JP3496724B2 - 繊維構造体及びその製造法 - Google Patents

繊維構造体及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非弾性捲縮短繊維をマ
トリックスとし、その中に熱可塑性エラストマ−からな
る立体巻縮を発現した弾性複合繊維により絡みついた接
点が熱接着してネットワ−ク構造を形成した繊維構造体
に関する。更には、家具、ベッド、電車、自動車等のク
ッション材としたとき、優れたクッション性、優れた抗
へたり性と耐熱耐久性を有するリサイクルが可能な繊維
構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、家具、ベッド、電車、自動車等の
クッション材で、発泡ウレタン、非弾性捲縮繊維詰綿、
及び非弾性捲縮繊維を接着した樹脂綿や硬綿などが使用
されている。
【0003】しかしながら、発泡ウレタンはクッション
材としての耐久性は良好だが、床つき感が大きく、透湿
透水性に劣り蓄熱性があるため蒸れやすく、かつ、燃焼
時の発生熱量が大きいため難燃性付与にはハロゲン化物
の添加が必要となり、火災時には多量の有毒ガス発生に
よる中毒の問題と、リサイクルが困難なため焼却される
場合、焼却炉の損傷が大きく、かつ、有毒ガス除去に経
費が掛かる。このため埋め立てされることが多くなった
が、地盤の安定化が困難なため埋め立て場所が限定され
経費も高くなっていく問題がある。また、加工性は優れ
るが製造中に使用される薬品の公害問題などもある。ま
た、ポリエステル繊維詰綿では繊維間が固定されていな
いため、使用時形態が崩れたり、繊維が移動して、か
つ、捲縮のへたりで嵩高性の低下や弾力性の低下が問題
になる。
【0004】ポリエステル繊維を接着剤で接着した樹脂
綿、例えば接着剤にゴム系を用いたものとして特開昭6
0−11352号公報、特開昭61−141388号公
報、特開昭61−141391号公報等がある。又、ウ
レタンを用いたものとして特開昭61−137732号
公報等がある。これらのクッション材は耐久性に劣り、
且つリサイクルも出来ない等の問題、及び加工性の煩雑
さや製造中に使用される薬品の公害問題などもある。
【0005】ポリエステル硬綿、例えば特開昭58−3
1150号公報、特開平2−154050号公報、特開
平3−220354号公報等があるが、用いている熱接
着繊維の接着成分が脆い非晶性のポリマ−を用いるため
(例えば特開昭58−136828号公報、特開平3−
249213号公報等)接着部分が脆く、使用中に接着
部分が簡単に破壊されて形態や弾力性が低下するなどの
耐久性に劣る問題がある。改良法として、交絡処理する
方法が特開平4−245965号公報等で提案されてい
るが、接着部分の脆さは解決されず弾力性の低下が大き
い問題がある。また、加工時の煩雑さもある。更には接
着部分が変形しにくくソフトなクッション性を付与しに
くい問題もある。このため、接着部分を柔らかい、且つ
変形しても回復するポリエステルエラストマ−を用いた
熱接着繊維が特開平4−240219号公報で、同繊維
を用いたクッション材がWO−91/19032号公報
で提案されている。この繊維構造物に使われる接着成分
はポリエステルエラストマ−のハ−ドセグメントの酸成
分にテレフタル酸を50〜80モル%含有し、ソフトセ
グメントとしてのポリアルキレングリコ−ルの含有量が
30〜50重量%を限定すると、他の酸成分組成として
融点が180℃以下となるには、特公昭60−1404
号公報に記載された繊維と同一と認められるので、イソ
フタル酸等を含有し非晶性が増すことになり、低溶融粘
度として熱接着部分の形成を良くしてアメーバー状の接
着部を形成しているが塑性変形しやいため、耐熱抗圧縮
性が低下する問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を改良し、優れたクッション性、へたり性、
優れた耐熱耐久性、及び着座時蒸れ難く座り心地の良い
クッション材となり、リサイクルが可能な繊維構造体を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を行った結果、熱可塑性エラ
