JPH10331604A - 蒸気タービンプラント - Google Patents

蒸気タービンプラント

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JPH10331604A
JPH10331604A JP9142701A JP14270197A JPH10331604A JP H10331604 A JPH10331604 A JP H10331604A JP 9142701 A JP9142701 A JP 9142701A JP 14270197 A JP14270197 A JP 14270197A JP H10331604 A JPH10331604 A JP H10331604A
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JP
Japan
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turbine
steam
outer ring
bleed
diaphragm
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JP9142701A
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English (en)
Inventor
Shinichiro Nagao
進一郎 長尾
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】境界層により閉じ込められたタービン駆動蒸気
の熱をタービン抽気として利用する蒸気タービンプラン
トを提供する。 【解決手段】本発明に係る蒸気タービンプラントは、ダ
イヤフラム外輪32の外周壁35に沿って流れるタービ
ン駆動蒸気を、タービン抽気として誘引する外輪開口部
36を上記外周壁35に形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気タービンプラ
ントに係り、特に蒸気タービンの抽気口から抽出したタ
ービン抽気を給水加熱器等の給水加熱源に利用する蒸気
タービンプラントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、発電事業に適用する大型の蒸気タ
ービンプラントでは、プラントの高出力化、高熱効率を
図るために、再熱、再生サイクルを組み込んでいる。こ
の中で再生サイクルは、蒸気タービンのタービン抽気を
加熱源とし、給水加熱器の給水を加熱し、その加熱給水
をボイラ等の蒸気発生器に還流させ、蒸気発生器で消費
する燃料を少なくしてプラント熱効率の向上を図ったも
ので、その例示して図18に示す構成のものがある。
【0003】蒸気タービンプラント1は、ボイラ等の蒸
気発生器2、蒸気タービン3、発電機4、復水給水系5
を備え、蒸気発生器2からの蒸気を蒸気タービン3に案
内し、膨張仕事をさせ、その際に発生する回転トクルで
発電機4を回転駆動するようになっている。
【0004】また、蒸気タービンプラント1は、蒸気タ
ービン3で膨張仕事したタービン排気を復水器6に案内
し、ここで凝縮させて復水にし、その復水を復水給水系
5に供給している。
【0005】この復水給水系5は、復水ポンプ7、低圧
給水加熱器8、給水ポンプ9、高圧給水加熱器10を備
え、復水器6からの復水を復水ポンプ7で昇圧し、低圧
給水加熱器8,8で蒸気タービン3の抽気口3aからの
タービン抽気を加熱源にして復水を加熱させ、その加熱
復水を給水ポンプ9で給水として昇圧し、その給水を高
圧給水加熱器10で再び蒸気タービン3の抽気口3aか
らのタービン抽気により加熱させ、その加熱給水を蒸気
発生器2に還流させるようになっている。なお、各給水
加熱器8,10で復水・給水の加熱源として使用したタ
ービン抽気は、図示の破線で示すようにドレンとしてそ
の上流側の各給水加熱器8,8および復水器6に戻され
る。
【0006】また、蒸気タービンプラント1は、図19
に示すように、蒸気タービン3の抽気口3aからのター
ビン抽気を、例えば乾燥、加熱、蒸発等に使用する蒸気
利用プラント11に供給する場合もある。なお、符号1
2は、復水器6の復水補給系12である。
【0007】このように、給水加熱器8,10の給水加
熱に、また蒸気利用プラント11の乾燥等にタービン抽
気を供給する蒸気タービン3は、図20に示すように、
ケーシング17に収容されたタービン軸18の軸方向に
沿って段落13,14を備えた構成になっている。
【0008】段落13,14は、タービン蒸気のエネル
ギを速度エネルギに換えるタービンノズル15a,15
bと、その速度エネルギを回転エネルギーに変換するタ
ービン動翼16a,16bとを組み合せた構成になって
いる。
【0009】タービンノズル15a,15bは、ダイヤ
フラム外輪19a,19bおよびダイヤフラム内輪20
a,20bで支持されており、タービン軸18の周方向
に沿って環状翼列として配置されている。
【0010】また、タービン動翼16a,16bは、タ
ービン軸18に一体形成のディスク21a,21bに植
設されており、タービンノズル15a,15bに対応さ
せて環状翼列として配置されている。
【0011】また、段落13,14のうち、一方の段落
13と隣りの段落14との間には、抽気室22に連通す
る開口部23が設けられ、この開口部23から抽気室2
2、抽気口3aを介して膨張仕事途中のタービン駆動蒸
気をタービン抽気として例えば給水加熱器8,10に供
給するようになっている。
【0012】蒸気タービンプラントでは、タービン抽気
を利用する再生サイクルの効果を最大限に発揮させてタ
ービン効率を向上する検討が行われているが、タービン
内部におけるタービン駆動蒸気の流れの複雑さをも手伝
って、再生サイクルの効果を最大限に活用しているとは
言えない状況にある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】再生サイクルの効果を
あますことなく発揮できない原因の一つに以下の事情が
ある。
【0014】タービン駆動蒸気は、図21に示すよう
に、タービンノズル15aにタービン動翼16aを組み
合せた段落13で膨張仕事をさせる。このときタービン
駆動蒸気と、蒸気通路部の上下端を構成する内外周壁面
との間には、粘性に基づく摩擦損失が発生する。この摩
擦により生じた熱は壁面付近を流れるタービン駆動蒸気
に保有され、エントロピー(不可逆的な熱移動に伴う状
態量)を増大させる。このため、タービン駆動蒸気のエ
ントロピーSの分布は、段落13の中央で低く、ダイヤ
フラム外輪19aおよびダイヤフラム内輪20aの壁面
に近付くほど高くなる。
【0015】蒸気タービンでは段落において、設計計画
時に意図されたように、タービン駆動蒸気を図22のエ
ンタルピー・エントロピー線図上の点0の状態から点1
の状態に膨張させるべきところ、上述した駆動蒸気のエ
ントロピー分布により、壁面付近の駆動蒸気は点0から
点2の状態へ変化する。このため平均すると段落におけ
る仕事量は(h0−h1)から(h0−h3)に減少
し、発生出力の減少すなわちタービン効率の低下を招
く。一方、この壁面付近の駆動蒸気は、熱量的にみると
エンタルピーh2を有し、主流蒸気のh1よりも(h2
−h1)だけ高いエンタルピーを有しているから、抽気
して給水加熱に利用することにより、給水の温度をより
高めることができ、再生サイクル効率を向上させること
に対して寄与できるものである。したがって、所定の量
のタービン抽気を抽出するタービンプラントにあって
