JPH11158729A - 熱接着性ポリエステル繊維 - Google Patents

熱接着性ポリエステル繊維

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JPH11158729A
JPH11158729A JP32584197A JP32584197A JPH11158729A JP H11158729 A JPH11158729 A JP H11158729A JP 32584197 A JP32584197 A JP 32584197A JP 32584197 A JP32584197 A JP 32584197A JP H11158729 A JPH11158729 A JP H11158729A
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英夫 磯田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたクッション性、耐久性を有する座り心
地の快適なクッション材を良好な工程通過性で製造でき
る熱接着性ポリエステル繊維を提供すること。 【解決手段】 ポリエステルの基本骨格単位が、ベンゼ
ン環を1又は2有する芳香族ジカルボン酸を主成分とす
る酸成分と、−(CH2 n −で示されるメチレン基の
n数が3から7の奇数であるジオールを主成分とするグ
リコール成分を重縮合した融点が80℃以上235℃以
下であるポリエステルAをシース成分とし、ポリエステ
ルの基本骨格単位が、ベンゼン環を1又は2有する芳香
族ジカルボン酸を主成分とする酸成分と、−(CH2
n −で示されるメチレン基のn数が2から6の偶数であ
るジオールを主成分とするグリコール成分を重縮合した
融点がポリエステルAより30℃以上高い融点を有する
ポリエステルBをコア成分としたシースコア断面形状を
有するシース部とコア部の重量比が30:70から7
0:30である熱接着性ポリエステル繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱接着性ポリエス
テル繊維に関する。更には本発明の熱接着繊維を用いて
熱成形により得られた繊維からなるクッション材は優れ
たクッション性及び耐へたり性を付与できる熱接着性ポ
リエステル繊維である。
【0002】
【従来の技術】現在、家具およびベットなどのクッショ
ン材には金属スプリング、発泡ウレタン、ポリエステル
繊維詰め綿、およびポリエステル繊維を接着した樹脂綿
やポリエステル硬綿が知られている。
【0003】しかしながら、発泡ウレタンはクッション
としての耐久性は良好だが、床付き感が大きく、透湿性
に劣り蓄熱性があるため蒸れやすく、かつ、燃焼時の発
熱量が大きく有毒ガスの発生があり焼却炉の損傷が大き
く、かつ、有毒ガスの除去に経費が掛かる等の問題点が
ある。又、ポリエステル繊維詰め綿では繊維間が固定さ
れていないため、使用時に形態が崩れたり、繊維が移動
して巻縮のへたりで嵩高性の低下や弾力性の低下が問題
になる。
【0004】ポリエステル繊維を接着剤で接着した樹脂
綿、例えば接着剤にゴムラテックスを用いたものとして
特開昭60−11352号公報、特開昭61−1413
88号公報、特開昭61−141391号公報等があ
る。又、ウレタンを用いたものとして特開昭61−13
7732号公報等がある。これらのクッション材は耐久
性に劣り、かつリサイクルができない、燃焼時に発生す
る燃焼ガスに有害な成分を含むなどの問題点がある。
【0005】ポリエステル硬綿、例えば特開昭58−3
1150号公報、特開平2−154050号公報、特開
平3−220354号公報等があるが、用いている熱接
着繊維の接着成分が脆い非晶性のポリマーを用いるため
(例えば特開昭58−136828号公報、特開平3−
249213号公報等)接着部分が脆く、使用中に接着
部分が塑性変形や破壊を生じて変形したり弾力性が低下
するなどの耐久性に劣る問題がある。改良法として交絡
処理する方法が特開平4−245965号公報等で提案
されているが接着部分の脆さは解決されず弾力性の低下
