JP2002295201A - タービン動翼の連結装置 - Google Patents

タービン動翼の連結装置

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JP2002295201A JP2001096398A JP2001096398A JP2002295201A JP 2002295201 A JP2002295201 A JP 2002295201A JP 2001096398 A JP2001096398 A JP 2001096398A JP 2001096398 A JP2001096398 A JP 2001096398A JP 2002295201 A JP2002295201 A JP 2002295201A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】翼長の長いタービン動翼に対し、安定した運転
ができるように図ったタービン動翼の連結装置を提供す
る。 【解決手段】本発明にかかるタービン動翼の連結装置
は、運転前の静止時、ラグ18a,18bは、ラグ中心
線LGCLを中間翼部断面中心線PFCLに対して、翼
捩り方向に向って予め定められた傾き角で傾かせた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タービン動翼の連
結装置に係り、特に、運転中に発生する振動を効果的に
抑制するとともに、蒸気中に含まれる水滴の衝突による
侵食に充分に対処できるタービン動翼の連結装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】蒸気タービンは、高出力化が進むに連
れ、また高効率化が進むに連れ、タービン最終段落を通
過する蒸気量が膨大な量になっている。この膨大な流量
を効果的に膨張させるには、タービン最終段落のタービ
ン動翼を長翼化し、環状面積を増大することが必要とさ
れている。
【0003】しかし、蒸気タービンは、タービン最終段
落のタービン動翼が長翼化すると、遠心応力の増加、固
有振動数の低下を招き、流力特性はもとより、振動特性
の面でも高度な技術の開発が必要とされている。
【0004】タービン動翼の振動を抑制する手段とし
て、従来、特公昭52−18841号公報に記載された
タービン動翼の連結装置がある。
【0005】この連結装置は、図12に示すように、タ
ービン動翼1の翼有効部2の略中間位置に一体形成した
ボス3とラグ(突き出し片)4とを備え、対向するラグ
同士を筒状のスリーブ(連結片)5で連結し、隣接する
タービン動翼1同士を連結するものである。
【0006】この連結装置は、運転中、遠心力が発生す
ると、ラグ4とスリーブ5との面接触に基づく摩擦力に
よりタービン動翼1の振動を抑制、減衰させるもので、
その制振効果が比較的高いので、数多く実施されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のタービン動翼
は、タービン最終段落やそれよりも前段落に配置する翼
が長翼化すると、蒸気が翼ルート部(翼根元部)を通過
する際に発生する半径方向速度成分と翼チップ部(翼先
端部)を通過する際に発生する半径方向速度成分との間
に大きな偏差が生じ、翼ルート部と翼チップ部との中間
部分で流入出角に大きな差が出るため、翼ルート部から
翼チップ部に向って翼に捩りが加えられている。
【0008】しかし、タービン動翼は、翼長部分に捩り
を加えていても、運転に入る(回転する)と、遠心力が
発生し、この遠心力により翼捩り戻り(アンツイスト)
が出る。
【0009】このため、タービン動翼は、図13(a)
に示すように、運転前の静止時、中間翼部6a,6bの
ボス3a,3bに一体形成し、スリーブ5で連結したラ
グ4a,4bのそれぞれの中心線を一致させる、いわゆ
る正対位置に設定していても、図13(b)に示すよう
に、定格運転に入ると、遠心力による翼捩り戻りのため
にラグ4a,4bの正対位置が崩れ、スリーブ5とラグ
4a,4bとが干渉し、中間翼部6a,6bやスリーブ
5に過大な拘束力が発生し、損傷の要因になっている。
【0010】このような損傷要因を抑制するために、ス
リーブ5は、図13(a),(b)に示すように、中間