は、極力、壁面付近の高エントロピーの蒸気を選択的に
抽気することがサイクル効率を高める上で得策である。
【0016】一方、蒸気タービン3は、図20に示すよ
うに、抽気室22に連通する開口部23がタービン駆動
蒸気の通過する流路24に較べて小さいため、その流れ
の挙動を子細に観察すると、一部のタービン駆動蒸気が
そのまま抽気室22に誘引されるものの、残りのタービ
ン駆動蒸気が慣性力のために次段落に流れ、その際、そ
の一部が抽気室22の誘引力により反転して誘引され
る。このため、その流線は、他の流線と干渉、撹拌が生
起し、ダイヤフラム外輪19aの外周壁25付近の高エ
ントロピーの流体と中央部寄りの低エントロピーの流体
が混合し、両方が入り混じった状態で抽気されてしま
う。したがって、壁面付近の高エントロピーの流体の一
部が通路部に残ってタービン出力の減少を来すと同時
に、抽気される蒸気には相対的に熱量の低い低エントロ
ピー流体が含まれて給水温度を充分に高めることができ
ず、サイクル効率の面から蒸気の持つエネルギを最大限
に利用できない問題点があった。
【0017】本発明は、このような技術的背景に基づい
てなされたもので、タービン駆動蒸気をタービン抽気と
して抽出する場合、そのタービン駆動蒸気に干渉、撹拌
を生起させることなく円滑に抽出でき、さらに内外周壁
面近くの高エントロピーの流体をタービンから取り除く
と同時に給水加熱に利用することで、タービンサイクル
の効率を従来よりも向上し得る蒸気タービンプラントを
提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る蒸気タービ
ンプラントは、上記目的を達成するために、請求項1に
記載したように、ダイヤフラム外輪およびダイヤフラム
内輪とで支持されたタービンノズルに、タービン軸のデ
ィスクに植設されたタービン動翼を組み合せて段落を構
成し、段落をタービン軸に沿って多段に配置し、少なく
とも一つ以上の段落からのタービン駆動蒸気の一部をタ
ービン抽気として誘引させた蒸気タービンプラントにお
いて、上記ダイヤフラム外輪の外周壁に沿って流れるタ
ービン駆動蒸気をタービン抽気として上記ダイヤフラム
外輪内に設けた外輪抽気室に誘引させる外輪開口部を、
上記外周壁に形成したものである。
【0019】本発明に係る蒸気タービンプラントは、上
記目的を達成するために、請求項2に記載したように、
外周壁の外輪開口部は、タービン駆動蒸気の流れ方向に
向って傾斜状に形成したものである。
【0020】本発明に係る蒸気タービンプラントは、上
記目的を達成するために、請求項3に記載したように、
外周壁の外輪開口部は、一方のタービンノズルの背側か
ら隣りのタービンノズルの腹側に向って形成したもので
ある。
【0021】本発明に係る蒸気タービンプラントは、上
記目的を達成するために、請求項4に記載したように、
外周壁の外輪開口部は、タービン軸の周方向に沿って列
状に配置されたタービンノズルの前縁側に形成したもの
である。
【0022】本発明に係る蒸気タービンプラントは、上
記目的を達成するために、請求項5に記載したように、
ダイヤフラム外輪およびダイヤフラム内輪とで支持され
たタービンノズルに、タービン軸のディスクに植設され
たタービン動翼を組み合せて段落を構成し、段落をター
ビン軸に沿って多段に配置し、少なくとも一つ以上の段
落からのタービン駆動蒸気の一部をタービン抽気として
誘引させた蒸気タービンプラントにおいて、上記ダイヤ
フラム外輪の外周壁に沿って流れるタービン駆動蒸気を
タービン抽気として蒸気ダイヤフラム外輪内に設けた外
輪抽気室に誘引させる外輪開口部を、上記外周壁に形成
する一方、上記ダイヤフラム内輪の内周壁に沿って流れ
るタービン駆動蒸気をタービン抽気として上記ダイヤフ
ラム内輪内に設けた内輪抽気室に誘引させる内輪開口部
を、上記内周壁に形成し、上記内輪抽気室を上記外輪抽
気室に連通させる連絡通路を、上記タービンノズル内に
形成したものである。
【0023】本発明に係る蒸気タービンプラントは、上
記目的を達成するために、請求項6に記載したように、
外周壁の外輪開口部は、タービン動翼と対峙するシール
部の位置に形成したものである。
【0024】本発明に係る蒸気タービンプラントは、上
記目的を達成するために、請求項7に記載したように、
ダイヤフラム外輪およびダイヤフラム内輪とで支持され
たタービンノズルに、タービン軸のディスクに植設され
たタービン動翼を組み合せて段落を構成し、段落をター
ビン軸に沿って多段に配置し、少なくとも一つ以上の段
落からのタービン駆動蒸気の一部をタービン抽気として
誘引させた蒸気タービンプラントにおいて、上記タービ
ン軸に対峙するシール部の蒸気をタービン抽気として上
記ダイヤフラム内輪内の内輪抽気室に誘引させる内輪開
口部を、上記ダイヤフラム内輪のシール部側に形成し、
上記内輪抽気室のタービン抽気を上記ダイヤフラム外輪
内に設けた外輪抽気室に案内する連絡通路を、上記ター
ビンノズル内に形成したものである。
【0025】本発明に係る蒸気タービンプラントは、上
記目的を達成するために、請求項8に記載したように、
ダイヤフラム外輪およびダイヤフラム内輪とで支持され
たタービンノズルに、タービン軸のディスクに植設され
たタービン動翼を組み合せて段落を構成し、段落をター
ビン軸に沿って多段に配置し、少なくとも一つ以上の段
落からのタービン駆動蒸気の一部をタービン抽気として
誘引させた蒸気タービンプラントにおいて、一方の段落
のタービンノズルと隣りの段落のタービンノズルを支持
する共通のダイヤフラム外輪を設け、一方の段落のター
ビンノズルを支持する蒸気ダイヤフラム外輪の外周壁に
沿って流れるタービン駆動蒸気をタービン抽気として上
記ダイヤフラム外輪内に設けた外輪抽気室に誘引させる
外輪開口部を、上記外周壁に形成し、上記外輪抽気室の
タービン抽気を給水加熱器等に案内する連絡通路から分
岐され、上記隣りの段落のタービンノズルを支持する上
記ダイヤフラム外輪内に設けたタービン抽気溜め室に案
内する通口部を備えるとともに、上記タービン抽気溜め
室のタービン抽気を上記隣りの段落のタービンノズルに
向って流出させるタービン抽気流出口を、上記隣りの段
落のタービンノズルを支持する上記ダイヤフラム外輪の
外周壁に形成したものである。
【0026】本発明に係る蒸気タービンプラントは、上
記目的を達成するために、請求項9に記載したように、
ダイヤフラム外輪およびダイヤフラム内輪とで支持され
たタービンノズルに、タービン軸のディスクに植設され
たタービン動翼を組み合せて段落を構成し、段落をター
ビン軸に沿って多段に配置し、少なくとも一つ以上の段
落からのタービン駆動蒸気の一部をタービン抽気として
誘引させた蒸気タービンプラントにおいて、一方の段落
のタービンノズルと隣りの段落のタービンノズルとを支
持する共通のダイヤフラム外輪を設け、一方の段落のタ
ービンノズルを支持する上記ダイヤフラム外輪の外周壁
に沿って流れるタービン駆動蒸気をタービン抽気として
上記ダイヤフラム外輪内に設けた外輪抽気室に誘引させ
る外輪開口部を、上記外周壁に形成し、上記外輪抽気室
のタービン抽気を上記隣りのタービンノズルを支持する
上記ダイヤフラム外輪内に設けたタービン抽気溜め室に
案内する通口部を備えるとともに、上記タービン抽気溜
め室のタービン抽気を上記隣りの段落のタービンノズル
に向って流出させるタービン抽気流出口を、上記隣りの
段落のタービンノズルを支持する上記ダイヤフラム外輪
の外周壁に形成したものである。
【0027】本発明に係る蒸気タービンプラントは、上
記目的を達成するために、請求項10に記載したよう
