JPH11163402A - GaN系半導体発光素子 - Google Patents

GaN系半導体発光素子

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JPH11163402A
JPH11163402A JP32790797A JP32790797A JPH11163402A JP H11163402 A JPH11163402 A JP H11163402A JP 32790797 A JP32790797 A JP 32790797A JP 32790797 A JP32790797 A JP 32790797A JP H11163402 A JPH11163402 A JP H11163402A
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啓二 宮下
Koichi Taniguchi
浩一 谷口
Kazuyuki Tadatomo
一行 只友
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 GaN系発光素子にブラッグ反射層を設け、
転位線による発光素子の特性劣化を改善すると共にブラ
ッグ反射層を保護し得る構造を提供すること。 【解決手段】 ベース基板1を最下層とし、その上にG
aN系結晶からなる層を順次成長させ、発光層S3を含
む積層体Sを形成し電極X、Yを形成してGaN系発光
素子とする。このとき、積層体のいずれかの層を転位線
制御層(図では層S1)とする。転位線制御層は、マス
ク層Mを設けた面に成長させた層であって、非マスク領
域11を成長の出発面とし、マスク層上面を覆うまで成
長してなる。積層体S中において、発光層S3および転
位線制御層S1よりも下層側に、ブラッグ反射層B1を
設け、マスク層Mによって、上層側を低転位化しながら
同時に下層側のブラッグ反射層B1を保護する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、GaN系半導体発
光素子に関するものであり、特に、発光素子の積層体内
にマスク層を設けることによって該積層体内に低転位の
領域を形成し、これにさらにブラッグ反射層を組み合わ
せた構造を有する発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】GaN系半導体発光素子(以下、「Ga
N系発光素子」とも呼んで説明する)は、GaN系結晶
材料を用いた半導体発光素子であって、近年高輝度のダ
イオード(LED)が実現されたのを機会に研究が活発
に行われており、半導体レーザの室温連続発振の報告も
聞かれる様になっている。これらGaN系発光素子を作
製する一般的な方法は、基板としてサファイアの単結晶
を用い、その上に低温でバッファー層を成長し、その後
GaN系結晶からなる発光部を形成するといった手順が
用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】結晶基板上にGaN系
結晶層を成長させる場合、他の半導体の場合と同様、基
板とGaN系結晶との格子定数が整合しない(格子不整
合)状態では転位などの欠陥が発生する。また、転位
は、不純物の混入や多層膜界面での歪み等の要因によっ
ても発生する。これら発生した転位は、結晶層が成長す
るにつれて層の厚みが増しても上層側へ継承され、転位
線(貫通転位)と呼ばれる連続した欠陥部分となる。
【0004】GaN系発光素子、特にサファイア結晶を
基板として用いたものにおいては、基板とGaN系層と
の間に大きな格子不整合が存在するため転位密度が10
10cm-2以上にもなることが知られている。これら高密
度に発生する転位が、GaN系発光素子の積層構造を形
成する場合にも、転位線となって上層へ伝搬する。転位
は結晶欠陥であるため、発光層では非発光再結合中心と
して働いたり、そこが電流のパスとして働き漏れ電流の
原因になるなど、発光特性や寿命特性を低下させる原因
となり問題となる。
【0005】一方、GaN系発光素子の外部量子効率を
向上させるための方法の一つとしてブラッグ反射層を設
ける方法がある。この方法は、発光素子を構成する積層
体のうち下層側、上層側のいずれか一方の側から光を取
り出すとして、内部の発光層から発せられた光のうち、
光を取り出す側とは反対側に向かう光を、ブラッグ反射
層によって光を取り出す側へ反射させ、より損失を少な
くしようとする方法である。
【0006】ところが、一般的な構造として、ベース基
板上に先にブラッグ反射層を形成し、その上層側に発光
層を含む積層体を成長させる場合、上層側の各層を成長
させるための熱や、上層側の各層からの不純物の拡散に
よって、ブラッグ反射層はダメージを受け、所望の反射
率が得られないという問題があった。
【0007】本発明の目的は、上記問題に鑑み、GaN
系発光素子にブラッグ反射層を設け、転位線による発光
素子の特性劣化を改善すると同時にブラッグ反射層を保
護し得る構造を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のGaN系発光素