ストマ−からなる伸縮性を有する複合繊維にコイル状の
立体巻縮を付与して、3次元ネットワ−ク構造を形成す
ることで目的を達成できることを知見し、本発明に到達
した。即ち本発明は、非弾性捲縮短繊維(A)と立体捲
縮発現弾性複合繊維(B)が三次元的に混合されてなる
繊維構造体であり、上記立体捲縮発現弾性複合繊維
(B)は潜在捲縮能の顕在化により形成されており、非
弾性捲縮短繊維(A)を形成するポリマーの融点より4
0℃以上低い融点を有する熱可塑性エラストマー(C)
と、該熱可塑性エラストマー(C)より30℃以上高い
融点を有する熱可塑性エラストマー(D)よりなり、熱
可塑性エラストマー(C)が複合繊維の表面に少なくと
も2分の1以上露出しており、構造体中の繊維(B)と
繊維(B)は交叉した部分で絡みつき、接触部分の大部
分は熱融着しており、繊維(A)と繊維(B)の交叉部
では繊維(B)が繊維(A)に絡みつき、接着部分の大
部分は熱融着しており、密度が0.005〜0.10g
/cm3 であることを特徴とする繊維構造体および非弾性
捲縮短繊維(A)と熱接着成分に非弾性巻縮短繊維
(A)を構成するポリマーの融点より少なくとも40℃
以上低い融点を有する熱可塑性エラストマー(C)と、
該熱接着成分より少なくとも30℃高い融点を有する熱
可塑性エラストマー(D)からなり、熱可塑性エラスト
マー(C)が繊維表面に少なくとも2分の1以上露出し
た弾性複合繊維とを混綿、開繊して弾性複合繊維同士及
び複合繊維と非弾性捲縮短繊維との三次元的な繊維接点
を形成させた後、熱接着成分となる熱可塑性エラストマ
ーの融点より少なくとも10℃以上高い温度で熱処理
し、該弾性複合繊維の潜在巻縮能を発現させて立体巻縮
を顕在化せしめ、少なくともその一部が弾性繊維同士、
及び非弾性捲縮短繊維に絡みつかせ、次いで繊維接点の
うち、少なくとも一部の繊維接点を熱接着させることを
特徴とする繊維構造体の製造法である。
【0008】本発明の繊維構造体は非弾性捲縮繊維のマ
トリックスの中に熱接着成分となる熱可塑性エラストマ
−とネットワ−ク構造を支える熱可塑性エラストマ−と
からなる弾性複合繊維が該繊維同士の接点及び非弾性捲
縮短繊維との接点が潜在巻縮が発現して絡みつき、接触
部が熱融着により接着された良好な伸縮性を有する接着
点および接着部以外の大部分が立体巻縮からなるコイル
状を有する伸縮性を有する熱可塑性エラストマ−からな
る3次元ネットワ−ク構造を作っている。良好な伸縮性
を有する接着点および3次元ネットワ−ク構造でマトリ
ックスの非弾性巻縮繊維が接続されているので大変形を
受けても接着点や3次元ネットワ−ク構造が破壊されな
いで変形し、歪みを除去すると、エラストマ−の伸縮性
が発現し元の構造に回復できる。本発明では弾性複合繊
維でネットワ−クを形成しているため、極端に伸張され
てもが弾性複合繊維からなる伸縮性の優れた3次元ネッ
トワ−ク構造全体で伸ばされ、非弾性巻縮繊維自身は大
きく伸張されず、従って接着点も破壊されないが、WO
91/19032号公報では接着点間が非弾性体からな
る繊維で直線的に結ばれており、大変形を受けると繊維
自身に伸張歪みを受け、接着点に大きな力が集中して構
造が破壊するか、または接着成分が紡錘状に集中してい
る部分と接着成分が流出して芯成分のみ残った部分があ
り、芯成分のみの部分は細い非弾性繊維で且つ、充分な
熱延伸がされていないので力学特性も劣るため応力集中
により繊維自身が破壊する場合がある。従って、本発明
の繊維構造体の方が全体がエラストマ−の伸縮性をもつ
弾性複合繊維で三次元ネットワ−ク状に連結されている
点から、WO91/19032号公報記載の繊維構造体
より耐へたり性、耐久性、及びクッション性は優れたも
のとなる。
【0009】本発明繊維構造体の密度は0.005〜
0.1g/cm3 である。この密度が0.1g/cm3 以上
では、繊維密度が過度に高くなり熱可塑性エラストマ−
同士が過密に相互融着しやすくなり、厚み方向の弾力性
が著しく低下し、通気性も少なくなり蒸れやすくなるの
でクッション材として適さない。他方、この密度が0.
