JP2018141450A - タービン及びガスタービン - Google Patents

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Daigo Fujimura
大悟 藤村
檜山 貴志
Takashi Hiyama
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Abstract

【課題】ディフューザの排気性能を向上させてガスタービン全体の効率向上を図ることができるタービン及びガスタービンを提供する。
【解決手段】タービンは、タービンロータ21と、タービンケーシングと、タービン動翼24と、タービン静翼と、ディフューザ4と、を備えている。ディフューザ4は、軸線に沿って延びる内筒41と、内筒41を外周側から覆うとともに、内筒41との間に排気流路Cを形成する外筒と、を備えている。内筒41は、軸線方向の一方側から他方側に向かうに従って軸線を中心とする径方向の内側から外側に延びる傾斜面51を備えている。傾斜面51は、軸線を含む断面視で、複数のタービン動翼24のプラットフォーム54を軸線方向の他方側に延長した延長線55と交差するように配置されている。
【選択図】図3

Description

この発明は、タービン及びガスタービンに関する。
一般に、ガスタービンは、圧縮機と、燃焼器と、タービンと、を備えている。圧縮機は、外気を圧縮して高圧空気を生成し、燃焼器は、この圧縮機によって生成された高圧空気と燃料とを混合燃焼させることで高温高圧の燃焼ガスを生成する。タービンは、この燃焼器により生成された燃焼ガスによって駆動される。
タービンの下流側には、内筒と外筒とストラットとを有したディフューザが設けられている(例えば、特許文献1参照)。内筒は、ディフューザの内周側に配置されており、外筒は、この内筒を外周側から覆うことで内筒との間に排気流路を形成している。ストラットは、周方向に間隔をあけて複数設けられ、それぞれ内筒の外周面からタービンの径方向に延びている。これらストラットを介して、内筒及び外筒が接続されている。
ディフューザの排気流路は、燃焼ガスの流れる方向の上流から下流に向かうにしたがって次第に流路面積が拡大するように形成されている。タービンを駆動した燃焼ガス(排気ガス)は、このように形成された排気流路を通過することで静圧回復される。
上記ディフューザの性能向上は、ガスタービンの圧力比を実質的に増加させる。そのため、ディフューザの性能向上によってガスタービン全体の効率向上を図ることができる。
特許第3999803号公報
ディフューザにおいて、排気流路を形成する内筒の外周面に境界層が形成される。ディフューザ流れは、逆圧力勾配であるため、境界層流れにおいて運動量が低下し易い。そのため、局所的な運動量欠損による剥離領域が生じると、流れの下流に向けて剥離が進展して大規模化する可能性がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ディフューザの排気性能を向上させてガスタービン全体の効率向上を図ることができるタービン及びガスタービンを提供するものである。
上記の課題を解決するために以下の構成を採用する。
この発明の第一態様によれば、タービンは、軸線に沿って延びるとともに前記軸線回りに回転可能なタービンロータと、前記タービンロータを外周側から覆うタービンケーシングと、前記タービンロータの外周面上で前記軸線の周方向に配列された複数のタービン動翼と、前記タービンケーシングの内周面上で前記タービン動翼に対して前記軸線方向の一方側に隣り合うように設けられるとともに、周方向に配列された複数のタービン静翼と、前記タービン動翼の軸線方向の他方側に設けられ、軸線方向の一方側から他方側に向かって排気ガスが流れる排気流路を形成するディフューザと、を備え、前記ディフューザは、前記軸線に沿って延びる内筒と、前記内筒を外周側から覆うとともに、前記内筒との間に前記排気流路を形成する外筒と、を備え、前記内筒は、前記軸線方向の一方側から他方側に向かうに従って前記軸線を中心とする径方向の内側から外側に延びる傾斜面を備え、前記傾斜面は、前記軸線を含む断面視で、前記複数のタービン動翼のプラットフォームを前記軸線方向の他方側に延長した延長線と交差するように配置されている。
