JPH11159807A - 多数の部屋を有する建築物における個別蓄熱空調システム - Google Patents

多数の部屋を有する建築物における個別蓄熱空調システム

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JPH11159807A
JPH11159807A JP9324410A JP32441097A JPH11159807A JP H11159807 A JPH11159807 A JP H11159807A JP 9324410 A JP9324410 A JP 9324410A JP 32441097 A JP32441097 A JP 32441097A JP H11159807 A JPH11159807 A JP H11159807A
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air
room
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building
conditioning system
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JP9324410A
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Yasuhiko Nunokawa
安彦 布川
Yasuji Shimizu
保次 清水
Yuichiro Sagawa
祐一郎 佐川
Naoki Mori
直樹 森
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Taisei Corp
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Taisei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゾーン別コントロールを行うダクト方式やファ
ンコイルユニット方式等の従来の空調方式では、a.各
部屋毎の個別の空調コントロールが比較的困難で、用途
の異なる複数の部屋の空調に上手く適応できない、b.
各階に機械室が必要となる、c.階高が高くなる、d.
ランニングコストがかかる等の課題がある。 【解決手段】そこで本発明では、建築物に構成された多
数の部屋に近接する構造体により構成された閉鎖空間
を、各部屋に対応する蓄熱空気通路2として構成すると
共に、個別に制御可能な空調機8を部屋毎に構成し、空
調機の吹出側から部屋の居室空間5を経て吸込側に還流
する空調空気経路の適所に上記蓄熱空気通路を配置可能
とし、空調機を、各部屋又は廊下18の天井内空間に設
置する個別蓄熱空調システムを提案する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多数の部屋を有する
規模の大きい建築物における空調システムに関するもの
で、特に各部屋毎に個別にコントロール可能な個別蓄熱
空調システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】事務所ビル、学校、研究所等のように、
小割にした多数の部屋を有する規模の大きい建築物にお
ける従来の空調方式の代表的なものとしては、ゾーン別
コントロールを行うダクト方式やファンコイルユニット
方式等がある。尚、これらの空調方式は一般的に行われ
ているため、図示は省略する。
【0003】一方、本発明者等は、建物の空調における
省エネルギー、ランニングコストの低減、及び空調負荷
のピークカット等を目的として、先に、建築物における
躯体等の構造体に構成された閉鎖空間を蓄熱のための空
気通路として構成して空調空気を流し、空調時間外の運
転において空調空気により構造体に蓄熱された熱を空調
時間の運転において利用する空調システムを提案した。
(例えば、特願平9−28209号の願書に添付した明
細書及び図面を参照のこと。)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
ゾーン別コントロールを行うダクト方式やファンコイル
ユニット方式等の従来の空調方式では、次のような課題