005g/cm3 未満では、マトリックスとなる非弾性捲
縮短繊維の構成本数が少なくなりクッション材としての
反発力が失われるので好ましくない。この点で特開昭5
8−197312号公報等に記載されるテ−プ、リボ
ン、シ−ト等の補強と曲げ易さを目的とした2次元的緻
密構造物とは異なるものである。
【0010】なお、本発明の繊維構造体中における伸縮
性の3次元ネットワ−ク構造を作っている該弾性複合繊
維の好ましい含有量は、10重量%以上70重量%以
下、より好ましくは20重量%以上50重量%以下であ
る。5重量%未満では、3次元ネットワ−ク構造が少な
くなり、耐へたり性、耐久性、クッション性が劣るので
好ましくない。70重量%以上では非弾性捲縮繊維の持
つ剛直性に由来する嵩高性やが低下する。また、クッシ
ョン材は厚み方向に圧縮されて反発する素材のため、そ
の性能を発現させるには少なくとも5mm以上とするのが
好ましく、10mm以上とするのがより好ましい。
【0011】本発明の繊維構造体を構成するマトリック
スの非弾性捲縮短繊維は、熱可塑性ポリマ−を用いるこ
とで再生が可能なものなら特に限定されないが、力学特
性、耐熱特性、燃焼時の有毒ガス発生等を考慮すると、
好ましくは、ポリエステル繊維であり、例えば、ポリエ
チレンテレフタレ−ト(PET)、ポリエチレンナフタ
レ−ト(PEN)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテ
レフタレ−ト(PCHDT)、ポリブチレンテレフタレ
−ト(PBT)、ポリアリレ−ト等、及びそれらの共重
合ポリエステルなどから選ばれた重合体を紡糸、延伸、
捲縮を付与した捲縮短繊維または、紡糸時、上記重合体
から熱的性質の異なる2種類の重合体を組み合わせ複合
紡糸するか、非対称冷却法を用いて潜在捲縮能を付与
し、延伸後必要に応じ機械捲縮を掛け、または、及び、
そのまま立体捲縮を発現させた捲縮短繊維である。これ
らのポリエステル捲縮短繊維の繊度や繊維断面形状、力
学特性などは所望する用途から決められるが、通常、繊
度は3〜500デニ−ル、好ましくは4〜200デニ−
ルである。断面形状は中空断面、多角形あるいは多葉形
の中空異形断面が好ましいる。なかでも、構造体に成形
された後でもモジュラスが高く(常温及び加熱下での歪
みに対する塑性変形による捲縮のへたりが少なくな
る)、例えばPETでは、好ましくは初期引張り抵抗度
で30g/デニ−ル以上、より好ましくは40g/デニ
−ル以上で、断面2次モ−メントの大きい断面形状、好
ましくは丸断面比の1.3倍以上、より好ましくは1.
5倍以上のものを用いると抗圧縮性や耐熱耐へたり性を
向上できるので特に好ましい。また、及び、立体捲縮を
有する繊維、好ましくは捲縮度で20%以上、より好ま
しくは25%以上のものを用いると耐へたり性やクッシ
ョン性が向上するので特に好ましい。この理由は、耐熱
耐へたり性、抗圧縮性の立体捲縮を有する非弾性捲縮短
繊維と伸縮性を有する弾性複合繊維とが熱接着接合さ
れ、構造体全体が伸縮性を有する3次元ネットワ−ク構
造にできるのでどのような方向に大きい力が掛かった
り、大変形を与えられても個々の弾性複合繊維が少しず
つ変形して力や歪みをネットワ−ク構造全体で吸収でき
るため、マトリックスの非弾性巻縮繊維の受けるダメ−
ジを著しく軽減することで耐熱耐へたり性やクッション
性が向上する。
【0012】本発明の繊維構造体を構成する伸縮性の優
れた三次元ネットワ−ク構造を形成する弾性複合繊維
は、熱接着成分となる熱可塑性エラストマ−とネットワ
−ク構造を支える熱可塑性エラストマ−とで形成され
る。熱接着成分となる熱可塑性エラストマ−は、該非弾
性捲縮短繊維を構成するポリマ−の融点より40℃以
上、特には60℃以上低いことが好ましい。融点差が4
0℃より少ないと、融着加工時の好ましい熱処理温度が
熱可塑性エラストマ−の融点より少なくとも10℃以上
高い温度、より好ましくは20℃以上高い温度とするた
め、該非弾性捲縮短繊維に対して過酷な温度となり、該
