JP2013051243A - 光学素子および光学素子アレイ - Google Patents

光学素子および光学素子アレイ Download PDF

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Abstract

【課題】
電極の周囲で保護膜のみを透過する光と、さらにその外周で層間絶縁膜と保護膜とを透過する光が存在する場合でも、光の干渉が比較的起こりにくく発光効率が比較的高い光学素子および光学素子アレイを提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明に係る光学素子は、半導体層部の上面のうち第2の絶縁膜に被覆された第1領域を介して出射される発光層からの光の位相と、半導体層部の上面のうち第1の絶縁膜および第2の絶縁膜に被覆された第2領域を介して出射される発光層からの光の位相とが、第2領域の表面を含む仮想平面で同位相となっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学素子および光学素子アレイに関する。
従来、各種露光装置等の光源に用いられる光学素子として、LEDチップが採用されている。例えば、特許文献1に記載の光学素子は、発光部を有する半導体層に電極が接続されており、該電極の周囲は保護膜のみで覆われ、さらにその外周は層間絶縁膜と保護膜とで覆われている。そして、保護膜の膜厚が光透過条件を満たすとともに、層間絶縁膜と保護膜とが重なった部分の膜厚の合計が光透過条件を満たしている。
しかしながら、このような光学素子では、電極の周囲の保護膜のみを透過する光と、さらにその外周の層間絶縁膜と保護膜とを透過する光とが干渉することにより、発光効率が低下するという問題があった。
特開平7−15034号公報
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、発光部を有する半導体層に電極が接続され、該電極の周囲で保護膜のみを透過する光と、さらにその外周で層間絶縁膜と保護膜とを透過する光が存在する場合でも、光の干渉が比較的起こりにくく発光効率が比較的高い光学素子および光学素子アレイを提供することを目的とする。
本発明に係る光学素子は、基板と、該基板上に積層された、発光層を含む複数の半導体層からなる半導体層部と、該半導体層部の上面を該上面の一部を露出するように被覆した第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜上から前記半導体層部の露出した上面の一部にかけて配置された電極層と、該電極層、前記第1の絶縁膜および前記半導体層部の露出した上面を被覆した第2の絶縁膜とを有し、前記半導体層部の上面のうち前記第2の絶縁膜に被覆された第1領域を介して出射される前記発光層からの光の位相と、前記半導体層部の上面のうち前記第1の絶縁膜および前記第2の絶縁膜に被覆された第2領域を介して出射される前記発光層からの光の位相とが、前記第2領域の表面を含む仮想平面で同位相となることを特徴とする。
また、前記第1の絶縁膜の厚みをd、前記第2の絶縁膜の厚みをd、前記第2の絶縁膜の屈折率をn、前記第2の絶縁膜に接する1つの媒質の屈折率または複数の媒質の仮想屈折率をn、前記半導体層部の前記発光層から前記第1の絶縁膜との界面までの屈折率をn、前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜との仮想屈折率をn1+2、前記半導体層部から発せられる光の波長をλ、xおよびyを非負整数、zを正の整数とした場合に、下記式(1)〜(3)を満足することを特徴とする。
(4x+1)λ/8n≦d≦(4x+3)λ/8n …(1)
(4y+1)λ/8n1+2≦d+d≦(4y+3)λ/8n1+2 …(2)
(z−1/4)λ≦d(n−n)≦(z+1/4)λ …(3)
さらに、前記1つの媒質が空気であることを特徴とする。
また、前記複数の媒質が、前記第2の絶縁膜を被覆するように形成された第3の絶縁膜および空気であることを特徴とする。
