JP3314827B2 - 積層構造体 - Google Patents

積層構造体

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JP3314827B2
JP3314827B2 JP16711193A JP16711193A JP3314827B2 JP 3314827 B2 JP3314827 B2 JP 3314827B2 JP 16711193 A JP16711193 A JP 16711193A JP 16711193 A JP16711193 A JP 16711193A JP 3314827 B2 JP3314827 B2 JP 3314827B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家具、ベッド、車両用
クッション材、断熱材等に適した耐久性とクッション性
を有する積層構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、家具、ベッド、電車、自動車等の
クッション材で、発泡ウレタン、非弾性捲縮繊維詰綿、
及び非弾性捲縮繊維を接着した樹脂綿や硬綿などが使用
されている。
【0003】しかしながら、発泡−架橋型ウレタンはク
ッション材としての耐久性は良好だが、透湿透水性に劣
り蓄熱性があるため蒸れやすく、かつ、熱可塑性では無
いためリサイクルが困難となり焼却される場合、焼却炉
の損傷が大きく、かつ、有毒ガス除去に経費が掛かる。
このため埋め立てされることが多くなったが、地盤の安
定化が困難なため埋め立て場所が限定され経費も高くな
っていく問題がある。また、加工性は優れるが製造中に
使用される薬品の公害問題などもある。また、熱可塑性
ポリエステル繊維詰綿では繊維間が固定されていないた
め、使用時形態が崩れたり、繊維が移動して、かつ、捲
縮のへたりで嵩高性の低下や弾力性の低下が問題にな
る。
【0004】ポリエステル繊維を接着剤で接着した樹脂
綿、例えば接着剤にゴム系を用いたものとして特開昭6
0−11352号公報、特開昭61−141388号公
報、特開昭61−141391号公報等がある。又、架
橋性ウレタンを用いたものとして特開昭61−1377
32号公報等がある。これらのクッション材は耐久性に
劣り、且つ、熱可塑性でなく、単一組成でもないためリ
サイクルも出来ない等の問題、及び加工性の煩雑さや製
造中に使用される薬品の公害問題などもある。
【0005】ポリエステル硬綿、例えば特開昭58−3
1150号公報、特開平2−154050号公報、特開
平3−220354号公報等があるが、用いている熱接
着繊維の接着成分が脆い非晶性のポリマ−を用いるため
(例えば特開昭58−136828号公報、特開平3−
249213号公報等)接着部分が脆く、使用中に接着
部分が簡単に破壊されて形態や弾力性が低下するなどの
耐久性に劣る問題がある。改良法として、交絡処理する
方法が特開平4−245965号公報等で提案されてい
るが、接着部分の脆さは解決されず弾力性の低下が大き
い問題がある。また、加工時の煩雑さもある。更には接
着部分が変形しにくくソフトなクッション性を付与しに
くい問題もある。このため、接着部分を柔らかい、且つ
変形しても回復するポリエステルエラストマ−を用いた
熱接着繊維が特開平4−240219号公報で、同繊維
を用いたクッション材がWO−91/19032号公報
で提案されている。この繊維構造物に使われる接着成分
はポリエステルエラストマ−のハ−ドセグメントの酸成
分にテレフタル酸を50〜80モル%含有し、ソフトセ
グメントとしてのポリアルキレングリコ−ルの含有量が
30〜50重量%を限定すると、他の酸成分組成として
融点が180℃以下となるには、特公昭60−1404
号公報に記載された繊維と同一と認められるので、イソ
フタル酸等を含有し非晶性が増すことになり、低溶融粘
度として熱接着部分の形成を良くしてアメーバー状の接
着部を形成しているが塑性変形しやいため耐熱抗圧縮性
が低下する問題点がある。
【0006】土木工事用に使用する熱可塑性のオレフィ
ン網状体が特開昭47−44839号公報に開示されて
いる。が、細い繊維から構成したクッションとは異なり
表面が凸凹でタッチが悪く、素材がオレフィンのため耐
熱耐久性が著しく劣りクッション材には使用ができない
