JPH11159606A - トルクコンバータのロックアップ制御装置 - Google Patents

トルクコンバータのロックアップ制御装置

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JPH11159606A
JPH11159606A JP9328060A JP32806097A JPH11159606A JP H11159606 A JPH11159606 A JP H11159606A JP 9328060 A JP9328060 A JP 9328060A JP 32806097 A JP32806097 A JP 32806097A JP H11159606 A JPH11159606 A JP H11159606A
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drive wheel
torque
drive
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動輪の制動ロックを早期且つ正確に検知
し、制動ロック時のコーストロックアップ解除が遅れる
ことのないようにし、エンジン停止を回避する。 【解決手段】 30で惰性走行中が検知される間、40はト
ルクコンバータをスリップさせない範囲内で最も小さな
ロックアップ容量を50に指令する。61はブレーキスイッ
チ25からの信号により制動中を判定し、62は制動開始時
の駆動輪速VD を駆動輪速初期値VoDとする。63はエン
ジン回転数が設定値を下回らない範囲内で最大制動力を
与えた時の最大マスターシリンダ液圧PMMを検索し、64
はPMMによる駆動輪最大制動トルクtB を算出する。66
はエンジン性能マップ65を基にエンジントルク推定値t
EHを求める。67はtEHと、変速比iP とを用いて駆動輪
トルクtD を算出する。69は、68からの走行抵抗R
o と、tD と、tB と、VoDとを用いて異常減速判定駆
動輪速VDSを算出し、70は、VD <VDSのとき駆動輪の
異常減速と判定し、71は、この時50にコーストロックア
ップ解除指令を発する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の伝動
系に挿入して用いられるトルクコンバータを、入出力要
素間が直結されたロックアップ状態にしたり、この直結
が解かれたコンバータ状態にするためのロックアップ制
御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トルクコンバータは、流体を介して入出
力要素間で動力伝達を行うため、トルク変動吸収機能
や、トルク増大機能を果たす反面、伝動効率が悪い。こ
れがため、これらトルク変動吸収機能や、トルク増大機
能が不要な走行条件のもとでは(ロックアップ領域で
は)、トルクコンバータの入出力要素間をロックアップ
クラッチにより直結してロックアップ状態にする、所謂
ロックアップ式のトルクコンバータが今日では多用され
ている。
【0003】かかるロックアップ式のトルクコンバータ
を具えた自動変速機を搭載する車両にあっては、車両が
惰性走行(コースト走行)状態である間、エンジン回転
数の低下を防いでフューエルカット時間(燃料噴射停止
時間)を長くするなどのために、トルクコンバータを入
出力要素間が直結されないコンバータ状態から入出力要
素間が直結されたロックアップ状態(コーストロックア
ップ状態)にするのが常套である。
【0004】ところで、トルクコンバータをロックアッ
プ状態にしている場合、エンジンと車輪との間が機械的
に結合されているから、惰性走行状態で急制動を行った
結果、車体速が未だ存在しているにもかかわらず駆動車
輪が駆動輪速0のロック状態になると、トルクコンバー
タのロックアップ解除遅れもあって、エンジンが駆動車
輪によりストール(停止)されてしまう。
【0005】かかる駆動車輪のロックによるエンジンス
トールを防止するために従来は、例えば特開平8−21
526号公報に記載されているように、トルクコンバー
タがスリップを生じない範囲内で最も小さなロックアッ
プ容量となるようロックアップクラッチの前後差圧を制