ディフューザの内筒の外周面に沿って形成される境界層は、軸線方向で最も下流側に配置されるタービン動翼の位置からプラットフォーム及び内筒の外周面に沿ってディフューザの下流側に向かって徐々に発達する場合がある。しかし、プラットフォームの延長線上に傾斜面が形成されていることで、境界層流れが傾斜面に衝突する。そのため、境界層の発達を抑制して、内筒の外周面から流れが剥離することを抑制できる。したがって、ディフューザの排気性能を向上させてガスタービン全体の効率向上を図ることができる。
この発明の第二態様によれば、第一態様に係る内筒は、前記軸線方向の最も一方側に前記傾斜面を備えていてもよい。
このように構成することで、ディフューザの入口において内筒に沿う境界層流れの速度を上昇させて、境界層が発達することを抑制できるため、ディフューザの全域で、内筒に沿う境界層の発達を抑制できる。
この発明の第三態様によれば、第一又は第二態様に係るタービンにおいて、前記内筒と、前記プラットフォームとの間には、前記排気流路へシールガスを流入させるためのシールガス流入口を備えていてもよい。
このように構成することで、ディフューザの入口においてシールガスが流入する場合であっても、内筒の外周面近傍の境界層流れの速度が低下することを傾斜面によって抑制できる。そのため、シールガスの流入によって境界層が発達し易い条件下にあっても、内筒に沿って境界層が発達して境界層の流れが剥離してしまうことを抑制できる。
この発明の第四態様によれば、第一から第三態様の何れか一つの態様に係る内筒は、前記傾斜面よりも前記軸線方向の他方側の外周面が、前記延長線よりも前記径方向の外側に配置されていてもよい。
このように延長線よりも径方向外側に内筒の外周面が配置されることで、延長線上に内筒の外周面が配置される場合よりも、内筒側の全圧を高めて、境界層の厚さを低減することができる。したがって、境界層の流れが剥離することをより一層低減できる。
この発明の第五態様によれば、ガスタービンは、空気を圧縮した圧縮空気を生成する圧縮機と、前記圧縮空気に燃料を混合させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、前記燃焼ガスにより駆動される第一から第四態様の何れか一つの態様に係るタービンとを備える。
このように構成することで、タービンのディフューザにおける圧力回復を効率よく行うことができるため、性能向上を図ることができる。
上記タービン及びガスタービンによれば、ディフューザの排気性能を向上させてガスタービン全体の効率向上を図ることができる。
この実施形態のガスタービンの概略構成を示す構成図である。 この発明の実施形態におけるディフューザの軸線に沿う断面図である。 この発明の実施形態におけるディフューザ入口を拡大した概略図である。
次に、この発明の実施形態におけるタービン及びガスタービンを図面に基づき説明する。
図1は、この実施形態のガスタービンの概略構成を示す構成図である。
図1に示すように、この実施形態に係るガスタービン100は、圧縮機1と、燃焼器3と、タービン2と、を備えている。
圧縮機1は、高圧空気を生成する。圧縮機1は、圧縮機ロータ11と、圧縮機ケーシング12と、を備えている。圧縮機ケーシング12は、圧縮機ロータ11を外周側から覆っており、軸線Amに沿って延びている。
圧縮機ロータ11の外周面には、軸線Am方向に間隔をあけて配列された複数の圧縮機動翼段13が設けられている。これら圧縮機動翼段13は、複数の圧縮機動翼14をそれぞれ備えている。各圧縮機動翼段13の圧縮機動翼14は、圧縮機ロータ11の外周面上で軸線Amの周方向に間隔をあけて配列されている。
圧縮機ケーシング12の内周面には、軸線Am方向に間隔をあけて配列された複数の圧縮機静翼段15が設けられている。これら圧縮機静翼段15は、軸線Am方向で上記圧縮機動翼段13と交互に配置されている。これら圧縮機静翼段15は、複数の圧縮機静翼16をそれぞれ備えている。各圧縮機静翼段15の圧縮機静翼16は、圧縮機ケーシング12の内周面上で軸線Amの周方向に間隔をあけて配列されている。