翼部6bの背側7における当り面8bから下流側に向っ
て傾斜縁辺9bを形成するとともに、隣りの中間翼部6
aの腹側8における当り面8aから上流側に向って傾斜
縁辺9aを形成し、ラグ4a,4bとの干渉を避ける設
計を行っている。
【0011】しかし、設計時点の予想を超える翼捩り戻
りが発生したり、あるいは定格回転数を超えるオーバス
ピード運転による翼捩り戻りの場合、上述の新たな設計
のスリーブ5でも、やはりラグ4a,4bとの干渉が避
けられていない。
【0012】さらに、翼長のより一層の長翼化、翼部の
薄肉化、材料の変更などの新設計により翼捩り戻りがよ
り一層大きくなった場合、中間翼部6a,6bのラグ4
a,4b間の距離が著しく大きくなり、スリーブ5がラ
グ4a,4bから抜け出す虞がある。スリーブ5のラグ
4a,4bからの脱落は、タービン動翼1の制振力が無
くなることのみならず、脱落したスリーブの飛散により
直接的にタービン損傷の要因になる。
【0013】また、蒸気タービンは、膨張仕事を繰返し
行った蒸気がタービン最終段落に流れると、全流量の約
10%が水滴を含む湿り蒸気になる場合がある。このた
め、ラグ4a,4bを連結するスリーブ5は、水滴の衝
突が度々繰り返され、また付着・滞留が長年の間に積み
重ねられると、ラグ4a,4b、スリーブ5のみなら
ず、翼材料の疲労による強度低下をも招く虞がある。
【0014】本発明は、このような背景技術に照らして
なされたもので、過酷な運転状態に晒されている翼長の
長いタービン動翼に対し、安定した運転ができるように
図ったタービン動翼の連結装置を提供することを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係るタービン動
翼の連結装置は、上述の目的を達成するために、請求項
1に記載したように、タービンロータの周方向に植設し
たタービン動翼の翼長方向の略中間部にボスを介装して
設けたラグと、互いに隣接するタービン動翼のラグとを
スリーブで連結したタービン動翼の連結装置において、
運転前の静止時、前記ラグは、そのラグ中心線を中間翼
断面中心線に対し、翼捩り方向に向って予め定められた
角度に傾かせたものである。
【0016】また、本発明に係るタービン動翼の連結装
置は、上述の目的を達成するために、請求項2に記載し
たように、タービン動翼の一方のボスに設けたラグの中
心線と互いに隣接する他のタービン動翼の一方のボスに
設けたラグのラグ中心線とは予め定められた間隙をおい
た位置に配置するものである。
【0017】また、本発明に係るタービン動翼の連結装
置は、上述の目的を達成するために、請求項3に記載し
たように、ラグ中心線の中間翼部断面中心線に対する傾
き角は、タービン動翼定格運転中に発生する翼捩り戻り
角に相当する角度に設定したものである。
【0018】また、本発明に係るタービン動翼の連結装
置は、上述の目的を達成するために、請求項4に記載し
たように、ラグ中心線の中間翼部断面中心線に対する傾
き角は、タービン動翼定格運転中に発生する翼捩り戻り
角の1/2以上の範囲の角度に設定したものである。
【0019】また、本発明に係るタービン動翼の連結装
置は、上述の目的を達成するために、請求項5に記載し
たように、スリーブは、タービン動翼の背側に設けたボ
スの端面の当り面から下流側に向って傾斜縁辺を形成す
るとともに、互いに隣接する他のタービン動翼の腹側に
設けたボスの端面の当り面から上流側に向って傾斜縁辺
を形成したものである。
【0020】また、本発明に係るタービン動翼の連結装
置は、上述の目的を達成するために、請求項6に記載し
たように、スリーブは、タービン動翼の背側に設けたボ
スおよび互いに隣接する他のタービン動翼の腹側に設け
たボスのそれぞれに臨む縁辺の上流側および下流側のそ
れぞれに向って傾斜縁辺に形成するとともに、それぞれ
の傾斜縁辺の交点である中央を曲面に形成する面取り部
を備えたものである。
【0021】また、本発明に係るタービン動翼の連結装
置は、上述の目的を達成するために、請求項7に記載し
たように、スリーブは、非円形の筒状に形成するととも
に、この筒状のスリーブの翼先端側を向く面に孔を設け
たものである。
【0022】また、本発明に係るタービン動翼の連結装
置は、上述の目的を達成するために、請求項8に記載し
