JP2008270431A - 発光ダイオードの製造方法、半導体装置の製造方法、電子装置の製造方法および窒化物系iii−v族化合物半導体基板の製造方法 - Google Patents

発光ダイオードの製造方法、半導体装置の製造方法、電子装置の製造方法および窒化物系iii−v族化合物半導体基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発光効率が極めて高く、一度のエピタキシャル成長により低コストで製造することができ、基板を再利用することができる発光ダイオードの製造方法を提供する。
【解決手段】サファイア基板などの基板10上にウエットエッチング可能な層、例えばZnO層11を形成し、その上に例えばSiO2 膜により複数の凸部12を形成する。凸部12の間の凹部13に、その底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て窒化物系III−V族化合物半導体層15を成長させた後、この窒化物系III−V族化合物半導体層15から横方向成長を行う。凸部12の断面形状は例えば三角形または台形とする。この窒化物系III−V族化合物半導体15上に、活性層を含む窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させて発光ダイオード構造を形成した後、ZnO層11をウエットエッチングして除去することにより基板10を剥離する。
【選択図】図13

Description

この発明は、発光ダイオードの製造方法、半導体装置の製造方法、電子装置の製造方法および窒化物系III−V族化合物半導体基板の製造方法に関し、例えば、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた発光ダイオードの製造に適用して好適なものである。
GaN系半導体をサファイア基板などの異種基板上にエピタキシャル成長させる場合には、両者の格子定数差や熱膨張係数差が大きいため、結晶欠陥、特に貫通転位が高密度に発生してしまう。
この問題を回避するために、従来より、選択横方向成長による転位密度低減化技術が広く用いられている。この技術では、まずサファイア基板などの上にGaN系半導体をエピタキシャル成長させた後、結晶成長装置より基板を取り出し、そのGaN系半導体層上にSiO2 膜などからなる成長マスクを形成してからこの基板を再び結晶成長装置に戻し、この成長マスクを用いてGaN系半導体を再度エピタキシャル成長させる。
この技術によれば、上層のGaN系半導体層の転位密度を低減することができるが、2回のエピタキシャル成長が必要であるため、コスト高となっていた。
そこで、異種基板にあらかじめ凹凸加工を施し、この加工基板上にGaN系半導体をエピタキシャル成長させる方法が提案されている(例えば、非特許文献1、特許文献1、2参照。)。この方法の概要を図48A〜Cに示す。この方法によれば、まず、図48Aに示すように、c面のサファイア基板101の一主面に凹凸加工を施す。符号101aは凹部、101bは凸部を示す。これらの凹部101aおよび凸部101bはサファイア基板101の〈1−100〉方向に延在する。次に、このサファイア基板101上に、図48BおよびCに示す過程を経て、GaN系半導体層102を成長させる。図48C中、点線は成長途中の成長界面を示す。図48Cに示すように、凹部101aにおいてサファイア基板101とGaN系半導体層102との間に空隙103が形成される。図49にこの方法により成長されたGaN系半導体層102の結晶欠陥分布を模式的に示す。図49に示すように、GaN系半導体層102のうちの凸部101b上の部分に、この凸部101bの上面との界面から垂直方向に貫通転位104が発生して高欠陥密度領域105が形成され、凹部101aの上方の、高欠陥密度領域105の間の部分が低欠陥密度領域106となっている。
図50A〜Fは上記のものと別の従来の成長方法を示す(例えば、特許文献3参照。)。この方法では、図50Aに示すように、凹凸加工を施したサファイア基板101を用い、その上に図50B〜Fに示す過程を経てGaN系半導体層102を成長させる。しかしながら、この従来の成長方法では、GaN系半導体層102の転位密度を、図48A〜Cに示す従来の成長方法と同等のレベルに低減することは困難と考えられる。このため、この高転位密度のGaN系半導体層102上にGaN系半導体層を成長させて発光ダイオード構造を形成した場合、これらのGaN系半導体層の転位密度も高くなり、これが発光効率の低下を招いていた。
上記の課題を解決するために、本出願人により、一主面に一つまたは複数の凹部を有するサファイア基板のこの凹部に、その底面を底辺とする三角形の断面形状となる状態を経て第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることによりこの凹部を埋める工程と、第1の窒化物系III−V族化合物半導体層からサファイア基板上に第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、第2の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第1の導電型の第3の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層を順次成長させる工程とを有する発光ダイオードの製造方法が提案されている(特許文献4参照。)。
基板上にこの基板と異なる材料により凸部を形成し、凸部の間の凹部から窒化物系III−V族化合物半導体の成長を開始する成長方法が提案されているが(例えば、特許文献5、6参照。)、これらの成長様式はこの発明と大きく異なる。
一方、サファイア基板の両面に酸化亜鉛(ZnO)からなる中間層を形成し、サファイア基板の両面に形成された中間層の上にIII族窒化物半導体からなる二つの半導体層を形成し、酸化亜鉛のみをエッチングする溶液を用いたウエットエッチングにより二つの中間層だけを除去することで、二つの半導体層をサファイア基板から剥離して、III族窒化物半導体からなる2枚の半導体を得る製造方法が提案されている(特許文献7参照。)。また、サファイア基板上の一部の領域にZnOを、他の部分に窒化アルミニウム(AlN)からなる中間層を形成し、その中間層の上にIII族窒化物半導体の複数の層からなる半導体レーザ素子層を形成し、酸化亜鉛のみをエッチングする溶液を用いたウエットエッチングによりZnOの中間層のみを除去して、サファイア基板と半導体レーザ素子層の最下層との間に間隙を形成し、半導体レーザ素子層をこの間隙を利用してへき開し、そのへき開面をレーザの共振器の鏡面とすることにより、III族窒化物半導体レーザを製造する方法が提案されている(特許文献8参照。)。また、基板上にZnOのようなウエットエッチング可能な第1層を形成し、この第1層上に、低温成長により形成した下層と、結晶性の良い第1の窒化ガリウム系化合物半導体からなる第2層とを形成し、その第2層の上に、第2層の露出部が散在するように、点状、ストライプ状または格子状の島状態に、窒化ガリウム系化合物半導体がその上にエピタキシャル成長しない第3層を形成し、第3層で覆われていない第2層の露出部を核としてエピタキシャル成長させ、第3の上部では、横方向にエピタキシャル成長させることで第2の窒化ガリウム系化合物半導体からなる第4層を形成し、第1層をエッチングする溶液を用いたウエットエッチングにより基板から剥離させて窒化ガリウム系化合物半導体基板を形成する方法が提案されている(特許文献9参照。)。
三菱電線工業時報 第98号 2001年10月:LEPS法を用いた高出力紫外LEDの開発 特開2004−6931号公報 特開2004−6937号公報 特開2003−318441号公報 特開2006−352084号公報 特開2003−324069号公報 特許第2830814号明細書 特開平7−202265号公報 特開平7−297496号公報 特許第3744155号明細書
図48および図50に示す従来の成長方法のいずれにおいても、サファイア基板101の表面に凹凸加工を施すためには一般にドライエッチングが用いられるが、サファイア基板101はドライエッチングが難しいため、エッチングに時間がかかるだけでなく、加工精度も低かった。これは、特許文献4により提案された方法でも同様である。また、サファイア基板101をその上に成長した窒化物系III−V族化合物半導体層から剥離することは難しいため、サファイア基板101を再利用することは困難であった。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、発光ダイオードを構成する窒化物系III−V族化合物半導体層の結晶性の大幅な向上により発光効率が極めて高く、一度のエピタキシャル成長により低コストで製造することができ、基板の凹凸加工も容易であり、さらに基板の剥離を容易に行うことができ、基板を再利用することができる発光ダイオードの製造方法を提供することである。
この発明が解決しようとする他の課題は、素子構造を構成する半導体層の結晶性の大幅な向上により特性が極めて良好で、一度のエピタキシャル成長により低コストで製造することができ、基板の凹凸加工も容易であり、さらに基板の剥離を容易に行うことができ、基板を再利用することができる発光ダイオード、半導体レーザ、トランジスタなどを含む半導体装置の製造方法を提供することである。
この発明が解決しようとする他の課題は、素子構造を構成する層の結晶性の大幅な向上により特性が極めて良好で、一度のエピタキシャル成長により低コストで製造することができ、基板の凹凸加工も容易であり、さらに基板の剥離を容易に行うことができ、基板を再利用することができる半導体装置やその他の装置を含む電子装置の製造方法を提供することである。
この発明が解決しようとするさらに他の課題は、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた発光ダイオードなどの製造に用いて好適な窒化物系III−V族化合物半導体基板の製造方法を提供することである。
上記課題および他の課題は、添付図面を参照した本明細書の記述により明らかとなるであろう。
上記課題を解決するために、第1の発明は、
基板上にウエットエッチング可能な層を形成する工程と、
上記ウエットエッチング可能な層上に複数の凸部を形成する工程と、
上記凸部の間の凹部に、その底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層から第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、
上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第1の導電型の第3の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層を順次成長させる工程と、
上記ウエットエッチング可能な層を除去する工程と
を有することを特徴とする発光ダイオードの製造方法である。
第1の窒化物系III−V族化合物半導体層および第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の導電型は問わず、p型、n型、i型のいずれであってもよく、互いに同一導電型であってもそうでなくてもよく、さらには第1の窒化物系III−V族化合物半導体層あるいは第2の窒化物系III−V族化合物半導体層内に互いに導電型が異なる二つ以上の部分が混在してもよい。
典型的には、第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる際に、凹部の底面との界面から基板の一主面に対して垂直方向に転位が発生し、この転位が上記の三角形状の断面形状となる状態の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の斜面またはその近傍に到達したとき、上記の一主面に平行な方向に、三角形状部から遠ざかるように屈曲する。ここで、三角形状の断面形状あるいは三角形状部における三角形状とは、正確な三角形だけでなく、例えば頂部が丸まったものなど、近似的に三角形とみなすことができるものも含むことを意味する(以下同様)。また、好適には、第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長初期に、凹部の底面に複数の微小核が生成し、これらの微小核が成長し合体して行く過程で基板の凹部の底面との界面から基板の一主面に対して垂直方向に発生する転位が、上記の一主面に平行な方向に繰り返し屈曲される。こうすることで、第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長時に上部に抜ける転位を少なくすることができる。
ウエットエッチング可能な層としては、種々のものを用いることができ、適宜選択することができるが、このウエットエッチング可能な層だけをウエットエッチングにより除去することができ、しかも窒化物系III−V族化合物半導体の成長温度に耐えられるものを用いることが望ましい。具体的には、このウエットエッチング可能な層としては、例えば、ZnO層やZnMgO層などに代表される酸化亜鉛化合物層や、CrO層などが用いられるが、これに限定されるものではない。このウエットエッチング可能な層は二種類以上の物質からなる二層以上の層により構成してもよい。このウエットエッチング可能な層の厚さは、適宜選択することができるが、一般的には10nm〜10μmである。