燃焼器3は、圧縮機1で生成された高圧空気に燃料を混合して燃焼させることで燃焼ガスを生成する。燃焼器3は、圧縮機ケーシング12とタービン2のタービンケーシング22との間に設けられている。この燃焼器3によって生成された燃焼ガスは、タービン2に供給される。
タービン2は、燃焼器3で生成された燃焼ガスによって駆動する。このタービン2は、タービンロータ21と、タービンケーシング22と、ディフューザ4と、を有している。
タービンロータ21は、軸線Amに沿って延びている。このタービンロータ21の外周面には、軸線Am方向に間隔をあけて配列された複数のタービン動翼段23が設けられている。これらタービン動翼段23は、複数のタービン動翼24をそれぞれ備えている。各タービン動翼段23のタービン動翼24は、タービンロータ21の外周面上で軸線Amの周方向に間隔をあけて配列されている。
タービンケーシング22は、タービンロータ21を外周側から覆っている。このタービンケーシング22の内周面には、軸線Am方向に間隔をあけて配列された複数のタービン静翼段25が設けられている。タービン静翼段25は、軸線Am方向で上記タービン動翼段23と交互に配置されている。これらタービン静翼段25は、複数のタービン静翼26をそれぞれ備えている。各タービン静翼段25のタービン静翼26は、タービンケーシング22の内周面上で軸線Amの周方向に間隔をあけて配列されている。
圧縮機ロータ11とタービンロータ21とは、軸線Am方向に一体に接続されている。これら圧縮機ロータ11とタービンロータ21とによって、ガスタービンロータ91が構成されている。同様に、圧縮機ケーシング12とタービンケーシング22とは、軸線Amに沿って一体に接続されている。これら圧縮機ケーシング12とタービンケーシング22とによってガスタービンケーシング92が構成されている。
ガスタービンロータ91は、ガスタービンケーシング92の内部で軸線Am回りに一体に回転可能とされている。
ガスタービン100を運転するに当たっては、まず外部の駆動源によって圧縮機ロータ11(ガスタービンロータ91)を回転駆動する。圧縮機ロータ11の回転に伴って外部の空気が順次圧縮され、高圧空気が生成される。この高圧空気は、圧縮機ケーシング12を通じて燃焼器3内に供給される。燃焼器3内では、燃料がこの高圧空気に混合されて燃焼し、高温高圧の燃焼ガスが生成される。燃焼ガスはタービンケーシング22を通じてタービン2内に供給される。タービン2内では、タービン動翼段23、及びタービン静翼段25に燃焼ガスが順次衝突することで、タービンロータ21(ガスタービンロータ91)に対して回転駆動力が与えられる。この回転エネルギーは、例えば、軸端に連結された発電機G等の駆動に利用される。タービン2を駆動した燃焼ガスは、排気ガスとしてディフューザ4を通過する際に圧力(静圧)が高められた後、外部に排出される。
図2は、この発明の実施形態におけるディフューザの軸線に沿う断面図である。
図1、図2に示すように、ディフューザ4は、タービンケーシング22(ガスタービンケーシング92)に一体に設けられている。このディフューザ4は、内筒41と、外筒42と、ストラット43,44と、を備えている。
内筒41は、軸線Amに沿って延びる筒状に形成されている。この内筒41の内側には、ガスタービンロータ91の軸端部91Aを回転可能に支持する軸受装置等が設けられている。
外筒42は、内筒41を外周側から覆う筒状に形成されている。外筒42は、内筒41との間に、タービン2から排出された排気ガスが流れる排気流路Cを形成している。外筒42と内筒41との間に形成されている排気流路Cの断面積(軸線Amに直交する断面積)は、軸線Am方向一方側(図2の紙面左側)から他方側(図2の紙面右側)に向かって、徐々に拡大している。このように排気流路Cの断面積が次第に拡大することで、排気流路C内を流れる排気ガスの運動エネルギーが、漸次圧力エネルギーに変換(圧力回復)される。