子は、次の特徴を有するものである。 (1)GaN系結晶がC軸を厚み方向として成長可能な
ベース基板を最下層とし、その上に、GaN系結晶から
なり発光層を含む複数の層が順次成長し積み重なって積
層体が形成され、これにp型電極、n型電極が設けられ
た構成を有する半導体発光素子であって、積層体の最上
面とベース基板上面とを除く、いずれかの層上面には、
マスク領域と非マスク領域とを形成するようにマスク層
が設けられ、マスク層の材料はそれ自身の表面からは実
質的にGaN系結晶が成長し得ない材料であり、マスク
層を覆う層は、非マスク領域を成長の出発面とし、マス
ク層上面を覆うまで結晶成長してなる層であり、この層
を転位線制御層と呼ぶとし、積層体中において、発光層
および転位線制御層よりも下層側には、ブラッグ反射層
が設けられていることを特徴とするGaN系半導体発光
素子。
【0009】(2)転位線制御層が、C軸方向への成長
速度とC軸に垂直な方向への成長速度との比を制御され
ながら形成された層であって、前記2つの成長速度の比
の制御が、マスク層の形成パターン、結晶成長法、結晶
成長時の雰囲気ガスの組合わせを選択することによって
なされたものである上記(1)記載のGaN系半導体発
光素子。
【0010】(3)マスク層の形成パターンが、帯状の
マスク層を縞状に配置してなるストライプ状のマスクパ
ターンであり、該ストライプの長手方向はベース基板上
に形成されるGaN系結晶に対して〈11−20〉方向
に伸びており、非マスク領域を通った転位線が転位線制
御層で曲げられ、非マスク領域の上方部分が低転位化さ
れている上記(1)または(2)記載のGaN系半導体
発光素子。
【0011】(4)マスク層の形成パターンが、帯状の
マスク層を縞状に配置してなるストライプ状のマスクパ
ターンであり、該ストライプの長手方向はベース基板上
に形成されるGaN系結晶に対して〈1−100〉方向
に伸びており、非マスク領域を通った転位線が転位線制
御層で曲げられることなく、マスク領域の上方部分が低
転位化されている上記(1)または(2)記載のGaN
系半導体発光素子。
【0012】(5)転位線制御層が、発光層であるかま
たはそれよりも下層側の層であって、転位線制御層内の
マスク層が電流狭窄の役割を果しており、この電流狭窄
された部分に対応する発光層の部分が、転位線制御層に
よって低転位化されている上記(1)または(2)記載
のGaN系半導体発光素子。
【0013】(6)発光層よりも上層側にブラッグ反射
層がさらに設けられ、このブラッグ反射層と、発光層よ
りも下層側に設けられるブラッグ反射層とが、発光層か
ら発せられた光を共振させる共振器を構成している上記
(1)記載のGaN系半導体発光素子。
【0014】(7)p型、n型の両電極のうち発光層よ
りも上層側に設けられる上部電極が、発光層から垂直上
層方向に発せられ外界に出る光を遮らない領域に設けら
れている上記(5)または(6)記載のGaN系半導体
発光素子。
【0015】
【作用】本明細書では、GaN系結晶やサファイア基板
などの六方格子結晶の格子面を4つのミラー指数(hk
il)によって指定する場合があれば、記載の便宜上、
指数が負のときには、その指数の前にマイナス記号を付
けて表記するものとし、この負の指数に関する表記方法
以外は、一般的なミラー指数の表記方法に準じる。従っ
て、GaN系結晶の場合では、C軸に平行なプリズム面
(特異面)は6面あるが、例えば、その1つの面は(1
−100)と表記し、6面を等価な面としてまとめる場
合には{1−100}と表記する。また、前記{1−1
00}面に垂直でかつC軸に平行な面を等価的にまとめ
て{11−20}と表記する。また、(1−100)面
に垂直な方向は〔1−100〕、それと等価な方向の集
合を〈1−100〉とし、(11−20)面に垂直な方
向は〔11−20〕、それと等価な方向の集合を〈11
−20〉と表記する。但し、図面にミラー指数を記入す
る場合があれば、指数が負のときには、その指数の上に
マイナス記号を付けて表記し、ミラー指数の一般的な表
記方法に全て準じる。本発明でいう結晶方位は、全て、
ベース基板上に成長したGaN系結晶を基準とする方位
である。
【0016】「マスク領域」と「非マスク領域」は、共
にマスク層が形成される面内の領域である。マスク層の
上面の領域は、マスク領域に等しいものとみなし、同義
として説明に用いる。また、マスク領域の上方、下方と
は、マスク領域の面に対して垂直に上方、下方のことで
ある。非マスク領域の上方、下方も同様である。
【0017】また、当該GaN系半導体発光素子に設け
られるp型電極・n型電極のうち、発光層よりも上層側
に設けられる方の電極を上部電極と呼ぶ。これに対し
て、他方の電極を下部電極と呼ぶ。上部電極は、積層体
中の1つの層の上面全体に対して部分的に設けられる
が、この層の上面全体を上部電極形成面と呼ぶ。
【0018】本発明者等は、先にGaN系結晶とサファ
イア結晶基板との格子定数及び熱膨張係数の違いに起因
するGaN系結晶層のクラック対策として、図6(a)
に示すように、ベース基板1上に、格子状にパターニン
グしたマスク層Mを設け、基板面が露出している非マス
ク領域11だけにGaN系結晶層30を成長させ、ベー