非弾性捲縮短繊維の捲縮のへたりや力学特性の低下を招
き、繊維構造体としての特性が劣るものとなる。また、
ネットワ−ク構造を形成する熱可塑性エラストマ−の融
点より高い温度で熱処理により接着点を形成したので
は、弾性複合繊維が溶融してネットワ−ク構造を形成で
きないので(このためネットワ−ク構造を支える熱可塑
性エラストマ−が熱接着成分である熱可塑性エラストマ
−の融点より少なくとも30℃高い融点、好ましくは4
0℃以上高い融点とする。)熱接着成分となる熱可塑性
エラストマ−の融点は140℃以上190℃以下が好ま
しい。更には、熱接着成分である熱可塑性エラストマ−
は、少なくとも繊維表面の1/2以上を占めないと接着
点が減少し、有効な伸縮性ネットワ−ク構造が形成でき
ない。熱接着成分が繊維表面全体を占めることは接点の
全てで熱接着でき、有効な伸縮性ネットワ−ク構造が形
成できるので好ましい。また、ネットワ−ク構造を支え
る熱可塑性エラストマ−が熱接着成分である熱可塑性エ
ラストマ−の融点より少なくとも30℃高い融点、好ま
しくは40℃以上高い融点とするのに、伸縮性成分のソ
フトセグメントの含有量を少なくした場合は、伸張回復
性の良好な熱接着成分の熱可塑性エラストマ−で包まれ
ているので、変形したネットワ−ク構造が容易に元の構
造に回復できる。この様な場合、構造体中の該弾性複合
繊維は表面の熱可塑性エラストマ−がやや流動不充分な
状態に保持されているほうが好ましい。該弾性複合繊維
を構成する熱可塑性エラストマ−の熱接着成分とネット
ワ−ク構造を支える成分の複合比率は、20/80〜7
0/30の範囲が適当である。該弾性複合繊維の形態
は、立体巻縮が容易に発現できるサイドバイサイド型で
もよいが、好ましくは上述の理由から、立体巻縮が容易
に発現できる偏芯シ−スコア型やコアがサイドバイサイ
ド型などが望ましい。また、曲げ剛さを向上できる中空
のシ−スコア型とすることでクッション材の弾発性の高
いものとすることができるのでより好ましい。
【0013】熱可塑性エラストマ−の組成は、実用上の
問題が無い範囲で特に限定されないが、ハ−ドセグメン
トは結晶性の高いものを、ソフトセグメントは分子量の
比較的大きいポリエ−テルまたはポリエステルをブロッ
ク共重合したものを用いると熱接着部分及び3次元ネッ
トワ−ク構造を形成する弾性複合繊維の伸縮性及び耐熱
性が良好となるため、クッション材の耐熱、抗へたり性
が向上するので好ましい使用形態である。本発明のより
好ましい使用形態は、非弾性捲縮繊維をポリエステルと
する時、熱可塑性エラストマ−を接着性の良好なポリエ
ステル系とすることである。ポリエステル系エラストマ
−としては、熱可塑性ポリエステルをハ−ドセグメント
とし、ポリアルキレンジオ−ルをソフトセグメントとす
るポリエステルエ−テルブロック共重合体、または、脂
肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステ
ルエステルブロック共重合体が例示できる。ポリエステ
ルエ−テルブロック共重合体のより具体的な事例として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン2・6ジ
カルボン酸、ナフタレン2・7ジカルボン酸、ジフェニ
ル4・4’ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1・
4シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン
酸、琥珀酸、アジピン酸、セバチン酸ダイマ−酸等の脂
肪族ジカルボン酸または、これらのエステル形成性誘導
体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、
1・4ブタンジオ−ル、エチレングリコ−ル、トリメチ
レングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ペンタメ
チレングリコ−ル、ヘキサメチレングリコ−ル等の脂肪
