JP4357135B2 - タービン動翼の連結装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タービン動翼の連結装置に係り、特に、運転中に発生する振動を効果的に抑制するとともに、蒸気中に含まれる水滴の衝突による侵食に充分に対処できるタービン動翼の連結装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
蒸気タービンは、高出力化が進むに連れ、また高効率化が進むに連れ、タービン最終段落を通過する蒸気量が膨大な量になっている。この膨大な流量を効果的に膨張させるには、タービン最終段落のタービン動翼を長翼化し、環状面積を増大することが必要とされている。
【0003】
しかし、蒸気タービンは、タービン最終段落のタービン動翼が長翼化すると、遠心応力の増加、固有振動数の低下を招き、流力特性はもとより、振動特性の面でも高度な技術の開発が必要とされている。
【0004】
タービン動翼の振動を抑制する手段として、従来、特公昭52−18841号公報に記載されたタービン動翼の連結装置がある。
【0005】
この連結装置は、図12に示すように、タービン動翼1の翼有効部2の略中間位置に一体形成したボス3とラグ(突き出し片)4とを備え、対向するラグ同士を筒状のスリーブ(連結片)5で連結し、隣接するタービン動翼1同士を連結するものである。
【0006】
この連結装置は、運転中、遠心力が発生すると、ラグ4とスリーブ5との面接触に基づく摩擦力によりタービン動翼1の振動を抑制、減衰させるもので、その制振効果が比較的高いので、数多く実施されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のタービン動翼は、タービン最終段落やそれよりも前段落に配置する翼が長翼化すると、蒸気が翼ルート部(翼根元部)を通過する際に発生する半径方向速度成分と翼チップ部(翼先端部)を通過する際に発生する半径方向速度成分との間に大きな偏差が生じ、翼ルート部と翼チップ部との中間部分で流入出角に大きな差が出るため、翼ルート部から翼チップ部に向って翼に捩りが加えられている。
【0008】
しかし、タービン動翼は、翼長部分に捩りを加えていても、運転に入る(回転する)と、遠心力が発生し、この遠心力により翼捩り戻り(アンツイスト)が出る。
【0009】
このため、タービン動翼は、図13(a)に示すように、運転前の静止時、中間翼部6a,6bのボス3a,3bに一体形成し、スリーブ5で連結したラグ4a,4bのそれぞれの中心線を一致させる、いわゆる正対位置に設定していても、図13(b)に示すように、定格運転に入ると、遠心力による翼捩り戻りのためにラグ4a,4bの正対位置が崩れ、スリーブ5とラグ4a,4bとが干渉し、中間翼部6a,6bやスリーブ5に過大な拘束力が発生し、損傷の要因になっている。
【0010】
このような損傷要因を抑制するために、スリーブ5は、図13(a),(b)に示すように、中間翼部6bの背側7における当り面8bから下流側に向って傾斜縁辺9bを形成するとともに、隣りの中間翼部6aの腹側8における当り面8aから上流側に向って傾斜縁辺9aを形成し、ラグ4a,4bとの干渉を避ける設計を行っている。
【0011】
しかし、設計時点の予想を超える翼捩り戻りが発生したり、あるいは定格回転数を超えるオーバスピード運転による翼捩り戻りの場合、上述の新たな設計のスリーブ5でも、やはりラグ4a,4bとの干渉が避けられていない。
【0012】
さらに、翼長のより一層の長翼化、翼部の薄肉化、材料の変更などの新設計により翼捩り戻りがより一層大きくなった場合、中間翼部6a,6bのラグ4a,4b間の距離が著しく大きくなり、スリーブ5がラグ4a,4bから抜け出す虞がある。スリーブ5のラグ4a,4bからの脱落は、タービン動翼1の制振力が無くなることのみならず、脱落したスリーブの飛散により直接的にタービン損傷の要因になる。