御する技術が提案されている。この技術によれば、駆動
車輪がロックに至るような駆動輪速の異常減速時、例え
ば駆動輪加速度(負値が減速度)が異常減速判定用駆動
輪減速度を越えるような減速度を示す値になった時に行
うコーストロックアップの解除が、小さなロックアップ
容量からのものであることとなり、ロックアップ解除遅
れを小さくし得て駆動車輪のロックによるエンジンスト
ールを防止することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかして一般的に、駆
動車輪がロックに至るような異常減速を判定するに際し
て用いる基準値、上記では異常減速判定用駆動輪減速度
を決定するに際し、ブレーキ液圧特性などが考慮されて
いないことから、当該異常減速判定用駆動輪減速度を図
6にaで示すように一定値に定めるのが普通である。こ
の場合、車輪加速度検出信号が同図にbで示すようにノ
イズの影響を受け易く、これを移動平均化処理した後に
異常減速判定用駆動輪減速度aと比較する必要があるこ
ともあって、同図にcで示すごとくブレーキ操作瞬時t
1 から相当に遅れた瞬時t3 でないと異常減速の判定結
果が出ないという問題があった。
【0007】これがため、従来の上記エンジンストール
対策のみでは、肝心の異常判定が遅れることから確実な
対策とはなり得ず、駆動車輪のロックによるエンジンス
トールを完全には防止することができない。加えて、ロ
ックアップ領域の拡大のために低車速までロックアップ
が行われているように設定した場合、上記が原因でエン
ジン回転数がアイドル回転数よりも極端に低い値になる
ことがあり、運転者に違和感を与えるという問題も払拭
しきれない。
【0008】請求項1に記載の第1発明は先ず、駆動車
輪の異常減速を判定するに際して用いる基準値を駆動輪
加速度でなく駆動輪速とし、更にそのための異常減速判
定駆動輪速を特異なものとすることにより、上記従来装
置の問題を解消することを目的とする。
【0009】請求項2に記載の第2発明は、上記異常減
速判定駆動輪速を求めるに際して車輪駆動トルクをも考
慮し、第1発明の作用効果を更に確実なものにすること
を目的とする。
【0010】請求項3に記載の第3発明は、上記異常減
速判定駆動輪速を求めるに際して走行抵抗をも考慮し、
第1発明の作用効果を更に確実なものにすることを目的
とする。
【0011】請求項4に記載の第4発明は、上記異常減
速判定駆動輪速を求めるに際して用いる駆動輪最大制動
トルクをその増大過渡期においても正確に求め、第1発
明の作用効果を更に確実なものにすることを目的とす
る。
【0012】請求項5に記載の第5発明は、上記駆動輪
最大制動トルクをマスターシリンダ液圧からの算出によ
り容易に求め得るようにすることを目的とする。
【0013】請求項6に記載の第6発明は、上記車輪駆
動トルクを演算により容易に求め得るようにすることを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、第
1発明によるトルクコンバータのロックアップ制御装置
は、車両の惰性走行状態では、トルクコンバータをロッ
クアップクラッチにより入出力要素間が直結されたロッ
クアップ状態にし、駆動輪がロック状態に至るような駆
動輪の異常減速時、惰性走行状態でもトルクコンバータ
をロックアップ状態から、入出力要素間が直結されない
コンバータ状態に切換えて、コーストロックアップを解
除するようにしたトルクコンバータのロックアップ制御
装置において、エンジン回転数が設定値を下回らない範
囲内で最大制動力を与えた時の駆動輪最大制動トルク
と、駆動輪の慣性モーメントとから算出した駆動輪の加
速度をもとに異常減速判定駆動輪速を求め、駆動輪速が
該異常減速判定駆動輪速よりも小さくなる時をもって駆
動輪の異常減速と判定し、前記コーストロックアップの
解除を行うよう構成したことを特徴とするものである。
【0015】第2発明によるトルクコンバータのロック
アップ制御装置は、第1発明において、前記駆動輪最大
制動トルクおよび車輪駆動トルク間の差と、駆動輪の慣
性モーメントとから算出した駆動輪の加速度をもとに、
前記異常減速判定駆動輪速を求めるよう構成したことを
