JP2006324331A - 発光ダイオードおよびその製造方法ならびに集積型発光ダイオードおよびその製造方法ならびに窒化物系iii−v族化合物半導体の成長方法ならびに窒化物系iii−v族化合物半導体成長用基板ならびに発光ダイオードバックライトならびに発光ダイオード照明装置ならびに発光ダイオードディスプレイならびに電子機器 - Google Patents

発光ダイオードおよびその製造方法ならびに集積型発光ダイオードおよびその製造方法ならびに窒化物系iii−v族化合物半導体の成長方法ならびに窒化物系iii−v族化合物半導体成長用基板ならびに発光ダイオードバックライトならびに発光ダイオード照明装置ならびに発光ダイオードディスプレイならびに電子機器 Download PDF

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Harunori Shiomi
治典 塩見
Akira Omae
暁 大前
Takaaki Ami
隆明 網
Takao Miyajima
孝夫 宮嶋
Katsunori Yanashima
克典 簗嶋
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Abstract

【課題】 光の取り出し効率の向上および発光ダイオードを構成する窒化物系III−V族化合物半導体層全体の結晶性の大幅な向上により発光効率が極めて高く、特性のばらつきも極めて少ない発光ダイオードおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 凹凸加工を施したサファイア基板11上にGaN層12を成長させた後にエッチバックを行うことにより凹部11aの底部にのみGaN層12を残す。このGaN層12を種結晶として凹部11aに、その底面を底辺とする三角形の断面形状となる状態を経てGaN層13を成長させることによりこの凹部11aを埋めた後、このGaN層13から横方向成長を行う。このGaN層13上に、活性層を含むGaN系半導体層を成長させて発光ダイオード構造を形成する。このGaN系発光ダイオードを用いて発光ダイオードバックライトなどを製造する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、発光ダイオードおよびその製造方法ならびに集積型発光ダイオードおよびその製造方法ならびに窒化物系III−V族化合物半導体の成長方法ならびに窒化物系III−V族化合物半導体成長用基板ならびに発光ダイオードバックライトならびに発光ダイオード照明装置ならびに発光ダイオードディスプレイならびに電子機器に関し、特に、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた発光ダイオードおよびこの発光ダイオードを用いる各種の装置または機器に適用して好適なものである。
従来、GaN系発光ダイオードは、GaN系半導体を有機金属化学気相成長(MOCVD)法などによりサファイア基板やSiC基板などの異種基板上にエピタキシャル成長させることにより製造するのが一般的である。ところが、GaN系半導体をサファイア基板やSiC基板などの上にエピタキシャル成長させる場合には、両者の格子定数差や熱膨張係数差が大きいため、結晶欠陥、特に貫通転位が高密度に発生してしまう。また、サファイア基板やSiC基板などとその上にエピタキシャル成長されるGaN系半導体層との界面では、それらの屈折率の違いから反射が起きるため、光の取り出しを良好に行うことができない。
そこで、これらの問題を解決するために、異種基板にあらかじめ凹凸加工を施し、この凹凸加工基板上にGaN系半導体をエピタキシャル成長させる方法が提案されている(例えば、非特許文献1、特許文献1、2参照。)。この方法の概要を図19に示す。この方法によれば、まず、図19Aに示すように、c面のサファイア基板101の一主面に凹凸加工を施す。符号101aは凹部、101bは凸部を示す。これらの凹部101aおよび凸部101bはサファイア基板11の〈1−100〉方向に延在する。次に、このサファイア基板101上に、図19BおよびCに示す過程を経て、GaN系半導体層102を成長させる。図19C中、点線は成長途中の成長界面を示す。
三菱電線工業時報 第98号 2001年10月:LEPS法を用いた高出力紫外LEDの開発 特開2004−6931号公報 特開2004−6937号公報
図20に、図19に示す方法により成長されたGaN系半導体層102の結晶欠陥分布を模式的に示す。図20に示すように、GaN系半導体層102のうちの凸部101bの上の部分および凹部101aと凸部101bとの境界領域の上の部分に、この凸部101bの上面との界面から垂直方向に貫通転位104が発生して高欠陥密度領域105が形成され、凹部101aの上方の、高欠陥密度領域105の間の部分が低欠陥密度領域106となっている。
このGaN系半導体層102上にGaN系半導体層を成長させて発光ダイオード構造を形成した場合、これらのGaN系半導体層の結晶欠陥分布はGaN系半導体層102の結晶欠陥分布を反映したものとなるため、その高欠陥密度領域は発光効率の低下を招く原因となり、高欠陥密度領域と低欠陥密度領域とが存在することは特性のばらつきの原因となっていた。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、光の取り出し効率の向上および発光ダイオードを構成する窒化物系III−V族化合物半導体層全体の結晶性の大幅な向上により発光効率が極めて高く、特性のばらつきも極めて少ない発光ダイオードおよびその製造方法ならびに集積型発光ダイオードおよびその製造方法ならびにこの発光ダイオードまたは集積型発光ダイオードの製造に用いて好適な窒化物系III−V族化合物半導体の成長方法および窒化物系III−V族化合物半導体成長用基板を提供することである。
この発明が解決しようとする他の課題は、上記のような発光ダイオードを用いた高性能の発光ダイオードバックライト、発光ダイオード照明装置、発光ダイオードディスプレイおよび電子機器を提供することである。
上記課題を解決するために、第1の発明は、
一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板上に当該凹部を埋めるように第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を加工することにより上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を上記凹部の底部にのみ残す工程と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層が底部に残された上記凹部に、その底面を底辺とする三角形の断面形状となる状態を経て第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることにより上記凹部を埋める工程と、
上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層から上記基板上に第3の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、
上記第3の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層を順次成長させる工程と
を有することを特徴とする発光ダイオードの製造方法である。
第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長方法は、基板の凹部を埋めることができる限り、基本的にはどのような方法であっても構わず、第2および第3の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長方法と同様な方法を用いてもよい。この第1の窒化物系III−V族化合物半導体層は、凹部の底部にのみ残されたものが第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長時の種結晶となるものであるため、転位密度はある程度低いことが望ましいが、必ずしも十分に低転位密度でなくてもよく、108 〜109 /cm2 程度であれば通常は十分である。第1の窒化物系III−V族化合物半導体層の加工には、異方性エッチングが可能なエッチング方法、例えば反応性イオンエッチング(RIE)法などによりエッチバックなどを用いることができる。
典型的には、第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる際に、基板の凹部の底面との界面から基板の一主面に対して垂直方向に転位が発生し、この転位が上記の三角形の断面形状となる状態の第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の斜面またはその近傍に到達したとき、上記の一主面に平行な方向に、三角形部から遠ざかるように屈曲する。典型的には、基板の一主面に凹部と凸部とを交互に有するようにする。この凹部は、一方向にストライプ状に延在するようにしてもよいし、少なくとも、互いに交差する第1の方向および第2の方向に延在するようにしてもよい。凹部の断面形状は、長方形や逆台形などの種々の形状であってよく、その側壁も平面だけでなく、緩やかな傾斜を持つ曲面であってもよく、角が丸まっていてもよい。光の取り出し効率の向上を図る観点より、好適には、この凹部の断面形状は逆台形とする。また、第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の転位密度を最小化する観点より、好適には、第1の窒化物系III−V族化合物半導体層が底部に残された状態の凹部の深さをd、この凹部の底面の幅をWg 、三角形の断面形状となる状態の第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の斜面と基板の一主面とがなす角度をαとしたとき、2d≧Wg tanαが成立するようにd、Wg 、αを決める。αは通常一定であるため、この式が成立するように、d、Wg を決める。dは、大きすぎると原料ガスが凹部の内部に十分に供給されず、凹部の底面からの第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長に支障を来し、逆に小さすぎるとこの凹部だけでなく、その両側の部分(通常は凸部)にも第2の窒化物系III−V族化合物半導体層が成長してしまうため、これらを防止する観点より、一般的には0.5μm<d<5μmの範囲内に選ばれ、典型的には1.0±0.2μmの範囲内に選ばれる。Wg は、一般的には0.5〜5μmであり、典型的には2±0.5μmの範囲内に選ばれる。また、凸部の上面の幅Wt は、基本的には自由に選ぶことができるが、この凸部は第3の窒化物系III−V族化合物半導体層の横方向成長に使用する領域であるため、長ければ長いほど転位密度の少ない部分の面積を大きくすることができる。Wt は、一般的には1〜1000μm、典型的には4±2μmの範囲内である。