【0013】
また、蒸気タービンは、膨張仕事を繰返し行った蒸気がタービン最終段落に流れると、全流量の約10%が水滴を含む湿り蒸気になる場合がある。このため、ラグ4a,4bを連結するスリーブ5は、水滴の衝突が度々繰り返され、また付着・滞留が長年の間に積み重ねられると、ラグ4a,4b、スリーブ5のみならず、翼材料の疲労による強度低下をも招く虞がある。
【0014】
本発明は、このような背景技術に照らしてなされたもので、過酷な運転状態に晒されている翼長の長いタービン動翼に対し、安定した運転ができるように図ったタービン動翼の連結装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るタービン動翼の連結装置は、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、タービンロータの周方向に植設したタービン動翼の翼長方向の略中間部にボスを介装して設けたラグと、互いに隣接するタービン動翼のラグとをスリーブで連結したタービン動翼の連結装置において、前記スリーブは、非円形の筒状に形成するとともに、この筒状のスリーブの翼先端側を向く面に孔を設けたものである。
【0016】
また、本発明に係るタービン動翼の連結装置は、上述の目的を達成するために、タービン動翼の一方のボスに設けたラグの中心線と互いに隣接する他のタービン動翼の一方のボスに設けたラグのラグ中心線とは予め定められた間隙をおいた位置に配置するものである。
【0017】
また、本発明に係るタービン動翼の連結装置は、上述の目的を達成するために、ラグ中心線の中間翼部断面中心線に対する傾き角は、タービン動翼定格運転中に発生する翼捩り戻り角に相当する角度に設定したものである。
【0018】
また、本発明に係るタービン動翼の連結装置は、上述の目的を達成するために、ラグ中心線の中間翼部断面中心線に対する傾き角は、タービン動翼定格運転中に発生する翼捩り戻り角の1/2以上の範囲の角度に設定したものである。
【0019】
また、本発明に係るタービン動翼の連結装置は、上述の目的を達成するために、スリーブは、タービン動翼の背側に設けたボスの端面の当り面から下流側に向って傾斜縁辺を形成するとともに、互いに隣接する他のタービン動翼の腹側に設けたボスの端面の当り面から上流側に向って傾斜縁辺を形成したものである。
【0020】
また、本発明に係るタービン動翼の連結装置は、上述の目的を達成するために、スリーブは、タービン動翼の背側に設けたボスおよび互いに隣接する他のタービン動翼の腹側に設けたボスのそれぞれに臨む縁辺の上流側および下流側のそれぞれに向って傾斜縁辺に形成するとともに、それぞれの傾斜縁辺の交点である中央を曲面に形成する面取り部を備えたものである。
【0021】
また、本発明に係るタービン動翼の連結装置は、上述の目的を達成するために、スリーブは、非円形の筒状に形成するとともに、この筒状のスリーブの翼先端側を向く面に孔を設けたものである。
【0022】
また、本発明に係るタービン動翼の連結装置は、上述の目的を達成するために、スリーブは、非円形の筒状に形成するとともに、この筒状のスリーブの翼先端側を向く面に孔を設ける一方、前記翼先端側を向く面の肉厚を翼根元部側を向く面の肉厚に較べて厚く形成したものである。
【0023】
また、本発明に係るタービン動翼の連結装置は、上述の目的を達成するために、スリーブは筒状に形成するとともに、この筒状のスリーブの翼先端側を向く面に孔を設ける一方、前記筒状のスリーブの外径側の半径の中心点と前記筒状のスリーブの内径側の半径の中心点とを離心させたものである。
【0024】
また、本発明に係るタービン動翼の連結装置は、上述の目的を達成するために、筒状のスリーブの外径側の半径の中心点から離心させた筒状の内径側の半径の中心点は、翼根元部側に設定したものである。
【0025】