さらに、前記第1の絶縁膜の材質と前記第2の絶縁膜の材質とが同一であることを特徴とする。
また、前記電極層が金属からなることを特徴とする。
さらに、前記基板上に上述の光学素子が複数配列されていることを特徴とする光学素子アレイを提供する。
本発明の光学素子によれば、基板と、該基板上に積層された、発光層を含む複数の半導体層からなる半導体層部と、該半導体層部の上面を該上面の一部を露出するように被覆した第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜上から前記半導体層部の露出した上面の一部にかけて配置された電極層と、該電極層、前記第1の絶縁膜および前記半導体層部の露出した上面を被覆した第2の絶縁膜とを有し、前記半導体層部の上面のうち前記第2の絶縁膜に被覆された第1領域を介して出射される前記発光層からの光の位相と、前記半導体層部の上面のうち前記第1の絶縁膜および前記第2の絶縁膜に被覆された第2領域を介して出射される前記発光層からの光の位相とが、前記第2領域の表面を含む仮想平面で同位相となることにより、発光層を有する半導体層部に電極が接続され、該電極の周囲で前記第1領域を透過する光と、さらにその外周で前記第2領域とを透過する光が存在する場合でも、前記第2領域の表面を含む仮想平面で前記第1領域を透過する光の位相と、前記第2領域とを透過する光の位相が同位相となる。
よって、本実施形態の光学素子によれば、光の干渉が比較的起こりにくく発光効率が比較的高い発光素子が実現される。
図1(a)は本発明の実施形態に係る光学素子の平面図である。図1(b)は図1(a)の1I−1I線に沿った断面図である。 図2(a)は図1に示した光学素子を構成するアノード電極と絶縁膜の関係を説明するための図である。図2(b)は図2(a)の2I−2I線に沿った断面図である。 図3(a)は光学素子を構成するアノード電極と絶縁膜の関係を説明するための図である。図3(b)は図3(a)の3I−3I線に沿った断面図である。
(光学素子)
以下、本発明の光学素子1について、図面を参照しつつ説明する。以下の実施の形態は例示するものであって、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
図1に示す光学素子1は、ページプリンター等の電子写真装置に組み込まれる光学素子ヘッド等の露光装置における光源として機能する。
光学素子1は、長方形状のベース基板10と、半導体層部20と、アノード電極30と、カソード電極31と、第1の絶縁膜40と、第2の絶縁膜41とを備えている。
長方形状のベース基板10は半導体層部20の支持体として機能し、半導体層部20の
結晶成長が可能である珪素(Si)、炭化珪素(SiC)、サファイア(Al)、ガリウム砒素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)等の単結晶材料からなる。本実施形態のベース基板10はガリウム砒素(GaAs)からなっており、n型の導電性を有している。このベース基板10には、例えばn型の不純物である珪素(Si)が1×1017〜1×1019atoms/cm3の範囲の濃度でドーピングされている。なお、n型の
不純物としては、珪素(Si)の他に、例えばゲルマニウム(Ge)、セレン(Se)、テルル(Te)などの周期表第14族元素や第16族元素が挙げられる。また、ベース基板10は、厚さが例えば100〜350μmの範囲とされる。
半導体層部20は、ベース基板10の上面に積層された、複数の半導体層で形成されている。本実施形態では、ベース基板10側から順次積層された、n型クラッド層20a、活性層20b、p型クラッド層20c、p型コンタクト層20dによって構成されている。
半導体層部20を構成する各半導体層20a〜20dは、例えば、MOCVD(有機金属化学気相成長:Metal−Organic Chemical Vapor Dep
osition)法またはMBE(分子線エピタキシャル成長:Molecular Beam Epitaxy)法を用い、ベース基板10の上面に順次エピタキシャル成長させることによって形成される。