ストラット43,44は、排気流路Cの中に配置され、内筒41と外筒42とを接続している。これらストラット43,44によって内筒41に対して外筒42が固定・支持されている。ストラット43は、複数のタービン動翼段23のうちで軸線Am方向の最も他方側に位置する最終段のタービン動翼段23に対して、軸線Am方向で隣り合うように配置されている。
ストラット44は、ストラット43から軸線Am方向他方側に離間した位置に設けられている。なお、この実施形態におけるストラット43,44は、排気ガスに対する形状抵抗を低減可能な形状となっている。排気ガスに対する形状抵抗を低減可能な形状としては、例えば、排気ガスの流れる方向に長い断面長円形状や、排気ガスの流れる方向に翼弦が延びる翼型を例示できる。
図3は、この発明の実施形態におけるディフューザ入口を拡大した概略図である。
図3に示すように、ガスタービン100は、ディフューザ4の入口に、シールガス流入口50を備えている。このシールガス流入口50は、例えば、圧縮機1により生成した圧縮空気の一部等をシールガスとして、上述したディフューザ4の内筒41と、タービンロータ21との隙間から、排気流路Cの内側に向かって流入させている。
内筒41の外周面41Aは、第一傾斜面(傾斜面)51と第二傾斜面52と、接続面53と、を備えている。
第一傾斜面51は、軸線Am方向の一方側であるタービンロータ21側から他方側であるディフューザ4の出口側に向かうに従って軸線Amを中心とする径方向の内側から外側に向かうように延びている。この図3で示す断面における第一傾斜面51は、タービンロータ21側ほど軸線Amに一定の傾斜角度で近づく傾斜面である場合を例示している。しかし、第一傾斜面51は、一定の傾斜角度に限られない。例えば、図3の断面において、軸線Am方向の一方側から他方側に向かうに従って軸線Amを中心とする径方向の内側から外側に向かう凸曲面状や凹曲面状としても良い。この凸曲面状や凹曲面状の曲率半径は、例えば、軸線Am方向における第一傾斜面51の長さよりも長くすることが好ましい。また、第一傾斜面51は、上記の凸曲面や凹曲面を組み合わせて形成しても良い。
第一傾斜面51は、図3に示す軸線Amを含む断面視で、最も下流側に配置されたタービン動翼段23のタービン動翼24のプラットフォーム54を軸線Am方向の他方側に延長した延長線55(図3中、破線で示す)と交差するように配置されている。言い換えれば、第一傾斜面51の軸線Am方向における一方側の前縁部56aは、延長線55よりも軸線Amを中心とする径方向の内側に配置されている。さらに、第一傾斜面51の軸線Am方向における他方側の後縁部56bは、延長線55よりも軸線Amを中心とする径方向の外側に配置されている。この実施形態における、軸線Amを含む断面における第一傾斜面51と延長線55とのなす角のうち、径方向内側の角の角度θは、鋭角(例えば、15度程度)となっている。なお、第一傾斜面51が曲面である場合には、上記断面における曲面の接線と延長線55とのなす角度θが鋭角となる。
第一傾斜面51は、内筒41において、軸線Am方向の最も一方側に形成されている。この実施形態における第一傾斜面51は、梁部57に形成されている。この梁部57は、シールガス流入口50の軸線Am方向他方側の内壁58から、軸線Am方向一方側に向かって片持ち梁の如く延びている。この実施形態における梁部57は、径方向内側に上記第一傾斜面51と平行な下面59を有している場合を例示している。しかし、下面59は、第一傾斜面51と平行な形状に限られるものではない。
第二傾斜面52は、第一傾斜面51よりも軸線Am方向の他方側に配置されている。この第二傾斜面52は、延長線55よりも径方向の外側に配置されている。
この図3で示す断面における第二傾斜面52は、ディフューザ4の出口に向かうにつれて軸線Amに一定の傾斜角度で近づく傾斜面である場合を例示している。しかし、第二傾斜面52は、第一傾斜面51と同様に、一定の傾斜角度である場合に限られない。例えば、第二傾斜面52は、第一傾斜面51と同様に、図3の断面において、軸線Am方向の一方側から他方側に向かうに従って軸線Amを中心とする径方向の外側から内側に向かう凸曲面状や凹曲面状としても良い。この凸曲面状や凹曲面状の曲率半径は、例えば、軸線Am方向における第二傾斜面52の長さよりも長くすることができる。また、第二傾斜面52は、上記の凸曲面や凹曲面を組み合わせて形成しても良い。
