JPH11159302A - 蒸気タービン動翼 - Google Patents

蒸気タービン動翼

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JPH11159302A
JPH11159302A JP32268097A JP32268097A JPH11159302A JP H11159302 A JPH11159302 A JP H11159302A JP 32268097 A JP32268097 A JP 32268097A JP 32268097 A JP32268097 A JP 32268097A JP H11159302 A JPH11159302 A JP H11159302A
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JP
Japan
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blade
wing
back side
moving blade
moisture
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JP32268097A
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English (en)
Inventor
Minoru Yamashita
穣 山下
Kiyoshi Namura
清 名村
Eiji Saito
英治 齊藤
Masakazu Takazumi
正和 高住
Kazuo Ikeuchi
和雄 池内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】湿り度の大きいタービン段落に適用可能な信頼
性が高い翼構造を提供すること。 【解決手段】翼動翼入口の背側部に略半径方向外周側に
向かって延び連結部材の半径方向外周面まで達する複数
本の溝を設け、動翼の背側入口部に付着した水分が、該
溝によって速やかに連結部材の半径方向外周面より外周
側へ排出されるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蒸気タービンの翼、
特に低圧蒸気タービンの翼のうち湿り度、すなわち蒸気
中の水分が多い段落で使用される翼に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、蒸気タービン翼を湿り度が大きい
蒸気中で使用する場合を考える。一般に、湿った状態の
蒸気中の水分は、水滴の形で蒸気とともにタービン内を
流下するが、大きな水滴は気体である蒸気よりも慣性が
大きいため、静翼のように曲がった流路では流路にそっ
て曲がりきれず、静翼面に衝突,付着し、水膜となって
静翼面を流下し再び静翼の出口端から蒸気中に噴霧され
る。
【0003】一方、比較的小さな水滴は蒸気とともに流
下する。次いで、動翼流路部では動翼が大きな周速で回
転しているため、やはり、水滴は気体である蒸気よりも
慣性が大きいことにより、多くの水滴は動翼面に衝突,
付着する。その水滴の多くは動翼背側入口部で動翼に衝
突,付着する。付着した水滴には、動翼の回転に伴う遠
心力と蒸気のせん断力が作用し、これにより動翼面上を
半径方向及び動翼下流側に向かって水膜となって流れ
る。一部の水滴は動翼下流から流出し次段の翼へ流入す
る。この水滴を動翼外へスムーズに排出できない場合、
蒸気タービン性能を悪化させることにつながり、また次
段への水滴の流入は、次段の翼の浸食のおそれがある。
【0004】翼に付着する水滴をスムーズに動翼外に排
出する方法の一つとして、特許U.S.P.5261785 号公報
に、図28に示すように動翼入口部の背側に、略半径方
向外周側に向かって溝を設け、翼に付着した水滴を動翼
の回転による遠心力により半径方向外周側に排出する方
法が知られている。
【0005】一方、このような実際の蒸気タービンに用
いる場合は、翼は動翼先端部に設けられたテノン部22
にシュラウドカバー21を固定し、テノンかしめをする
ことにより連結する構造が採用されている。このような
翼構造では、動翼入口背側に設けられた溝から、水分が
半径方向に排出されるのを妨げないように、シュラウド
カバーの軸方向幅を小さくして、翼先端の入口部はカバ
ーによって覆わない構造としている。このような翼構造
では、シュラウドカバーの軸方向幅の制約により、シュ
