JPH111594A - 水性の組成物 - Google Patents

水性の組成物

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JPH111594A
JPH111594A JP9154821A JP15482197A JPH111594A JP H111594 A JPH111594 A JP H111594A JP 9154821 A JP9154821 A JP 9154821A JP 15482197 A JP15482197 A JP 15482197A JP H111594 A JPH111594 A JP H111594A
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Japan
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vinyl
silyl group
composition
water
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JP9154821A
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Masato Nakamae
昌人 仲前
Sadahiko Shiragami
貞彦 白神
Hitoshi Maruyama
均 丸山
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)分子内にシリル基を0.01〜5
モル%含有する変性ポリビニルアルコールおよび(B)
水溶性アルミ化合物からなり、重量基準による固形分配
合比(A)/(B)が100/0.01〜100/50
である水性組成物。 【効果】 本発明の組成物は、水分の蒸発に伴う粘度上
昇が大きく、初期接着力が顕著に優れる。したがって、
本発明の組成物は、例えば紙加工用接着剤、木工用接着
剤、繊維処理剤、バインダー、塗料などに幅広く、かつ
有効に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性組成物に関す
る。さらに詳しくは、水分の蒸発に伴う粘度上昇が大き
く初期接着力等に優れる水性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリビニルアルコール(以下PV
Aと略す場合がある)は繊維素に対する接着力が極めて
強いことから、紙加工品や木材加工品の接着剤、繊維の
処理剤やバインダー等として広く利用されている。その
中で、紙用接着剤としては各種紙袋、紙箱の貼り合わ
せ、クラフトバンド、合紙、段ボール、紙管、タバコ用
チップ糊、製本、事務用糊等の各種接着用途があり、古
くからこれら用途に使用されてきた澱粉や膠などの天然
糊剤の欠点(品質変動、腐敗、耐水接着力が低い等)を
改良できる点が認められ普及してきた。しかしながら、
上記の紙用接着をはじめとする各種用途においては、生
産性の向上を目的に生産ラインを高速化する流れがある
中で、高速化に伴う不良品発生を抑えるために初期接着
力(乾燥性)の向上が強く求められるようになってい
る。
【0003】このような背景の下、PVA水溶液の初期
接着力(乾燥性)を向上させる手法としては、水溶液を
高濃度化して乾燥時間を短縮する方法が最も簡便であ
る。しかしながら、この方法ではPVA水溶液の粘度が
高くなりすぎる問題が生じ、一方、PVA水溶液の粘度
を抑えるために低分子量のPVAを用いた場合には、最
終的に要求される接着力、バインダー力、付着力等が低
下するという問題がある。
【0004】また、初期接着力を向上させる考え方とし
て、水分の蒸発に伴うPVA水溶液の粘度上昇を大きく
することが挙げられる。実際、PVAにホウ酸を添加し
た系ではこのような効果が発現し、初期接着力が向上す
るが、ホウ酸は安全性の問題が指摘されており、これに
代替する技術が強く要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、水分の蒸発に伴う粘度上昇が大きく初期
接着力等に優れる水性組成物を提供することを目的とし
てなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の好
ましい性質を有する水性組成物を開発すべく鋭意研究を
重ねた結果、シリル基を含有する変性ポリビニルアルコ
ールに水溶性アルミ化合物を特定量添加した水性組成物
水性組成物を見出した。さらに、それに水性ポリマーエ
マルジョンを配合した水性組成物をも見出した。本発明
はかかる知見に基づいて完成したものである。すなわ
ち、本発明は、(A)分子内にシリル基を0.01〜5
モル%含有する変性ポリビニルアルコールおよび(B)
水溶性アルミ化合物からなり、重量基準による固形分配
合比(A)/(B)が100/0.01〜100/50
である水性組成物を提供するものである。さらに、本発
明は、それに(C)水性ポリマーエマルジョンを配合し
てなる水性組成物を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における水性組成物を構成
する(A)分子内にシリル基を0.01〜5モル%含有
する変性ポリビニルアルコールは、分子内にシリル基を
0.01〜5モル%含有する変性ポリビニルアルコール