第4の窒化物系III−V族化合物半導体層には、これと電気的に接続された状態で第1の導電型側の電極を形成する。同様に、第5の窒化物系III−V族化合物半導体層にも、これと電気的に接続された状態で第2の導電型側の電極を形成する。
基板としては種々のものを用いることができる。窒化物系III−V族化合物半導体と異なる物質からなる基板としては、具体的には、例えば、サファイア(Al2 3 )(c面、a面、r面などを含み、これらの面からオフした面のものも含む)、SiC(6H、4H、3Cを含む)、Si、ZnS、ZnO、LiMgO、GaAs、MgAl2 4 などからなる基板を用いることができ、好適には、これらの材料からなる六方晶基板または立方晶基板、より好適には六方晶基板を用いる。基板としては、窒化物系III−V族化合物半導体(GaN、InAlGaN、AlNなど)からなる基板を用いてもよい。場合によっては、基板として、窒化物系III−V族化合物半導体と異なる物質からなる基板上に窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させ、この窒化物系III−V族化合物半導体層に上記の凹部を形成したものであってもよい。
なお、基板は、必要であれば除去してもよい。
第1〜第5の窒化物系III−V族化合物半導体層および活性層を構成する窒化物系III−V族化合物半導体層は、最も一般的には、AlX y Ga1-x-y-z Inz Asu 1-u-v v (ただし、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦u≦1、0≦v≦1、0≦x+y+z<1、0≦u+v<1)からなり、より具体的には、AlX y Ga1-x-y-z Inz N(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦x+y+z<1)からなり、典型的には、AlX Ga1-x-z Inz N(ただし、0≦x≦1、0≦z≦1)からなり、具体例を挙げると、GaN、InN、AlN、AlGaN、InGaN、AlGaInNなどからなる。特に第1〜第3の窒化物系III−V族化合物半導体層としては、好適には、GaN、InX Ga1-x N(0<x<0.5)、AlX Ga1-x N(0<x<0.5)、AlX Iny Ga1-x-y N(0<x<0.5、0<y<0.2)からなるものが用いられる。第1の導電型はn型であってもp型であってもよく、それに応じて第2の導電型はp型またはn型である。
第1〜第5の窒化物系III−V族化合物半導体層および活性層を構成する窒化物系III−V族化合物半導体層の成長方法としては、例えば、有機金属化学気相成長(MOCVD)、ハイドライド気相エピタキシャル成長あるいはハライド気相エピタキシャル成長(HVPE)、分子線エピタキシー(MBE)などの各種のエピタキシャル成長法を用いることができる。
第2の発明は、
一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板上に当該凹部を埋めるように第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクを形成する工程と、
上記成長マスクの上記開口に、その底面を底辺とする三角形の断面形状となる状態を経て第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることにより上記開口を埋める工程と、
上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層から上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第3の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、
上記第3の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層を順次成長させる工程と
を有することを特徴とする発光ダイオードの製造方法である。
この場合、成長マスクの開口は、第1の発明における基板の凹部に相当する。成長マスクの材料としては、一般的にはSiO2 膜やSiN膜(Si3 4 膜だけでなく、プラズマCVD法などにより成膜される組成の異なるものも含む)などが用いられるが、これに限定されるものではない。この成長マスクは、一つの凹部に対して一つの開口を有することも、複数の凹部毎に一つの開口を有することもある。また、凹部が、第1の幅を有する第1の凹部および第1の幅よりも大きい第2の幅を有する第2の凹部を含み、成長マスクはこの第2の凹部の上方の部分に第2の幅よりも小さい幅を有する開口を有することもある。
この第2の発明および後述の第3〜第13の発明においては、その性質に反しない限り、第1の発明に関連して説明したことが成立する。
第3の発明は、
複数の発光ダイオードが集積された集積型発光ダイオードの製造方法において、
一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板上に当該凹部を埋めるように第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を加工することにより上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を上記凹部の底部にのみ残す工程と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層が底部に残された上記凹部に、その底面を底辺とする三角形の断面形状となる状態を経て第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることにより上記凹部を埋める工程と、
上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層から上記基板上に第3の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、
上記第3の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層を順次成長させる工程と
を有することを特徴とするものである。
第4の発明は、
複数の発光ダイオードが集積された集積型発光ダイオードの製造方法において、
一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板上に当該凹部を埋めるように第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクを形成する工程と、
上記成長マスクの上記開口に、その底面を底辺とする三角形の断面形状となる状態を経て第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることにより上記開口を埋める工程と、
上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層から上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第3の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、
上記第3の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層を順次成長させる工程と
を有することを特徴とするものである。
第3および第4の発明において、集積型発光ダイオードはその用途を問わないが、典型的な用途を挙げると、液晶ディスプレイなどに用いられる発光ダイオードバックライト、発光ダイオード照明装置、発光ダイオードディスプレイなどである。この集積型発光ダイオードは、発光ダイオードの配列の仕方や形状は問わないが、例えば、発光ダイオードが二次元アレイ状に配列されたものや、ストライプ状の発光ダイオードが一列または複数列配列されたものなどである。
第4の発明および後述の第5、第6、第8〜第13の発明においては、その性質に反しない限り、第2の発明に関連して説明したことが成立する。
第5の発明は、
一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板と、
上記基板上の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上の、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクと、
上記成長マスクを覆うように上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に成長された第6の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層上の第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層とを有し、
上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層において、上記開口の底面との界面から上記一主面に対して垂直方向に発生した転位が、上記開口の底面を底辺とする三角形部の斜面またはその近傍に到達し、そこから上記一主面に平行な方向に屈曲している
ことを特徴とする発光ダイオードである。
ここで、第1の窒化物系III−V族化合物半導体層は、基板上に、その凹部に空隙を形成しないで成長させるのが望ましい。また、第6の窒化物系III−V族化合物半導体層は、第1の発明における第2の窒化物系III−V族化合物半導体層および第3の窒化物系III−V族化合物半導体層に対応するものである。これらのことは、後述の第6、第9〜第13の発明においても同様である。
第6の発明は、
複数の発光ダイオードが集積された集積型発光ダイオードにおいて、
少なくとも一つの上記発光ダイオードが、
一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板と、
上記基板上の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上の、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクと、
上記成長マスクを覆うように上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に成長された第6の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層上の第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層とを有し、