ス基板面全体に対してチップサイズのGaN系結晶層3
0を点在させることによって、クラックを防止すること
を提案している(特開平7−273367号公報)。
【0019】その後本発明者らがさらに研究を重ねた結
果、点在的に成長させたGaN系結晶層30をさらに成
長させると、図6(b)に示すように、厚さ方向(C軸
方向)だけでなく、各GaN系結晶層30からマスク層
M上へ向けての横方向(C軸に垂直な方向)へも成長が
行われることが確認された。しかも、横方向への成長速
度は、結晶方位によっては厚さ方向と同程度の高速な成
長が可能な場合もあり、結晶方位依存性が判明した。
【0020】このマスク層よりも上方への成長をさらに
進めると、厚み方向、横方向への成長がさらに継続さ
れ、図6(c)に示す如く、GaN系結晶は、マスク領
域12を完全に覆ってマスク層を埋め込み、非常に転位
などの欠陥の少ない平坦でクラックの無い大型且つ厚膜
のGaN系結晶層30が得られる事を見いだした。
【0021】このとき、GaN系結晶層30中に存在す
る転位線は、ベース基板を含む下地から継承するか、成
長界面で発生し、図6(c)に示す如く、単に非マスク
領域から上方へ伝搬していくものと考えられていた。
【0022】ところが、その後の本発明者等の研究によ
って、上記のようにマスク層を形成し該マスク層を埋め
込むまで結晶成長を行なう場合、マスク層の形成パター
ン、結晶成長法、結晶成長時の雰囲気ガスの組合わせを
選択することによって、その層において、転位線の上方
への伝搬方向を制御できることを見い出したのである。
この制御方法によって、非マスク領域からそれに隣接す
るマスク領域の上方へ、あるいは非マスク領域からその
まま上方へ、いずれの領域の上方へも転位線の継承方向
を意図的に変化させることができるようになった。
【0023】上記のようにマスク層を埋め込むまで成長
させてなるGaN系結晶層を発光素子の積層体内に設け
ることによって、マスク層よりも上層側の層を低転位化
できる。特に、上記のように、マスク層を用いて積極的
に転位線の上方への伝搬方向を制御することによって、
光が発生する部分や上部電極形成面など、マスク層より
も上層側の重要箇所を自在に低転位化し、光度、出力、
素子寿命を向上させることができる。また好ましい態様
として、電流狭窄構造を構成し発光層に部分的に電流を
集中させて発光層を部分的に強く発光させるときに、そ
の強く発光させる部分を、転位線の制御によって低転位
化することで、光度をより向上させることができる。ま
た、低転位化された発光層とブラッグ反射層との組合せ
が重要であり、転位線制御層が発光層とブラッグ反射層
との間に位置するのが最も好ましい態様である。
【0024】本発明では、発光素子の積層体内にブラッ
グ反射層を設け、外界へより多くの光を放出させる構造
としているが、このとき、ブラッグ反射層の上層側にマ
スク層を設ける、という上下関係の限定を行なってい
る。これによって該マスク層を、上層側の低転位化のた
めの層、電流狭窄のための層として機能させると同時
に、新たに、下層側のブラッグ反射層の劣化防止のため
の保護層としても利用することができる。
【0025】ブラッグ反射層を下層側として、その上に
マスク層を形成することによって、マスク層よりも上層
側から下層に向かう不純物の拡散に対して、マスク層は
保護層となり、ブラッグ反射層のダメージが軽減され
る。例えば、不純物としてMgなどがブラッグ反射層に
まで拡散すると、ブラッグ反射層を構成する元素の配列
が乱され、界面急峻性が低下し、反射率が低下する。ま
た、マスク層は、エピタキシャル成長法のような高温を
用いずに形成し得るため、マスク層の形成自体がブラッ
グ反射層に熱的ダメージを与えることがない。形成され
たマスク層は、上層を形成する際の熱に対して保護層と
なり、ブラッグ反射層の熱的ダメージが軽減される。
【0026】ブラッグ反射層のうち、マスク層によって
ダメージが軽減される部分は、マスク領域の下方の部分
が直接的であり、さらにマスク層がブラッグ反射層に近
接しているほうがより保護を受ける度合いが顕著となる
が、非マスク領域の下方であっても、斜め上方マスク層
の影響によって保護されることになる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明による発光素子を製造方法
と共に説明する。本発明の発光素子は、図1に簡単な構
造の一例を示すように、ベース基板1を最下層とし、該
ベース基板上に、GaN系結晶からなる層を順次結晶成
長させて積み重ね、pn接合による発光層S3を含む積
層体Sを形成し、これに上部電極Xと下部電極Yを設け
て形成したものである。図1の例では、発光層S3は、
ダブルヘテロ接合構造によって2つのクラッド層S2、
S4によって挟まれた活性層である。また、図1の例で
は、ベース基板1は、サファイア結晶基板のような基礎
となる結晶基板1a上に、格子整合性を改善するための
バッファー層1b、さらにGaN系結晶薄膜層1cが順
次形成されたものを用いている。
【0028】図1の例におけるp/n型の上下位置関係
は、p型、n型の導電型を形成するための加工上の理由
から、ベース基板側をn型とし上層側をp型とする一般