また、本発明に係るタービン動翼の連結装置は、上述の目的を達成するために、スリーブは、非円形の筒状に形成するとともに、この筒状のスリーブの翼先端側を向く面および翼根元部側を向く面のそれぞれに孔を設けたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るタービン動翼の連結装置の実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
【0027】
図1は、本発明に係るタービン動翼の連結装置を一部切り欠いて斜視図として示している。
【0028】
蒸気タービンは、タービンロータ10の外周部に、フォーク状の植込み部11を介してタービン動翼12を植設している。タービン動翼12の隣接翼間の中央にスリーブ13が介装され、このスリーブ13で隣接するタービン動翼12を相互に連結している。なお、符号14は、隣設するタービン動翼12の翼チップ部(翼先端部)を相互に連結するカバーピースである。
【0029】
図2(a)は、タービン動翼12の連結装置を示す平面図で、タービン動翼12が翼捩り戻りする前の静止状態を、2枚のタービン動翼12,12を取り出して示している。
【0030】
タービン動翼12,12には、中間翼部14,14の背側15,15および腹側16,16のそれぞれにボス17a,17bが設けられており、ボス17a,17bの端部にラグ18a,18bがボス17a,17bの軸方向に突出してそれぞれ設けられている。これらのボス17a,17bとラグ18a,18bはタービン動翼12,12と一体形成されている。
【0031】
また、タービン動翼12,12は、運転中、蒸気の半径方向の速度成分が翼ルート部(翼根元部)と翼チップ部(翼先端部)とでほぼ同一になるように、中間翼部断面中心線PFCLに対し、翼捩りが加えられている。この翼捩りは、翼ルート部から翼チップ部に向って徐々に大きくなるように加えられている。このため、タービン動翼12の一方のボス17bのラグ18bと対向する他のタービン動翼12の一方のボス17aのラグ18aとは、運転前の静止状態において、ラグ中心線LGCLが互いにずれる位置に設定されている。すなわち、ラグ中心線LGCLは、中間翼部断面中心線PFCLに対し、翼捩り方向に沿って角度αだけ傾けられている。この傾き角αは、定格運転時、ラグ中心線LGCLと中間翼部断面中心線PFCLとが互いに一致する翼捩り戻り角に相当する。この翼捩り戻り角は、タービン動翼12の翼長によって異なる。
【0032】
また、タービン動翼12,12は、中間翼部14に設けた一方のボス17bのラグ18bと、対向する他の中間翼部14に設けた一方のボス17aのラグ18aとをスリーブ13を用いて遊嵌的に接続させている。
【0033】
スリーブ13は、図3に示すように、中間翼部14の背側15におけるボス17bに接する平行な当り面19bから翼下流側の翼捩り戻り方向に向って傾斜縁辺20bを形成するとともに、対向する中間翼部14の腹側16におけるボス17bに接する平行な当り面19aから翼上流側の翼捩り戻り方向に向って傾斜縁辺20bを形成した非円形の筒状構造になっている。
【0034】
また、スリーブ13は、湿り蒸気に対して侵食防止に適した構造になっている。図6〜図10は、侵食防止構造を備えたスリーブ13を示している。このスリーブ13は、先ず、最初に、図6,図7に示すように、翼根元部側を向く面(R−Side)および翼先端部側を向く面(T−Side)のうち、翼先端部側を向く面(T−Side)側に肉厚部分を貫通する孔21を設けたものである。
【0035】
このように、本実施形態は、スリーブ13の翼先端部側を向く面(T−Side)側に孔21を設け、スリーブ13内部に入り込んだ水滴を遠心力により孔21から排出させる構成にしているので、水滴の付着・滞留による侵食を防止する上で有効になる。また、孔21を設けると、スリーブ13自体の重量も軽くなるので、タービン動翼12,12の遠心力を軽減させることもできる。例えば、回転数3600回分の蒸気タービンで、このスリーブ13の設置半径を2300mmとするとき、計算上、その遠心加速度は約30,000Gになり、例えば1グラムの重量軽減は30kgfの遠心力軽減になる。