が大きい問題がある。更にはソフトなクッション性を付
与しにくい問題もある。このため、接着部分を柔らかい
且つ変形しても回復しやすいポリエステルエラストマー
を用いた熱接着繊維を改良法として特開平4−2402
19号公報が提案されている。この繊維に使用されるポ
リエステルエラストマーはハードセグメントの酸成分に
テレフタル酸を50から80モル%含有し、ソフトセグ
メントとしてポリアルキレングリコールの含有量を30
から50重量%に限定して、他の酸成分として例えば特
公昭60−1404号公報に記載された繊維と同様にイ
ソフタル酸等を含有させて非晶性を増すことにより融点
を180℃以下として熱接着成形温度を低く押さえ、低
分子量化により低溶融粘度にして流動性を良くして熱接
着部分の形成を良くすることが提案させている。しか
し、このような接着成分組成では、塑性変形しやすく、
熱成形時にポリエステルエラストマーの流動性が良すぎ
て熱接着繊維の表面に止まらずコア部を形成する脆い非
弾性成分のみの梁が繊維構造体のマトリックス繊維と接
点間をつないでおり、大きい力や変形で容易に接合点間
をつなぐ脆い非弾性成分の梁が破壊され、繊維構造体の
クッション性や耐久性が失われる問題がある。更にはポ
リエステルエラストマーが繊維表面を覆っているため繊
維の摩擦係数が高くなり過ぎてカード通過性が著しく低
下する問題点があった。耐久性向上のためには、熱接着
成分に非晶性成分を含まないポリエステルエラストマー
を用いた熱接着繊維の提案が特開平6−272111号
公報にて提案されているが、摩擦係数が高くなりカード
開繊性はやや劣るものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を改良し、優れたクッション性、耐久性を有
する座り心地の快適なクッション材を良好な工程通過性
で製造できる熱接着性ポリエステル繊維を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
鋭意検討の結果本発明に到達した。即ち本発明は、ポリ
エステルの基本骨格単位が、ベンゼン環を1又は2有す
る芳香族ジカルボン酸を主成分とする酸成分と、−(C
2 n −で示されるメチレン基のn数が3から7の奇
数であるジオールを主成分とするグリコール成分を重縮
合した融点が80℃以上235℃以下であるポリエステ
ルAをシース成分とし、ポリエステルの基本骨格単位
が、ベンゼン環を1又は2有する芳香族ジカルボン酸を
主成分とする酸成分と、−(CH2 n −で示されるメ
チレン基のn数が2から6の偶数であるジオールを主成
分とするグリコール成分を重縮合した融点がポリエステ
ルAより30℃以上高い融点を有するポリエステルBを
コア成分としたシースコア断面形状を有する複合繊維で
あって、シース部とコア部の重量比が30:70から7
0:30であることを特徴とする熱接着性ポリエステル
繊維である。そして具体的には短繊維であることを特徴
とする熱接着性複合ポリエステル繊維であり、又は巻縮
を有することを特徴とする熱接着性複合ポリエステル繊
維であり、又は中空部を有し中空率が1%以上10%以
下であることを特徴とする熱接着性複合ポリエステル繊
維である。
【0008】本発明のシース成分となるポリエステルA
はポリエステルの基本骨格単位が、ベンゼン環を1又は
2有する芳香族ジカルボン酸を主成分とする酸成分と、
アルキレングリコールの−(CH2 n −で示される直
鎖部分のメチレン基のn数が3から7の奇数であるジオ
ールを主成分とするグリコール成分を重縮合した融点が
80℃以上235℃以下であるポリエステルである。例
えば、ポリプロピレンテレフタレート、ポリプロピレン
イソフタレート、ポリペンタメチレンテレフタレート、
ポリペンタメチレンナフタレート、ポリペンタメチレン
ビフェニレート、ポリヘプタメチレンテレフタレート、
ポリヘプタメチレンナフタレート、ポリヘプタメチレン
ビフェニレートなどを繰返し基本骨格単位とした単成分
又は多成分共重合ポリエステルを主成分とするものが例
示できる。本発明で言う主成分とは少なくとも70モル