であれば特に制限はないが、分子内に含有されるシリル
基がアルコキシル基、アシロキシル基、これらの加水分
解物であるシラノール基またはその塩等の反応性置換基
を有しているものが特に好ましく用いられる。かかる変
性PVAの製造方法としては、PVAあるいはカルボ
キシル基または水酸基を含有する変性ポリ酢酸ビニル
に、シリル化剤を用いて後変性することによりシリル基
を導入する方法、ビニルエステルとシリル基含有オレ
フィン性不飽和単量体との共重合体を鹸化する方法、
シリル基を有するメルカプタンの存在下でビニルエステ
ルを重合することにより得られる末端にシリル基を有す
るポリビニルエステルを鹸化する方法等が挙げられる。
【0008】上記の方法においては、例えば、シリル
化剤と反応しない有機溶剤(ベンゼン、トルエン、キシ
レン、ヘキサン、ヘプタン、エーテルまたはアセトン
等)にシリル化剤を溶解させ、得られた溶液中に粉末状
PVAあるいは上記変性ポリ酢酸ビニルを攪拌下懸濁さ
せ、常温ないしシリル化剤の沸点の範囲の温度におい
て、シリル化剤とPVAあるいは上記変性ポリ酢酸ビニ
ルを反応させることによって、もしくはさらにアルカリ
触媒等で酢酸ビニル単位を鹸化することによってシリル
基含有変性PVAを得ることができる。
【0009】後変性において用いられるシリル化剤とし
ては、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラ
ン、メチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラ
ン、ジフェニルジクロロシラン等のオルガノハロゲノシ
ラン、トリメチルアセトキシシラン、ジメチルジアセト
キシシラン等のオルガノシリルエステル、トリメチルメ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等のオルガノ
アルコキシシラン、トリメチルシラノール、ジエチルシ
ランジオール等のオルガノシラノール、N−アミノエチ
ルアモノプロピルトリメトキシシラン等のアミノアルキ
ルシラン、トリメチルシリルイソシアネート等のオルガ
ノシリルイソシアネート等が挙げられる。シリル化剤の
導入率、すなわち変性度は、用いられるシリル化剤の
量、反応時間によって任意に調節することができる。ま
た、得られるシリル基含有変性PVAの重合度、鹸化度
は、用いられるPVAの重合度、鹸化度あるいは上記変
性ポリ酢酸ビニルの重合度および鹸化反応によって任意
に調節することができる。
【0010】また、上記方法、すなわちビニルエステ
ルとシリル基含有オレフィン性不飽和単量体との共重合
体を鹸化する方法においては、例えば、アルコール中で
ビニルエステルとシリル基含有オレフィン性不飽和単量
体とをラジカル開始剤を用いて共重合させた後、得られ
た共重合体のアルコール溶液にアルカリあるいは酸触媒
を加えて、該共重合体を鹸化することによって、所望の
リル基含有変性PVAを得ることができる。この方法に
おいて用いられるビニルエステルとしては、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニル等が挙げられる
が、実用的には酢酸ビニルが好ましい。また、上記方法
において用いられるシリル基含有オレフィン性不飽和単
量体としては各種ビニルシランや(メタ)アクリルアミ
ド−アルキルシランが挙げられる。
【0011】ビニルシランの具体例としては、例えば、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリス−(β−メトキシエトキシ)シラン、
ビニルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジメトキシ
シラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチ
ルアセトキシシラン、ビニルイソブチルジメトキシシラ
ン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブト
キシシラン、ビニルトリヘキシロキシシラン、ビニルメ
トキシジヘキシロキシシラン、ビニルトリオクチロキシ
シラン、ビニルジメトキシオクチロシラン、ビニルメト
キシジオクチロキシシラン、ビニルメトキシジラウリロ
ジシシラン、ビニルジメトキシラウリロキシシラン、ビ
ニルメトキシジオレイロキシシラン、ビニルジメトキシ
オレイロキシシラン、ポリエチレングリコール化ビニル
シラン等が挙げられる。
【0012】また、(メタ)アクリルアミド−アルキル
シランの具体例としては、3−(メタ)アクリルアミド
−プロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリル
アミド−プロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)ア
クリルアミド−プロピルトリ(β−メトキシエトキシ)
シラン、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロ
ピルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリルアミド
−2−メチルエチルトリメトキシシラン、N−(2−
(メタ)アクリルアミド−エチル)−アミノプロピルト
リメトキシシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロ
ピルトリアセトキシシラン、2−(メタ)アクリルアミ
ド−エチルトリメトキシシラン、1−(メタ)アクリル
アミド−メチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アク
リルアミド−プロピルメチルジメトキシシラン、3−
(メタ)アクリルアミド−プロピルジメチルメトキシシ
ラン、3−(N−メチル−(メタ)アクリルアミド)プ
ロピルトリメトキシシラン、3−((メタ)アクリルア
ミド−メトキシ)−3−ハイドロキシプロピルトリメト
キシシラン、3−((メタ)アクリルアミド−メトキ
シ)−プロピルトリメトキシシラン、N,N’−ジメチ
ル−N−トリメトキシシリルプロピルー3−(メタ)ア
クリルアミド−プロピルアンモニウムクロライド、N,
N’−ジメチル−N−トリメトキシシリルプロピルー2
−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロピルアンモ
ニウムクロライド等が挙げられる。
【0013】この上記の方法で、ビニルエステルとシ
リル基含有オレフィン性不飽和単量体との共重合を行う
にあたっては、上記2成分以外にかかる単量体と共重合
可能な他の不飽和単量体、例えばアクリル酸,メタクリ
ル酸,フマール酸、(無水)フタル酸,(無水)マレイ
ン酸,(無水)イタコン酸、(無水)トリメット酸等の
不飽和酸及びそのアルキルエステルやアルカリ(土類)
金属塩、エチレン,プロピレン、イソブチレン,(メ
タ)アクリロニトリル,(メタ)アクリルアミド,N−
メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)ア
クリルアミド、ビニロキシエチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ビニロキシブチルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ビニロキシエチルジメチルアミン、ビニ
ロキシメチルジエチルアミン、N−アクリルアミドメチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルア
ミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−ア
クリルアミドジメチルアミン、(メタ)アリルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルアミン、ア
リルエチルアミン、メチルビニルエーテル、エチルビニ
ルエーテル,プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエ
ーテル,N−ビニルピロリドン,塩化ビニル,臭化ビニ
ル,フッ化ビニル,塩化ビニリデン,フッ化ビニリデ
ン,テトラフルオロエチレン,ビニルスルホン酸および
その塩,(メタ)アリルスルホン酸およびその塩、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸および
その塩、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)
アクリル酸i−プロピル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フツ化ビニル、フツ化ビニリデン等のハロゲン化ビ
ニル類;酢酸アリル、塩化アリル、酢酸イソプロペニル
等を少量存在させることも可能である。
【0014】さらに、上記の方法、すなわちシリル基
を有するメルカプタンの存在下でビニルエステルを重合
することによって得られる末端にシリル基を有するポリ
ビニルエステルを鹸化する方法においては、次のような
操作を行う。例えば、ビニルエステルをラジカル開始剤
を用いて重合せしめる際、シリル基を有するメルカプタ
ンを重合系に一括または分割あるいは連続して添加し、
重合系中にシリル基を有するメルカプタンを存在せし
め、メルカプタンへの連鎖移動によって末端にシリル基
を有するポリビニルエステルを生成せしめた後、該ポリ
ビニルエステルのアルコール溶液にアルカリあるいは酸
触媒を加えて、該ポリビニルエステルを鹸化せしめるこ
とによって、所望するシリル基を有する変性PVAを得
ることができる。この方法で用いられるシリル基を有
するメルカプタンとしては、3−(トリメトキシシリ
ル)−プロピルメルカプタン、3−(トリエトキシシリ
ル)−プロピルメルカプタン等が挙げられる。この方法
でシリル基を有する変性PVAを製造するにあたって
は、上記の方法で用いられるビニルエステルと共重合
可能な不飽和単量体を少量存在させることも可能であ
る。
【0015】以上、分子内にシリル基を有する変性PV
Aの製造方法について詳しく説明したが、これらの内、
工業的製造の容易性の点で、後変性によるものよりも共
重合によるもの(つまり方法、)の方が特に好まし
い。また、共重合による変性PVAの製造方法の内で
は、方法により製造したものが、水溶液の粘度安定性
等の点で優れている。
【0016】本発明の組成物を構成する(A)分子内に
シリル基を含有する変性ポリビニルアルコールの変性度
は、分子内にシリル基を含有する単量体単位として0.
