って、上記多機能半導体素子は論理回路、マイクロプロセッサ、電子計算機等のデジタル回路を含む装置での応用に適している。

Claims (12)

  1. 第1の禁制帯幅を有する第1の半導体からなるコレクタ層と、
    該コレクタ層上に形成され、該第1の禁制帯幅よりも広い第2の禁制帯幅を有する第2の半導体からなるバリア層と、
    該バリア層上に形成され、該第2の禁制帯幅よりも狭い第3の禁制帯幅を有する第3の半導体からなるチャネル層と、
    該チャネル層上に形成され、該第3の禁制帯幅よりも広い第4の禁制帯幅を有する第4の半導体層から成り、該チャネル層にキャリアを供給するキャリア供給層と、
    該チャネル層に電気的に接続された少なくとも第1、第2、及び第3の制御電極と、
    該コレクタ層に電気的に接続された出力電極とを有し、上記第1と上記第2の制御電極の間には、該電極間を移動するキャリアが上記バリア層を実空間遷移して上記コレクタ層に移動する第1のチャネルが設けられ、上記第1と上記第3の制御電極の間には、該電極間を移動するキャリアが上記バリア層を実空間遷移して上記コレクタ層に移動するキャリアの量が上記第1のチャネルにおけるよりも少ない第2のチャネルが設けられていることを特徴とする半導体論理素子。
  2. 基体と、
    該基体上に形成され、第1の禁制帯幅を有する第1の半導体から成り、チャネル層にキャリアを供給するキャリア供給層と、
    該キャリア供給層の上に形成され、該第1の禁制帯幅よりも狭い第2の禁止帯幅を有する第2の半導体からなるチャネル層と、
    該チャネル層上に形成され、該第2の禁止帯幅よりも広い第3の禁止帯幅を有する第3の半導体からなるバリア層と、
    該バリア層上に形成され、該第3の禁止帯幅よりも狭い第4の禁止帯幅を有する第4の半導体からなるコレクタ層と、
    該チャネル層に電気的に接続された少なくとも第1、第2、及び第3の制御電極と、
    該コレクタ層に電気的に接続された出力電極とを有し、
    上記第1と上記第2の制御電極の間には、該電極間を移動するキャリアが上記バリア層を実空間遷移して上記コレクタ層に移動する第1のチャネルが設けられ、
    上記第1と上記第3の制御電極の間には、該電極間を移動するキャリアが上記バリア層を実空間遷移して上記コレクタ層に移動するキャリアの量が上記第1のチャネルにおけるよりも少ない第2のチャネルが設けられていることを特徴とする半導体論理素子。
  3. 第1の禁制帯幅を有する第1の半導体からなるコレクタ層と、
    該コレクタ層上に形成され、該第1の禁制帯幅よりも広い第2の禁制帯幅を有する第2の半導体からなるバリア層と、
    該バリア層上に形成され、該第2の禁制帯幅よりも狭い第3の禁制帯幅を有する第3の半導体からなるチャネル層と、
    該チャネル層上に形成され、該第3の禁制帯幅よりも広い第4の禁制帯幅を有する第4の半導体層から成り、該チャネル層にキャリアを供給するキャリア供給層と、
    該チャネル層に電気的に接続された少なくとも第1、第2、及び第3の制御電極と、
    該コレクタ層に電気的に接続された出力電極とを有し、
    上記第1と上記第2の制御電極の間には、第1のチャネル長を有する第1のチャネルが設けられ、
    上記第1と上記第3の制御電極の間には、該第1のチャネル長よりも短い第2のチャネル長を有する第2のチャネルが設けられていることを特徴とする半導体論理素子。
  4. 上記第1のチャネル長は上記チャネル層内におけるキャリアのバリスティック走行距離Rb以上であり、上記第2のチャネル長はRb未満であることを特徴とする請求項記載の半導体論理素子。
  5. 基体と、