たように、スリーブは、非円形の筒状に形成するととも
に、この筒状のスリーブの翼先端側を向く面に孔を設け
る一方、前記翼先端側を向く面の肉厚を翼根元部側を向
く面の肉厚に較べて厚く形成したものである。
【0023】また、本発明に係るタービン動翼の連結装
置は、上述の目的を達成するために、請求項9に記載し
たように、スリーブは筒状に形成するとともに、この筒
状ののスリーブの翼先端側を向く面に孔を設ける一方、
前記筒状のスリーブの外径側の半径の中心点と前記筒状
のスリーブの内径側の半径の中心点とを離心させたもの
である。
【0024】また、本発明に係るタービン動翼の連結装
置は、上述の目的を達成するために、請求項10に記載
したように、筒状のスリーブの外径側の半径の中心点か
ら離心させた筒状の内径側の半径の中心点は、翼根元部
側に設定したものである。
【0025】また、本発明に係るタービン動翼の連結装
置は、上述の目的を達成するために、請求項11に記載
したように、スリーブは、非円形の筒状に形成するとと
もに、この筒状のスリーブの翼先端側を向く面および翼
根元部側を向く面のそれぞれに孔を設けたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るタービン動翼
の連結装置の実施形態を図面および図面に付した符号を
引用して説明する。
【0027】図1は、本発明に係るタービン動翼の連結
装置を一部切り欠いて斜視図として示している。
【0028】蒸気タービンは、タービンロータ10の外
周部に、フォーク状の植込み部11を介してタービン動
翼12を植設している。タービン動翼12の隣接翼間の
中央にスリーブ13が介装され、このスリーブ13で隣
接するタービン動翼12を相互に連結している。なお、
符号14は、隣設するタービン動翼12の翼チップ部
(翼先端部)を相互に連結するカバーピースである。
【0029】図2(a)は、タービン動翼12の連結装
置を示す平面図で、タービン動翼12が翼捩り戻りする
前の静止状態を、2枚のタービン動翼12,12を取り
出して示している。
【0030】タービン動翼12,12には、中間翼部1
4,14の背側15,15および腹側16,16のそれ
ぞれにボス17a,17bが設けられており、ボス17
a,17bの端部にラグ18a,18bがボス17a,
17bの軸方向に突出してそれぞれ設けられている。こ
れらのボス17a,17bとラグ18a,18bはター
ビン動翼12,12と一体形成されている。
【0031】また、タービン動翼12,12は、運転
中、蒸気の半径方向の速度成分が翼ルート部(翼根元
部)と翼チップ部(翼先端部)とでほぼ同一になるよう
に、中間翼部断面中心線PFCLに対し、翼捩りが加え
られている。この翼捩りは、翼ルート部から翼チップ部
に向って徐々に大きくなるように加えられている。この
ため、タービン動翼12の一方のボス17bのラグ18
bと対向する他のタービン動翼12の一方のボス17a
のラグ18aとは、運転前の静止状態において、ラグ中
心線LGCLが互いにずれる位置に設定されている。す
なわち、ラグ中心線LGCLは、中間翼部断面中心線P
FCLに対し、翼捩り方向に沿って角度αだけ傾けられ
ている。この傾き角αは、定格運転時、ラグ中心線LG
CLと中間翼部断面中心線PFCLとが互いに一致する
翼捩り戻り角に相当する。この翼捩り戻り角は、タービ
ン動翼12の翼長によって異なる。
【0032】また、タービン動翼12,12は、中間翼
部14に設けた一方のボス17bのラグ18bと、対向
する他の中間翼部14に設けた一方のボス17aのラグ
18aとをスリーブ13を用いて遊嵌的に接続させてい
る。
【0033】スリーブ13は、図3に示すように、中間
翼部14の背側15におけるボス17bに接する平行な
当り面19bから翼下流側の翼捩り戻り方向に向って傾
斜縁辺20bを形成するとともに、対向する中間翼部1
4の腹側16におけるボス17bに接する平行な当り面
19aから翼上流側の翼捩り戻り方向に向って傾斜縁辺
20bを形成した非円形の筒状構造になっている。
【0034】また、スリーブ13は、湿り蒸気に対して
侵食防止に適した構造になっている。図6〜図10は、
侵食防止構造を備えたスリーブ13を示している。この