ラウドカバーを取り付けるテノン寸法,位置に制約を受
けるため、シュラウドカバーに応力集中が発生しやす
く、連結構造の強度上問題がある。
【0006】上記翼連結構造の問題を解決する翼の連結
方法の一つに、翼と一体形に形成され、翼の背側と腹側
に略円周方向に延びる連結部材(以下、本発明の説明に
おいてはこのような連結部材をインテグラルカバーと呼
ぶことにする)を設け、隣接翼の背側,腹側のインテグ
ラルカバーを互いに接触させることによって連結する構
造がある。たとえば動翼入口部の背側に、略半径方向外
側に延びる溝を備えた翼をインテグルラルカバーで連結
する翼構造の例が、特許U.S.P.5261785 号公報に示され
ている。この構造は図29に示すように、翼の背側と腹
側に延びるインテグラルカバーが互いに接触して、遠心
力による翼のねじり戻り(アンツイスト)を拘束すること
により連結されるものである。しかしながら図29から
わかるように動翼入口部がインテグラルカバーによって
覆われていない構造になっている。
【0007】図30は図29に示されるこの構造のA−
A矢視断面図を示したものであるが、動翼先端入口部は
インテグラルカバーで覆われず、段差26を持った構造
となっている。このため動翼入口部の背側に設けられ
た、略半径方向に延びる溝により捕獲され、遠心力によ
って半径方向に排出される水分27の一部は動翼に流入
する高速の蒸気流の影響により、インテグラルカバー端
面28を浸食する可能性が高い。
【0008】特に、インテグラルカバーにより翼を連結
している構造では、翼の背側と腹側のインテグラルカバ
ーを、アンツイストを拘束するように形成しており、こ
のとき、その反力として背側のインテグラルカバー付け
根部に高い応力が発生する。このためインテグラルカバ
ー強度設計上、インテグラルカバー端面28、特にイン
テグラルカバー背側付け根部が水滴による浸食を受ける
構造は非常に問題があり、翼の信頼性低下の原因とな
る。
【0009】さらに図30に示すインテグラルカバー構
造では、動翼入口背側部に設けられた、略半径方向外周
側に延びる溝によって排出された水滴の一部が、上流側
のインテグラルカバー端面28を伝わりインテグラルカ
バー接触連結部に達しやすい。接触連結部ではアンツィ
スト拘束により接触面圧が作用している状態となってお
り、一般に、翼が微小振動すると、接触連結部も微小な
振動が発生する。このような、接触面に多量の水分が供
給されると、水分がない場合に比べてフレッティング摩
耗の危険性が増すことは、よく指摘されている。また、
フレッティング発生箇所の疲労限が低下する場合もあ
り、翼の信頼性低下の原因となる。
【0010】さらに図30に示すインテグラルカバー構
造では、動翼入口部においてインテグラルカバーが覆わ
れていない領域から、蒸気の一部が動翼外周側に流出す
る。カバーの一部分でも取り除くことは蒸気漏れ損失が
増大することにつながる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来技術の欠点をなくし、湿り度の大きいタービン段
落に適用可能な信頼性が高く、かつ、動翼先端からの蒸
気の漏れの少ない蒸気タービン動翼構造を提供するにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明においては、イン
テグラルカバー翼の付け根部が水滴による浸食を受ける
ことなく、かつ動翼面に付着した水分が接触連結部にで
きるだけ到達しないような手段を設けることを目的とす
る。この目的は、動翼入口背側部に設けた略半径方向に
延びる溝によって遠心力を利用して排出される水分がイ
ンテグラルカバーの上流側端面、あるいは接触連結部に
到達することがないよう、上記半径方向に延びる溝を、
インテグラルカバー外周面に達する溝とすることによっ
て達成することができる。
【0013】さらに翼面に付着した水分が、インテグラ
ルカバー接触連結部に達することを防ぐために、インテ
グラルカバーの下面に翼面と略平行に延びるフェンスを
設け、翼面とフェンス間に通路を形成し、動翼面に付着
した水分がこの通路に集まり、かつ、この通路を経て動
翼外へ排出されるようにすることにより接触連結部に水
分が到達しないようにする。なお、該通路はフェンスを
設ける代わりにカバー下面に翼面と略平行に延びる溝を
設けることによっても形成できる。
【0014】即ち、蒸気中の水滴の多くは動翼背側入口