特徴とするものである。
【0016】第3発明によるトルクコンバータのロック
アップ制御装置は、第2発明において、前記駆動輪最大
制動トルクに走行抵抗分を加算して求めた駆動輪減速ト
ルク、および車輪駆動トルク間の差と、駆動輪の慣性モ
ーメントとから算出した駆動輪の加速度をもとに、前記
異常減速判定駆動輪速を求めるよう構成したことを特徴
とするものである。
【0017】第4発明によるトルクコンバータのロック
アップ制御装置は、第2発明乃至第3発明のいずれかに
おいて、前記最大制動力を与えるブレーキ操作瞬時から
のマスターシリンダ液圧の時系列上昇データまたは動特
性から時々刻々の最大マスターシリンダ液圧を求め、こ
の最大マスターシリンダ液圧から前記駆動輪最大制動ト
ルクを算出するよう構成したことを特徴とするものであ
る。
【0018】第5発明によるトルクコンバータのロック
アップ制御装置は、第4発明において、前記駆動輪最大
制動トルクを、前記最大マスターシリンダ液圧と、ブレ
ーキ要素の摩擦係数と、駆動輪ブレーキ液圧の受圧面積
と、マスターシリンダ液圧に対する駆動輪ブレーキ液圧
の補正係数とを用いて算出するよう構成したことを特徴
とするものである。
【0019】第6発明によるトルクコンバータのロック
アップ制御装置は、第2発明乃至第5発明のいずれかに
おいて、前記車輪駆動トルクを、エンジン全性能線図か
ら求めたエンジン出力トルクを用いて算出するよう構成
したことを特徴とするものである。
【0020】
【発明の効果】車両の惰性走行状態ではトルクコンバー
タを、入出力要素間がロックアップクラッチにより直結
されたロックアップ状態にする。そして、駆動輪がロッ
クするような異常減速をしていると判定した場合、惰性
走行状態でもトルクコンバータをロックアップ状態か
ら、入出力要素間が直結されないコンバータ状態に切換
えて、上記のコーストロックアップを解除する。
【0021】ところで第1発明においては、駆動輪速が
異常減速判定駆動輪速よりも小さくなる時をもって上記
駆動輪の異常減速と判定するから、また、当該異常減速
判定駆動輪速を求めるに際し、エンジン回転数が設定値
を下回らない範囲内で最大制動力を与えた時の駆動輪最
大制動トルクと、駆動輪の慣性モーメントとから算出し
た駆動輪の加速度をもとに異常減速判定駆動輪速を求め
るから、駆動輪の異常減速を判定するに際して用いる基
準値が駆動輪加速度でなく、ノイズの影響を受け難い駆
動輪速(異常減速判定駆動輪速)であって、移動平均な
どの平滑処理を要しないこととなり、更にそのための異
常減速判定駆動輪速が一定でなく、上記のような特異な
方法で実情にマッチするよう逐一求めた駆動輪異常減速
判定基準値であることとなり、駆動輪の異常減速判定を
速やかに、且つ、正確に行うことができ、当該判定後に
行うべきコーストロックアップの解除が遅れるという従
来装置の問題を解消することができる。
【0022】第2発明においては、前記の異常減速判定
駆動輪速を求めるに際し、前記駆動輪最大制動トルクお
よび車輪駆動トルク間の差と、駆動輪の慣性モーメント
とから算出した駆動輪の加速度をもとに当該異常減速判
定駆動輪速を求めることから、上記異常減速判定駆動輪
速を求めるに際して車輪駆動トルクをも考慮することと
なり、異常減速判定駆動輪速が一層実情にマッチしたも
のとなって上記の作用効果を更に確実なものにすること
ができる。
【0023】第3発明においては、前記駆動輪最大制動
トルクに走行抵抗分を加算して求めた駆動輪減速トル
ク、および車輪駆動トルク間の差と、駆動輪の慣性モー
メントとから算出した駆動輪の加速度をもとに、前記異
常減速判定駆動輪速を求めることから、異常減速判定駆
動輪速を求めるに際して走行抵抗をも考慮することとな
り、異常減速判定駆動輪速が一層実情にマッチしたもの
となって上記の作用効果を更に確実なものにすることが
できる。
【0024】第4発明においては、前記最大制動力を与
えるブレーキ操作瞬時からのマスターシリンダ液圧の時
系列上昇データまたは動特性から時々刻々の最大マスタ
ーシリンダ液圧を求め、この最大マスターシリンダ液圧
から前記駆動輪最大制動トルクを算出するため、異常減
速判定駆動輪速を求めるに際して用いる駆動輪最大制動