がある。 a.各部屋毎の個別の空調コントロールが比較的困難で
あり、用途の異なる複数の部屋の空調に上手く適応でき
ない。 b.各階に機械室が必要となる。 c.階高が高くなる。 d.ランニングコストがかかる。 そこで本発明は、このような課題を、後者の蓄熱を利用
した空調システムを適用して解決することを目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明では、建築物に構成された多数の部屋に近
接する構造体により構成された閉鎖空間を、各部屋に対
応する蓄熱空気通路として構成すると共に、個別に制御
可能な空調機を部屋毎に構成し、空調機の吹出側から部
屋の居室空間を経て吸込側に還流する空調空気経路の適
所に上記蓄熱空気通路を配置可能とし、空調機を、各部
屋、又は、廊下部の天井内空間に配置することを提案す
る。
【0006】また本発明では、上記構成において、蓄熱
空気通路を構成する閉鎖空間は、床又は天井に対応する
中空スラブの中空部、又は、壁に構成された中空部、又
は柱に構成された中空部等を単独で、又は組み合せたも
のとすることを提案する。
【0007】また本発明では、上記構成において、空調
機からの空調空気を天井吹出式、又は床吹出式に部屋の
居室空間に供給する構成とすることを提案する。
【0008】また本発明では、上記構成において、蓄熱
空気通路は、空調空気経路において部屋の居室空間より
も上流側、又は下流側に配置することを提案する。
【0009】更に本発明では、上記構成において、蓄熱
空気通路は各部屋毎に独立して構成したり、または少な
くとも一部を複数の部屋に対応する空調空気通路で共通
のものとして構成することを提案する。
【0010】以上の本発明によれば、各部屋又は廊下部
の天井内空間に設置した個々の空調機を独立にコントロ
ールして各部屋に空調空気を供給することができ、この
際、空調空気通路の空調空気を蓄熱時用の温度に設定し
て蓄熱空気通路に流すことにより、蓄熱空気通路として
の閉鎖空間を構成する構造体に蓄熱することができ、ま
た空調空気通路の空調空気を空調時用の温度に設定して
蓄熱空気通路に流すことにより、構造体に蓄熱されてい
る熱を回収して空調に供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を添付図
面を参照して説明する。まず、図1、図2は本発明の個
別蓄熱空調システムの第1の実施の形態を個々の部屋の
部分の構成として運転動作毎に概念的に表した要部断面
図であり、図3は図1のA−A線断面図である。この実
施の形態では、蓄熱空気通路を構成する構造体は中空ス
ラブであり、また空調機は部屋の天井内空間に設置して
いる。符号1は建物の構造体としてのコンクリート製ス
ラブであり、閉鎖空間としての中空部2を有する中空ス
ラブである。符号3は中空スラブ1の下方に天井内空間
4を隔てて構成した天井で、その下方が部屋の居室空間
5となる。天井3には吹出口6と吸込口7を適数、適所
に構成している。
【0012】符号8は天井内空間4内に設置した空調機
であり、この空調機8は、天井隠ぺい型の空冷ヒートポ
ンプマルチパッケージ形空調機又は天井隠ぺい型の空調
機とファンコイルユニットであり、これ以外の他の必要
な空調機の要素は必要に応じて適所に設置することがで
きる。
【0013】上述したように、この実施の形態では、中
空スラブ1の中空部2を蓄熱空気通路として構成する。
図3に示すように、中空スラブ1は複数のダクト状の中
空部2が並列に構成されており、これらの中空部2を、
隣接する一対毎に連通孔9により一端側を連通させて直
列の空気通路を構成している。それらの直列空気通路の
一端側と他端側の夫々において、天井内空間4側に連通
口10a,10bを構成している。そして複数の中空部
2の夫々一端側の連通口10aは連通ダクト11により
連通させており、他端側の連通口10bは、そのままで
天井内空間4に連通させている。図からわかるように、
この実施の形態における蓄熱空気通路は、隣接する一対
の中空部2毎の直列経路として構成しているので、空気
通路の両端側の連通口10a,10bは、いずれも中空
スラブ1の一端側に構成されることになる。
【0014】空調機8の吹出側は、切替機構を備えた吹