に、外輪開口部は、上流側流路壁と下流側流路壁とで形
成し、上記上流側流路壁よりも上記下流側流路壁を、タ
ービン駆動蒸気の流れ方向に向って突き出して鋭角の傾
斜状に形成したものである。
【0028】本発明に係る蒸気タービンプラントは、上
記目的を達成するために、請求項11に記載したよう
に、下流側流路壁に対する上流側流路壁の高さhは、タ
ービンノズルの高さをHとし、タービン駆動蒸気の流量
をGとし、外輪開口部に誘引されるタービン抽気の流量
をgとするとき、
【数3】(h×G)/(H×g)=0.3〜1.4 の範囲に設定したものである。
【0029】本発明に係る蒸気タービンプラントは、上
記目的を達成するために、請求項12に記載したよう
に、タービン抽気出口は、上流側流路壁と下流側流路壁
とで形成し、上記下流側流路壁よりも上記上流側流路壁
を、タービン駆動蒸気の流れ方向と同一方向に向って突
き出して鋭角の傾斜状に形成したものである。
【0030】本発明に係る蒸気タービンプラントは、上
記目的を達成するために、請求項13に記載したよう
に、上流側流路壁に対する下流側流路壁の高さhは、タ
ービンノズルの高さをHとし、タービン駆動蒸気の流量
をGとし、タービン抽気流出口から流出するタービン抽
気の流量をgとするとき、
【数4】(h×G)/(H×g)=0.3〜1.4 の範囲に設定したものである。
【0031】本発明に係る蒸気タービンプラントは、上
記目的を達成するために、請求項14に記載したよう
に、ダイヤフラム外輪およびダイヤフラム内輪とで支持
されたタービンノズルに、タービン軸のディスクに植設
されたタービン動翼を組み合せて段落を構成し、段落を
タービン軸に沿って多段に配置し、少なくとも一つ以上
の段落からのタービン駆動蒸気の一部をタービン抽気と
して誘引させた蒸気タービンプラントにおいて、上記ダ
イヤフラム外輪の外周壁に沿って流れるタービン駆動蒸
気をタービン抽気として上記ダイヤフラム外輪内に設け
た外輪抽気室に誘引させる外輪開口部を上記外周壁に形
成するとともに、タービン駆動蒸気に含まれる水滴を誘
引する水滴吸引開口部を、上記タービンノズルに形成し
たものである。
【0032】本発明に係る蒸気タービンプラントは、上
記目的を達成するために、請求項15に記載したよう
に、ダイヤフラム外輪およびダイヤフラム内輪とで支持
されたタービンノズルに、タービン軸のディスクに植設
されたタービン動翼を組み合せて段落を構成し、段落を
タービン軸に沿って多段に配置し、一方の段落と隣りの
段落との間に形成する開口部にタービン駆動蒸気の一部
をタービン抽気として誘引させた蒸気タービンプラント
において、一方の段落のタービンノズルを支持するダイ
ヤフラム外輪と隣りの段落のタービンノズルを支持する
ダイヤフラム外輪との間にタービン抽気誘引通路を形成
し、このタービン抽気誘引通路の上流側流路壁よりもそ
の下流側流路壁を、タービン駆動蒸気の流れ方向に向っ
て突き出して鋭角の傾斜状に形成したものである。
【0033】本発明に係る蒸気タービンプラントは、上
記目的を達成するために、請求項16に記載したよう
に、ダイヤフラム外輪およびダイヤフラム内輪とで支持
されたタービンノズルに、タービン軸のディスクに植設
されたタービン動翼を組み合せて段落を構成し、段落を
タービン軸に沿って多段に配置し、少なくとも一つ以上
の段落からのタービン駆動蒸気の一部をタービン抽気と
して誘引させた蒸気タービンプラントにおいて、上記開
口部に連通する抽気口から給水加熱器に供給するタービ
ン抽気の流量を制御するタービン抽気調節弁と、タービ
ン駆動蒸気の温度とタービン抽気の温度とを検出し、タ
ービン駆動蒸気温度信号とタービン抽気温度信号との差
分が予め設定した基準値より小さくなったときに上記タ
ービン抽気調節弁の弁開度を閉弁させる演算部とを備え
たものである。
【0034】本発明に係る蒸気タービンプラントは、上
記目的を達成するために、請求項17に記載したよう
に、ダイヤフラム外輪およびダイヤフラム内輪とで支持
されたタービンノズルに、タービン軸のディスクに植設
されたタービン動翼を組み合せて段落を構成し、段落を
タービン軸に沿って多段に配置し、少なくとも一つ以上
の段落からのタービン駆動蒸気の一部をタービン抽気と
して誘引させた蒸気タービンプラントにおいて、上記開
口部に連通する抽気口から給水加熱器に供給するタービ
ン抽気の流量を制御するタービン抽気調節弁と、タービ
ン抽気の温度と上記給水加熱器の給水出口温度とを検出
し、タービン抽気温度信号および給水出口温度信号に基
づいて上記タービン抽気調節弁の弁開閉信号を与える演
算部とを備えたものである。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る蒸気タービン
プラントの実施形態を図面を参照して説明する。
【0036】図1は、本発明に係る蒸気タービンプラン
トの第1実施形態を示す概略図である。なお、図1は、
本発明に係る蒸気タービンプラントに適用される蒸気タ
ービンの一部を示している。
【0037】蒸気タービン26は、ケーシング27に収
容されたタービン軸28の軸方向に沿って段落29を備
えた構成になっている。この段落29は、タービン駆動
蒸気のエネルギを速度エネルギに換えるタービンノズル
30と、その速度エネルギを次段落(図示せず)に案内
するタービン動翼31とを組み合せた構成になってい
る。
【0038】タービンノズル30は、ダイヤフラム外輪
32およびダイヤフラム内輪33で支持されており、タ
ービン軸28の周方向に沿って環状翼列として配置され
ている。
【0039】また、タービン動翼31は、タービン軸2
8に一体形成のディスク34に植設されており、タービ
ンノズル30に対応させて環状翼列として配置されてい
る。
【0040】また、蒸気タービン26は、ダイヤフラム
外輪32の外周壁35に、タービン駆動蒸気STの流れ
方向に向って傾斜状に形成する外輪開口部36を備える
とともに、ダイヤフラム外輪35の内部に外輪開口部3
6に連通し、タービン軸28の周方向に沿って環状に形
成する外輪抽気室37を備え、外周壁35に沿って流れ
るタービン駆動蒸気STをタービン抽気として傾斜状の
外輪開口部36で誘引し、誘引したタービン抽気を外輪
抽気室37、連絡通路38、抽気口39を介して給水加
熱器40に供給するようになっている。
【0041】外輪開口部36は、図2に示すように一方
のタービンノズル30の背側41から隣りのタービンノ
ズル30の腹側42に向ってタービン駆動蒸気STの流
れに交差する方向に設けてもよく、また、図3に示すよ
うに、各タービンノズル30,30の前縁43,43側
に沿ってタービン駆動蒸気STの流れに交差する方向に
環状に設けてもよい。
【0042】このように、本実施形態では、ダイヤフラ
ム外輪32の外周壁35に、タービン駆動蒸気の流れ方
向に向って傾斜状に、かつ一方のタービンノズル30の
背側41から隣りのタービンノズル30の腹側に向って
外輪開口部36を設けるか、あるいは各タービンノズル
30,30の前縁43,43側に環状に外輪開口部36
を設けるかのいずれかで、その外輪開口部36によりダ
イヤフラム外輪32の外周壁35の境界層に閉じ込めら
れたタービン駆動蒸気STの熱をも外輪抽気室37に誘
引するので、タービン抽気として安定した状態でより多
く誘引でき、またタービン駆動蒸気の熱をあますことな
くタービン抽気として利用することができる。
【0043】したがって、本実施形態によれば、タービ
ン駆動蒸気の持つ熱をあますことなくタービン抽気に利
用したので、従来よりもより一層プラント熱効率を向上