【0036】
図8は、侵食防止に適した構造を備えたスリーブ13の第2実施形態を示している。このスリーブ13は、翼根元部側を向く面(R−Side)側の肉厚Tに較べて翼先端部側を向く面(T−Side)側の肉厚Tを厚くするとともに、肉厚の厚い部分に孔21を設けたものである。
【0037】
本実施形態は、翼根元部側を向く面(R−Side)に較べて翼先端部側を向く面(T−Side)の肉厚を厚くし、翼先端部側を向く面(T−Side)側に働く遠心力を大きくすることにより、スリーブ13の回転を防止したものである。スリーブ13が回転すると、ラグとの間に接触部分あるいは片当り部分に損傷を発生させることがあるが、本実施形態のように、スリーブ13の回転を防止させると、摩耗等による損傷を考慮する必要がなくなるので有効である。
【0038】
図9は、侵食防止に適した構造を備えたスリーブ13の第3実施形態を示している。このスリーブ13は、円形に形成するとともに、外径円の半径をRoとし、内径円の半径をRiとするとき、外径円半径Roの中心Oに対し、内径円半径Riの中心Oを翼根元部側を向く面(R−Side)側に離心させ、肉厚の厚くなった翼先端部側を向く面(T−Side)側に孔21を設けたものである。
【0039】
このような構造は、スリーブ13の回転防止に有効であり、また、旋盤等の汎用の工作機械を用いて加工することができる点で有効である。
【0040】
なお、第1実施形態から第3実施形態で示したスリーブ13は翼先端部側を向く面(T−Side)側に孔21を設けているが、これらの実施形態に限らず、例えば、図10に示すように、翼先端部側を向く面(T−Side)側および翼根元部側を向く面(R−Side)側の両方に孔21a,21bを設けてもよい。このような構造では蒸気タービンの運転,停止時、スリーブ13内に付着・滞留する水滴を取り除くのに有効である。また、比較的温度が低く、水滴を多く含む蒸気を用いる、例えば地熱タービンでは、図6〜図10に示した侵食防止構造を備えたスリーブ13のうち、いずれかの実施形態を選択すると効果的である。
【0041】
次に、本実施形態に係るタービン動翼の連結装置の作用を説明する。
【0042】
図2(b)は、タービン動翼12,12が定格運転に入ったときの連結状態を示している。この場合、ラグ18aと18bがそのラグ中心線LGCLを、中間翼部断面中心線PFCLに対し、翼捩り戻り角に相当する傾斜角αで翼捩り方向に向って傾いているので、タービン動翼12,12の翼捩り戻りに追従し、スリーブ13はラグ18a,18bに片当り等することなく滑らかに動き、ラグ中心線LGCLと中間翼部断面中心線PFCLとが一致する状態に移行する。
【0043】
したがって、本実施形態では、タービン動翼12,12の運転中、スリーブ13がタービン動翼12,12の動きを拘束することがなく、ラグ18a,18bの拘束による高応力の発生がなく、安定運転させることができる。
【0044】
さらに、図3に示したスリーブ13の作用を説明する。
【0045】
先ず、運転前の静止時、スリーブ13は、図示の連結状態に組み込まれる。次に、タービン動翼12,12が定格運転に入ると、スリーブ13は、図示の連結状態から翼捩り方向に移動し、最終的に、図2(b)に示す連結状態になる。
【0046】
このとき、スリーブ13は、傾斜縁辺20a,20bをボス17a,17bの端面に沿って摺動させ、摩擦力を発生させる。
【0047】
したがって、本実施形態では、タービン動翼12,12の運転中、スリーブ13の傾斜縁辺20a,20bとボス17a,17bとの間に摩擦力を発生させるので、有効な振動減衰構造になる。
【0048】
