JP2003133649A - 窒化物半導体レーザ素子及び窒化物半導体レーザ素子の製造方法及びこれを備えた半導体光学装置 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子及び窒化物半導体レーザ素子の製造方法及びこれを備えた半導体光学装置

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JP2003133649A JP2001330068A JP2001330068A JP2003133649A JP 2003133649 A JP2003133649 A JP 2003133649A JP 2001330068 A JP2001330068 A JP 2001330068A JP 2001330068 A JP2001330068 A JP 2001330068A JP 2003133649 A JP2003133649 A JP 2003133649A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、内部の結晶欠陥が低減されるととも
に応力の緩和された窒化物半導体レーザ素子及びこの窒
化物半導体レーザー素子を備えた半導体光学装置を提供
することを目的とする。 【解決手段】結晶欠陥が高密度となる転位集中領域11
と低転位領域12とを交互にストライプ状に備えたn型
GaN基板10の表面上に、まず、GaN結晶成長を抑
制する成長抑制膜13を転位集中領域11を被覆するよ
うに形成する。このように成長抑制膜13が形成された
n型GaN基板10上にGaN結晶をエピタキシャル成
長させて窒化物半導体層を積層することで、結晶欠陥密
度の低い窒化物半導体レーザ素子を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化物半導体基板
上に窒化物半導体層が積層されることによって構成され
る窒化物半導体レーザ素子とその製造方法及びこの窒化
物半導体レーザ素子を用いた半導体光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】Al、Ga、及びIn等のIII族元素
と、V族元素であるNとの化合物で構成される窒化物III
−V族半導体(以後、「GaN系半導体」と記す)は、そ
のバンド構造や化学的安定性から発光素子やパワーデバ
イスとして期待され、応用が試みられてきた。例えば、
サファイア基板(Al23)やSiC基板上にGaN系
半導体を積層して青色レーザを発光する窒化物半導体レ
ーザ素子を作製する試みが盛んに行われている。
【0003】しかしながら、サファイア基板、SiC基
板上にGaN結晶薄膜を成長させるとGaNと基板材料
との間の格子定数の違いから、転位などの多くの欠陥が
エピタキシャル層に導入される。よって、高密度の電流
を流す窒化物半導体レーザ素子の場合、欠陥が引き金に
なって格子構造が乱れ、欠陥が増殖するという恐れがあ
る。又、窒化物半導体レーザ素子がサファイア基板上に
構成される場合、寿命の点でも問題がある。それは、高
密度の転位が窒化物半導体レーザ素子の寿命を制限して
いると考えられる。
【0004】これらの点より、GaN系半導体デバイス
に用いる基板は、GaN単結晶であることが理想的であ
る。よって、基板と基板に積層される各層との間におけ
る格子定数の違いがなくなる。又、GaNは劈開性があ
るからウエハをチップに切り出す工程が容易になる。更
に、GaN結晶には導電性があり電極配置が単純化され
る。このような点で、基板にGaN単結晶を用いること
が最適である。
【0005】このようなGaN単結晶によるGaN基板
を用いた、紫外から可視領域で発振する窒化物半導体レ
ーザ素子が、ジャパニーズ=ジャーナル=オブ=アプラ
イド=フィジックス39号L647〜L650頁(Jp
n.J.Appl.Phys.Vol.39(200
0)pp.L647−650)で報告されている。この
窒化物半導体レーザ素子は、GaN基板上に周期的なス
トライプ状の開口部をもつSiO2マスクパターンが形
成され、この上に、ストライプ状導波路(リッジストラ
イプ構造)を有する窒化物半導体の積層構造が形成され
ることにより、構成される。
【0006】このGaN基板の製造には、次の方法が用
いられている。周期20μm毎にストライプ状の開口部
をもつSiO2マスクパターンが形成された下地となる
種結晶上に、MOCVD法(Metalorganic Chemical Va
por Deposition)により、15μm厚のGaN層を形成
し、表面が平坦なウェハーを得た。これは、ELOG
(Epitaxially Lateral Overgrown)と呼ばれる技術で
あり、ラテラル成長の利用により、欠陥を低減する手法
である。さらに、通常のHVPE法(Hydride Vapor Ph
ase Epitaxy)により200μm厚のGaN層を形成
し、下地を除去することでGaN基板が製造された。得
られた半導体レーザの寿命特性は、60℃において30
mWの出力条件で、推定寿命15000時間となった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
窒化物半導体レーザ素子では、GaN基板の製造方法
が、3回の結晶成長(HVPE成長、MOCVD下地成
長、MOCVDレーザ構造成長)を必要としており、複
雑で、生産性に問題があった。また、寿命特性もまだ十
分でなく、さらに高温で高出力(例えば、70℃ 60
mW)の条件での寿命特性が十分でなかった。又、製造
時に歩留まりの低下につながる積層構造成長後の成長膜
表面に現れるクラックによる歩留まりの低下を生じる場
合がある。
【0008】これらの問題は、窒化物半導体レーザ素子
内に存在する結晶欠陥(=転位)が原因であり、この結
晶欠陥は、通常、GaN基板において、約5×107
-2の結晶欠陥が基板表面に存在していることが確認さ
れている。本結晶欠陥を曲げるあるいは消滅させる等の
手段を用いれば、低欠陥密度の領域が得られることにな
り、課題となっている高出力の条件おける十分な素子寿
命の確保が可能になる。又、GaN基板内あるいはGa
N基板上に形成された結晶成長層の中に構造的にひずみ
を緩和する機構を有していればクラックの生じる確率が
低下し、クラックが原因となる歩留まりの低下が生じな
い。
【0009】このような問題を鑑みて、本発明は、内部
の結晶欠陥が低減されるとともに応力の緩和された窒化
物半導体レーザ素子及びこの窒化物半導体レーザー素子
を備えた半導体光学装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の窒化物半導体レーザ素子は、窒化物半導体
基板と、該窒化物半導体基板上に積層された窒化物半導
体層とから構成される窒化物半導体レーザ素子におい
て、前記窒化物半導体基板が、結晶欠陥の集中するスト
ライプ状の転位集中領域と、該転位集中領域を除く低転
位領域とを具備した基板であるとともに、前記窒化物半
導体基板の表面上の前記転位集中領域を被覆する位置
に、窒化物半導体結晶の成長を抑制する成長抑制膜を有
し、該成長抑制膜が設けられた前記窒化物半導体基板上
に前記窒化物半導体結晶を成長させることで、前記窒化
物半導体層が積層されることを特徴とする。
【0011】このようにすることで、窒化物半導体層を
窒化物半導体基板の表面上に積層させる際に、転位集中
領域からの結晶欠陥である転位の伝播を成長抑制膜で抑
制し、窒化物半導体層に高密度な結晶欠陥が広がること
が防がれる。よって、窒化物半導体層内の結晶欠陥密度
を低くすることができる。
【0012】このような窒化物半導体レーザ素子におい
て、前記成長抑制膜の形状が線状であり、前記転位集中
領域それぞれに対して簀の子状となるように複数本毎の
前記成長抑制膜が設けられるとともに、該複数本毎の成
長抑制膜によって前記各転位集中領域が覆われるように
しても構わない。このようにすることで、低転位領域か
ら成長する窒化物半導体結晶が結合し易くなり、板状の
成長抑制膜が設けられ、低転位領域からの窒化物半導体
結晶が結合していない状態で窒化物半導体層が積層され
る場合に比べて、劈開が容易である。
【0013】このとき、前記各転位集中領域に対して設
けられた前記複数本毎の成長抑制膜が、その幅が1μm
以上10μm以下で、且つ、隣の成長抑制膜との間隔が
1μm以上10μm以下で平行に並んで位置するように
設けられ、該複数本毎の成長抑制膜の幅と間隔とを合わ
せた領域それぞれが、前記各転位集中領域を被覆するよ
うにする。