典型的には、ウエットエッチング可能な層上に凸部と凹部とを交互に周期的に形成する。この場合、凸部および凹部の周期は、好適には、3〜5μmである。また、凸部の底辺の長さと凹部の底辺の長さとの比は、好適には0.5〜3であり、最も好適には0.5付近である。ウエットエッチング可能な層の一主面から見たこの凸部の高さは、好適には0.3μm以上、より好適には1μm以上である。この凸部は、好適には基板の一主面に対して傾斜した側面(例えば、ウエットエッチング可能な層の一主面と接する側面)を有し、この側面と基板の一主面とのなす角度をθとすると、光の取り出し効率の向上を図る観点より、例えば、好適には120°<θ<150°であり、最も好適には約140°であるが、これに限定されるものではない。この凸部の断面形状は、種々の形状であってよく、その側面も平面だけでなく曲面であってもよいが、例えば、n角形(ただし、nは3以上の整数)、具体的には三角形、四角形、五角形、六角形など、あるいはこれらの角部を切除したものや角が丸まっているもの、円形、楕円形などであり、これらの中でも基板の一主面から見て最も高い位置に頂点を一つ持つものが望ましく、特に三角形あるいはその頂部を切除したものや頂部が丸まっているものが最も望ましい。凹部の断面形状も種々の形状であってよいが、例えば、n角形(ただし、nは3以上の整数)、具体的には三角形、四角形、五角形、六角形など、あるいはこれらの角部を切除したものや角が丸まっているものや、円形、楕円形などである。光の取り出し効率の向上を図る観点より、好適には、この凹部の断面形状は逆台形状とする。ここで、逆台形状とは、正確な逆台形だけでなく、近似的に逆台形とみなすことができるものも含むことを意味する(以下同様)。この場合、第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の転位密度を最小化する観点より、好適には、凹部の深さ(凸部の高さと同じ)をd、凹部の底面の幅をWg 、三角形状の断面形状となる状態の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の斜面と基板の一主面とがなす角度をαとしたとき、2d≧Wg tanαが成立するように、d、Wg 、αを決める。αは通常一定であるため、この式が成立するようにd、Wg を決める。dは、大きすぎると原料ガスが凹部の内部に十分に供給されず、凹部の底面からの第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長に支障を来し、逆に小さすぎると基板の凹部だけでなく、その両側の凸部にも第1の窒化物系III−V族化合物半導体層が成長してしまうため、これらを防止する観点より、一般的には0.5μm<d<5μmの範囲内に選ばれ、典型的には1.0±0.2μmの範囲内に選ばれる。Wg は、一般的には0.5〜5μmであり、典型的には2±0.5μmの範囲内に選ばれる。また、凸部の上面の幅は、凸部の断面形状が三角形状の場合は0であるが、凸部の断面形状が台形状の場合は、この凸部は第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の横方向成長に使用する領域であるため、長ければ長いほど転位密度の少ない部分の面積を大きくすることができる。凸部の断面形状が台形状の場合、凸部の上面の幅は一般的には1〜1000μm、例えば4±2μmの範囲内であるが、これに限定されるものではない。
凸部または凹部は、例えば、基板上の一方向にストライプ状に延在するようにしてもよいし、少なくとも互いに交差する第1の方向および第2の方向にストライプ状に延在するようにすることにより凸部がn角形(ただし、nは3以上の整数)、具体的には三角形、四角形、五角形、六角形など、あるいはこれらの角部を切除したものや角が丸まっているもの、円形、楕円形、点状などの二次元パターンとなるようにしてもよい。好適な一つの例では、凸部が六角形の平面形状を有し、この凸部が蜂の巣状に二次元配列しており、この凸部を囲むように凹部が形成される。こうすることで、活性層から放出される光を360°の全方向に効率よく取り出すことができる。あるいは、凹部が六角形の平面形状を有し、この凹部が蜂の巣状に二次元配列しており、この凹部を囲むように凸部が形成されるようにしてもよい。基板の凹部がストライプ状である場合、この凹部は、例えば、第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の〈1−100〉方向に延在する。凸部は、例えば、n角錐(ただし、nは3以上の整数)、具体的には三角錐、四角錐、五角錐、六角錐など、あるいはこれらの角部を切除したものや角が丸まったもの、円錐、楕円錐などである。
凸部の材料は、各種のものであってよく、導電性の有無も問わないが、例えば、酸化物や窒化物や炭化物などの誘電体、金属や合金などの導電体(透明導電体を含む)などである。酸化物としては、例えば、酸化シリコン(SiOx )、酸化チタン(TiOx )、酸化タンタル(TaOx )、酸化ハフニウム(HfOx )、酸化ジルコニウム(ZrOx )、酸化亜鉛(ZnOx )、酸化アルミニウム(AlOx )、酸化ガリウム(GaOx )、酸化マグネシウム(MgOx )、酸化バリウム(BaOx )、酸化インジウム(InOx )、MgIn2 4 、フッ素ドープ酸化スズ(SnO2 :F(FTO))、酸化スズ(SnOx )、酸化リチウム(LiOx )、酸化カルシウム(CaOx )、酸化銅(CuOx )、CuAlO2 、SrCu2 2 、酸化イリジウム(IrOx )、酸化ルテニウム(RuOx )、Cua (Alx Gay Inz 1-a 2 、CdGeO、InGaZnO、ZnRhO、GaIn2 4 、LaO、LaCuOなどを用いることができ、これらの二種類以上を混合して、または積層膜の形で用いることもできる。窒化物としては、例えば、窒化シリコン(SiNx )、TiN、WN、CN、BN、LiN、TiON、SiON、CrN、CrNOなどを用いることができ、これらの二種類以上を混合して、または積層膜の形で用いることもできる。炭化物としては、SiC、HfC、ZrC、WC、TiC、CrCなどを用いることができ、これらの二種類以上を混合して、または積層膜の形で用いることもできる。金属または合金としては、B、Al、Ga、In、W、Ni、Co、Pd、Pt、Ag、Hf、Zr、Au、Cu、Ru、Ir、AgNi、AgPd、AuNi、AuPd、AlCu、AlSi、AlSiCuなどを用いることができ、これらの二種類以上を混合して、または積層膜の形で用いることもできる。透明導電体としては、ITO(インジウム−スズ複合酸化物)、IZO(インジウム−亜鉛複合酸化物)、ZO(酸化亜鉛)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、酸化スズなどを用いることができ、これらの二種類以上を混合して、または積層膜の形で用いることもできる。さらに、以上の各種の材料を二種類以上混合して、または積層膜の形で用いることもできる。金属などにより凸部を形成し、この凸部の少なくとも表面を窒化処理、酸化処理あるいは炭化処理することにより窒化物、酸化物あるいは炭化物を形成するようにしてもよい。
一方、本発明者らの知見によれば、上記の凸部の材料を適切に選択することにより、発光ダイオードの遠視野像(遠方における強度分布)をレンズなどの光学部品を用いないでも制御することができる。ここで、凸部の材料を適切に選択することは、発光ダイオードの上面からの放射束と側面からの放射束との比率を変化させることを意味し、活性層より放出された光が発光ダイオード構造を形成する半導体層内部における全反射により減衰していくことによる発光効率の低下を抑制しつつ、遠視野像の制御を可能にする。発光ダイオードの応用は、ディスプレイ、バックライト、照明など多岐に渡り、用途によって発光ダイオードの発光強度分布の望ましい形が異なるため、このように遠視野像の制御が可能となることの意義は極めて大きい。以下、本発明者らが得た知見の概要について説明する。
発光ダイオードの発光効率は、内部量子効率と光取り出し効率とによって決定される。光取り出し効率は、発光ダイオードの活性層から放出された光線が発光ダイオードの外部へと脱出することができる割合を示すものであり、発光ダイオードの高輝度化には光取り出し効率の向上が不可欠である。通常、活性層から放出された光線は、全反射により、発光ダイオードを構成する半導体層の内部から外部へと脱出することが困難になり、この半導体層の内部を反射往復するうちに減衰する。この半導体層の内部において脱出錐体 (escape cone)内にある光線は外部へと脱出することができるが、脱出錐体内にない光線の多くは減衰し、光取り出し効率を低下させる。
上述の凹凸基板を用いて、発光ダイオード構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させた発光ダイオードにおいては、その凹凸構造により、この窒化物系III−V族化合物半導体層の内部での全反射による減衰を軽減し、脱出錐体に入る光線の数を増やすことができる。すなわち、発光ダイオード構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層の断面形状が理想的な矩形であった場合、脱出錐体に入らない光線は、この窒化物系III−V族化合物半導体層と外部の媒質との界面で永久に反射し続けて減衰してしまうのに対し、図1に示すように、基板1の一主面に複数の凸部2を設けた凹凸基板上に発光ダイオード構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層(n型窒化物系III−V族化合物半導体層3、活性層4およびp型窒化物系III−V族化合物半導体層5)を成長させた発光ダイオードでは、この窒化物系III−V族化合物半導体層の内部に凹凸構造を有することにより、活性層4から放出された光線の反射角度を変えることができるため、脱出錐体に入る光線が増加し、光取り出し効率を向上させることができる。
一般に、発光ダイオード構造を形成する半導体層が平行平板状の構造を有する図2に示すような発光ダイオードの上面からの発光の遠視野像は、通常、図3に示すようなLambertianと呼ばれる強度分布になる。Lambertianは発光ダイオードの天頂方向に集光性の高い分布であり、一般的には光を散光させる場合には、発光ダイオードに光学部品を組み合わせ、散光させることが行われている。一方で、側面からの発光による遠視野像は、広角にピークを持つ散光性の高い分布であるが、一般的には、側面の面積は上面の面積に比べて大きくないため、全面からの総発光分布は集光性の高いものになる。
図2に示す発光ダイオードでは、活性層4から放出され、互いに異なる光路を通って基板1から出射される光線Aと光線Bとの間に干渉が生じるため、光取り出し効率および遠視野像は変化する。干渉現象による光取り出し効率および遠視野像の変化は光線Aと光線Bとの位相差により決定され、一般に、この位相差は光線Aと光線Bとの光学的距離の差および光線Bの反射面における位相シフトにより決まる。干渉によって光が強め合う方向が脱出錐体内に多く存在するようにすることで、光取り出し効率を向上させることができる。
図1における発光点から反射面までの距離Dによって、発光ダイオードの全放射束および遠視野像の形状が変化する。上述の凹凸基板の凸部の媒質を最適化する前段階として、距離Dを決定する必要がある。距離Dを決定し終えた後に、凸部2の媒質を、望ましい遠視野像の形状が得られるように決定する。凸部2の媒質の屈折率が変化することにより、発光ダイオードの上面からの発光と側面からの発光との光量比が変化する。いま、図4AおよびBに示すように、基板1上の凸部2の断面形状が台形、平面形状が正六角形でこの凸部2が蜂の巣状に二次元的に配列されている場合を考える。図4Aは断面図、図4Bは基板1側からこの基板1の凹凸構造を見た平面図であり、図4Aは図4BのA−A線に沿っての断面図である。凸部2の幅をWt 、凸部2の高さをd、凸部2の間の凹部6の幅をWg 、基板1の主面と凸部2の側面とのなす角度をθとする。図5は、発光点から反射面までの距離D(図1参照)によって、光取り出し倍率 (凹凸構造が存在せず、D=1.109λnの発光ダイオードにおける光取り出し効率で光取り出し効率を規格化した値(以下同様))および側面発光率 (側面からの放射光量の全発光量に占める割合(以下同様)) が変化する様子を、電磁光学シミュレーションにて計算した結果である。ただし、n型窒化物系III−V族化合物半導体層3、活性層4およびp型窒化物系III−V族化合物半導体層5はいずれもGaNからなり、基板1はサファイア基板であるとし、また、Wt =4.0μm、凸部2の上面の幅は3.272μm、d=1.0μm、Wg =1.5μm、凸部2の材質の屈折率nは1.46とした。なお、この電磁光学シミュレーションの条件は、その性質に反しない限り、以下の電磁光学シミュレーションでも同様である。図5から分かるように、光取り出し効率が極大となる時、側面発光率はほぼ極小となっているため、散光性が低い。図6に、発光波長λが530nm、かつ、発光点から反射面までの距離Dが0.7λnである場合に、側面発光率に伴って遠視野像が変化していく様子の計算結果を示す。図6から分かるように、側面発光率が特に0.6の時には、発光ダイオードの直上方向のみに集光しておらず、散光性が高い。散光性を強くするためには側面からの発光が多い方が望ましいことが分かる。