出空気経路13を介して一端側の連通口10aと吹出口
6に選択的に連通させる構成としており、また吸込側
は、切替機構を備えた吸込空気経路17を介して天井内
空間4と一端側の連通口10aとに連通させる構成とし
ている。即ち、吹出空気経路13は、空調機8の吹出側
の共通のダクト14cと、それから分岐したダクト14
a,14bを有し、これらの分岐部に切替ダンパ12a
を設置している。一方、空調機8の吸込側の、吸込空気
経路17は空調機8の吸込側の共通のダクト15cとこ
れに合流するダクト15a,15bから成り、これらの
分岐部(合流部)に切替ダンパ12bを設置し、また上
記連通ダクト11に接続したダクト15dとダクト14
a,15aの分岐部(合流部)にも切替ダンパ12cを
設置している。この構成では、切替ダンパ12a,12
cが吹出空気経路13の切替機構を構成し、また切替ダ
ンパ12b,12cが吸込空気経路17の切替機構を構
成している。
【0015】以上の構成につき、その運転方法を説明す
る。図1は例えば冷房期の空調時間外、特に、電力料金
の単価が安くなる夜間における蓄熱運転状態を示すもの
で、この蓄熱運転では、切替ダンパ12aはダクト14
c,14aが連通、切替ダンパ12bはダクト15c,
15bが連通、そして切替ダンパ12cはダクト14
a,15dが連通するように操作している。即ち、この
状態においては、空調機8の吹出側からの空調空気、即
ち、この場合、冷風は、図1に矢印で示すように、ダク
ト14c、切替ダンパ12a、ダクト14a、切替ダン
パ12cを順次通り、連通ダクト15、連通ダクト11
を経て連通口10aから中空スラブ1の中空部2内に流
入する。こうして中空部2内に流入した冷風は、図中、
中空部2内を中空スラブ1の左端方向に流れた後、連通
口9を経て隣接する他の中空部2に流入して、今度は中
空スラブ1の右端方向に流れて、連通口10bから天井
内空間4に流出する。このように中空部2内を流れる
際、冷風は中空部2を構成している中空スラブ1を冷や
す。即ち、中空スラブ1には冷熱が蓄積される。このよ
うにして中空スラブ1を冷やして天井内空間4に流出し
た冷風はダクト15b、切替ダンパ12b、ダクト15
cを経て空調機8の吸込側に還流して循環に供される。
【0016】このような蓄熱運転は、上述したように電
力料金の単価が安くなる夜間において、予め設定した所
定の時間だけ行うようにしたり、中空スラブ1の適所に
設置した温度センサを用いて、設定温度となるように制
御して運転することができる。また、このような蓄熱運
転では、空調機8における空気の吹き出し温度を、空調
温度よりも低い、例えば15℃に設定することにより、よ
り効率的に中空スラブ1に蓄熱を行うことができる。
【0017】次に図2は空調運転状態を示すもので、こ
の空調運転では、上記蓄熱運転状態と異なり、切替ダン
パ12aはダクト14c,14bが連通、切替ダンパ1
2bはダクト15a,15cが連通、そして切替ダンパ
12cはダクト15a,15dが連通するように操作す
る。この状態においては、空調機8の吹出側からの空調
空気は、ダクト14c、切替ダンパ12a、ダクト14
bを通り、天井3の吹出口6から居室空間5内に流入す
ると共に、居室空間5内の空気が吸込口7から天井内空
間4内に流入し、次いで連通口10bから中空スラブ1
の中空部2内に流入する。連通口10bから中空部2内
に流入した空気は、蓄熱運転時と逆の経路で中空部2を
流れ、この際、中空スラブ1に蓄熱されている冷熱によ
り冷やされる。即ち、中空部2を流れる空気により、蓄
熱されている冷熱が回収される。こうして冷やされた空
気は連通口10aから連通ダクト11に流入し、ダクト
15d、切替ダンパ12c、ダクト15a、切替ダンパ
12b、ダクト15cを経て空調機8の吸込側に還流す
る。そして空調機8により更に冷やされて、上述したよ
うに吹出空気経路13を経て吹出口6から居室空間5に
吹き出し、こうして蓄熱運転時に中空スラブ1に蓄熱さ
れた冷熱は、放熱されて居室空間5の冷房に供される。
このように、この実施の形態では、蓄熱空気通路は、空
調空気経路において、部屋の居室空間5よりも下流側に
構成しているが、上流側に構成した場合でも蓄熱を利用