    該基体上に形成され、第1の禁制帯幅を有する第1の半導体から成り、チャネル層にキャリアを供給するキャリア供給層と、
    該キャリア供給層の上に形成され、該第1の禁制帯幅よりも狭い第2の禁止帯幅を有する第2の半導体からなるチャネル層と、
    該チャネル層上に形成され、該第2の禁止帯幅よりも広い第3の禁止帯幅を有する第3の半導体からなるバリア層と、
    該バリア層上に形成され、該第3の禁止帯幅よりも狭い第4の禁止帯幅を有する第4の半導体からなるコレクタ層と、
    該チャネル層に電気的に接続された少なくとも第1、第2、及び第3の制御電極と、
    該コレクタ層に電気的に接続された出力電極とを有し、
    上記第1と上記第2の制御電極の間には、第1のチャネル長を有する第1のチャネルが設けられ、
    上記第1と上記第3の制御電極の間には、該第1のチャネル長よりも短い第2のチャネル長を有する第2のチャネルが設けられていることを特徴とする半導体論理素子。
  6. 上記第1のチャネル長は上記チャネル層内におけるキャリアのバリスティック走行距離Rb以上であり、上記第2のチャネル長はRb未満であることを特徴とする請求項5記載の半導体論理素子。
  7. 第1の禁制帯幅を有する第1の半導体からなるコレクタ層と、
    該コレクタ層上に形成され、該第1の禁制帯幅よりも広い第2の禁制帯幅を有する第2の半導体からなるバリア層と、
    該バリア層上に形成され、該第2の禁制帯幅よりも狭い第3の禁制帯幅を有する第3の半導体からなるチャネル層と、
    該チャネル層上に形成され、該第3の禁制帯幅よりも広い第4の禁制帯幅を有する第4の半導体層から成り、該チャネル層にキャリアを供給するキャリア供給層と、
    該チャネル層に電気的に接続された少なくとも第1、第2、及び第3の制御電極と、
    該コレクタ層に電気的に接続された出力電極とを有し、
    上記第1と上記第2の制御電極の間には、第1の厚さを有する上記バリア層上に第1のチャネルが設けられ、
    上記第1と上記第3の制御電極の間には、該第1の厚さよりも厚い上記バリア層上に第2のチャネルが設けられていることを特徴とする半導体論理素子。
  8. 基体と、
    該基体上に形成され、第1の禁制帯幅を有する第1の半導体から成り、チャネル層にキャリアを供給するキャリア供給層と、
    該キャリア供給層の上に形成され、該第1の禁制帯幅よりも狭い第2の禁止帯幅を有する第2の半導体からなるチャネル層と、
    該チャネル層上に形成され、該第2の禁止帯幅よりも広い第3の禁止帯幅を有する第3の半導体からなるバリア層と、
    該バリア層上に形成され、該第3の禁止帯幅よりも狭い第4の禁止帯幅を有する第4の半導体からなるコレクタ層と、
    該チャネル層に電気的に接続された少なくとも第1、第2、及び第3の制御電極と、
    該コレクタ層に電気的に接続された出力電極とを有し、
    上記第1と上記第2の制御電極の間には、第1の厚さを有する上記バリア層の下に第1のチャネルが設けられ、
    上記第1と上記第3の制御電極の間には、該第1の厚さよりも厚い上記バリア層の下に第2のチャネルが設けられていることを特徴とする半導体論理素子。
  9. 第1の禁制帯幅を有する第1の半導体からなるコレクタ層と、
    該コレクタ層上に形成され、該第1の禁制帯幅よりも広い第2の禁制帯幅を有する第2の半導体からなるバリア層と、
    該バリア層上に形成され、該第2の禁制帯幅よりも狭い第3の禁制帯幅を有する第3の半導体からなるチャネル層と、
    該チャネル層上に形成され、該第3の禁制帯幅よりも広い第4の禁制帯幅を有する第4の半導体層から成り、該チャネル層にキャリアを供給するキャリア供給層と、