部で動翼に衝突,付着するので、動翼背側入口部に略半
径方向に延び、動翼先端部の連結部材外周面まで達する
溝を設けることにより、動翼背側入口部に付着した水分
は動翼下流へ流れることなく、上記略半径方向に延びる
溝に沿って、速やかに動翼先端部の連結部材外周面より
外周側に排出される。また動翼翼面に水滴が付着して形
成された水膜の一部は、遠心力と蒸気のせん断力によっ
て動翼面上を、半径方向及び動翼下流方向に流れ、イン
テグラルカバー内周面に到達する。
【0015】しかし、インテグラルカバーの下面に翼面
と略平行に設けられたフェンスと翼面との間に形成され
た通路に導かれるので、動翼面に付着した水分がインテ
グラルカバーの接触連結部,カバー間間隙部に到達する
ことなくすみやかに下流側へ排出される。また、したが
って、いずれの場合もインテグラルカバーの接触連結部
に大量の水分が到達することがないので、カバーの接触
連結の機能が十分に発揮される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面によ
って説明する。
【0017】図1は本発明の一実施例を示す部分の斜視
図である。また、図2は図1の構造を半径方向外周側か
ら見た平面図である。翼1の先端部からは、それぞれ翼
の略円周方向,背側に延びるインテグラルカバー2と略
円周方向,腹側に延びるインテグラルカバー3が設けら
れている。翼に作用する回転中の遠心力により矢符号5
で示す方向にアンツィストが発生した時、翼1の略円周
方向背側に延びるインテグラルカバー2と、翼1′の略
円周方向腹側に延びるインテグラルカバー3′が、接触
面4で接触しアンツィストを拘束することにより翼の連
結効果が発揮される。
【0018】この構造では、動翼の背側と腹側に延びる
インテグラルカバーは、動翼先端部の蒸気通路のほぼ全
面を覆うように形成され、動翼1の先端部において、背
側入口部分では隣接動翼1′から略円周方向腹側に延び
るインテグラルカバー3′との間に間隙5が形成され、
一方、翼1の先端部から略円周方向背側に延びるインテ
グラルカバー2と、隣接動翼1′の先端部腹側出口部分
との間に間隙6が形成される。
【0019】本構造ではインテグラルカバーで連結され
る翼構造の動翼背側入口部分に翼の略半径方向に延びる
水分排出溝13が設けられている。水分排出溝13は、
翼長方向中央部から略半径方向に延び、インテグラルカ
バー外周面まで達している。静翼の出口端から蒸気中に
再噴霧された水滴は直径が比較的大きく、慣性力が大き
いため大きな周速で回転する動翼の流路部では背側入口
部で非常に多くの量が衝突,付着する。また、静翼中を
通過してきた水滴である水分のうちの比較的大きなもの
も背側入口部で衝突,付着する。
【0020】このように、かなりの量の水分が動翼の背
側入口部で捕集される。したがって、略半径方向に延び
る複数本の溝13を設けることによって、この部分に付
着した水分がさらに動翼下流側へ流れることを防ぎ、遠
心力を利用して速やかに動翼半径方向外周部へ排出する
ことが可能となる。すなわち、水分は動翼1の先端部背
側入口部分と隣接動翼1′から略円周方向,腹側に延び
るインテグラルカバー3′との間隙5からインテグラル
カバー外周面より半径方向外側に排出される。図3は本
構造を円周方向から見た側面図であるが、動翼1の先端
部背側入口部分で捕集され水分排出溝13から排出され
た水滴27は、例えば半径方向外周側に設けられた静止
体の中空室14に一旦捕集された後、さらに図示しない
復水器等に導かれる。このようにかなりの水分が動翼1
の先端部背側入口部分で捕集され、水分排出溝13から
インテグラルカバー外周面より半径方向外側に排出され
るので、インテグラルカバーの翼の付け根部、及び接触
連結部4にはほとんど水分がこない。よってインテグラ
ルカバー動翼入口背側付け根部の浸食を防ぎ、インテグ
ラルカバー接触連結部のフレッティング摩耗を抑えるこ
とができるので、水分の多い蒸気中の使用に対してもイ
ンテグラルカバーの信頼性を増すことができる。
【0021】図4は、本発明の他の実施例を示した斜視
図である。図4に示すように、インテグラルカバー部
に、翼に付着した水分が極力到達しないように、動翼入
口背側に設けた溝を動翼先端部付近で動翼入口側へ曲げ
るように形成してもよい。また他の実施例として図5に
示すように水分排出溝の略半径方向外周側に延びる延長
線上に、カバー下面を貫通して略半径方向外周側に延び
る穴23を設けることによって、半径方向外周側に水滴