上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層において、上記開口の底面との界面から上記一主面に対して垂直方向に発生した転位が、上記開口の底面を底辺とする三角形部の斜面またはその近傍に到達し、そこから上記一主面に平行な方向に屈曲している
ことを特徴とするものである。
第7の発明は、
一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板上に当該凹部を埋めるように第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を加工することにより上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を上記凹部の底部にのみ残す工程と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層が底部に残された上記凹部に、その底面を底辺とする三角形の断面形状となる状態を経て第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることにより上記凹部を埋める工程と、
上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層から上記基板上に第3の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と
を有することを特徴とする窒化物系III−V族化合物半導体の成長方法である。
第8の発明は、
一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板上に当該凹部を埋めるように第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクを形成する工程と、
上記成長マスクの上記開口に、その底面を底辺とする三角形の断面形状となる状態を経て第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることにより上記開口を埋める工程と、
上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層から上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第3の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と
を有することを特徴とする窒化物系III−V族化合物半導体の成長方法である。
第9の発明は、
一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板と、
上記基板上の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上の、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクと、
上記成長マスクを覆うように上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に成長された第6の窒化物系III−V族化合物半導体層とを有し、
上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層において、上記開口の底面との界面から上記一主面に対して垂直方向に発生した転位が、上記開口の底面を底辺とする三角形部の斜面またはその近傍に到達し、そこから上記一主面に平行な方向に屈曲している
ことを特徴とする窒化物系III−V族化合物半導体成長用基板である。
第10の発明は、
赤色発光の発光ダイオード、緑色発光の発光ダイオードおよび青色発光の発光ダイオードをそれぞれ複数個配列した発光ダイオードバックライトにおいて、
上記緑色発光の発光ダイオードおよび上記青色発光の発光ダイオードのうちの少なくとも一つの発光ダイオードが、
一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板と、
上記基板上の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上の、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクと、
上記成長マスクを覆うように上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に成長された第6の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層上の第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層とを有し、
上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層において、上記開口の底面との界面から上記一主面に対して垂直方向に発生した転位が、上記開口の底面を底辺とする三角形部の斜面またはその近傍に到達し、そこから上記一主面に平行な方向に屈曲している
ことを特徴とするものである。
第11の発明は、
赤色発光の発光ダイオード、緑色発光の発光ダイオードおよび青色発光の発光ダイオードをそれぞれ複数個配列した発光ダイオード照明装置において、
上記緑色発光の発光ダイオードおよび上記青色発光の発光ダイオードのうちの少なくとも一つの発光ダイオードが、
一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板と、
上記基板上の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上の、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクと、
上記成長マスクを覆うように上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に成長された第6の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層上の第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層とを有し、
上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層において、上記開口の底面との界面から上記一主面に対して垂直方向に発生した転位が、上記開口の底面を底辺とする三角形部の斜面またはその近傍に到達し、そこから上記一主面に平行な方向に屈曲している
ことを特徴とするものである。
第12の発明は、
赤色発光の発光ダイオード、緑色発光の発光ダイオードおよび青色発光の発光ダイオードをそれぞれ複数個配列した発光ダイオードディスプレイにおいて、
上記緑色発光の発光ダイオードおよび上記青色発光の発光ダイオードのうちの少なくとも一つの発光ダイオードが、
一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板と、
上記基板上の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上の、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクと、
上記成長マスクを覆うように上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に成長された第6の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層上の第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層とを有し、
上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層において、上記開口の底面との界面から上記一主面に対して垂直方向に発生した転位が、上記開口の底面を底辺とする三角形部の斜面またはその近傍に到達し、そこから上記一主面に平行な方向に屈曲している
ことを特徴とするものである。
第10〜第12の発明において、赤色発光の発光ダイオードとしては、例えば、AlGaInP系半導体を用いたものを用いることができる。
第13の発明は、
一つまたは複数の発光ダイオードを有する電子機器において、
少なくとも一つの上記発光ダイオードが、
一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板と、
上記基板上の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上の、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクと、
上記成長マスクを覆うように上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に成長された第6の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層上の第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層とを有し、
上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層において、上記開口の底面との界面から上記一主面に対して垂直方向に発生した転位が、上記開口の底面を底辺とする三角形部の斜面またはその近傍に到達し、そこから上記一主面に平行な方向に屈曲している
ことを特徴とするものである。
第13の発明において、電子機器は、液晶ディスプレイのバックライト、表示、照明その他の目的で少なくとも一つの発光ダイオードを有するものであれば、基本的にはどのようなものであってもよく、携帯型のものと据え置き型のものとの双方を含むが、具体例を挙げると、携帯電話、モバイル機器、ロボット、パーソナルコンピュータ、車載機器、各種家庭電気製品などである。