なお、本実施形態は、定格運転時、図2(b)に示すように、タービン動翼12の一方のボス17bに設けたラグ18bのラグ中心線LGCLと隣接する他のタービン動翼12の一方のボス17aに設けたラグ18aのラグ中心線LGCLとを一致させ、ラグ18aとラグ18bの正対位置を維持させるために、図2(a)に示した運転前の静止時、ラグ中心線LGCLを中間翼部断面中心線PFCLに対し、翼捩り方向に向って角度αだけ傾け、ラグ中心線が互いにずれる位置に設定したが、この例に限らず、例えば図11(a),(b)に示すタービン動翼12の連結装置にも本実施形態に基づく考え方をそのまま適用することができる。
【0049】
すなわち、図11(a),(b)で示したタービン動翼12の連結装置は、タービン動翼12と隣接する他のタービン動翼12とのピッチ(タービン動翼の取付間隔)が比較的狭く、かつ中間翼部14,14の背側15,15のそれぞれに設けたボス17a,17b、ラグ18a,18bが前縁23,23側に設置され、前縁23,23側に設置されたボス17a,17b、ラグ18a,18bに対向するように他の中間翼部14の腹側16にもボス17a,17b、ラグ18a,18bを設置した場合の適用例である。この場合、タービン動翼12の背側15の前縁23側に設けたラグ18bのラグ中心線LGCLと隣接する他のタービン動翼12の腹側16に設けたラグ18aのラグ中心線LGCLとを翼上流側の翼捩り方向に沿って傾かせ、かつ互いのラグ中心線LGCLを異なる位置に配置している。
【0050】
このような構成の連結装置の静止状態から、図2(b)で示して定格運転に入ると、タービン動翼12,12は、遠心力による翼捩り戻りによりラグ18a,18bの互いのラグ中心線LGCLを一致させ、ラグ18a、ラグ18bを正対位置に維持させることができる。
【0051】
図4は、タービン動翼12が長翼であり、翼捩りが著しく大きい場合のタービン動翼12の連結装置を示している。なお、図中、(a)は、運転前の静止状態を示すタービン動翼12の連結装置の平面図であり、(b)は、定格運転時の状態を示すタービン動翼12の連結装置の平面図である。また、図2(a),(b)の構成部分と同一構成部分には同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0052】
タービン動翼12,12は、例えば、60Hz用では45インチ(約1143mm)以上、50Hz用では48インチ(約1220mm)以上の長翼であるため、中間翼部断面中心線PFCLに対し、著しく大きな翼捩りが加えられている。このため、タービン動翼12の一方のボス17bのラグ18bと対向する他のタービン動翼12の一方のボス17aのラグ18aとは、運転前の静止状態において、ラグ中心線LGCLを、中間翼部断面中心線PFCLに対し、翼捩り方向に向って角度βだけ傾けられている。この傾き角βは、定格運転時の翼捩り戻り角の1/2以上の範囲内に設定されている。
【0053】
また、中間翼部14に設けたボス17bの一方のラグ18bと対向する他の中間翼部14に設けたボス17aの一方のラグ18aとを連結させるスリーブ13は、図5に示すように、ボス17a,17bに臨む両端縁のうち、ボス17aに臨む端縁を、中央から翼上流側の翼捩り戻り方向に向って形成する傾斜縁辺20a1と、中央から翼下流側の翼捩り方向に向って形成する傾斜縁辺20a2と、傾斜縁辺20a1,20a2との交点である中央を曲面に形成する面取り部22aとを備えるとともに、ボス17bに臨む端縁を、中央から翼上流側の翼捩り方向に向って形成する傾斜縁辺20b1と、中央から翼下流側の翼捩り戻り方向に向って形成する傾斜縁辺20b2と、傾斜縁辺20b1,20b2との交点である中央を曲面に形成する面取り部22bとを備えている。
【0054】
次に、本実施形態に係るタービン動翼の連結装置の作用を説明する。
【0055】
