JPH11166624A - 等速自在継手 - Google Patents

等速自在継手

Info

Publication number
JPH11166624A
JPH11166624A JP26682998A JP26682998A JPH11166624A JP H11166624 A JPH11166624 A JP H11166624A JP 26682998 A JP26682998 A JP 26682998A JP 26682998 A JP26682998 A JP 26682998A JP H11166624 A JPH11166624 A JP H11166624A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boot
band
universal joint
constant velocity
velocity universal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP26682998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4127906B2 (ja
Inventor
Shinichi Takabe
真一 高部
Kenji Terada
健二 寺田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP26682998A priority Critical patent/JP4127906B2/ja
Publication of JPH11166624A publication Critical patent/JPH11166624A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4127906B2 publication Critical patent/JP4127906B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2031/00Other particular articles
    • B29L2031/703Bellows

Landscapes

  • Sealing Devices (AREA)
  • Diaphragms And Bellows (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 最大回転半径の縮小、コスト低減 【解決手段】 ブーツ固定部2aをブーツ取付部1a2
の外周面1a3に嵌挿し、凸部2a2を係合溝1a4に
適合させて両者を位置決めした状態で、バンド装着溝2
a3に嵌着したブーツバンド3をレバー部材3bの折返
しにより縮径させて、ブーツ固定部2aをブーツ取付部
1a2に締付ける。そうすると、ブーツバンド3の締付
力によって、ブーツ固定部2aが弾性変形を起こし、凸
部2a2が係合溝1a4側に変位し、突起部1a5がブ
ーツ固定部2aの内周面2a1に食い込む。この凸部2
a2と係合溝1a4との係合、突起部1a5の強固な食
い込みで、ブーツ固定部2aがブーツ取付部1a2に高
い抜け止め強度とシール性をもって固定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブーツ取付部に蛇
腹状の樹脂ブーツをブーツバンドで固定した固定構造を
有する等速自在継手に関する。
【0002】
【従来の技術】等速自在継手には、継手内部に封入され
たグリースの漏れ出し防止や継手内部への異物侵入防止
を目的として、ブーツが装着される。ブーツは、等速自
在継手の外側継手部材のブーツ取付部および軸部のブー
ツ取付部にそれぞれブーツバンドで締付け固定される。
この等速自在継手用ブーツとしては、クロロプレンゴム
(CR)等のゴム材料からなるゴムブーツと、樹脂材料
からなる樹脂ブーツが一般的であるが、近時では、耐回
転膨張性や耐久性等の面から樹脂ブーツが多く使用され
る傾向にある。
【0003】図14は、従来の蛇腹状の樹脂ブーツ12
を装着した等速自在継手11を示している。樹脂ブーツ
12は、蛇腹部12Cを挟んで大径側と小径側にそれぞ
れ円筒状のブーツ固定部12a、12bを備え、大径側
のブーツ固定部12aを外側継手部材11aのブーツ取
付部にブーツバンド13で締付固定され、小径側のブー
ツ固定部12bを軸部11eのブーツ取付部にブーツバ
ンド14で締め付け固定される。
【0004】樹脂ブーツは、ゴムブーツに比べて、材料
硬度が高く弾性に乏しいので、十分な固定強度とシール
性を確保するために、ブーツバンドとして、より大きな
締付力が得られるオメガ(Ω)形状のクランプ部を有す
る加締めタイプのバンド(オメガバンド)13、14を
使用するのが一般的である。これは、従来の樹脂ブーツ
では、ゴムブーツに使用されるいわゆるレバー式ブーツ
バンド(レバー部材を折返して締付けるタイプのバン
ド)のようなものでは、十分な締付力を得ることができ
なかったからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】オメガバンド13、1
4は、レバー式ブーツバンド等に比べ、大きな締付力を
得ることができる反面、クランプ部が外径側に突出した
形状であるため、最大回転半径が大きく、周辺部品との
干渉を避けるためのスペースを大きく取る必要がある
等、設計上不利な点がある。また、クランプ部が突出し
ているために異物(飛石等)と遭遇する機会が増加す
る。さらに、バンド自体の形状が複雑であり、肉厚およ
び幅もゴムブーツに使用されるブーツバンドよりも大き
なものが必要なことから、コスト的にも不利である。一
方、ブーツバンドの中には突出したクランプ部を有しな
いものもあるが、樹脂ブーツに適用した場合に、十分な
固定強度とシール性とを確保することが困難であった。
【0006】本発明は、突出したクランプ部がなく、か