n型クラッド層20aはベース基板10の上面に設けられており、後述する活性層20bよりも屈折率が小さく、バンドギャップエネルギーが高い層である。活性層20bよりも屈折率が低いことにより、活性層20bで発した光を活性層20b近辺に閉じ込めることにより、発光出力を比較的高くする機能を有する。また、活性層20bよりもバンドギャップエネルギーが高い層であることにより、活性層20bとの境界において電位障壁を設け、この電位障壁によって電子および正孔をせき止める機能を有する。
本実施形態のn型クラッド層20aは、燐化アルミニウムインジウム(AlInP)からなっており、n型の導電性を有している。このn型クラッド層20aには、例えばn型の不純物である珪素(Si)が1×1017〜1×1019atoms/cm3の範囲の
濃度でドーピングされている。なお、n型の不純物としては、珪素(Si)の他に、例えばゲルマニウム(Ge)、セレン(Se)、テルル(Te)などの周期表第14族元素や第16族元素が挙げられる。また、n型クラッド層20aは、厚さが例えば0.4〜1μmの範囲とされる。
活性層20bは、n型クラッド層20aの上面に設けられており、この活性層20bに電流が流れることで発光する機能を有する。そのため、活性層20bは発光層とも呼ばれる。
本実施形態の活性層20bは、燐化アルミニウムガリウムインジウム(AlGaInP)からなっており、不純物はドーピングされていない。また、活性層20bは、厚さが例えば0.3〜1μmの範囲とされる。
p型クラッド層20cは、活性層20bの上面に設けられており、n型クラッド層20aと同様、活性層20bよりも屈折率が小さく、バンドギャップエネルギーが高い層であり、発光出力を比較的高くする機能や電子および正孔をせき止める機能を有する。
本実施形態のp型クラッド層20cは、燐化アルミニウムインジウム(AlInP)からなっており、p型の導電性を有している。このp型クラッド層20cには、例えばp型の不純物である亜鉛(Zn)が、1×1017〜1×1019atoms/cm3の範囲
の濃度でドーピングされている。なお、p型の不純物としては、亜鉛(Zn)の他に、例えばベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、炭素(C)などの元素が挙げられる。また、p型クラッド層20cは、厚さが例えば0.4〜1μmの範囲とされる。
p型コンタクト層20dは、p型クラッド層20cの上面に設けられており、半導体層部20に電力を供給することを可能にする機能を有し、オーミックコンタクト層または電流拡散層とも呼ばれる。
本実施形態のp型コンタクト層20dは燐化ガリウム(GaP)からなっており、p型の導電性を有している。このp型コンタクト層20dには、例えばp型の不純物である亜鉛(Zn)が、1×1017〜1×1019atoms/cm3の範囲の濃度でドーピン
グされている。なお、p型の不純物としては、亜鉛(Zn)の他に、例えばベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、炭素(C)などの元素が挙げられる。また、p型クラッド層20cは、厚さが例えば0.1〜1.5μmの範囲とされる。
第1の絶縁膜40aは、ベース基板10および半導体層部20を覆うように設けられており、半導体層部20と後述するアノード電極30とを絶縁する機能を有する。第1の絶縁膜40aは、例えば化学蒸着法(CVD法)等によって窒化珪素(SiN)、酸化珪素(SiO)等で形成される。なお、本実施形態に係る第1の絶縁膜40は窒化珪素(SiN)である。そして、p型コンタクト層20dを覆っている第1の絶縁膜40の一部には開口40aが設けられており、この開口40aを介して、p型コンタクト層20dとアノード電極30は接続される。
アノード電極30は、第1の絶縁膜40の上面に形成されており、半導体層部20に電力を供給する機能を有する。アノード電極30は、リード部30aおよびパッド部30bを有している。