図4(b)は、タービン動翼12,12が定格運転に入ったときの連結状態を示している。この場合、ラグ18a,18bの軸方向中心線であるラグ中心線LGCLが、中間翼部断面中心線PFCLに対し、翼捩り戻り角の半分以上に相当する傾き角βを成すとき、β≧(1/2*翼捩り戻り角)で翼捩り方向に向って傾いているので、タービン動翼12,12の翼捩り戻りの際、タービン動翼12の片側のラグ18bのラグ中心線LGCLと隣接する他のタービン動翼12のラグ18aのラグ中心線LGCLとが互いにずれるものの、ラグ18a,18bからスリーブ13が脱落したり、片当りして損傷することがない。
【0056】
さらに、図5で示したスリーブ13は、タービン動翼12,12が定格運転に入ると、傾斜縁辺20,20a1,…,20b,…をボス17a,17bの端面に沿って摺動させ、摩擦力を発生させる。この摩擦力により、タービン動翼12,12は、運転中に発生する振動を効果的に減衰させることができる。
【0057】
なお、上述した全ての実施例について、モデルタービンによる実験によってその効果を確認している。
【0058】
本実施の形態に係るタービン動翼の連結装置は、定格運転時、遠心力に基づく翼捩り戻りが発生することを考慮してタービン動翼の一方のボスのラグのラグ中心線と隣接する他のタービン動翼の一方のボスのラグのラグ中心線とを中間翼部断面中心線に対して翼捩り方向に向って傾かせ、かつラグ中心線を互いに異ならしめる位置しているので、タービン動翼に高応力を発生させることがなく、タービン動翼に安定運転を行わせることができる。
【0059】
また、本実施の形態に係るタービン動翼の連結装置は、タービン動翼のボスの一方のラグと、隣接する他のタービン動翼のボスの一方のラグとを互いに連結させスリーブのボスに臨む側の縁辺のうち、少なくとも一部の縁辺に傾斜縁辺を形成し、傾斜縁辺がボスの端面を摺動する際、摩擦力を発生させるので、この摩擦力により運転中にタービン動翼に発生する振動を減衰させることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上の説明の通り、本発明に係るタービン動翼の連結装置は、タービン動翼のボスの一方のラグと、隣接する他のタービン動翼のボスの一方のラグとを互いに連結するスリーブに滞留・付着した水滴を排除する手段を設けたので、水滴による侵食にも充分に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るタービン動翼の連結装置の一部切欠き斜視図。
【図2】本発明に係るタービン動翼の連結装置の第1実施形態を示す平面図で、(a)は運転前の静止時の連結状態を示す図、(b)は定格運転時の連結状態を示す図。
【図3】図2(a)の運転前の静止時の連結状態を示す部分拡大図。
【図4】本発明に係るタービン動翼の連結装置の第2実施形態を示す平面図で、(a)は運転前の静止時の連結状態を示す図、(b)は定格運転時の連結状態を示す図。
【図5】図4(a)の運転前の静止時の連結状態を示す部分拡大図。
【図6】本発明に係るタービン動翼の連結装置において、スリーブの第1実施形態を示す斜視図。
【図7】図6のA−A矢視方向から切断した切断断面図。
【図8】本発明に係るタービン動翼の連結装置において、スリーブの第2実施形態を示す断面図。
【図9】本発明に係るタービン動翼の連結装置において、スリーブの第3実施形態を示す断面図。
【図10】本発明に係るタービン動翼の連結装置において、スリーブの第4実施形態を示す断面図。
【図11】本発明に係るタービン動翼の連結装置の第1実施形態における変形例を示す平面図で、(a)は運転前の静止時の連結状態を示す図、(b)は定格運転時の連結状態を示す図。
【図12】従来のタービン動翼の連結装置を説明するために用いた図。
【図13】従来のタービン動翼の連結装置を示す平面図で、(a)は運転前の静止時の連結状態を示す図、(b)は定格運転時の連結状態を示す図。
【符号の説明】
1 タービン動翼
2 翼有効部
3,3a,3b ボス
4,4a,4b ラグ
5 スリーブ
6a,6b 中間翼部
7 背側
8a,8b 当り面