つ、樹脂ブーツの十分な固定強度とシール性とを確保し
得る固定構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、樹脂ブーツの少なくとも一方のブーツ
固定部を締付けて等速自在継手のブーツ取付部に固定す
るためのブーツバンドとして、突出したクランプ部を有
しない、いわゆるレバー式ブーツバンドを用いた。すな
わち、ブーツバンドとして、帯状の金属材からなるバン
ド部材を輪状に湾曲させてその両端を掌合状態に結合す
ると共に、この掌合部の一方の外側面に、バンド部材よ
りも剛性の高い金属材からなるレバー部材を装着し、レ
バー部材をてこ作用を利用して折返して、ブーツ固定部
を締付けた後、レバー部材をバンド部材の外側面に重ね
合わせて固定するタイプのブーツバンドを用いた。この
ブーツバンドは、構造が簡単で、突出したクランプ部を
有しないので、設計面およびコスト面で有利である。ま
た、異物との遭遇の機会も少ないので、安定した固定状
態を維持することができる。
【0008】さらに、本発明では、十分な固定強度とシ
ール性とを確保するために、以下の技術的手段を採用し
た。
【0009】(1)樹脂ブーツを38≦HD <50、好
ましくは、41≦HD ≦47、例えばHD =47の硬度
を有する熱可塑性ポリエステル系エラストマーで形成し
た。これにより、従来の樹脂ブーツに比べ(従来はHD
50以上)、材料硬度が低減し、柔軟性が向上すると同
時に、屈曲時、谷部にかかる応力(引張および圧縮)が
減少し、谷部の耐屈曲疲労性が向上する。ここで、「H
D 」はショアー硬さのDスケール(ASTMに準拠)を
表している。
【0010】(2)樹脂ブーツの蛇腹部の各山部の平均
肉厚Tをそれぞれ0.5mm≦T≦1.5mm、各谷部
の平均肉厚tをそれぞれ0.5mm≦t≦1.5mm
で、全ての隣接する谷部と山部との肉厚比r(=t/
T)を1.0≦r<1.5の範囲内とし、かつ、山部の
平均肉厚Tの最大値Tmaxを最小値Tminに対して
Tmax≦1.5Tmin、谷部の平均肉厚tの最大値
tmaxを最小値tminに対してtmax≦1.5t
minとした。肉厚比r(=t/T)を上記範囲に設定
することにより、従来の樹脂ブーツに比べ(従来はt/
T=1.5〜2.1)、山部に対する谷部の弾性が増大
すると共に(肉厚が相対的に減少するため)、谷部にか
かる応力(引張および圧縮)が減少し、谷部の耐屈曲疲
労性が向上する。また、山部と谷部について、それぞ
れ、平均肉厚の最大値を最小値の1.5倍以下とするこ
とにより、継手取付け時の圧縮量が各谷にバランス良く
分散されるので、圧縮荷重−軸方向圧縮量線図において
変曲点ができない。
【0011】(3)上記(1)(2)により、従来の樹
脂ブーツと同等以上の耐久性を確保しつつ、形状のコン
パクト化(外径寸法の縮小化、軸方向長さの縮小化)を
図ることができる。樹脂ブーツにおける材料硬度の低減
(柔軟性の向上)と薄肉コンパクト化は、等速自在継手
に対する固定強度およびシール性を確保する上で有利に
働く。
【0012】(4)樹脂ブーツのブーツ固定部の肉厚S
3を1mm≦S3≦1.8mmとし、かつ、下記式で表
される計算締代δを0<δ≦1.6mmの範囲内とし
た。
【0013】δ={φA+(2×S3)}−φD φD: ブーツバンドの計算上の締付内径 φA:ブーツ取付部の最大外径 S3:ブーツ固定部の肉厚(締付力が負荷される前の肉
厚) ブーツバンドの締付時、バンド部材には締付力によって
若干の伸びが発生する。φDは、この締付時におけるバ
ンド部材の伸び等を無視した計算上の締付内径である。
φAは、ブーツ取付部に突起部を設ける場合は、突起部
の先端外径(図2〜図4参照)、突起部を設けない場合
はブーツ取付部の外周面の外径になる。S3は、締付力
が負荷される前の肉厚、つまりブーツ固定部の自然状態
における肉厚である。
【0014】計算締代δは、使用条件によってはゼロ近
傍の値とすることができるが、充分な固定強度とシール
性を確保するために、δ≧0.5mmとするのが好まし
い。但し、δが過大であると、バンド部材に座屈が生
じ、固定強度やシール性が却って低下する可能性が有る
ので、δ≦1.6mmとする。試験の結果では、(低
温、高角度、低速回転)の場合、(常温、高角度、中速
回転)の場合とも、計算締代δを0.2mm、0.5m
m、1.0mm、1.6mmとした場合では良好なシー
ル性が認められたが、δ=0mmの場合ではシール性が
不足することが認められた。
【0015】(5)ブーツバンドのバンド部材の肉厚S
1を0.3mm≦S1≦0.6mm、幅W1を8mm≦
W1≦12mmとした。バンド部材の肉厚S1が0.3
mm未満であると、必要な締付力が得られにくい。一
方、バンド部材の肉厚S1が0.6mmを越えると、バ
ンド部材の剛性が高くなりすぎてレバー部材の折返しが
困難となり、また、外径寸法、材料コストの面での有利
性が減少する。そこで、0.3mm≦S1≦0.6mm
の寸法設定とした。バンド部材の肉厚S1は、従来の樹
脂ブーツ用ブーツバンド(バンド部材の肉厚は一般に
1.0mm程度である。)に比較してかなり小さくなっ
ている(ゴムブーツ用ブーツバンドと同程度の肉厚であ
る)。このように薄肉のバンド部材の使用が可能になっ
た主な理由は、樹脂ブーツの材料弾性の向上および形状
のコンパクト化により、ブーツの回転時の捩れ剛性およ
び遠心膨張が低減し、従来の樹脂ブーツに比べて小さな
締付力で充分な固定強度とシール性を確保できるように
なったことにある。
【0016】バンド部材の幅W1を上記のように設定し
たのは次の理由による。すなわち、バンド部材の幅W1
が8mm未満であると、締付力が不足する。一方、バン
ド部材の幅W1が12mmを越えても、締付け効果に差
異が認められないか、あるいは、多少の差異が認められ
ても、材料コスト面の有利性が減少する。そこで、8m
m≦W1≦12mmの寸法設定とした。