ものである。この為、改良法として実開平1−1684
8号公報等に不織布又は織布と積層体化する方法が提案
されている。この提案は非弾性樹脂からなる多数の山部
と谷部を持つ網状体に積層されているため、耐熱耐久性
と圧縮回復性が劣り、座席用クッション材としては不適
当なものである。また、異素材の組合せのためリサイク
ルが困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題点を解決し、耐熱性、耐久性、クッション性の優れた
蒸れにくいクッション材に適したリサイクルが容易な積
層構造体を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段、即ち本発明は、100デニール以上の熱可塑性
樹脂からなる連続線状体繊維が部分的に融着してなる、
見掛け密度が0.005〜0.20g/cm3の網状構造
体の少なくとも一面にポリエステルからなる不織布及び
/又は編織物が弾性ポリエステル系熱接着繊維を含む不
織布を介して積層一体化されてなることを特徴とする積
層構造体である。
【0009】本発明における熱可塑性弾性樹脂とは、ソ
フトセグメントとして分子量300〜5000のポリエ
−テル系グリコ−ル、ポリエステル系グリコ−ル、ポリ
カ−ボネ−ト系グリコ−ル等をブロック共重合したポリ
エステル系エラストマ−、ポリアミド系エラストマ−、
ポリウレタン系エラストマ−などが挙げられる。熱可塑
性弾性樹脂とすることで、再溶融により再生が可能とな
るため、リサイクルが容易となる。しかして、網状構造
体はポリエステルからなる不織布及び、または編織物と
積層一体化するのでポリエステル系エラストマ−が主体
の熱可塑性弾性樹脂とするのが好ましい。本発明の積層
体を構成する網状構造体の好ましい組成としては例え
ば、熱可塑性ポリエステルをハ−ドセグメントとし、ポ
リアルキレンジオ−ルをソフトセグメントとするポリエ
ステルエ−テルブロック共重合体、または、脂肪族ポリ
エステルをソフトセグメントとするポリエステルエステ
ルブロック共重合体が例示できる。ポリエステルエ−テ
ルブロック共重合体のより具体的な事例としては、テレ
フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン2・6ジカルボン
酸、ナフタレン2・7ジカルボン酸、ジフェニル4・
4’ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1・4シク
ロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、琥珀
酸、アジピン酸、セバチン酸ダイマ−酸等の脂肪族ジカ
ルボン酸または、これらのエステル形成性誘導体などか
ら選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1・4ブ
タンジオ−ル、エチレングリコ−ル、トリメチレングリ
コ−ル、テトレメチレングリコ−ル、ペンタメチレング
リコ−ル、ヘキサメチレングリコ−ル等の脂肪族ジオ−
ル、1・1シクロヘキサンジメタノ−ル、1・4シクロ
ヘキサンジメタノ−ル等の脂環族ジオ−ル、またはこれ
らのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオ−ル成
分の少なくとも1種、および平均分子量が約300〜5
000のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリ
コ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキ
シド−プロピレンオキシド共重合体等のポリアルキレン
ジオ−ルのうち少なくとも1種から構成される三元ブロ
ック共重合体である。ポリエステルエステルブロック共
重合体としては、上記ジカルボン酸とジオ−ル及び平均
分子量が約300〜3000のポリラクトン等のポリエ
ステルジオ−ルのうち少なくとも各1種から構成される
三元ブロック共重合体である。熱接着性、耐加水分解
性、伸縮性、耐熱性等を考慮すると、ジカルボン酸とし
てはテレフタル酸、または、及びナフタレン2・6ジカ
ルボン酸、ジオ−ル成分としては1・4ブタンジオ−
ル、ポリアルキレンジオ−ルとしてはポリテトラメチレ