族ジオ−ル、1・1シクロヘキサンジメタノ−ル、1・
4シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族ジオ−ル、ま
たはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジ
オ−ル成分の少なくとも1種、および平均分子量が約3
00〜5000のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピ
レングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチ
レンオキシド−プロピレンオキシド共重合体等のポリア
ルキレンジオ−ルのうち少なくとも1種から構成される
三元ブロック共重合体である。ポリエステルエステルブ
ロック共重合体としては、上記ジカルボン酸とジオ−ル
及び平均分子量が約300〜3000のポリラクトン等
の脂肪族ポリエステルのうち少なくとも各1種から構成
される三元ブロック共重合体である。熱接着性、耐加水
分解性、伸縮性、耐熱性等を考慮すると、ジカルボン酸
としてはテレフタル酸、または、及びナフタレン2・6
ジカルボン酸、ジオ−ル成分としては1・4ブタンジオ
−ル、ポリアルキレンジオ−ルとしてはポリテトラメチ
レングリコ−ルの3元ブロック共重合体が特に好まし
い。また、必要に応じ、高度の耐加水分解性を付与する
のに、シリコ−ン系の高分子をソフトセグメントとして
共重合することもできる。
【0014】ハ−ドセグメントを構成するポリエステル
は結晶性の良好なものほど塑性変形しにくく、かつ、耐
熱抗へたり性が向上する。溶融熱成形後更に結晶化処理
すると耐熱抗へたり性が一段と向上する。この理由は明
らかではないが、テレフタル酸または、およびナフタレ
ン2・6ジカルボン酸の含有量が多いと示差走査型熱量
計(DSC)による融解曲線において、融点以下の温度
で吸熱ピークをより明確に発現する。このことから類推
するに、疑似結晶化様の架橋点が形成され、耐熱抗へた
り性が向上しているのではないかと考えられる。好まし
いテレフタル酸、または、およびナフタレン2・6ジカ
ルボン酸量は酸成分として90モル%以上、より好まし
くは100モル%である。テレフタル酸、または、およ
びナフタレン2・6ジカルボン酸が90モル未満では結
晶性が劣るので塑性変形し易く、且つ、耐熱抗へたり性
が劣る。溶融熱成形後更に結晶化処理しても耐熱抗へた
り性が向上しにくくなる。
【0015】本発明の複合繊維を構成する熱可塑性エラ
ストマ−は、グリコ−ル成分として1−4ブタンジオ−
ルおよびポリテトラメチレングリコ−ルがブロック共重
合され、且つ、ポリテトラメチレングリコ−ルの共重合
量が10重量%以上、80重量%以下とするのが好まし
い。ゴム弾性に由来する回復性はポリテトラメチレング
リコ−ルの共重合量に比例する。同時に融点と耐熱性が
低下していく。ポリテトラメチレングリコ−ルの共重合
量が5重量%以下ではゴム弾性による回復性がかなり低
下してくる。他方80重量%以上では融点が低下して耐
熱性が劣ること、及び粘着性が発現し加工時の弾性複合
繊維を均一に分散開繊することが困難になるので好まし
くない。本発明の熱接着成分の好ましいポリテトラメチ
レングリコ−ルの共重合量は40重量%以上70重量%
以下、より好ましくは50重量%以上60重量%以下で
ある。耐熱性の保持から、ハ−ドセグメントの繰り返し
単位を大きくすると、ゴム弾性に由来する回復性も保持
するためポリテトラメチレングリコ−ルの平均分子量も
大きくする必要があるが、大きくしすぎると相溶性を失
い重合が進まなくなるので適当な分子量を設定する必要
がある。好ましい平均分子量は500以上5000以
下、特に好ましくは1000以上3000以下である。
5000以上のものを用いると低温での特性が著しく低
下するので好ましくない。他方、三次元ネットワ−ク構
造を支える成分は、適度の伸縮性以外に、熱接着成分よ
り高融点で、かつ、形態保持の機能も必要なため、ハ−