【0014】又、前記窒化物半導体基板の伝導特性をn
型の伝導特性とするとともに、前記成長抑制膜を被覆す
るように、前記窒化物半導体基板の表面上にn型の伝導
特性を有するGaN膜を形成することによって、表面が
平坦となるGaN膜を形成することができるため、窒化
物半導体層への高密度の結晶欠陥の伝播を防ぐことがで
きる。又、窒化物半導体基板を抵抗の高いn型の導電性
の基板とすることで、窒化物半導体層がn型、p型の順
序で積層されるため、結晶成長した窒化物半導体層の表
面の平坦性がより向上し、レーザを出力するための電流
の閾値を低減することができる。このとき、前記n型の
伝導特性を有するGaN膜の膜厚を、1μm以上20μ
m以下とする。
【0015】又、前記成長抑制膜の膜厚を0.05μm
以上1μm以下とすることで、成長抑制膜の効果を与え
るとともに、成長抑制膜による影響を防ぐ。又、前記成
長抑制膜を、シリコン化合物膜、又は、金属膜とする。
更に、このとき、前記成長抑制膜を、SiO2膜、Si3
4膜、チタン膜、又は、タングステン膜のいずれかと
する。
【0016】上述した窒化物半導体レーザ素子におい
て、前記窒化物半導体層が量子井戸活性層を有するとと
もに、該活性層がInxGa1-xN(0<x<1)により
構成される井戸層を含有するようにしても構わないし、
更に、As、PおよびSbの元素群のうち少なくともい
ずれかの元素が、前記活性層に含有されるようにしても
構わない。又、前記窒化物半導体基板がGaN基板であ
ることが好ましい。
【0017】又、本発明の窒化物半導体レーザ素子の製
造方法は、窒化物半導体基板と、該窒化物半導体基板上
に積層された窒化物半導体層とから構成される窒化物半
導体レーザ素子の製造方法において、結晶欠陥の集中す
るストライプ状の転位集中領域と該転位集中領域を除く
低転位領域とを具備した前記窒化物半導体基板の表面上
において、前記転位集中領域を被覆する位置に、窒化物
半導体結晶の成長を抑制する成長抑制膜を形成した後、
該成長抑制膜が設けられた前記窒化物半導体基板上に前
記窒化物半導体結晶を成長させることで、前記窒化物半
導体層を積層することを特徴とする。
【0018】このとき、前記成長抑制膜を前記窒化物半
導体基板の表面全域に設けた後、エッチングを行うこと
によって、前記転位集中領域のみが前記成長抑制膜で被
覆された状態とするようにしても構わない。又、前記窒
化物半導体基板の伝導特性がn型の伝導特性であるとと
もに、前記転位集中領域を前記成長抑制膜で被覆した
後、該成長抑制膜を被覆するように、前記窒化物半導体
基板の表面上にn型の伝導特性を有するGaN膜を形成
し、形成された該GaN膜の表面上に前記窒化物半導体
結晶を成長させることで、前記窒化物半導体層を積層す
るようにしても構わない。
【0019】本発明の半導体光学装置は、上述したよう
な窒化物半導体レーザ素子を光源とすることを特徴とす
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して、説明する。尚、本明細書における
窒化物半導体基板(GaN基板)に積層された窒化物半
導体層とは、少なくともAlxGayInzN(0≦x≦
1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で構成
された層である。窒化物半導体層は、この窒化物半導体
層を構成している窒素元素の約10%以下(但し、六方
晶系であること)が、As、PおよびSbの元素群のう
ち少なくとも何れかの元素で置換されても構わない。
【0021】又、窒化物半導体層は、Si、O、Cl、
S、C、Ge、Zn、Cd、Mg、及びBeの不純物群
のうち、少なくとも何れかの不純物が添加されても構わ
ない。その不純物の総添加量は5×1017cm-3以上5
×1020cm-3以下が好ましい。前記窒化物半導体層が
n型導電性を有するための不純物は、前記不純物群のう
ち、Si、Ge、S、Seの何れかが特に好ましく、p
型導電性を有するための不純物はMg、Cd、Beの何
れかが特に好ましい。
【0022】又、本明細書における活性層とは、井戸層
もしくは井戸層と障壁層から構成された層の総称を指す
ものとする。例えば、単一量子井戸構造の活性層は、1
つの井戸層のみから構成されるか、もしくは、障壁層/
井戸層/障壁層から構成される。また、多重量子井戸構
造の活性層は複数の井戸層と複数の障壁層から構成され
る。
【0023】GaNは六方晶系(hexagonal)であるか
ら軸方向や面方位を表すには4つの指数を使う表記方法
を採用する。a軸、b軸は120度をなし、長さは等し
い(a=b)これらに直交するc軸は特異な軸でありa
軸と等しくない(c≠a)。a軸とb軸だけではab面
の方向を表す際に対称性がなくなるのでもう一つの軸を
想定する。これを仮にd軸とする。尚、a、b、d軸
は、a、b軸だけで充分に方位を指定できるが対称性を
損なわないようにもう一つ余分のd軸を導入したのであ
るからこれらは互いに独立でない。
【0024】一つの平行面群を4つの指数(klmn)
で表現したとすると、これは原点から数えて1枚目の面
がa軸、b軸、d軸、c軸を切る点の原点からの距離が
a/k、b/l、d/m、c/nであるということであ
る。これは他の晶系の場合と同じ定義である。ただし
a、b、d軸は平面内に含まれる冗長な座標であるか
ら、k、l、mは独立でなく、常にk+l+m=0であ
る。c軸に関しては立方晶等の場合と同じである。同等
な平行面がc軸単位長さにn枚あるときc方向の指数が
nとなる。だから4つの指数のうち前3つについては回
転対称性があるが、c軸の指数は独立である。
【0025】個々の面方位は(…)で表現する。集合的
な面方位は{…}によって表現する。集合的なというの
はある面方位をその晶系が許す全ての対称操作によって
到達できる全ての面方位の集合を意味する。結晶方位も
同じ指数によって表現する。結晶方位はそれに垂直な面
の指数と同じ指数をつかう。個別の方位は[…]であら
わす。集合方位は<…>で表現する。これらは結晶学の
常識であるが混乱を避けるため説明した。マイナスの指
数は数字の上に横線を引いて示すのが直観的に分かりや
すくて結晶学の決まりでもある。しかし数字の上に横線
を引く事ができないので、ここでは数字の前に−をつけ
て負数を示す。
【0026】<GaN基板の作製方法>まず、窒化物半
導体レーザ素子を作製するために、その表面に窒化物半
導体層を形成するGaN基板の作製方法について、図1
を参照して説明する。図1は、n型GaN基板の製造過
程を示す図である。
【0027】このn型GaN基板を製造する際の結晶成
長において、ファセット面からなる斜面を有して成長す
る。尚、ファセット面というのは成長方向に垂直な面
(成長面)以外の面をいう。このファセット面となる斜
面を維持して成長することで、転位を成長方向に対して
伝播させて所定の位置に集合させることができる。この
ファセット面の成長した領域は、結晶欠陥(=転位)の
移動により低転位領域となる。又、ファセット面となる
斜面の下部には、明確な境界を持った高密度の欠陥領域
を有した成長が成される。そして、転位が、この高密度
の欠陥領域(後述する「転位集中領域」に相当する)の
境界或いはその内部に集合するため、この高密度の欠陥
領域内で消滅或いは蓄積する。
【0028】このとき、この高密度の欠陥領域の形状に
よって、ファセット面の形状も異なる。高密度の欠陥領
域がドット状となる場合、ファセット面が高密度の欠陥
領域を取り巻くように形成され、ファセット面から成る
ピットが形成される。又、高密度の欠陥領域がストライ
プ状となる場合、この高密度の欠陥領域のストライプと
なる部分を底となるようにして、高密度の欠陥領域の両
側にファセット面の斜面を形成してV字型となる。
【0029】この高密度の欠陥領域を形成するために
は、下地基板となる支持基体上に、高密度の欠陥領域を
形成する場所に、非晶質又は多結晶の層である転位形成
用の種を予め形成しておく必要がある。このように転位
形成用の種が表面上に形成された支持基体にGaNを成
長させることによって、この転位形成用の種の直上の領
域に、高密度の欠陥領域が形成される。そして、この高
密度の欠陥領域を有してGaN層を成長させることによ
り、ファセット面を埋め込むこと無く、ファセット面を
維持して成長を進行させることができる。
【0030】即ち、ハイドライド気相成長法(HVP
E)法により、支持基体21上にn型GaN層22を成
長させるとき、ファセット面{11−22}面23が成
長中の表面に主として表出するように成長する。その結
果、図1(a)のように、表面の断面図形は鋸歯状の凹