図1、図4AおよびBに示すような凹凸構造を有する発光ダイオードにおいては、凸部2の屈折率nを変化させることによって、発光ダイオードの光取り出し効率および遠視野像を制御することができる。図7AおよびBは電磁光学シミュレーションによる結果であり、発光波長が530nm、かつ、発光点から反射面までの距離Dがそれぞれ0.93λnおよび1.11λnである場合に、凸部2の屈折率によって、光取り出し倍率および側面発光率が変化していく様子を示す。図7AおよびBから分かるように、凸部2の屈折率が2.0程度の時、光取り出し効率が最も大きく、かつ側面発光率が増えている。光取り出し効率を向上させるためには、凸部2の屈折率を1.7以上2.1以下、望ましくは2.0程度にするとよい。また、散光性をよくするためには、凸部1の屈折率を1.7以上2.2以下、望ましくは2.0程度にするとよい。
図1に示す発光ダイオードから凸部2を除いて基板1を除去したものと実質的に同様な図8に示す発光ダイオードにおいても、上述と同様に、凸部2の屈折率nを変化させることによって、発光ダイオードの光取り出し効率および遠視野像を制御することができる。図9は電磁光学シミュレーションによる結果であり、発光波長が530nm、かつ、発光点から反射面までの距離Dが1.11λnの場合に、凸部2の屈折率によって、光取り出し倍率および側面発光率が変化していく様子を示す。図9から分かるように、凸部2の屈折率が1.55程度の時に、光取り出し効率が最も大きく、側面発光率が高い。光取り出し効率を向上させるためには、凸部2の屈折率を1.0以上1.8以下、望ましくは1.55程度にするとよい。また、散光性をよくするためには、凸部2の屈折率を1.0以上2.3以下、望ましくは1.3〜1.85程度にするとよい。
上述の凸部2の屈折率の最適範囲は、基板1の主面と凸部2の側面とのなす角度θ、凸部2の幅Wt 、凸部2の高さd、凹部6の幅Wg 、凸部2の平面形状、凸部2の二次元配列パターン、発光波長λなどによらず有効である。
屈折率が1.0以上2.3以下の誘電体は、発光波長の光を大きく吸収するものでなければ、基本的にはどのようなものであってもよいが、例えば、酸化物、窒化物、酸窒化物、フッ化物などである。必要に応じて、二種類以上の誘電体を混合して、あるいは、二種類以上の誘電体の積層膜を用いて凸部を構成してもよい。この誘電体の具体例を挙げると下記の通りである。ただし、下記の化学量論組成の誘電体のほかに、組成が少しずれた非化学量論組成の誘電体を用いてもよい。
物質名 屈折率 波長(nm)
酸化セリウム(CeO2 ) 2.20 550
酸化ハフニウム(HfO2 ) 1.95 550
五酸化タンタル(Ta2 5 ) 2.16 550
酸化イットリウム(Y2 3 ) 1.87 550
酸化亜鉛(ZnO) 2.10 550
酸化ジルコニウム(ZrO2 ) 2.05 550
斜方晶硫黄 2.01
タンタル酸リチウム(LiTaO3 ) 2.21 530
ニオブ酸リチウム(LiNbO3 ) 2.32(常光線) 530
ニオブ酸リチウム(LiNbO3 ) 2.24(異常光線) 530
酸窒化アルミニウム(AlON) 1.79 530
一酸化シリコン(SiO) 2.01 530
窒化シリコン(Si3 4 ) 2.04 530
酸化アルミニウム(Al2 3 ) 1.77 530
酸化ベリリウム(BeO) 1.72 530
酸化マグネシウム(MgO) 1.74 530
二酸化シリコン(SiO2 ) 1.46 530
フッ化リチウム(LiF) 1.39 530
フッ化カルシウム(CaF2 ) 1.44 530
フッ化マグネシウム(MgF2 ) 1.38 530
フッ化ナトリウム(NaF) 1.33 530
フッ化アルミニウム(AlF3 ) 1.38 550
フッ化セリウム(CeF3 ) 1.63 550
フッ化ランタン(LaF3 ) 1.59 550
フッ化ネオジム(NdF3 ) 1.61 550
凸部には、必要に応じて、活性層から放出される光を散乱し、光取り出し効率の向上を図り、発光ダイオードの高出力化を図る目的で、散乱中心を導入するようにしてもよい。このような散乱中心としては、例えばシリコンナノ結晶などのシリコン微粒子を用いることができる。このようなシリコン微粒子が導入された凸部を形成するためには、例えば、基板上に酸化シリコンにより凸部を形成した後、熱処理を行えばよい。
凸部の間の凹部にのみ第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる観点より、凸部の少なくとも表面を非晶質層により形成することが望ましい。この非晶質層は成長マスクとなるものである。これは、非晶質層上では成長時に核形成が起きにくいことを利用したものである。この非晶質層は、各種の成膜法により基板上に成膜したり、金属などにより凸部を形成し、この凸部の表面を酸化することなどにより形成してもよい。この非晶質層は、例えば、SiOx 膜、SiNx 膜、非晶質Si(a−Si)膜、非晶質CrN膜あるいはこれらの二種類以上の積層膜などであり、一般的には絶縁膜である。場合によっては、凸部を基板上に形成された第1の非晶質層、第2の非晶質層および第3の非晶質層により形成してもよい。この場合、例えば、第2の非晶質層は、第1の非晶質層および第3の非晶質層に対して選択的にエッチング可能なものとしてもよい。
第3の窒化物系III−V族化合物半導体層には、これと電気的に接続された状態で第1の導電型側の電極を形成する。同様に、第4の窒化物系III−V族化合物半導体層にも、これと電気的に接続された状態で第2の導電型側の電極を形成する。
基板としては種々のものを用いることができる。窒化物系III−V族化合物半導体と異なる物質からなる基板としては、具体的には、例えば、サファイア(c面、a面、r面などを含み、これらの面からオフした面のものも含む)、SiC(6H、4H、3Cを含む)、Si、ZnS、ZnO、LiMgO、GaAs、スピネル(MgAl2 4 、ScAlMgO4 )、ガーネット、CrN(例えば、CrN(111))などからなる基板を用いることができ、好適には、これらの材料からなる六方晶基板または立方晶基板、より好適には六方晶基板を用いる。基板としては、窒化物系III−V族化合物半導体(GaN、AlGaInN、AlN、GaInNなど)からなる基板、取り分けGaN基板を用いてもよい。あるいは、基板として、窒化物系III−V族化合物半導体と異なる物質からなる基板、例えばサファイア基板上に窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させたものを用いてもよい。
なお、例えば、基板上に窒化物系III−V族化合物半導体層などの層を成長させたものを基板として用いる場合、凸部の材料はこの凸部の直下の層と異なる材料のものが用いられる。
必要に応じて、ウエットエッチング可能な層をウエットエッチングにより除去して基板を剥離した後、凸部をエッチング除去してもよい。
第1〜第5の窒化物系III−V族化合物半導体層および活性層を構成する窒化物系III−V族化合物半導体層は、最も一般的には、AlX y Ga1-x-y-z Inz Asu 1-u-v v (ただし、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦u≦1、0≦v≦1、0≦x+y+z<1、0≦u+v<1)からなり、より具体的には、AlX y Ga1-x-y-z Inz N(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦x+y+z<1)からなり、典型的には、AlX Ga1-x-z Inz N(ただし、0≦x≦1、0≦z≦1)からなり、具体例を挙げると、GaN、InN、AlN、AlGaN、InGaN、AlGaInNなどからなる。第1〜第5の窒化物系III−V族化合物半導体層および活性層を構成する窒化物系III−V族化合物半導体層は、例えばGaNにBやCrなどを含ませると転位の屈曲を促進する効果があるので、BGaN、GaNにBをドープしたGaN:B、GaNにCrをドープしたGaN:Crなどからなるものであってもよい。特に最初に基板の凹部に成長させる第1の窒化物系III−V族化合物半導体層としては、好適には、GaN、InX Ga1-x N(0<x<0.5)、AlX Ga1-x N(0<x<0.5)、AlX Iny Ga1-x-y N(0<x<0.5、0<y<0.2)からなるものが用いられる。第1の導電型はn型であってもp型であってもよく、それに応じて第2の導電型はp型またはn型である。また、基板上に最初に成長させるいわゆる低温バッファ層としてはGaNバッファ層、AlNバッファ層、AlGaNバッファ層などが一般的に用いられるが、これらにCrをドープしたものやCrNバッファ層などを用いてもよい。
第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の厚さは、必要に応じて選ばれ、典型的には数μm程度以下であるが、用途などによってはより厚く、例えば数10〜300μm程度であってもよい。
第1〜第5の窒化物系III−V族化合物半導体層および活性層を構成する窒化物系III−V族化合物半導体層の成長方法としては、例えば、有機金属化学気相成長(MOCVD)、ハイドライド気相エピタキシャル成長あるいはハライド気相エピタキシャル成長(HVPE)、分子線エピタキシー(MBE)などの各種のエピタキシャル成長法を用いることができる。
この第1の発明により製造される発光ダイオードは、発光を用いる各種の電子機器に適用して好適なものである。例えば、赤色発光の発光ダイオード、緑色発光の発光ダイオードおよび青色発光の発光ダイオードをそれぞれ少なくとも一つ含むセルが複数個配列した光源セルユニット、発光ダイオードバックライト、発光ダイオード照明装置、発光ダイオードディスプレイなどにおいて、赤色発光の発光ダイオード、緑色発光の発光ダイオードおよび青色発光の発光ダイオードのうちの少なくとも一つ、取り分け緑色発光の発光ダイオードおよび青色発光の発光ダイオードのうちの少なくとも一つの発光ダイオードとして、この第1の発明により製造される発光ダイオードを用いる。赤色発光の発光ダイオードとしては、例えば、AlGaInP系半導体を用いたものを用いることもできる。あるいは、一つまたは複数の発光ダイオードを有する電子機器において、その少なくとも一つの発光ダイオードとして、この第1の発明により製造される発光ダイオードを用いる。
電子機器は、発光ダイオードバックライト、発光ダイオード照明装置、発光ダイオードディスプレイなどに加えて、発光ダイオードを光源とするプロジェクタあるいはリアプロジェクションテレビ、グレーティングライトバルブ(GLV)などを含むが、一般的には、表示、照明、光通信、光伝送やその他の目的で少なくとも一つの発光ダイオードを有するものであれば、基本的にはどのようなものであってもよく、携帯型のものと据え置き型のものとの双方を含むが、上記以外の具体例を挙げると、携帯電話、モバイル機器、ロボット、パーソナルコンピュータ、車載機器、各種家庭電気製品、発光ダイオード光通信装置、発光ダイオード光伝送装置、電子鍵などのポータブルセキュリティー機器などである。
第2の発明は、
基板上にウエットエッチング可能な層を形成する工程と、
上記ウエットエッチング可能な層上に複数の凸部を形成する工程と、
上記凸部の間の凹部に、その底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て第1の半導体層を成長させる工程と、
上記第1の半導体層から第2の半導体層を横方向成長させる工程と、
上記ウエットエッチング可能な層を除去する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第2の発明において、第1〜第3の半導体層は、窒化物系III−V族化合物半導体のほか、ウルツ鉱型(wurtzit)構造、より一般的には六方晶系の結晶構造を有する他の半導体、例えばZnO、α−ZnS、α−CdS、α−CdSeなど、さらにはCrN(111)などの他の結晶構造を有する各種の半導体からなるものであってもよい。これらの半導体を用いた半導体装置には、一般的な発光ダイオード、サブバンド間遷移発光型(量子カスケード型)発光ダイオード、通常の半導体レーザ、サブバンド間遷移発光型(量子カスケード型)半導体レーザのような発光素子のほか、フォトダイオードなどの受光素子あるいはセンサ、太陽電池、さらには高電子移動度トランジスタなどの電界効果トランジスタ(FET)やヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)などのバイポーラトランジスタのようなトランジスタに代表される電子走行素子が含まれる。
第2の発明においては、その性質に反しない限り、第1の発明に関連して説明したことが成立する。
第3の発明は、
基板上にウエットエッチング可能な層を形成する工程と、
上記ウエットエッチング可能な層上に複数の凸部を形成する工程と、
上記凸部の間の凹部に、その底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て第1の層を成長させる工程と、
上記第1の層から第2の層を横方向成長させる工程と、
上記ウエットエッチング可能な層を除去する工程と
を有することを特徴とする電子装置の製造方法である。
電子装置は、上記の半導体装置(発光素子、受光素子、電子走行素子など)のほかに、圧電装置、焦電装置、光学装置(非線形光学結晶を用いる第2次高調波発生素子など)、誘電体装置(強誘電体素子を含む)、超伝導装置なども含む。この場合、第1〜第3の層の材料は、半導体装置では上記のような各種の半導体を用いることができ、圧電装置、焦電装置、光学装置、誘電体装置、超伝導装置などでは、六方晶系の結晶構造を有する酸化物などの各種の材料を用いることができる。