ドセグメントの繰り返し単位を大きくし、ゴム弾性に由
来する回復性も保持するためポリテトラメチレングリコ
−ルの平均分子量も相溶性の関係から300以上の大き
い分子量のものを用いるのが好ましい。ポリテトラメチ
レングリコ−ルの共重合量は5重量%以上50重量%以
下が好ましく、より好ましくは10重量%以上40重量
%以下である。なお、本発明における好ましいポリエス
テルエ−テル共重合体の分子量は40℃フェノ−ル/テ
トラクロルエタン混合溶媒中で測定した相対粘度(η
sp/c)が、ソフトセグメント含有量の多い熱接着成分で
は1.8以上である。1.8未満では、流動性は良くな
り接着点形成性は良くなるが、接着点の回復性が劣り、
該弾性複合繊維が形成する3次元ネットワ−ク構造の接
続点の塑性変形が増加し、繊維構造体の耐へたり性、耐
久性が劣るので好ましくない。熱接着成分のより好まし
い相対粘度は2.0以上2.5以下である。2.5以上
では200℃以下での熱接着時に流動性がやや低下する
ので、接着点形成が不充分となる場合がある。他方、三
次元ネットワ−ク構造を支える成分は、ソフトセグメン
ト量が少ないため、相対粘度はやや低くなる。好ましい
相対粘度は1.0以上、より好ましくは1.5以上とす
ることで、回復性とタフさを付与できる。
【0016】本発明のより好ましい実施形態では弾性複
合繊維の熱接着成分にポリテトラメチレングリコ−ルの
共重合量が多いため熱安定性が250℃以上の高温では
熱分解による分子量低下が著しくなる。このため本発明
では積極的に抗酸化剤をソフトセグメント量当たり、好
ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上5
重量%以下含有させる。このような組成とすることで高
温での紡糸も可能となり、三次元ネットワ−ク構造を支
える成分のハ−ドセグメントを結晶性の高い高融点のも
の、例えば酸成分としてテレフタレ−ト、ナフタレ−
ト、グリコ−ル成分にエチレングリコ−ル、ブタンジオ
−ル、シクロヘキシレンジメタノ−ルなどを用いた繰り
返し単位の大きいものを使用することが可能となり、該
弾性複合繊維が形成する伸縮性繊維から成るコイル状の
三次元ネットワ−ク構造を耐熱抗へたり性とすることが
出来る。更には、融点および分子量の高いエラストマ−
を用いて熱接着を空気中で200℃以上の高温で溶融熱
接着せしめることが可能であり、この時の分子量低下を
押さえられる。かくして、エラストマ−の分子量を高く
保持出来るので本発明の繊維構造体は耐熱抗へたり性の
向上と共に、ゴム弾性による回復性も著しく向上する。
本発明に用いる好ましい抗酸化剤としては、従来公知の
ヒンダ−ドフェノ−ル化合物やヒンダ−ドアミン化合物
がある。が特には燃焼時有毒ガスの出ないヒンダ−ドフ
ェノ−ル化合物が好ましい。本発明の繊維集合体を構成
する好ましいポリエステルエ−テル共重合体は、例えば
特開昭55−120626号公報等の従来公知の方法で
得ることができるが、抗酸化剤は重合時多量に添加する
と昇華して重合缶の詰まりなどのトラブルとなり、かつ
添加効果が激減するので、重合後加圧下で練込むのが好
ましい。
【0017】非弾性捲縮短繊維マトリックス中に該弾性
複合繊維を均一に散在させるには、以下の手段で達成で
きる。すなわち、本発明の伸縮性の優れた接着点と3次
元ネットワ−ク構造を形成する該弾性複合繊維は従来公
知の方法例えば、サイドバイサイド型、偏芯シ−スコア
型、コアをサイドバイサイド型にしたシ−スコア型など
の構造に紡糸、延伸して潜在巻縮能を付与した弾性複合
繊維を得ることができる。特にエラストマ−は粘着性が
あり、糸糸の摩擦係数が高いためカ−ド開繊時開繊が不
良となりやすい。このため、開繊し易い機械捲縮を付与
するのが好ましい。機械捲縮は捲縮数が5〜30山/イ
ンチ、捲縮率が5〜30%の範囲であれば使用できる
が、好ましくは捲縮数が10〜25山/インチ、捲縮率
が10〜25%である。仕上げ油剤は摩擦係数が低くな
る油剤を使用するのが特に好ましい。ゆえに、特開平4