ングリコ−ルの3元ブロック共重合体または、ポリエス
テルジオ−ルとしてポリラクトンの3元ブロック共重合
体が特に好ましい。特殊な例では、ポリシロキサン系の
ソフトセグメントを導入したものも使うこたができる。
また、上記エラストマ−に非エラストマ−成分をブレン
ドされたもの、共重合したもの等も本発明の熱可塑性弾
性樹脂に包含される。
【0010】本発明の熱可塑性弾性樹脂の融点は耐熱耐
久性が保持できる140℃以上が好ましく、160℃以
上のものを用いると耐熱耐久性が向上するのでより好ま
しい。なお、必要に応じ、抗酸化剤や耐光剤等を添加し
て耐久性を向上させることができる。
【0011】本発明の網状構造体を構成する連続線状体
繊維は、示差走査型熱量計にて測定した融解曲線におい
て、融点以下に吸熱ピ−クを有するものが好ましい。融
点以下に吸熱ピ−クを有するものは、耐熱耐へたり性が
吸熱ピ−クを有しないものより著しく向上する。この理
由は明確ではないが、疑似結晶化様の架橋点が形成さ
れ、耐熱抗へたり性が向上しているのではないかと考え
られる。例えば、本発明の好ましいポリエステル系エラ
ストマ−として、酸成分としてテレフタル酸やナフタレ
ン2・6*カルボン酸などを90モル%以上含有するも
の、より好ましくはテレフタル酸やナフタレン2・6ジ
カルボン酸の含有量は95モル%以上、特に好ましくは
100モル%とグリコ−ル成分をエステル交換後、必要
な重合度まで重合し、次いで、ポリアルキレンジオ−ル
として、好ましくは平均分子量が500以上5000以
下、特に好ましくは1000以上3000以下のポリテ
トラメチレングリコ−ルを15重量%以上70重量%以
下、より好ましくは30重量%以上60重量%以下共重
合量させた場合、テレフタル酸やナフタレン2・6ジカ
ルボン酸の含有量が多いとハ−ドセグメントの結晶性が
向上し、塑性変形しにくく、かつ、耐熱抗へたり性が向
上するが、溶融熱接着後更に融点より少なくとも10℃
以上低い温度でアン−リング処理すると更に耐熱抗へた
り性が向上する。この場合、示差走査型熱量計(DS
C)による融解曲線において、融点以下の温度で吸熱ピ
ークをより明確に発現する。このことから類推するに、
アン−リングにより、ハ−ドセグメントが再配列され、
疑似結晶化様の架橋点が形成され、耐熱抗へたり性が向
上しているのではないかとも考えられる。
【0012】本発明の積層構造体を構成する網状構造体
は、熱可塑性弾性樹脂からなる繊維が、該繊維同士が融
着して3次元網状構造を形成している。このことで、非
常に大きい応力で、大変形を与えても、融着一体化した
3次元網状構造全体が変形して応力を吸収し、応力が解
除されると弾性樹脂のゴム弾性が発現して、構造体は元
の形態に回復することができる。公知の非弾性樹脂から
なる繊維を含有するクッション材では、塑性変形を生
じ、このような回復が起こらないので耐熱耐久性が劣
る。融着していない場合は、形態保持が出来ず、構造体
が一体で変形しないため、応力集中による疲労現象が起
こり耐久性が劣ると同時に、形態が変形してしまうので
好ましくない。本発明のより好ましい融着の程度は、繊
維が接触している部分の大半が融着した状態であり、も
っとも好ましくは接触部分が全て融着した状態である。
なお本発明の連続線状体の繊度は100〜100000
デニ−ル、より好ましくは300〜50000デニ−ル
である。断面形状は特に限定されないが、細い繊度の繊
維とする場合、異形断面や中空断面は反発力が向上する
ので好ましい。
【0013】本発明の熱可塑性弾性樹脂からなる繊維
が、該繊維同士が融着した網状構造体の見掛け密度は
0.005g/cm3以上、0.20g/cm3以下である。
見掛け密度が0.005g/cm3未満では、反発力が失
われるのでクッション材に不適当であり、0.20g/
cm3を越えると弾発性が強くなり、座り心地が悪くなる
ので、クッション材には不適当なものとなる。本発明の
好ましい見掛け密度は0.005〜0.10g/cm3
より好ましくは0.01〜0.05g/cm3である。な
お、網状構造体の厚みは、特に限定されないが、クッシ
ョン体としての機能が発現されやすい3mm以上とするの
が好ましい。尚、網状構造体の表面は積層体としたとき
異物感を与えないため、及び不織布及び、又は編織物に
応力集中させない為にも実質的に凹凸がないものが好ま
しい。