%以上を含有するものである。従って、ポリエステルA
にメチレン基のn数が偶数のものが30モル%未満含有
することが許容される。本発明におけるシース成分は熱
接着成分として機能する必要があり、コア成分の融点よ
り少なくとも30℃以上低い必要がある。コア成分によ
り適切な融点は変化するが少なくとも235℃以下80
℃以上である。235℃以上ではコア成分に汎用性のポ
リエステル例えばポリエチレンテレフタレートなどが使
用できないので好ましくない。80℃以下では耐熱性が
極端に低下するので好ましくない。熱処理条件等から汎
用の設備が使用可能な温度域で溶融接合でき、且つ耐久
性及び耐熱性を有する範囲の融点としては、100℃以
上200℃以下が好ましく、より好ましくは110℃以
上180℃以下である。グリコール成分の骨格を形成す
るメチレン基のn数が2、4、6のポリエステルは伸縮
性に乏しいため、n数が2の前記ポリエチレンテレフタ
レートとポリエチレンイソフタレートの共重合ポリエス
テルを使用した場合接着点が脆くなり耐久性に劣る。n
数が4のポリブチレンテレフタレートでは伸縮性に乏し
いためポリエーテルをブロック共重合してエラストマー
化し伸縮性を付与してた場合は、繊維の表面摩擦が著し
く高くなり加工時の工程通過性が極端に低下し品質が安
定せず斑の多い製品が得られるため好ましくない。他
方、n数が3、5、7の奇数のポリエステルは伸縮性が
あり、しかも繊維表面の摩擦係数がエラストマーの様に
著しくは高くならないため、良好な加工工程通過性を保
持し安定した品質で耐久性及びクッション性の優れたク
ッション材を得ることができる。本発明の好ましいシー
ス成分としては単成分又は共重合成分が結晶性が高いほ
ど好ましく、融点調整のため共重合または添加すること
で非晶性になるものは繊維構造体にした時に変形により
塑性変形し易いので好ましくない。なお、本発明のポリ
エステルAは融点調整のために脂肪族系酸成分、分岐ジ
オール、オリゴマー、その他の成分を30モル%未満の
範囲で含有せしめることは特性が著しく低下しない範囲
で許容される。
【0009】本発明のコア成分を構成するポリエステル
Bとしてはポリエステルの基本骨格単位が、ベンゼン環
を1又は2有する芳香族ジカルボン酸を主成分とする酸
成分と、−(CH2 n −で示されるメチレン基のn数
が2から6の偶数であるジオールを主成分とするグリコ
ール成分を重縮合した融点がポリエステルAより30℃
以上高い融点を有するポリエステルである。シース成分
との融点差が30℃未満では熱接着時のシース溶融温度
をシース部融点の10から30℃高い温度で溶融させる
ため温度斑やバラツキ等でコア部も溶融してしまうので
好ましくない。好ましい融点差は50℃以上、200℃
以下、より好ましくは80℃以下150℃未満である。
融点差が200℃を超える場合は紡糸時にシース成分の
分解が発生するので好ましくない。用いるシース成分に
もよるが、本発明で用いられるポリエステルBとして
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン2・6ナフタレート、ポリエチレン2・7ナフタレー
ト、ポリエチレンビフェニール、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリブチレン2・6ナフタレート、ポリブチレ
ン2・7ナフタレート、ポリブチレンビフェニール、ポ
リヘキサメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレン
2・6ナフタレート、ポリヘキサメチレンビフェニー
ル、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、ポリシクロ
ヘキシレン2・4ナフタレート、ポリシクロヘキシレン
ビフェニールなどの単成分又は多成分共重合ポリエステ
ルを主成分とするものが例示できる。ポリエステルBは
コア成分機能として繊維構造体を繋ぐ梁の機能を持たせ
るため融点が高く、高結晶性のものは高モジュラスで耐
熱性がよく塑性変形し難いのでクッション材としたとき