【0017】(6)レバー部材の肉厚S2をバンド部材
の肉厚S1に対して2.5≦(S2/S1)≦3.5、
幅W2をバンド部材の幅W1と同とした。(S2/S
1)が2.5未満であると、必要な締付力が得られず、
また、締代を大きくした場合、レバー部材に座屈変形が
生じる可能性がある。一方、(S2/S1)が3.5を
越えても、締付け効果に差異が認められないか、あるい
は、多少の差異が認められても、外径寸法、コストの面
での有利性が減少する。また、レバー部材の表面に、バ
レル処理やショットブラスト処理等による表面硬化処理
を施こすことができる。レバー部材の表面硬度が向上す
ることにより、レバー部材の座屈変形に対する強度が高
まる。
【0018】(7)樹脂ブーツのブーツ固定部の内周面
に、ブーツ取付部の外周面に形成された環状の係合溝と
係合する環状の凸部を設けた。また、ブーツ取付部の係
合溝の両側に突起部を形成した。締付け時、ブーツバン
ドの締付力によって、ブーツ固定部が弾性変形を起こ
し、凸部が係合溝側に変位し、突起部がブーツ固定部の
内周面に食い込む。この凸部と係合溝との係合、突起部
の強固な食い込みで、ブーツ固定部がブーツ取付部に高
い抜け止め強度とシール性をもって固定される。また、
ブーツ固定部の内周面がブーツ取付部の外周面に適度に
密着して、良好なシール性が得られる。
【0019】(8)ブーツバンドのレバー部材を折返し
た時、バンド部材の一部がレバー部材の折返し起点によ
って折返され、掌合部がレバー部材の外側面に重なり合
った状態になる。そのため、バンド部材の折返し部分と
近接する部分(レバー部材の折返し方向と反対側の部
分)に部分的な隙間が生じ、その部分でシール性の低下
が起こり易い。そこで、バンド部材の内側面に突出部を
設け、この突出部を樹脂ブーツのブーツ固定部の外周面
に接触させて、上記隙間を詰めることにより、シール性
の一層の向上を図ることができる。この突出部は、少な
くとも一個所以上、好ましくは、レバー部材を折返した
時に、バンド部材の折返し部分と近接する位置に設け
る。また、突出部の形状、寸法、形成位置を最適設計
し、突出部の端面とバンド部材の折返し部分との間の円
周方向隙間γが0<γ≦1.5mmとなるように設定す
ることにより、シール性の向上に対してより好ましい状
態となる。さらに、突出部の幅をブーツ取付部の係合溝
の幅よりも小さくし、締付時、ブーツ固定部を突出部に
よって係合溝側に向けて押圧することにより、より高い
シール性を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
従って説明する。
【0021】図1は、等速自在継手1に樹脂ブーツ2を
ブーツバンド3、4で固定した状態を示している。等速
自在継手1は、内周面に複数の案内溝1a1を軸方向に
形成した外側継手部材1aと、外周面に複数の案内溝1
b1を軸方向に形成した内側継手部材1bと、案内溝1
a1と案内溝1b1とが協働して形成されるボールトラ
ックに配された複数のボール1cと、ボール1cを保持
する保持器1dと、内側継手部材1bの内周にセレーシ
ョン連結(又はスプライン連結)された軸部1eとを備
えている。樹脂ブーツ2は、外側継手部材1aと軸部1
eにそれぞれ固定される。
【0022】図2は、外側継手部材1aのブーツ取付部
1a2を示している。ブーツ取付部1a2は、通常、外
側継手部材1aの開口側の端部外周面に設けられる。ブ
ーツ取付部1a2の外周面1a3に環状の係合溝1a4
が形成され、係合溝1a4の両側にそれぞれ環状の突起
部1a5が形成されている。係合溝1a4は、中央部分
が軸線と平行な平坦面1a6で、この平坦面1a6から
曲率半径Rの円弧面1a7を介して、突起部1a5の第
2側1a9に連続する形状になっている。突起部1a5
の第1側1a8は傾斜壁、第2側1a9は軸線と直交す
る垂直壁である。
【0023】図3は、軸部1eのブーツ取付部1e2を
示している。ブーツ取付部1e2の外周面1e3に環状
の係合溝1e4が形成され、係合溝1e4の両側にそれ
ぞれ環状の突起部1e5が形成されている。係合溝1e
4と突起部1e5の第2側は、曲率半径R’の1つの円
弧面1e6で描かれている。突起部1e5の第1側1e
8は傾斜壁である。
【0024】図4は、ブーツ取付部1e2の他の形状の
係合溝1e4’を示している。この係合溝1e4’は溝
底全体が軸線と平行な平坦面1e6’で、この平坦面1
e6’から垂直壁を介して、突起部1e5の第2側1a
9に連続する形状になっている。突起部1e5の第1側
1e8は傾斜壁、第2側1e9は軸線と直交する垂直壁
である。
【0025】尚、外側継手部材1aのブーツ取付部1a
2の係合溝を図3又は図4に示す形状にしても良いし、
軸部1eのブーツ取付部1e2の係合溝を図2に示す形
状にしても良い。また、図2〜図4におけるφAはブー
ツ取付部の最大外径を示している。これらのブーツ取付
部では、係合溝の両側に突起部が形成されているので、
突起部の先端外径がブーツ取付部の最大外径φAにな
る。
【0026】この実施形態では、ブーツ取付部の加工性
や、固定強度およびシール性を高めるため、後述するブ
ーツ固定部の凸部の高さf(図7、図8参照)、図2〜
図4に示すブーツ取付部の係合溝の深さa、幅b、突起
部の高さcの間に、[0.2mm≦c≦0.5mm]、
[0.5mm≦a≦1.5mm]、[f≦(a−
c)]、[(b/a)≧3]の寸法関係を設定してい
る。
【0027】[0.2mm≦c≦0.5mm]の寸法設
定は次の理由による、すなわち、突起部の高さcが0.
2mm未満であると、締め付け時にブーツ固定部の内周
面がブーツ取付部の外周面に強く接触して、突起部のブ
ーツ固定部への十分な食い込みが期待できない。逆に、
突起部の高さcが0.5mmを越えると、ブーツ取付部
の径を大きくしなければならず、材料コストおよび加工
コストの上昇を招き、また、締付け時にブーツ固定部の