上述のように構成されたこの発明においては、基板の凹部の底部に残された第1の窒化物系III−V族化合物半導体層あるいは成長マスクの開口の底面の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を種結晶として第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長を開始し、途中でこの底面を底辺とする三角形の断面形状となる状態を経て第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることによりこの凹部を隙間なく埋めることができる。そして、こうして成長された第2の窒化物系III−V族化合物半導体層から第3の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる。このとき、第2の窒化物系III−V族化合物半導体層は、第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を種結晶として成長させるため、サファイア基板などの異種基板上に成長させる場合に比べて転位密度は低い。これに加えて、第2の窒化物系III−V族化合物半導体層では、基板の凹部の底面あるいは成長マスクの開口の底面との界面から基板の一主面に対して垂直方向に転位が発生し、この転位が第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の斜面またはその近傍に到達し、第3の窒化物系III−V族化合物半導体層の成長に伴い、この転位はそこから基板の一主面に平行な方向に屈曲する。第3の窒化物系III−V族化合物半導体層を十分に厚く成長させた時点で、この基板の一主面に平行な転位の上の部分は、場所を問わず転位密度が極めて少ない領域となる。
この発明によれば、第3の窒化物系III−V族化合物半導体層全体の結晶性が良好となるため、その上に成長させる第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第5の窒化物系III−V族化合物半導体層全体の結晶性も良好となることから、凹凸加工基板を用いていることも相まって、発光効率が極めて高く、しかも特性のばらつきが極めて少ない発光ダイオードを得ることができる。そして、この発光効率が高い発光ダイオードを用いて高性能の発光ダイオードバックライト、発光ダイオード照明装置、発光ダイオードディスプレイ、各種の電子機器などを実現することができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図において、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
図1〜図3はこの発明の第1の実施形態によるGaN系発光ダイオードの製造方法を工程順に示す。
この第1の実施形態においては、図1Aに示すように、まず、一主面に周期的な凹凸加工が施されたサファイア基板11を用意する。符号11aは凹部、11bは凸部を示す。凹部11aは長方形または逆台形の断面形状を有する。例えば、サファイア基板11の主面はc面、凹部11aはサファイア基板11の〈1−100〉方向に延在するストライプ形状である。このサファイア基板11の凹凸加工は、RIE法などにより行うことができる。これらの凹部11aおよび凸部11bの寸法などの詳細については後述する。
次に、サーマルクリーニングなどを行うことによりこのサファイア基板11の表面を清浄化した後、このサファイア基板11上に従来公知の方法により例えば550℃程度の成長温度で例えばGaNバッファ層(図示せず)を成長させる。続いて、図1Bに示すように、例えばMOCVD法により、サファイア基板11の全面にGaN層12をエピタキシャル成長させる。この場合、GaN層12は、凹部11aおよび凸部11bの両方の上でサファイア基板11の主面に対して傾斜したファセットを出して成長した後、横方向成長により連続膜となる。符号12aは転位を示す。この転位12aは、GaN層12のうちの凸部11bの上の部分および凹部11aと凸部11bとの境界領域の上の部分に高密度に存在する。このGaN層12は、アンドープであっても、n型不純物またはp型不純物をドープしてもよい。このGaN層12の成長条件は、凹部11aおよび凸部11bの両方の上でファセットを出しながら成長する第1段階では、例えば、成長温度(基板温度)は1000±100℃、成長原料のV/III比は7000〜17000、横方向成長する第2段階では、例えば、成長温度は1150±50℃、V/III比は4500〜500である。
次に、上述のようにしてGaN層12を成長させたサファイア基板11をMOCVD装置から取り出す。
次に、図1Cに示すように、GaN層12をRIE法などによりエッチバックすることでこのGaN層12を凹部11aの底部にのみ残す。このとき、GaN層12のうちの凸部11bの上および凹部11aと凸部11bとの境界領域の上の高転位密度の部分は除去される。こうして残されたGaN層12の厚さは例えば30〜100nm程度である。
次に、再びサーマルクリーニングなどを行うことによりサファイア基板11の表面を清浄化した後、図1Dに示すように、このサファイア基板11上に、例えばMOCVD法によりGaNのエピタキシャル成長を行う。このとき、図1Dに示すように、まず、底部にGaN層12が残された凹部11aの底面から成長を開始させ、この底面を底辺とし、サファイア基板11の主面に対して傾斜したファセットを斜面に有する二等辺三角形の断面形状となるようにGaN層13を成長させる。例えば、このGaN層13の延在方向はその〈1−100〉方向であり、その斜面のファセットは(1−101)面である。このGaN層13は、アンドープであっても、n型不純物またはp型不純物をドープしてもよい。このGaN層13の成長条件については後述する。
引き続いて、GaN層13の成長をその斜面のファセット面方位を維持しながら行うことにより、図2Aに示すように、凹部11aの内部を完全に埋める。
次に、成長条件を横方向成長が支配的となる条件に設定して成長を続けると、図2Bに示すように、GaN層13はその厚さを増しながら凸部11b上に広がって行き、遂には隣接する凹部11aから成長したGaN層13同士が凸部11b上で接触する。
引き続いて、図2Cに示すように、GaN層13をその表面がサファイア基板11の主面と平行な平坦面となるまで横方向成長させる。こうして成長されたGaN層13は、凹部11aの上の部分の転位密度が特に低くなり、凸部11bの上の部分および凹部11aと凸部11bとの境界領域の上の部分も十分に低くなる。
次に、図3に示すように、GaN層13上に、例えばMOCVD法により、n型GaInN層14、n型GaN層15、n型GaInN層16、活性層17、p型GaInN層18、p型AlInN層19、p型GaN層20およびp型GaInN層21を順次エピタキシャル成長させる。活性層17は、例えばGaInN系の多重量子井戸(MQW)構造を有する。この活性層17のIn組成は、発光ダイオードの発光波長に応じて選ばれ、例えば発光波長405nmでは11%、450nmでは18%、520nmでは24%である。
この後、p型GaInN層18、p型AlInN層19、p型GaN層20およびp型GaInN層21のp型不純物を活性化するために、例えばN2 とO2 との混合ガス(組成は例えばN2 が99%、O2 が1%)の雰囲気中において580〜620℃(例えば、600℃)の温度で熱処理を行う。ここで、N2 にO2 を混合することで活性化が起きやすくなる。この熱処理の時間は例えば40分〜2時間、一般的には60分程度である。熱処理の温度を比較的低くするのは、熱処理時の活性層17などの劣化を防止するためである。
上記のGaN系半導体層の成長原料は、例えば、Gaの原料としてはトリメチルガリウム((CH3 3 Ga、TMG)、Alの原料としてはトリメチルアルミニウム((CH3 3 Al、TMA)、Inの原料としてはトリメチルインジウム((CH3 3 In、TMI)を、Nの原料としてはアンモニア(NH3 )を用いる。ドーパントについては、n型ドーパントとしては例えばシラン(SiH4 )を、p型ドーパントとしては例えばビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウム((CH3 5 4 2 Mg)あるいはビス(シクロペンタジエニル)マグネシウム((C5 5 2 Mg)を用いる。
また、上記のGaN系半導体層の成長時のキャリアガス雰囲気としては、例えば、H2 ガスが用いられる。
次に、上述のようにしてGaN系半導体層を成長させたサファイア基板11をMOCVD装置から取り出す。
次に、p型GaInN層21上にp側電極22を形成する。p側電極22の材料としては、高反射率を有するオーミック金属、例えばAgやPd/Agなどを用いるのが好ましい。
次に、n型GaN層15、n型GaInN層16、活性層17、p型GaInN層18、p型AlInN層19、p型GaN層20およびp型GaInN層21を、例えばRIE法により所定形状にパターニングし、メサ部23を形成する。
次に、このメサ部23に隣接する部分のn型GaInN層14上にn側電極24を形成する。n側電極24としては、例えばTi/Pt/Au構造のものを用いる。
次に、必要に応じて、上述のようにして発光ダイオード構造が形成されたサファイア基板11をその裏面側から研削やラッピングすることにより厚さを減少させた後、このサファイア基板11のスクライビングを行い、バーを形成する。この後、このバーのスクライビングを行うことでチップ化する。
こうして得られたGaN系発光ダイオードにおいては、図4に示すように、p側電極22とn側電極24との間に順方向電圧を印加して電流を流すことにより発光を行わせ、サファイア基板11を通して外部に光を取り出す。ただし、図4においては、上方に光を取り出す場合を考え、サファイア基板11が上になるようにしている。活性層17のIn組成の選定により、青色発光または緑色発光を得ることができる。この場合、活性層17から発生した光のうち、サファイア基板11に向かう光は、サファイア基板11とその凹部11aのGaN層13との界面で屈折した後、サファイア基板11を通って外部に出て行き、活性層17から発生した光のうち、p側電極22に向かう光は、このp側電極22で反射されてサファイア基板11に向かい、サファイア基板11を通って外部に出て行く。なお、図4に示す光線は、発光ダイオードを構成するGaN系半導体層の屈折率をGaNの屈折率2.438、サファイア基板11の屈折率を1.785、空気の屈折率を1とした場合のものである。
この第1の実施形態においては、GaN層13の貫通転位密度を最小化するために、底部にGaN層12が薄く残された状態の凹部11aの底面の幅Wg 、深さd、および、図1Dに示す状態のGaN層13の斜面とサファイア基板11の主面とのなす角度αが下記の式を満たすように決められている(図5参照)。
2d≧Wg tanα
例えば、Wg =2.1μm、α=59度の場合にはd≧1.75μm、Wg =2μm、α=59度の場合にはd≧1.66μm、Wg =1.5μm、α=59度の場合にはd≧1.245μm、Wg =1.2μm、α=59度の場合にはd≧0.966μmとする。ただし、いずれの場合もd<5μmとするのが望ましい。