リード部30aは、第1の絶縁膜40の有する開口40aを介して半導体層部20の最上層に位置するp型コンタクト層20dの上面とパッド部30bとを接続している。このリード部30aおよびパッド部30bによって構成されるアノード電極30は、例えば厚さが250Å程度のクロム(Cr)層と、厚さが1μm程度の金(Au)層と、の積層体で形成することができる。
第2の絶縁膜41は、アノード電極30、第1の絶縁膜40および第1の絶縁膜40の有する開口40aの内側に位置する半導体層部20の露出した上面を覆うように設けられており、半導体層部20およびアノード電極30を外部との接触や外部環境より保護する機能を有する。そして、アノード電極30のパッド部30bの一部を露出するように開口41aが設けられている。この開口部41aの内側に露出したパッド部30bがワイヤーボンディング等により外部と電気的に接続される。
第2の絶縁膜41は、例えば化学蒸着法(CVD法)等によって窒化珪素(SiN)、酸化珪素(SiO)、酸化窒化珪素(SiON)、ポリイミド(Polyimide)等で形成される。なお、本実施形態に係る第2の絶縁膜41は窒化珪素(SiN)である。
ベース基板10の、半導体層部20が形成されている上面と反対側の底面の上に、当該底面の全体にわたってカソード電極31が設けられている。このカソード電極31は、例えば厚さが250Å程度のクロム(Cr)層と、厚さが500〜1000Å程度の金(Au)およびゲルマニウム(Ge)の合金層と、厚さが250Å程度のクロム(Cr)層と
、厚さが1μm程度の金(Au)層と、の積層体で形成することができる。
上述のように構成された発光素子1は、アノード電極30とカソード電極31との間に電力を印加することにより半導体層部20に電力が供給され、結果として活性層20bが発光する。
ここで、第1の絶縁膜40の開口40aと、アノード電極30のリード部30aと、第2の絶縁膜41との関係を詳しく説明する。
まず、第1の絶縁膜40の開口40aと、アノード電極30のリード部30aとの寸法の関係を図2により説明する。なお、図2には第2の絶縁膜41は図示していない。
図2に示すように、第1の絶縁膜40の開口40aは、p型コンタクト層20dの一部を露出するように形成され、略矩形状をなしている。そして、アノード電極30のパッド部30bからリード部30aに向かう方向と垂直な方向の開口40aの幅W1は、パッド部30bからリード部30aに向かう方向と垂直な方向のリード部30aの幅W2よりも広くされている。その理由は、半導体層部20に電力が供給され、活性層20bが発光したときの発光強度は、開口40a内のリード部30aとp型コンタクト層20dとが接している領域で最も高くなることが経験的に分かっているためである。つまり、リード部30aのエッジ部(図2(a)の一点鎖線で囲まれたエッジ部)で最も高くなる。その他リード部30aとp型コンタクト層20dが接している領域は、リード部30a自身が光を遮るマスクとして働き、外部に直接照射されることはない。
仮に、図3に示すように、アノード電極30のパッド部30bからリード部30aに向かう方向と垂直な方向の開口40aの幅W3が、パッド部30bからリード部30aに向かう方向と垂直な方向のリード部30aの幅W4よりも狭くされている場合には、開口40a内でp型コンタクト層20dと接しているリード部30aのエッジ部は図3(a)の一点鎖線で囲まれた部分となり、上述の開口40aの幅W1がリード部30aの幅W2よりも広い場合と比べて発光強度が最も高くなる領域が少なくなる。
よって、発光素子1の発光強度を比較的高くするために、アノード電極30のパッド部30bからリード部30aに向かう方向と垂直な方向の開口40aの幅W1は、パッド部30bからリード部30aに向かう方向と垂直な方向のリード部30aの幅W2よりも広くされていることが重要である。