させることができる。
【0044】図4は、本発明に係る蒸気タービンプラン
トの第2実施形態を示す概略図である。なお、第1実施
形態の構成部品と同一または対応する部分には同一符号
を付す。
【0045】本実施形態は、ダイヤフラム外輪32の外
周壁35に、タービン駆動蒸気STの流れ方向に向って
傾斜状に開設する外輪開口部36を備え、この外輪開口
部36に連通し、ダイヤフラム外輪35の内部に環状に
形成する外輪抽気室37を設ける一方、ダイヤフラム内
輪33の内周壁44にも、タービン駆動蒸気STの流れ
方向に向って傾斜状に開設する内輪開口部45を備え、
この内輪開口部45に連通し、ダイヤフラム内輪33の
環状に形成する内輪抽気室46を設けるとともに、内輪
抽気室46と外輪抽気室37とを接続する連絡通路47
をタービンノズル30の内部に形成したものである。な
お、他の構成については、第1実施形態に示す構成と同
一なので説明を省略する。
【0046】本実施形態は、ダイヤフラム外輪32の外
周壁35およびダイヤフラム内輪33の内周壁44のそ
れぞれに、タービン駆動蒸気STの流れの方向に向って
傾斜状の外輪開口部36および内輪開口部45を備え、
外周壁35および内周壁44のそれぞれの境界層により
閉じ込められたタービン駆動蒸気STの熱をタービン抽
気として外輪抽気室37および内輪抽気室46のそれぞ
れに誘引し、内輪抽気室46で誘引したタービン抽気と
してのタービン駆動蒸気STを連絡通路47を経て外輪
抽気室37のタービン駆動蒸気STに合流させ、その合
流抽気を連絡通路38、抽気口39を経て給水加熱器4
0に供給するので、タービン抽気として安定した状態で
より多く誘引でき、タービン駆動蒸気の熱をあますこと
なくタービン抽気として利用することができる。
【0047】したがって、本実施形態によれば、タービ
ン駆動蒸気を安定状態でより多くタービン抽気として各
抽気室37,46に誘引させるとともに、タービン駆動
蒸気の熱をあますことなくタービン抽気として利用した
ので、従来よりもプラント熱効率を大幅に向上させるこ
とができる。
【0048】図5は、ダイヤフラム外輪32の外周壁3
5からタービン駆動蒸気STをタービン抽気として誘引
した場合のプラント熱効率の特性Aと、ダイヤフラム外
輪32の外周壁35およびダイヤフラム内輪33の内周
壁44との両方からタービン駆動蒸気STをタービン抽
気として誘引した場合のプラント熱効率の特性Bとを比
較したグラフで、縦軸にプラント熱効率を、横軸にター
ビン抽気段数をそれぞれ示す。
【0049】図5では、ダイヤフラム外輪32の外周壁
35およびダイヤフラム内輪33の内周壁44との両方
からタービン駆動蒸気STをタービン抽気として誘引し
た場合、そのプラント熱効率の特性Bは、ダイヤフラム
外輪32の外周壁35のみでタービン駆動蒸気STのタ
ービン抽気として誘引した場合のプラント熱効率の特性
Aよりも高くなることが認められる。
【0050】図6は、本発明に係る蒸気タービンプラン
トの第3実施形態を示す概略図である。なお、第1実施
形態の構成部品と同一または対応する部分には同一符号
を付す。
【0051】本実施形態は、タービン動翼31のシュラ
ウド48に対峙するダイヤフラム外輪32との間に形成
する隙間Hからタービン駆動蒸気STが漏洩することを
防止するシール部49の外周壁35に外輪開口部36を
備え、この外輪開口部36に連通し、ダイヤフラム外輪
32の内部に外輪抽気室37をタービン軸28の周方向
に沿って環状に設けたものである。
【0052】本実施形態は、タービン動翼31のシール
部49に集まるタービン駆動蒸気STが比較的高い熱を
持っていることに着目したもので、シール部49に集ま
るタービン駆動蒸気STをタービン抽気として外輪開口
部36で誘引し、誘引したタービン駆動蒸気STをター
ビン抽気として外輪抽気室37から連絡通路38、抽気
口39を経て給水加熱器40に供給したものである。
【0053】したがって、本実施形態によれば、シール
部49に集まった比較的高い熱を持ったタービン駆動蒸
気STをタービン抽気として利用するので、熱の有効活
用を図ることができる。
【0054】図7は、本発明に係る蒸気タービンプラン
トの第4実施形態を示す概略図である。なお、第1実施
形態の構成部品と同一または対応する部分には同一符号
を付す。
【0055】本実施形態は、タービンノズル30を支持
するダイヤフラム内輪33に対峙するタービン軸28と
の間に形成する隙間Hからタービン駆動蒸気STが漏洩
することを防止するシール部49のダイヤフラム内輪3
3に内輪開口部45を備え、この開口部45に連通し、
ダイヤフラム内輪33の内部に内輪抽気室46をタービ
ン軸28の周方向に沿って環状に設けたものである。
【0056】本実施形態は、第3実施形態と同様に、ダ
イヤフラム内輪33のシール部49に集まるタービン駆
動蒸気STが比較的高い熱を持っていることに着目した
もので、シール部49に集まるタービン駆動蒸気STを
タービン抽気として内輪開口部45で誘引し、誘引した
タービン駆動蒸気STをタービン抽気として内輪抽気室
46からタービンノズル30の連絡通路47、外輪抽気
室37、連絡通路38、抽気口39を経て給水加熱器4
0に供給したものである。
【0057】したがって、本実施形態も、シール部49
に集まった比較的高い熱を持ったタービン駆動蒸気ST
をタービン抽気として利用するので熱の有効活用を図る
ことができる。
【0058】図8は、本発明に係る蒸気タービンプラン
トの第5実施形態を示す概略図である。なお、第1実施
形態の構成部品と同一または対応する部分には同一符号
を付す。
【0059】本実施形態は、タービンノズル30aとタ
ービン動翼31aとで組み合せた一方の段落29aと、
タービンノズル30bとタービン動翼31bとで組み合
せた隣りの段落29bとに共通のダイヤフラム外輪32
を設けるとともに、この共通のダイヤフラム外輪32
に、一方の段落29a側の外周壁35に形成する外輪開
口部36に連通する外輪抽気室37と、隣りの段落29
b側の外周壁35に形成するタービン抽気流出口50に
連通するタービン抽気溜め室51とを備えたものであ
る。
【0060】また、本実施形態は、外輪抽気室37とタ
ービン抽気溜め室51とを互いに連通する通口部52を
形成し、この通口部52の途中に抽気口39に連絡する
連絡通路38を備えたものである。
【0061】また、一方の段落29aのダイヤフラム外
輪32の外周壁35に設けた外輪開口部36は、タービ
ン駆動蒸気STの流れの方向に向って傾斜状に形成する
とともに、隣りの段落29bのダイヤフラム外輪32の
外周壁35に設けたタービン抽気流出口50は、タービ
ン駆動蒸気STの流れの方向に向って傾斜状に形成して
いる。
【0062】本実施形態は、ダイヤフラム外輪32の外
周壁35に沿って流れるタービン駆動蒸気STをタービ
ン抽気として傾斜状に形成する外輪開口部36で誘引
し、誘引したタービン抽気の一部を通口部52、連絡通
路38、抽気口39を経て給水加熱器40に供給する一
方、残りを通口部52、タービン抽気溜め室51を経て
傾斜状に形成するタービン抽気流出口50からダイヤフ
ラム外輪32の外周壁35に沿って流出させる。
【0063】このように、本実施形態では、一方の段落
29aのダイヤフラム外輪32の外周壁35に傾斜状に
形成する外輪開口部36でタービン駆動蒸気STを外輪
抽気室37に誘引するので、外周壁35付近を流れる比
較的高い熱を持ったタービン駆動蒸気をタービン抽気と
して外輪抽気室37から通口部52、連絡通路38、抽
気口39を経て給水加熱器40に供給することができ