トルクをその増大過渡期においても正確に求め得ること
となり、上記の作用効果を更に確実なものにすることが
できる。
【0025】第5発明においては、前記駆動輪最大制動
トルクを、前記最大マスターシリンダ液圧と、ブレーキ
要素の摩擦係数と、駆動輪ブレーキ液圧の受圧面積と、
マスターシリンダ液圧に対する駆動輪ブレーキ液圧の補
正係数とを用いて算出することから、駆動輪最大制動ト
ルクをマスターシリンダ液圧からの算出により容易に求
めることができて大いに有利である。
【0026】第6発明においては、前記車輪駆動トルク
を、エンジン全性能線図から求めたエンジン出力トルク
を用いて算出することから、車輪駆動トルクを演算によ
り容易に求めることができて大いに有利である。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になるロックアップ制御装置を具えたトルクコンバー
タを含む車両の駆動系を示し、1は原動機としてのエン
ジン、2はトルクコンバータ、3は自動変速機の歯車変
速機構、4はディファレンシャルギヤ装置、5は駆動輪
で、これらを順次図示のように駆動結合して車両の駆動
系を構成する。
【0028】エンジン1は運転者が操作するアクセルペ
ダル6により出力を決定され、エンジン回転はトルクコ
ンバータ2、歯車変速機構3、ディファレンシャルギヤ
装置4を順次介して駆動輪5に達し、車両を走行させ得
るが、車両の制動に際しては、運転者がブレーキペダル
7を踏み込むことによりこれを行う。
【0029】トルクコンバータ2は、エンジン1で駆動
される入力要素としてのポンプインペラ2aと、歯車変
速機構3の入力軸に結合された出力要素としてのタービ
ンランナ2bと、これらポンプインペラ2aおよびター
ビンランナ2b間を機械的に直結するロックアップクラ
ッチ2cとを具えた、所謂ロックアップ式トルクコンバ
ータとする。
【0030】ロックアップクラッチ2cの締結力は、そ
の前後におけるアプライ圧PA とレリーズ圧PR の差圧
(ロックアップクラッチ締結差圧)により決まり、アプ
ライ圧PA がレリーズ圧PR よりも低ければ、ロックア
ップクラッチ2cは釈放されてポンプインペラ2aおよ
びタービンランナ2b間を直結せず、トルクコンバータ
2をスリップ制限しないコンバータ状態で機能させる。
アプライ圧PA がレリーズ圧PR よりも高くてその差圧
が設定値よりも大きくなると、ロックアップクラッチ2
cが締結されてポンプインペラ2aおよびタービンラン
ナ2b間の相対回転がなくなり、トルクコンバータ2を
ロックアップ状態で機能させる。
【0031】本実施の形態においては、所定のロックア
ップ制御を行うべくアプライ圧PAおよびレリーズ圧P
R を決定するロックアップ制御系を以下の構成とする。
ロックアップ制御弁11は、コントローラ12によりデ
ューティ制御されるロックアップソレノイド13からの
信号圧PS に応じてアプライ圧PA およびレリーズ圧P
R を決定するもので、これらロックアップ制御弁11お
よびロックアップソレノイド13を図2に明示する周知
のものとする。即ち、ロックアップソレノイド13は一
定のパイロット圧Pp を元圧として、コントローラ12
からのロックアップ指令D(デューティ)に応じた信号
圧PSを発生させるものとする。
【0032】一方でロックアップ制御弁11は、上記の
信号圧PS およびフィードバックされたレリーズ圧PR
を一方向に受けると共に、他方向にバネ11aのバネ力
およびフィードバックされたアプライ圧PA を受け、信
号圧PS の上昇につれて、アプライ圧PA をレリーズ圧
R より高くすると共に両者間の差圧、つまりロックア
ップクラッチ締結差圧PL =(PA −PR )を上昇さ
せ、ロックアップクラッチ2cの締結を可能にし、最終
的にトルクコンバータをロックアップ状態にするものと
する。他方でロックアップ制御弁11は、ロックアップ
指令D(デューティ)の低下に伴ってロックアップソレ
ノイド13からの信号圧PS を低下されるにつれ、レリ
ーズ圧PR をアプライ圧PA よりも高くしてロックアッ
プクラッチ2cを釈放し、トルクコンバータ2をコンバ
ータ状態にするものとする。