電子装置として発光ダイオードあるいは半導体レーザを含むものを用いることにより、発光ダイオードバックライト、発光ダイオード照明装置、発光ダイオードディスプレイなど、さらには発光ダイオードあるいは半導体レーザを光源とするプロジェクタあるいはリアプロジェクションテレビ、グレーティングライトバルブなどの電子機器を構成することができる。
第4の発明は、
基板上にウエットエッチング可能な層を形成する工程と、
上記ウエットエッチング可能な層上に複数の凸部を形成する工程と、
上記凸部の間の凹部に、その底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層から第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、
上記ウエットエッチング可能な層を除去する工程と
を有することを特徴とする窒化物系III−V族化合物半導体基板の製造方法である。
第5の発明は、
基板上にこの基板と異なる材料からなる複数の凸部および少なくともこの凸部の間の凹部の底部上のウエットエッチング可能な層を形成する工程と、
上記凹部に、その底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層から第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、
上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第1の導電型の第3の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層を順次成長させる工程と、
上記ウエットエッチング可能な層を除去する工程と
を有することを特徴とする発光ダイオードの製造方法である。
第6の発明は、
基板上にこの基板と異なる材料からなる複数の凸部および少なくともこの凸部の間の凹部の底部上のウエットエッチング可能な層を形成する工程と、
上記凹部に、その底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層から第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、
上記ウエットエッチング可能な層を除去する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第7の発明は、
基板上にこの基板と異なる材料からなる複数の凸部および少なくともこの凸部の間の凹部の底部上のウエットエッチング可能な層を形成する工程と、
上記凹部に、その底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て第1の層を成長させる工程と、
上記第1の層から第2の層を横方向成長させる工程と、
上記ウエットエッチング可能な層を除去する工程と
を有することを特徴とする電子装置の製造方法である。
第8の発明は、
基板上にこの基板と異なる材料からなる複数の凸部および少なくともこの凸部の間の凹部の底部上のウエットエッチング可能な層を形成する工程と、
上記凹部に、その底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層から第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、
上記ウエットエッチング可能な層を除去する工程と
を有することを特徴とする窒化物系III−V族化合物半導体基板の製造方法である。
第5〜第8の発明において、基板上に形成するウエットエッチング可能な層は、複数の凸部およびこの凸部の間の凹部の全面に形成するようにしてもよい。また、ウエットエッチング可能な層を凸部の間の凹部の底部上にのみ形成する場合、基板上への複数の凸部およびウエットエッチング可能な層の形成順序は問わず、基板上に複数の凸部を形成した後にこの凸部の間の凹部の底部にウエットエッチング可能な層を形成してもよいし、その逆であってもよい。
第5〜第8の発明においては、上記以外のことは、その性質に反しない限り、第1〜第4の発明に関連して説明したことが成立する。
上述のように構成されたこの発明においては、基板の凹部の底面から第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長を開始し、途中でこの底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることによりこの凹部を隙間なく埋めることができる。そして、こうして成長された第1の窒化物系III−V族化合物半導体層から第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる。このとき、第1の窒化物系III−V族化合物半導体層では、基板の凹部の底面との界面から基板の一主面に対して垂直方向に転位が発生し、この転位が第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の斜面またはその近傍に到達し、第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長に伴い、この転位はそこから基板の一主面に平行な方向に屈曲する。第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を十分に厚く成長させた時点で、この基板の一主面に平行な転位の上の部分は転位密度が極めて少ない領域となる。また、この方法では、第1〜第4の窒化物系III−V族化合物半導体層を一回のエピタキシャル成長により成長させることができる。さらに、ウエットエッチング可能な層上に凸部を形成することは、基板をドライエッチングなどにより直接加工して凹凸を形成するのに比べて非常に簡単であり、加工精度も一般に高い。そして、ウエットエッチング可能な層をエッチング除去することにより、基板を容易に剥離することができる。
より一般的には、第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を第1の半導体層あるいは第2の層、第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を第2の半導体層あるいは第2の層と読み替えて上記と同様なことが成立する。
この発明によれば、第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の結晶性が良好となるため、その上に成長させる第3の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第4の窒化物系III−V族化合物半導体層の結晶性も大幅に向上することから、発光効率が極めて高い発光ダイオードを得ることができる。しかも、一回のエピタキシャル成長により発光ダイオードを製造することができるため、低コストである。さらに、基板の凹凸加工も容易であり、加工精度も高い。しかも、基板を容易に剥離することができるため、基板を再利用することができる。そして、この発光効率が高い発光ダイオードを用いて高性能の光源セルユニット、発光ダイオードバックライト、発光ダイオード照明装置、発光ダイオードディスプレイ、発光ダイオード光通信装置、光空間伝送装置、各種の電子機器などを実現することができる。
より一般的には、第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を第1の半導体層あるいは第1の層、第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を第2の半導体層あるいは第2の層と読み替えて上記と同様な効果を得ることができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図において、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
図10A〜C、図11A〜Cおよび図12〜図15はこの発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法を工程順に示す。この発光ダイオードは、GaNなどの窒化物系III−V族化合物半導体を用いたものである。
この第1の実施形態においては、図10Aに示すように、まず、平坦な一主面を有する基板10を用意し、この基板10上にウエットエッチング可能な層としてZnO層11を形成する。このZnO層11は典型的にはc軸配向で形成するが、これに限定されるものではない。このZnO層11の厚さは必要に応じて選択されるが、例えば100nmとする。このZnO層11の形成方法も適宜選択されるが、例えば、RFスパッタリング法を用いる。具体的には、基板10をRFスパッタリング装置に導入し、アルゴンと酸素との混合ガス中でスパッタリングを行うことによりZnO層11を形成する。基板10としては、例えばすでに述べたものを用いることができるが、具体的には、例えば、サファイア基板(例えば、主面がc面のもの)やGaN基板などを用いる。
次に、このZnO層11上に、断面形状が二等辺三角形状の凸部12を所定の平面形状で周期的に形成する。凸部12の間には逆台形状の断面形状を有する凹部13が形成される。凸部12および凹部13の平面形状はすでに述べた各種の平面形状とすることができるが、例えば、図16に示すように、凸部12および凹部13とも一方向に延在するストライプ形状を有する場合や、図17に示すように、凸部12が六角形の平面形状を有し、これを蜂の巣状に二次元配列した場合などである。典型的には、図16における点線の方向(ストライプに直交する方向)が後述の窒化物系III−V族化合物半導体層15のa軸と平行となり、図17における点線の方向(最隣接の凸部12間を結ぶ方向)が、後述の窒化物系III−V族化合物半導体層15のm軸と平行となるようにする。凸部12の材料としてはすでに述べたものを用いることができるが、好適には屈折率が1.0〜2.3の誘電体が用いられ、中でも加工の容易さなどの観点から、好適には例えばSiO2 、SiN、SiONなどが用いられる。
ZnO層11上に断面形状が二等辺三角形状の凸部12を形成するためには、従来公知の方法を用いることができる。例えば、CVD法、真空蒸着法、スパッタリング法などによりZnO層11の全面に凸部12の材料となる膜(例えば、SiO2 膜)を形成する。次に、この膜上に所定形状のレジストパターンをリソグラフィーにより形成する。次に、反応性イオンエッチング(RIE)法などにより、テーパーエッチングが行われる条件で、このレジストパターンをマスクとしてこの膜をエッチングすることにより、断面形状が二等辺三角形状の凸部12が形成される。一例を挙げると、厚さが約1.5μmのSiO2 膜を形成し、これをパターニングすることにより約1.5μm間隔の凸部12を形成する。
次に、サーマルクリーニングなどを行うことによりZnO層11および凸部12の表面を清浄化した後、その上に従来公知の方法により例えば550℃程度の成長温度で例えばGaNバッファ層、AlNバッファ層、CrNバッファ層、CrドープGaNバッファ層あるいはCrドープAlNバッファ層(図示せず)を成長させる。次に、例えばMOCVD法により窒化物系III−V族化合物半導体のエピタキシャル成長を行う。この窒化物系III−V族化合物半導体は例えばGaNである。このとき、図10Bに示すように、まず凹部13の底面から成長を開始させ、窒化物系III−V族化合物半導体からなる微小核14を複数生成させる。次に、図10Cに示すように、微小核14の成長および合体の過程を経て、凹部13の底面を底辺とし、基板11の主面に対して傾斜したファセットを斜面に有する二等辺三角形状の断面形状となるように窒化物系III−V族化合物半導体層15を成長させる。この例では、この二等辺三角形状の断面形状の窒化物系III−V族化合物半導体層15の高さは凸部12の高さより大きい。例えば、この窒化物系III−V族化合物半導体層15の延在方向はその〈1−100〉方向であり、その斜面のファセットは(1−101)面である。この窒化物系III−V族化合物半導体層15は、アンドープであっても、n型不純物またはp型不純物をドープしてもよい。この窒化物系III−V族化合物半導体層15の成長条件については後述する。窒化物系III−V族化合物半導体層15の延在方向はその〈11−20〉方向であってもよい。
引き続いて、窒化物系III−V族化合物半導体層15の成長をその斜面のファセット面方位を維持しながら行うことにより、図11Aに示すように、窒化物系III−V族化合物半導体層15の両端部が凸部12の側面の下部まで成長して断面形状が五角形状となる状態とする。
次に、成長条件を横方向成長が支配的となる条件に設定して成長を続けると、図11Bに示すように、窒化物系III−V族化合物半導体層15は、矢印で示すように横方向成長して断面形状が六角形状となる状態で凸部12の上に広がって行く。図11B中、点線は成長途中の成長界面を示す(以下同様)。
さらに横方向成長を続けると、図11Cに示すように、窒化物系III−V族化合物半導体層15はその厚さを増しながら成長し、遂には隣接する凹部13から成長した窒化物系III−V族化合物半導体層15同士が凸部12上で接触し、会合する。
引き続いて、図11Cに示すように、窒化物系III−V族化合物半導体層15をその表面が基板11の主面と平行な平坦面となるまで横方向成長させる。こうして成長された窒化物系III−V族化合物半導体層15は、凹部13の上の部分の転位密度が極めて低くなる。
なお、場合によっては、図10Cに示す状態から、図11Aに示す状態を経ないで、図11Bに示す状態に直接移ることも可能である。
