JP6730853B2 - 蒸気タービン - Google Patents

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Description

本開示は、蒸気タービンに関する。
蒸気タービンの動翼の先端部にはシュラウドが設けられる場合がある。特許文献1には、シュラウドの外側の隙間(シュラウドに対向するシュラウド対向壁面とシュラウドとの隙間)へ流入する蒸気の漏れ流れの量を低減することを目的としたシュラウド形状が開示されている。特許文献1に記載のシュラウドは、動翼のテノン部によって連結された内部カバーと外部カバーとによって構成されており、内部カバーと外部カバーとの間には、蒸気流入方向に向けて開口した断面コの字状の逃がし溝が形成されている。この逃がし溝によって、漏れ蒸気流れを渦流化し、その渦流より先への蒸気流入の抑制を図っている。
実開昭58‐13041号公報
ところで、多段式の蒸気タービンの場合、シュラウドの外側の隙間に流入した漏れ流れは、当該隙間を通過後に、最終段の場合を除き次の段落の静翼へ流入することとなる。
本願発明者の知見によれば、多段式の蒸気タービンにおいて、シュラウドの外側の隙間に流入した漏れ流れFは、図5に示すように、当該隙間を通過した後(次の段落の静翼へ流入する際)に渦等の乱れを生じやすく、かかる流れの乱れが蒸気タービンの効率向上を妨げる要因となる。
この点、特許文献1には、シュラウドの外側の隙間への蒸気の漏れ流れの流入を抑制するための構成が開示されているに過ぎず、当該隙間を通過した直後にその漏れ流れに生じる上述の流れの乱れを抑制するための構成については開示されていない。
本発明は、上述したような従来の課題に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、シュラウドの外側の隙間に流入した漏れ流れに関し、当該隙間を通過後に生じる乱れを抑制し、高効率な蒸気タービンを提供することである。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る蒸気タービンは、動翼と、前記動翼の先端部に設けられたシュラウドと、前記シュラウドに対向するように径方向において前記シュラウドの外側に設けられたシュラウド対向壁面と、軸方向において前記動翼の下流側に隣接する静翼と、前記径方向において前記第1静翼支持壁面よりも外側に設けられ、前記径方向において前記静翼を外側から支持するとともに前記静翼の前記外側の流路壁面を形成する静翼支持壁面と、を備え、前記シュラウド対向壁面は、下流側に向かうにつれて前記蒸気タービンの回転軸線との距離が大きくなるように傾斜する傾斜面を含む。
上記(1)に記載の蒸気タービンによれば、シュラウドとシュラウド対向壁面との隙間に流入した漏れ流れを、傾斜面に沿って下流側に向かうにつれて径方向外側へと流し、静翼にスムーズに導くことができる。このため、上記漏れ流れが静翼へ流入する際に渦等の乱れが生じにくく、高効率な蒸気タービンを実現することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の蒸気タービンにおいて、前記傾斜面の少なくとも一部は、前記軸方向において前記動翼の前縁位置より下流側に形成される。
上記(2)に記載の蒸気タービンによれば、上記漏れ流れを静翼へスムーズに導く効果を高めて、高効率な蒸気タービンを実現することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)に記載の蒸気タービンにおいて、前記傾斜面の少なくとも一部は、前記軸方向において前記動翼の後縁位置を含む範囲に形成される。
上記(3)に記載の蒸気タービンによれば、上記漏れ流れを傾斜面に沿って静翼へスムーズに導く効果を高めて、高効率な蒸気タービンを実現することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れか1項に記載の蒸気タービンにおいて、前記シュラウドの外周面に対して径方向に突出する、周方向に間隔をあけて設けられた複数の突出部を備え、前記傾斜面の少なくとも一部は、前記軸方向において前記突出部の上流側に設けられる。
上記(4)に記載の蒸気タービンによれば、突出部(テノン部)とシュラウド対向壁面との間隔を小さくしても、上記漏れ流れを突出部の上流側で傾斜面に沿って径方向における外側に流すことにより、突出部に対する湿り蒸気中の液滴の衝突量の増大を抑制することができる。これにより、上記漏れ流れに起因する損失を低減しつつ、上記液滴の衝突に起因する突出部のエロージョンを抑制することができる。したがって、高効率かつ信頼性の高い蒸気タービンを実現することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)に記載の蒸気タービンにおいて、前記動翼は、前記シュラウドを径方向に貫通する突起部を有し、前記突起部は、前記シュラウドにかしめ固定されており、前記突出部は、前記突起部のうち前記シュラウドの外周面に対して径方向に突出する部分である。