的なものとなっている。また、ベース基板には絶縁体
(サファイア結晶基板)を用いており、n型GaN層S
1の上面を露出させ、その面に下部電極Yを設けるとい
う、一般的な電極の配置となっている。また、光が外界
に出ていく面は積層体の最上層の上面としており、下層
側にブラッグ反射層を位置させている。以下、本発明の
発光素子の他の態様を説明する場合にも、p/n型の上
下関係、ブラッグ反射層の位置、電極配置については、
これと同様の例を挙げて説明する。しかし、p/n型の
上下が逆の態様や、導電性を有するベース基板の場合に
は、ベース基板に下部電極を設ける態様なども自由に選
択してよい。
【0029】積層体Sの最上面とベース基板1の上面と
を除く、いずれかの層の上面には、マスク領域12と非
マスク領域11とを形成するようにマスク層Mが設けら
れる。さらに、非マスク領域11を成長の出発面とし、
マスク層上面を覆うまでGaN系結晶を成長しており、
転位線制御層S1が形成されている。
【0030】本発明では、この積層体S内にブラッグ反
射層B1が設けられ、該ブラッグ反射層B1が、発光層
S3および転位線制御層S1よりも下層側に設けられ
る。図1の例では、ベース基板1を最下層として、上層
側へ順にブラッグ反射層B1、マスク層Mを含む転位線
制御層(n型GaN層)S1、n型AlGaNクラッド
層S2、InGaN発光層S3、p型AlGaNクラッ
ド層S4、p型GaNコンタクト層S5の積層構造であ
る。
【0031】ベース基板は、GaN系結晶がC軸を厚さ
方向として成長可能なものであればよく、例えば、従来
からGaN系結晶を成長させる際に汎用されている、サ
ファイア、水晶、SiC等を用いてもよい。なかでも、
サファイアのC面、A面、6H−SiC基板、特にC面
サファイア基板が好ましい。またこれら材料の表面に、
GaN系結晶との格子定数や熱膨張係数の違いを緩和す
るためのZnO、MgOやAlN等のバッファー層を設
けたものであっても良く、さらにはGaN系結晶の薄膜
を表層に有するものでもよい。
【0032】ベース基板は、成長させるGaN系結晶と
なるべく格子定数が近く且つ熱膨張係数ができるだけ近
いものを選択することが、転位などの欠陥を本来的に少
なくする点及びクラック等をより生じにくくする点で望
ましい。また、後述するマスク層の薄膜形成の際におけ
る高熱やエッチングに対する耐性に優れることが好まし
い。このような点から、ベース基板は、少なくともその
表層がInX GaY AlZ N(0≦X≦1、0≦Y≦
1、0≦Z≦1、X+Y+Z=1)からなるものが好ま
しい。具体的には、サファイア基板上に、MOVPE法
によりZnOやAlN等のバッファー層、次いでGaN
又はGaAlNの薄層を順次成膜したものが好適に用い
得る。このようなベース基板であれば、該ベース基板上
に成長させるGaN系結晶内に新たに発生する転位の密
度を低く抑える事が出来、良好な結晶性を得ることがで
きる。
【0033】積層体の材料に用いられるGaN系結晶
は、式InX GaY AlZ N(0≦X≦1,0≦Y≦
1,0≦Z≦1,X+Y+Z=1)で決定される化合物
半導体である。特に、GaN系発光素子として有用なも
のとしてはGaN、InGaNなどが挙げられる。
【0034】積層体の層数は限定されない。積層体中に
おける、発光のメカニズムに直接関係する層だけを挙げ
るならば、単純なpn接合構造による2層、ダブルヘテ
ロ接合構造による3層など公知の構造が挙げられる他、
発光層の形態として、超格子構造を有するSQW (Sing
le Quantum well)、MQW (Multi Quantum well) 、量
子ドットなどでもよい。上記発光に関係する層に加え
て、図1に示すようにダブルヘテロ接合構造の上層とし
てコンタクト層S5、下層(=転位線制御層)S1を加
えた積層構造などが挙げられ、さらに、図2に示すよう
に、発光層の上層側で電流狭窄を行なうためのマスク層
を含む層や、図3に示すように上部にもブラッグ反射層
を加えて共振器を構成するなど、種々の機能層を加えて
もよい。
【0035】ブラッグ反射層は、発光層よりも下層側に
位置し、発光層から下層側に発せられた光を反射して、
少しでもロス無きように光を外界に放出させる。これに
対して、転位線制御層は、ブラッグ反射層の上層側であ
るならば、積層体のなかのどの層とするかは自由であ
る。転位線制御層が発光層よりも上層側であるならば、
上部電極を形成する部分を低転位化でき、また、発光層
よりも下層側であるならば、発光層の部分的な低転位化
も可能となる。しかし、マスク層によってブラッグ反射
層を保護するという観点からは、マスク層はブラッグ反
射層に近い方が保護層としての効果は高い。図1に示す
ように、ベース基板から順にブラッグ反射層、転位線制
御層、発光層とする構成は、発光層を部分的に低転位化
しながら、ブラッグ反射層を好ましく保護する点で好ま
しい一例である。
【0036】ブラッグ反射層は公知の反射層であって、
屈折率の異なる材料同士の界面が多重に形成されるよう
に、それらの材料からなる層が多層に積層された構造を
有するものである。なかでも、GaN系結晶からなる多
層構造が好ましいものとして挙げられる。特に、超格子