凸形状となる。ただし、凸部の頂点付近には、わずか
に、{0001}面26が表出した部分がストライプ状
に生成される。
【0031】ここで、HVPE法というのは、ホットウ
ォール型の反応炉の上流部にGaボートを設け、加熱し
たGa融液にHClガスを吹き込むようにし、反応炉の
下流部にGaN層22を成長させるための基体21を設
けて、NH3を吹き込むようにしておく。そして、加熱
したGaメタル(融液)にHClを吹きこんでGaCl
を合成し、下方へ送り、下方でNH3と反応させGaN
を合成しGaNが基板に堆積するようにしたものであ
る。
【0032】又、基体21としては2インチ(111)
GaAsウェハを用いた。凹凸はピッチP=400μm
の周期構造であり、図面奥行き方向に畝状に伸びている
形状となっている。このGaAsウェハは、GaNを成
長させて、後述するn型GaN層22のインゴットを作
製した後に除去する際に、容易に除去できるため、サフ
ァイアウェハなどに比べて適している。このように、凹
凸の位置を規定するためには、基体21上にあらかじめ
上記凹部に対応した開口を持つSiO2のマスク(開口
部が上述の「転位形成用の種」に相当する)を形成して
おき、ファセット面が表出する状態で、結晶成長を行え
ば良い。
【0033】つまり、マスクの開口部は、GaN結晶の
[1−100]方向に平行になるように、ピッチP=4
00μmでストライプ状配置されており、そのマスクの
形状は、連続したストライプ状としたり、あるいは個々
のドット状として列上に並ぶような配置にしても良い。
以降、本例では、間隔が400μmでストライプ状の形
状を形成することによりGaN基板を作製した例ついて
記述するが、開口部の間隔は400μmに限る必要は無
い。望ましくはこの間隔は100μm以上がよく、更に
望ましくは200μm以上、600μm以下がよい。
【0034】ファセット面{11−22}面23が表出
した状態で、結晶成長を持続させる手法(成長条件)に
付いては、本出願人が先に出願した特開2001−10
2307号広報に詳細に開示している。なお、成長時に
酸素をドーピングすることで、成長する結晶をn型とす
る。
【0035】このように、ファセット面{11−22}
面23が表出した状態で結晶成長を持続させ、さらにG
aN結晶の形成を続けることで、図1(b)のように、
基体21上に高さ30mmのn型GaN層22によるイ
ンゴットが作製される。このとき、その表面上に、種と
なるマスクの形状に応じたファセット面が形成される。
即ち、マスクがドット状のパターンとなる場合は、ファ
セット面からなるピットが規則正しく形成され、又、マ
スクがストライプ状のパターンとなる場合は、V字型の
ファセット面が形成される。
【0036】このn型GaN層22によるインゴット
を、スライサーによりスライス切断加工して薄片(n型
GaN基板)を得る。更に、この薄片を研磨加工して、
図1(c)の断面図及び図1(d)の上面図で表される
ような、表面が平坦な2インチ径、厚さ350μmのn
型GaN基板10が得られる。その後、n型GaN基板
10の表面を研削、研磨を施すことによって、表面を平
坦化して、使用可能な状態とすることができる。即ち、
このn型GaN基板10において、エピタキシャル成長
を行うための表面を鏡面研磨仕上げとする。
【0037】尚、この表面は、ほぼ(0001)面とし
たが、上にエピタキシャル成長される窒化物半導体層の
モフォロジーが平坦で良好になるためには、(000
1)面から任意の方向に0.2〜1°の範囲で、オフ角
度を有していることが望ましく、特に表面の平坦性が最
小になるようにするためには、0.4〜0.8°の範囲
とすることが好ましい。
【0038】このようにして構成されるn型GaN基板
10の表面を顕微鏡で詳細に観察した。研磨加工された
表面は必ずしも平坦でなく、凹凸が生じている。即ち、
図1における結晶成長時に凹部の最底部が生じていた領
域24に対応する領域がやや窪んでいる。
【0039】又、硫酸、燐酸の混酸を250℃に加熱し
た液にサンプルとなるn型GaN基板10を浸しエッチ
ングを行って、ファセット面が集合するエッチピットが
表面にでるようにした。その結果、領域24に対応する
領域に多数のエッチピットが現れるため、この領域に転
位が極めて集中していることが判明した。この上記した
領域24は、転位が極めて集中しているために、研磨工
程で他の部分よりも侵食されやすく、窪みが生じて生成
されたものと考えられる。
【0040】この窪みの生じた領域24の幅は約10〜
40μmであった。この領域24以外の領域は、EPD
(エッチピット密度)104〜105cm-2台の低転位領
域となっており、又、領域24のEPDは、これよりも
3桁以上大きくなる。このように、窪みの生じる領域2
4は、周囲に比べて数桁も結晶欠陥密度(=転位密度)
が大きくなっている部分で、上述の高密度の欠陥領域に
相当する領域であるため、本明細書では、以後「転位集
中領域」と呼称する。
【0041】この転位集中領域24は基板上の他の領域
と異なり、極性が反転している場合があった。即ち、n
型GaN基板10の表面位置において、転位集中領域2
4以外の面はGa(ガリウム)が露出する面方位であ
り、転位集中領域24の面はN(窒素)が露出する面方
位である場合があった。又、この転位集中領域24は、
このような状態を含めていくつかの状態がある。即ち、
例えば、多結晶からなる場合、単結晶であるが周囲の低
欠陥領域に対して微かに傾斜している場合、又、上述の
ような周囲の低欠陥領域に対して[0001]方向のc
軸が反転している場合などがある。このような転位集中
領域24は、明確な境界を有して、周囲の領域と区別さ
れる。
【0042】また、サンプルとなるn型GaN基板10
に対して紫外線(Hgランプ365nm輝線を用いるこ
とができる)を照射して、表面からのルミネッセンスを
顕微鏡を用いて蛍光顕微鏡観察を行った。その結果、転
位集中領域24に挟まれた低転位領域の中央に、比較的
はっきりと境界をもった、周囲とコントラストが異なる
ストライプ状の領域が観察される。この領域は、周囲よ
りも肉眼で観察される発光(ルミネッセンス)が強く、
やや黄色がかった発光が明るく観察される領域である。
【0043】この観察された発光の明るい領域25は、
結晶成長時に{0001}面が表出しつつ成長していた
部分である。このように周囲と異なって観察されるの
は、ドーパントの取りこまれが周囲と異なるなどの理由
が考えられる。よって、以下、この領域25を「高ルミ
ネッセンス領域」と呼称する。又、結晶成長時に、{0
001}面が表出しつつ成長した部分は必ずしも同一の
幅をもって均一に進行するものではないために、高ルミ
ネッセンス領域25の幅は、やや揺らぎを持っているも
のの、0μmから30μmの程度であった。
【0044】このようなn型GaN基板10の形成のた
めの結晶成長方法は、HVPE法以外の気相成長によっ
てもよく、MOCVD法(Metalorganic Chemical Vapo
r Phase Deposition)、MOVPE法(Metalorganic C
hloride Vapor PhaseEpitaxy)、昇華法などを用いても
実施することができる
【0045】又、n型GaN基板10の形成のための成
長に用いる基体21としては、GaAsの他にも、軸廻
りに六回対称性あるいは三回対称性がある単結晶基板を
用いることができる。つまり結晶系としては六方晶系又
は立方晶系(Cubic symmetry)の単結晶である。立方晶
系の場合(111)面を使えば三回対称性がある。サフ
ァイア、SiC、SiO2、NdGaO3、ZnO、Ga
N、AlN、ZrB2などの六方晶系の単結晶を用いる
ことができる。Si、スピネル、MgO、GaPなどの
立方晶系の(111)面基板を用いることもできる。こ
れらはGaNを(0001)面で成長させるものであ
る。
【0046】更に、n型GaN基板10の形成のための
マスクの設け方も2種類ある。一つは基体21の上に直
接にマスクを形成する手法である。この場合エピ層に先
立ち窓の内部の基板露出面にGaNバッファ層を堆積す
る等の工夫が必要になる。もう一つは基体21の上に予
め薄くGaN層を形成しておいて、その上にマスクを形
成する手法である。後者の方が成長がスムーズに進行
し、より好ましい場合が多い。
【0047】<第1の実施形態>上述のようにして形成
され、転位集中領域及び高ルミネッセンス領域を有する
n型GaN基板を用いて製作される窒化物半導体レーザ
素子の第1の実施形態について、図面を参照して以下に