を排出することも可能である。図5で穴23の形状は、
溝1本につき一つの丸い形状の穴であるが、形状は角の
ある穴でもかまわない。
【0022】また図6のように略半径方向外周側に延び
る水分排出溝13から続いて、動翼背側部から略円周方
向に延びるカバー下面に略円周方向に延びる溝、もしく
はフェンスによってカバー下面通路24を設け水滴が流
下しないようにし、さらに続けてカバー側端部に略半径
方向に水分排出溝25を設け、水滴を半径方向外周側に
導くことによっても達成できる。さらに動翼入口背側部
から円周方向に延びる量が小さいカバーである場合に
は、図7のように動翼入口背側部において略半径方向外
周側に延びる水分排出溝を、カバー側端部に続けて設け
る構造であってもよい。
【0023】図8は、本発明の他の実施例を示す翼構造
を円周方向から見た側面図である。インテグラルカバー
内周部に到達した水分を極力速やかに動翼外周部に排出
すれば、インテグラルカバー接触連結部、隣接カバー間
の間隙に到達する水分を少なくできる。このために、イ
ンテグラルカバー内周面を図に示すように動翼先端入口
部から動翼先端出口部に半径方向の勾配18を設ける。
図9は図8の翼構造の部分の斜視図である。インテグラ
ルカバー外周面は勾配があってもよいし、なくてもよ
い。図8,図9ではインテグラルカバー外周面が円錐面
19と円筒面20の両方からなる場合が示されている。
円筒面20は先端シールフィン15を設けたとき、回転
体と静止体との伸び差があってもシールフィン15が翼
1と接触する心配がない。
【0024】図10は、インテグラルカバー内周面に勾
配18がついたものにおいて溝を設けた翼構造を示す部
分の斜視図である。図11,図12はそれぞれ、図10
の外周側,側面から見た図である。図1で示したインテ
グラルカバー翼構造を採用した場合、翼に付着した水滴
の大部分を水分排出溝13から動翼半径方向外周側に排
出できる。
【0025】しかしながら、水分排出溝に13より捕集
されない一部の水滴は、蒸気による剪断力と翼の回転に
伴う遠心力によって、同様に略半径方向外周側及び動翼
下流側に流下する。このとき図1で説明した、動翼入口
部背側に半径方向外周側に延びる溝を設けた構造と、図
8で示したインテグラルカバー内周面を動翼先端入口か
ら動翼先端出口部に半径方向の勾配を設けた構造を組み
合わせた構造を採用することにより、インテグラルカバ
ー内周部に到達した水分を極力速やかに動翼外周部に排
出でき、インテグラルカバー接触連結部4に到達する水
分を少なくできる。
【0026】図8から図12に示した勾配18を有する
構造は接触面4の部分に水分が大量に達することはなく
有効である。しかし、一方で新たな課題が生じる。円錐
面19がある外周面に対向してシールフィンを設けよう
としても、回転体と静止体との伸び差がある場合には翼
とシールフィンとが接触しないように設計することが難
しい。そこで、外周面はできるだけ円筒面20を多く持
つ構造が望ましい。図13は図10の翼構造の変形例を
示す部分の斜視図である。図14は図13の翼構造を半
径方向外周側から見た平面図、図15は円周方向から見
た側面図である。さらに、図16は、さらに翼構造の他
の変形例を示すものであって、円筒面20を異なる半径
位置に2段に渡って設けた翼構造の部分の斜視図であ
る。図17は図16の翼構造を半径方向外周側から見た
平面図、図18は円周方向から見た側面図である。ここ
で、シールフィンと翼先端は軸方向伸び差を考慮してあ
ることは勿論である。
【0027】図19は本発明の他の実施例を示す翼構造
の部分の斜視図である。図20,図21はそれぞれ、図
19の翼構造を半径方向外周側から見た平面図と内周側
から見た平面図である。翼1の略円周方向,背側に延び
るインテグラルカバー2と略円周方向,腹側に延びるイ
ンテグラルカバー3のそれぞれ動翼への付け根部の内周
面に翼面と略平行に背側フェンス7,腹側フェンス8が
設けられ、翼面とフェンス7,8との間に通路9,10
が形成される。蒸気中の水分は動翼流路部に入ると、ま
ず、かなりの水分が動翼背側入口部11で衝突,付着し
水膜となる。水膜には、遠心力と蒸気のせん断力が作用
し、一部は動翼入口部先端間隙5から外周側に排出され
る。それ以外の水膜、及び動翼入口部以降で動翼面に付
着した水分は、遠心力と蒸気のせん断力を受けてカバー
内周部に到達し、翼面とフェンス7,8とで形成される
通路9,10に導かれ、通路内をタービン下流側へと流