9a,9b 傾斜縁辺
10 タービンロータ
11 植込み部
12 タービン動翼
13 スリーブ
14 中間翼部
15 背側
16 腹側
17a,17b ボス
18a,18b ラグ
19a,19b 当り面
20a,20a1,20a2,20b,20b1,20b2 傾斜縁辺
21,21a,21b 孔
22a,22b 面取り部
23 前縁

Claims (11)

  1. タービンロータの周方向に植設したタービン動翼の翼長方向の略中間部にボスを介装して設けたラグと、互いに隣接するタービン動翼のラグとをスリーブで連結したタービン動翼の連結装置において、前記スリーブは、非円形の筒状に形成するとともに、この筒状のスリーブの翼先端側を向く面に孔を設けたことを特徴とするタービン動翼の連結装置。
  2. 前記スリーブの翼根元部側を向く面にもさらに孔を設けたことを特徴とする請求項1記載のタービン動翼の連結装置。
  3. タービンロータの周方向に植設したタービン動翼の翼長方向の略中間部にボスを介装して設けたラグと、互いに隣接するタービン動翼のラグとをスリーブで連結したタービン動翼の連結装置において、前記スリーブは、タービン動翼の背側に設けたボスおよび互いに隣接する他のタービン動翼の腹側に設けたボスのそれぞれに臨む縁辺の上流側および下流側のそれぞれに向って傾斜縁辺に形成するとともに、それぞれの傾斜縁辺の交点である中央を曲面に形成する面取り部を備えたことを特徴とするタービン動翼の連結装置。
  4. タービンロータの周方向に植設したタービン動翼の翼長方向の略中間部にボスを介装して設けたラグと、互いに隣接するタービン動翼のラグとをスリーブで連結したタービン動翼の連結装置において、前記スリーブは筒状に形成するとともに、この筒状のスリーブの翼先端側を向く面に孔を設ける一方、前記筒状のスリーブの外径側の半径の中心点と前記筒状のスリーブの内径側の半径の中心点とを離心させたことを特徴とするタービン動翼の連結装置。
  5. 筒状のスリーブの外径側の半径の中心点から離心させた筒状のスリーブの内径側の半径の中心点は、翼根元部側に設定したことを特徴とする請求項4記載のタービン動翼の連結装置。
  6. 前記ラグは、運転前の静止時に当該ラグの中心線が中間翼断面中心線に対し、翼捩り方向に向って予め定められた角度で傾いてなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のタービン動翼の連結装置。
  7. タービン動翼の一方のボスに設けたラグの中心線と互いに隣接する他のタービン動翼の一方のボスに設けたラグのラグ中心線とは予め定められた間隙をおいた位置に配置することを特徴とする請求項6記載のタービン動翼の連結装置。
  8. ラグ中心線の中間翼部断面中心線に対する傾き角は、タービン動翼定格運転中に発生する翼捩り戻り角に相当する角度に設定したことを特徴とする請求項6記載のタービン動翼の連結装置。
  9. ラグ中心線の中間翼部断面中心線に対する傾き角は、タービン動翼定格運転中に発生する翼捩り戻り角の1/2以上の範囲の角度に設定したことを特徴とする請求項6記載のタービン動翼の連結装置。
  10. スリーブは、タービン動翼の背側に設けたボスの端面の当り面から下流側に向って傾斜縁辺を形成するとともに、互いに隣接する他のタービン動翼の腹側に設けたボスの端面の当り面から上流側に向って傾斜縁辺を形成したことを特徴とする請求項6記載のタービン動翼の連結装置。
  11. スリーブは、タービン動翼の背側に設けたボスおよび互いに隣接する他のタービン動翼の腹側に設けたボスのそれぞれに臨む縁辺の上流側および下流側のそれぞれに向って傾斜縁辺に形成するとともに、それぞれの傾斜縁辺の交点である中央を曲面に形成する面取り部を備えたことを特徴とする請求項6記載のタービン動翼の連結装置。
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