スリーブ13は、先ず、最初に、図6,図7に示すよう
に、翼根元部側を向く面(R−Side)および翼先端
部側を向く面(T−Side)のうち、翼先端部側を向
く面(T−Side)側に肉厚部分を貫通する孔21を
設けたものである。
【0035】このように、本実施形態は、スリーブ13
の翼先端部側を向く面(T−Side)側に孔21を設
け、スリーブ13内部に入り込んだ水滴を遠心力により
孔21から排出させる構成にしているので、水滴の付着
・滞留による侵食を防止する上で有効になる。また、孔
21を設けると、スリーブ13自体の重量も軽くなるの
で、タービン動翼12,12の遠心力を軽減させること
もできる。例えば、回転数3600回分の蒸気タービン
で、このスリーブ13の設置半径を2300mmとする
とき、計算上、その遠心加速度は約30,000Gにな
り、例えば1グラムの重量軽減は30kgfの遠心力軽
減になる。
【0036】図8は、侵食防止に適した構造を備えたス
リーブ13の第2実施形態を示している。このスリーブ
13は、翼根元部側を向く面(R−Side)側の肉厚
に較べて翼先端部側を向く面(T−Side)側の
肉厚Tを厚くするとともに、肉厚の厚い部分に孔21
を設けたものである。
【0037】本実施形態は、翼根元部側を向く面(R−
Side)に較べて翼先端部側を向く面(T−Sid
e)の肉厚を厚くし、翼先端部側を向く面(T−Sid
e)側に働く遠心力を大きくすることにより、スリーブ
13の回転を防止したものである。スリーブ13が回転
すると、ラグとの間に接触部分あるいは片当り部分に損
傷を発生させることがあるが、本実施形態のように、ス
リーブ13の回転を防止させると、摩耗等による損傷を
考慮する必要がなくなるので有効である。
【0038】図9は、侵食防止に適した構造を備えたス
リーブ13の第3実施形態を示している。このスリーブ
13は、円形に形成するとともに、外径円の半径をRo
とし、内径円の半径をRiとするとき、外径円半径Ro
の中心Oに対し、内径円半径Riの中心Oを翼根元
部側を向く面(R−Side)側に離心させ、肉厚の厚
くなった翼先端部側を向く面(T−Side)側に孔2
1を設けたものである。
【0039】このような構造は、スリーブ13の回転防
止に有効であり、また、旋盤等の汎用の工作機械を用い
て加工することができる点で有効である。
【0040】なお、第1実施形態から第3実施形態で示
したスリーブ13は翼先端部側を向く面(T−Sid
e)側に孔21を設けているが、これらの実施形態に限
らず、例えば、図10に示すように、翼先端部側を向く
面(T−Side)側および翼根元部側を向く面(R−
Side)側の両方に孔21a,21bを設けてもよ
い。このような構造では蒸気タービンの運転,停止時、
スリーブ13内に付着・滞留する水滴を取り除くのに有
効である。また、比較的温度が低く、水滴を多く含む蒸
気を用いる、例えば地熱タービンでは、図6〜図10に
示した侵食防止構造を備えたスリーブ13のうち、いず
れかの実施形態を選択すると効果的である。
【0041】次に、本実施形態に係るタービン動翼の連
結装置の作用を説明する。
【0042】図2(b)は、タービン動翼12,12が
定格運転に入ったときの連結状態を示している。この場
合、ラグ18aと18bがそのラグ中心線LGCLを、
中間翼部断面中心線PFCLに対し、翼捩り戻り角に相
当する傾斜角αで翼捩り方向に向って傾いているので、
タービン動翼12,12の翼捩り戻りに追従し、スリー
ブ13はラグ18a,18bに片当り等することなく滑
らかに動き、ラグ中心線LGCLと中間翼部断面中心線
PFCLとが一致する状態に移行する。
【0043】したがって、本実施形態では、タービン動
翼12,12の運転中、スリーブ13がタービン動翼1
2,12の動きを拘束することがなく、ラグ18a,1
8bの拘束による高応力の発生がなく、安定運転させる
ことができる。
【0044】さらに、図3に示したスリーブ13の作用
を説明する。
【0045】先ず、運転前の静止時、スリーブ13は、
図示の連結状態に組み込まれる。次に、タービン動翼1
2,12が定格運転に入ると、スリーブ13は、図示の
連結状態から翼捩り方向に移動し、最終的に、図2
(b)に示す連結状態になる。
【0046】このとき、スリーブ13は、傾斜縁辺20