る。
【0064】また、本実施形態では、外輪抽気室37で
誘引したタービン抽気としてのタービン駆動蒸気ST
を、通口部52、タービン抽気溜め室51を経て傾斜状
に形成するタービン抽気流出口50から隣りの段落29
bのダイヤフラム外輪32の外周壁35に沿って流出さ
せて壁面付近の境界層を加速するので、外周壁35の周
辺に発生する二次流れに伴う二次流れ渦を低く抑制する
ことができ、タービン駆動蒸気の流れを安定化させるこ
とができる。
【0065】したがって、本実施形態によれば、一方の
段落29aで外周壁35付近を流れる比較的高い熱を持
ったタービン駆動蒸気をタービン抽気として給水加熱器
40に供給する一方、隣りの段落29bで外周壁35付
近の境界層にエネルギーを与えて二次流れ渦を抑制する
ので、隣りの段落29bでのタービン駆動蒸気STの流
れの安定化を図ることができ、翼性能の向上、ひいては
プラント熱効率の向上を図ることができる。
【0066】図9は、本発明に係る蒸気タービンプラン
トの第6実施形態を示す概略図である。なお、第1実施
形態の構成部品と同一部分または対応する部分には同一
符号を付す。
【0067】本実施形態も、第5実施形態と同様に、タ
ービンノズル30aとタービン動翼31aとで組み合せ
た一方の段落29aと、タービンノズル30bとタービ
ン動翼31bとで組み合せた隣りの段落29bとに共通
のダイヤフラム外輪32を設けるとともに、この共通の
ダイヤフラム外輪32に、一方の段落29a側の外周壁
35に形成する外輪開口部36に連通する外輪抽気室3
7と、隣りの段落29b側の外周壁35に形成するター
ビン抽気溜め室51とを備えたものである。
【0068】また、本実施形態は、外輪抽気室37とタ
ービン抽気溜め室51とを互いに連通させる通口部52
を形成したものである。
【0069】また、本実施形態は、一方の段落29aの
ダイヤフラム外輪32の外周壁35に設けた外輪開口部
36をタービン駆動蒸気STの流れの方向に向って傾斜
状に形成する一方、隣りの段落29bのダイヤフラム外
輪32の外周壁35に設けたタービン抽気流出口50を
タービン駆動蒸気STの流れ方向に向って傾斜状に形成
したものである。
【0070】したがって、本実施形態も、第5実施形態
と同様に、一方の段落29aのダイヤフラム外輪32の
外周壁35に生成される高エントロピーの蒸気を取り除
くことができ、また隣りの段落29bで生成される二次
流れ渦を抑制することができ、タービン駆動蒸気STの
流れの安定化を図り、翼性能の向上、ひいてはプラント
熱効率の向上を図ることができる。
【0071】図10は、本発明に係る蒸気タービンプラ
ントの第7実施形態を示す概略図である。なお、第1実
施形態の構成物品と同一部分または対応する部分には同
一符号を付す。
【0072】本実施形態は、第1実施形態と同様に、ダ
イヤフラム外輪32の外周壁35に、タービン駆動蒸気
STの流れ方向に向って傾斜状に形成する外輪開口部3
6を備えるとともに、ダイヤフラム外輪35の内部に外
輪開口部36に連通し、タービン軸28の周方向に沿っ
て環状に形成する外輪抽気室37を備える一方、タービ
ンノズル30背側および腹側の少なくとも一方に水滴吸
引開口部53を形成し、水滴吸引開口部53で誘引する
タービン駆動蒸気の水滴と、外輪開口部36で誘引する
外周壁35に沿って流れるタービン駆動蒸気STとを外
輪抽気室37で合流させ、その合流抽気をタービン抽気
として連絡通路38、抽気口39を経て給水加熱器40
に供給するものである。
【0073】したがって、本実施形態によれば、タービ
ンノズル30によりタービン駆動蒸気STに含まれる水
滴を取り除いて給水加熱器40にタービン抽気として供
給し、また外輪開口部36により外周壁35に生成され
る高エントロピーの蒸気を極力とり除いて給水加熱器に
タービン抽気として供給するので、水滴によるタービン
構成部品の浸食を抑制でき、プラント熱効率を向上させ
ることができる。
【0074】図11は、図1、図4、図8、図9および
図10で示した各実施形態に係る外輪開口部36の具体
的形状を示す概略図である。
【0075】各実施形態に係る外輪開口部36は、ター
ビン駆動蒸気STがダイヤフラム外輪32の外周壁35
に沿って流れる際、そのタービン駆動蒸気STをタービ
ン抽気として効果的に誘引できるようにしたものであ
る。この場合、外輪開口部36は、その形状をタービン
駆動蒸気STの流れの方向に向って傾斜状に形成すると
ともに、上流側の外周壁35と外輪開口部36の上流側
流路壁54aとの交点i1 の高さを、下流側の外周壁3
5と外輪開口部36の下流側流路壁54bとの交点i2
に対し高くする、いわゆる段状に設定したものである。
その際、タービンノズル30の上流側の高さをHとし、
外輪開口部36の下流側流路壁54bの交点i2 に対す
る外輪開口部36の上流側流路壁54aの交点i1 との
差の高さをhとし、タービン駆動蒸気STの流量をGと
し、外輪開口部36で誘引されるタービン抽気の流量を
gとするとき、タービンノズル30の上流側の高さH、
タービン駆動蒸気STの流量Gおよびタービン抽気の流
量が一義的に定められているから、その高さhは、
【数5】 (h×G)/(H×g)= 0.3〜1.4 ……(1) の範囲に設定される。
【0076】上式(1)は、図13で示すモデル試験機
の実験データから求めたものである。
【0077】図13は、縦軸をタービン抽気の流力的損
失で、また横軸をパラメータ(h×G)/(H×g)で
示すタービン抽気ESの特性線図である。この特性線図
においてタービン抽気ESは、図11で示した外輪開口
部36の下流側流路壁54bに対する上流側流路壁54
aの高さhが0.3以下であると、図11の一点鎖線で
示すタービン抽気としてのタービン駆動蒸気STの流線
1 が外輪開口部36に一旦誘引されても直ぐさま飛び
出して、隣りのタービン動翼31に流出し、その際、タ
ービン駆動蒸気SRに衝突して撹拌し、タービン抽気E
Sの流力的損失を、従来の流力的損失1.0を基準にし
た場合に較べて悪くなることが確認された。
【0078】また、外輪開口部36の下流側流路壁54
bに対する上流側流路壁54aの高さhが1.4を超え
ると、図11の二点鎖線で示すタービン抽気としてのタ
ービン駆動蒸気STの流線P2 が外輪開口部36を一旦
通り過ぎた後、反転して外輪開口部36に誘引されるた
め、タービン駆動蒸気STの流れを乱し、タービン抽気
ESの流力的損失を、従来の流力的損失1.0を基準に
した場合に較べて悪くなることが確認された。
【0079】このように、本実施形態に係る外輪開口部
36は、タービン駆動蒸気STの流れの方向に向って傾
斜状に形成するとともに、その下流側流路壁54bに対
するその上流側流路壁54aの高さhを上式(1)の範
囲に設定したので、タービン抽気ESの流力的損失を従
来に較べて低く抑えることができ、タービンノズル30
の翼性能をより一層向上させることができる。なお、外
輪開口部36は、図14に示すように、上流側流路壁5
4aおよび下流側流路壁54bをタービン駆動蒸気ST
の下流側に向って凸状の曲率に形成してもよい。
【0080】図12は、図8および図9で示した各実施
形態に係るタービン抽気流出口50の具体的形状を示す
概略図である。
【0081】各実施形態に係るタービン抽気流出口50
は、タービン抽気としてのタービン駆動蒸気STがダイ
ヤフラム外輪32の外周壁35に沿って流れる際、良好
に流れるように図ったものである。この場合、タービン
抽気流出口50は、その形状をタービン駆動蒸気STの
流れの方向と同一方向に向って傾斜状に形成するととも