内周面とブーツ取付部の外周面との間に隙間が生じてシ
ール性が低下する可能性が有る。
【0028】[0.5mm≦a≦1.5mm]の寸法設
定は次の理由に基づく。すなわち、係合溝の深さaが
1.5mmを越えると、ブーツ取付部の強度が低下する
と共に、係合溝の倣い加工が難しくなって製造コスト、
加工性の点で不利となる。逆に、深さaが0.5mm未
満であると、締付け時に凸部が係合溝の底に接触して弾
性変形し、その変形分の反力だけ突起部の食い込み性が
低下する。そのため、これに応じて凸部の高さfを小さ
くせざるを得なくなり、凸部による係合溝への位置固定
の効果が低下する。
【0029】また、係合溝の深さaと凸部の高さfの関
係は、締付け時に凸部が係合溝の底に接触しないか、接
触しても突起部の食い込み性に影響を与えないようにす
る必要がある。この関係においては、突起部の高さcや
ブーツ材質にも関係があり、これらを考慮して凸部の高
さfと係合溝の深さa、突起部の高さcの最良寸法関係
を求めると、f≦(a−c)なる関係があることが分か
った。
【0030】[(b/a)≧3]の寸法関係は、係合溝
を倣い加工可能な形状にして、加工性向上と製造コスト
低減を可能とするためのものである。(b/a)<3で
あれば、通常の倣い加工では加工できない。
【0031】以上の寸法設定による効果は、ブーツ取付
部の係合溝や突起部の形状によって多少の差異が見られ
る。図2〜図4に示す各形状の突起部のブーツ固定部へ
の食い込み性を考えた場合、図3に示す突起部よりも図
2および図4に示す突起部の食い込み性が良好である。
これは、図2、図4に示す突起部は、第2側が垂直壁に
なっているためである。ブーツ固定部を軸方向にずらそ
うとする力に対して、第2側がブーツ固定部の内周面、
凸部と強固に係合してその力に対抗するので、高い抜け
止め強度が得られる。ただし、図4に示す係合溝の形状
においては、加工性に問題が生じる場合がある。ここ
で、食い込み性と強度及び加工性を考慮した場合、好ま
しいものは図2に示す形状の係合溝1a4であり、この
係合溝1a4の更に良好な形状は、円弧面1a7の曲率
半径をRとすると、[0.1mm≦R≦a]の寸法範囲
に設定することである。曲率半径Rが0.1mm未満で
あると、食い込み性が増すが強度及び加工性が劣化す
る。逆に、曲率半径Rが深さaを越えると、強度及び加
工性が良くなるが食い込み性が悪くなる。
【0032】図5は、樹脂ブーツ2の自然状態を示して
いる。この樹脂ブーツ2は、38≦HD <50、好まし
くは41≦HD ≦47、例えばHD =47の硬度を有す
る熱可塑性ポリエステル系エラストマー(TPEE)で
形成され、外側継手部材1aのブーツ取付部1a2にブ
ーツバンド3で締付け固定される大径側のブーツ固定部
2aと、軸部1eのブーツ取付部1e2にブーツバンド
4で締付け固定される小径側のブーツ固定部2bと、ブ
ーツ固定部2aとブーツ固定部2bとを繋ぐ蛇腹部2c
とを備えている。
【0033】蛇腹部2cは6つの山部2d(小径側より
2d1、2d2、・・・、2d6)と5つの谷部2e
(小径側より2e1、2e2、・・・、2e5)、およ
び、各山部2dと谷部2eとを繋ぐ傾斜部2fとからな
る。また、1山2d1は軸部1eの軸径dに対し(2.
7×d)、5山2d5は軸径dに対し(4×d)であ
り、大径側から小径側に向かって漸次縮径した略円錐形
状になっている。そのため、この樹脂ブーツ2は、従来
の樹脂ブーツに比べ、径方向、軸方向ともにかなりコン
パクトな形状であり、自然長L1の比較では、従来より
も約24%小さくなっている。また、この樹脂ブーツ2
は、自然長L1よりやや圧縮した状態で等速自在継手1
に取付けられるが{圧縮率(L1−L2)/L1は20
%程度、従来の樹脂ブーツの圧縮率は23〜26%程
度}、取付け時長さL2は従来よりも約16%小さく、
ゴム(CR)ブーツと同程度である。尚、蛇腹部の山部
の数は4〜7の範囲で任意に選択可能である。
【0034】図6に例示するように、各山部2dの平均
肉厚T(T1、T2、・・・、T6)は0.5mm≦T
≦1.5mm、好ましくは0.5mm≦T≦1.1m
m、各谷部2eの平均肉厚t(t1、t2、・・・、t
5)は0.5mm≦t≦1.5mmで、かつ、全ての隣
接する谷部2dと山部2eとの肉厚比r(=t/T)
は、1.0≦r(t/T)<1.5の範囲内にある。肉
厚比rの範囲の具体的内容を示すと以下のようになる。
【0035】 r1=t1/T1=1.05 r2=t1/T2=1.26 r3=t2/T2=1.26 r4=t2/T3=1.11 r5=t3/T3=1.11 r6=t3/T4=1.11 r7=t4/T4=1.41 r8=t4/T5=1.33 r9=t5/T5=1.16 r10=t5/T6=1.16 ∴1.0≦r1、r2、・・・、r10<1.5 Tmax=0.9 tmax=1.2 Tmin=0.75 tmin=0.95 ちなみに、従来の樹脂ブーツは、山部、谷部の肉厚が
0.55〜2.1mm、肉厚比rが1.5≦rt≦2.
1であるから、この樹脂ブーツ2は従来ブーツに比べ、
山部2d、谷部2eの肉厚が全体的に減少し、かつ、山
部2dに対する谷部2eの肉厚が相対的に小さくなって
いる。また、この樹脂ブーツ2は、全ての山部2dの平
均肉厚Tが同程度(Tmax≦1.5×Tminであれ
ば良い。)、全ての谷部2eの平均肉厚tが同程度(t
max≦1.5×tminであれば良い。)になってい
る。尚、平均肉厚T、tを基準としているのは、樹脂ブ
ーツの成形方法がCRブーツと異なりブロー成形が一般
に多いため(CRブーツは一般にインジェクション成形
である。ブロー成形では、金型は外型だけで、内型はな
い)、周方向で肉厚に多少のバラツキがあるためであ
る。
【0036】さらに、各山部2dから大径側の谷部2e
に繋がる傾斜部2fのブーツ軸中心線Xに対する傾斜角
α(小径側からα1、α2、・・・、α5)は、各山部
2dから小径側の谷部2eに繋がる傾斜部2fの角β