した冷房を行えることはいうまでもない。従って、蓄熱
空気通路は、空調空気経路において、部屋の居室空間5
の上流側と下流側に両方側に構成することができる。
【0018】以上は本発明の実施の形態を冷房期の運転
について説明しているが、暖房期の運転においても同様
な動作で、蓄熱運転において温風を中空部2内に流して
中空スラブ1に蓄熱を行うと共に、暖房運転において蓄
熱されている熱を天井内空間4内に放熱することによ
り、居室空間5の暖房に供することができる。尚、この
暖房期における蓄熱運転では、空調機8の空気の吹き出
し温度を、空調温度よりも高い、例えば30℃に設定する
ことにより、より効率的に蓄熱を行うことができる。
【0019】次に、図4〜図6は本発明の個別蓄熱空調
システムの第2の実施の形態を示すもので、図4は建築
物の平面図、図5、図6は図4のB−B線断面図であ
る。この実施の形態では、蓄熱空気通路を構成する構造
体は第1の実施の形態と同様に中空スラブであるが、空
調機は廊下の天井内空間に設置している。尚、これらの
図においては、図1〜図3に示す第1の実施の形態の要
素と同様な要素には同一の符号を付している。図4では
7つの部屋(室1〜7)が示されており、夫々の室1〜
7は図5、図6に示すように第1の実施の形態と同様な
中空スラブ1を有している。この中空スラブ1における
中空部2の方向は、室1〜6では図中上下方向、室7で
は図中左右方向に配置されている。また、符号18は廊
下であり、室1〜7の夫々の廊下18の長さ方向は、夫
々の室1〜7の中空スラブ1における中空部2の方向と
直交している。上述したとおり空調機8は廊下18の天
井内空間に設置しており、詳細な図示は省略している
が、第1の実施の形態と同様な構成要素により個別蓄熱
空調システムを構成している。この場合、連通ダクト1
1は廊下18の天井内空間19に設けており、また吹出
口6と吸込口7は夫々各部屋の廊下18側の天井3下の
離れた位置に配置している。
【0020】以上の構成においては、空調時間外に図5
に図中矢印で示すように空調空気を居室空間5には流さ
ずに中空スラブ1に流す蓄熱運転を行うことにより、中
空スラブ1に蓄熱を行うことができる。そして、空調時
には図6に図中矢印で示すように、居室空間5の空調に
供した空気を中空スラブ1の中空部2に流して空調機8
に還流させる空調運転を行うことにより、中空スラブ1
に貯えられている蓄熱を回収して居室空間5の空調に供
することができる。このような蓄熱運転及び空調運転に
おける動作は、上記第1の実施の形態において説明した
ものと同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0021】次に図7〜図9は本発明の個別蓄熱空調シ
ステムの第3の実施の形態を示すもので、この実施の形
態は、上記の第1、第2の実施の形態が天井吹き出し式
の空調システムであるのに対して、床吹き出し式の空調
システムを構成するものである。即ち、この実施の形態
では、蓄熱空気通路を構成する構造体は第1、第2の実
施の形態と同様に中空スラブであり、また空調機は第2
の実施の形態と同様に廊下18の天井内空間19に設置
している。このため図7〜図8においては、図4〜図6
に示す第2の実施の形態の要素と同様な要素には同一の
符号を付している。この実施の形態では、図8、図9に
示すように、廊下18の天井内空間19に設置した空調
機8と床下の空調空気吹出部とを接続するために、壁2
0にダクト部21を構成している。
【0022】以上の構成においては、空調時間外に図7
中に矢印で示すように空調空気を居室空間5に流さずに
中空スラブ1に流す蓄熱運転を行うことにより、中空ス
ラブ1に蓄熱を行うことができる。そして、空調時には
図8中に矢印で示すように、居室空間5の空調に供した
空気を中空スラブ1の中空部2に流して空調機8に還流
させる空調運転を行うことにより、中空スラブ1に貯え
られている蓄熱を回収して居室空間5の空調に供するこ
とができる。このような蓄熱運転及び空調運転における
動作は、空調空気の吹き出し方式が異なるのみで、上記
第2の実施の形態において説明したものと同様であるの
で、詳細な説明は省略する。
【0023】次に図10、図11は本発明の個別蓄熱空