に、下流側の外周壁35とタービン抽気流出口50の下
流側流路壁54bとの交点j1 の高さを、上流側の外周
壁35とタービン抽気流出口50の上流側流路壁54a
との交点j2 に対し、高くする、いわゆる段状に設定し
たものである。その際、タービンノズル30の上流側の
高さをHとし、タービン抽気流出口50の上流側流路壁
54aの交点j2 に対するタービン抽気流出口50の下
流側流路壁54bの交点j1 との差の高さをhとし、タ
ービン駆動蒸気STの流量をGとし、タービン排気流出
口50で流出するタービン排気流量をgとするとき、そ
の高さhは、上式(1)の範囲に設定される。
【0082】本実施形態によれば、タービン排気流出口
50の上流側流路壁54aに対する下流側流路壁54b
の高さhを上式(1)の範囲に設定したので、図11で
示した実施形態と同様に、タービン駆動蒸気STの流れ
に乱れを与えることなく、タービン排気をタービン排気
流出口50から良好に流出させることができ、タービン
ノズル30の翼性能を従来よりも向上させることができ
る。
【0083】図15は、蒸気タービンプラントの第8実
施形態を示す概略図である。なお、第1実施形態の構成
部品と同一または対応する部分には同一符号を付す。
【0084】本実施形態は、ダイヤフラム外輪32aお
よびダイヤフラム内輪33aで支持されたタービンノズ
ル30aとタービン軸28のディスク34aに植設され
たタービン動翼31aとを組み合せた一方の段落29a
の、そのダイヤフラム外輪32aと、ダイヤフラム外輪
32bおよびダイヤフラム内輪33bで支持されたター
ビンノズル30bとタービン軸28のディスク34bに
植設されたタービン動翼31bとを組み合せた隣りの段
落29bの、そのダイヤフラム外輪33bとの間に形成
し、外輪抽気室37に連通するタービン抽気誘引通路5
5をタービン駆動蒸気の流れ方向に向って傾斜状に形成
したものである。
【0085】また、本実施形態は、タービン抽気誘引通
路55を形成する上流側流路壁56a、下流側流路壁5
6bのうち、下流側流路壁56bを上流側流路壁56a
によりタービン駆動蒸気STの流れの方向に向って突き
出し、ダイヤフラム外輪32の外周壁35に対し鋭角に
形成したものである。
【0086】このように、本実施形態では、一方の段落
29aと隣りの段落29bとの間に設けたタービン抽気
誘引通路55を形成する上流側流路壁56aおよび下流
側流路壁56bのうち、その下流側流路壁56bをター
ビン駆動蒸気STの流れの方向に向って上流側流路壁5
6aよりも突き出させ、かつ鋭角の傾斜状に形成したの
で、一方のダイヤフラム外輪32aの外周壁35の境界
層により閉じ込められたタービン駆動蒸気STの熱をあ
ますことなく、良好に外輪抽気室37に誘引することが
できる。
【0087】したがって、本実施形態によれば、境界層
により閉じ込められたタービン駆動蒸気STの熱をもタ
ービン抽気として利用できるので、プラント熱効率を従
来よりもより一層向上させこるとができる。
【0088】図16は、本発明に係る蒸気タービンプラ
ントの第9実施形態を示す概略図である。
【0089】本実施形態に係る蒸気タービンプラント5
7は、蒸気発生器58、蒸気タービン59、発電機6
0、復水器61、復水ポンプ62、給水加熱器63、給
水ポンプ64を備えるとともに、蒸気タービン59のタ
ービン駆動蒸気STをタービン抽気として抽気口69か
ら給水加熱器63に供給するタービン抽気調節弁67を
備えたものである。
【0090】また、本実施形態に係る蒸気タービンプラ
ント57は、タービン駆動蒸気STの温度を検出するタ
ービン駆動蒸気用温度検出器65およびタービン抽気の
温度を検出するタービン抽気用温度検出器66をそれぞ
れ備える一方、各温度検出器65,66の検出温度に基
づいてタービン抽気調節弁67の弁開度を制御する演算
部68を備えたものてある。
【0091】本実施形態に係る蒸気タービンプラント5
7では、境界層により閉じ込められたタービン駆動蒸気
STの熱をタービン抽気として利用するものであるが、
蒸気タービン59の抽気口69から給水加熱器63に給
水の熱源として供給するタービン抽気が多量によると、
本来、段落で膨張仕事をさせるべきタービン駆動蒸気S
Tを、タービン抽気に廻され、タービン出力の低下につ
ながる。このため、本実施形態では、タービン駆動蒸気
用温度検出器65およびタービン抽気用温度検出器66
のそれぞれから検出した温度信号の差分が予め定めた基
準値よりも小さくなったとき、その偏差に基づいて演算
部68で弁開度信号を演算し、その演算信号をタービン
抽気調節弁67に与えてタービン抽気の流量をコントロ
ールしたものである。
【0092】このように、本実施形態では、蒸気タービ
ン59の抽気口69から給水加熱器63に供給するター
ビン抽気を制御するタービン抽気調節弁67を備えたの
で、段落で膨張仕事をするタービン駆動蒸気STを必要
以上にタービン抽気に廻すことがなく、プラント熱効率
を向上させることができる。
【0093】図17は、本発明に係る蒸気タービンプラ
ントの第10実施形態を示す概略図である。なお、第9
実施形態の構成部品と同一または対応する部分には同一
符号を付す。
【0094】本実施形態に係る蒸気タービンプラント5
7は、蒸気タービン59の抽気口69a,69b,69
cから給水加熱器63a,63b,63cに供給するタ
ービン抽気の温度を検出するタービン抽気用温度検出器
66a,66b,66cと、各給水加熱器63a,63
b,63cの給水出口温度を検出する給水出口用温度検
出器70a,70b,70cとを備えるとともに、ター
ビン抽気用温度検出器66a,66b,66cおよび給
水出口用温度検出器70a,70b,70cのそれぞれ
から検出され温度信号に基づいてタービン抽気調節弁6
7a,67b,67cのそれぞれを弁開閉制御する演算
部68を備えたものである。
【0095】蒸気タービンプラント57は、タービン抽
気の制御系が複数になると、蒸気タービン59の抽気口
69a,69b,69cから給水加熱器63a,63
b,63cに期されるタービン抽気を、タービン抽気調
節弁67a,67b,67cで個々に流量コントロール
としていたのでは各給水加熱器63a,63b,63c
の熱交換量が変動し、プラント熱効率が悪くなる。この
ため、本実施形態では、タービン抽気を一括制御するた
めに、タービン抽気用温度検出器66a,66b,66
cおよび給水出口用温度検出器70a.70b,70c
のそれぞれから検出した温度信号に基づいて演算分68
で弁開度信号を演算し、その演算信号をタービン抽気調
節弁67a,67b,67cに与えてタービン抽気の流
量コントロールをしたものである。
【0096】このように、本実施形態では、タービン抽
気を一括制御し、各給水加熱器63a,63b,63c
の熱交換量を均一化させたので、プラント熱効率を向上
させることができる。
【0097】
【発明の効果】以上の説明の通り、本発明に係る蒸気タ
ービンプラントは、外周壁付近を流れる比較的高い熱エ
ネルギを持ったタービン駆動蒸気をタービン抽気として
利用するために、タービンノズルを支持するダイヤフラ
ム外輪の外周壁およびダイヤフラム内輪の内周壁の少な
くとも一方に、外輪開口部または内輪開口部を設け、外
周壁付近のタービン駆動蒸気をタービン抽気として開口
部で誘引して給水加熱器に供給したので、本来、段落で
膨張仕事をすべきタービン駆動蒸気までもタービン抽気
として給水加熱器に供給されることがなく、プラント熱
効率を従来以上に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蒸気タービンプラントの第1実施