(小径側からβ1、β2、・・・、β6)よりも小さ
い。α1、・・・、α5は38°〜45°、β1、・・
・、β6はαの1.3〜1.6倍(〜1.8倍でも良
い)に設定するのが良い。
【0037】図7は、大径側のブーツ固定部2aを示し
ている。ブーツ固定部2aの内周面2a1には環状の凸
部2a2が一体に形成され、外周面には環状のバンド装
着溝2a3が形成されている。ブーツ固定部2aの肉厚
S3は、前述した基準に基づき、1mm≦S3≦1.8
mmの範囲内に設定されている。凸部2a2の内周面2
a1からの高さはfである。また、バンド装着溝2a3
の中央部分には、環状溝2a4が設けられている。
【0038】図8は、小径側のブーツ固定部2bを示し
ている。ブーツ固定部2bの内周面2b1には環状の凸
部2b2が一体に形成され、外周面には環状のバンド装
着溝2b3が形成されている。ブーツ固定部2bの肉厚
S3は、前述した基準に基づき、1mm≦S3≦1.8
mmの範囲内に設定されている。凸部2b2の内周面2
b1からの高さはfである。また、バンド装着溝2b3
の中央部分には、環状溝2b4が設けられている。
【0039】上述したように、この樹脂ブーツ2は、従
来の樹脂ブーツに比べて、材料硬度が小さく、全体的に
薄肉で、かつ、径方向、軸方向ともにコンパクトな形状
である。さらに、山部2d、谷部2eの肉厚および肉厚
比が上記のような基準で設定されているので、谷部2e
の耐屈曲疲労性が高く、しかも、取付け時の圧縮荷重が
各谷部2eにバランス良く吸収され、各谷部2eがバラ
ンス良く圧縮されるので、圧縮荷重−軸方向圧縮量線図
において変曲点ができない。そのため、この樹脂ブーツ
2は、ゴム(CR)ブーツと同程度のコンパクトな形状
であるにもかかわらず、従来の樹脂ブーツと同等以上の
耐久性を示す。
【0040】樹脂ブーツにおける材料硬度の低減(柔軟
性の向上)と薄肉コンパクト化は、等速自在継手に対す
る固定強度およびシール性を確保する上で有利に働く。
すなわち、材料の柔軟性が向上することにより、より小
さい締付力で十分に締付け固定することが可能となる。
また、ブーツ形状がコンパクトになることにより、蛇腹
部に介在するグリース量が減少し、また、回転遠心力の
影響が軽減するので、ブーツ固定部にかかる力が軽減す
る(等速自在継手の回転時、内封グリースが軸方向に押
し出され、この押し出し力によって、蛇腹部に介在する
グリースが軸方向に流動する現象が起こる。このグリー
スの軸方向への流動圧によって、ブーツ固定部が蛇腹部
を介して引張力または圧縮力を受ける。特に、極低温時
には、ブーツの弾性が低下すると同時に、グリースの稠
度も小さくなるので、ブーツ固定部には大きな力が働
く。また、回転速度が増すに従って、回転遠心力による
グリースの外径側への流動も起こり、このグリースの外
径方向への流動によって、ブーツ固定部が蛇腹部を介し
て引張力を受ける。ブーツがコンパクトになり、蛇腹部
に介在するグリース量が減少し、また、回転遠心力の影
響が軽減することにより、これらの力が軽減する。)。
さらに、材料硬度の低減(柔軟性の向上)と薄肉コンパ
クト化による影響が相俟ってブーツとしての捩れ剛性が
低下する。そのため、従来、樹脂ブーツを取付けるため
に使用を余儀なくされていたオメガバンドに代えて、以
下に説明する、突出したクランプ部を有しないブーツバ
ンドを使用して、十分な固定強度とシール性とを確保す
ることが可能となる。
【0041】図9は、樹脂ブーツ2のブーツ固定部2a
(2b)に装着されるブーツバンド3(4)を示してい
る。ブーツバンド3(4)は、帯状の金属材からなるバ
ンド部材3a(4a)を輪状に湾曲させてその両端を掌
合状態に結合すると共に、この掌合部3a1(4a1)
の一方の外側面に、バンド部材3a(4a)よりも厚肉
で剛性の高い金属材からなるレバー部材3b(4b)を
固着したものである。バンド部材3a(4a)、レバー
部材3b(4b)は、例えばステンレス鋼で形成され、
図9(b)(c)に示すバンド部材3a(4a)の肉厚
S1、幅W1、レバー部材3b(4b)の肉厚S2、幅
W2は、前述した基準に基づき、以下のように設定され
ている。
【0042】 バンド部材の肉厚S1:[0.3mm≦S1≦0.6m
m] バンド部材の幅W1 :[8mm≦W1≦12mm] レバー部材の肉厚S2:[2.5≦S2/S1≦3.5 レバー部材の幅W2 :[W2=W1] また、レバー部材3b(4b)にはバレル加工が施さ
れ、加工時のバリやエッジが除去されると共に、表面硬
度の向上が図られている。バレル加工に代えてショット
ブラスト処理又はショットピーニング処理を施しても良
い。さらに、バンド部材3a(4a)の内側面には、突
出部3a2(4b2)が設けられている。この突出部3
a2(4b2)は、例えばバンド部材3a(4a)の所
要部位を内側に屈曲させて成形したものである。突出部
をバンド部材とは別に製作し、バンド部材の内側面の所
要部位に固着しても良い。
【0043】レバー部材は、次のような曲げ剛性を有す
るのが好ましい。すなわち、レバー部材を支点間距離L
=36mmで両持ち支持し、その中央部(L/2)に集
中荷重M(5kg≦M≦25kg)を加えた時に、中央
部(L/2)のたわみ量yが0.5mmとなるような曲
げ剛性を有するのが好ましい。
【0044】ブーツ固定部2a(2b)を締付けるに際
しては、レバー部材3b(4b)をてこ作用を利用して
強制的に折返した後、図10に示すように、レバー部材
3b(4b)をバンド部材3a(4a)の外側面に重ね
合わせて止め具3c(4c)で固定する。レバー部材3
b(4b)を折り返すことにより、バンド部材3a(4
a)の輪状部分が縮径して(計算上の締付内径はφ
D)、ブーツ固定部2a(2b)に所要の緊迫力(締付
力)が与えられる。止め具3c(4c)は、例えば図1
0(b)(C)に示すように、コ字形断面の金属片をバ
ンド部材3a(4a)の所定部位に固着したものであ