    該チャネル層に電気的に接続された少なくとも第1、第2、及び第3の制御電極と、
    該コレクタ層に電気的に接続された出力電極とを有し、
    上記第1と上記第2の制御電極の間には、第1の電気陰性度を有する半導体からなる第1のチャネルが設けられ、
    上記第1と上記第3の制御電極の間には、該第1の電気陰性度よりも大きな第2の電気陰性度を有する半導体からなる第2のチャネルが設けられていることを特徴とする半導体論理素子。
  10. 基体と、
    該基体上に形成され、第1の禁制帯幅を有する第1の半導体から成り、チャネル層にキャリアを供給するキャリア供給層と、
    該キャリア供給層の上に形成され、該第1の禁制帯幅よりも狭い第2の禁止帯幅を有する第2の半導体からなるチャネル層と、
    該チャネル層上に形成され、該第2の禁止帯幅よりも広い第3の禁止帯幅を有する第3の半導体からなるバリア層と、
    該バリア層上に形成され、該第3の禁止帯幅よりも狭い第4の禁止帯幅を有する第4の半導体からなるコレクタ層と、
    該チャネル層に電気的に接続された少なくとも第1、第2、及び第3の制御電極と、
    該コレクタ層に電気的に接続された出力電極とを有し、
    上記第1と上記第2の制御電極の間には、第1の電気陰性度を有する半導体からなる第1のチャネルが設けられ、
    上記第1と上記第3の制御電極の間には、該第1の電気陰性度よりも大きな第2の電気陰性度を有する半導体からなる第2のチャネルが設けられていることを特徴とする半導体論理素子。
  11. 第1の禁制帯幅を有する第1の半導体からなるコレクタ層と、
    該コレクタ層上に形成され、該第1の禁制帯幅よりも広い第2の禁制帯幅を有する第2の半導体からなるバリア層と、
    該バリア層上に形成され、該第2の禁制帯幅よりも狭い第3の禁制帯幅を有する第3の半導体からなるチャネル層と、
    該チャネル層上に形成され、該第3の禁制帯幅よりも広い第4の禁制帯幅を有する第4の半導体層から成り、該チャネル層にキャリアを供給するキャリア供給層と、
    該チャネル層に電気的に接続された少なくとも第1、第2、及び第3の制御電極と、
    該コレクタ層に電気的に接続された出力電極とを有し、
    上記第1と上記第2の制御電極の間には、第1の不純物濃度を有する半導体からなる第1のチャネルが設けられ、
    上記第1と上記第3の制御電極の間には、該第1の不純物濃度より低い第2の不純物濃度を有する半導体からなる第2のチャネルが設けられていることを特徴とする半導体論理素子。
  12. 基体と、
    該基体上に形成され、第1の禁制帯幅を有する第1の半導体から成り、チャネル層にキャリアを供給するキャリア供給層と、
    該キャリア供給層の上に形成され、該第1の禁制帯幅よりも狭い第2の禁止帯幅を有する第2の半導体からなるチャネル層と、
    該チャネル層上に形成され、該第2の禁止帯幅よりも広い第3の禁止帯幅を有する第3の半導体からなるバリア層と、
    該バリア層上に形成され、該第3の禁止帯幅よりも狭い第4の禁止帯幅を有する第4の半導体からなるコレクタ層と、
    該チャネル層に電気的に接続された少なくとも第1、第2、及び第3の制御電極と、該コレクタ層に電気的に接続された出力電極とを有し、
    上記第1と上記第2の制御電極の間には、第1の不純物濃度を有する半導体からなる第1のチャネルが設けられ、
    上記第1と上記第3の制御電極の間には、該第1の不純物濃度より低い第2の不純物濃度を有する半導体からなる第2のチャネルが設けられていることを特徴とする半導体論理素子。
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