接続面53は、第一傾斜面51と第二傾斜面52とを接続している。より具体的には、接続面53は、第一傾斜面51のうち最も軸線Am方向の他方側に配置された第一頂部61と、第二傾斜面52のうち最も軸線Am方向の一方側に配置された第二頂部62とを接続している。この第一実施形態における第一傾斜面51と接続面53との間、接続面53と第二傾斜面52との間は、それぞれ角が形成されないように曲面状に接続されている場合を例示している。
第一頂部61は、第一傾斜面51のうち最も延長線55から径方向外側に離間している箇所である。同様に第二頂部62は、第二傾斜面52のうち最も延長線55から径方向外側に離間している箇所である。
ここで、第一距離L1及び第二距離L2は、最も下流側のタービン動翼段23を構成するタービン動翼24の翼高さに対して0%よりも大きく10%以下とすることができる。また、第一距離L1と第二距離L2とは、0%よりも大きく5%以下としても良い。さらに、第一距離L1と第二距離L2とは、0%よりも大きく3%以下としても良い。第一距離L1と第二距離L2とは、同一の距離でなくても良い。この実施形態においては、軸線Am方向の同一位置における第一頂部61と延長線55との第一距離L1は、同じく第二頂部62と延長線55との距離である第二距離L2よりも僅かに短くなっている。これにより、接続面53は、軸線Amと平行な面又は軸線Amに平行な面に近似した形状となっている。
図3において、太い実線で示しているのは、軸線Am方向における排気ガスの速度分布である。この速度分布において、プラットフォーム54付近においては、流れがプラットフォーム54に接することで、流速が低下していることを示している。この流速の低下する範囲が径方向外側に増加することが、境界層の発達を意味する。
この図3に示すように、最下流のタービン動翼段23の下流側における排気ガスの主流は、プラットフォーム54に沿って境界層を形成する。ここで、図3においては、プラットフォーム54よりも径方向外側に示す破線Hの位置がプラットフォーム54で形成された境界層の最も径方向外側の位置を意味している。ここで示すプラットフォーム54の境界層の厚さは、一例でありこの厚さに限られない。この境界層は、通常、下流に向かって徐々に発達して、図3中の第二頂部62付近に示す二点鎖線の速度分布のように、流速が低下する。
これに対して、上述した実施形態のタービン2は、第一傾斜面51が延長線55と交差するように配置されている。そのため、境界層流れが第一傾斜面51に衝突し境界層の発達を抑制する。また、傾斜面51よりも軸線Am方向他方側の内筒41の外周面41Aが径方向外側に配置されることにより、主流の全圧が高められる。
そのため、上記第二頂部62付近に示す太線のように、傾斜面51よりも下流側(軸線Am方向の他方側)の流れは、外周面41Aに沿う境界層流れの速度が上昇して、プラットフォーム54の境界層を径方向内側から外側に削り取るような形となる。そのため、ディフューザ4の入口において、境界層の厚さを低減することができる。つまり、ストラット44に向かって境界層が発達することにより、内筒41の外周面41Aから流れが剥離することを抑制できる。
その結果、ディフューザ4の排気性能を向上させてガスタービン100全体の効率向上を図ることができる。
さらに、ディフューザ4は、軸線Am方向の最も一方側に第一傾斜面51を備えている。そのため、ディフューザ4の入口において内筒41に沿う境界層流れの速度を上昇させて、境界層が発達することを抑制できる。その結果、ディフューザの全域で、内筒に沿う境界層の発達を抑制できる。