次に、図12に示すように、窒化物系III−V族化合物半導体層15上に、例えばMOCVD法により、n型窒化物系III−V族化合物半導体層16、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた活性層17およびp型窒化物系III−V族化合物半導体層18を順次エピタキシャル成長させる。この場合、窒化物系III−V族化合物半導体層15はn型であるとする。
上記の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長原料は、例えば、Gaの原料としてはトリエチルガリウム((C2 5 3 Ga、TEG)またはトリメチルガリウム((CH3 3 Ga、TMG)、Alの原料としてはトリメチルアルミニウム((CH3 3 Al、TMA)、Inの原料としてはトリエチルインジウム((C2 5 3 In、TEI)またはトリメチルインジウム((CH3 3 In、TMI)を、Nの原料としてはアンモニア(NH3 )を用いる。ドーパントについては、n型ドーパントとしては例えばシラン(SiH4 )あるいはジシラン(Si2 6 )を、p型ドーパントとしては例えばビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウム((CH3 5 4 2 Mg)、ビス(エチルシクロペンタジエニル)マグネシウム((C2 5 5 4 2 Mg)あるいはビス(シクロペンタジエニル)マグネシウム((C5 5 2 Mg)を用いる。また、上記の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長時のキャリアガス雰囲気としては、例えば、H2 ガスが用いられる。
次に、こうして窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させた基板11をMOCVD装置から取り出す。
次に、p型窒化物系III−V族化合物半導体層18上にp側電極19を形成する。p側電極19の材料としては、例えば、高反射率を有するオーミック金属を用いるのが好ましい。
この後、p型窒化物系III−V族化合物半導体層18のp型不純物を活性化するために、例えばN2 とO2 との混合ガス(組成は例えばN2 が99%、O2 が1%)の雰囲気中において550〜750℃(例えば、650℃)あるいは580〜620℃(例えば、600℃)の温度で熱処理を行う。ここで、例えば、N2 にO2 を混合することで活性化が起きやすくなる。また、例えば、O、Nと同様に電気陰性度の高いF、Clなどの原料としてハロゲン化窒素(NF3 、NCl3 など)をN2 またはN2 とO2 との混合ガス雰囲気に混合するようにしてもよい。この熱処理の時間は例えば5分〜2時間あるいは40分〜2時間、一般的には10〜60分程度である。熱処理の温度を比較的低くするのは、熱処理時の活性層17などの劣化を防止するためである。なお、この熱処理は、p型窒化物系III−V族化合物半導体層18をエピタキシャル成長させた後、p側電極19を形成する前に行ってもよい。
次に、p側電極19上に基板貼り合わせ用の金属膜20を形成する。この金属膜20は例えばスパッタリング法や真空蒸着法により形成することができる。この金属膜20は例えばAuからなるが、これに限定されるものではない。
一方、図13に示すように、別途、支持基板21の一方の主面上に基板貼り合わせ用の金属膜22を形成したものを用意し、この支持基板21の金属膜22側を基板10上の金属膜20と貼り合わせる。この金属膜22は例えばAuからなるが、これに限定されるものではない。支持基板21は導電性、非導電性のいずれであってもよく、支持基板21が非導電性の場合は金属膜20、22を介して発光ダイオードに電流を流すことが可能な構造を支持基板21に持たせればよい。
次に、基板10上にZnO層11、凸部12、窒化物系III−V族化合物半導体層15、n型窒化物系III−V族化合物半導体層16、活性層17、p型窒化物系III−V族化合物半導体層18、p側電極19および金属膜20が形成されたものと支持基板21上に金属膜22が形成されたものとが貼り合わされたものを、ZnO層11だけをエッチングするエッチング液に浸漬することにより、図14に示すように、ZnO層11をウエットエッチングして除去する。このウエットエッチングのエッチング液としては、例えば、60℃の塩酸を用いる。このウエットエッチングは、エッチングを促進するために、好適には、超音波洗浄器において行う。
こうしてZnO層11がエッチング除去されることにより、窒化物系III−V族化合物半導体層15から基板10が剥離される。
次に、ZnO層11がエッチング除去されることにより露出したn型の窒化物系III−V族化合物半導体層15上にn側電極23を形成する。このn側電極23は、透明電極材料からなるものを用いる。
次に、この支持基板21上に発光ダイオード構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層が形成されたものをスクライビングしてバーを形成し、このバーをスクライビングすることでチップ化する。
以上により、目的とする発光ダイオードが製造される。この発光ダイオードは垂直電流注入型である。
この発光ダイオードの具体的な構造例について説明する。すなわち、例えば、窒化物系III−V族化合物半導体層15がn型GaN層、n型窒化物系III−V族化合物半導体層16が下から順に、n型GaN層およびn型GaInN層、p型窒化物系III−V族化合物半導体層18が下から順に、p型AlInN層、p型GaN層およびp型GaInN層である。活性層17は例えばGaInN系の多重量子井戸(MQW)構造(例えば、GaInN量子井戸層とGaN障壁層とを交互に積層したもの)を有し、この活性層17のIn組成は発光ダイオードの発光波長に応じて選ばれ、例えば発光波長405nmでは〜11%、450nmでは〜18%、520nmでは〜24%である。p側電極19の材料としては、例えばAgやPd/Agなどを用い、あるいは必要に応じてこれに加えてTi、W、Cr、WN、CrNなどからなるバリアメタルを用いる。n側電極23としては、例えばITOからなるものを用いる。
こうして得られた図15に示す発光ダイオードにおいては、p側電極19とn側電極23との間に順方向電圧を印加して電流を流すことにより発光を行わせ、n側電極23側から外部に光を取り出す。活性層17のIn組成の選定により、赤色〜紫外の発光、取り分け青色発光、緑色発光または赤色発光を得ることができる。この場合、活性層17から発生した光のうち、n側電極23側に向かう光は、凸部12と窒化物系III−V族化合物半導体層15との界面で屈折した後、n側電極23を通って外部に出て行き、活性層17から発生した光のうち、p側電極19に向かう光は、このp側電極19で反射されてn側電極23側に向かい、n側電極23を通って外部に出て行く。
この第1の実施形態においては、窒化物系III−V族化合物半導体層15の貫通転位密度を最小化するために、凹部13の底面の幅Wg 、凹部13の深さ、すなわち凸部12の高さd、および、図10Cに示す状態の窒化物系III−V族化合物半導体層15の斜面と基板11の主面とのなす角度αが下記の式を満たすように決められている(図18参照)。
2d≧Wg tanα
例えば、Wg =2.1μm、α=59°の場合にはd≧1.75μm、Wg =2μm、α=59°の場合にはd≧1.66μm、Wg =1.5μm、α=59°の場合にはd≧1.245μm、Wg =1.2μm、α=59°の場合にはd≧0.966μmとする。ただし、いずれの場合もd<5μmとするのが望ましい。
図10BおよびCならびに図11Aに示す工程における窒化物系III−V族化合物半導体層15の成長時には、成長原料のV/III比を高めに、成長温度を低めに設定するのが好ましい。具体的には、窒化物系III−V族化合物半導体層15の成長を1気圧の圧力条件下で行う場合は、成長原料のV/III比を例えば13000±2000の範囲、成長温度を例えば1100±50℃の範囲に設定するのが好ましい。成長原料のV/III比については、窒化物系III−V族化合物半導体層15の成長をx気圧の圧力条件下で行う場合は、流速と圧力との関係を規定するベルヌーイの法則から、圧力の変化量を二乗した分のV/III比、具体的には概ね(13000±2000)×x2 に設定するのが好ましい。例えば、0.92気圧(700Torr)で成長を行う場合は、成長原料のV/III比を11000±1700の範囲(例えば、10530)に設定するのが好ましい。xは一般的には0.01〜2気圧である。成長温度については、1気圧以下の圧力条件下で成長を行う場合は、窒化物系III−V族化合物半導体層15の横方向成長を抑え、凹部13への窒化物系III−V族化合物半導体層15の選択成長を容易にするため、より低い成長温度に設定するのが好ましい。例えば、0.92気圧(700Torr)で成長を行う場合は、成長温度を1050±50℃の範囲(例えば、1050℃)に設定するのが好ましい。以上のようにすることで、図10BおよびCならびに図11Aに示すように窒化物系III−V族化合物半導体層15が成長する。この際、凸部12上からは窒化物系III−V族化合物半導体層15は成長を開始しない。成長速度は一般的には0.5〜5.0μm/h、好適には3.0μm/h程度とする。窒化物系III−V族化合物半導体層15が例えばGaN層の場合、原料ガスの流量は、例えば、TMGは20SCCM、NH3 は20SLMである。一方、図11BおよびCに示す工程における窒化物系III−V族化合物半導体層15の成長(横方向成長)は、成長原料のV/III比を低めに、成長温度を高めに設定する。具体的には、窒化物系III−V族化合物半導体層15の成長を1気圧の圧力条件下で行う場合は、成長原料のV/III比を例えば5000±2000の範囲、成長温度を例えば1200±50℃の範囲に設定する。成長原料のV/III比については、窒化物系III−V族化合物半導体層15の成長をx気圧の圧力条件下で行う場合は、流速と圧力との関係を規定するベルヌーイの法則から、圧力の変化量を二乗した分のV/III比、具体的には概ね(5000±2000)×x2 に設定するのが好ましい。例えば、0.92気圧(700Torr)で成長を行う場合は、成長原料のV/III比を4200±1700の範囲(例えば、4232)に設定するのが好ましい。成長温度については、1気圧以下の圧力条件下で成長を行う場合は、窒化物系III−V族化合物半導体層15の表面の荒れを防止し、横方向成長を良好に行うため、より低い成長温度に設定するのが好ましい。例えば、0.92気圧(700Torr)で成長を行う場合は、成長温度を1150±50℃の範囲(例えば、1110℃)に設定するのが好ましい。窒化物系III−V族化合物半導体層15が例えばGaN層の場合、原料ガスの流量は、例えば、TMGは40SCCM、NH3 は20SLMである。こうすることで、図11BおよびCに示すように窒化物系III−V族化合物半導体層15が横方向成長する。
図19に、窒化物系III−V族化合物半導体層15の一例としてGaN層の成長時の原料ガスの流れおよび基板11上での拡散の様子を模式的に示す。この成長において最も重要な点は、成長初期に、凸部12にはGaNは成長せず、凹部13においてGaNの成長が開始することである。なお、図19では凸部12の断面形状が三角形状であるが、凸部12の断面形状が台形状であっても、同様に凸部12にはGaNは成長しない。これは、一般に、GaNの成長は、Ga原料としてTMG、N原料としてNH3 を用いる場合を考えると
Ga(CH3 3 (g)+3/2H2 (g)→Ga(g)+3CH4 (g)
NH3 (g)→(1−α)NH3 (g)+α/2N2 (g)+3α/2H2 (g)
Ga(g)+NH3 (g)=GaN(s)+3/2H2 (g)
なる反応式で表現されるように、NH3 とGaとが直接反応することで起きる。この際、H2 ガスが発生するが、このH2 ガスは結晶成長とは逆の作用、すなわちエッチング作用をする。図10BおよびCならびに図11Aに示す工程では、従来の平坦な基板上でのGaNの成長では行わない条件、すなわちエッチング作用を高め、成長しにくい条件(V/III比を高める)を用いることにより、凸部12での成長を抑制する。一方、凹部13の内部では、このエッチング作用が弱まるので、結晶成長が起きる。さらに、従来は、成長結晶表面の平坦性を向上させるため、横方向成長の度合いが高まる条件(より高温)で成長させるが、この第1の実施形態においては、貫通転位を基板10の主面に平行な方向に屈曲させることにより低減させたり、より早期に凹部13の内部を窒化物系III−V族化合物半導体層15で埋めたりする目的で、既に述べたように従来より低温(例えば、1050±50℃)で成長させる。
図20に、窒化物系III−V族化合物半導体層15の結晶欠陥分布を模式的に示す。図20中、符号24は貫通転位を示す。図24から分かるように、凸部12の中央部近傍、すなわち互いに隣接する凹部13から成長する窒化物系III−V族化合物半導体層15同士の会合部では転位密度が高くなっているものの、凹部13の上の部分を含む他の部分では転位密度は低くなっている。例えば、凹部13の深さd=1μm、底面の幅Wg =2μmの場合、この低転位密度の部分の転位密度は6×107 /cm2 であり、凹凸加工を施した基板11を用いない場合に比べて1〜2桁転位密度が低減されている。凹部13の側壁に対して垂直方向への転位の発生は一切起きない。
また、図20において、凹部13のZnO層11と接する窒化物系III−V族化合物半導体層15の高転位密度で結晶性が悪い領域の平均厚さは、凸部12と接する窒化物系III−V族化合物半導体層15の高転位密度で結晶性が悪い領域の平均厚さの1.5倍程度である。これは、凸部12上では窒化物系III−V族化合物半導体層15が横方向成長することを反映した結果である。