【0033】コントローラ12には、図1および図2に
示すように、エンジン1のスロットル開度TVOを検出
するスロットル開度センサ21からの信号と、駆動輪速
Dを検出する駆動輪速センサ22からの信号と、エン
ジン回転数NE を検出するエンジン回転センサ23から
の信号と、変速機作動油温FT を検出する温度センサ2
4からの信号と、ブレーキペダル7の踏み込み時ONに
なるブレーキスイッチ25からの信号と、歯車変速機構
3の変速比iP を演算する変速比演算部26からの信号
をそれぞれ入力する。
【0034】コントローラ12はこれら入力情報をもと
に、図3の機能別ブロック線図で示す処理により、トル
クコンバータ2の惰性走行時におけるロックアップ制御
を以下のごとくに行うものとする。惰性走行検知部30
は、スロットル開度TVOを全閉近くまで閉じている走
行中否かにより車両が惰性走行中であるか否かを判定す
る。ロックアップ容量演算部40は、惰性走行検知部3
0からの信号と、スロットル開度TVO、エンジン回転
数NE 、駆動輪速VD 、および変速機作動油温FTとに
基づき、惰性走行である場合、例えば前記特開平8−2
1526号公報に記載されているようにして、トルクコ
ンバータをスリップさせない範囲内で最も小さなロック
アップ容量(コーストロックアップ容量)にするための
ロックアップクラッチ締結容量を演算する。
【0035】ロックアップソレノイド制御部50は、ロ
ックアップ容量演算部40から信号および駆動輪異常減
速検知手段60からの信号に応答し、駆動輪異常減速検
知手段60が駆動輪のロックを伴うような異常減速を検
知していなければ、ロックアップ容量演算部40で演算
した上記のコーストロックアップ容量を達成するような
ロックアップソレノイド駆動デューティDをソレノイド
13に出力する。よって、惰性走行中は駆動輪の異常減
速がない限りにおいて、トルクコンバータをスリップし
ない範囲内で最も小さなロックアップ容量(コーストロ
ックアップ容量)にすることができる。これがため、ト
ルクコンバータのコーストロックアップを解除するに際
して、これが小さなコーストロックアップ容量からのも
のとなり、車両の急減速に伴うコーストロックアップの
解除時も、これが速やかに完遂されてエンジンストール
が発生するのを防止することができる。
【0036】駆動輪異常減速検知手段60は、ブレーキ
操作判断部61と、駆動輪速初期値設定部62と、最大
ブレーキマスターシリンダ液圧演算部63と、駆動輪最
大制動トルク演算部64と、エンジン全性能マップ65
と、エンジントルク演算部66と、車輪駆動トルク演算
部67と、走行抵抗演算部68と、異常減速判定駆動輪
速演算部69と、異常減速判断部70と、ロックアップ
解除部71とで構成する。
【0037】ブレーキ操作判断部61は、ブレーキスイ
ッチ25からの信号を基に、該スイッチがONになって
いるブレーキ操作中か否かを判定する。駆動輪速初期値
設定部62は、図4の瞬時t1 におけるようにブレーキ
スイッチ25がOFFからONに切り換わった制動操作
開始時における駆動輪速VD を駆動輪速初期値VoDとし
て記憶しておく。
【0038】最大ブレーキマスターシリンダ液圧演算部
63は、エンジン回転数が設定値を下回らない範囲内で
最大制動力を与えた時のブレーキマスターシリンダ液圧
の、実験で予め求めておいた図4に例示するような制動
操作開始瞬時t1 を起点とする時系列上昇データまたは
動特性から、時々刻々の最大マスターシリンダ液圧P MM
を検索する。駆動輪最大制動トルク演算部64は、当該
最大マスターシリンダ液圧PMMが与えられた時の時々刻
々(t)の駆動輪最大制動トルクtB を、以下の演算に
より算出する。 tB (t)=2μPF・ABF・CB ・rB ・PMM(t) …(1) 但し、 μPF:ブレーキパッドの摩擦係数 ABF:駆動輪ブレーキの受圧面積 CB :マスターシリンダ液圧に対するホイールシリンダ
液圧の補正係数(液圧ブレーキ系におけるプロポーショ
ニングバルブ特性など) rB :ブレーキロータの有効半径
【0039】エンジン全性能マップ65は、図5にエン
ジン全性能データとして示すようなもので、実験により
予めスロットル開度TVOおよびエンジン回転数NE