形態を示す概略図。
【図2】図1のA−A矢視方向から切断した平面図。
【図3】本発明に係る蒸気タービンプラントの第1実施
形態における外輪開口部の変形例を示す平面図。
【図4】本発明に係る蒸気タービンプラントの第2実施
形態を示す概略図。
【図5】本発明に係る蒸気タービンプラントのプラント
熱効率を示すグラフ。
【図6】本発明に係る蒸気タービンプラントの第3実施
形態を示す概略図。
【図7】本発明に係る蒸気タービンプラントの第4実施
形態を示す概略図。
【図8】本発明に係る蒸気タービンプラントの第5実施
形態を示す概略図。
【図9】本発明に係る蒸気タービンプラントの第6実施
形態を示す概略図。
【図10】本発明に係る蒸気タービンプラントの第7実
施形態を示す概略図。
【図11】本発明に係る蒸気タービンプラントにおい
て、外輪開口部の具体的形状を示す概略図。
【図12】本発明に係る蒸気タービンプラントにおい
て、タービン抽気流出口の具体的形状を示す概略図。
【図13】本発明に係る蒸気タービンプラントにおい
て、外輪開口部の上流側流路壁と下流側流路壁との高さ
を設定する根拠を説明するためのタービン抽気の流力的
損失を示すグラフ。
【図14】本発明に係る蒸気タービンプラントにおい
て、外輪開口部の変形例を示す概略図。
【図15】本発明に係る蒸気タービンプラントの第8実
施形態を示す概略図。
【図16】本発明に係る蒸気タービンプラントの第9実
施形態を示す概略図。
【図17】本発明に係る蒸気タービンプラントの第10
実施形態を示す概略図。
【図18】従来の蒸気タービンプラントの実施形態を示
す概略図。
【図19】従来の蒸気タービンプラントの別の実施形態
を示す概略図。
【図20】従来の蒸気タービンプラントにおいて、一方
の段落と隣りの段落との間に形成された開口部に誘引さ
れるタービン抽気の挙動を説明する図。
【図21】タービン駆動蒸気が段落を通過する際のエン
トロピー分布を説明する図。
【図22】タービン駆動蒸気が段落を通過する際の膨張
仕事を説明するエンタルピー(h)・エントロピー
(S)線図。
【符号の説明】
1 蒸気タービンプラント 2 蒸気発生器 3 蒸気タービン 3a 抽気口 4 発電機 5 復水給水系 6 復水器 7 復水ポンプ 8 低圧給水加熱器 9 給水ポンプ 10 高圧給水加熱器 11 蒸気利用プラント 12 復水補給系 13,14 段落 15a,15b タービンノズル 16a,16b タービン動翼 17 ケーシング 18 タービン軸 19a,19b ダイヤフラム外輪 20a,20b ダイヤフラム内輪 21a,21b ディスク 22 抽気室 23 開口部 24 流路 25 外周壁 26 蒸気タービン 27 ケーシング 28 タービン軸 29 段落 30 タービンノズル 31 タービン動翼 32 ダイヤフラム外輪 33 ダイヤフラム内輪 34 ディスク 35 外周壁 36 外輪開口部 37 外輪抽気室 38 連絡通路 39 抽気口 40 給水加熱器 41 背側 42 腹側 43 前縁 44 内周壁 45 内輪開口部 46 内輪抽気室 47 連絡通路 48 シュラウド 49 シール部 50 タービン抽気流出口 51 タービン抽気溜め室 52 通口部 53 水滴吸引開口部 54a 上流側流路壁 54b 下流側流路壁 55 タービン抽気誘引通路 56a 上流側流路壁 56b 下流側流路壁 57 蒸気タービンプラント 58 蒸気発生器 59 蒸気タービン 60 発電機 61 復水器 62 復水ポンプ 63 給水加熱器 64 給水ポンプ 65 タービン駆動蒸気用温度検出器 66 タービン抽気用温度検出器 67 タービン抽気調節弁 68 演算部 69 抽気口

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤフラム外輪およびダイヤフラム内
    輪とで支持されたタービンノズルに、タービン軸のディ
    スクに植設されたタービン動翼を組み合せて段落を構成
    し、段落をタービン軸に沿って多段に配置し、少なくと
    も一つ以上の段落からのタービン駆動蒸気の一部をター
    ビン抽気として誘引させた蒸気タービンプラントにおい
    て、上記ダイヤフラム外輪の外周壁に沿って流れるター
    ビン駆動蒸気をタービン抽気として上記ダイヤフラム外
    輪内に設けた外輪抽気室に誘引させる外輪開口部を、上
    記外周壁に形成したことを特徴とする蒸気タービンプラ
    ント。
  2. 【請求項2】 外周壁の外輪開口部は、タービン駆動蒸
    気の流れ方向に向って傾斜状に形成したことを特徴とす
    る請求項1記載の蒸気タービンプラント。
  3. 【請求項3】 外周壁の外輪開口部は、一方のタービン
    ノズルの背側から隣りのタービンノズルの腹側に向って
    形成したことを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン
    プラント。
  4. 【請求項4】 外周壁の外輪開口部は、タービン軸の周
    方向に沿って列状に配置されたタービンノズルの前縁側
    に形成したことを特徴とする請求項1記載の蒸気タービ
    ンプラント。
  5. 【請求項5】 ダイヤフラム外輪およびダイヤフラム内
    輪とで支持されたタービンノズルに、タービン軸のディ
    スクに植設されたタービン動翼を組み合せて段落を構成
    し、段落をタービン軸に沿って多段に配置し、少なくと
    も一つ以上の段落からのタービン駆動蒸気の一部をター
    ビン抽気として誘引させた蒸気タービンプラントにおい
    て、上記ダイヤフラム外輪の外周壁に沿って流れるター
    ビン駆動蒸気をタービン抽気として蒸気ダイヤフラム外
    輪内に設けた外輪抽気室に誘引させる外輪開口部を、上
    記外周壁に形成する一方、上記ダイヤフラム内輪の内周
    壁に沿って流れるタービン駆動蒸気をタービン抽気とし
    て上記ダイヤフラム内輪内に設けた内輪抽気室に誘引さ
    せる内輪開口部を、上記内周壁に形成し、上記内輪抽気
    室を上記外輪抽気室に連通させる連絡通路を、上記ター
    ビンノズル内に形成したことを特徴とする蒸気タービン
    プラント。
  6. 【請求項6】 外周壁の外輪開口部は、タービン動翼と
    対峙するシール部の位置に形成したことを特徴とする請
    求項1記載の蒸気タービンプラント。
  7. 【請求項7】 ダイヤフラム外輪およびダイヤフラム内
    輪とで支持されたタービンノズルに、タービン軸のディ
    スクに植設されたタービン動翼を組み合せて段落を構成
    し、段落をタービン軸に沿って多段に配置し、少なくと
    も一つ以上の段落からのタービン駆動蒸気の一部をター
    ビン抽気として誘引させた蒸気タービンプラントにおい
    て、上記タービン軸に対峙するシール部の蒸気をタービ
    ン抽気として上記ダイヤフラム内輪内の内輪抽気室に誘
    引させる内輪開口部を、上記ダイヤフラム内輪のシール
    部側に形成し、上記内輪抽気室のタービン抽気を上記ダ
    イヤフラム外輪内に設けた外輪抽気室に案内する連絡通
    路を、上記タービンノズル内に形成したことを特徴とす
    る蒸気タービンプラント。
  8. 【請求項8】 ダイヤフラム外輪およびダイヤフラム内
    輪とで支持されたタービンノズルに、タービン軸のディ
    スクに植設されたタービン動翼を組み合せて段落を構成