上記(5)に記載の蒸気タービンでは、上記突出部のエロージョンを抑制することで、かしめ固定によるシュラウドと動翼との接合状態を安定させることができる。これにより、高効率かつ信頼性の高い蒸気タービンを実現することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(4)又は(5)に記載の蒸気タービンにおいて、前記回転軸線に沿った断面において、前記シュラウド対向壁面は、前記軸方向に対する角度が互いに異なる2つ以上の直線状部を有し、前記回転軸線に沿った断面において、前記傾斜面は、前記2つ以上の直線形状部のうち少なくとも1つの直線状部を有する。
上記(6)に記載の蒸気タービンによれば、上記2つ以上の直線状部の各々について、軸方向に対する角度を適切に設定することにより、突出部とシュラウド対向壁面とが接触するリスクを低減しつつ、傾斜面の直線状部に沿って上記漏れ流れを静翼へスムーズに導いて蒸気タービンの高効率化を実現することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)に記載の蒸気タービンにおいて、前記2つ以上の直線状部は、前記シュラウド対向壁面の最下流位置に前記軸方向に平行に設けられた直線状部を有する。
上記(7)に記載の蒸気タービンによれば、第1静翼支持壁面と静翼支持壁面との径方向の高さの差が小さい場合において、突出部とシュラウド対向壁面との隙間を小さくして上記漏れ流れに起因する損失を低減しつつ、突出部のエロージョンに起因する動翼の破損リスクの増大を抑制することができる。これにより、高効率かつ信頼性の高い蒸気タービンを実現することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(4)乃至(7)の何れか1項に記載の蒸気タービンにおいて、前記回転軸線に沿った断面において、前記傾斜面は、少なくとも一つの曲線形状部を有している。
上記(8)に記載の蒸気タービンによれば、上記曲線形状部の曲率を適切に設定することにより、突出部とシュラウド対向壁面とが接触するリスクを低減しつつ、上記漏れ流れを傾斜面の曲面形状部に沿って静翼へスムーズに導いて蒸気タービンの高効率化を実現することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(4)乃至(8)の何れか1項に記載の上記タービンにおいて、前記シュラウドの外周面の上流側端部には切欠き形状部が設けられており、前記シュラウド対向壁面には、前記切欠き形状部に向けて突出するフィンが設けられている。
上記(9)に記載の蒸気タービンによれば、フィンとシュラウドの切欠き形状部との間を通過した漏れ流れは、突出部の上流側にて径方向における外側へ向けて流れるため、突出部への液滴(ドレン)の衝突が抑制される。このため、フィンによって漏れ流れの量を低減して蒸気タービンの高効率化を実現するとともに、突出部のエロージョンに起因する動翼の破損リスクの増大を抑制することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れか1項に記載の蒸気タービンにおいて、前記回転軸線に沿った断面において、前記シュラウド対向壁面と前記静翼支持壁面との間には、ドレンを回収するためのドレン回収口が形成されており、前記傾斜面は、前記ドレン回収口に接続された凸曲線形状部を有する。
上記(10)に記載の蒸気タービンによれば、シュラウド対向壁面に付着したドレンを、表面張力を利用して凸曲線形状部に沿ってスムーズにドレン回収口に導くことができる。すなわち、凸曲線形状部に沿ってドレン回収口へドレンのスムーズな液脈(液層)流れを生じさせることができる。これにより、漏れ流れの気液分離が行われるため、漏れ流れ中のドレンが静翼に流入することを抑制し、湿り損失を低減することができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(10)の何れか1項に記載の蒸気タービンにおいて、前記回転軸線に沿った断面において、前記静翼支持壁面と前記軸方向とのなす角度は20°以下である。
上記(11)に記載の蒸気タービンによれば、静翼支持壁面と軸方向とのなす角度を小さくすることによって静翼の二次流れを抑制するとともに、上記漏れ流れによって静翼支持壁面からの流れの剥離を抑制することができる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(11)の何れか1項に記載のターボチャージャにおいて、前記回転軸線に沿った断面において、前記傾斜面と前記軸方向とのなす角度は、前記静翼支持壁面と前記軸方向とのなす角度より小さい。
上記(12)に記載の蒸気タービンによれば、傾斜面に沿って流れる上記漏れ流れによって静翼支持壁面からの流れの剥離を効果的に抑制することができる。なお、傾斜面と軸方向とのなす角度が軸方向位置によって変化する場合には、例えば軸方向における動翼の後縁位置での傾斜面と軸方向のなす角度が、軸方向における前記静翼の前縁位置での静翼支持壁面と軸方向とのなす角度より大きくすることが望ましい。