−240219号公報の如く潜在捲縮能を発現させ低収
縮化した立体捲縮繊維とすると、熱成形時の立体巻縮発
現により、マトリックス繊維への巻きつき及び弾性複合
繊維同士の巻きつきが困難となり伸縮性のコイル状3次
元ネットワ−ク構造を形成できなくなるので好ましくな
い。本発明のより好ましい繊維集合体構造にする複合繊
維を得る好ましい延伸条件は延伸温度を温浴40〜70
℃で破断延伸倍率の0.8〜0.9倍で延伸し、次いで
機械巻縮を付与し、機械巻縮が伸びないように低張力で
カッタ−に供給、切断することで得られる。本発明の弾
性複合繊維の好ましい潜在巻縮能は、乾熱130℃でフ
リ−処理した時のコイルの曲率半径の逆数(1/ρ)で
5mm-1以上、より好ましくは10mm-1以上であり、2mm
-1以下では巻きつきが充分に起こらないので、熱接着時
の温度を高くして接着点の形態をアメ−バ−状とする必
要がある。次いで開繊/混繊は通常のカ−ドで行い、得
られた開繊/混繊散在されて弾性複合繊維同士及び複合
繊維と非弾性捲縮短繊維との三次元的な繊維接点を形成
させたウエッブは次いで積層圧縮し、熱風や不活性ガス
またはスーパーヒ−トした蒸気にて、弾性複合繊維の潜
在巻縮能を発現せしめコイル状立体巻縮を形成すると同
時に、マトリックス繊維及び弾性複合繊維同士の巻きつ
きを形成させ、次いで、熱接着成分となる熱可塑性エラ
ストマーの融点より少なくとも10℃以上高い温度で加
熱融着処理して、繊維接点のうち少なくとも一部の繊維
接点を熱接着させ冷却して、伸縮性のコイル状3次元ネ
ットワ−ク構造を形成する。さらに本発明のより好まし
い繊維構造体を得るには、次いで、前述の理由から、熱
接着成分の熱可塑性ポリエステルエ−テル共重合体の融
点より少なくとも20℃以上低い温度で疑似結晶化処理
すると回復性が向上するので好ましい。10%程度の圧
縮歪みを付与して、熱処理すると回復性がより向上する
のでより好ましい。
【0018】かくして得られた本発明のより好ましい繊
維構造体は、繊維クッションでは従来不可能と思われて
いた発泡ポリウレタンに近い耐熱耐久性と耐へたり性、
優れたクッション性を有すると共に着用時蒸れにくい、
及びリサイクルも可能なクッション材として供すること
が可能となった。
【0019】
【実施例】
【0020】実施例1〜4及び比較例1〜7 熱接着成分の作成 酸成分としてジメチルテレフタレ−ト(DMT)又はお
よびジメチルイソフタレ−ト(DMI)又はナフタレン
2・6ジカルボン酸(DMN)とグリコ−ル成分として
1−4ブタンジオ−ル(BG)およびポリテトラメチレ
ングリコ−ル(PTMG)を少量の触媒と安定剤ととも
に仕込み、公知の方法にてエステル交換反応後昇温減圧
しつつ重縮合してポリエステルエ−テルブロック共重合
エラストマ−を生成した。生成したポリエステルエ−テ
ルブロック共重合エラストマ−をペレット化し後加熱真
空乾燥し、抗酸化剤としてチバガイギ−社製アイオノッ
クス330を0〜3重量%混合して再度溶融混練りし、
ペレット化したものを乾燥した加熱不活性ガスにて水分
を充分に除去し熱接着成分に供した。得られたポリエス
テルエ−テルブロック共重合体の処方及び融点を表1に
示す。比較のため、酸成分としてジメチルテレフタレ−
ト(DMT)又はおよびジメチルイソフタレ−ト(DM
I)とグリコ−ル成分としてエチレングリコ−ル(E
G)を少量の触媒と安定剤とともに仕込み、公知の方法
にてエステル交換反応後昇温減圧しつつ重縮合して低融
点非弾性ポリエステルを生成し、ペレット化し、加熱真
空乾燥し、次いで2軸押出機で抗酸化剤を添加練込み、
再度ペレット化し、乾燥して熱接着成分に供した。得ら
れた低融点非弾性ポリエステルの処方及び融点を表1に
示す。
【0021】
【表1】
【0022】熱接着繊維の作成 得られたポリエステルエ−テルブロック共重合体を、熱
接着成分を鞘成分に、伸縮性三次元ネットワ−ク構造を
支える成分、または比較のポリブチレンテレフタレ−ト
(PBT)とポリエチレンテレフタレ−ト(PET)を