耐熱耐久性と硬さが向上するので特に好ましい。逆に塑
性変形し易く耐熱性が劣るものは好ましくない。又、耐
熱耐久性の優れた伸縮性をもつエラストマーをコア成分
とした場合、伸縮性を持つ梁の機能を発現して耐熱耐久
性と優れたクッション性をクッション材に付与すること
ができるので最も好ましい。好ましいポリエステルエラ
ストマーとしては、例えば前記ポリエステルをハードセ
グメントにしてソフトセグメントとして平均分子量が3
00から5000(好ましくは500から3000、よ
り好ましくは1000から2000)のポリエーテル系
グリコール、ポリエステル系グリコール、ポリカーボネ
イト系グリコール等をブロック共重合した三元ブロック
共重合ポリエステルが例示できる。本発明におけるソフ
トセグメント含有量は多すぎると融点の低下を招くため
50モル%以下が望ましい。好ましい含有量は5モル%
以上30モル%以下である。
【0010】本発明の熱接着性ポリエステル繊維を構成
するポリエステルAおよびポリエステルBには必要に応
じて抗酸化剤、耐光剤、紫外線吸収剤、難燃剤、抗菌
剤、防黴剤、無機粒子、着色剤等を含有させ機能を付加
することができる。
【0011】本発明の熱接着性ポリエステル繊維を構成
するポリエステルA:ポリエステルBの構成重量比は3
0:70から70:30である。シース成分が30重量
%未満では接着点への溶融ポリマーの供給量が少なくな
り接着点強度が低下し耐久性が低下するので好ましくな
い。更には複合紡糸時にコア部を完全に包み込むことが
できなくなり接着点数が減少し繊維構造体の耐久性が低
下するので好ましくない。シース成分が70重量%以上
ではコア成分の梁機能が低下し柔らかくなり過ぎるので
硬さ調整が難しくなる。好ましいポリエステルA:ポリ
エステルBの構成重量比率は40:60から60:4
0、より好ましくは45:55から55:45である。
【0012】本発明の熱接着性繊維は繊維構造体化する
場合フィラメント状で用いることもできるが、通常は機
械巻縮を付与した後切断して短繊維化し、マトリックス
繊維と混綿してカード開繊後熱成形してクッション材を
形成する方法が主流であり、本発明の繊維も同様の方法
で用いる。そのためには、巻縮を付与し切断して短繊維
とする必要がある。巻縮付与は紡糸延伸後に押し込み巻
縮にて機械巻縮を付与する方法が一般的である。カード
開繊性と開繊ウエッブの絡合性を保持するためには機械
巻縮の形態は巻縮度が10%から30%、巻縮数が10
山/インチから25山/インチが好ましい。カット長は
混綿するマトリックス繊維のカット長との関係で適切な
長さに調整する。通常は20ミリから185ミリ、好ま
しくは28ミリから65ミリが汎用のマトリックスとな
るポリエステルに適合できる長さである。他方、開繊方
法としてエアースルー方式を用いる場合は10ミリから
65ミリが好ましい。エアースルー方式の場合は巻縮付
与しなくても使用可能であり本発明繊維も巻縮付与した
もの及び巻縮付与されていないものが選択できる。巻縮
付与が不要な抄紙用途に用いる場合は分散性を考慮して
5ミリから20ミリとするのが好ましい。
【0013】本発明の繊維は軽量化の手段として中空部
を形成することができる。中空部はコア部に形成し、繊
維構造体としたときに中空断面の梁として断面2次モー
メント効果を機能させるのが好ましい。好ましい中空率
は1%以上10%未満が好ましい。1%以下では中空効
果が期待できない。10%以上の場合はコア成分の中空
構造が破裂して中空効果がなくなりコアは捻れ易くなり
梁機能の剛直性が低下する。好ましい中空率は3%以上
8%以下である。
【0014】本発明の繊維の繊度は特に限定されない
が、繊度が太すぎると繊維構造体とした時の構成本数が
減少してネットワーク構造が粗くなり力の分散がし難く
なる。他方マトリックス繊維の繊度が太い場合は熱接着
性ポリエステル繊維の繊度が細すぎると混綿しにくくな
り均一なネットワーク構造を形成しにくくなる。好まし
くはマトリックス繊維に適合できる繊度として1デニー
ル以上100デニール以下が好ましい。また、繊維の断