【0014】本発明の積層構造体は前記網状構造体の少
なくとも一面をポリエステルから成る不織布及び
は編織物を弾性ポリエステル系熱接着繊維を含む不織布
積層一体化することで、通気透湿性の良好な網状構造
体と通気透湿性が良好な不織布及び、または編織物と積
層一体化しているため、座席として用いた時に蒸れにく
くでき、座席のフレ−ムを除けば、分別せずに再生も可
能である。本発明の積層体は、座席のスプリングと接す
る裏面補強用不織布及び/又は編織物が積層されたも
のである。表面はタッチの柔らかな硬綿不織布と、その
上にさらに側地を積層し一体化することが好ましい。
プリングと接する裏面補強用不織布は、網状体に弾性
ポリエステル系熱接着繊維を含む不織布で積層熱接着さ
る。表面は、網状体の上にタッチの柔らかな硬綿不織
、さらにその上側地をそれぞれ弾性ポリエステル系
の熱接着繊維を含む不織布で積層熱接着して一体化する
か、少し硬い網状構造体の上にソフトな網状構造体、
らにその上に側地をそれぞれ弾性ポリエステル系熱接着
繊維を含む不織布積層接着したものが好ましい。フイ
ルムや耐久性の優れた独立気泡を持つポリウレタンの様
な発泡体を積層すると通気透湿性が悪くなり蒸れ易くな
るので好ましくない。積層する硬綿不織布も弾性ポリエ
ステル系熱接着繊維を含むものとすることで耐熱耐久性
とクッション性がより向上するので特に好ましい実施形
態である。なお、本発明で言うポリエステル不織布と
は、公知の方法で得られるポリエステルから成るスパン
ボンド、メルトブロ−で得られる交絡処理をしたまた
は、交絡させないで接着した長繊維不織布および、ポリ
エステル短繊維を開繊後、スパンレ−ス、ニ−ドルパン
チ等の交絡処理または、レジンボンド、熱接着繊維で接
着処理した熱接着不織布や抄紙法で得られる不織布を含
む。なお、熱接着不織布には、厚みの厚い硬綿不織布
や、熱接着繊維のみからなる熱接着繊維等を含む。
【0015】熱可塑性弾性樹脂から成る網状構造体の製
法は、一般的な溶融押出機を用いて溶融した例えば特開
昭55−120626号公報等の公知の方法で得た熱可
塑性弾性樹脂を複数のオリフィスを持つノズルより下向
きに吐出させ、自然落下させると吐出線条が旋回してル
−プを形成する。このときノズル面と樹脂を固化させる
冷却媒体上に設置した引取りコンベアとの距離、樹脂の
溶融粘度、オリフィスの孔径と吐出量などによりループ
径と線径がきまる。次いで、冷却媒体上に設置した間隔
が調整可能な一対の引取りコンベアで溶融状態の吐出線
条を挟み込み停留させることで互いに接触した部分を融
着させ、連続して冷却媒体中に引込み固化させ網状構造
体を形成する。前記コンベアの間隔を調整することで、
融着した網状体が溶融状態でいる間で厚み調節が可能と
なり、所望の厚みのものが得られる。コンベア速度が速
すぎると、融着するまでに冷却され、接触部が融着され
なくなる。また、速度が遅過ぎると溶融物が滞留し過
ぎ、密度が高くなるので、所望の見掛け密度に適したコ
ンベア速度を設定する必要がある。好ましくは次いで、
または別途に疑似結晶化処理を行う。この処理は、冷却
媒体の温度をアニ−リング温度とすることで冷却と同時
に疑似結晶化処理を行うことができる。また、一旦冷却
後、乾燥工程を経する場合、乾燥温度をアニ−リング温
度とすることで同時に疑似結晶化処理を行うができる。
また、別途疑似結晶化処理を行うができる。次いで所望
の長さに切断してクッション材に用いる。疑似結晶化処
理温度は、少なくとも融点(Tm)より10℃以上低
く、Tanδのα分散立ち上がり温度(Tαcr)以上
で行う。この処理で、融点以下に吸熱ピ−クを持ち、疑
似結晶化処理しないもの(吸熱ピ−クを有しないもの)
より耐熱耐へたり性が著しく向上する。本発明の好まし
い疑似結晶化処理温度は(Tαcr+10℃)から(T
m−20℃)である。網状構造体をクッション層に用い
る場合、その使用目的、使用部位により使用する樹脂、
繊度、ル−プ径、嵩密度を選択する必要がある。例え
ば、表層のワディング層に用いる場合は、ソフトなタッ
チと適度の沈み込みと張りのある膨らみを付与するため
に、低密度で細い繊度、細かいル−プ径にするのが好ま
しく、中層のクッション層としては、共振振動数を低く
し、適度の硬さと圧縮時のヒステリシスを直線的に変化
させて体型保持性を良くし、耐久性を保持させるため