a,20bをボス17a,17bの端面に沿って摺動さ
せ、摩擦力を発生させる。
【0047】したがって、本実施形態では、タービン動
翼12,12の運転中、スリーブ13の傾斜縁辺20
a,20bとボス17a,17bとの間に摩擦力を発生
させるので、有効な振動減衰構造になる。
【0048】なお、本実施形態は、定格運転時、図2
(b)に示すように、タービン動翼12の一方のボス1
7bに設けたラグ18bのラグ中心線LGCLと隣接す
る他のタービン動翼12の一方のボス17aに設けたラ
グ18aのラグ中心線LGCLとを一致させ、ラグ18
aとラグ18bの正対位置を維持させるために、図2
(a)に示した運転前の静止時、ラグ中心線LGCLを
中間翼部断面中心線PFCLに対し、翼捩り方向に向っ
て角度αだけ傾け、ラグ中心線が互いにずれる位置に設
定したが、この例に限らず、例えば図11(a),
(b)に示すタービン動翼12の連結装置にも本実施形
態に基づく考え方をそのまま適用することができる。
【0049】すなわち、図11(a),(b)で示した
タービン動翼12の連結装置は、タービン動翼12と隣
接する他のタービン動翼12とのピッチ(タービン動翼
の取付間隔)が比較的狭く、かつ中間翼部14,14の
背側15,15のそれぞれに設けたボス17a,17
b、ラグ18a,18bが前縁23,23側に設置さ
れ、前縁23,23側に設置されたボス17a,17
b、ラグ18a,18bに対向するように他の中間翼部
14の腹側16にもボス17a,17b、ラグ18a,
18bを設置した場合の適用例である。この場合、ター
ビン動翼12の背側15の前縁23側に設けたラグ18
bのラグ中心線LGCLと隣接する他のタービン動翼1
2の腹側16に設けたラグ18aのラグ中心線LGCL
とを翼上流側の翼捩り方向に沿って傾かせ、かつ互いの
ラグ中心線LGCLを異なる位置に配置している。
【0050】このような構成の連結装置の静止状態か
ら、図2(b)で示して定格運転に入ると、タービン動
翼12,12は、遠心力による翼捩り戻りによりラグ1
8a,18bの互いのラグ中心線LGCLを一致させ、
ラグ18a、ラグ18bを正対位置に維持させることが
できる。
【0051】図4は、タービン動翼12が長翼であり、
翼捩りが著しく大きい場合のタービン動翼12の連結装
置を示している。なお、図中、(a)は、運転前の静止
状態を示すタービン動翼12の連結装置の平面図であ
り、(b)は、定格運転時の状態を示すタービン動翼1
2の連結装置の平面図である。また、図2(a),
(b)の構成部分と同一構成部分には同一符号を付し、
重複説明を省略する。
【0052】タービン動翼12,12は、例えば、60
Hz用では45インチ(約1143mm)以上、50H
z用では48インチ(約1220mm)以上の長翼であ
るため、中間翼部断面中心線PFCLに対し、著しく大
きな翼捩りが加えられている。このため、タービン動翼
12の一方のボス17bのラグ18bと対向する他のタ
ービン動翼12の一方のボス17aのラグ18aとは、
運転前の静止状態において、ラグ中心線LGCLを、中
間翼部断面中心線PFCLに対し、翼捩り方向に向って
角度βだけ傾けられている。この傾き角βは、定格運転
時の翼捩り戻り角の1/2以上の範囲内に設定されてい
る。
【0053】また、中間翼部14に設けたボス17bの
一方のラグ18bと対向する他の中間翼部14に設けた
ボス17aの一方のラグ18aとを連結させるスリーブ
13は、図5に示すように、ボス17a,17bに臨む
両端縁のうち、ボス17aに臨む端縁を、中央から翼上
流側の翼捩り戻り方向に向って形成する傾斜縁辺20a
1と、中央から翼下流側の翼捩り方向に向って形成する
傾斜縁辺20a2と、傾斜縁辺20a1,20a2との
交点である中央を曲面に形成する面取り部22aとを備
えるとともに、ボス17bに臨む端縁を、中央から翼上
流側の翼捩り方向に向って形成する傾斜縁辺20b1
と、中央から翼下流側の翼捩り戻り方向に向って形成す
る傾斜縁辺20b2と、傾斜縁辺20b1,20b2と
の交点である中央を曲面に形成する面取り部22bとを
備えている。
【0054】次に、本実施形態に係るタービン動翼の連
結装置の作用を説明する。
【0055】図4(b)は、タービン動翼12,12が