説明する。図2は、本発明の窒化物半導体レーザ素子の
構成を示す断面図である。尚、図2において、高ルミネ
ッセンス領域は省略している。
【0048】1.成長抑制膜の形成 まず、このn型GaN基板10の表面上に、図2のよう
な成長抑制膜13が形成される。この成長抑制膜13
は、n型GaN基板10表面において、転移集中領域1
1(図2の転移集中領域24に相当する)を被覆するよ
うに形成される。この成長抑制膜13は、n型GaN基
板10に窒化物半導体層を積層して窒化物半導体レーザ
装置を構成する際、n型GaN基板10上の成長膜内に
転位が引き継がれるのを防ぐ役割を行う。よって、成長
抑制膜13については、この成長抑制膜13から通常の
窒化物半導体のエピタキシャル成長が困難となる材料が
用いられる。本実施形態では、成長抑制膜13の材料と
して、SiO2(酸化シリコン)を用いた。
【0049】n型GaN基板10を電子ビーム蒸着装置
内に設置し、内部の圧力が所定の真空度に達した後、S
iO2を0.2μmの厚さになるように制御して、Si
2膜をn型GaN基板10の表面に形成する。その
後、蒸着したSiO2膜を簡便なフォトリソグラフィを
用いて、n型GaN基板10表面の転位集中領域11の
みを被覆するようにエッチングを行うことによって、成
長抑制膜13を形成する。転位集中領域11の幅は40
μm以下であるため、被覆する成長抑制膜13の幅を5
0μmとした。このようにすることで、低転位領域12
からGaN結晶が成長を行う。
【0050】尚、本実施形態では成長抑制膜13として
SiO2を用いたが、同様にSi3 4等のシリコン化合
物や、タングステン(W)、チタン(Ti)などの金属
を用いても構わない。又、被覆する成長抑制膜13の膜
厚を0.2μmとしたが、0.05μm〜1μm程度で
あれば十分効果が得られる。又、被覆する成長抑制膜1
3の幅を50μmとしたが、転位集中領域11を被覆
し、低転位領域12に通常の窒化物半導体のエピタキシ
ャル成長が行われるための幅を有していれば更に広くて
も構わない。
【0051】2.窒化物半導体層のエピタキシャル成長 MOCVD装置を用いて、n型GaN基板10に、V族
原料のNH3とIII族原料のTMGa(トリメチルガリウ
ム)又はTEGa(トリエチルガリウム)と、ドーパン
ト原料としてのSiH4を使用し、水素あるいは窒素を
原料キャリアガスとして用い、基板温度1050℃で、
膜厚3μmのn型GaN層101を形成する。ついで、
800℃の基板温度で、上記原料にIII族原料として
のTMIn(トリメチルインジウム)を加え、n型In
0.07Ga0.93Nクラック防止層102を40nm形成す
る。
【0052】次に、基板温度が1050℃に昇温し、T
MAl(トリメチルアルミニウム)またはTEAl(ト
リエチルアルミニウム)のIII族原料を用い、1.2μ
m厚のn型Al0.1Ga0.9Nクラッド層103を形成す
る。前記n型不純物としてSiが5×1017cm-3〜1
×1019cm-3になるようにドーパント原料を調整し
た。続いてn型GaN光ガイド層104(Si不純物濃
度1×1016〜1×10 18cm-3)を0.1μmの膜厚
になるように形成する。
【0053】その後、基板温度を750℃まで降温し、
3周期の、膜厚4nmのIn0.1Ga0.9N井戸層と膜厚
8nmのIn0.01Ga0.99N障壁層から構成された活性
層(多重量子井戸構造)105を、障壁層/井戸層/障
壁層/井戸層/障壁層/井戸層/障壁層の順序で形成す
る。その際、障壁層の形成時のみ、又は、障壁層及び井
戸層の両方の形成時に、SiH4(Si不純物濃度は1
×1016〜1×101 8cm-3)を導入するようにする。
又、障壁層と井戸層それぞれの形成を切り換える際に、
1秒以上180秒以内の成長中断が実施されると、各層
の平坦性が向上し、発光半値幅が減少して好ましい。
【0054】このような活性層105にAsが添加され
る場合はAsH3(アルシン)又はTBAs(ターシャ
リブチルアルシン)又はTMAs(トリメチルアルシ
ン)を、活性層105にPが添加される場合はPH
3(ホスフィン)又はTBP(ターシャリブチルホスフ
ィン)又はTMP(トリメチルホスフィン)を、活性層
105にSbが添加される場合はTMSb(トリメチル
アンチモン)又はTESb(トリエチルアンチモン)
を、それぞれ添加すると良い。また、活性層105が形
成される際、N原料として、NH3以外にN24(ヒド
ラジン)又はC228(ジメチルヒドラジン)等のヒ
ドラジン原料、あるいはエチルアジドなどのアジド原料
を用いても構わない。
【0055】活性層105に複数層のInxGa1-xN量
子井戸を有する場合、及び活性層105にAs又はP添
加して量子井戸活性層とする場合、量子井戸中に貫通転
位があると、Inが転位部分に偏析することが知られて
いる。従って、上記InxGa1-xNを主構成元素とする
量子井戸を活性層に用いる場合には、転位(結晶欠陥)
を可能な限り少なくすることが良好なレーザ特性を得る
ためには必要である。
【0056】次に、基板温度を再び1050℃まで昇温
して、厚み20nmのp型Al0.3Ga0.7Nキャリアブ
ロック層106、0.1μmのp型GaN光ガイド層1
07、0.5μmのp型Al0.1Ga0.9Nクラッド層1
08と0.1μmのp型GaNコンタクト層109を順
次形成する。この際、p型不純物として原料にEtCP
2Mg(ビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウ
ム)を用い、Mgが1×1018cm-3〜2×1020cm
-3になるように調整する。Mg原料としてはシクロペン
タジエニルマグネシウム、ビスメチルシクロペンタジエ
ニルマグネシウムなど、他のシクロペンタ系のMg原料
を用いても構わない。
【0057】又、p型GaNコンタクト層109のp型
不純物濃度は、p電極15の方向に向かって、p型不純
物濃度を多くする方が好ましい。このことによりp電極
15を形成する際のコンタクト抵抗が低減する。又、p
型不純物であるMgの活性化を妨げているp型層中の残
留水素を除去するために、p型層成長中に微量の酸素を
混入しても構わない。
【0058】このようにして、p型GaNコンタクト層
109を形成した後、MOCVD装置のリアクター内を
全て窒素キャリアガスとNH3に変え、基板温度を60
℃/分の割合で降下させる。基板温度が800℃に達し
た時点で、NH3の供給量を停止し、5分間、基板温度
を800℃で維持させて待機してから、基板温度を室温
まで降下させる。この待機温度は650℃から900℃
の間が好ましく、待機時間は、3分以上10分以下が好
ましい。又、基板温度を降下させる際の到達速度は、3
0℃/分以上が好ましい。
【0059】このようにして作製された窒化物半導体層
がラマン測定によって評価された結果、前記手法によ
り、MOCVD装置からのウェハー取りだした後のp型
化アニールが実行されなくても、Mgが活性化している
ため、成長後すでにp型化の特性が示される。又、p電
極15の形成によるコンタクト抵抗も低減する。更に、
従来のp型化アニールが組み合わせて行われると、Mg
の活性化率がより向上して好ましい。
【0060】尚、n型In0.07Ga0.93Nクラック防止
層102は、In組成比が0.07以外であっても構わ
ないし、n型InGaNクラック防止層102自体がな
くても構わない。しかしながら、n型AlGaNクラッ
ド層103とn型GaN基板10との格子不整合が大き
くなる場合は、このn型InGaNクラック防止層10
2を挿入した方がクラックを防止するため好ましい。ま
た、クラックを防止するために、n型の不純物として、
Siの代わりにGeを用いても構わない。
【0061】又、活性層105は、障壁層で始まり障壁
層で終わる構成であったが、井戸層で始まり井戸層で終
わる構成であってもよい。又、井戸層の層数は、前述の
3層に限らず、10層以下であれば閾値電流密度が低
く、室温連続発振が可能である。このとき、特に2層以
上6層以下とした場合、閾値電流密度が低く好ましい。
更に、この活性層105に、Alが含有されても構わな
い。
【0062】又、活性層105は、井戸層と障壁層の両
層にSiが所要量添加された構成とされたが、不純物が
添加されない構成としても構わない。しかしながら、S
iのような不純物が活性層105に添加される方が発光
強度が強くなる。このように添加される不純物として
は、Si以外にO、C、Ge、ZnおよびMgの不純物
群のうち、少なくとも何れかの不純物としても構わな
い。又、この不純物群の添加量の総和は、約1×1017