しかしながら、上述のようにアノード電極30のパッド部30bからリード部30aに向かう方向と垂直な方向の開口40aの幅W1が、パッド部30bからリード部30aに向かう方向と垂直な方向のリード部30aの幅W2よりも広くされている構成の場合、活性層20bで発せられた光は、半導体層部20の上面のうち、第2の絶縁膜41に被覆された第1領域43を介して出射される光と、半導体層部20の上面のうち第1の絶縁膜40および第2の絶縁膜41に被覆された第2領域44を介して出射される光とが存在する。すなわち、活性層20bで発せられた光は、p型クラッド層20c、p型コンタクト層20dおよび第2の絶縁膜41を介して、第2の絶縁膜41に接する外部の媒質50に出射される光(第1領域43を介して出射される光に相当)と、p型クラッド層20c、p型コンタクト層20d、第1の絶縁膜40および第2の絶縁膜41を介して、媒質50に出射される光(第2領域44を介して出射される光に相当)とが存在する。つまり、第1領域43を介して媒質50に出射される光の光路長と、第2領域44を介して媒質50に出射される光の光路長とは異なる。なお、本実施形態の媒質50は空気である。光学素子1が窒素雰囲気で使用される場合などは媒質50が窒素(N)となるなど、媒質50を
特に限定する必要はない。
上述のように第1領域43を介して出射される光と、第2領域44を介して出射される光の光路長が異なる場合には、活性層20bで発せられた光を効率よく取り出すために、第1領域43および第2領域44を介して媒質50に出射される光が、それぞれ第2の絶縁膜41と媒質50との界面で反射することがないように、第1領域43に対応する第2の絶縁膜41の厚みd、第2領域44に対応する第1の絶縁膜40の厚みと第2の絶縁膜41の厚みd+dとを調整するのが一般的である。一般的に、無反射条件は、d=(2m+1)λ/4n(d:絶縁膜の厚み、m:非負整数、λ:発せられる光の波長、n:絶縁膜の屈折率)で表わされる。
まず、第1領域43を介して発せられる光の、第2の絶縁膜41と媒質50との界面での無反射条件を検討する。第2の絶縁膜41の厚みをd、mを非負整数、λを発せられる光の波長、第2の絶縁膜41の屈折率をnとした場合に、d=(2m+1)λ/(4n)を満足するように第2の絶縁膜41の厚みdを設定すると第2の絶縁膜41と媒質50との界面で反射が起こらず、効率よく光が取り出せる。理想的には第2の絶縁膜41の厚みdが上式を満足するように一定にすることであるが、現実的には第2の絶縁膜41の厚みdは製造上等のばらつきを有するため、第2の絶縁膜41の厚みをd、xを非負整数、λを発せられる光の波長、第2の絶縁膜41の屈折率をnとして、下記式(1)を満足するように設定する。
(4x+1)λ/(8n)≦d≦(4x+3)λ/(8n) …(1)
式(1)は、光の位相が最大で八分の一波長ずれる場合を考慮したもので、光の強度は干渉により最大値の50%程度となる。好適には(8y+3)λ/(16n)≦d≦(8y+5)λ/(16n)を満足するように設定する。これは、光の位相が最大で十六分の一波長ずれた場合を考慮したもので、光の強度は干渉により最大値の85%程度となる。
次に、第2領域44を介して発せられる光の、第2の絶縁膜41と媒質50との界面での無反射条件を検討する。第1の絶縁膜40の厚みをd、第1の絶縁膜40と第2の絶縁膜41との仮想屈折率をn1+2、mを非負整数とした場合に、d+d=(2m+1)λ/(4n1+2)を満足するように第1の絶縁膜40の厚みdおよび第2の絶縁膜41の厚みdを設定すると第2の絶縁膜41と媒質50との界面で反射が起こらず、効率よく光が取り出せる。理想的には第1の絶縁膜40の厚みdおよび第2の絶縁膜41の厚みdが上式を満足するように一定にすることであるが、現実的には第2の絶縁膜41の厚みdは製造上等のばらつきを有するため、第1の絶縁膜40の厚みをd1、第2の絶縁膜41の厚みをd、yを非負整数、λを発せられる光の波長、第1の絶縁膜40および第2の絶縁膜41の仮想屈折率をn1+2、として、下記式(2)を満足するように設定する。
(4y+1)λ/(8n1+2)≦d+d≦(4y+3)λ/(8n1+2) …(2)
式(2)は、光の位相が最大で八分の一波長ずれる場合を考慮したもので、光の強度は干渉により最大値の50%程度となる。好適には(8y+3)λ/(16n1+2)≦d+d≦(8y+5)λ/(16n1+2)を満足するように設定する。これは、光の位相が最大で十六分の一波長ずれた場合を考慮したもので、光の強度は干渉により最大値の85%程度となる。