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、シュラウドの外側の隙間に流入した漏れ流れに関し、当該隙間を通過後に生じる乱れを抑制し、高効率な蒸気タービンが提供される。
一実施形態に係る蒸気タービン100の回転軸線に沿った概略断面図である。 図1に示した蒸気タービン100のX部の構成例X1を模式的に示す概略断面図である。 X部の構成例X1における動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。 X部の比較例XAにおける動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。 X部の比較例XAにおける動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。 X部の比較例XBにおける動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。 X部の比較例XBにおける動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。 X部の構成例X2における動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。 X部の構成例X2における動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。 X部の構成例X3における動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。 X部の構成例X3における動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。 X部の構成例X4における動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。 X部の構成例X4における動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。 X部の構成例X5における動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。 X部の構成例X5における動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。 X部の構成例X6における動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。 X部の構成例X6における動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。 X部の構成例X7における動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。 X部の構成例X7における動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。 X部の構成例X8における動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。 X部の構成例X8における動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、一実施形態に係る蒸気タービン100の回転軸線に沿った概略断面図である。以下、蒸気タービン100の軸方向を単に「軸方向」といい、蒸気タービン100の径方向を単に「径方向」という。
図1に示すように、蒸気タービン100は、タービンシャフト2と、タービンシャフト2の外周面に固定された動翼群4と、タービンシャフト2及び動翼群4を収容するケーシング6と、ケーシング6の内側に保持された静翼群8とを備える。
動翼群4は、複数段の動翼列10を含み、動翼列10の各々は、タービンシャフト2の周方向に配列された複数の動翼12と、複数の動翼12の先端部(径方向における外側端部)を連結する環状のシュラウド14とを有する。
静翼群8は、複数段の静翼列16を含み、静翼列16の各々は、タービンシャフト2の周方向に配列された複数の静翼18と、ケーシング6に固定されるとともに複数の静翼18の基端部を連結する外輪20と、複数の静翼18の先端部(径方向における内側端部)を連結する内輪22とを有する。
静翼列16と動翼列10とは軸方向に交互に配置されており、静翼列16と軸方向において該静翼列16の下流側に隣接する動翼列10とがタービン段落を構成する。
図2は、図1に示した蒸気タービン100のX部の構成例X1を模式的に示す概略断面図である。図3は、X部の構成例X1における動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。図4及び図5は、X部の比較例XAにおける動翼12の先端部付近を示す部分拡大図である。