〜8×1018cm-3程度が好ましい。更に、不純物が添
加される層は、井戸層と障壁層の両層に限らず片方の層
のみにとしても構わない。
【0063】又、p型Al0.3Ga0.7Nキャリアブロッ
ク層106は、その組成を別のものとしても構わない。
例えば、Inを添加すれば、より低温成長でp型化する
ので、基板温度を低温として成長させることができ、結
晶成長時に活性層105にダメージを与えることが減少
する。尚、p型AlGaNキャリアブロック層106自
体がなくても構わないが、このp型AlGaNキャリア
ブロック層106を設けた方が閾値電流密度が低くな
る。これは、p型AlGaNキャリアブロック層106
が活性層105にキャリアを閉じ込める働きがあるから
である。
【0064】又、p型AlGaNキャリアブロック層1
06のAl組成比を高くすることによって、キャリアの
閉じ込めが強くなって好ましい。このとき、キャリアの
閉じ込めが保持される程度までAl組成比を小さくすれ
ば、p型AlGaNキャリアブロック層106内のキャ
リア移動度が大きくなり電気抵抗が低くなるため、更に
好ましい。
【0065】又、n型AlGaNクラッド層103とp
型AlGaNクラッド層108として、Al0.1Ga0.9
N結晶が用いられたが、Alの組成比が0.1以外とな
るAlGaN3元結晶であっても構わない。Alの混晶
比が高くなると活性層105とのエネルギーギャップ差
及び屈折率差が大きくなり、キャリアや光を活性層10
5に効率良く閉じ込めることができるため、レーザ発振
閾値電流密度の低減させるができる。又、キャリアおよ
び光の閉じ込めが保持される程度までAl組成比を小さ
くすれば、n型AlGaNクラッド層103及びp型A
lGaNクラッド層108それぞれでのキャリア移動度
が大きくなり、素子の動作電圧を低くすることができ
る。
【0066】このとき、n型AlGaNクラッド層10
3の厚みを、0.7μm〜1.5μmとすることで、垂
直横モードの単峰化と光り閉じ込め効率が増し、レーザ
の光学特性の向上とレーザ閾値電流密度の低減を図るこ
とができる。又、n型クラッド層103及びp型クラッ
ド層108を、AlGaN3元混晶としたが、AlIn
GaN、AlGaNP、AlGaNAs等の4元混晶と
しても良い。更に、p型クラッド層108は、電気抵抗
を低減するために、p型AlGaN層とp型GaN層か
らなる超格子構造、又は、p型AlGaN層とp型In
GaN層からなる超格子構造で構成しても構わない。
【0067】又、n型GaN基板10上に窒化物半導体
層を積層する際に、MOCVD装置による結晶成長方法
が用いられるものとしたが、分子線エピタキシー法(M
BE)、又は、上述したHVPE法が用いられても構わ
ない。
【0068】続いて、上述のようにして窒化物半導体層
の各層がn型GaN基板10上に形成されたエピウェハ
をMOCVD装置から取り出した後、窒化物半導体レー
ザ素子チップに加工するための後述する各プロセス工程
がなされる。ここで、図2のように、p型Al0.1Ga
0.9Nクラッド層108は凸型のリッジストライプ部と
なっているが、これは後述するプロセス工程により加工
された形状である。
【0069】このようにして、窒化物半導体レーザ素子
を作製し終えたエピウェハの表面は、成長抑制膜13直
上以外は平坦となる。又、成長抑制膜13直上におい
て、窒化物半導体層はエピタキシャル成長せず凹状の状
態となる。このようにして得られた窒化物半導体層にお
いて、エピタキシャル成長が成された成長抑制膜13直
上以外の部分(以下、「エピタキシャル成長部分」と呼
ぶ)にはクラックが全く観察されることは無かった。
【0070】これは、成長抑制膜13直上に生成される
凹部が応力を緩和しているため、エピタキシャル成長部
分が、リッジストライプ部に対して垂直方向(図2の左
右方向)に残留応力が低減されることによるものと考え
られる。又、GaN基板10の表面まで伝搬している転
位が成長抑制膜13により、GaN基板10の上部に位
置するエピタキシャル成長部分への拡散を防止している
ため、窒化物半導体層の中は基板の低欠陥領域内の転位
密度を超えることなく通常のGaN基板10を使用した
ものよりも転位密度が低くなる。
【0071】又、転位集中領域11ではGaN基板10
の表面の極性が窒素面に反転する場合がある旨記述した
が、成長抑制膜13を転位集中領域11上に形成して窒
化物半導体層を成長させることで、窒素面がGaN基板
10の表面に共存することにより通常のGa面上の成長
が阻害されることがなくなる。よって、窒化物半導体レ
ーザ素子の特性としては転位集中領域11の極性が反転
していない場合と同様に、結晶欠陥の低減と、応力の緩
和による効果が確認できる。
【0072】3.素子化プロセス n型GaN基板10に対して水平方向に光を閉じ込める
ためのリッジストライプ部が、窒化物半導体層の平坦な
部分の表面に形成された。但し、高ルミネッセンス領域
25(図1)を有するn型GaN基板10を使用する場
合には、リッジストライプ部が高ルミネッセンス領域2
5の直上となる位置に形成されないようにすることが望
ましい。これは、高ルミネッセンス領域25が他の領域
と比べて、ドーパントの含有量または活性化度が小さ
く、抵抗率が高くなっているために、窒化物半導体レー
ザ素子に注入される駆動電流及び素子電圧が上昇するの
で、高ルミネッセンス領域25に駆動電流が流れること
が好ましくないためである。
【0073】リッジストライプ部は、エピウェハの表面
より、p型AlGaNクラッド層108の途中までをス
トライプ状の部分を残してエッチングすることにより、
作製される。ここで、ストライプ幅は1〜3μm、好ま
しくは1.3〜2μmとし、又、エッチング底面のp型
GaNガイド層107からの距離は、0〜0.1μmと
した。その後、リッジストライプ部以外の部分に絶縁膜
110を形成する。ここで、絶縁膜110としてはAl
GaNを用いた。エッチングされずに残ったp型GaN
コンタクト層109は露出しているので、このp型Ga
Nコンタクト層109及び絶縁膜110の表面上に、p
電極15がPd/Mo/Auの順序で蒸着されて形成さ
れた。
【0074】ここで、絶縁膜110としては上記以外に
珪素、チタン、ジルコニア、タンタル、アルミニウム等
の酸化物もしくは窒化物を用いても構わない。又、p電
極15の材料として、Pd/Pt/Au、Pd/Au、
又は、Ni/Auの何れかが用いられても構わない。
【0075】更に、このようにp電極15が形成された
エピウェハの裏面側(基板側)を研磨することにより、
エピウェハの厚みを80〜200μmに調整し、後にエ
ピウェハの分割を行いやすいようにする。
【0076】そして、n電極16が、n型GaN基板1
0の裏側にHf/Alの順序で形成される。このn電極
16の材料として、Hf/Al/Mo/Au、Hf/A
l/Pt/Au、Hf/Al/W/Au、Hf/Au、
Hf/Mo/Auの他、これらのうちからHfをTi,
Zrに置き換えた電極材料等が用いられても構わない。
【0077】最後に、このn電極16が設けられたエピ
ウエハは、リッジストライプ方向に対して垂直方向に劈
開されることで、共振器長600μmのファブリ・ペロ
ー共振器が作製される。尚、共振器長は300μmから
1000μmが好ましい。この工程により、エピウェハ
は個々の窒化物半導体レーザ素子が横に連なったバー状
の形態となった。ストライプ方向が<1−100>方向
に沿って形成された窒化物半導体レーザ素子の共振器端
面は、窒化物半導体結晶の{1−100}面である。劈
開は、エピウェハ全面にスクライバーによる罫書き傷が
つけられてから劈開されるのではなく、エピウェハの一
部、例えば、エピウェハの両端にのみスクライバーによ
る罫書き傷がつけられて、これを起点に劈開される。
【0078】このようにして得られたバー状のファブリ
・ペロー共振器において、その帰還手法として、上述の
ように劈開されて得られた共振器端面による帰還手法以
外に、一般に知られている回析格子が共振器内に設けら
れたDFB(Distributed Feedback)、回析格子が共振
器の外に設けられたDBR(Distributed Bragg Reflec
tor)が用いられても構わない。エピウェハが劈開され
て、バー状のファブリ・ペロー共振器の共振器端面が形
成された後、この端面に70%の反射率を有するSiO
2とTiO2の誘電体膜が交互に蒸着され、誘電体多層反
射膜が形成される。この誘電体多層反射膜として、Si
2/Al23が誘電多層反射膜として用いられても構
わない。