れ、動翼外周側へ排出される。すなわち、水分は通路
9,10内に限って流下するので、接触面4の部分に大
量に達することはない。
【0028】図22は図20のA−A矢視断面図を示
す。図23は本発明の他の変形例を示す図5のA−A矢
視断面図を示す。すなわち、通路9,10は翼面とフェ
ンス7,8とで形成されるとしたが、インテグラルカバ
ー内周面に翼面と略平行に延びる窪んだ溝9′,10′
として形成するものであってもよい。だだし、インテグ
ラルカバーの翼部への付け根に溝を設ける方法はインテ
グラルカバーに作用する遠心力に対する強度の点で必ず
しも好ましくはない。
【0029】次に、図24は、インテグラルカバー内周
面に勾配18がついたものにおいて翼面と平行にフェン
スを設けた翼構造を示す部分の斜視図であり、図25
は、図24の円周方向から見た側面図である。図19,
図20に示した構造に比べ翼面に付着した水分はより速
やかに排出される利点がある。
【0030】インテグラルカバー内周部に水分がこない
ことをより確実にするためには、図26に示すように、
図1と図8,図19で説明した水分排出溝13,インテ
グラルカバー内周面の半径方向の勾配18,フェンス
7,8をともに備えたものとすることが望ましいことは
もちろんである。
【0031】図27に本発明の蒸気タービン動翼を採用
した低圧タービンの部分の断面図を示す。図27の例で
は、例えば最終段翼に図1に示した動翼、その前1段と
2段には図10に示した動翼というように、各段落の湿
り度の違い、基本的な流路の違いに応じて、本発明の主
旨に従った翼構造を採用することにより、信頼性,性能
ともに優れた蒸気タービンが得られる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インテグラルカバーの接触連結部,動翼出口部のカバー
間間隙部に大量の水分が衝突,到達することがないの
で、動翼入口のインテグラルカバー背側付け根部が浸食
されることなく、またカバーの接触連結部のフレッティ
ング摩耗の心配がなく、疲労限の低下もないので、連結
機能が十分な信頼性の下に発揮され、また、先端の動翼
入口部から出口部まで蒸気通路の全域にわたってカバー
を採用できることにより、蒸気の漏れ防止の機能が十分
に発揮される。さらには次段への水滴流入を抑えられる
ことにより、次段の翼の浸食を防止でき、さらには性能
を向上させることができるような蒸気タービン動翼を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である翼構造を示す部分の斜視
図。
【図2】図1の半径方向から見た側面図。
【図3】図1の円周方向から見た側面図。
【図4】図1の他の実施例を示す斜視図。
【図5】図1の他の実施例を示す斜視図。
【図6】図1の他の実施例を示す半径方向外周側から見
た平面図。
【図7】図1の他の実施例を示す半径方向外周側から見
た平面図。
【図8】本発明の他の実施例である翼構造を示す斜視
図。
【図9】図8の円周方向から見た側面図。
【図10】図8の他の実施例を示す斜視図。
【図11】図10の半径方向から見た側面図。
【図12】図10の円周方向から見た側面図。
【図13】図10の翼構造の他の変形例を示す部分の斜
視図。
【図14】図10の翼構造の他の変形例を示す部分の半
径方向外周側から見た平面図。
【図15】図10の翼構造の他の変形例を示す部分の円
周方向から見た側面図。
【図16】図10の翼構造の他の変形例を示す部分の斜
視図。
【図17】図10の翼構造の他の変形例を示す部分の半
径方向外周側から見た平面図。
【図18】図10の翼構造の他の変形例を示す部分の円
周方向から見た側面図。
【図19】本発明の他の実施例である翼構造を示す斜視
図。
【図20】図19の半径方向外周側から見た平面図。
【図21】図19の半径方向内周側から見た平面図。
【図22】図20のA−A矢視断面図。
【図23】図20のA−A矢視断面図。
【図24】本発明の他の実施例である翼構造を示す斜視
図。
【図25】図24の円周方向から見た側面図。
【図26】本発明の他の実施例であるインテグルカバー
内周部を示す斜視図。
【図27】本発明の翼構造を採用した蒸気タービンの部
分の断面図。
【図28】従来の翼構造を示す部分の半径方向外周側か
ら見た平面図。
【図29】従来の翼構造を示す部分の半径方向外周側か
ら見た平面図。
【図30】従来の翼構造を示す図29のA−A矢視断面