定格運転に入ったときの連結状態を示している。この場
合、ラグ18a,18bの軸方向中心線であるラグ中心
線LGCLが、中間翼部断面中心線PFCLに対し、翼
捩り戻り角の半分以上に相当する傾き角βを成すとき、
β≧(1/2*翼捩り戻り角)で翼捩り方向に向って傾
いているので、タービン動翼12,12の翼捩り戻りの
際、タービン動翼12の片側のラグ18bのラグ中心線
LGCLと隣接する他のタービン動翼12のラグ18a
のラグ中心線LGCLとが互いにずれるものの、ラグ1
8a,18bからスリーブ13が脱落したり、片当りし
て損傷することがない。
【0056】さらに、図5で示したスリーブ13は、タ
ービン動翼12,12が定格運転に入ると、傾斜縁辺2
0,20a1,…,20b,…をボス17a,17bの
端面に沿って摺動させ、摩擦力を発生させる。この摩擦
力により、タービン動翼12,12は、運転中に発生す
る振動を効果的に減衰させることができる。
【0057】なお、上述した全ての実施例について、モ
デルタービンによる実験によってその効果を確認してい
る。
【0058】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明に係るター
ビン動翼の連結装置は、定格運転時、遠心力に基づく翼
捩り戻りが発生することを考慮してタービン動翼の一方
のボスのラグのラグ中心線と隣接する他のタービン動翼
の一方のボスのラグのラグ中心線とを中間翼部断面中心
線に対して翼捩り方向に向って傾かせ、かつラグ中心線
を互いに異ならしめる位置しているので、タービン動翼
に高応力を発生させることがなく、タービン動翼に安定
運転を行わせることができる。
【0059】また、本発明に係るタービン動翼の連結装
置は、タービン動翼のボスの一方のラグと、隣接する他
のタービン動翼のボスの一方のラグとを互いに連結させ
スリーブのボスに臨む側の縁辺のうち、少なくとも一部
の縁辺に傾斜縁辺を形成し、傾斜縁辺がボスの端面を摺
動する際、摩擦力を発生させるので、この摩擦力により
運転中にタービン動翼に発生する振動を減衰させること
ができる。
【0060】また、本発明に係るタービン動翼の連結装
置は、タービン動翼のボスの一方のラグと、隣接する他
のタービン動翼のボスの一方のラグとを互いに連結する
スリーブに滞留・付着した水滴を排除する手段を設けた
ので、水滴による侵食にも充分に対処することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るタービン動翼の連結装置の一部切
欠き斜視図。
【図2】本発明に係るタービン動翼の連結装置の第1実
施形態を示す平面図で、(a)は運転前の静止時の連結
状態を示す図、(b)は定格運転時の連結状態を示す
図。
【図3】図2(a)の運転前の静止時の連結状態を示す
部分拡大図。
【図4】本発明に係るタービン動翼の連結装置の第2実
施形態を示す平面図で、(a)は運転前の静止時の連結
状態を示す図、(b)は定格運転時の連結状態を示す
図。
【図5】図4(a)の運転前の静止時の連結状態を示す
部分拡大図。
【図6】本発明に係るタービン動翼の連結装置におい
て、スリーブの第1実施形態を示す斜視図。
【図7】図6のA−A矢視方向から切断した切断断面
図。
【図8】本発明に係るタービン動翼の連結装置におい
て、スリーブの第2実施形態を示す断面図。
【図9】本発明に係るタービン動翼の連結装置におい
て、スリーブの第3実施形態を示す断面図。
【図10】本発明に係るタービン動翼の連結装置におい
て、スリーブの第4実施形態を示す断面図。
【図11】本発明に係るタービン動翼の連結装置の第1
実施形態における変形例を示す平面図で、(a)は運転
前の静止時の連結状態を示す図、(b)は定格運転時の
連結状態を示す図。
【図12】従来のタービン動翼の連結装置を説明するた
めに用いた図。
【図13】従来のタービン動翼の連結装置を示す平面図
で、(a)は運転前の静止時の連結状態を示す図、
(b)は定格運転時の連結状態を示す図。
【符号の説明】
1 タービン動翼 2 翼有効部 3,3a,3b ボス 4,4a,4b ラグ 5 スリーブ 6a,6b 中間翼部 7 背側 8a,8b 当り面 9a,9b 傾斜縁辺 10 タービンロータ 11 植込み部 12 タービン動翼 13 スリーブ 14 中間翼部 15 背側 16 腹側 17a,17b ボス 18a,18b ラグ 19a,19b 当り面 20a,20a1,20a2,20b,20b1,20