調システムの第4の実施の形態を示すもので、図10は
平面図、図11は図10のD−D線断面図である。この
実施の形態では、蓄熱空気通路を構成する構造体は第1
の実施の形態と同様に中空スラブ1であるが、中空スラ
ブ1における中空部2の方向は、図4に示す第2の実施
の形態とは異なっている。即ち、これらの図に示すよう
に、この実施の形態の建築物では、各階の複数の部屋
(室1〜8)の床スラブは、中空部2の方向が廊下18
の長さ方向と平行に配置されている中空スラブ1により
構成されている。このような構成において、この実施の
形態では、空調機8は上記第2、第3の実施の形態と同
様に廊下18の天井内空間19に設置し、そして空調機
8と中空スラブ1の連通口10aと接続する連通ダクト
11は、廊下18の天井内空間19から室内の天井内空
間4に渡って配置している。尚、この実施の形態におい
ても、空調システムの構成要素は、上述した実施の形態
と同様であるので、図1〜図3に示す第1の実施の形態
の要素と同様な要素には同一の符号を付して、詳細な説
明は省略する。
【0024】以上の構成において、空調時間外には上述
した実施の形態と同様に、空調空気を居室空間5に流さ
ずに中空スラブ2に流す蓄熱運転を行うことにより、中
空スラブ1に蓄熱を行うことができる。そして空調時に
は図10中に矢印で示すように、空調機8からの空調空
気を、連通ダクト11を経て中空スラブ1の中空部2に
流入させると共に、中空部2を経て蓄熱を回収した空調
空気を天井から居室空間5内に吹き出し、次いで居室空
間5の空調に供された空気を再び室内の天井内空間4か
ら廊下18の天井内空間19を経て空調機8に還流させ
ることにより、中空スラブ1に貯えられた熱を利用した
空調を行うことができる。
【0025】次に図12〜図14は本発明の個別蓄熱空
調システムの第5の実施の形態を示すもので、図12は
平面図、図13、図14は図12のE−E線断面図であ
る。これらの図に示されるように、この実施の形態では
蓄熱空気通路を構成する構造体は、以上の第1〜第4の
実施の形態の中空スラブではなく、壁である。即ち、符
号22は部屋から廊下18を隔てた個所に構成された壁
であり、この壁22は、中空スラブ1と同様に複数のダ
クト状の中空部2が並列に構成されており、この場合、
中空部2は上下方向に構成されている。上述した実施の
形態と同様に、複数の並列した中空部2は、隣接する一
対毎に連通孔9により、図中下端側を連通させて直列の
空気通路を構成している。そして直列空気通路の一端側
と他端側に対応する図中上端側において連通口10a,
10bを構成している。そして廊下18の天井内空間1
9に空調機8と、上記連通口10aに接続する連通ダク
ト11を設置すると共に、上記第1の実施の形態等と同
様の要素により、個別空調システムを構成することがで
きる。
【0026】以上の構成において、空調時間外には図1
3の矢印に示すように、空調空気を居室空間5に流さず
に壁22の中空部2に流す蓄熱運転を行うことにより、
壁22に蓄熱を行うことができる。そして空調時の空調
運転においては、図14中に矢印で示すように、空調機
8からの空調空気を居室空間5内に吹き出すと共に居室
空間5内の空気を廊下18の天井内空間19に吸込み、
次いで連通口10bから壁22の中空部2内に流入させ
る。そして中空部2による直列の空気通路を流して、先
の蓄熱運転において貯えられている熱を回収し、連通口
10aから連通ダクト11を通って空調機8に還流させ
ることにより、壁22に蓄熱された熱を居室空間5の空
調に利用することができる。
【0027】この実施の形態では、壁22としては部屋
から廊下18を隔てた個所の壁、例えば外部からの熱の
影響のないコア等の内部の壁を利用しているが、この
他、部屋自体の壁を利用する等、適宜の個所の壁を利用
することができる。
【0028】図15は本発明の個別蓄熱空調システムの
第4の実施の形態を示すもので、蓄熱を行う壁として、
コアの壁22を利用して個別蓄熱空調システムを構成し
た建築物の平面図である。この実施の形態では、コアの
壁22の中空部2により構成した蓄熱空気通路を複数の
部屋の空調システムで共用する構成としている。このよ
うな実施の形態においては、空調システムの無い部屋が