を構成する2層のGaN系結晶層を1ペアとして、これ
を所望のペア数だけ積層したものが、高い反射率を有す
るので好ましい。
【0037】マスク層は、それ自身の表面からは実質的
にGaN系結晶が成長し得ない材料を用いる。このよう
な材料としては、例えば非晶質体が例示され、さらにこ
の非晶質体としてSi、Ti、Ta、Zr等の窒化物や
酸化物、即ち、SiO2 、SiNX 、SiO1-X X
TiO2 、ZrO2 等が例示される。特に、耐熱性に優
れると共に成膜及びエッチング除去が比較的容易なSi
X や、SiO1-X X 膜が好適に使用できる。また、
図2に示すように、マスク層Mの上層にさらに第2のマ
スク層を設けて電流狭窄を行い、かつ転位線の伝搬を止
める場合、該マスク層の材料は、転位線の伝搬を止め得
るものであればよい。マスク層は、ブラッグ反射層を保
護するために用いられるので、発光層から発せられる光
に対して透明であることが好ましい。
【0038】マスク層は、例えば真空蒸着、スパッタ、
CVD等の方法により基板全表面を覆うように形成した
後、通常のフォトリソグラフィー技術によって光感光性
レジストのパターニングを行い、エッチングによって基
板の一部を露出させる等の手段で形成される。なお、厚
さは限定されないが、通常50nm〜500nm程度と
される。
【0039】マスク層を設けることによって、下層側か
ら伝搬してきた転位線のうち、少なくともマスク領域に
到達しているものについては、マスク層自体で伝搬を止
めることができる。一方、下層側から伝搬してきた転位
線のうち、非マスク領域に到達したものは、さらに上層
側へ伝搬する。この上層側に伝搬する転位線の伝搬方向
を、転位線制御層によって積極的に制御する方法につい
て次に説明する。
【0040】転位線制御層となるGaN系結晶層は、マ
スク層が設けられた面の非マスク領域から結晶成長を開
始する。このとき、GaN系結晶を成長させるに際し、
該GaN系結晶の、C軸方向への成長速度とC軸に垂直
な方向への成長速度との比を制御することによって、結
晶がマスク層よりも高く成長する時の結晶表面の形態
を、大きく分ければ、次の(1)、(2)のように変化
させることができる。
【0041】(1)C軸方向への成長速度の比をより大
きくとれば、結晶表面の形態は、図4(a)に示すよう
に、先ずピラミッド状となる。このように成長させるこ
とによって、転位線Lの伝搬を、非マスク領域上方か
ら、隣接するマスク領域の上方に屈曲させることができ
る。さらに結晶成長を続けると、図4(b)に示すよう
に、隣合ったマスク領域からの結晶同士が合流し、平坦
な上面の状態へと向かう。このとき転位線は、結晶同士
の合流面に沿って上方に向かい、非マスク領域の上方を
低転位化することができる。
【0042】(2)C軸に垂直な方向への成長速度の比
をより大きくとれば、結晶成長時の表面の形態は、図5
(a)に示すように、最初から上面が平坦な台形のよう
に成長する。このように成長させることによって、転位
線Lを同図のように、上方に向かって伝搬させることが
できる。この場合さらに結晶成長を続けると、図5
(b)に示すように、隣合ったマスク領域からの結晶同
士が合流し、平坦な上面の状態は維持され、結晶層の厚
みが増す。このとき転位線はそのまま継続して上方へ向
かい、マスク領域の上方を低転位化することができる。
【0043】上記C軸方向(厚み方向)への成長速度
と、C軸に垂直な方向(横方向)への成長速度との比を
制御するための要素は、マスク層の形成パターン、結晶
成長法、結晶成長時の雰囲気ガスであり、これらをいか
に組合せるかが重要である。その選択によって、転位線
制御層は上記(1)、(2)のように結晶成長し、転位
線の伝搬方向(逆に言えば上方の低転位化部分)が選択
できるのである。
【0044】転位線の伝搬方向を制御するためのマスク
の形成パターンは、マスク領域の外形線の方向、即ちマ
スク領域と非マスク領域との境界線の方向が重要であ
る。マスク領域と非マスク領域との境界線を〈11−2
0〉方向の直線とする場合、ファセット面である{1−
100}面がこの境界線を越えて横方向に成長する面と
して確保され、横方向への成長速度は遅くなる。横方向
成長速度に対しC軸方向の成長速度が速いため、{1−
101}面などの斜めファセットが形成され易い。よっ
て上記(1)のようにピラミッド状の形状が先ず形成さ
れてから平坦化する。このため平坦に埋め込むにはある
程度の厚みが必要となる。
【0045】逆に、マスク領域と非マスク領域との境界
線を〈1−100〉方向に伸びる直線とする場合、Ga
N系結晶の{11−20}面が、この境界線を越え、マ
スク層の上面に沿って横方向に成長する面として確保さ
れる。{11−20}面はオフファセット面であるた
め、ファセット面である{1−100}面に比べて、G
aN系結晶は上記(2)のように横方向に高速に成長す
る。横方向成長速度が速くなると、{1−101}面な
どの斜めファセットが形成され難い。その結果平坦に埋
め込むのが〈11−20〉に比べ薄くて済む。
【0046】上記マスクパターンの効果を最も顕著に現
すパターンの一例として、ストライプ状のマスクパター