図2に示すように、蒸気タービン100は、軸方向において動翼12の上流側に隣接する第1静翼18Aと、軸方向において動翼12の下流側に隣接する第2静翼18Bとを含む。また、図2に示すように、蒸気タービン100には、径方向において第1静翼18Aを外側から支持するとともに径方向において第1静翼18Aの外側の流路壁面60(蒸気流路の壁面)を形成する第1静翼支持壁面24と、シュラウド14に対向するように径方向においてシュラウド14の外側に設けられたシュラウド対向壁面26と、径方向において第1静翼支持壁面24よりも外側に設けられ、径方向において第2静翼18Bを外側から支持するとともに径方向において第2静翼18Bの外側の流路壁面62(蒸気流路の壁面)を形成する第2静翼支持壁面28と、を含む。図示する形態では、第2静翼支持壁面28は、径方向においてシュラウド14よりも外側に設けられており、第1静翼支持壁面24とシュラウド対向壁面26とは径方向に延在する段差面30によって接続されている。幾つかの実施形態では、第1静翼支持壁面24、シュラウド対向壁面26、及び第2静翼支持壁面28は、上述した外輪20の内周面によって形成される。
幾つかの実施形態では、例えば図2に示すように、シュラウド対向壁面26は、下流側に向かうにつれて動翼12の回転軸線(タービンシャフト2の回転軸線)との距離Rが大きくなるように傾斜する傾斜面32を含む。かかる構成によれば、例えば図3に示すように、シュラウド14とシュラウド対向壁面26との隙間34に流入した漏れ流れF(チップリーク)は、傾斜面32に沿って下流側に向かうにつれて径方向外側へと流れ、第2静翼18Bにスムーズに導かれる。このため、第2静翼18Bへ流入する際に渦等の乱れを生じにくく、高効率な蒸気タービン100を実現することができる。
なお、上記漏れ流れFを隙間34から第2静翼18Bへスムーズに導く効果を高めるためには、傾斜面32の少なくとも一部は、軸方向において動翼12の前縁位置PLEより下流側に形成されていることが好ましく、軸方向において動翼12の後縁位置PTLを含む範囲に形成されていることがより好ましい。図示する形態では、傾斜面32は、軸方向において前縁位置PLEより上流側から後縁位置PTLより下流側に亘って形成されている。
一方、図4に示した比較例では、シュラウド対向壁面26が軸方向に平行な壁面のみによって形成されている。かかる構成では、図5に示すように、シュラウド14とシュラウド対向壁面26との隙間34に流入した漏れ流れFは、第2静翼18Bへ流入する際に渦等の乱れを生じて損失が大きくなり、蒸気タービンの効率低下を招いてしまう。
幾つかの実施形態では、例えば図2に示すように、蒸気タービン100には、シュラウド14の外周面15に対して径方向に突出する、周方向に間隔をあけて設けられた複数の突出部36(周方向に断続的な複数の突出部)が設けられている。傾斜面32の少なくとも一部は、軸方向において突出部36(テノン部)の上流側に設けられる。
かかる構成によれば、図4及び図5に示す形態と比較して、突出部36とシュラウド対向壁面26との間隔を小さくしても、上記漏れ流れFを突出部36の上流側で傾斜面32に沿って径方向における外側に流すことにより、突出部36に対する湿り蒸気中の液滴(ドレン)の衝突量の増大を抑制することができる。これにより、上記漏れ流れFに起因する損失を低減しつつ、上記液滴の衝突に起因する突出部36のエロージョンを抑制することができる。したがって、高効率かつ信頼性の高い蒸気タービン100を実現することができる。なお、突出部36への液滴の衝突量の増大を抑制する効果を高めるためには、傾斜面32は、軸方向において突出部36より上流側から突出部36より下流側に亘って形成されていることが望ましい。
幾つかの実施形態では、例えば図2に示す形態において、動翼12は、シュラウド14を径方向に貫通する突起部37を有し、突起部37はシュラウド14にかしめ固定されており、突出部36は、突起部37のうちシュラウド14の外周面15に対して径方向に突出する部分である。
かかる構成によれば、上記突出部36のエロージョンを抑制することで、かしめ固定によるシュラウド14と動翼12との接合状態を安定させることができる。これにより、高効率かつ信頼性の高い蒸気タービンを実現することができる。
他の実施形態では、動翼12とシュラウド14とは、突出部36とともに鋳造等により一体的に形成されていてもよい。
なお、漏れ流れFに起因する損失を低減するための構成として、図6に示すように、シュラウド対向壁面26からシュラウド14に向かって突出するフィン40を有する比較形態も考えられる。この場合、何も工夫しなければ、図7に示すように、湿り蒸気中の液滴Drがフィン40の上流側に集積し、フィン40の下端とシュラウド14との隙間から当該液滴Drが噴出して突出部36に衝突する。このため、図6及び図7に示す構成では、隙間34の上記漏れ流れに起因する損失をフィン40によって低減できても、突出部36にエロージョンが生じて動翼12の破損リスクが高くなってしまう。これに対し、図2及び図3に示した形態では、上述したように、漏れ流れFに起因する損失の低減と突出部36のエロージョンの抑制とを両立することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図8に示すように、動翼12の回転軸線に沿った断面において、第2静翼支持壁面28と軸方向とのなす角度θ1は20°以下である。かかる構成によれば、角度θ1を小さくすることによって第2静翼18Bの二次流れを抑制するとともに、図9に示すように傾斜面32に沿った漏れ流れFによって第2静翼支持壁面28からの流れの剥離を抑制することができる。なお、漏れ流れFによって第2静翼支持壁面28からの流れの剥離を抑制する観点から、例えば図8に示すように、傾斜面32と軸方向とのなす角度θ2は、第2静翼支持壁面28と軸方向とのなす角度θ1より大きくすることが好ましい。