あっても効率的に蓄熱に利用することができる。
【0029】また蓄熱空気通路を複数の部屋の個別蓄熱
空調システムで共用する構成の場合、共用する蓄熱空気
通路は、個別蓄熱空調システムの蓄熱空気通路の全部で
あっても良いし、一部であっても良い。
【0030】以上に説明した他、本発明における蓄熱空
気通路として利用できる閉鎖空間は、建築物の柱に構成
した中空部等を利用することができる。
【0031】また以上に説明した実施の形態では、空調
機からの空調空気は蓄熱運転及び空調運転のいずれの運
転時においても蓄熱空気通路を通る構成、即ち、蓄熱空
気通路を、空調空気通路に常時配置している構成として
説明しているが、この他、空調空気からの空調空気を、
蓄熱空気通路を通さずに部屋の居室空間の空調に供すし
て、蓄熱された熱を維持するように構成すること、即
ち、蓄熱空気通路を空調空気通路から分離可能に構成す
ることもできる。
【0032】
【発明の効果】本発明は以上のとおりであるので、ゾー
ン別コントロールを行うダクト方式やファンコイルユニ
ット方式等の従来の空調方式と比較して以下に示すよう
な効果がある。 a.複数の各部屋毎に個別の空調コントロールが容易で
あるため、部屋の用途、広さ等に合せた空調が可能であ
り、また各部屋毎に、必要に応じて夜間に蓄熱を行っ
て、昼間の空調時間に個別に利用できるためランニング
コストの低減が可能である。 b.空調機は天井内空間に格納することができ、建築物
の各階の大掛かりな機械室が不要となるため、平面計画
上有利であり、建築物の有効スペースを増加することが
できる。 c.空調機を、廊下の天井内空間に設置した場合には、
部屋の居室空間の天井高を高くすることができる。 d.大規模の部屋の場合には、この部屋に対して複数の
空調機を設置して対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の空調システムの第1の実施の形態を
蓄熱運転状態により概念的に示す要部断面図である。
【図2】 本発明の空調システムの第1の実施の形態を
空調運転状態により概念的に示す要部断面図である。
【図3】 図1のA−A線断面図である。
【図4】 本発明の空調システムの第2の実施の形態を
示す建築物の平面図である。
【図5】 本発明の空調システムの第2の実施の形態を
蓄熱運転状態により概念的に示す図4のB−B線断面図
である。
【図6】 本発明の空調システムの第2の実施の形態を
空調運転状態により概念的に示す図4のB−B線断面図
である。
【図7】 本発明の空調システムの第3の実施の形態を
蓄熱運転状態により概念的に示す断面図である。
【図8】 本発明の空調システムの第3の実施の形態を
空調運転状態により概念的に示す断面図である。
【図9】 図7のC−C線断面図である。
【図10】 本発明の空調システムの第4の実施の形態
を示す建築物の平面図である。
【図11】 図10のD−D線断面図である。
【図12】 本発明の空調システムの第5の実施の形態
を示す平面図である。
【図13】 本発明の空調システムの第5の実施の形態
を蓄熱運転状態により概念的に示す図12のE−E線断
面図である。
【図14】 本発明の空調システムの第5の実施の形態
を空調運転状態により概念的に示す図12のE−E線断
面図である。
【図15】 本発明の個別蓄熱空調システムの第6の実
施の形態を示す建築物の平面図である。
【符号の説明】
1 中空スラブ 2 中空部(蓄熱空気通路) 3 天井 4 天井内空間 5 居室空間 6 吹出口 7 吸込口 8 空調機 9 連通孔 10a,10b ダクト 12 切替機構 13 吹出空気経路 14a,14b,14c ダクト 15a,15b モータダンパ 16 切替機構 17 吸込空気経路 18 廊下 19 天井内空間 20 壁 21 ダクト 22 壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 直樹 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物に構成された多数の部屋に近接す
    る構造体により構成された閉鎖空間を、各部屋に対応す
    る蓄熱空気通路として構成すると共に、個別に制御可能