ンが挙げられる。ストライプ状のマスクパターンは、帯
状のマスク層を縞状に配置したパターンである。従っ
て、帯状のマスク領域と帯状の非マスク領域とが交互に
並ぶ。このストライプ(即ち、各帯)の長手方向が、上
記したマスク領域と非マスク領域との境界線の方向であ
る。図2の例は、マスク層をストライプ状のマスクパタ
ーンとして形成し、ストライプの長手方向を〈1−10
0〉方向とした例である。マスクパターンは、ストライ
プ状だけに限定されず、境界線を考慮して任意のパター
ンとしてもよい。
【0047】結晶成長法としては、HVPE、MOCV
Dが挙げられる。特に、厚膜を作製する場合は成長速度
の速いHVPEが好ましく、また、薄膜の場合はMOC
VDが好ましい。
【0048】雰囲気ガスはH2 、N2 、Ar、He等が
挙げられるが、成長速度を制御するにはH2 、N2 が好
ましく用いられる。H2 リッチな雰囲気ガス中で成長を
行った場合、C軸方向の成長速度が速くなる。特に、マ
スク領域と非マスク領域との境界線の方向を〈11−2
0〉方向の直線とする場合(横方向に遅い場合)の組合
せでは、上記(1)のように、顕著にピラミッド状の形
状が先ず形成されてから平坦化する。このため平坦に埋
め込むにはある程度の厚みが必要となる。
【0049】一方、N2 リッチな雰囲気ガス中で成長を
行った場合、H2 リッチな雰囲気の場合に比べ、C軸方
向の成長速度が遅くなるため、相対的に横方向成長速度
が速くなる。マスクパターンとの組合せによって横方向
への成長をより高速にした場合、上記(2)の態様とな
り、転位線をそのまま上方に伝搬させ得る。
【0050】MOCVDによる結晶成長は、主にH2
ッチ雰囲気下で行われる場合が多い。例えば、 III族ガ
スとして、キャリアガス水素10(L)+有機金属バブ
リング用水素100(cc)。V族ガスとして、キャリ
アガス水素5(L)+アンモニア5(L)。この場合、
水素濃度は75%であり、これがH2 リッチの一例であ
る。この場合、窒素濃度は0%である。
【0051】MOCVDによる結晶成長でいうと、上記
の III族キャリアガスを窒素に変えた場合の窒素濃度は
約50%である。また、V族キャリアガスのみを窒素に
変えた場合の窒素濃度は約25%である。よって、本発
明では、MOCVDによる結晶成長において、窒素濃度
が25%程度以上をN2 リッチとする。
【0052】本発明によるGaN系発光素子の他の構成
例を図2、図3に示す。図2の例は、ベース基板1から
ダブルヘテロ接合構造(S2〜S4)までは図1と同様
であるが、その上層側の構造が異なる。即ち、p型Al
GaNクラッド層S4の上面には、第2のマスク層M2
が形成され、p型GaNコンタクト層S5がそのマスク
層M2を覆う層となっている。第2のマスク層M2は、
電流狭窄構造を構成している。上部電極Xは、電流狭窄
がなされる部分の上方を避け、電流狭窄によって発光の
中心とされた部分S31から発せられる光が外界へ出て
いくのを妨害しない位置に設けられている。
【0053】また、発光層において電流狭窄に対応する
部分S31は、下層側のマスク層Mによって低転位化さ
れ、発光効率が改善されている。さらに、第2のマスク
層M2は、転位線Lを止める層としても機能しており、
これによって上部電極Xが形成される領域は低転位化さ
れており、電極材料が転位線に入り込むことによる素子
寿命の低下が抑制されている。
【0054】図3は、発光層よりも上層側に第2のブラ
ッグ反射層を設け、下層側のブラッグ反射層と共に共振
器を構成し、面発光型の半導体レーザとした例である。
図3(a)の例は、共振器を構成するためにブラッグ反
射層B1、B2間の層厚を考慮する必要があるが、ベー
ス基板1からマスク層M2を覆う層S5までの積層構造
は、基本的に図2のLEDと同様である。図3(a)の
例では、層S5上に第2のブラッグ反射層B2が設けら
れ、その上に上部電極Xが設けられている。上部電極X
は、電流狭窄によって発光の中心とされた部分S31か
ら発せられる光が共振し、レーザ光となって外界へ出て
いくのを妨害しない位置に設けられている。共振器を構
成するブラッグ反射層B1、B2の例としては、例え
ば、GaN層/AlN層の2層を1ペアとし、各々、共
振・放出に必要なペア数だけ積層したものが例示され
る。
【0055】このような構成によって、ブラッグ反射層
のうちマスク層直下において直接保護された部分を共振
に利用でき、ブラッグ反射層におけるロスが軽減され
る。また、図2の例における効果と同様、下層側のマス
ク層Mによって発光の中心部分S31が低転位化されて
発光効率が改善され、第2のマスク層M2によって上部
電極Xが形成される領域が低転位化されて素子寿命の低
下が抑制されている。
【0056】図3(b)の例は、下層側のマスク層Mの
配置、転位線制御層を形成する際の成長条件が異なる以
外は、図3(a)の例と同様の半導体レーザである。図
3(a)の例では、下層側のマスク層Mを共振の光軸か
らはずし、ブラッグ反射層B1のうち非マスク領域下方
の部分を反射に用いる構成としている。転位線制御層を
形成するに際しては、図4で説明したように、厚み方向
の成長速度の比を大きくする成長条件のもと、転位線が