図1Dおよび図2Aに示す工程におけるGaN層13の成長時には、成長原料のV/III比を高めに、例えば13000±2000の範囲、成長温度を低めに、例えば1050±50℃の範囲に設定する。こうすることで、図1Dおよび図2Aに示すように、GaN層12を種結晶とし、基板11の主面に対して傾斜したファセットを斜面に出しながら、凹部11aを完全に埋める形でGaN層13が成長する。この際、凸部11b上には、GaN層13はほとんど成長しない。また、このGaN層13の成長は、例えば1.0〜2.0気圧、好適には1.6気圧程度の圧力条件下で行う。これは、横方向成長を抑え、凹部11aへのGaN層13の選択成長を容易にするためである。成長速度は一般的には1.0〜5.0μm/h、好適には3.0μm/h程度とする。原料ガスの流量は、例えば、TMGは20SCCM、NH3 は20SLMである。一方、図2BおよびCに示す工程におけるGaN層13の成長(横方向成長)は、成長原料のV/III比を低めに、例えば5000±2000の範囲、成長温度を高めに、例えば1150±50℃の範囲に設定する。この範囲より成長温度が高いとGaN層13の表面が荒れやすくなり、逆に低いと会合部にピットが生じやすくなる。原料ガスの流量は、例えば、TMGは40SCCM、NH3 は20SLMである。こうすることで、図2BおよびCに示すように、GaN層13が横方向成長し、平坦な表面が得られる。この際、GaN層13とサファイア基板11との間に空隙は生じない。
図6に、GaN層13の成長時の原料ガスの流れおよびサファイア基板11上での拡散の様子を模式的に示す。この成長において最も重要な点は、成長初期に、サファイア基板11の凸部11b(テラス部)にはGaN層13は成長せず、凹部11aにおいてGaN層13の成長が開始することである。これは、一般に、GaNの成長は、Ga原料としてTMG、N原料としてNH3 を用いる場合を考えると
Ga(CH3 3 (g)+3/2H2 (g)→Ga(g)+3CH4 (g)
NH3 (g)→(1−α)NH3 (g)+α/2N2 (g)+3α/2H2 (g)
Ga(g)+NH3 (g)=GaN(s)+3/2H2 (g)
なる反応式で表現されるように、NH3 とGaとが直接反応することで起きる。この際、H2 ガスが発生するが、このH2 ガスは結晶成長とは逆の作用、すなわちエッチング作用をする。図1Dおよび図2Aに示す工程では、従来の平坦な基板上でのGaNの成長では行わない条件、すなわちエッチング作用を高め、成長しにくい条件(V/III比を高める)を用いることにより、凸部11bでの成長を抑制する。一方、凹部11aの内部では、このエッチング作用が弱まり、しかもGaN層12が種結晶として働くので、結晶成長が起きる。さらに、従来は、成長結晶表面の平坦性を向上させるため、横方向成長の度合いが高まる条件(より高温)で成長させるが、この第1の実施形態においては、貫通転位を基板11の主面に平行な方向に屈曲させることにより低減させたり、より早期に凹部11aの内部をGaN層13で埋めたりする目的で、既に述べたように従来より低温(例えば、1050±50℃)で成長させる。
図7に、GaN層13の結晶欠陥分布を模式的に示す。図7に示すように、凸部11bの中央部近傍、すなわち互いに隣接する凹部11aから成長するGaN層13同士の会合部で少し転位密度が高くなっているものの、凸部11bの上の部分および凹部11aと凸部11bとの境界領域の上の部分を含めて全体的に転位密度が低くなっている。例えば、凹部11aの深さd=1μm、底面の幅Wg =2μm、凸部11bの上面の幅Wt =2μmの場合、このGaN層12の転位密度は例えば107 /cm2 程度である。凹部11aの側壁に対して垂直方向への転位の発生は一切起きていないことも分かる。
光取り出し効率を高めるためには、凹部11aの側壁の斜面の面積を最大化することが好ましい。具体的には、図8より、凹部11aの延在方向に単位長の部分を考えると、一周期分の凹部11aおよび凸部11bがサファイア基板11上に占める面積は(Wt +Wg )+d/tanγ、凹部11aの側壁の斜面の面積はd/sinγと表される。したがって、光取り出し効率を高めるためには斜面面積比
(d/sinγ)/((Wt +Wg )+d/tanγ)
を最大化することが有効である。例えば、d=1μm、Wt +Wg =4μmの場合には、γ=69度で斜面面積比は0.24となる。
以上のように、この第1の実施形態によれば、GaN層13の全体が例えば107 /cm2 程度の低転位密度となって結晶性が良好であることから、GaN層13およびその上に成長される活性層17などのGaN系半導体層全体の結晶性も大幅に向上し、非発光中心なども大幅に減少する。また、凹凸加工を施したサファイア基板11を用いていることにより、活性層17から発生した光をこの凹凸で屈折させることにより外部に取り出しやすくなる。加えて、サファイア基板11とGaN層13との間に空隙が形成されないことにより、発光ダイオードの動作時に活性層から発生する光が、この空隙の内部で反射を繰り返し、その結果光が吸収されてしまうことに起因する光取り出し効率の低下を防止することができる。これらによって、発光効率が極めて高く、特性のばらつきも極めて少ないGaN系発光ダイオードを得ることができる。
次に、この発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態においては、図9AおよびBに示すように、第1の実施形態と同様にして、凹凸加工を施したサファイア基板11上にGaN層12を成長させる。
次に、図9Cに示すように、このGaN層12上に例えばSiO2 膜からなる成長マスク31を形成する。この成長マスク31は、各凹部11aに対応する部分にこの凹部11aと同一の形状の開口31aを有する。このGaN層12は、凸部11bの上の部分および凹部11aと凸部11bとの境界領域の上の部分が高転位密度、凹部11aの上の部分が低転位密度となっている。
次に、図9Dおよび図10Aに示すように、この開口31aに、第1の実施形態と同様にしてGaN層13を成長させる。このとき、この開口31aの部分のGaN層12は低転位密度であるため、このGaN層13も低転位密度である。
次に、図10BおよびCに示すように、第1の実施形態と同様にして、GaN層13をその表面がサファイア基板11の主面と平行な平坦面となるまで横方向成長させる。こうして成長されたGaN層13は、凹部11aの上の部分の転位密度が特に低いが、凸部11bの上の部分および凹部11aと凸部11bとの境界領域の上の部分も転位密度は十分に低く、全体的に低転位密度である。
この後、第1の実施形態と同様にしてn型GaInN層14の成長以降の工程を進めてGaN系発光ダイオードを製造する。
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態においては、図11Aに示すように、第1の実施形態と同様にして、凹凸加工を施したサファイア基板11上にGaN層12を成長させた後、このGaN層12上に例えばSiO2 膜からなる成長マスク31を形成する。この場合、この成長マスク31は、複数の(この例では三つ)凹部11a毎にこの凹部11aと同一の形状の開口31aを有する。このGaN層12は、凸部11bの上の部分および凹部11aと凸部11bとの境界領域の上の部分が高転位密度、凹部11aの上の部分が低転位密度となっている。
次に、図11BおよびCに示すように、開口31aに、第1の実施形態と同様にしてGaN層13を成長させる。このとき、この開口31aの部分のGaN層12は低転位密度であるため、このGaN層13も低転位密度である。
次に、図12AおよびBに示すように、第1の実施形態と同様にして、GaN層13をその表面がサファイア基板11の主面と平行な平坦面となるまで横方向成長させる。こうして成長されたGaN層13は、凹部11aの上の部分の転位密度が特に低いが、凸部11bの上の部分および凹部11aと凸部11bとの境界領域の上の部分も転位密度は十分に低く、全体的に低転位密度である。この場合、成長マスク31は、一つの凹部11aに対して一つの開口31aを有するのではなく、複数の凹部11a毎に一つの開口31aを有するため、GaN層13に形成される会合部の間隔が大きくなり、GaN層13の特に低転位密度の部分の面積を広くすることができる。
この後、第1の実施形態と同様にしてn型GaInN層14の成長以降の工程を進めてGaN系発光ダイオードを製造する。
この第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができる。
次に、この発明の第4の実施形態について説明する。
この第4の実施形態においては、図13Aに示すように、第1の実施形態と同様にして、凹凸加工を施したサファイア基板11を用いるが、この場合、このサファイア基板11の凹部11aは、幅がWg1のものと幅がWg2(Wg2>Wg1)のものとからなる。幅がWg2の凹部11aは、複数の凹部11a毎(この例では三つの凹部11a毎)に一つ形成されている。
次に、このサファイア基板11上に、第1の実施形態と同様にしてGaN層12を成長させる
次に、このGaN層12上に成長マスク31を形成する。この場合、この成長マスク31は、幅がWg2の凹部11aに対応する部分に幅がWg2よりも小さく(例えば幅Wg1)、この凹部11aと同一の形状の開口31aを有する。このGaN層12は、凸部11bの上の部分および凹部11aと凸部11bとの境界領域の上の部分が高転位密度、凹部11aの上の部分が低転位密度となっている。
次に、図13BおよびCに示すように、開口31aに、第1の実施形態と同様にしてGaN層13を成長させる。このとき、この開口31aの部分のGaN層12は低転位密度であるため、このGaN層13も低転位密度である。
次に、図14AおよびBに示すように、第1の実施形態と同様にして、GaN層13をその表面がサファイア基板11の主面と平行な平坦面となるまで横方向成長させる。こうして成長されたGaN層13は、凹部11aの上の部分の転位密度が特に低いが、凸部11bの上の部分および凹部11aと凸部11bとの境界領域の上の部分も転位密度は十分に低く、全体的に低転位密度である。
この後、第1の実施形態と同様にしてn型GaInN層14の成長以降の工程を進めてGaN系発光ダイオードを製造する。
この第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点を得ることができるほか、次のような利点を得ることができる。すなわち、GaN層12上に成長マスク31を形成するためには、GaN層12の全面に例えばSiO2 膜を形成し、その上に、凹部11aに対応する部分に開口を有するレジストパターンをリソグラフィーにより形成した後、このレジストパターンをマスクとしてSiO2 膜をエッチングするのが一般的である。このリソグラフィー工程における露光は、マスクアライナーなどを用い、フォトマスクとサファイア基板11とのアライメントを行った上で行うが、アライメントずれが生じることは避けられない。これに関し、この第4の実施形態では、種結晶となるGaN層12を露出させる開口31aに対応する部分の凹部11aの幅Wg2はこの開口11aの幅Wg1よりも大きいため、その分アライメントのマージンが大きい。このため、アライメントが簡単になり、リソグラフィー工程の歩留まりが高くなり、ひいてはGaN系発光ダイオードの製造コストの低減につながる。