ここで、仮想屈折率の求め方について説明する。単純化するため、屈折率Nの下地層の上に屈折率Nの薄膜を厚さがhとなるように被着した場合の合成屈折率Nを検討する。
仮想屈折率Nは下記式(A)で求められる。
=N×{1−rexp(−2iφ)}/{1+rexp(−2iφ)} …(A)
式(A)において、rは下地層と薄膜との界面の反射率のことであり、下記式(B)で求められる。
r=(N−N)/(N+N) …(B)
また、式(A)において、φは下記式(C)で求められる。式(C)において、λは光の波長である。
φ=(2πN)/λ …(C)
上の説明では、単純に異なる二層の物質の仮想屈折率を求めたが、複数層の場合には、上で説明した方法を繰り返すことにより仮想屈折率を求める。
上記の仮想屈折率を求める方法は仮想光学定数法と呼ばれるものだが、その他のマトリックス法等により仮想屈折率を求めることもできる。
式(1)および式(2)を満足するように第1の絶縁膜40の厚みdおよび第2の絶縁膜41の厚みdとすることで、第1領域43を介して出射される光と第2領域44を介して出射される光が、それぞれ第2の絶縁膜41と媒質50との界面で反射することを比較的低減することができる。
しかしながら、第1領域43を介して出射される光と第2領域44を介して出射される光が干渉することにより打ち消しあい、光学素子1としての発光強度を低下させる場合がある。
そこで、第1領域43を介して出射される光と第2領域44を介して出射される光が干渉することを比較的抑制するためには、第1領域43を介して出射される光の光路と第2領域44を介して出射される光の光路との差が発せられる光の波長λの整数倍となるように設定することが重要である。
なお、第1領域43を介して出射される光と第2領域44を介して出射される光との光路差を検討する場合、n型クラッド層20aと活性層20bとの界面半導体層部20の上面まではそれぞれの領域で共通であるので、半導体層部20の上面から第1の絶縁膜40の上面に形成される第2の絶縁膜41の表面を含む仮想平面までの光路差を検討すればよい。
n型クラッド層20aと活性層20bとの界面半導体層部20の上面までの領域の仮想屈折率をn、媒質50の屈折率をn、第1の絶縁膜40の厚みをd、第2の絶縁膜41の厚みをdとした場合、第1領域43を介して発せられる光の光路は、n+nで表わされ、第2領域44を介して発せられる光の光路は、n(d+d)で表わされる。よって、第1領域43を介して出射される光と第2領域44を介して出射される光との光路差は、n(d+d)よりn+nを引いた、d(n−n)となる。
したがって、第1領域43を介して出射される光と、第2領域44を介して出射される光とが干渉することを比較的抑制するためには、d(n−n)=mλ(m:非負整数)を満足するように第1の絶縁膜40の厚みdを設定すればよい。理想的には第1の
絶縁膜40の厚みdが上式を満足するように設定することであるが、現実的には第1の絶縁膜40の厚みdは製造上等のばらつきを有するため、下記式(3)を満足するように設定する。
(z−1/4)λ≦d(n−n)≦(z+1/4)λ …(3)
式(3)は、光の位相が最大で四分の一波長ずれた場合を考慮したもので、光の強度は干渉により最大値の50%程度となる。好適には(z−1/8)λ≦d(n−n)≦(z+1/8)λを満足するように設定する。これは、光の位相が最大で八分の一波長ずれた場合を考慮したもので、光の強度は干渉により最大値の85%程度となる。
なお、本実施形態の発光素子1は、ダブルへテロ構造の発光素子として記載したが、単なるヘテロ構造であってもよく、発光素子の構造を特に限定するものではない。
また、本実施形態の発光素子1は、ベース基板10の上面に一つの発光素子1を配置しているが、ベース基板10の上面に複数の発光素子1を配置させた光学素子アレイとしてもよい。
かくして、上述した光学素子1は、ページプリンター等の電子写真装置に組み込まれる光学素子ヘッド等の露光装置における光源として機能する。