また、内筒41と、プラットフォーム54との間には、排気流路Cへシールガスを流入させるためのシールガス流入口50が形成されている。このようにシールガス流入口50が形成されていることで、ディフューザ4の入口において主流に対してシールガスが合流する。このようにシールガスが主流に対して合流すると、特に境界層の流速を低下させる場合がある。しかし、この場合であっても、内筒41の外周面41A近傍の境界層流れの速度が低下することを第一傾斜面51によって抑制できる。そのため、シールガスの流入によって境界層が発達し易い条件下にあっても、内筒41に沿って境界層が発達して境界層の流れが剥離してしまうことを抑制できる。
さらに、ガスタービン100が上述した構成のタービン2を備えることで、ディフューザ4における圧力回復を効率よく行うことができる。その結果、ガスタービン100の性能向上を図ることができる。
この発明は上述した実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
例えば、上述した接続面53や第二傾斜面52の延長線55に対する傾斜角度や傾斜向きは一例であってこの構成に限られない。また、接続面53は、必要に応じて設ければ良く、省略しても良い。
1 圧縮機
2 タービン
3 燃焼器
4 ディフューザ
11 圧縮機ロータ
12 圧縮機ケーシング
13 圧縮機動翼段
14 圧縮機動翼
15 圧縮機静翼段
16 圧縮機静翼
21 タービンロータ
22 タービンケーシング
23 タービン動翼段
24 タービン動翼
25 タービン静翼段
26 タービン静翼
30 軸受装置
41 内筒
41A 外周面
42 外筒
43 ストラット
44 ストラット
50 シールガス流入口
51 第一傾斜面
52 第二傾斜面
53 接続面
54 プラットフォーム
55 延長線
56a 前縁部
56b 後縁部
57 梁部
58 内壁
59 下面
61 第一頂部
62 第二頂部
91 ガスタービンロータ
91A 軸端部
92 ガスタービンケーシング
100 ガスタービン
Am 軸線
C 排気流路
G 発電機

Claims (5)

  1. 軸線に沿って延びるとともに前記軸線回りに回転可能なタービンロータと、
    前記タービンロータを外周側から覆うタービンケーシングと、
    前記タービンロータの外周面上で前記軸線の周方向に配列された複数のタービン動翼と、
    前記タービンケーシングの内周面上で前記タービン動翼に対して前記軸線方向の一方側に隣り合うように設けられるとともに、周方向に配列された複数のタービン静翼と、
    前記タービン動翼の軸線方向の他方側に設けられ、軸線方向の一方側から他方側に向かって排気ガスが流れる排気流路を形成するディフューザと、
    を備え、
    前記ディフューザは、
    前記軸線に沿って延びる内筒と、
    前記内筒を外周側から覆うとともに、前記内筒との間に前記排気流路を形成する外筒と、を備え、
    前記内筒は、前記軸線方向の一方側から他方側に向かうに従って前記軸線を中心とする径方向の内側から外側に延びる傾斜面を備え、
    前記傾斜面は、
    前記軸線を含む断面視で、前記複数のタービン動翼のプラットフォームを前記軸線方向の他方側に延長した延長線と交差するように配置されているタービン。
  2. 前記内筒は、
    前記軸線方向の最も一方側に前記傾斜面を備える請求項1に記載のタービン。
  3. 前記内筒と、前記プラットフォームとの間には、前記排気流路へシールガスを流入させるためのシールガス流入口を備える請求項1又は2に記載のタービン。
  4. 前記内筒は、
    前記傾斜面よりも前記軸線方向の他方側の外周面が、前記延長線よりも前記径方向の外側に配置されている請求項1から3の何れか一項に記載のタービン。
  5. 空気を圧縮した圧縮空気を生成する圧縮機と、
    前記圧縮空気に燃料を混合させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、
    前記燃焼ガスにより駆動される請求項1から4の何れか一項に記載のタービンと、
    を備えるガスタービン。
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