次に、この発明の第5の実施形態について説明する。
この第5の実施形態においては、p側電極22の形成工程までは第1の実施形態と同様であるが、それ以降の工程が異なる。
すなわち、図15Aに示すように、p側電極22を形成した後、リフト法などにより、このp側電極22を覆うようにNi膜42を形成する。
次に、図15Bに示すように、リソグラフィーにより、Ni膜42を覆う所定形状のレジストパターン43を形成する。
次に、図15Cに示すように、レジストパターン42をマスクとして例えばRIE法によりエッチングすることによりメサ部23を断面形状が台形になるように形成する。このメサ部23の斜面とサファイア基板11の主面とのなす角度は例えば35度程度とする。このメサ部23の斜面には必要に応じてλ/4誘電体膜(λ:発光波長)を形成する。
次に、図15Dに示すように、n型GaInN層14上にn側電極24を形成する。
次に、図15Eに示すように、基板全面にパッシベーション膜としてSiO2 膜44を形成する。
次に、図15Fに示すように、このSiO2 膜44をエッチバックして薄くした後、メサ部23の斜面のSiO2 膜44上に反射膜としてAl膜45を形成する。このAl膜45は、活性層17から発生する光をサファイア基板11側に反射させて光の取り出し効率の向上を図るためのものである。このAl膜45の一端はn側電極24と接触するように形成する。これは、Al膜45とn側電極24との間に隙間をつくらないようにすることで光の反射を増すためである。この後、SiO2 膜44を再度形成してパッシベーション膜として必要な厚さにする。
次に、図15Gに示すように、SiO2 膜44のうちのNi膜42およびn側電極24の上方の部分をエッチング除去して開口46、47を形成し、これらの部分にNi膜42およびn側電極24を露出させる。
次に、図15Hに示すように、開口45の部分のNi膜41上にパッド電極47を形成するとともに、開口46の部分のn側電極24上にパッド電極48を形成する。
次に、図28Iに示すように、基板全面にバンプマスク材49を形成した後、このバンプマスク材49のうちのパッド電極48の上方の部分をエッチング除去して開口50を形成し、この部分にパッド電極48を露出させる。
次に、図28Jに示すように、バンプマスク材49を用いてパッド電極48上にAuバンプ51を形成する。次に、バンプマスク材49を除去する。次に、基板全面に再度バンプマスク材(図示せず)を形成した後、このバンプマスク材のうちのパッド電極47の上方の部分をエッチング除去して開口を形成し、この部分にパッド電極47を露出させる。次に、パッド電極47上にAuバンプ52を形成する。
次に、必要に応じて、上述のようにして発光ダイオード構造が形成されたサファイア基板11をその裏面側から研削やラッピングすることにより厚さを減少させた後、このサファイア基板11のスクライビングを行い、バーを形成する。この後、このバーのスクライビングを行うことでチップ化する。
次に、この発明の第6の実施形態について説明する。
この第6の実施形態においては、第1の実施形態による方法により得られる青色発光のGaN系発光ダイオードおよび緑色発光のGaN系発光ダイオードに加え、別途用意する赤色発光のAlGaInP系発光ダイオードを用いて発光ダイオードバックライトを製造する場合について説明する。
第1の実施形態による方法によりサファイア基板11上に青色発光のGaN系発光ダイオード構造を形成し、さらにp側電極22およびn側電極24上にそれぞれバンプ(図示せず)を形成した後、これをチップ化することによりフリップチップの形で青色発光のGaN系発光ダイオードを得る。同様にして、緑色発光のGaN系発光ダイオードをフリップチップの形で得る。一方、赤色発光のAlGaInP系発光ダイオードとしては、n型GaAs基板上にAlGaInP系半導体層を積層してダイオード構造を形成し、その上部にp側電極を形成するとともに、n型GaAs基板の裏面にn側電極を形成した一般的なものをチップの形で用いるものとする。
そして、これらの赤色発光のAlGaInP系発光ダイオードチップ、緑色発光のGaN系発光ダイオードチップおよび青色発光のGaN系発光ダイオードチップをそれぞれAlNなどからなるサブマウント上にマウントした後、これをサブマウントを下にして例えばAl基板などの基板上に所定の配置でマウントする。この状態を図16Aに示す。図16A中、符号61は基板、62はサブマウント、63は赤色発光のAlGaInP系発光ダイオードチップ、64は緑色発光のGaN系発光ダイオードチップ、65は青色発光のGaN系発光ダイオードチップを示す。これらの赤色発光のAlGaInP系発光ダイオードチップ63、緑色発光のGaN系発光ダイオードチップ64および青色発光のGaN系発光ダイオードチップ65のチップサイズは例えば350μm角である。ここで、赤色発光のAlGaInP系発光ダイオードチップ63はそのn側電極がサブマウント62上に来るようにマウントし、緑色発光のGaN系発光ダイオードチップ64および青色発光のGaN系発光ダイオードチップ65はそのp側電極およびn側電極が、バンプを介してサブマウント62上に来るようにする。赤色発光のAlGaInP系発光ダイオードチップ63がマウントされているサブマウント62上にはn側電極用の引き出し電極(図示せず)が所定のパターン形状に形成されており、この引き出し電極上の所定部分にAlGaInP系発光ダイオードチップ63のn側電極側がマウントされている。そして、このAlGaInP系発光ダイオードチップ63のp側電極と、基板21上に設けられた所定のパッド電極66とにこれらを接続するようにワイヤ67がボンディングされているとともに、上記の引き出し電極の一端と基板61上に設けられた別のパッド電極とにこれらを接続するようにワイヤ(図示せず)がボンディングされている。緑色発光のGaN系発光ダイオードチップ64がマウントされているサブマウント62上には、p側電極用の引き出し電極およびn側電極用の引き出し電極(いずれも図示せず)がそれぞれ所定のパターン形状に形成されており、これらのp側電極用の引き出し電極およびn側電極用の引き出し電極上の所定部分に、GaN系発光ダイオードチップ64のp側電極およびn側電極側がそれらの上に形成されたバンプを介してそれぞれマウントされている。そして、このGaN系発光ダイオードチップ64のp側電極用の引き出し電極の一端と、基板61上に設けられたパッド電極とにこれらを接続するようにワイヤ(図示せず)がボンディングされているとともに、そのn側電極用の引き出し電極の一端と、基板61上に設けられたパッド電極とにこれらを接続するようにワイヤ(図示せず)がボンディングされている。青色発光のGaN系発光ダイオードチップ65も同様である。
上述のような赤色発光のAlGaInP系発光ダイオードチップ63、緑色発光のGaN系発光ダイオードチップ64および青色発光のGaN系発光ダイオードチップ65を一単位とし、これを基板61上に所定のパターンで必要な数配置する。その一例を図17に示す。次に、図16Bに示すように、この一単位を覆うように透明樹脂68のポッティングを行う。この後、透明樹脂68のキュア処理を行う。このキュア処理により透明樹脂68は固化し、それに伴い少し縮小する(図16C)。こうして、図18に示すように、赤色発光のAlGaInP系発光ダイオードチップ63、緑色発光のGaN系発光ダイオードチップ64および青色発光のGaN系発光ダイオードチップ65を一単位としたものが基板61上にアレイ状に配列された発光ダイオードバックライトが得られる。この場合、透明樹脂68は緑色発光のGaN系発光ダイオードチップ64および青色発光のGaN系発光ダイオードチップ65のサファイア基板11の裏面と接触しているため、このサファイア基板11の裏面が空気と直接接触している場合に比べて屈折率差が小さくなり、したがってこのサファイア基板11を透過して外部に出ようとする光がこのサファイア基板11の裏面で反射される割合が減少し、それによって光取り出し効率が向上することで発光効率が向上する。
この発光ダイオードバックライトは、例えば液晶パネルのバックライトに用いて好適なものである。
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の第1〜第6の実施形態において挙げた数値、材料、構造、形状、基板、原料、プロセス、凹部11aの方位などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、材料、構造、形状、基板、原料、プロセスなどを用いてもよい。
具体的には、例えば、上述の第1〜第6の実施形態において、p型GaN系半導体層およびn型GaN系半導体層の導電型を互いに逆にしてもよい。また、サファイア基板11の代わりに、すでに述べたSiC基板、Si基板などの他の基板を用いてもよい。
また、凹部11aの延在方向は、GaN層12の〈1−100〉方向だけでなく、GaN層12のc軸方向であってもよい。
この発明の第1の実施形態によるGaN系発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第1の実施形態によるGaN系発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第1の実施形態によるGaN系発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第1の実施形態により製造されたGaN系発光ダイオードからの光の取り出しの様子を示す略線図である。 この発明の第1の実施形態によるGaN系発光ダイオードの製造方法において使用するサファイア基板を示す略線図である。 この発明の第1の実施形態によるGaN系発光ダイオードの製造方法におけるサファイア基板上のGaN層の成長の様子を説明するための略線図である。 この発明の第1の実施形態によるGaN系発光ダイオードの製造方法においてサファイア基板上に成長させたGaN層の結晶欠陥分布を示す略線図である。 この発明の第1の実施形態により製造されるGaN系発光ダイオードの光取り出し効率向上のための最適化条件を説明するための略線図である。 この発明の第2の実施形態によるGaN系発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第2の実施形態によるGaN系発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第3の実施形態によるGaN系発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第3の実施形態によるGaN系発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第4の実施形態によるGaN系発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第4の実施形態によるGaN系発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第5の実施形態によるGaN系発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第6の実施形態による発光ダイオードバックライトの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第6の実施形態による発光ダイオードバックライトの製造方法を説明するための斜視図である。 この発明の第6の実施形態による発光ダイオードバックライトの製造方法を説明するための斜視図である。 従来の凹凸加工基板上へのGaN系半導体層の成長方法を説明するための断面図である。 図19に示す従来のGaN系半導体層の成長方法の課題を説明するための断面図である。
