JP5984612B2 - 蒸気タービン - Google Patents
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Description
また、特許文献4に開示された技術では、翼内空間に蒸気を導入することで翼を熱し、噴出孔から蒸気を噴出させることで翼周りの湿り度を減じることとしている。
さらに、特許文献5に開示された技術では、翼の後縁部を略鋸歯状とすることで飛散する水滴を微細化し、翼面上のスリットから水脈の一部を吸い込み、外部へ排出させることとしている。
即ち、本発明に係る蒸気タービンは、蒸気の流体圧力によって回転軸を回転させる動翼と、前記回転軸の径方向外側に、該回転軸の周方向に互いに間隔をあけて複数が設けられ、前記動翼への前記蒸気の流れを形成する静翼と、前記周方向に隣り合う前記静翼同士を連結し、これら静翼とともに前記蒸気の流路を画成するシュラウドとを備え、前記シュラウドにおける前記流路に臨む表面に、ガスを噴出する第一噴出孔が形成されており、前記静翼の負圧面に前記ガスを噴出する第二噴出孔が形成されていることを特徴とする。
図1に示すように、本実施形態に係るタービン1は、ケーシング10と、ケーシング10内に流入する蒸気Sの量と圧力を調整する調整弁20と、ケーシング10の内側に回転自在に設けられ、動力を発電機等の機械(図示省略)に伝達する回転軸30と、該回転軸30を支持する軸受部40と、ケーシング10の内面に固定された外側シュラウド50と、該外側シュラウド50に保持された静翼60と、該静翼60に固定された内側シュラウド70と、静翼60の下流側において回転軸30に設けられた動翼80とを備えている。
調整弁20は、ケーシング10の内部に複数個取り付けられており、それぞれ図示しないボイラから蒸気Sが流入する調整弁室21と、弁体22と、弁座23と、蒸気室24とを備えている。この調整弁20では、弁体22が弁座23から離間することで蒸気流路が開き、蒸気Sが蒸気室24を介してケーシング10の内部空間に流入するようになっている。
軸受部40は、ジャーナル軸受装置41及びスラスト軸受装置42を備えており、ケーシング10内部に挿通された回転軸30をケーシング10の外側において回転可能に支持している。
また、本実施形態では、外側シュラウド50における径方向内側を向く表面51は、下流側に向かうに従って径方向外側に向かって傾斜しており、該傾斜の下流側の延長線上には後述する動翼80の先端(径方向外側の端部)が位置している。
なお、内側シュラウド70の内側には回転軸30が挿通されており、これら内側シュラウド70と回転軸30との間には隙間が形成されている。これによって、回転軸30は内側シュラウド70に干渉されることなく軸線回りに回転するようになっている。
水分除去構造は、図2から図4に示すように、外側シュラウド50の表面51に開口するように形成された第一噴出孔91、外側シュラウド50の内部に形成された第一流路93、静翼60の内部に形成された第二流路94、内側シュラウド70の内部に形成された第三流路95、及び、第三流路95にガスGを供給するガス供給源100とから構成されている。
ガスGとして蒸気を採用する場合、ガスG供給原としてはボイラやその他の蒸気発生装置を用いることができる。また、ガス供給源100として、蒸気タービン1内におけるガスGを噴出する流路Pよりも上流側の蒸気流路から蒸気を供給する構成であってもよい。また、ガスGとして蒸気を用いる場合は、当該ガスGは流路Pを流通する蒸気よりも高温であることが好ましい。より具体的には、ガスGは流路P内の蒸気Sの圧力における飽和温度よりも高い温度の加熱蒸気とされていることが好ましい。
蒸気タービン1は、ボイラからの蒸気Sが調整弁20を介してケーシング10内に導入されることで稼働する。即ち、ケーシング10内に流入した蒸気Sは各段において静翼60間の流路Pを通過して動翼80に供給される。そして、この蒸気Sの流体圧力が動翼80に作用することにより、該動翼80の回転とともに回転軸30が回転する。これによって、回転軸30に接続された機械が駆動される。