面形状も特には限定されないが用途や目的に応じて丸断
面や異形断面が選択できる。本発明繊維の油剤は熱接着
処理のため高温にさらされるので耐熱性の良好なものが
好ましく、例えばラウリルフォスフェートカリウムやセ
チルホスフェートカリウムなどのフォスフェート塩を用
いるのが好ましい。
【0015】本発明の熱接着性ポリエステル繊維は単独
で不織布、クッション材等の繊維集合体にしてもよい
が、該熱接着性ポリエステル繊維を5重量%以上、好ま
しくは30重量%以上60重量%をマトリックス繊維と
混綿して繊維集合体にすることで好ましいクッション材
が得られる。好ましいマトリックス繊維の組成としては
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリシクロヘキシレンジメチルテレフタレート、ポ
リエチレンビフェニールなどの高融点で高結晶性のポリ
エステルやポリブチレンテレフタレートなどが例示でき
る。このようなマトリックス繊維と本発明繊維を熱接着
繊維としてネットワーク構造を形成した繊維構造体は接
着点が伸縮性を有し塑性変形が少ないので大きい変形を
受けても回復し耐へたり性が通常の非エラストマー系の
熱接着成分のものより格段に向上している。また、エラ
ストマー系熱接着成分を用いたものに比べ同等の耐へた
り性を示し、本発明のコア成分にエラストマーを用いた
ものは、ネットワーク構造全体が大きい変形を熱接着成
分とコア成分が変形して構造体の変形を吸収するため格
段に耐へたり性が向上する。
【0016】
【実施例】(実施例1〜3,比較例1〜3)酸成分とし
てジメチルテレフタレート(DMT)又は、及びジメチ
ルイソフタレート(DMI)又はナフタレン2・6ジカ
ルボン酸(DMN)とグリコール成分としてエチレング
リコール(EG)、プロピレングリコール(PG)、ブ
タンジオール(BD)、ペンタメチレングリコール(P
D)を少量の触媒と安定剤とともに仕込み、公知の方法
でエステル交換反応後昇温減圧しつつ重縮合してポリエ
ステルA及びポリエステルBを得た。得られたポリエス
テルの特性を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】得られたポリエステルAをシース成分にポ
リエステルBをコア成分として、シース/コアの重量比
を50/50で常法にて紡糸温度を275℃から295
℃にて紡糸し、未延伸糸を得た。次いで延伸温度70℃
から120℃で3倍から3.5倍に延伸し集束後、クリ
ンパーにて機械巻縮を付与し、機械巻縮が伸びない張力
でカッターに供給して51ミリに切断して4デニールか
ら4.5デニールの熱接着繊維性ポリエステル繊維を得
た。得られた繊維の特性を表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】得られた熱接着性ポリエステル繊維を30
重量%と常法にて作成した13デニールの中空で外側に
3個の突起を有する断面形状で立体巻縮を有するPET
短繊維(繊維長51ミリ、巻縮数18山/インチ、巻縮
度23%)を70重量%とをカードにて混綿、開繊して
得たウェッブを密度0.04g/リッポウセンチメート
ルとなるように圧縮し、150℃から240℃の熱風を
強制貫通させて10分間熱処理し、厚み5センチの平板
状クッション材を得た。得られたクッション材の特性を
表3に示す。なお、70℃の圧縮残留歪み(70℃
歪)、常温での繰り返し圧縮残留歪み(繰返し歪)はJ
IS−K−6401の方法による。カード通過性は目視
判断で良好:○、やや不良:△、不良:×で示す。クッ
ション性は10人のパネラーに座らせて、良好:○、や
や不良:△、不良:×で官能評価した。
【0021】
【表3】
【0022】本発明の要件を満たす実施例1〜3は優れ
た耐久性と良好なクッション性を示す。本発明から外れ
る比較例1は熱接着繊維のコア部が溶融してクッション
性が劣り、熱接着成分が本発明から外れる比較例2及び
3は耐久性が劣る。
【0023】(実施例4,5,比較例4,5)シース成
分にA1、コア成分にB1を用い、シースコア比率(重