マスク領域の上方側へ曲がるように形成されており、非
マスク領域の上方が低転位化されている。
【0057】
【実施例】実施例1 本実施例では、図1に示す態様のGaN系LEDを実際
に製作した。〔ベース基板の形成〕最も基礎の結晶基板
1aとしてはサファイアC面基板を用いた。まずこのサ
ファイア基板をMOCVD装置内に配置し、水素雰囲気
下で1100℃まで昇温し、サーマルエッチングを行っ
た。その後温度を500℃まで下げAl原料としてトリ
メチルアルミニウム(以下TMA)、N原料としてアン
モニアを流し、AlN低温バッファー層1bを30nm
成長させ、さらに、温度を1000℃に昇温しGa原料
としてトリメチルガリウム(TMG)を、N原料として
アンモニアを流しGaN層1cを3μm成長させ、ベー
ス基板1を得た。
【0058】〔ブラッグ反射層の形成〕GaN層/Al
N層の2層を1ペアとし、かつ各々の層の厚みを発光波
長の1/4として、これを20ペア積層してブラッグ反
射層B1を形成した。各層の形成はMOCVD法を用い
た。
【0059】〔マスク層の形成〕この試料をMOCVD
装置から取出し、スパッタリング装置にて厚さ100n
mのストライプ状のSiO2 マスク層Mを形成した。マ
スク層Mの長手方向は、ブラッグ反射層の結晶方位に対
し〈1−100〉方向になるように形成した。
【0060】〔転位線制御層の形成〕この試料をMOC
VD装置内に配置し、水素雰囲気下で、1000℃まで
昇温し、TMG、アンモニア及びドーパント原料として
シランを流し、n型GaN結晶をマスク層の上面を覆う
よう5μm成長させ、転位線制御層(n型GaN層)S
1とした。
【0061】〔ダブルヘテロ接合構造の形成〕TMA、
TMG、アンモニアおよびドーパント原料としてシラン
を流し、n型AlGaNクラッド層S2を0.8μm成
長させた。次に、成長雰囲気ガスを水素から窒素に変え
アンモニアを流した条件下で700℃まで成長温度を下
げた。700℃に安定した後、In原料としてのトリメ
チルインジュウム(TMI)、TMG、アンモニアを流
しInGaN活性層S3を3nm成長させた。なおこの
ときのTMG、TMIのバブリングは窒素で行った。そ
の後1000℃まで昇温し、成長雰囲気ガスを窒素から
水素に変え、TMG、TMA、アンモニア、およびドー
パント原料としてビスシクロペンタジエニルマグネシウ
ム(Cp2Mg)を流し、p型AlGaNクラッド層S
4を0.1μm成長させ、ダブルヘテロ接合構造を得
た。
【0062】〔コンタクト層の形成〕次に、TMG、ア
ンモニア、およびドーパント原料としてCp2Mgを流
し、p型GaNコンタクト層S5を0.5μm成長させ
た。成長後、雰囲気を窒素に変えて室温までゆっくり冷
却した。
【0063】〔電極の形成〕上記のようにして得られた
サンプルをドライエッチングにより、積層体の上面から
p型層とダブルヘテロ接合構造の一部をエッチング除去
し、転位線制御層(n型GaN層)S1の上面を露出さ
せ、n型電極(下部電極)Yを形成し、積層体の最上面
にはp型電極(上部電極)Xを形成し、LEDとした。
【0064】実施例1の態様に対する比較例として、マ
スク層Mを設けず、ブラッグ反射層B1を保護しない構
造のものを製作した。即ち、図1における転位線制御層
S1内にマスク層Mを設けることなく、単に層厚0.5
μmのn型GaN結晶層を形成したこと以外は、実施例
1とまったく同様にLEDを形成した。両LEDを、T
o−18ステム台にマウントし、20mAでの出力の測
定を行ったところ、実施例1のサンプルは8mW、寿命
5000hr、比較例のサンプルは2mW、寿命500
hrであり、本発明による発光素子が、出力、寿命とも
に優れた特性を有していることがわかった。
【0065】実施例2 本実施例では、図2に示す態様のGaN系発光素子を製
作した。積層体の構造は、次の点以外は実施例1と全く
同様である。 p型AlGaNクラッド層S4の上面にマスク層M2
を形成し、発光層に対して電流狭窄を行った。また、そ
の電流狭窄によって発光の中心となる部分は、下層側の
マスク層Mのマスク領域上方に対応させ、その部分を低
転位とした。p型GaNコンタクト層S5は、転位線制
御層の形成と同様、マスク層M2を覆う層とした。 光の外界への放出を遮らないよう、上部電極を、発光
層の発光の中心となる部分の上方を避けて形成した。
【0066】本実施例によって得られたLEDを、実施
例1と全く同様に出力を測定したところ、15mW、寿
命5000hrであり、実施例1と比較して、より高い
出力であり、さらに好ましい態様であることがわかっ
た。
【0067】
【発明の効果】本発明のGaN系発光素子では、転位線
制御層によって発光層における発光の中心となる部分
や、上部電極が形成される領域などを低転位化し、発光
素子の特性劣化を改善すると同時に、転位線制御層にお
けるマスク層によってブラッグ反射層を保護することも
できる。従って、より発光効率の改善されたGaN系発
光素子とすることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光素子の一例として、LEDの構造
を示す断面図である。図1、図2では説明のために、各