    し、段落をタービン軸に沿って多段に配置し、少なくと
    も一つ以上の段落からのタービン駆動蒸気の一部をター
    ビン抽気として誘引させた蒸気タービンプラントにおい
    て、一方の段落のタービンノズルと隣りの段落のタービ
    ンノズルを支持する共通のダイヤフラム外輪を設け、一
    方の段落のタービンノズルを支持する蒸気ダイヤフラム
    外輪の外周壁に沿って流れるタービン駆動蒸気をタービ
    ン抽気として上記ダイヤフラム外輪内に設けた外輪抽気
    室に誘引させる外輪開口部を、上記外周壁に形成し、上
    記外輪抽気室のタービン抽気を給水加熱器等に案内する
    連絡通路から分岐され、上記隣りの段落のタービンノズ
    ルを支持する上記ダイヤフラム外輪内に設けたタービン
    抽気溜め室に案内する通口部を備えるとともに、上記タ
    ービン抽気溜め室のタービン抽気を上記隣りの段落のタ
    ービンノズルに向って流出させるタービン抽気流出口
    を、上記隣りの段落のタービンノズルを支持する上記ダ
    イヤフラム外輪の外周壁に形成したことを特徴とする蒸
    気タービンプラント。
  9. 【請求項9】 ダイヤフラム外輪およびダイヤフラム内
    輪とで支持されたタービンノズルに、タービン軸のディ
    スクに植設されたタービン動翼を組み合せて段落を構成
    し、段落をタービン軸に沿って多段に配置し、少なくと
    も一つ以上の段落からのタービン駆動蒸気の一部をター
    ビン抽気として誘引させた蒸気タービンプラントにおい
    て、一方の段落のタービンノズルと隣りの段落のタービ
    ンノズルとを支持する共通のダイヤフラム外輪を設け、
    一方の段落のタービンノズルを支持する上記ダイヤフラ
    ム外輪の外周壁に沿って流れるタービン駆動蒸気をター
    ビン抽気として上記ダイヤフラム外輪内に設けた外輪抽
    気室に誘引させる外輪開口部を、上記外周壁に形成し、
    上記外輪抽気室のタービン抽気を上記隣りのタービンノ
    ズルを支持する上記ダイヤフラム外輪内に設けたタービ
    ン抽気溜め室に案内する通口部を備えるとともに、上記
    タービン抽気溜め室のタービン抽気を上記隣りの段落の
    タービンノズルに向って流出させるタービン抽気流出口
    を、上記隣りの段落のタービンノズルを支持する上記ダ
    イヤフラム外輪の外周壁に形成したことを特徴とする蒸
    気タービンプラント。
  10. 【請求項10】 外輪開口部は、上流側流路壁と下流側
    流路壁とで形成し、上記上流側流路壁よりも上記下流側
    流路壁を、タービン駆動蒸気の流れ方向に向って突き出
    して鋭角の傾斜状に形成したことを特徴とする請求項
    1,5,8または9に記載の蒸気タービンプラント。
  11. 【請求項11】 下流側流路壁に対する上流側流路壁の
    高さhは、タービンノズルの高さをHとし、タービン駆
    動蒸気の流量をGとし、外輪開口部に誘引されるタービ
    ン抽気の流量をgとするとき、 【数1】(h×G)/(H×g)=0.3〜1.4 の範囲に設定したことを特徴とする請求項10記載の蒸
    気タービンプラント。
  12. 【請求項12】 タービン抽気出口は、上流側流路壁と
    下流側流路壁とで形成し、上記下流側流路壁よりも上記
    上流側流路壁を、タービン駆動蒸気の流れ方向と同一方
    向に向って突き出して鋭角の傾斜状に形成したことを特
    徴とする請求項8または9記載の蒸気タービンプラン
    ト。
  13. 【請求項13】 上流側流路壁に対する下流側流路壁の
    高さhは、タービンノズルの高さをHとし、タービン駆
    動蒸気の流量をGとし、タービン抽気流出口から流出す
    るタービン抽気の流量をgとするとき、 【数2】(h×G)/(H×g)=0.3〜1.4 の範囲に設定したことを特徴とする請求項12記載の蒸
    気タービンプラント。
  14. 【請求項14】 ダイヤフラム外輪およびダイヤフラム
    内輪とで支持されたタービンノズルに、タービン軸のデ
    ィスクに植設されたタービン動翼を組み合せて段落を構
    成し、段落をタービン軸に沿って多段に配置し、少なく
    とも一つ以上の段落からのタービン駆動蒸気の一部をタ
    ービン抽気として誘引させた蒸気タービンプラントにお
    いて、上記ダイヤフラム外輪の外周壁に沿って流れるタ
    ービン駆動蒸気をタービン抽気として上記ダイヤフラム
    外輪内に設けた外輪抽気室に誘引させる外輪開口部を上
    記外周壁に形成するとともに、タービン駆動蒸気に含ま
    れる水滴を誘引する水滴吸引開口部を、上記タービンノ
    ズルに形成したことを特徴ととする蒸気タービンプラン
    ト。
  15. 【請求項15】 ダイヤフラム外輪およびダイヤフラム
    内輪とで支持されたタービンノズルに、タービン軸のデ
    ィスクに植設されたタービン動翼を組み合せて段落を構
    成し、段落をタービン軸に沿って多段に配置し、一方の
    段落と隣りの段落との間に形成する開口部にタービン駆
    動蒸気の一部をタービン抽気として誘引させた蒸気ター
    ビンプラントにおいて、一方の段落のタービンノズルを
    支持するダイヤフラム外輪と隣りの段落のタービンノズ
    ルを支持するダイヤフラム外輪との間にタービン抽気誘
    引通路を形成し、このタービン抽気誘引通路の上流側流
    路壁よりもその下流側流路壁を、タービン駆動蒸気の流
    れ方向に向って突き出して鋭角の傾斜状に形成したこと
    を特徴とする蒸気タービンプラント。
  16. 【請求項16】 ダイヤフラム外輪およびダイヤフラム
    内輪とで支持されたタービンノズルに、タービン軸のデ
    ィスクに植設されたタービン動翼を組み合せて段落を構
    成し、段落をタービン軸に沿って多段に配置し、少なく
    とも一つ以上の段落からのタービン駆動蒸気の一部をタ
    ービン抽気として誘引させた蒸気タービンプラントにお
    いて、上記開口部に連通する抽気口から給水加熱器に供
    給するタービン抽気の流量を制御するタービン抽気調節
    弁と、タービン駆動蒸気の温度とタービン抽気の温度と
    を検出し、タービン駆動蒸気温度信号とタービン抽気温
    度信号との差分が予め設定した基準値より小さくなった
    ときに上記タービン抽気調節弁の弁開度を閉弁させる演
    算部とを備えたことを特徴とする蒸気タービンプラン
    ト。
  17. 【請求項17】 ダイヤフラム外輪およびダイヤフラム
    内輪とで支持されたタービンノズルに、タービン軸のデ
    ィスクに植設されたタービン動翼を組み合せて段落を構
    成し、段落をタービン軸に沿って多段に配置し、少なく
    とも一つ以上の段落からのタービン駆動蒸気の一部をタ
    ービン抽気として誘引させた蒸気タービンプラントにお
    いて、上記開口部に連通する抽気口から給水加熱器に供
    給するタービン抽気の流量を制御するタービン抽気調節
    弁と、タービン抽気の温度と上記給水加熱器の給水出口
    温度とを検出し、タービン抽気温度信号および給水出口
    温度信号に基づいて上記タービン抽気調節弁の弁開閉信
    号を与える演算部とを備えたことを特徴とする蒸気ター
    ビンプラント。
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