b2 傾斜縁辺 21,21a,21b 孔 22a,22b 面取り部 23 前縁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G002 DA06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タービンロータの周方向に植設したター
    ビン動翼の翼長方向の略中間部にボスを介装して設けた
    ラグと、互いに隣接するタービン動翼のラグとをスリー
    ブで連結したタービン動翼の連結装置において、運転前
    の静止時、前記ラグは、そのラグ中心線を中間翼断面中
    心線に対し、翼捩り方向に向って予め定められた角度で
    傾かせたことを特徴とするタービン動翼の連結装置。
  2. 【請求項2】 タービン動翼の一方のボスに設けたラグ
    の中心線と互いに隣接する他のタービン動翼の一方のボ
    スに設けたラグのラグ中心線とは予め定められた間隙を
    おいた位置に配置することを特徴とする請求項1記載の
    タービン動翼の連結装置。
  3. 【請求項3】 ラグ中心線の中間翼部断面中心線に対す
    る傾き角は、タービン動翼定格運転中に発生する翼捩り
    戻り角に相当する角度に設定したことを特徴とする請求
    項1記載のタービン動翼の連結装置。
  4. 【請求項4】 ラグ中心線の中間翼部断面中心線に対す
    る傾き角は、タービン動翼定格運転中に発生する翼捩り
    戻り角の1/2以上の範囲の角度に設定したことを特徴
    とする請求項1記載のタービン動翼の連結装置。
  5. 【請求項5】 スリーブは、タービン動翼の背側に設け
    たボスの端面の当り面から下流側に向って傾斜縁辺を形
    成するとともに、互いに隣接する他のタービン動翼の腹
    側に設けたボスの端面の当り面から上流側に向って傾斜
    縁辺を形成したことを特徴とする請求項1記載のタービ
    ン動翼の連結装置。
  6. 【請求項6】 スリーブは、タービン動翼の背側に設け
    たボスおよび互いに隣接する他のタービン動翼の腹側に
    設けたボスのそれぞれに臨む縁辺の上流側および下流側
    のそれぞれに向って傾斜縁辺に形成するとともに、それ
    ぞれの傾斜縁辺の交点である中央を曲面に形成する面取
    り部を備えたことを特徴とする請求項1記載のタービン
    動翼の連結装置。
  7. 【請求項7】 スリーブは、非円形の筒状に形成すると
    ともに、この筒状のスリーブの翼先端側を向く面に孔を
    設けたことを特徴とする請求項1記載のタービン動翼の
    連結装置。
  8. 【請求項8】 スリーブは、非円形の筒状に形成すると
    ともに、この筒状のスリーブの翼先端側を向く面に孔を
    設ける一方、前記翼先端側を向く面の肉厚を前記タービ
    ン動翼の翼根元部側を向く面の肉厚に較べて厚く形成し
    たことを特徴とする請求項1記載のタービン動翼の連結
    装置。
  9. 【請求項9】 スリーブは筒状に形成するとともに、こ
    の筒状のスリーブの翼先端側を向く面に孔を設ける一
    方、前記筒状のスリーブの外径側の半径の中心点と前記
    筒状のスリーブの内径側の半径の中心点とを離心させた
    ことを特徴とする請求項1記載のタービン動翼の連結装
    置。
  10. 【請求項10】 筒状のスリーブの外径側の半径の中心
    点から離心させた筒状のスリーブの内径側の半径の中心
    点は、翼根元部側に設定したことを特徴とする請求項9
    記載のタービン動翼の連結装置。
  11. 【請求項11】 スリーブは、非円形の筒状に形成する
    とともに、この筒状のスリーブの翼先端側を向く面およ
    び翼根元部側を向く面のそれぞれに孔を設けたことを特
    徴とする請求項1記載のタービン動翼の連結装置。
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