【0079】このようにして得られるバー状のファブリ
・ペロー共振器は、n型GaN基板10上に積層される
窒化物半導体層の膜厚又は成長条件(成長時の基板温度
や反応炉内の圧力など)が異なることによって、その構
成が異なる。例えば、窒化物半導体層の膜厚が薄い場合
は、図3のように、窒化物半導体層402が成長抑制膜
13の直上で結合が行われず、成長抑制膜13の直上の
領域403が離れた状態となる。このとき、成長抑制膜
13間の領域に構成される部分が1つの窒化物半導体レ
ーザ素子401を構成する。
【0080】又、窒化物半導体層の膜厚を図3の場合よ
りも厚くしたとき、図4又は図5のようになる。即ち、
図4では、窒化物半導体層502が成長抑制膜13の直
上で結合されるが、成長抑制膜13の直上の領域503
において、窒化物半導体層502の表面上まで達したク
ラックが存在する。又、この領域503において、図4
のように、成長抑制膜13表面上に空洞504を有する
場合もある。このとき、成長抑制膜13間の領域に構成
される部分が窒化物半導体レーザ素子501を構成す
る。
【0081】又、図5では、窒化物半導体層602が成
長抑制膜13の直上で完全に結合された状態となる。よ
って、図4と異なり、成長抑制膜13の直上の領域60
3において、窒化物半導体層602の表面上まで達した
クラックが存在が確認されない。又、この領域603に
おいて、図5のように、成長抑制膜13表面上に空洞6
04を有する場合もある。このとき、成長抑制膜13間
の領域に構成される部分が窒化物半導体レーザ素子60
1を構成する。
【0082】更に、この後、上述のバー状のファブリ・
ペロー共振器を分割することで、図2のような構成の窒
化物半導体レーザ素子を得る。このとき、窒化物半導体
レーザ素子の中央にレーザ光導波領域14(リッジスト
ライプ部の直下に位置する)を配置し、窒化物半導体レ
ーザ素子の横幅W=400μmとなるように分割する。
もともと、n型GaN基板10にはピッチP=400μ
mで転位集中領域24(図1)が配置されている。尚、
バー状のファブリ・ペロー共振器を分割して、窒化物半
導体レーザ素子を得る際、窒化物半導体レーザ素子の横
幅Wが、転位集中領域24のピッチPの整数倍又は整数
倍分の1の幅に分割すると都合が良い。
【0083】このようにして図2に示される窒化物半導
体レーザ素子チップが作製されることで、結晶欠陥であ
る転位を意図的に制御したn型GaN基板10を用い、
転位集中領域11を成長抑制膜13により被覆し、低転
位かつ低応力の領域に窒化物半導体レーザ素子の電流狭
窄部分となるレーザ光導波領域14が作製される。よっ
て、レーザ出力60mW、雰囲気温度70℃の条件の
下、レーザ発振寿命5000時間以上が達成された。
【0084】尚、本実施形態において、成長抑制膜13
の膜厚を0.2μmとしたが、これに限るものではな
い。成長抑制膜13の膜厚を0.01μmから2μmま
で変化させて、窒化物半導体レーザ素子を構成したと
き、成長抑制膜13の膜厚が0.05μmより薄い場
合、窒化物半導体層積層前の昇温により損傷を受け、成
長抑制膜13としての効果が得られない。
【0085】又、成長抑制膜13の膜厚が、0.1μm
よりも厚い場合、n型GaN基板10と成長抑制膜13
の熱膨張係数差により、窒化物半導体層積層前の昇温が
原因となって、成長抑制膜13自体が損傷を受けること
がある。このとき、成長抑制膜13自体が損傷を受けな
くても、成長抑制膜13以外のGaN基板10の表面上
に直接成長する窒化物半導体層が、成長抑制膜13とG
aN基板10との間にできる段差の影響による原料拡散
の阻害により段差近傍で異常成長が生じる。このような
異常成長が生じることを、「エッジ効果」と称する。こ
のエッジ効果のため、プロセス工程において支障が生じ
たり、レーザの発振波長が変動したり、又は、発振する
閾値が高くなることがある。
【0086】よって、成長抑制膜13の膜厚を0.05
μm以上、1μm以下の条件で作製することによって、
成長抑制膜13を作製した効果が得られ、このような成
長抑制膜13を有する窒化物半導体レーザ素子におい
て、高出力エージングにおける良好な素子寿命が得られ
る。
【0087】<第2の実施形態>上述のようにして形成
され、転位集中領域及び高ルミネッセンス領域を有する
n型GaN基板を用いて製作される窒化物半導体レーザ
素子の第2の実施形態について、図面を参照して以下に
説明する。尚、窒化物半導体層のエピタキシャル成長及
び素子化プロセスについては、第1の実施形態と同様と
なるため、その詳細な説明は第1の実施形態を参照する
ものとして、省略する。
【0088】本実施形態では、第1の実施形態と異な
り、転位集中領域24(図1)を被覆するように、n型
GaN基板10の表面上に形成される簀の子状となるよ
うに、成長抑制膜が形成される。即ち、第1の実施形態
と同様、まず、n型GaN基板10を電子ビーム蒸着装
置内に設置し、内部の圧力が所定の真空度に達した後、
SiO2を0.2μmの厚さになるように制御して、S
iO2膜をn型GaN基板10の表面に形成する。その
後、蒸着したSiO2膜を簡便なフォトリソグラフィを
用いて、図6(a)のように、その間隔が5μmで且つ
幅が10μmとなる成長抑制膜301を、3つ毎にn型
GaN基板10上の転位集中領域11を被覆するように
形成する。
【0089】このように、図6(a)に示すように、G
aN基板10の転位集中領域11に、上述の方法で膜厚
0.2μmの成長抑制膜301が形成されると、MOC
VD装置を用い、常圧、基板温度1000℃でn型のG
aN膜を成長させる。よって、図6(b)に示すよう
に、成長抑制膜301間のの5μmの窓部からGaN結
晶302が[0001]方向に成長する。このとき、G
aN結晶302の断面形状が完全な凸状の三角になった
状態となる。そして、MOCVD装置反応炉の圧力を7
0Torrに下げ、基板温度1080℃で再びGaN結
晶302を成長させる。
【0090】このとき、図6(b)において、n型Ga
N結晶304は成長抑制膜301に被覆されていない部
分からの成長部分であり、このn型GaN膜304中に
はn型GaN基板10内の転位集中領域11以外の領域
の転位密度と同程度の転位密度しか存在しない。又、G
aN結晶302の中には、[0001]方向の成長軸に
対して平行方向に転位303が引き継がれて存在する。
しかしながら、[0001]方向の成長軸に対して垂直
となる横方向への成長が始まると、この転位303は
[0001]方向に対して垂直な方向に曲がる。このと
き、ファセット面である(11−22)面及び(−1−
122)が最先端となって成長する。
【0091】このようにして、図6(b)のように凸状
にGaN結晶302が成長した部分から、横方向の成長
が促進し、図6(c)に示すように、成長抑制膜301
上の中央部分で相合して更に上向きに成長する。又、低
転位であるn型GaN膜304が横方向に成長すること
によって、このようにGaN結晶302が成長して生成
されたGaNエピタキシャル膜を被覆するn型GaN膜
305が形成される。このn型GaN膜305で被覆さ
れたGaNエピタキシャル層は、横方向成長により曲げ
られた転位306を有する。又、横方向成長によりGa
N結晶302及びn型GaN膜304がつながった接合
部分307には、少量の転位が集中する。
【0092】これについては、日本学術振興会短波長光
デバイス第162委員会第22回、光電相互返還第12
5委員会第171回合同研究会資料(平成12年12月
15〜16日)25〜32頁に記載されている。このよ
うにして、n型GaN基板10の表面上にGaN結晶を
成長させた場合、合計約8μmの膜厚まで成長したGa
N膜305の表面は完全に平坦になった。n型GaN膜
305を成長させた後、第1の実施形態と同様の方法で
窒化物半導体レーザ素子を構成する層構造を順次結晶成
長させた。よって、窒化物半導体層308がn型GaN
膜305上に形成される。
【0093】その後、エッチングをおこなうことで、リ
ッジストライプ部309が形成されレーザ素子が作製さ
れる。窒化物半導体レーザ素子のリッジストライプ30
9を形成する位置は、転位集中領域11直上の領域以外
の低転位領域12の上部でも構わないし、成長抑制膜3
03の直上でもかまわない。このようにすることで、本
実施形態においても、結晶欠陥の低減の効果と、ひずみ
の緩和の効果により、第1の実施形態と同様の特性を有
する窒化物半導体レーザ素子を得ることができた。
【0094】尚、本実施形態では、成長抑制膜301の
幅を10μmで且つ間隔を5μmとしたが、成長抑制膜