る。レバー部材3b(4b)を固定するに際しては、そ
の両側を叩いて折曲させ、レバー部材3b(4b)の外
側面に重ね合わせる。尚、止め具はこれに限定されず、
他の構造のものを採用することができる。また、レバー
部材の固定手段として、止め具に代えて、スポット溶接
等の固着手段を採用することもできる。
【0045】図11および図12は、樹脂ブーツ2の大
径側のブーツ固定部2aを外側継手部材1のブーツ取付
部1a2にブーツバンド3で締付けて固定した時の状態
を示している。図11(a)は図12における(Z1−
Z1)断面、図11(b)は図12における(Z2−Z
2)断面である。ブーツ固定部2aをブーツ取付部1a
2の外周面1a3に嵌挿し、凸部2a2を係合溝1a4
に適合させて両者を位置決めした状態で、バンド装着溝
2a3に嵌着したブーツバンド3をレバー部材3bの折
返しにより縮径させて、ブーツ固定部2aをブーツ取付
部1a2に締付ける。そうすると、ブーツバンド3の締
付力によって、ブーツ固定部2aが弾性変形を起こし、
凸部2a2が係合溝1a4側に変位し、突起部1a5が
ブーツ固定部2aの内周面2a1に食い込む。この凸部
2a2と係合溝1a4との係合、突起部1a5の強固な
食い込みで、ブーツ固定部2aがブーツ取付部1a2に
高い抜け止め強度とシール性をもって固定される。ま
た、ブーツ固定部2aの内周面2a1がブーツ取付部1
a2の外周面1a3に適度に密着して、良好なシール性
が得られる。
【0046】ブーツ固定部2aの良好な固定強度とシー
ル性とを確保するために、前述した基準に基づき、下記
式で表される計算締代δを0<δ≦1.6mmの範囲内
とする。
【0047】δ={φA+(2×S3)}−φD φD: ブーツバンドの計算上の締付内径(図10参照) φA:ブーツ取付部の最大外径(図2〜図4参照) S3:ブーツ固定部の肉厚(締付力が負荷される前の肉
厚:図7参照) 図12に示すように、レバー部材3bを折返した時、バ
ンド部材3aの一部3a3がレバー部材3bの折返し起
点によって折返され、掌合部3a1がレバー部材3bの
外側面に重なり合った状態になる。そのため、バンド部
材3aの折返し部分3a3と近接する部分(レバー部材
3bの折返し方向と反対側の部分)に部分的な隙間が生
じ、その部分でシール性の低下が起こり易い。そこで、
この実施形態では、バンド部材3aの内側面に突出部3
a2を設け、この突出部3a2をブーツ固定部2aの外
周面(バンド溝2a3)に接触させて、上記隙間を詰め
ることにより、シール性の一層の向上を図っている。こ
の突出部3a2は、少なくとも一個所以上、好ましく
は、レバー部材3bを折返した時に、バンド部材3aの
折返し部分3a3と近接する位置に設ける。また、突出
部3a2の形状、寸法、形成位置を最適設計し、突出部
3a2の端面とバンド部材3aの折返し部分3a3との
間の円周方向隙間γの最大値が0<γ≦1.5mmとな
るように設定することにより、シール性の向上に対して
より好ましい状態となる。さらに、図11(b)に示す
ように、突出部3a2の幅W4をブーツ取付部1a2の
係合溝1a4の幅b(図2参照)よりも小さくし、締付
時、ブーツ固定部2aを突出部3a2によって係合溝1
a4側に向けて押圧することにより、より高いシール性
を得ることができる。
【0048】図13は、小径側のブーツ固定部2bを軸
部1eブーツ取付部1e2にブーツバンド4で締付けて
固定した時の状態を示している。上述した大径側の固定
構造と基本的に同じであるので、重複する説明を省略す
る。
【0049】尚、以上説明した固定構造は、大径側と小
径側のうち一方にのみ適用しても良い。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、突出したクランプ部を
有しないブーツバンドを樹脂ブーツに適用でき、かつ、
十分な固定強度とシール性とを確保することができる。
そのため、最大回転半径の縮小化による設計自由度の向
上、異物との遭遇機会が減少することによる締付け状態
の安定化および信頼性の向上、バンド自体の形状等が簡
略化することによるコスト低減が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂ブーツを等速自在継手に取付けた時の状態
を示す縦断面図である。
【図2】外側継手部材のブーツ取付部を示す側面図であ
る。
【図3】軸部のブーツ取付部を示す側面図である。
【図4】軸部のブーツ取付部を示す側面図である。
【図5】樹脂ブーツの自然状態を示す縦断面図である。
【図6】樹脂ブーツの山部および谷部の肉厚設定の一例
を示す図である。
【図7】大径側のブーツ固定部を示す断面図である。
【図8】小径側のブーツ固定部を示す断面図である。
【図9】ブーツバンドの側面図(図a)、レバー部材の
断面図(図b)、バンド部材の断面図(図c)である。
【図10】ブーツバンドのレバー部材を折り返した時の
状態を示す側面図(図a)、止め具を例示する断面図で
ある(図bおよびc)。
【図11】大径側のブーツ固定部をブーツバンドで締付
けて外側継手部材のブーツ取付部に固定した時の状態を
示す断面図である。
【図12】大径側のブーツ固定部をブーツバンドで締付
けて外側継手部材のブーツ取付部に固定した時の状態を
示す断面図である。
【図13】小径側のブーツ固定部をブーツバンドで締付
けて軸部のブーツ取付部に固定した時の状態を示す断面
図である。
【図14】樹脂ブーツを装着した従来の等速自在継手を
示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 等速自在継手 1a 外側継手部材 1a2 ブーツ取付部 1e 軸部 1e2 ブーツ取付部 2 樹脂ブーツ 2a ブーツ固定部 2b ブーツ固定部 2c 蛇腹部 3 ブーツバンド 3a バンド部材 3b レバー部材 4 ブーツバンド 4a バンド部材 4b レバー部材