に、中密度で太い繊度、やや大きいル−プ径が好まし
い。また、3次元構造を損なわない程度に成形型等を用
いて使用目的にあった形状に成形して使用できる。ま
た、製造過程から成形体に加工する任意の段階で難燃
化、防虫抗菌化、耐熱化、撥水撥油化、着色、芳香等の
機能付与を薬剤添加等の処理加工ができる。
【0016】本発明の積層構造体は、上記製法で得た網
状構造体に不織布及び、または編織物と積層一体化して
得られる。ポリエステルからなる不織布や編織物は公知
の方法で得ることができる。また、ポリエステルエラス
トマからなる不織布についても、例えば、特開昭63
−12746号公報等による製法からはスパンボンド不
織布が、特開平3−119164号公報等による製法で
メルトブロー不織布を得ることができる。また、短繊維
不織布としては、特願平4−340483号公報、特願
平4−342577号公報等の方法でエラストマ系熱
接着繊維を用いた耐熱耐久性の良い硬綿不織布を得るこ
とができる。本発明の好ましい実施形態としては、表面
から、ポリエステル製側地−エラストマからなるメル
トブロ−不織布−エラストマ系熱接着繊維を用いた
耐熱耐久性の良い硬綿不織布−エラストマからなるメ
ルトブロー不織布−網状構造体−エラストマからなる
メルトブロ不織布−ポリエチレンテレフタレト(P
ET)のスパンボンド不織布と積層し、必要な厚みに圧
縮し、エラストマからなるメルトブロ不織布の融点
より10℃から25℃高い温度で熱成形して一体化する
か、側地を除いて一体化後、側地を取付けてもよい。こ
のようにエラストマで熱接着一体化することで、変形
させても構造が回復して形態保持性が著しく良好とな
る。また、成形型等を用いて使用目的にあった形状に成
形して使用できる。また、製造過程から成形体に加工す
る任意の段階で難燃化、防虫抗菌化、耐熱化、撥水撥油
化、着色、芳香等の機能付与を薬剤添加等の処理加工が
できる。
【0017】
【実施例】以下に実施例で本発明を詳述する。
【0018】なお、実施例中の評価は以下の方法で行っ
た。 融点(Tm)および融点以下の吸熱ピ−ク 島津製作所製TA50,DSC50型示差熱分析計を使
用し、昇温速度20℃/分で測定した吸発熱曲線から吸
熱ピ−ク(融解ピ−ク)温度を求めた。 Tαcr オリエンテック社製バイブロンDDVII型を用い、11
0Hz、昇温速度1℃/分で測定したTanδ(虚数弾
性率M”と弾性率の実数部分M’との比M”/M’)の
ゴム弾性領域から融解領域への転移点温度に相当するα
分散の立ち上がり温度。 見掛け嵩密度 試料を15cm×15cmの大きさに切断し、4か所の高さ
を測定し、体積を求め、試料の重さを体積で徐した値で
示す。(n=4の平均値) 耐熱耐久性(70℃残留歪) 試料を15cm×15cmの大きさに切断し、50%圧縮し
て70℃乾熱中22時間放置後冷却して圧縮歪みを除き
1日放置後の厚みと処理前の厚みの比を%で示す(n=
3の平均値) 繰返し圧縮歪 試料を15cm×15cmの大きさに切断し、島津製作所製
サ−ボパルサ−にて、25℃65%RH室内にて50%
の厚みまで1Hzのサイクルで圧縮回復を繰り返し2万
回後の試料を1日放置後の厚みと処理前の厚みの比を%
で示す。(n=3の平均値) 50%圧縮反発力 試料を20cm×20cmの大きさに切断し、オリエンテッ
ク社製テンシロンにてφ150圧縮板にて65%まで圧
縮して得た応力−歪み曲線の50%圧縮時反発力で示
す。(n=3の平均値) 乗り心地 一体積層体化した座部を自動車の座席フレ−ムにセット
し、パネラ−5人に各4時間運転させて以下の点を官能
評価させ、5人の平均値で評価した。 (1) 床つき感:なし(良)、少しあり(小)、ややあり
(中)、著しい(大) (2) 蒸れ感:なし、少し感じる(小)、やや感じる
(中)、著しい(大) (3) クッション性:良好(◎)、2時間位苦にならない
(○)、振動が感じられるが1時間位我慢できる
(△)、直接振動を感じ30分も我慢できない(×) 耐へたり性 島津製作所製サ−ボパルサ−にて、圧縮荷重100kgに
て球形のおもりを1Hzにて20万回座席中央部に押しつ
け、へたりの程度を厚みの低下程度により10%以下
(◎)、20%以下(○)、30%以下(△)、30%
以上(×)の基準で評価した。 再生時糸ぎれ 座席のフレ−ムを除き、座席を粉砕して乾燥後、φ0.