301の幅が、選択成長及び横方向成長が可能な幅及び
間隔であれば、窒化物半導体レーザ素子の特性において
の優位性は認められた。但し、成長抑制膜301の幅は
1μm以上10μm以下であり、且つ、隣の成長抑制膜
301との間隔が1μm以上10μm以下であるとき
が、最も望ましい特性の窒化物半導体レーザ素子を得る
ことができる。又、成長抑制膜301を覆うように形成
されるGaN膜305の膜厚を8μmとしたが、その膜
厚を1〜20μmとすることによって、積層する窒化物
半導体層に対して成長抑制膜301の影響を低減させる
ことができる。
【0095】更に、成長抑制膜301の材料として、S
iO2を用いたが、第1の実施形態と同様に、Si34
等のシリコン化合物や、タングステン(W)、チタン
(Ti)などの金属を用いても構わない。又、被覆する
成長抑制膜301の膜厚を0.2μmとしたが、0.0
5μm〜1μm程度としても構わない。又、簀の子状の
成長抑制膜301は、その幅と間隔との総和となる幅
が、転位集中領域11を覆うように構成される。
【0096】尚、第1及び第2の実施形態ではリッジス
トライプ構造の窒化物半導体レーザ素子について記述し
たが、その限りではない。又、n型GaN基板の裏面と
n型GaN基板の表面に成長して作製した窒化物半導体
膜の表面との両面に電極を形成した例について記述した
が、p型及びn型の両電極をn型GaN基板の表面側に
設けるようにしても構わない。
【0097】(活性層にAs、PおよびSbの元素群を
含有させた場合)第1又は第2の実施形態のようにして
作製された図2のような構成の半導体レーザ素子は、活
性層105をInGaN井戸層とInGaN障壁層が積
層された構成とされている。このような活性層105に
対して、As、PおよびSbの元素群のうち少なくとも
何れかの元素を含有させるようにしても構わない。
【0098】このとき、As、PおよびSbの元素群の
うち少なくとも何れかの元素が、窒化物半導体レーザ素
子を構成している活性層105のうち少なくとも井戸層
に含有されるようにする。このとき、この井戸層に含有
された上記As、P及びSbの元素群の総和の組成比を
Xとするとともに井戸層のN元素の組成比をYとする
と、XをYよりも小さくするとともに、X/(X+Y)
を0.3以下とする。又、X/(X+Y)については、
0.2以下とする方が好ましい。
【0099】又、前記元素群の総和の下限値は、1×1
18cm-3以上である。上述の元素群の総和の組成比X
が0.2よりも高くなると、井戸層内において、前記元
素の組成比の異なる濃度分離が次第に生じ始める。更
に、前記元素群の総和の組成比Xが0.3よりも高くな
ると、上述の濃度分離から六方晶系と立方晶系が混在す
る結晶系分離に移行し始めて井戸層の結晶性が低下し始
める。一方、上述の元素群の総和の添加量が1×1018
cm-3よりも小さくなると、井戸層に上述の元素を含有
したことによる効果が得られにくくなる。
【0100】このように、As、PおよびSbの元素群
の元素を活性層105に含有させることで、井戸層の電
子とホールの有効質量が小さくなるとともに、又、井戸
層の電子とホールの移動度が大きくなる。よって、窒化
物半導体レーザ素子の場合、前者により少ない電流注入
量でレーザ発振のためのキャリア反転分布が得られると
いう効果が得られ、又、後者により活性層で電子とホー
ルが発光再結合によって消滅しても新たに電子・ホール
が拡散して高速に注入されるという効果が得られる。
【0101】これらの効果は、量子井戸内に結晶欠陥が
存在しない場合に特に顕著に現れることがわかってい
る。即ち、活性層105にAs、PおよびSbの元素群
のうち何れも含有しないInGaN系窒化物半導体レー
ザ素子と比べて、これらの元素群のうちの何れかの元素
を含有させることで、閾値電流密度が低く、自励発振特
性の優れた(雑音特性に優れた)窒化物半導体レーザ装
置を作製することが可能である。
【0102】<半導体光学装置への適用例>上述した本
発明における窒化物半導体レーザ素子を光ピックアップ
システム等の半導体光学装置に適用した場合について、
図面を参照して以下に説明する。図7は、本例における
半導体光学装置の内部構成を示すブロック図である。
尚、本例では、窒化物半導体レーザ素子を光ディスク装
置に利用するものとして説明する。
【0103】図7に示す光ディスク装置は、光ディスク
701を円周方向に回転させるためのスピンドルモータ
702と、光ディスク701にレーザ光を照射して情報
を読み出す光ピックアップ703と、装置全体を制御す
る制御回路704とを有する。尚、光ピックアップ70
3は、制御回路704によって駆動される不図示のアク
チュエータによって、光ディスク701の径方向に移動
する。
【0104】このような光ディスク装置において、光ピ
ックアップ703は、レーザ光を出力する窒化物半導体
レーザ素子を有するレーザ装置705と、レーザ装置7
05からのレーザ光を透過するとともに追従鏡708か
らのレーザ光を光検出器707へ導出するビームスプリ
ッタ706と、ビームスプリッタ706からのレーザ光
を検出して検出信号を制御回路704に与える光検出器
707と、レーザ装置705からのレーザ光を光ディス
ク701へ導くとともに光ディスク701を反射したレ
ーザ光をビームスプリッタ706に導く追従鏡708
と、追従鏡708からのレーザ光を光ディスク701上
で集光させる対物レンズ709とから構成される。
【0105】このとき、レーザ装置705に設けられる
本発明による窒化物半導体レーザ素子(330〜550
nmの発振波長)は、上述したように、高出力(30m
W)、高温雰囲気中(60℃)で安定して動作し、尚且
つレーザ発振寿命が長寿命である。よって、発振波長が
短いほど、より高密度に記録再生が可能となるため、信
頼性の高い高密度記録再生用光ディスク装置に最適であ
る。
【0106】このような構成の光ディスク装置におい
て、情報の記録時は、レーザ装置705から出力される
レーザ光が、制御回路704からの入力情報に応じて変
調され、ビームスプリッタ706を透過した後に追従鏡
708で反射され、対物レンズ709を通して光ディス
ク703上に照射されることで、光ディスク703に情
報が記録される。又は、光ディスク703の記録面に与
える磁界が制御回路704からの入力情報に応じて変調
され、情報がディスク上に記録される。
【0107】又、情報の再生時は、光ディスク701上
のピット配列によって光学的に変化を受けたレーザ光が
対物レンズ709を通して追従鏡708で反射された
後、ビームスプリッタ706を通して光検出器707で
検出されることによって、再生信号が得られる。これら
の動作は制御回路704によって制御される。半導体レ
ーザ素子から出力されるレーザ光のパワーについては、
例えば、記録時は30mWで、再生時は5mW程度であ
る。
【0108】本発明に係る窒化物半導体レーザ素子は、
このような光ピックアップシステムを有する光ディスク
装置の他に、例えば、レーザプリンタ、バーコードリー
ダ、光の三原色(青色、緑色、赤色)レーザによるプロ
ジェクタ等にも利用可能である。
【0109】
【発明の効果】本発明によると、窒化物半導体基板内に
結晶欠陥の集中した転位集中領域が設けられることか
ら、窒化物半導体基板内で生じる熱歪み及び格子定数差
が原因となる歪みの影響を低減することができる。又、
窒化物半導体基板の表面上において、転位集中領域を被
覆するように成長抑制膜が形成されるため、窒化物半導
体基板表面上に窒化物半導体層が積層されたとき、窒化
物半導体層に窒化物半導体基板の高密度な結晶欠陥が伝
播されることを抑制することができる。よって、窒化物
半導体層の結晶欠陥密度を低くすることができる。以上
のことから、窒化物半導体レーザ素子を高出力で動作さ
せたときに、その素子寿命を十分に長くすることができ
るとともに、歩留まりの向上を図ることができる。又、
窒化物半導体層と窒化物半導体基板との間にGaN膜を
設けることによって、窒化物半導体レーザー素子内にあ
るクラックの低減と歪みの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】n型GaN基板の製造過程を示す図。
【図2】窒化物半導体レーザ素子の内部構成を示す断面
図。
【図3】n型GaN基板上に窒化物半導体層が積層され
た様子を示す断面図。
【図4】n型GaN基板上に窒化物半導体層が積層され
た様子を示す断面図。
【図5】n型GaN基板上に窒化物半導体層が積層され
た様子を示す断面図。
【図6】第2の実施形態におけるGaN結晶の成長過程