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛇腹状の樹脂ブーツの蛇腹部を挟んで大
    径側と小径側にそれぞれ設けられた円筒状のブーツ固定
    部をブーツ取付部に嵌合し、ブーツ固定部の外周面に装
    着したブーツバンドの締付力によって、ブーツ固定部を
    締付けてブーツ取付部に固定した固定構造を有する等速
    自在継手において、 樹脂ブーツの少なくとも一方のブーツ固定部に装着され
    るブーツバンドが、帯状の金属材からなるバンド部材を
    輪状に湾曲させてその両端を掌合状態に結合すると共
    に、この掌合部の一方の外側面に、バンド部材よりも剛
    性の高い金属材からなるレバー部材を装着し、レバー部
    材をてこ作用を利用して折返して、ブーツ固定部を締付
    けた後、レバー部材をバンド部材の外側面に重ね合わせ
    て固定するものである等速自在継手。
  2. 【請求項2】 樹脂ブーツが38≦HD <50の硬度を
    有する熱可塑性ポリエステル系エラストマーで形成さ
    れ、ブーツ固定部の肉厚S3が1mm≦S3≦1.8m
    mで、かつ、下記式で表される計算締代δが0<δ≦
    1.6mmである請求項1記載の等速自在継手。 δ={φA+(2×S3)}−φD φD: ブーツバンドの計算上の締付内径 φA:ブーツ取付部の最大外径 S3:ブーツ固定部の肉厚(締付力が負荷される前の肉
    厚)
  3. 【請求項3】 樹脂ブーツの蛇腹部の各山部の平均肉厚
    Tがそれぞれ0.5mm≦T≦1.5mm、各谷部の平
    均肉厚tがそれぞれ0.5mm≦t≦1.5mmで、全
    ての隣接する谷部と山部との肉厚比r(=t/T)が
    1.0≦r<1.5の範囲内であり、かつ、山部の平均
    肉厚Tの最大値Tmaxが最小値Tminに対してTm
    ax≦1.5Tmin、谷部の平均肉厚tの最大値tm
    axが最小値tminに対してtmax≦1.5tmi
    nである請求項2記載の等速自在継手。
  4. 【請求項4】 ブーツバンドのバンド部材の肉厚S1が
    0.3mm≦S1≦0.6mm、幅W1が8mm≦W1
    ≦12mmである請求項1、2又は3記載の等速自在継
    手。
  5. 【請求項5】 ブーツバンドのレバー部材の肉厚S2が
    バンド部材の肉厚S1に対して2.5≦(S2/S1)
    ≦3.5、幅W2がバンド部材の幅W1と同じである請
    求項4記載の等速自在継手。
  6. 【請求項6】 ブーツバンドのレバー部材の表面に表面
    硬化処理が施されている請求項5記載の等速自在継手。
  7. 【請求項7】 樹脂ブーツのブーツ固定部の内周面に、
    ブーツ取付部の外周面に形成された環状の係合溝と係合
    する環状の凸部を有する請求項1、2又は3記載の等速
    自在継手。
  8. 【請求項8】 上記係合溝の両側に突起部が形成されて
    いる請求項7記載の等速自在継手。
  9. 【請求項9】 ブーツバンドのバンド部材の内側面に突
    出部を設け、この突出部を樹脂ブーツのブーツ固定部の
    外周面に接触させて、バンド部材の内側面とブーツ固定
    部の外周面との間に部分的な隙間が生じるのを防止した
    請求項1、2又は3記載の等速自在継手。
  10. 【請求項10】 上記突出部を、レバー部材を折返した
    時に、バンド部材の折返し部分と近接する位置に設けた
    請求項9記載の等速自在継手。
  11. 【請求項11】 上記突出部の端面とバンド部材の折返
    し部分との間の円周方向隙間γが0<γ≦1.5mmで
    ある請求項10記載の等速自在継手。
  12. 【請求項12】 上記突出部の幅がブーツ取付部の係合
    溝の幅よりも小さい請求項9、10又は11記載の等速
    自在継手。
JP26682998A 1997-09-30 1998-09-21 等速自在継手 Expired - Lifetime JP4127906B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26682998A JP4127906B2 (ja) 1997-09-30 1998-09-21 等速自在継手