2mmのオリフィスより285℃にて溶融し、吐出量0.
5g/分孔、引取り速度1300m/分にて4時間溶融
紡糸して、糸切れ回数を測定し、0回(◎)、2回以下
(○)、5回以下(△)、5回以上(×)の基準で評価
した。
【0019】実施例 ジメチルテレフタレ−ト(DMT)と1・4ブタンジオ
−ル(1・4BD)を少量の触媒と仕込み、常法により
エステル交換後、分子量2000のポリテトラメチレン
グリコ−ル(PTMG)を58重量%添加して昇温減圧
しつつ重縮合せしめ、融点179℃、Tαcr58℃の
ポリエ−テルエステルブロック共重合エラストマ−を生
成させ、次いで抗酸化剤1%を添加混合練込み後ペレッ
ト化し、50℃48時間真空乾燥して得られた熱可塑性
弾性樹脂原料を幅50cm、長さ5cmのノズル有効面に孔
径0.5mmのオリフィスを孔間ピッチ5mm間隔で配列し
たノズルより、単孔吐出量を1.5g/分に変更して吐
出させ、ノズル面50cm下に冷却水を配し、幅60cmの
ステンレス製エンドレスネットを平行に5cm間隔で一対
の引取りコンベアを水面上に一部出るように配した上に
引取り、接触部分を融着させつつ、両面を挟み込みつつ
毎分1mの速度で70℃に加熱した冷却水中へ引込み固
化させつつ、疑似結晶化処理した後、所定の大きさに切
断して見掛け密度0.03g/cm3、70℃残留歪9
%、繰り返し圧縮歪み1.4%、50%圧縮時反発力3
0kgの網状構造体(網状構造体No.A−1)を得た。
【0020】吐出量を0.3g/分とし、引取りコンベ
ア速度を2m/分にした以外、A−1と同様にして、見
掛け密度0.003g/cm3、70℃残留歪7.4%、
繰り返し圧縮歪み1.2%、50%圧縮時反発力4kgの
網状構造体(網状構造体No.A−2)を得た。
【0021】吐出量を6.8g/分とし、引取りコンベ
アの速度を50cm/分にした以外、A−1と同様にして
見掛け密度0.30g/cm3の網状構造体(網状構造体N
o.A−3)を得た。
【0022】メルトインデクス50のポリプロピレン
(PP)を幅50cm、長さ5cmのノズル有効面に孔径
0.5mmのオリフィスを孔間ピッチ5mm間隔で配列した
ノズルより、単孔吐出量を15g/分にて吐出させ、ノ
ズル面50cm下に冷却水を配し、幅60cmのステンレス
製エンドレスネットを平行に5cm間隔で一対の引取りコ
ンベアを水面上に一部出るように配した上に引取り、接
触部分を融着させつつ、両面を挟み込みつつ毎分1mの
速度で20℃の冷却水中へ引込み固化させた後、所定の
大きさに切断して見掛け密度0.35g/cm3、70℃
残留歪48.6%、繰り返し圧縮歪み29.3%、50
%圧縮時反発力182kgの網状構造体(網状構造体No.
A−4)を得た。
【0023】A−1で用いたポリエ−テルエステルブロ
ック共重合エラストマ−を鞘成分に、ポリエチレンテレ
フタレ−ト(PET)を芯成分(50/50重量比)に
して常法により得た4デニ−ルの熱接着繊維と、固有粘
度0.63のPETを用い、常法により得た立体捲縮を
有する繊度6デニ−ル、初期引っ張り抵抗度40g/デ
ニ−ル、中空断面の短繊維を30/70重量比混繊し、
カ−ドにて開繊−積層後、圧縮して205℃の熱風で5
分間接着処理後、一旦冷却し、次いで50%圧縮して、
100℃の熱風にて15分間疑似結晶化処理して得た見
掛け密度0.02g/cm3、70℃残留歪18.3%、
繰り返し圧縮歪み2.6%、50%圧縮時反発力12kg
のエラストマ−系熱接着繊維を用いた耐熱耐久性の良い
硬綿不織布(不織布No.B−1)を得た。
【0024】DMTとヘキサンジオール(HD)及び1
・4BDを少量の触媒と仕込み、常法によりエステル交
換後、分子量3000のPTMGを78重量%添加して
昇温減圧しつつ重縮合せしめ、融点142℃のポリエ−
テルエステルブロック共重合エラストマ−を生成させ、
次いで抗酸化剤1%を添加混合練込み後ペレット化し、
40℃48時間真空乾燥して得られた熱可塑性弾性樹脂
原料を常法により、目付け15g/m2のメルトブロー不
織布(不織布No.C−1)を得た。
【0025】メルトインデクス25のポリエチレン(P
E)を鞘成分にし、メルトインデクス50のPPをロピ
レンを芯成分(50/50重量比)にして常法により得
た4デニ−ルの熱接着繊維と、固有粘度0.63のPE
Tを用い、常法により得た立体捲縮を有する繊度6デニ
−ル、初期引っ張り抵抗度40g/デニ−ル、中空断面
の短繊維を30/70重量比混繊し、カ−ドにて開繊−
積層後、圧縮して140℃の熱風で5分間接着処理して
得た見掛け密度0.02g/cm3、70℃残留歪47.