幾つかの実施形態では、例えば図10に示すように、動翼12の回転軸線に沿った断面において、シュラウド対向壁面26は、軸方向に対する角度が互いに異なる2つ以上の直線状部38を含み、傾斜面32は、当該2つ以上の直線状部38のうち少なくとも1つの直線状部38Aを有する。図示する例示的形態では、シュラウド対向壁面26は、軸方向において突出部36より上流側に設けられた軸方向に平行な直線状部38Bと、軸方向において突出部36より上流側から突出部36より下流側に亘って設けられた直線状部38A(傾斜面32)とを有する。
かかる構成によれば、図11に示すように、上記2つ以上の直線状部38の各々について、軸方向に対する角度を適切に設定することにより、突出部36とシュラウド対向壁面26とが接触するリスクを低減しつつ、直線状部38A(傾斜面32)に沿って上記漏れ流れFを第2静翼18Bへスムーズに導いて蒸気タービン100の高効率化を実現することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図12に示すように、動翼12の回転軸線に沿った断面において、傾斜面32は、少なくとも一つの曲線形状部42を有している。図示する例示的形態では、曲線形状部42は、軸方向において突出部36より上流側から突出部36より下流側に亘って設けられた凸曲線形状を有する。
かかる構成によれば、図13に示すように、上記曲線形状部42の曲率を適切に設定することにより、突出部36とシュラウド対向壁面26とが接触するリスクを低減しつつ、上記漏れ流れFを隙間34から第2静翼18Bへスムーズに導いて蒸気タービン100の高効率化を実現することができる。
幾つかの実施形態では、例えば図14に示すように、動翼12の回転軸線に沿った断面において、シュラウド対向壁面26は、軸方向に対する角度が互いに異なる2つ以上の直線状部38を含み、当該2つ以上の直線状部38は、シュラウド対向壁面26の最下流位置(出口位置)に軸方向に平行に設けられた直線状部38Cを有する。図示する例示的形態では、シュラウド対向壁面26は、軸方向において突出部36より上流側から突出部36の位置まで設けられた直線状部38Dと、軸方向において突出部36の位置からシュラウド対向壁面26の最下流位置に亘って軸方向に平行に設けられた直線状部38Cとを有する。
かかる構成によれば、第1静翼支持壁面24と第2静翼支持壁面28との径方向の高さの差ΔHが小さい場合において、図15に示すように、シュラウド14とシュラウド対向壁面との隙間34を小さくして漏れ流れFに起因する損失を低減しつつ、突出部36のエロージョンに起因する動翼12の破損リスクの増大を抑制することができる。これにより、高効率かつ信頼性の高い蒸気タービン100を実現することができる。
一実施形態では、図16に示すように、シュラウド14の外周面46の上流側端部48には切欠き形状部50が設けられており、シュラウド対向壁面26には、切欠き形状部50に向けて突出するフィン52が設けられている。図示する形態では、切欠き形状部50はシュラウド14の外周面46の上流側端部48に段差面54によって形成されており、切欠き形状部50の切欠き空間52内にフィン52の先端が段差面54に沿って侵入している。
かかる構成によれば、フィン52とシュラウド14の切欠き形状部50との間を通過した漏れ流れFは、図17に示すように、突出部36の上流側にて径方向における外側へ向けて流れるため、図6及び図7に示した比較形態と比較して、突出部36への液滴の衝突が抑制される。このため、フィン52によって漏れ流れFの量を低減して蒸気タービン100の高効率化を実現するとともに、突出部36のエロージョンに起因する動翼12の破損リスクの増大を抑制することができる。
なお、切欠き形状部50は、図16及び図17に示した段差面54に限らず、例えば図18に示すように、軸方向において下流側に向かうにつれて動翼12の回転軸線との距離Rが大きくなるように傾斜した傾斜面56によって形成されていてもよい。かかる構成においても、フィン52とシュラウド14の切欠き形状部50との間を通過した漏れ流れFは、図19に示すように、突出部36の上流側にて径方向における外側へ向けて流れるため、図6及び図7に示した比較形態と比較して、突出部36への液滴の衝突が抑制される。このため、フィン52によって漏れ流れFの量を低減して蒸気タービン100の高効率化を実現するとともに、突出部36のエロージョンに起因する動翼12の破損リスクの増大を抑制することができる。