01〜5モル%、好ましくは0.1〜3モル%である。
変性PVA中のシリル基含有量が0.01モル%未満の
場合には、本発明の効果である水の蒸発に伴う大きな粘
度上昇が発現しない。一方、5モル%を越えると、変性
PVA水溶液の粘度安定性が悪くなる等の問題が出てく
る。また、変性PVAの重合度は特に制限はないが、通
常は50〜3000、好ましくは100〜2000であ
る。また、鹸化度についても特に制限はなく、一般的に
は水溶性等の観点から50モル%以上が好ましく用いら
れる。このようにして得られたシリル基含有変性PVA
は、水に分散させた後、必要に応じて少量の水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、アミン
等のアルカリを加え、攪拌しながら加温することにより
均一な溶液とすることができる。
【0017】本発明の組成物を構成する(B)水溶性ア
ルミ化合物は、水に対してある程度溶解するアルミ化合
物であれば特に制限はないが、一般的には、硫酸アルミ
ニウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニ
ウムカリウム、硫酸アルミニウムリチウム、硫酸アルミ
ニウムナトリウム、硫酸アルミニウムセシウム、硫酸ア
ルミニウムタリウム、硫酸アルミニウムルビジウム、酢
酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、チオシアン酸アル
ミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム
等の中から選択される。この中でも硫酸アルミニウム、
アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムが一般に使
用される。
【0018】本発明の組成物は、(A)分子内にシリル
基を0.01〜5モル%含有する変性ポリビニルアルコ
ールと(B)水溶性アルミ化合物からなり、重量基準に
よる固形分配合比(A)/(B)が100/0.01〜
100/50であることが必要である。(A)分子内に
シリル基を0.01〜5モル%含有する変性ポリビニル
アルコールの重量基準による固形分100部に対して
(B)水溶性アルミ化合物が0.01より少ない場合に
は本発明の特徴、すなわち水分の蒸発に伴う大きな粘度
上昇が起こりにくい。一方、(A)100重量部に対す
る(B)の固形分配合比が50重量部を越える場合に
は、本発明の水性組成物の粘度安定性が極端に悪化し、
本発明の水性組成物を一液型として使用する場合には支
障をきたす場合がある。
【0019】本発明の組成物の固形分濃度は特に制限は
ないが、1重量%以上が好ましく、3重量%以上が特に
好ましい。1重量%よりも低固形分濃度の場合には本発
明の効果が発現しない場合がある。また、本発明の組成
物の水素イオン濃度(pH)は、一般的には2〜12が
好ましく、3〜11がより好ましい。pHが2よりも小
さい場合には本発明の効果が十分に発現しない場合があ
る他、本発明の水性組成物の乾燥物が着色する場合があ
る。また、pHが12を越えると本発明の効果が十分に
発現しない場合がある。
【0020】本発明は、上記の(A)分子内にシリル基
を0.01〜5モル%含有する変性ポリビニルアルコー
ルおよび(B)水溶性アルミ化合物からなり、重量基準
による固形分配合比(A)/(B)が100/0.01
〜100/50である水性組成物であり、さらにそれに
(C)水性ポリマーエマルジョンを配合してなる水性組
成物をも提供する。水性ポリマーエマルジョンを配合し
た本発明の水性組成物は、組成物の固形分濃度の設定を
上げても組成物の粘度があまり上昇しない特徴があり、
より高い初期接着力が達成できる場合がある。
【0021】本発明の組成物を構成する(C)水性ポリ
マーエマルジョンとしては、実質的にポリマーが分散質
を構成していれば問題なく種々の物が上げられる。例え
ば、エチレン,プロピレン,イソブチレンなどのオレフ
ィン、塩化ビニル,フッ化ビニル,ビニリデンクロリ
ド,ビニリデンフルオリドなどのハロゲン化オレフィ
ン、ギ酸ビニル,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,バ
ーサチック酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル,アクリル酸エチ
ル,アクリル酸ブチル,アクリル酸2−エチルヘキシ
ル,アクリル酸ドデシル,アクリル酸2−ヒドロキシエ
チルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル,
メタクリル酸エチル,メタクリル酸ブチル,メタクリル
酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸ドデシル,メタク
リル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸エステ
ル、アクリル酸ジメチルアミノエチル,メタクリル酸ジ
メチルアミノエチルおよびこれらの四級化物、さらに
は、アクリルアミド,メタクリルアミド,N−メチロー
ルアクリルアミド,N,N−ジメチルアクリルアミド,
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸および
そのナトリウム塩などのアクリルアミド系単量体、スチ
レン,α−メチルスチレン,p−スチレンスルホン酸お
よびそのナトリウム,カリウム塩などのスチレン系単量
体、その他N−ビニルピロリドンなど、また、ブタジエ
ン,イソプレン,クロロプレンなどのジエン系単量体等
から選ばれる一種あるいは二種以上の単量体を乳化重合
して得られるポリマーエマルジョンや、それ以外にも、
各種ポリマーを水中に自己乳化あるいは強制乳化等で後
乳化したもの、例えばポリウレタンエマルジョン、エポ
キシエマルジョン、ポリエステルエマルジョン等が挙げ
られる。
【0022】また、本発明の組成物を構成する(C)水
性ポリマーエマルジョンの分散剤としては特に制限はな
く、従来公知のアニオン性、カチオン性、非イオン性、
両性の界面活性剤が使用できる他、各種ポリビニルアル
コール系重合体やヒドロキシエチルセルロース等の水溶
性保護コロイド等が使用できる。その中でも、本発明の
効果を十分に発現させるためには、ポリビニルアルコー
ルを保護コロイドとした水性ポリマーエマルジョンを使
用するのが好ましい。
【0023】さらに(C)水性ポリマーエマルジョンを
添加した場合には、特に初期接着性が向上する。(C)
水性ポリマーエマルジョンの添加量は状況に応じて選択
すればよいが、一般的には固形分重量比で[(A)+
(B)]/(C)が0.001以上であることが好まし
く、0.01以上であることが特に好ましい。[(A)
+(B)]/(C)が0.001よりも小さい場合に
は、本発明の効果が十分に発現されない場合がある。ま
た、[(A)+(B)]/(C)が2以下であることが好
ましく、1以下であることが特に好ましい。
【0024】また、本発明の組成物には、さらに必要に
応じて、本発明の性能を損なわない範囲で、でんぷん,
変性でんぷん,酸化でんぷん,アルギン酸ソーダ,各種
ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース,
メチルセルロース,ヒドロキシメチルセルロース,無水
マレイン酸/イソブテン共重合体,無水マレイン酸/ス
チレン共重合体,無水マレイン酸/メチルビニルエーテ
ル共重合体などの水溶性高分子化合物や尿素/ホルマリ
ン樹脂,尿素/メラミン/ホルマリン樹脂,フェノール
/ホルマリン樹脂などの熱硬化性樹脂もそれぞれ併用す
ることができる。さらに、本発明の水性組成物には、ク
レー,カオリン,タルク,炭酸カルシウム,木粉などの
充填剤、小麦粉などの増量剤、酸化チタンなどの顔料あ
るいはその他、防腐剤,防錆剤などの各種添加剤をも適
宜添加することができる。
【0025】本発明の組成物は、水分の蒸発に伴う粘度
上昇が大きいという特徴を生かして、紙工用接着剤、木
工用接着剤、塗料、繊維処理剤等の各種用途において用
いられる。
【0026】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明をさら
に詳細に説明する。なお以下の実施例及び比較例におい
て「部」および「%」は、特に断らない限り重量基準を
意味する。耐水性は下記の要領で評価した。
【0027】(組成物の固形分濃度増加に伴う粘度上昇
の評価) [1](A)+(B)の系 組成物中の(A)の固形分濃度を4%及び10%に調製
し、それらの粘度を30℃においてBH型粘度計(20
rpm)で測定し、その粘度比(10%粘度/4%粘
度)を固形分濃度増加に伴う粘度上昇の指標とした。 [2](A)+(B)+(C)の系 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(クラレ製
OM−4200、固形分濃度55%)100部に対し、
(A)+(B)の水溶液((A)の固形分濃度を15%
に調製したもの)10部を添加したものに水を添加して
総固形分濃度を40%及び50%に調製した。それらの
粘度を30℃においてBH型粘度計(20rpm)で測
定し、その粘度比(50%粘度/40%粘度)を固形分
濃度増加に伴う粘度上昇の指標とした。 (組成物の初期接着力の評価)上記[1]の固形分濃度1