量比)を変更して上記方法と同様の条件にて得た熱接着
性ポリエステル繊維の特性を表4に示す。
【0024】
【表4】
【0025】実施例1と同様にしてクッション材を作成
し、評価した結果を表5に示す。
【0026】
【表5】
【0027】シースコア比が本発明から外れる比較例
4、5は耐久性及びクッション性が劣るものになる。
【0028】(比較例6)酸成分にDMT及びグリコー
ル成分にBDとソフトセグメントとしてポリテトラメチ
レングリコール(PTMG)を少量の触媒と安定剤とと
もに仕込み常法により重縮合してソフトセグメント含有
量56重量%、融点181℃のポリエーテルエステルブ
ロック共重合体を得た。得られた共重合体をシース成分
に、PETをコア成分にして(シース/コア重量比:5
0/50)280℃にて紡糸し、75℃にて延伸後巻縮
を付与し51ミリに切断して4デニール、巻縮数18山
/インチ、巻縮数13%の熱接着性ポリエステル繊維を
得た。得られた繊維を同様にしてカードでウェッブ化し
ようとしたが摩擦係数が高くうまく開繊ウェッブ化でき
なかった。そのため、エアースルーにて開繊ウェッブを
作成し、200℃の熱風で処理し、厚み5センチの平板
状クッション材を得た。得られたクッション材の特性は
70℃歪18%、繰返し歪5%でクッション性は良好で
あった。が、カードでの通過性が著しく劣り生産性が不
良なものになる。本発明の熱接着性ポリエステル繊維を
用いて得られるクッション材用途としては車両用、船舶
用、家具、ベット、敷布団、座布団等に適するが特には
自動車や鉄道等の車両用座席に特に適している。また他
の用途としては、伸縮性を生かした不織布用途、例えば
衛材、肩パッド、合成皮革や立毛布帛類の基布、伸縮性
編織物等に広く適用できる。
【0029】
【発明の効果】本発明によると他繊維をマトリックスに
用いてクッション材などに熱接着形成した場合、マトリ
ックス繊維間を伸縮性を有する接着点で3次元ネットワ
ーク構造を形成するため優れた耐久性とクッション性を
付与することが可能となる。また、熱可塑性エラストマ
ーを用いた場合に比べ生産性が著しく良好であるので汎
用性に優れた熱接着性ポリエステル繊維を提供すること
も可能となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルの基本骨格単位が、ベンゼ
    ン環を1又は2有する芳香族ジカルボン酸を主成分とす
    る酸成分と、−(CH2 n −で示されるメチレン基の
    n数が3から7の奇数であるジオールを主成分とするグ
    リコール成分を重縮合した融点が80℃以上235℃以
    下であるポリエステルAをシース成分とし、ポリエステ
    ルの基本骨格単位が、ベンゼン環を1又は2有する芳香
    族ジカルボン酸を主成分とする酸成分と、−(CH2
    n −で示されるメチレン基のn数が2から6の偶数であ
    るジオールを主成分とするグリコール成分を重縮合した
    融点が上記ポリエステルAより30℃以上高い融点を有
    するポリエステルBをコア成分としたシースコア断面形
    状を有する複合繊維であって、シース部とコア部の重量
    比が30:70から70:30であることを特徴とする
    熱接着性ポリエステル繊維。
  2. 【請求項2】 短繊維であることを特徴とする請求項1
    記載の熱接着性複合ポリエステル繊維。
  3. 【請求項3】 巻縮を有することを特徴とする請求項1
    記載の熱接着性複合ポリエステル繊維。
  4. 【請求項4】 中空部を有し中空率が1%以上10%以
    下であることを特徴とする請求項1記載の熱接着性複合
    ポリエステル繊維。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002105759A (ja) * 2000-09-26 2002-04-10 Toray Ind Inc ポリエステル熱接着繊維およびクッション材

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