図21に、凸部12が図16に示す平面形状を有する場合の貫通転位24の分布を示す。また、図22に、凸部12が図17に示す平面形状を有する場合の貫通転位24の分布を示す。
次に、成長初期からの窒化物系III−V族化合物半導体層15の成長様式および転位の伝播の様子について図23A〜Fを参照しながら説明する。
成長を開始すると、図23Aに示すように、まず凹部13の底面に窒化物系III−V族化合物半導体からなる微小核14が複数生成する。これらの微小核14では、ZnO層11との界面から垂直方向に転位(点線で示す)が伝播し、この転位は微小核14の側面から抜ける。成長を続けると、図23BおよびCに示すように、微小核14の成長および合体の過程を経て窒化物系III−V族化合物半導体層15が成長する。これらの微小核14の成長および合体の過程で、基板10の主面に平行な方向に転位の屈曲が起きる結果、上部に抜ける転位が少なくなる。さらに成長を続けると、図23Dに示すように、窒化物系III−V族化合物半導体層15は、凹部13の底面を底辺とする二等辺三角形状の断面形状になる。この時点では、窒化物系III−V族化合物半導体層15から上部に抜ける転位は、大幅に減少している。次に、図23Eに示すように、窒化物系III−V族化合物半導体層15を横方向成長させる。この過程では、凹部13の底面を底辺とする二等辺三角形状の断面形状を有する窒化物系III−V族化合物半導体層15の側面に抜けた転位は、凸部12より低い位置にあるものは基板10の主面に平行に凸部12の側面まで延伸し続けて消失し、凸部12より高い位置にあるものは基板10の主面に平行に延伸して横方向成長した窒化物系III−V族化合物半導体層15の側面に抜ける。窒化物系III−V族化合物半導体層15の横方向成長をさらに続けると、図23Fに示すように、凸部12の上でその両側から成長した窒化物系III−V族化合物半導体層15同士が会合し、やがては窒化物系III−V族化合物半導体層15の表面が基板10の主面と平行な平坦面となる。窒化物系III−V族化合物半導体層15中の転位は、凸部12上で会合したときに上方(基板10の主面に垂直な方向)に屈曲し、貫通転位となる。
図24AおよびBを参照して、微小核14の生成から窒化物系III−V族化合物半導体層15の横方向成長後までの転位の挙動について改めて説明する。図24AおよびBに示すように、微小核14の生成、成長および合体の過程で、ZnO層11との界面から発生した転位は水平方向への屈曲を繰り返して束ねられる(転位(1))。また、こうして水平方向に屈曲した転位が凸部12の側面に延伸して消失する(転位(2))。さらに、ZnO層11との界面から発生した転位が一回だけ屈曲して窒化物系III−V族化合物半導体層15の表面に抜けていく(転位(3))。上記の転位が束ねられること、および、水平方向に屈曲した転位が凸部12の側面に延伸して消失することにより、微小核14が生成されない場合に比べて、貫通転位が少ない窒化物系III−V族化合物半導体層15を得ることができる。
参考のために、基板10上にZnO層11を形成しない場合において、図17Aに示すように凹部13の底面に微小核14が生成された状態の断面TEM写真を図25A〜Cに示す。図25BおよびCは図25Aの楕円で囲んだ部分を拡大した断面TEM写真である。図25A〜Cより、成長初期に微小核14が生成されている様子がよく分かる。
次に、成長初期に微小核14が生成する場合と生成しない場合とで窒化物系III−V族化合物半導体層15中に発生する転位の挙動がどのように異なるかについて説明する。
図26A〜Cは、窒化物系III−V族化合物半導体層15の成長初期に微小核14が生成しない場合における図23D〜Fに対応する状態を示す。図26Aに示すように、成長初期に微小核14が生成しない場合には、窒化物系III−V族化合物半導体層15が凹部13の底面を底辺とする二等辺三角形状の断面形状を有するように成長した時点では凹部13の底面との界面から上方に延伸した転位のみ存在するが、この転位密度は一般に図23Dの場合に比べて多い。成長を続けると、図26Bに示すように、凹部13の底面を底辺とする二等辺三角形状の断面形状を有する窒化物系III−V族化合物半導体層15の側面に抜けた転位は、凸部12より低い位置にあるものは基板11の主面に平行に凸部12の側面まで延伸し続けて消失し、凸部12より高い位置にあるものは基板10の主面に平行に延伸して横方向成長した窒化物系III−V族化合物半導体層15の側面に抜ける。窒化物系III−V族化合物半導体層15の横方向成長をさらに続けると、図26Cに示すように、凸部12の上でその両側から成長した窒化物系III−V族化合物半導体層15同士が会合し、やがて窒化物系III−V族化合物半導体層15の表面が基板11の主面と平行な平坦面となる。窒化物系III−V族化合物半導体層15中の転位は、凸部12上で会合したときに上方に屈曲し、貫通転位24となる。この貫通転位24の密度は、十分に低いものの、成長初期に凹部13の底面に微小核14が生成する場合に比べると高くなる。これは、図27AおよびBに示すように、微小核14を生成しない場合には、基板11との界面から発生する転位は、凹部13の底面を底辺とする二等辺三角状部の斜面に到達したときに一回だけ水平方向に屈曲するためである。すなわち、この場合には、微小核14の生成、成長および合体の過程で転位が束ねられる効果が得られない。
以上のように、この第1の実施形態によれば、窒化物系III−V族化合物半導体層15の貫通転位は基板10上の凸部12の中央部近傍に集中し、その他の部分の転位密度は例えば6×107 /cm2 程度と従来の凹凸加工基板を用いた場合に比べて大幅に低減されるため、窒化物系III−V族化合物半導体層15およびその上に成長される活性層17などの窒化物系III−V族化合物半導体層の結晶性は大幅に向上し、非発光中心なども大幅に減少する。これらによって、発光効率が極めて高い窒化物系III−V族化合物半導体系発光ダイオードを得ることができる。
加えて、この窒化物系III−V族化合物半導体系発光ダイオードの製造に必要なエピタキシャル成長は1回で済み、しかも成長マスクが不要であるだけでなく、凸部12はZnO層11上に凸部12の材料となる膜、例えばSiO2 膜、SiON膜、SiN膜、CrN膜、CrON膜などの膜を形成し、これをエッチング、粉末ブラスト法、サンドブラスト法などにより加工するだけで形成することができるので、凹凸加工が困難なサファイア基板などの基板10の加工が不要であるため、製造工程が簡単であり、低コストで垂直電流注入型の窒化物系III−V族化合物半導体系発光ダイオードを製造することができる。さらに、ZnO層11をウエットエッチングにより除去することにより基板10を容易に剥離することができるため、必要に応じて鏡面研磨を行って基板10を繰り返して再利用することができ、これによっても発光ダイオードの製造コストの低減を図ることができる。
次に、この発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態においては、凹部13の底面を底辺とする二等辺三角形状の断面形状となるように窒化物系III−V族化合物半導体層15が成長した時点で、この窒化物系III−V族化合物半導体層15の高さが凸部12の高さ以下になるように凸部12の高さが選ばれている。一例として図28AおよびBに、窒化物系III−V族化合物半導体層15の高さが凸部12の高さと等しい場合を示す。このようにすることにより、ZnO層11との界面から発生し、凹部13の底面を底辺とする二等辺三角形状の断面形状を有する窒化物系III−V族化合物半導体層15の側面に抜けた転位は全て、基板10の主面に平行に凸部12の側面まで延伸し続けて消失するため、窒化物系III−V族化合物半導体層15の表面に抜ける貫通転位24は激減し、実質的に貫通転位密度をゼロとすることができる。
上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
この第2の実施形態によれば、実質的に貫通転位密度がゼロの窒化物系III−V族化合物半導体層15を成長させることができるため、実質的に無転位の窒化物系III−V族化合物半導体基板を得ることができる。そして、例えば、この無転位の窒化物系III−V族化合物半導体基板上にn型窒化物系III−V族化合物半導体層16、活性層17およびp型窒化物系III−V族化合物半導体層18を成長させることにより、これらの層の転位密度を大幅に低減させることができ、特性が極めて良好な窒化物系III−V族化合物半導体系発光ダイオードを実現することができるという利点を得ることができる。第1の実施形態と同様な利点を得ることができることは言うまでもない。
次に、この発明の第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態においては、第1の実施形態と同様にしてp側電極19まで形成した後、ZnO層11をウエットエッチングによりエッチング除去することにより基板10を除去し、n型の窒化物系III−V族化合物半導体層15の裏面を露出させる。そして、図29に示すように、この窒化物系III−V族化合物半導体層15の裏面にn側電極23を形成する。
ここで、p側電極19およびn側電極23を高反射電極あるいは透明電極とすることにより、光の取り出し方向を選択することができる。
上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
この第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第4の実施形態について説明する。
この第4の実施形態においては、第1の実施形態と同様にして基板10を剥離した後、凸部12をエッチング除去する。次に、図30に示すように、この凸部12があった部分に活性層17からの光を大きく吸収しない誘電体25を埋め込んで表面を平坦化した後、この面に透明電極材料からなるn側電極23を形成する。誘電体25としては、好適には屈折率が1.0〜2.3のもの、例えばSiO2 、SiN、SiONなどが用いられる。
上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
この第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第5の実施形態について説明する。
この第5の実施形態においては、図31Aに示すように、基板10上にZnO層11を形成した後、このZnO層11上に断面形状が台形状の凸部12を所定の平面形状で周期的に形成する。凸部12の間には逆台形状の断面形状を有する凹部13が形成される。
次に、第1の実施形態と同様にして窒化物系III−V族化合物半導体層15を成長させる。具体的には、凹部13の底面上の微小核14の生成、成長および合体の過程を経て図31Bに示すように、凹部13の底面を底辺とする二等辺三角形状の断面形状を有する窒化物系III−V族化合物半導体層15を成長させ、さらに横方向成長を経て図31Cに示すように、平坦な表面を有し、貫通転位密度が低い窒化物系III−V族化合物半導体層15を成長させる。
次に、第1の実施形態と同様に工程を進めて、図32に示すように、目的とする窒化物系III−V族化合物半導体系発光ダイオードを製造する。
上記以外のことは第1の実施形態と同様である。
図33に、窒化物系III−V族化合物半導体層15の結晶欠陥分布を模式的に示す。
この第5の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第6の実施形態について説明する。
この第6の実施形態においては、第6の実施形態と同様にしてp側電極19まで形成した後、ZnO層11をウエットエッチングによりエッチング除去することにより基板10を除去し、n型の窒化物系III−V族化合物半導体層15の裏面を露出させる。そして、図34に示すように、この窒化物系III−V族化合物半導体層15の裏面にn側電極23を形成する。
ここで、p側電極19およびn側電極23を高反射電極あるいは透明電極とすることにより、光の取り出し方向を選択することができる。
上記以外のことは第1および第5の実施形態と同様である。
この第6の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第7の実施形態について説明する。
この第7の実施形態においては、第1の実施形態と同様にして基板10を剥離した後、凸部12をエッチング除去する。次に、図35に示すように、この凸部12があった部分に活性層17からの光を大きく吸収しない誘電体25を埋め込んで表面を平坦化した後、この面に透明電極材料からなるn側電極23を形成する。誘電体25としては、好適には屈折率が1.0〜2.3のもの、例えばSiO2 、SiN、SiONなどが用いられる。
上記以外のことは第1および第5の実施形態と同様である。
この第7の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第8の実施形態について説明する。