符号の説明
11…サファイア基板、11a…凹部、11b…凸部、12…GaN層、12a…転位、17…活性層、22…p側電極、23…メサ部、24…n側電極、31…成長マスク、31a…開口

Claims (21)

  1. 一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板上に当該凹部を埋めるように第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を加工することにより上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を上記凹部の底部にのみ残す工程と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層が底部に残された上記凹部に、その底面を底辺とする三角形の断面形状となる状態を経て第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることにより上記凹部を埋める工程と、
    上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層から上記基板上に第3の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、
    上記第3の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層を順次成長させる工程と
    を有することを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  2. 上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる際に、上記凹部の底面との界面から上記一主面に対して垂直方向に発生する転位が、上記三角形の断面形状となる状態の上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の斜面またはその近傍に到達したとき、上記一主面に平行な方向に屈曲することを特徴とする請求項1記載の発光ダイオードの製造方法。
  3. 上記凹部の断面形状は逆台形であることを特徴とする請求項1記載の発光ダイオードの製造方法。
  4. 上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層が底部に残された状態の上記凹部の深さをd、上記凹部の底面の幅をWg 、上記三角形の断面形状となる状態の上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層の斜面と上記一主面とがなす角度をαとしたとき、2d≧Wg tanαが成立することを特徴とする請求項3記載の発光ダイオードの製造方法。
  5. 上記一主面に上記凹部と凸部とを交互に有することを特徴とする請求項1記載の発光ダイオードの製造方法。
  6. 上記凹部は一方向に延在していることを特徴とする請求項1記載の発光ダイオードの製造方法。
  7. 上記凹部は、少なくとも、互いに交差する第1の方向および第2の方向に延在していることを特徴とする請求項1記載の発光ダイオードの製造方法。
  8. 一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板上に当該凹部を埋めるように第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクを形成する工程と、
    上記成長マスクの上記開口に、その底面を底辺とする三角形の断面形状となる状態を経て第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることにより上記開口を埋める工程と、
    上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層から上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第3の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、
    上記第3の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層を順次成長させる工程と
    を有することを特徴とする発光ダイオードの製造方法。
  9. 上記成長マスクは複数の上記凹部毎に上記開口を有することを特徴とする請求項1記載の発光ダイオードの製造方法。
  10. 上記凹部は第1の幅を有する第1の凹部および上記第1の幅よりも大きい第2の幅を有する第2の凹部を含み、上記成長マスクは上記第2の凹部の上方の部分に上記第2の幅よりも小さい幅を有する開口を有することを特徴とする請求項1記載の発光ダイオードの製造方法。
  11. 複数の発光ダイオードが集積された集積型発光ダイオードの製造方法において、
    一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板上に当該凹部を埋めるように第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を加工することにより上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を上記凹部の底部にのみ残す工程と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層が底部に残された上記凹部に、その底面を底辺とする三角形の断面形状となる状態を経て第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることにより上記凹部を埋める工程と、
    上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層から上記基板上に第3の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、
    上記第3の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層を順次成長させる工程と
    を有することを特徴とする集積型発光ダイオードの製造方法。
  12. 複数の発光ダイオードが集積された集積型発光ダイオードの製造方法において、
    一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板上に当該凹部を埋めるように第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクを形成する工程と、
    上記成長マスクの上記開口に、その底面を底辺とする三角形の断面形状となる状態を経て第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることにより上記開口を埋める工程と、
    上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層から上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第3の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と、
    上記第3の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層を順次成長させる工程と
    を有することを特徴とする集積型発光ダイオードの製造方法。
  13. 一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板と、
    上記基板上の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上の、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクと、
    上記成長マスクを覆うように上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に成長された第6の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
    上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層上の第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層とを有し、
    上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層において、上記開口の底面との界面から上記一主面に対して垂直方向に発生した転位が、上記開口の底面を底辺とする三角形部の斜面またはその近傍に到達し、そこから上記一主面に平行な方向に屈曲している
    ことを特徴とする発光ダイオード。
  14. 複数の発光ダイオードが集積された集積型発光ダイオードにおいて、
    少なくとも一つの上記発光ダイオードが、
    一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板と、
    上記基板上の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上の、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクと、