    な空調機を部屋毎に構成し、空調機の吹出側から部屋の
    居室空間を経て吸込側に還流する空調空気経路の適所に
    上記蓄熱空気通路を配置可能とし、空調機を、各部屋の
    天井内空間に設置したことを特徴とする多数の部屋を有
    する建築物における個別蓄熱空調システム
  2. 【請求項2】 建築物に構成された多数の部屋に近接す
    る構造体により構成された閉鎖空間を、各部屋に対応す
    る蓄熱空気通路として構成すると共に、個別に制御可能
    な空調機を部屋毎に構成し、空調機の吹出側から部屋の
    居室空間を経て吸込側に還流する空調空気経路の適所に
    上記蓄熱空気通路を配置可能とし、空調機を、廊下部の
    天井内空間に設置したことを特徴とする多数の部屋を有
    する建築物における個別蓄熱空調システム
  3. 【請求項3】 蓄熱空気通路は、空調空気通路の適所に
    常時配置していることを特徴とする請求項1又は2記載
    の多数の部屋を有する建築物における個別蓄熱空調シス
    テム
  4. 【請求項4】 蓄熱空気通路は、空調空気通路から分離
    可能に構成していることを特徴とする請求項1又は2記
    載の多数の部屋を有する建築物における個別蓄熱空調シ
    ステム
  5. 【請求項5】 蓄熱空気通路を構成する閉鎖空間は、床
    又は天井に対応する中空スラブの中空部であることを特
    徴とする請求項1又は2記載の多数の部屋を有する建築
    物における個別蓄熱空調システム
  6. 【請求項6】 蓄熱空気通路を構成する閉鎖空間は、壁
    に構成された中空部であることを特徴とする請求項1、
    2又は3記載の多数の部屋を有する建築物における個別
    蓄熱空調システム
  7. 【請求項7】 蓄熱空気通路を構成する閉鎖空間は、柱
    に構成された中空部であることを特徴とする請求項1、
    2、3又は4記載の多数の部屋を有する建築物における
    個別蓄熱空調システム
  8. 【請求項8】 空調機からの空調空気を天井吹出式に部
    屋の居室空間に供給する構成としたことを特徴とする請
    求項1又は2記載の多数の部屋を有する建築物における
    個別蓄熱空調システム
  9. 【請求項9】 空調機からの空調空気を床吹出式に部屋
    の居室空間に供給する構成としたことを特徴とする請求
    項1又は2記載の多数の部屋を有する建築物における個
    別蓄熱空調システム
  10. 【請求項10】 蓄熱空気通路は、空調空気通路におい
    て部屋の居室空間よりも上流側に配置することを特徴と
    する請求項1又は2記載の多数の部屋を有する建築物に
    おける個別蓄熱空調システム
  11. 【請求項11】 蓄熱空気通路は、空調空気通路におい
    て部屋の居室空間よりも下流側に配置することを特徴と
    する請求項1又は2記載の多数の部屋を有する建築物に
    おける個別蓄熱空調システム
  12. 【請求項12】 蓄熱空気通路は、空調空気通路におい
    て部屋の居室空間よりも上流側及び下流側に配置するこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の多数の部屋を有す
    る建築物における個別蓄熱空調システム
  13. 【請求項13】 蓄熱空気通路は各部屋毎に独立して構
    成することを特徴とする請求項1又は2記載の多数の部
    屋を有する建築物における蓄熱空調システム
  14. 【請求項14】 蓄熱空気通路は、少なくとも一部を、
    複数の部屋に対応する空調空気通路で共通のものとして
    構成することを特徴とする請求項1又は2記載の多数の
    部屋を有する建築物における個別蓄熱空調システム
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019066159A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 株式会社ヒノキヤグループ 全館空調システム

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