8%、繰り返し圧縮歪み17.2%、50%圧縮時反発
力8kgのオレフィン系熱接着繊維を用いた硬綿不織布
(不織布No.B−2)を得た。
【0026】メルトインデクス25のPEを用い、常法
により目付け15g/m2のメルトブロー不織布(不織布
No.C−2)を得た。
【0027】多数の穴が開けられた座部メス金型に上記
網状構造体上に側地を止める金具と共に不織布Cを介し
て不織布Bが積層されるように重ね、多数の穴が開けら
れた座部オス金型にて圧縮し、不織布Cの融点より10
℃高い熱風で5分間処理して座部形態の一体成形された
積層体を得た。次いで座席フレ−ムに側地を被せた積層
体を取付け、座り心地と耐久性を評価した。比較のた
め、網状構造体のみ座席形態としたものに発泡ポリウレ
タンのワディング層を接着剤で張りつけた積層体も作成
し、同様に座席に取付け評価した。積層体の構成及び評
価結果を表1に示す。又、不織布Bと側地の間に不織布
Cを積層して側地とも一体成形した積層体も作成し、評
価した結果も表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】本発明の要件を満たす実施例1及び実施例
2は床つき感が無く、蒸れにくく、クッション性の良好
な、耐へたり性も優れた座席に適した積層構造体であっ
た。比較例1は低密度の網状構造体を用いた例で、沈み
込みが大きくなるため、床つき感、蒸れ感、クッション
性が著しく劣るものである。比較例2は網状構造体の密
度が高過ぎて硬くなり、床つき感、蒸れ感、クッション
性が著しく劣るものである。比較例3は網状構造体が非
弾性樹脂の繊維からなりるため、硬く、床つき感、蒸れ
感、クッション性が著しく劣り、更には、耐へたり性が
著しく劣り、再生が困難な素材の例である。比較例4は
網状構造体が非弾性樹脂の繊維からなり、積層した不織
布が網状構造体とは同質だが側地とは異なるため、硬
く、床つき感、蒸れ感、クッション性が著しく劣り、更
には、耐へたり性が著しく劣り、再生が困難な素材の例
である。比較例5は網状構造体はエラストマ−からなる
が、積層不織布がポリエステルではないため、蒸れを感
じ易く、再生が難しい例である。比較例6は、ポリエス
テル不織布の代わりにポリウレタンを積層したため、蒸
れが著しく、再生も困難な例である。
【0030】
【発明の効果】本発明の積層構造体は、床つき感がな
く、蒸れにくく座り心地の良好なクッション材に適した
積層構造体のため、車両用座席に使用しても長時間の運
転が快適にでき、長期間の使用でもへたり難く、リサイ
クルが容易な積層構造体であるので車両用座席以外に
も、船舶用座席、家具用クッション、寝装用品の詰め綿
等に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−213454(JP,A) 特開 昭49−19173(JP,A) 特開 平1−207462(JP,A) 特開 平4−240219(JP,A) 特公 昭62−3263(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/00 - 18/00 B68G 1/00 - 15/00 B32B 1/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 100デニール以上の熱可塑性樹脂か
    らなる連続線状体繊維が部分的に融着してなる、見掛け
    密度が0.005〜0.20g/cm3の網状構造体の少
    なくとも一面にポリエステルからなる不織布及び/又は
    編織物が弾性ポリエステル系熱接着繊維を含む不織布を
    介して積層一体化されてなることを特徴とする積層構造
    体。
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