この第8の実施形態においては、図36に示すように、基板10上に断面形状が台形状の凸部12を所定の平面形状で周期的に形成する。この凸部12の平面形状は、例えば図16に示すようにストライプ形状とする。凸部12の間隔の一例を挙げると約1.5μmである。凸部12の間には逆台形状の断面形状を有する凹部13が形成される。次に、凹部13の底部上にZnO層11をストライプ形状に形成する。このストライプ形状のZnO層11の幅の一例を挙げると約1.5μmである。このストライプ形状のZnO層11は、例えば、凸部12が形成された基板10の全面にZnO層11を形成した後、このZnO層11をエッチングによりパターニングすることにより形成することができる。あるいは、凸部12が形成された基板10上に凸部12を覆うレジストパターン(図示せず)を形成し、スパッタリング法などによりZnO層11を全面に形成した後、レジストパターンをその上に形成されたZnO層11とともに除去、すなわちリフトオフすることによって形成することもできる。ただし、ZnO層11は、図36において一点鎖線で示すように、凹部13の底部上だけでなく、凸部12の表面を含む全面に形成するようにしてもよい。
次に、ZnO層11をウエットエッチングによりエッチング除去することにより基板10を除去し、n型の窒化物系III−V族化合物半導体層15の裏面を露出させる。そして、図37に示すように、この窒化物系III−V族化合物半導体層15の裏面にn側電極23を形成する。
上記以外のことは第1および第5の実施形態と同様である。
この第8の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第9の実施形態について説明する。
この第9の実施形態においては、第8の実施形態と同様にしてp側電極19まで形成した後、ZnO層11をウエットエッチングによりエッチング除去することにより基板10を除去し、n型の窒化物系III−V族化合物半導体層15の裏面を露出させる。そして、図38に示すように、この窒化物系III−V族化合物半導体層15の裏面にn側電極23を形成する。
ここで、p側電極19およびn側電極23を高反射電極あるいは透明電極とすることにより、光の取り出し方向を選択することができる。
上記以外のことは第1、第5および第8の実施形態と同様である。
この第9の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第10の実施形態について説明する。
この第10の実施形態においては、第9の実施形態と同様にしてZnO層11をウエットエッチングによりエッチング除去することにより基板10を除去し、さらに凸部12を例えばウエットエッチングすることにより除去し、n型の窒化物系III−V族化合物半導体層15の裏面を露出させる。凸部12が例えばSiO2 からなる場合には、フッ酸系のエッチング液を用いてウエットエッチングすることにより凸部12を容易に除去することができる。そして、図39に示すように、この窒化物系III−V族化合物半導体層15の裏面にn側電極23を形成する。
上記以外のことは第1、第5、第8および第9の実施形態と同様である。
この第10の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第11の実施形態による発光ダイオードバックライトについて説明する。
この第11の実施形態においては、第1〜第10の実施形態のいずれかによる方法により製造される青色発光の発光ダイオードおよび緑色発光の発光ダイオードに加え、別途用意する赤色発光の発光ダイオードを用いて発光ダイオードバックライトを製造する場合について説明する。
図40に示すように、この発光ダイオードバックライトにおいては、基板61上に、赤色発光の発光ダイオードチップ63、緑色発光の発光ダイオードチップ64および青色発光の発光ダイオードチップ65を一単位(セル)としたものを所定のパターンで必要な数配置する。この場合、緑色発光の発光ダイオードチップ64および青色発光の発光ダイオードチップ65としては、第1〜第10の実施形態のいずれかの方法により製造される発光ダイオードを用いる。赤色発光の発光ダイオードチップ63としては、AlGaInP系の発光ダイオードを用いる。
次に、図41に示すように、この一単位を覆うように透明樹脂68のポッティングを行う。この後、透明樹脂68のキュア処理を行う。このキュア処理により透明樹脂68は固化し、それに伴い少し縮小する。こうして、赤色発光の発光ダイオードチップ63、緑色発光の発光ダイオードチップ64および青色発光の発光ダイオードチップ65を一単位としたものが基板61上にアレイ状に配列された発光ダイオードバックライトが得られる。
この発光ダイオードバックライトは、例えば液晶パネルのバックライトに用いて好適なものである。
次に、この発明の第12の実施形態による発光ダイオードバックライトについて説明する。
この第12の実施形態においては、第11の実施形態と同様にして、赤色発光の発光ダイオードチップ63、緑色発光の発光ダイオードチップ64および青色発光の発光ダイオードチップ65を基板61上に所定のパターンで必要な数配置した後、図42に示すように、赤色発光の発光ダイオードチップ63を覆うようにこの発光ダイオードチップ63に適した透明樹脂69のポッティングを行い、緑色発光の発光ダイオードチップ64を覆うようにこの発光ダイオードチップ64に適した透明樹脂70のポッティングを行い、青色発光の発光ダイオードチップ65を覆うようにこの発光ダイオードチップ65に適した透明樹脂71のポッティングを行う。この後、透明樹脂69〜71のキュア処理を行う。このキュア処理により透明樹脂69〜71は固化し、それに伴い少し縮小する。こうして、赤色発光の発光ダイオードチップ63、緑色発光の発光ダイオードチップ64および青色発光の発光ダイオードチップ65を一単位としたものが基板61上にアレイ状に配列された発光ダイオードバックライトが得られる。
この発光ダイオードバックライトは、例えば液晶パネルのバックライトに用いて好適なものである。
次に、この発明の第13の実施形態について説明する。
この第13の実施形態においては、第1〜第10の実施形態のいずれかによる方法により製造される青色発光の発光ダイオードおよび緑色発光の発光ダイオードに加え、別途用意する赤色発光の発光ダイオードを用いて光源セルユニットを製造する場合について説明する。
図43Aに示すように、この第13の実施形態においては、第11の実施形態と同様にして、赤色発光の発光ダイオードチップ63、緑色発光の発光ダイオードチップ64および青色発光の発光ダイオードチップ65をそれぞれ少なくとも一つ含み、これらが所定のパターンで配置されたセル75をプリント配線基板76上に所定のパターンで必要な数配置する。この例では、各セル75は、赤色発光の発光ダイオードチップ63、緑色発光の発光ダイオードチップ64および青色発光の発光ダイオードチップ65をそれぞれ一つ含み、これらが正三角形の頂点に配置されている。図43Bにセル75を拡大して示す。各セル75における赤色発光の発光ダイオードチップ63、緑色発光の発光ダイオードチップ64および青色発光の発光ダイオードチップ65の間隔aは例えば4mmであるが、これに限定されるものではない。セル75の間隔bは例えば30mmであるが、これに限定されるものではない。プリント配線基板76としては、例えば、FR4(Flame Retardant Type 4の略)基板やメタルコア基板やフレキシブル配線基板などを用いることができるが、放熱性を有するプリント配線基板であれば他のものを用いることもでき、これらに限定されるものではない。第11の実施形態と同様にして、各セル76を覆うように透明樹脂68のポッティングを行い、あるいは、第12の実施形態と同様にして、赤色発光の発光ダイオードチップ63を覆うように透明樹脂69のポッティングを行い、緑色発光の発光ダイオードチップ64を覆うように透明樹脂70のポッティングを行い、青色発光の発光ダイオードチップ65を覆うように透明樹脂71のポッティングを行う。こうして、赤色発光の発光ダイオードチップ63、緑色発光の発光ダイオードチップ64および青色発光の発光ダイオードチップ65からなるセル75がプリント配線基板76上に配置された光源セルユニットが得られる。
プリント配線基板76上のセル75の配置の具体例を図44および図45に示すが、これらに限定されるものではない。図44に示す例はセル75を4×3の二次元アレイ状に配置したもの、図45に示す例はセル75を6×2の二次元アレイ状に配置したものである。
図46はセル75の他の構成例を示す。この例では、セル75は、赤色発光の発光ダイオードチップ63を一つ、緑色発光の発光ダイオードチップ64を二つ、青色発光の発光ダイオードチップ65を一つ含み、これらが例えば正方形の頂点に配置されている。二つの緑色発光の発光ダイオードチップ64はこの正方形の一つの対角線の両端の頂点に配置され、赤色発光の発光ダイオードチップ63および青色発光の発光ダイオードチップ65はこの正方形のもう一つの対角線の両端の頂点に配置されている。
この光源セルユニットを一つまたは複数配列することにより、例えば液晶パネルのバックライトに用いて好適な発光ダイオードバックライトを得ることができる。
次に、この発明の第14の実施形態について説明する。
この第14の実施形態においては、配線基板61およびプリント配線基板76の代わりに、図47に示すように、プリント配線基板76と同等の配線パターンを有する互いに電気的に絶縁された薄い導電性基板91a、91b、91c(例えば、リードフレーム)の所定部位に赤色発光の発光ダイオードチップ63、緑色発光の発光ダイオードチップ64および青色発光の発光ダイオードチップ65の一方の電極側をそれぞれダイレクトマウントし、他方の電極にそれぞれワイヤー67によりワイヤボンディングを行った後、例えば金型を用いた一体成型技術によりそれぞれ透明樹脂69〜71でモールドする。ここで、発光ダイオードチップ63、64、65は、例えば第1〜第10の実施形態のいずれかによる垂直電流注入型発光ダイオードである。また、発光ダイオードチップ63、64、65は、早期混色化(白色化、均一化)を目的として最適設計された所望の配置、配列でマウントするのが好ましい。発光ダイオードチップ63、64、65は透明樹脂68により一体でモールドしてもよい。導電性基板91a、91b、91cのうちの発光ダイオードチップ63、64、65をマウントする部分は斜面を有するカップ状に形成してもよく、こうすることでこの斜面による反射により光取り出し量を増加させることができる。また、導電性基板91a、91b、91c上の発光ダイオードチップ63、64、65側から最終的に光を取り出す場合、放熱性能を向上させる目的で、最終的に発光ダイオードチップ63、64、65側だけに透明樹脂69〜71または透明樹脂68がモールドされた形態にして、発光ダイオードチップ63、64、65と反対側の、外部に露出した部分の導電性基板91から直接放熱を行うようにするのが望ましい。導電性基板91a、91b、91cが例えばリードフレームである場合、このリードフレームによる放熱構造の形成方法としては、例えば、金型成型時に発光ダイオード側(片側)のみが樹脂モールドされる形成方法を用いてもよいし、発光ダイオードの両側を樹脂モールドした後に片側のモールド樹脂を残すように除去する方法を用いてもよい。なお、発光ダイオードチップ63、64、65はフリップチップ(ワイヤボンディングなし)、フェースアップ(ワイヤボンディングあり)などの様々な形態があり、光取り出し側も、発光ダイオードチップ63、64、65側、発光ダイオードチップ63、64、65と反対側などがあるため、これらの形態などによっては、上記のモールド側と放熱側とが逆になる場合もあることは言うまでもない。
また、図47は断面図であるため図示されていないが、例えば一体モールド成型時のリードフレーム上の赤色、緑色および青色の発光ダイオードチップ63、64、65のパッケージは、例えば、少なくとも最小単位が、図43Bあるいは図46に示すセル75のような配置で、外部リード端子が3対(陽極・陰極一対)あるモールドパッケージの形態でもよい。
この第16の実施形態によれば、例えば液晶パネルのバックライトに用いて好適な発光ダイオードバックライトあるいはこの発光ダイオードバックライトに用いて好適な光源セルユニットを得ることができる。
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の第1〜第16の実施形態において挙げた数値、材料、構造、形状、基板、原料、プロセス、凸部12および凹部13の方位などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、材料、構造、形状、基板、原料、プロセスなどを用いてもよい。
具体的には、例えば、上述の第1〜第10の実施形態において、p型層およびn型層の導電型を互いに逆にしてもよい。
また、必要に応じて、上述の第1〜第10の実施形態のうちの二以上を組み合わせてもよい。