即ち、蒸気タービン1の稼働中には、図4に示すように、上述したガス供給源100からのガスGが内側シュラウド70内の第三流路95に供給される。この第三流路95内のガスGは、静翼60内の第二流路94、外側シュラウド50内の第一流路93を経由して、第一噴出孔91から径方向内側に向かって流路P内に噴出される。この際、第一噴出孔91は隣り合う静翼60同士にわたって延在しているため、外側シュラウド50の表面51を下流側に向かって流通する水分Wは必ず第一噴出孔91からのガスGに接触することになる。
第二実施形態の蒸気タービン1は、静翼60の負圧面61に第二噴出孔92が形成されている点で第一実施形態と相違する。
この第二噴出孔92は、静翼60内に形成された第二流路94に接続されており、これによって第二流路94は第二噴出孔92を介して蒸気Sの流路Pと連通状態とされている。
また、静翼60の径方向の寸法を該静翼60の翼高さとした場合、第二噴出孔92は静翼60の径方向外側の端部から翼高さの50%以上70%以内の範囲に形成されていることが好ましい。
これによって外側シュラウド50の表面51に水分Wのみならず、静翼60の負圧面61に付着した水分Wを除去することが可能となる。
ここで、静翼60の表面における水分Wは、特に静翼60の負圧面61における該静翼60の前縁部から翼幅の50%以上70%以内、かつ、静翼60の径方向外側の端部から翼高さの50%以上70%以内の範囲に付着し易い。本実施形態では、第二噴出孔92が静翼60の表面の当該範囲に形成されていることにより、効率的に水分Wを除去することができる。
例えば、実施形態では外側シュラウド50と内側シュラウド70とのうち、外側シュラウド50の表面51に第一噴出孔91を形成したが、これに代えて内側シュラウド70の表面71にガスGの噴出孔を形成してもよい。この内側シュラウド70の表面71からガスGを径方向内側に噴出することで、該内側シュラウド70の表面71の水分Wを効果的に除去することができる。
また、外側シュラウド50の表面51に第一噴出孔91を形成することに加えて、内側シュラウド70の表面71にガスGを噴出する噴出孔を形成してもよい。
10 ケーシング
20 調整弁
21 調整弁室
22 弁体
23 弁座
24 蒸気室
30 回転軸
31 軸本体
32 ディスク
40 軸受部
41 ジャーナル軸受装置
42 スラスト軸受装置
50 外側シュラウド
51 表面
60 静翼
61 負圧面
62 正圧面
70 内側シュラウド
71 表面
80 動翼
91 第一噴出孔
92 第二噴出孔
93 第一流路
94 第二流路
95 第三流路
100 ガス供給源
P 流路
S 蒸気
G ガス
W 水分
Claims (5)
- 蒸気の流体圧力によって回転軸を回転させる動翼と、
前記回転軸の径方向外側に、該回転軸の周方向に互いに間隔をあけて複数が設けられ、前記動翼への前記蒸気の流れを形成する静翼と、
前記周方向に隣り合う前記静翼同士を連結し、これら静翼とともに前記蒸気の流路を画成するシュラウドとを備え、
前記シュラウドにおける前記流路に臨む表面に、ガスを噴出する第一噴出孔が形成されており、
前記静翼の負圧面に前記ガスを噴出する第二噴出孔が形成されていることを特徴とする蒸気タービン。 - 前記ガスが、前記流路を流通する蒸気よりも高温であることを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービン。
- 前記シュラウドは、前記静翼同士をこれら静翼における前記回転軸の径方向外側の端部で連結する外側シュラウドであって、
前記第一噴出孔が該外側シュラウドにおける前記流路に臨む表面に形成されていることを特徴とする請求項1に又は2記載の蒸気タービン。 - 前記第一噴出孔は、隣り合う前記静翼同士にわたるように周方向に延在するスリット状をなしていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の蒸気タービン。
- 前記シュラウドの内部に、前記ガスが流通するとともに該ガスを前記第一噴出孔に導く第一流路が形成され、
前記静翼の内部に、前記ガスが流通し前記第一流路に接続されるとともに、該ガスを前記第二噴出孔に導く第二流路が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の蒸気タービン。
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