一実施形態では、図20に示すように、動翼12の回転軸線に沿った断面において、シュラウド対向壁面26と第2静翼支持壁面28との間には、ドレンを回収するためのドレン回収口44が形成されており、傾斜面32は、ドレン回収口44に接続するよう形成された凸曲線形状部58を有する。
かかる構成によれば、図21に示すように、シュラウド対向壁面26に付着したドレンDrを、表面張力を利用して曲線形状部42に沿ってスムーズにドレン回収口44に導くことができる。すなわち、曲線形状部42に沿ってドレン回収口44へドレンDrのスムーズな液脈(液層)流れを生じさせることができる。これにより、漏れ流れFの気液分離が行われるため、漏れ流れF中のドレンDrが第2静翼18Bに流入することを抑制し、湿り損失を低減することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
2 タービンシャフト
4 動翼群
6 ケーシング
8 静翼群
10 動翼列
12 動翼
14 シュラウド
15 外周面
16 静翼列
18 静翼
18A 第1静翼
18B 第2静翼
20 外輪
22 内輪
24 第1静翼支持壁面
26 シュラウド対向壁面
28 第2静翼支持壁面
30 段差面
32 傾斜面
34 隙間
36 突出部
37 突起部
38,38A,38B,38C,38D 直線状部
40 フィン
42 曲線形状部
44 ドレン回収口
46 外周面
48 上流側端部
50 形状部
52 フィン
54 段差面
56 傾斜面
58 凸曲線形状部
60 流路壁面
62 流路壁面
100 蒸気タービン
Dr 液滴(ドレン)
漏れ流れ
LE 前縁位置
TL 後縁位置
R 距離

Claims (11)

  1. 動翼と、
    前記動翼の先端部に設けられたシュラウドと、
    前記シュラウドの外周面に対して径方向に突出する、周方向に間隔をあけて設けられた複数の突出部と、
    前記シュラウドに対向するように径方向において前記シュラウドの外側に設けられたシュラウド対向壁面と、
    軸方向において前記動翼の下流側に隣接する静翼と、
    前記径方向において前記シュラウドよりも外側に設けられ、前記径方向において前記静翼を外側から支持するとともに前記静翼の前記外側の流路壁面を形成する静翼支持壁面と、
    を備え、
    前記シュラウド対向壁面は、下流側に向かうにつれて前記動翼の回転軸線との距離が大きくなるように傾斜する傾斜面を含
    前記動翼は、前記シュラウドを径方向に貫通する突起部を有し、
    前記突起部は、前記シュラウドにかしめ固定されており、
    前記突出部は、前記突起部のうち前記シュラウドの外周面に対して径方向に突出する部分であり、前記突出部以外に前記シュラウドから前記シュラウド対向面に向かって突出するものがない、蒸気タービン。
  2. 前記傾斜面の少なくとも一部は、前記軸方向において前記動翼の前縁位置より下流側に形成された、請求項1に記載の蒸気タービン。
  3. 前記傾斜面の少なくとも一部は、前記軸方向において前記動翼の後縁位置を含む範囲に形成された、請求項2に記載の蒸気タービン。
  4. 記傾斜面の少なくとも一部は、前記軸方向において前記突出部の上流側に設けられた、請求項1乃至3の何れか1項に記載の蒸気タービン。
  5. 前記回転軸線に沿った断面において、前記シュラウド対向壁面は、前記軸方向に対する角度が互いに異なる2つ以上の直線状部を有し、
    前記回転軸線に沿った断面において、前記傾斜面は、前記2つ以上の直線形状部のうち少なくとも1つの直線状部を有する、請求項4に記載の蒸気タービン。
  6. 前記回転軸線に沿った断面において、前記2つ以上の直線状部は、前記シュラウド対向壁面の最下流位置に前記軸方向に平行に設けられた直線状部を有する、請求項に記載の蒸気タービン。
  7. 前記回転軸線に沿った断面において、前記傾斜面は、少なくとも一つの曲線形状部を有している、請求項4乃至の何れか1項に記載の蒸気タービン。
  8. 前記シュラウドの外周面の上流側端部には切欠き形状部が設けられており、
    前記シュラウド対向壁面には、前記切欠き形状部に向けて突出するフィンが設けられている、請求項4乃至の何れか1項に記載の蒸気タービン。
  9. 前記回転軸線に沿った断面において、前記シュラウド対向壁面と前記静翼支持壁面との間には、ドレンを回収するためのドレン回収口が形成されており、
    前記傾斜面は、前記ドレン回収口に接続された凸曲線形状部を有する請求項1乃至の何れか1項に記載の蒸気タービン。
  10. 前記回転軸線に沿った断面において、前記静翼支持壁面と前記軸方向とのなす角度は20°以下である、請求項1乃至の何れか1項に記載の蒸気タービン。
  11. 前記回転軸線に沿った断面において、前記傾斜面と前記軸方向とのなす角度は、前記静翼支持壁面と前記軸方向とのなす角度より大きい、請求項1乃至10の何れか1項に記載の蒸気タービン。
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