発光ダイオードからの光取り出しを説明するための断面図である。 発光ダイオードからの光取り出しを説明するための断面図である。 図2に示す発光ダイオードの上面および側面の放射分布を示す略線図である。 図2に示す発光ダイオードにおける干渉現象による光取り出し倍率の変化を示す略線図である。 図1に示す発光ダイオードにおいて基板上に形成する凸部の断面形状および平面形状の例を示す断面図および平面図である。 図1および図5に示す発光ダイオードの側面発光量の変化に伴う遠視野像の形状の変化を示す略線図である。 図1および図5に示す発光ダイオードにおける凸部の屈折率による光取り出し倍率および側面発光率の変化を示す略線図である。 成長基板を除去した発光ダイオードを示す断面図である。 図8に示す発光ダイオードにおける凸部の屈折率による光取り出し倍率および側面発光率の変化を示す略線図である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法において基板上に形成する凸部の平面形状の例を示す平面図である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法において基板上に形成する凸部の平面形状の例を示す平面図である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法において用いる基板を示す略線図である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法における基板上の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長の様子を説明するための略線図である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法において基板上に成長させた窒化物系III−V族化合物半導体層の転位の振る舞いを説明するための略線図である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法において基板上に成長させた窒化物系III−V族化合物半導体層の貫通転位の分布の例を示す略線図である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法において基板上に成長させた窒化物系III−V族化合物半導体層の貫通転位の分布の例を示す略線図である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法において基板上に成長させる窒化物系III−V族化合物半導体層の成長の様子を示す略線図である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法において基板上に成長させる窒化物系III−V族化合物半導体層の転位の挙動を説明するための略線図である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法における窒化物系III−V族化合物半導体層の成長初期の様子を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法において基板上に成長させる窒化物系III−V族化合物半導体層の成長初期に微小核の生成を伴わない場合の成長の様子を示す略線図である。 この発明の第1の実施形態による発光ダイオードの製造方法において基板上に成長させる窒化物系III−V族化合物半導体層の成長初期に微小核の生成を伴わない場合の成長の様子を示す略線図である。 この発明の第2の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第3の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第4の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第5の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第4の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第5の実施形態による発光ダイオードの製造方法において基板上に成長させた窒化物系III−V族化合物半導体層の転位の振る舞いを説明するための略線図である。 この発明の第6の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第7の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第8の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第9の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第10の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第10の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第11の実施形態による発光ダイオードバックライトの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第11の実施形態による発光ダイオードバックライトの製造方法を説明するための斜視図である。 この発明の第11の実施形態による発光ダイオードバックライトの製造方法を説明するための斜視図である。 この発明の第12の実施形態による光源セルユニットを示す平面図およびこの光源セルユニットのセルの拡大図である。 この発明の第12の実施形態による光源セルユニットの一つの具体例を示す平面図である。 この発明の第12の実施形態による光源セルユニットの他の具体例を示す平面図である。 この発明の第12の実施形態による光源セルユニットのセルの他の構成例を示す平面図である。 この発明の第16の実施形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 従来の凹凸加工基板上へのGaN系半導体層の成長方法を説明するための断面図である。 図48に示す従来のGaN系半導体層の成長方法の課題を説明するための断面図である。 他の従来の凹凸加工基板上へのGaN系半導体層の成長方法を説明するための断面図である。
符号の説明
10…基板、11…ZnO層、12…凸部、13…凹部、14…微小核、15…窒化物系III−V族化合物半導体層、16…n型窒化物系III−V族化合物半導体層、17…活性層、18…p型窒化物系III−V族化合物半導体層、19…p側電極、20、22…金属膜、21…支持基板、23…n側電極、24…貫通転位、63〜65…発光ダイオードチップ、68〜71…透明樹脂、75…セル、76…プリント配線基板

Claims (16)

  1. 基板上にウエットエッチング可能な層を形成する工程と、
    上記ウエットエッチング可能な層上に複数の凸部を形成する工程と、
    上記凸部の間の凹部に、その底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層から第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、
    上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第1の導電型の第3の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層を順次成長させる工程と、
    上記ウエットエッチング可能な層をウエットエッチングにより除去する工程と
    を有することを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  2. 上記凸部は屈折率が1.0以上2.3以下の誘電体からなることを特徴とする請求項1記載の発光ダイオードの製造方法。
  3. 上記凹部の断面形状は逆台形であることを特徴とする請求項1記載の発光ダイオードの製造方法。
  4. 上記凹部の深さをd、上記凹部の底面の幅をWg 、上記三角形状の断面形状となる状態の上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の斜面と上記基板の一主面とがなす角度をαとしたとき、2d≧Wg tanαが成立することを特徴とする請求項3記載の発光ダイオードの製造方法。
  5. 上記凸部は上記基板上の一方向にストライプ状に延在することを特徴とする請求項1記載の発光ダイオードの製造方法。
  6. 上記凸部が六角形の平面形状を有し、この凸部が蜂の巣状に二次元配列しており、この凸部を囲むように上記凹部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の発光ダイオードの製造方法。
  7. 上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる際に、上記凹部の底面との界面から上記基板の一主面に対して垂直方向に発生する転位が、上記三角形状の断面形状となる状態の上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の斜面またはその近傍に到達したとき、上記一主面に平行な方向に屈曲することを特徴とする請求項1記載の発光ダイオードの製造方法。
  8. 上記ウエットエッチング可能な層が酸化亜鉛化合物層であることを特徴とする請求項1記載の発光ダイオードの製造方法。
  9. 上記基板がサファイア基板、GaN基板またはサファイア基板上に窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させたものであることを特徴とする請求項1記載の発光ダイオードの製造方法。
  10. 基板上にウエットエッチング可能な層を形成する工程と、
    上記ウエットエッチング可能な層上に複数の凸部を形成する工程と、
    上記凸部の間の凹部に、その底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て第1の半導体層を成長させる工程と、
    上記第1の半導体層から第2の半導体層を横方向成長させる工程と、
    上記ウエットエッチング可能な層をウエットエッチングにより除去する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 基板上にウエットエッチング可能な層を形成する工程と、
    上記ウエットエッチング可能な層上に複数の凸部を形成する工程と、
    上記凸部の間の凹部に、その底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て第1の層を成長させる工程と、
    上記第1の層から第2の層を横方向成長させる工程と、
    上記ウエットエッチング可能な層を除去する工程と
    を有することを特徴とする電子装置の製造方法。
  12. 基板上にウエットエッチング可能な層を形成する工程と、
    上記ウエットエッチング可能な層上に複数の凸部を形成する工程と、
    上記凸部の間の凹部に、その底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層から第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、
    上記ウエットエッチング可能な層をウエットエッチングにより除去する工程と
    を有することを特徴とする窒化物系III−V族化合物半導体基板の製造方法。
  13. 基板上にこの基板と異なる材料からなる複数の凸部および少なくともこの凸部の間の凹部の底部上のウエットエッチング可能な層を形成する工程と、
    上記凹部に、その底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層から第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、
    上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第1の導電型の第3の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層を順次成長させる工程と、
    上記ウエットエッチング可能な層をウエットエッチングにより除去する工程と
    を有することを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  14. 基板上にこの基板と異なる材料からなる複数の凸部および少なくともこの凸部の間の凹部の底部上のウエットエッチング可能な層を形成する工程と、
    上記凹部に、その底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て第1の半導体層を成長させる工程と、
    上記第1の半導体層から第2の半導体層を横方向成長させる工程と、
    上記ウエットエッチング可能な層をウエットエッチングにより除去する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 基板上にこの基板と異なる材料からなる複数の凸部および少なくともこの凸部の間の凹部の底部上のウエットエッチング可能な層を形成する工程と、
    上記凹部に、その底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て第1の層を成長させる工程と、
    上記第1の層から第2の層を横方向成長させる工程と、
    上記ウエットエッチング可能な層をウエットエッチングにより除去する工程と
    を有することを特徴とする電子装置の製造方法。
  16. 基板上にこの基板と異なる材料からなる複数の凸部および少なくともこの凸部の間の凹部の底部上のウエットエッチング可能な層を形成する工程と、
    上記凹部に、その底面を底辺とする三角形状の断面形状となる状態を経て第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層から第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、
    上記ウエットエッチング可能な層をウエットエッチングにより除去する工程と
    を有することを特徴とする窒化物系III−V族化合物半導体基板の製造方法。
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