    上記成長マスクを覆うように上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に成長された第6の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
    上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層上の第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層とを有し、
    上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層において、上記開口の底面との界面から上記一主面に対して垂直方向に発生した転位が、上記開口の底面を底辺とする三角形部の斜面またはその近傍に到達し、そこから上記一主面に平行な方向に屈曲している
    ことを特徴とする集積型発光ダイオード。
  15. 一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板上に当該凹部を埋めるように第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を加工することにより上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を上記凹部の底部にのみ残す工程と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層が底部に残された上記凹部に、その底面を底辺とする三角形の断面形状となる状態を経て第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることにより上記凹部を埋める工程と、
    上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層から上記基板上に第3の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と
    を有することを特徴とする窒化物系III−V族化合物半導体の成長方法。
  16. 一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板上に当該凹部を埋めるように第1の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクを形成する工程と、
    上記成長マスクの上記開口に、その底面を底辺とする三角形の断面形状となる状態を経て第2の窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることにより上記開口を埋める工程と、
    上記第2の窒化物系III−V族化合物半導体層から上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に第3の窒化物系III−V族化合物半導体層を横方向成長させる工程と
    を有することを特徴とする窒化物系III−V族化合物半導体の成長方法。
  17. 一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板と、
    上記基板上の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上の、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクと、
    上記成長マスクを覆うように上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に成長された第6の窒化物系III−V族化合物半導体層とを有し、
    上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層において、上記開口の底面との界面から上記一主面に対して垂直方向に発生した転位が、上記開口の底面を底辺とする三角形部の斜面またはその近傍に到達し、そこから上記一主面に平行な方向に屈曲している
    ことを特徴とする窒化物系III−V族化合物半導体成長用基板。
  18. 赤色発光の発光ダイオード、緑色発光の発光ダイオードおよび青色発光の発光ダイオードをそれぞれ複数個配列した発光ダイオードバックライトにおいて、
    上記緑色発光の発光ダイオードおよび上記青色発光の発光ダイオードのうちの少なくとも一つの発光ダイオードが、
    一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板と、
    上記基板上の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上の、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクと、
    上記成長マスクを覆うように上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に成長された第6の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
    上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層上の第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層とを有し、
    上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層において、上記開口の底面との界面から上記一主面に対して垂直方向に発生した転位が、上記開口の底面を底辺とする三角形部の斜面またはその近傍に到達し、そこから上記一主面に平行な方向に屈曲している
    ことを特徴とする発光ダイオードバックライト。
  19. 赤色発光の発光ダイオード、緑色発光の発光ダイオードおよび青色発光の発光ダイオードをそれぞれ複数個配列した発光ダイオード照明装置において、
    上記緑色発光の発光ダイオードおよび上記青色発光の発光ダイオードのうちの少なくとも一つの発光ダイオードが、
    一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板と、
    上記基板上の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上の、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクと、
    上記成長マスクを覆うように上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に成長された第6の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
    上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層上の第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層とを有し、
    上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層において、上記開口の底面との界面から上記一主面に対して垂直方向に発生した転位が、上記開口の底面を底辺とする三角形部の斜面またはその近傍に到達し、そこから上記一主面に平行な方向に屈曲している
    ことを特徴とする発光ダイオード照明装置。
  20. 赤色発光の発光ダイオード、緑色発光の発光ダイオードおよび青色発光の発光ダイオードをそれぞれ複数個配列した発光ダイオードディスプレイにおいて、
    上記緑色発光の発光ダイオードおよび上記青色発光の発光ダイオードのうちの少なくとも一つの発光ダイオードが、
    一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板と、
    上記基板上の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上の、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクと、
    上記成長マスクを覆うように上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に成長された第6の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
    上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層上の第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層とを有し、
    上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層において、上記開口の底面との界面から上記一主面に対して垂直方向に発生した転位が、上記開口の底面を底辺とする三角形部の斜面またはその近傍に到達し、そこから上記一主面に平行な方向に屈曲している
    ことを特徴とする発光ダイオードディスプレイ。
  21. 一つまたは複数の発光ダイオードを有する電子機器において、
    少なくとも一つの上記発光ダイオードが、
    一主面に一つまたは複数の凹部を有する基板と、
    上記基板上の第1の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
    上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上の、少なくとも一つの上記凹部に対応した形状の開口を有する成長マスクと、
    上記成長マスクを覆うように上記第1の窒化物系III−V族化合物半導体層上に成長された第6の窒化物系III−V族化合物半導体層と、
    上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層上の第1の導電型の第4の窒化物系III−V族化合物半導体層、活性層および第2の導電型の第5の窒化物系III−V族化合物半導体層とを有し、
    上記第6の窒化物系III−V族化合物半導体層において、上記開口の底面との界面から上記一主面に対して垂直方向に発生した転位が、上記開口の底面を底辺とする三角形部の斜面またはその近傍に到達し、そこから上記一主面に平行な方向に屈曲している
    ことを特徴とする電子機器。
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