を示す図。
【図7】本発明の窒化物半導体レーザー素子を有する半
導体光学装置の内部構成を示すブロック図。
【符号の説明】
10 n型GaN基板 11 転位集中領域 12 低転位領域 13 成長抑制膜 14 レーザ光導波領域 15 p型電極 16 n型電極 21 支持基体 22 n型GaN層 23 ファセット面 24 転位集中領域 25 高ルミネッセンス領域 26 {0001}面 101 n型GaN層 102 クラック防止層 103 n型クラッド層 104 n型GaN光ガイド層 105 活性層 106 キャリアブロック層 107 p型GaN光ガイド層 108 p型クラッド層 109 p型コンタクト層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 吉裕 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 伊藤 茂稔 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 種谷 元隆 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 谷 善平 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 元木 健作 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 4K030 AA11 AA13 AA17 AA18 BA38 BB02 BB12 BB14 CA04 FA10 JA01 LA14 5F045 AA04 AA14 AB14 AB17 AB32 AB33 AC01 AC08 AC09 AC12 AC13 AD11 AD12 AD14 AF04 AF12 AF20 BB12 CA12 DA51 DA53 DA55 DQ08 HA12 5F073 AA13 AA74 AA83 CA07 CB02 CB18 CB19 CB22 DA05 DA07 DA32 DA33

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化物半導体基板と、該窒化物半導体基
    板上に積層された窒化物半導体層とから構成される窒化
    物半導体レーザ素子において、 前記窒化物半導体基板が、結晶欠陥の集中するストライ
    プ状の転位集中領域と、該転位集中領域を除く低転位領
    域とを具備した基板であるとともに、 前記窒化物半導体基板の表面上の前記転位集中領域を被
    覆する位置に、窒化物半導体結晶の成長を抑制する成長
    抑制膜を有し、 該成長抑制膜が設けられた前記窒化物半導体基板上に前
    記窒化物半導体結晶を成長させることで、前記窒化物半
    導体層が積層されることを特徴とする窒化物半導体レー
    ザ素子。
  2. 【請求項2】 前記成長抑制膜の形状が線状であり、 前記転位集中領域それぞれに対して簀の子状となるよう
    に複数本毎の前記成長抑制膜が設けられるとともに、該
    複数本毎の成長抑制膜によって前記各転位集中領域が覆
    われることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体
    レーザ素子。
  3. 【請求項3】 前記各転位集中領域に対して設けられた
    前記複数本毎の成長抑制膜が、その幅が1μm以上10
    μm以下で、且つ、隣の成長抑制膜との間隔が1μm以
    上10μm以下で平行に並んで位置するように設けら
    れ、 該複数本毎の成長抑制膜の幅と間隔とを合わせた領域そ
    れぞれが、前記各転位集中領域を被覆することを特徴と
    する請求項2に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 前記窒化物半導体基板の伝導特性がn型
    の伝導特性であるとともに、 前記成長抑制膜を被覆するように、前記窒化物半導体基
    板の表面上にn型の伝導特性を有するGaN膜を形成す
    ることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれれかに
    記載の窒化物半導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】 前記n型の伝導特性を有するGaN膜の
    膜厚が、1μm以上20μm以下であることを特徴とす
    る請求項4に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  6. 【請求項6】 前記成長抑制膜の膜厚が0.05μm以
    上1μm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項
    5のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  7. 【請求項7】 前記成長抑制膜が、シリコン化合物膜、
    又は、金属膜であることを特徴とする請求項1〜請求項
    6のいずれかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  8. 【請求項8】 前記成長抑制膜が、SiO2膜、Si3
    4膜、チタン膜、又は、タングステン膜のいずれかであ
    ることを特徴とする請求項7に記載の窒化物半導体レー
    ザ素子。
  9. 【請求項9】 前記窒化物半導体層が量子井戸活性層を
    有するとともに、該活性層がInxGa1-xN(0<x<
    1)により構成される井戸層を含有することを特徴とす
    る請求項1〜請求項8のいずれかに記載の窒化物半導体
    レーザ素子。
  10. 【請求項10】 As、PおよびSbの元素群のうち少
    なくともいずれかの元素が、前記活性層に含有されるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の窒化物半導体レーザ素
    子。
  11. 【請求項11】 前記窒化物半導体基板がGaN基板で
    あることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか
    に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  12. 【請求項12】 窒化物半導体基板と、該窒化物半導体
    基板上に積層された窒化物半導体層とから構成される窒
    化物半導体レーザ素子の製造方法において、 結晶欠陥の集中するストライプ状の転位集中領域と該転
    位集中領域を除く低転位領域とを具備した前記窒化物半
    導体基板の表面上において、前記転位集中領域を被覆す
    る位置に、窒化物半導体結晶の成長を抑制する成長抑制
    膜を形成した後、 該成長抑制膜が設けられた前記窒化物半導体基板上に前
    記窒化物半導体結晶を成長させることで、前記窒化物半
    導体層を積層することを特徴とする窒化物半導体レーザ
    素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記成長抑制膜を前記窒化物半導体基
    板の表面全域に設けた後、エッチングを行うことによっ
    て、前記転位集中領域のみが前記成長抑制膜で被覆され
    た状態とすることを特徴とする窒化物半導体レーザ素子
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記窒化物半導体基板の伝導特性がn
    型の伝導特性であるとともに、 前記転位集中領域を前記成長抑制膜で被覆した後、該成
    長抑制膜を被覆するように、前記窒化物半導体基板の表
    面上にn型の伝導特性を有するGaN膜を形成し、 形成された該GaN膜の表面上に前記窒化物半導体結晶
    を成長させることで、前記窒化物半導体層を積層するこ
    とを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の窒化
    物半導体レーザ素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜請求項11のいずれかに記
    載の窒化物半導体レーザ素子を光源とすることを特徴と
    する半導体光学装置。
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