図。
【符号の説明】
1…翼、2…インテグラルカバー、3…腹側インテグラ
ルカバー、4…接触連結部、5…入口側間隙、6…出口
側間隙、7…背側フェンス、8…腹側フェンス、9…背
側通路、10…腹側通路、11…動翼背側入口部、12
…カバー段差、13…水分排出溝、14…中空室、15
…シールフィン、16…背側カバー付け根部、17…腹
側カバー先端部、18…勾配、19…円錐面、20…円
筒面、21…シュラウドカバー、22…テノン部、23
…水分排出穴、24…カバー下面通路、25…カバー側
端面溝、26…段差、27…水分、28…インテグラル
カバー端面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高住 正和 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 池内 和雄 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】翼と一体形に形成され、翼の背側と腹側に
    略円周方向に延びる一対の連結部材により、遠心力によ
    る翼のねじり戻りを拘束して隣接翼を互いに連結してな
    る蒸気タービン動翼において、動翼の背側に略円周方向
    に延びる連結部材を動翼入口部において背側面に沿うよ
    うに形成し、動翼入口の背側部に略半径方向外周側に向
    かって延び連結部材の半径方向外周面まで達する複数本
    の溝を設け、動翼の背側入口部に付着した水分が、該溝
    によって速やかに連結部材の半径方向外周面より外周側
    へ排出されるようにし、水分が連結部材内周部に極力到
    達しないようにしたことを特徴とする蒸気タービン動
    翼。
  2. 【請求項2】蒸気タービン動翼入口の背側部に、動翼に
    付着した水分を遠心力によって排出するため、動翼高さ
    の中間部から外周部に向かって略半径方向に延びる複数
    の溝を備えた翼であって、かつ動翼の先端部において翼
    と一体形に形成され翼の背側と腹側に略円周方向に延び
    る一対の連結部材により、遠心力によるねじり戻りを拘
    束して隣接翼を互いに連結する連結部材を備え、かつ上
    記半径方向に延びる溝は、上記連結部材の外周側面に達
    するよう形成したことを特徴とする蒸気タービン動翼。
  3. 【請求項3】翼と一体形に形成され、翼の背側と腹側に
    略円周方向に延びる一対の連結部材により、遠心力によ
    る翼のねじり戻りを拘束して隣接翼を互いに連結してな
    る蒸気タービン動翼において、連結部材の内周面が動翼
    の入り口から出口に向かって半径がしだいに大きくなる
    ような勾配を持つように形成することにより、翼面に付
    着し、連結部材の内周面に到達した水分が速やかに動翼
    の出口部から外周側に排出されるようにしたことを特徴
    とする蒸気タービン動翼。
  4. 【請求項4】翼と一体形に形成され、翼の背側と腹側に
    略円周方向に延びる一対の連結部材により、遠心力によ
    る翼のねじり戻りを拘束して隣接翼を互いに連結してな
    る蒸気タービン動翼において、それぞれの連結部材の内
    周面に翼面と近接して翼面に略平行に延びるフェンスを
    設け、翼面とフェンス間に通路を形成し、翼面に付着し
    た水分が該通路に導かれた後、動翼外部へ排出されるよ
    うにしたことを特徴とする蒸気タービン動翼。
  5. 【請求項5】翼と一体形に形成され、翼の背側と腹側に
    略円周方向に延びる一対の連結部材により、遠心力によ
    る翼のねじり戻りを拘束して隣接翼を互いに連結してな
    る蒸気タービン動翼において、それぞれの連結部材の内
    周面に翼面と近接して翼面に略平行に延びるフェンスを
    設け、翼面とフェンス間に通路を形成し、翼面に付着し
    た水分が該通路に導かれた後、動翼外部へ排出されるよ
    うにするとともに、動翼の背側入口部に略半径方向外周
    部に向かって延びる複数本の溝を設け、動翼の背側入口
    部に付着した水分が該溝によって速やかに動翼外周部へ
    排出されるようにし、水分が連結部材内周部に極力到達
    しないようにしたことを特徴とする蒸気タービン動翼。
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