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26642797 1997-09-30
JP9-266427 1997-09-30
JP26682998A JP4127906B2 (ja) 1997-09-30 1998-09-21 等速自在継手

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11166624A true JPH11166624A (ja) 1999-06-22
JP4127906B2 JP4127906B2 (ja) 2008-07-30

Family

ID=26547437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26682998A Expired - Lifetime JP4127906B2 (ja) 1997-09-30 1998-09-21 等速自在継手

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4127906B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006104083A1 (ja) * 2005-03-29 2006-10-05 Kaneka Corporation 中空成形品の射出成形法および射出成形金型並びに樹脂製ブーツ
WO2006123476A1 (ja) * 2005-05-16 2006-11-23 Honda Motor Co., Ltd. 回転駆動力伝達機構、それを構成する等速ジョイント及び樹脂製継手用ブーツ、等速ジョイントの緊締バンド加締め方法
WO2006126328A1 (ja) * 2005-05-25 2006-11-30 Honda Motor Co., Ltd. 等速ジョイント
JP2006329291A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Honda Motor Co Ltd 回転駆動力伝達機構
JP2006329297A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Honda Motor Co Ltd 等速ジョイント
JP2007071246A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Kayaba Ind Co Ltd ダストブーツ
JP2010501791A (ja) * 2006-08-25 2010-01-21 ツェットエフ フリードリヒスハーフェン アクチエンゲゼルシャフト シールベローズまたは襞付きベローズ
JP2010078064A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Toyoda Gosei Co Ltd 等速ジョイント用ブーツのシール構造
JP2011252594A (ja) * 2010-06-04 2011-12-15 Ntn Corp ブーツバンド
JP2015161367A (ja) * 2014-02-27 2015-09-07 豊田合成株式会社 締付けバンド

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006104083A1 (ja) * 2005-03-29 2006-10-05 Kaneka Corporation 中空成形品の射出成形法および射出成形金型並びに樹脂製ブーツ
WO2006123476A1 (ja) * 2005-05-16 2006-11-23 Honda Motor Co., Ltd. 回転駆動力伝達機構、それを構成する等速ジョイント及び樹脂製継手用ブーツ、等速ジョイントの緊締バンド加締め方法
WO2006126328A1 (ja) * 2005-05-25 2006-11-30 Honda Motor Co., Ltd. 等速ジョイント
JP2006329291A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Honda Motor Co Ltd 回転駆動力伝達機構
JP2006329297A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Honda Motor Co Ltd 等速ジョイント
JP2007071246A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Kayaba Ind Co Ltd ダストブーツ
JP4608398B2 (ja) * 2005-09-05 2011-01-12 カヤバ工業株式会社 ダストブーツ
JP2010501791A (ja) * 2006-08-25 2010-01-21 ツェットエフ フリードリヒスハーフェン アクチエンゲゼルシャフト シールベローズまたは襞付きベローズ
JP2010078064A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Toyoda Gosei Co Ltd 等速ジョイント用ブーツのシール構造
JP2011252594A (ja) * 2010-06-04 2011-12-15 Ntn Corp ブーツバンド
JP2015161367A (ja) * 2014-02-27 2015-09-07 豊田合成株式会社 締付けバンド

Also Published As

Publication number Publication date
JP4127906B2 (ja) 2008-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100554577B1 (ko) 등속자재이음매
JPH11166624A (ja) 等速自在継手
JP2002013546A (ja) 等速ジョイント用樹脂製ブーツ
JP3333310B2 (ja) 樹脂ブーツの取付構造
JPH0738758U (ja) 等速自在継手用樹脂ブーツ
JP3977975B2 (ja) 等速自在継手
EP3597953B1 (en) Boot for constant velocity universal joints
JP3821934B2 (ja) 等速自在継手用ブーツ
WO2006085418A1 (ja) 等速自在継手および等速自在継手用ブーツ
JP4122126B2 (ja) ブーツ取付構造
WO2019142705A1 (ja) 等速自在継手用ブーツ
JP2007064422A (ja) 継手構造
JP2007232043A (ja) ブーツ取付構造
JP4652098B2 (ja) ドライブシャフト
JP2598540Y2 (ja) 等速自在継手
JP2006307871A (ja) 分割式ブーツ
JPH11190358A (ja) 等速自在継手用ブーツ
JP2009127636A (ja) 等速ジョイント用ブーツ
JPH07145863A (ja) 樹脂ブーツの取付構造
JP2008045696A (ja) ブーツ固定構造
JP2006258122A (ja) 摺動式等速自在継手
JPH10274330A (ja) 樹脂ブーツ取付構造
JPH10299789A (ja) 等速ジョイント用フレキシブルブーツ
JP2002243046A (ja) 自在継手用ブーツ
JP2007182958A (ja) 継手構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070925

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080423

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080513

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120523

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130523

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140523

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term