マップとして求めておく。エンジントルク演算部66
は、このエンジン全性能マップ65を基にスロットル開
度TVOおよびエンジン回転数NE からエンジン出力ト
ルク最終値(定常値)TE を求め、次いで図5に示すよ
うに当該エンジン出力トルク最終値(定常値)TE を、
エンジン出力の応答遅れに相当するフィルター72に通
過させて時々刻々のエンジントルク推定値tEHを求め
る。
【0040】車輪駆動トルク演算部67は、上記のエン
ジントルク推定値tEHと、変速比演算値iP と、変速機
構部3の伝動効率ηP と、ファイナルドライブギヤ組の
変速比iF と、ファイナルドライブギヤ組の伝動効率η
F とを用いて、車輪駆動トルクtD を以下の演算により
算出する。 tD (t)=ηF ・ηP ・iF ・iP ・tEH(t) …(2)
【0041】走行抵抗演算部68は、予め実験で求めて
おいたデータを基に駆動輪速VD (車速)から車両の走
行抵抗Ro を推定する。異常減速判定駆動輪速演算部6
9は先ず、上記した車輪駆動トルクtD (t)と、駆動
輪最大制動トルクtB (t)と、走行抵抗Ro と、駆動
輪の有効半径r DTと、駆動輪の回転イナーシャIDTとを
用いて、駆動輪の回転角加速度(d/dt)ω DT(t)を以下
に示す周知の演算により算出する。 (d/dt)ωDT(t)=〔tD (t)−tB (t)−Ro ・rDT〕/IDT …(3) 異常減速判定駆動輪速演算部69は更に、上記により算
出した駆動輪の回転角加速度(d/dt)ωDT(t)と、駆動
輪の有効半径rDTと、前記した駆動輪速初期値VoDとか
ら、異常減速判定駆動輪速VDS(t)を以下により算出
する。 VDS(t)=VoD+rDT∫(d/dt)ωDT(t)・dt …(4)
【0042】異常減速判断部70は、駆動輪速VD が上
記のようにして求めた異常減速判定駆動輪速VDSよりも
小さくなった場合、駆動輪がロックするような異常減速
を発生していると判定する。ロックアップ解除部71
は、異常減速判断部70からの信号に応答し、当該駆動
輪の異常減速が判定される時ロックアップソレノイド制
御部50に、惰性走行状態でも前記のコーストロックア
ップを解除するよう指令する。
【0043】上記のように、駆動輪速VD が異常減速判
定駆動輪速VDSよりも小さくなる時をもって、駆動輪の
ロックを伴うような異常減速が発生したと判定する場
合、そして、当該異常減速判定駆動輪速VDSを求めるに
際し、エンジン回転数が設定値を下回らない範囲内で最
大制動力を与えた時の駆動輪最大制動トルクtB と、駆
動輪の慣性モーメントIDTとから前記(3)式により算
出した駆動輪の加速度(d/dt)ωDTをもとに異常減速判定
駆動輪速VDSを求める場合、駆動輪の異常減速を判定す
るに際して用いる基準値が駆動輪加速度でなく、ノイズ
の影響を受け難い駆動輪速(異常減速判定駆動輪速)と
なって、移動平均などの平滑処理を要しないこととな
り、更にそのための異常減速判定駆動輪速VDSが一定で
なく、図6に示すように実情にマッチするよう逐一変化
する駆動輪異常減速判定基準値であることとなるため、
駆動輪の異常減速判定を同図に瞬時t2 で示すように速
やかに、且つ、正確に行うことができ、当該判定後に行
うべきコーストロックアップの解除が遅れるという従来
装置の問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になるロックアップ制御
装置を具えた車両の駆動系およびその制御システムを示
す概略系統図である。
【図2】同実施の形態におけるトルクコンバータのロッ
クアップ制御系を示すシステム図である。
【図3】同実施の形態においてコントローラが実行する
コーストロックアップ制御、および駆動輪異常減速時の
コーストロックアップ解除制御を示す機能別ブロック線
図である。
【図4】同実施の形態において用いる最大マスターシリ
ンダ液圧設定値の時系列変化を示すタイムチャートであ
る。
【図5】同実施の形態において行うエンジン出力トルク
の推定機能を示すブロック線図である。
【図6】同実施の形態において行う駆動輪異常減速の判
定動作を、従来装置によるそれと比較して示す動作タイ
ムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 トルクコンバータ 2a ポンプインペラ(入力要素) 2b タービンランナ(出力要素) 2c ロックアップクラッチ 3 歯車変速機構 4 ディファレンシャルギヤ装置 5 駆動輪 6 アクセルペダル 7 ブレーキペダル 11 ロックアップ制御弁 12 コントローラ 13 ロックアップソレノイド 21 スロットル開度センサ 22 駆動輪速センサ 23 エンジン回転センサ 24 温度センサ 25 ブレーキスイッチ 26 変速比演算部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の惰性走行状態では、トルクコンバ
    ータをロックアップクラッチにより入出力要素間が直結
    されたロックアップ状態にし、 駆動輪がロック状態に至るような駆動輪の異常減速時、
    惰性走行状態でもトルクコンバータをロックアップ状態
    から、入出力要素間が直結されないコンバータ状態に切
    換えて、コーストロックアップを解除するようにしたト
    ルクコンバータのロックアップ制御装置において、 エンジン回転数が設定値を下回らない範囲内で最大制動
    力を与えた時の駆動輪最大制動トルクと、駆動輪の慣性
    モーメントとから算出した駆動輪の加速度をもとに異常
    減速判定駆動輪速を求め、 駆動輪速が該異常減速判定駆動輪速よりも小さくなる時
    をもって駆動輪の異常減速と判定し、前記コーストロッ
    クアップの解除を行うよう構成したことを特徴とするト
    ルクコンバータのロックアップ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記駆動輪最大制動
    トルクおよび車輪駆動トルク間の差と、駆動輪の慣性モ
    ーメントとから算出した駆動輪の加速度をもとに、前記
    異常減速判定駆動輪速を求めるよう構成したことを特徴
    とするトルクコンバータのロックアップ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記駆動輪最大制動
    トルクに走行抵抗分を加算して求めた駆動輪減速トル
    ク、および車輪駆動トルク間の差と、駆動輪の慣性モー
    メントとから算出した駆動輪の加速度をもとに、前記異
    常減速判定駆動輪速を求めるよう構成したことを特徴と
    するトルクコンバータのロックアップ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記最大制動力を与えるブレーキ操作瞬時からのマ
    スターシリンダ液圧の時系列上昇データまたは動特性か
    ら時々刻々の最大マスターシリンダ液圧を求め、この最
    大マスターシリンダ液圧から前記駆動輪最大制動トルク
    を算出するよう構成したことを特徴とするトルクコンバ
    ータのロックアップ制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記駆動輪最大制動
    トルクを、前記最大マスターシリンダ液圧と、ブレーキ
    要素の摩擦係数と、駆動輪ブレーキ液圧の受圧面積と、
    マスターシリンダ液圧に対する駆動輪ブレーキ液圧の補
    正係数とを用いて算出するよう構成したことを特徴とす
    るトルクコンバータのロックアップ制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項2乃至5のいずれか1項におい
    て、前記車輪駆動トルクを、エンジン全性能線図から求
    めたエンジン出力トルクを用いて算出するよう構成した
    ことを特徴とするトルクコンバータのロックアップ制御
    装置。
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JP2019203527A (ja) * 2018-05-22 2019-11-28 ジヤトコ株式会社 車両制御装置

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