層の厚み・幅の比などを誇張して示しており、実際の比
率とは異なる。また、他の層と区別するために、電極、
発光層、マスク層にハッチングを施している。ブラッグ
反射層は、多層の構造であることを表現している。
【図2】本発明の発光素子(LED)の他の例を示す断
面図である。
【図3】本発明の発光素子の一例として、半導体レーザ
の構造を示す断面図である。
【図4】転位線制御層の成長に際し、C軸方向への成長
速度の比をより大きくとった場合の、GaN系結晶の成
長状態、転位線の伝搬方向を示す模式図である。
【図5】転位線制御層の成長に際し、C軸に垂直な方向
への成長速度の比をより大きくとった場合の、GaN系
結晶の成長状態、転位線の伝搬方向を示す模式図であ
る。
【図6】マスク層上へのGaN系結晶の成長を示す模式
図である。
【符号の説明】
1 ベース基板 11 非マスク領域 12 マスク領域 B1 ブラッグ反射層 M マスク層 S 積層体 S1 n型GaN層(=転位線制御層) S2 n型AlGaNクラッド層 S3 InGaN活性層 S4 p型AlGaNクラッド層 S5 p型GaNコンタクト層 X 上部電極 Y 下部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 浩一 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 只友 一行 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaN系結晶がC軸を厚み方向として成
    長可能なベース基板を最下層とし、その上に、GaN系
    結晶からなり発光層を含む複数の層が順次成長し積み重
    なって積層体が形成され、これにp型電極、n型電極が
    設けられた構成を有する半導体発光素子であって、 積層体の最上面とベース基板上面とを除く、いずれかの
    層上面には、マスク領域と非マスク領域とを形成するよ
    うにマスク層が設けられ、マスク層の材料はそれ自身の
    表面からは実質的にGaN系結晶が成長し得ない材料で
    あり、 マスク層を覆う層は、非マスク領域を成長の出発面と
    し、マスク層上面を覆うまで結晶成長してなる層であ
    り、この層を転位線制御層と呼ぶとし、 積層体中において、発光層および転位線制御層よりも下
    層側には、ブラッグ反射層が設けられていることを特徴
    とするGaN系半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 転位線制御層が、C軸方向への成長速度
    とC軸に垂直な方向への成長速度との比を制御されなが
    ら形成された層であって、前記2つの成長速度の比の制
    御が、マスク層の形成パターン、結晶成長法、結晶成長
    時の雰囲気ガスの組合わせを選択することによってなさ
    れたものである請求項1記載のGaN系半導体発光素
    子。
  3. 【請求項3】 マスク層の形成パターンが、帯状のマス
    ク層を縞状に配置してなるストライプ状のマスクパター
    ンであり、該ストライプの長手方向はベース基板上に形
    成されるGaN系結晶に対して〈11−20〉方向に伸
    びており、非マスク領域を通った転位線が転位線制御層
    で曲げられ、非マスク領域の上方部分が低転位化されて
    いる請求項1または2記載のGaN系半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 マスク層の形成パターンが、帯状のマス
    ク層を縞状に配置してなるストライプ状のマスクパター
    ンであり、該ストライプの長手方向はベース基板上に形
    成されるGaN系結晶に対して〈1−100〉方向に伸
    びており、非マスク領域を通った転位線が転位線制御層
    で曲げられることなく、マスク領域の上方部分が低転位
    化されている請求項1または2記載のGaN系半導体発
    光素子。
  5. 【請求項5】 転位線制御層が、発光層であるかまたは
    それよりも下層側の層であって、転位線制御層内のマス
    ク層が電流狭窄の役割を果しており、この電流狭窄され
    た部分に対応する発光層の部分が、転位線制御層によっ
    て低転位化されている請求項1または2記載のGaN系
    半導体発光素子。
  6. 【請求項6】 発光層よりも上層側にブラッグ反射層が
    さらに設けられ、このブラッグ反射層と、発光層よりも
    下層側に設けられるブラッグ反射層とが、発光層から発
    せられた光を共振させる共振器を構成している請求項1
    記載のGaN系半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 p型、n型の両電極のうち発光層よりも
    上層側に設けられる上部電極が、発光層から垂直上層方
    向に発せられ外界に出る光を遮らない領域に設けられて
    いる請求項5または6記載のGaN系半導体発光素子。
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