0%の組成物および[2]の40%の組成物を用いて、日
本たばこ産業製初期接着力試験機(ASM−01)を用
い、以下の条件で初期接着力を評価した。 被着材 : クラフト紙(オリンパス95)同士 塗布量 : 100g/m2 (wet) 測定モード : せん断 測定速度 : 300mm/min 塗布後放置時間 : 1sec 接着時間 : 5sec 接着温度 : 20℃ 接着圧力 : 10kg 接着後放置時間 : 1sec
【0028】実施例1 ビニルトリメトキシシランと酢酸ビニルとの共重合体を
鹸化してシリル基をビニルシラン単位として0.3モル
%含有し、酢酸ビニル単位の鹸化度98.5モル%、重
合度1500の分子内にシリル基を含有する変性PVA
を得た。この変性PVAを水溶液とし、それにアルミン
酸ナトリウムを添加して、変性PVAの固形分100重
量部あたりアルミン酸ナトリウムの固形分が1重量部と
なるように調製し、上記[1]及び[2]に示す組成物を調
製した。これら組成物を用いて上記の評価を行った。結
果を表1および表2に示す。
【0029】実施例2〜4 実施例1において変性PVA100重量部当たりのアル
ミン酸ナトリウムの添加量を表1に示す通りに変更する
以外は実施例1と同様にした。結果を表1および表2に
示す。
【0030】実施例5〜6 実施例1のアルミン酸ナトリウムに代えてアルミン酸カ
リウム、硫酸アルミニウムを用いる以外は実施例1と同
様の評価を行った。結果を表1および表2に示す。
【0031】実施例7 実施例1のシリル基含有PVAの代わりにビニルトリア
セトキシシランと酢酸ビニルとの共重合体を鹸化して、
シリル基をビニルシラン単位として0.8モル%含有
し、酢酸ビニル単位の鹸化度97.2モル%、重合度5
00の分子内にシリル基を有する変性PVAを得た。こ
の変性PVAを用いて実施例1と同様の評価を行った。
結果を表1および表2に示す。
【0032】実施例8〜9 実施例1のシリル基含有PVAと同様にビニルトリメト
キシシランと酢酸ビニルとの共重合体を鹸化して表1に
示すシリル基を含有する変性PVAを得た。この変性P
VAを用いて実施例1と同様の評価を行った。結果を表
1および表2に示す。
【0033】比較例1 実施例1においてアルミン酸ナトリウムを添加しない以
外は実施例1と同様にした。結果を表1および表2に示
す。
【0034】比較例2〜3 実施例1において変性PVA100重量部当たりのアル
ミン酸ナトリウムの添加量を表1に示す通りに変更する
以外は実施例1と同様にした。結果を表1および表2に
示す。
【0035】比較例4〜5 実施例1のシリル基含有PVAの代わりにビニルトリメ
トキシシランと酢酸ビニルとの共重合体を鹸化して表1
に示すシリル基を含有する変性PVAを得た。この変性
PVAを用いて実施例1と同様の評価を行った。結果を
表1および表2に示す。
【0036】比較例6 実施例1のシリル基含有PVAの代わりに無変性PVA
(重合度1500、鹸化度98.0モル%)を用いる以
外は実施例1と同様の評価を行った。結果を表1および
表2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明の組成物は、水分の蒸発に伴う粘
度上昇が大きく、初期接着力が顕著に優れる。したがっ
て、本発明の組成物は、例えば紙加工用接着剤、木工用
接着剤、繊維処理剤、バインダー、塗料などに幅広く、
かつ有効に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09J 129/04 C09J 129/04 201/00 201/00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子内にシリル基を0.01〜5
    モル%含有する変性ポリビニルアルコールおよび(B)
    水溶性アルミ化合物からなり、重量基準による固形分配
    合比(A)/(B)が100/0.01〜100/50
    である水性組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水性組成物に、さらに
    (C)水性ポリマーエマルジョンを配合してなる水性組
    成物。
JP9154821A 1997-06-12 1997-06-12 水性の組成物 Pending JPH111594A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019214716A (ja) * 2018-06-06 2019-12-19 王子ホールディングス株式会社 貼合速度向上剤及び向上方法

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