以上、本発明の具体的な実施形態を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の要旨から逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態の絶縁膜は第1の絶縁膜40および第2の絶縁膜41であるが、さらに第2の絶縁膜を被覆するように第3の絶縁膜を形成してもよい。この場合、第2の絶縁膜41に接する媒質は、第3の絶縁膜と空気とからなる複数の媒質となり、屈折率は上述した仮想光学定数法等により仮想屈折率として求める。第3の絶縁膜は、ポリイミド合成樹脂、感光性樹脂、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化シリコン、ポリイミドシリコンなどからなり、厚みは2000〜20000Å程度に形成する。第3の絶縁膜を形成することにより、半導体層部20の物理的な保護を比較的高くすることができる。
本実施形態の光学素子1は、順方向に電圧を加えた際に発光する半導体発光ダイオードであるが、直流駆動方式または交流駆動方式の無機エレクトロルミネッセンスを採用してもよい。
1 光学素子
10 ベース基板
20 半導体層部
20a n型クラッド層
20b 活性層
20c p型クラッド層
20d p型コンタクト層
30 アノード電極
30a リード部
30b パッド部
31 カソード電極層
40 第1の絶縁膜
40a 開口
41 第2の絶縁膜
41a 開口
43 第1領域
44 第2領域
50 媒質

Claims (7)

  1. 基板と、該基板上に積層された、発光層を含む複数の半導体層からなる半導体層部と、該半導体層部の上面を該上面の一部を露出するように被覆した第1の絶縁膜と、該第1の絶縁膜上から前記半導体層部の露出した上面の一部にかけて配置された電極層と、該電極層、前記第1の絶縁膜および前記半導体層部の露出した上面を被覆した第2の絶縁膜とを有し、
    前記半導体層部の上面のうち前記第2の絶縁膜に被覆された第1領域を介して出射される前記発光層からの光の位相と、前記半導体層部の上面のうち前記第1の絶縁膜および前記第2の絶縁膜に被覆された第2領域を介して出射される前記発光層からの光の位相とが、前記第2領域の表面を含む仮想平面で同位相となることを特徴とする光学素子。
  2. 前記第1の絶縁膜の厚みをd、前記第2の絶縁膜の厚みをd、前記第2の絶縁膜の屈折率をn、前記第2の絶縁膜に接する1つの媒質の屈折率または複数の媒質の仮想屈折率をn、前記半導体層部の前記発光層から前記第1の絶縁膜との界面までの屈折率をn、前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜との仮想屈折率をn1+2、前記半導体層部から発せられる光の波長をλ、xおよびyを非負整数、zを正の整数とした場合に、下記式(1)〜(3)を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
    (4x+1)λ/8n≦d≦(4x+3)λ/8n …(1)
    (4y+1)λ/8n1+2≦d+d≦(4y+3)λ/8n1+2 …(2)
    (z−1/4)λ≦d(n−n)≦(z+1/4)λ …(3)
  3. 前記1つの媒質が空気であることを特徴とする請求項2に記載の光学素子。
  4. 前記複数の媒質が、前記第2の絶縁膜を被覆するように形成された第3の絶縁膜および空気であることを特徴とする請求項2に記載の光学素子。
  5. 前記第1の絶縁膜の材質と前記第2の絶縁膜の材質とが同一であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学素子。
  6. 前記電極層が金属からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学素子。
  7. 前記基板上に請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学素子が複数配列されていることを特徴とする光学素子アレイ。
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