芯成分にし、鞘芯の重量比を50/50で偏芯芯鞘とな
るよう常法により、紡糸温度を260℃〜285℃にて
紡糸し未延伸糸を得た。なお、偏芯の程度は、芯部の中
心から繊維の中心までの距離(L)を繊維の半径(R)
を加えた値(L+R)を半径で除した値{(L+R)/
R}で1.15及び、比較のため1.0となるようにし
た。次いで、50℃の温浴で3.4倍に延伸し、仕上げ
油剤を付与した後クリンパ−にて機械捲縮を付与し、機
械捲縮が伸びない張力でカッタ−に供給し51mmに切断
して4デニ−ルの熱接着複合短繊維を作成した。得られ
た繊維の特性を表2に示す。比較のため、次いで乾熱6
0℃で立体巻縮を発現せしめた熱接着複合繊維も作成
し、表2に併記する。
【0023】
【表2】
【0024】繊維構造体の作成 得られた機械捲縮、または立体巻縮を持つ熱接着複合短
繊維を30%と、常法にて作成した13デニ−ルの中空
で外側に突起を3個有する断面で立体捲縮を有するPE
T短繊維を70%とをカ−ドにて混繊−開繊して得たウ
エッブを密度0.03g/cm3 となるよう圧縮し150
℃〜210℃の熱風で5分間熱処理し、平板のクッショ
ン材に成形し、一旦冷却後、密度が0.04g/cm3
なるよう圧縮し、100℃の熱風で30分再熱処理し冷
却して、または直接密度が0.04g/cm3 となるよう
圧縮し、熱接着せしめたクッション材を得た。比較のた
め、密度を0.004g/cm3 のものと0.12g/cm
3 のものを再熱処理しないで同様に作成した。クッショ
ン材の作成条件と仕上がり状態を表3に、得られたクッ
ション材のその他の特性を表4に示す。なお、70℃の
圧縮残留歪み、常温での繰り返し圧縮残留歪み及び、反
発弾性はJISK−6401の方法による。25%圧縮
硬さはボ−ルドウイン社製テンシロンにてφ150mmの
円盤でクッション材の厚みの25%圧縮時の圧縮力とし
て測定する。座り心地は、30℃室内でパネラ−10人
に各1時間座らせて、床つき感と座り心地、蒸れ感を評
価した。なお、臀部や大腿部が痛くなり1時間座れない
ものは座り心地は不良とした。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】本発明の実施例1〜4のクッション材は弾
性複合繊維により伸縮性ネットワ−ク構造を作っている
ので優れたクッション性、優れた高温の耐熱耐へたり
性、及び常温でも優れた耐へたり性を示す。更に床つき
感を殆ど感じず、蒸れにくく、長時間着座ができるクッ
ション材である。特に、本発明の最も好ましい実施様態
の実施例は発泡ウレタンに近い耐熱耐久性と耐へたり性
を示し、座り心地が良好なクッション材である。鞘に融
点を下げるため非晶性の成分を共重合させた公知のエラ
ストマ−、芯が非弾性ポリエステルから成る弾性複合繊
維を用いた場合を比較例1に示す。接着点は充分にアメ
−バ−状に形成しており、紡錘状の節も形成している
が、エラストマ−が塑性変形し易く、且つ、芯部を囲む
エラストマ−成分が無くなっており、ネットワ−クが非
弾性ポリマ−で連結しているため、耐熱耐へたり性、常
温の耐久性、反発弾性が悪く、クッション材としては劣
る特性を示す。比較例2は、非接着成分と熱接着成分の
融点差が少ないため非接着成分も溶融し3次元ネットワ
−クを形成できないため耐熱耐へたり性、常温の耐久
性、反発弾性が悪く、クッション材としては劣る特性を
示す。比較例3は、形態的には同一で、熱接着成分が非
弾性ポリマ−の場合を示す。接着成分が脆く、塑性変形
を容易に生じるため特に耐熱性が悪く、常温での耐へた
り性も劣り、伸縮性がないので硬い風合いとなるため、
床つき感は少ないが臀部や大腿部が圧迫されて痛くなり
長時間の着座が困難なクッション材である。比較例4
に、コイル状の3次元ネットワ−クを形成しない例を示
す。耐熱耐へたり性や弾力性がやや劣る例である。比較
例5に潜在巻縮能を発現させた弾性複合繊維を用い、絡
みつきがない場合で、比較例4と同様に耐熱耐へたり性
や弾力性がやや劣る例である。比較例6は、密度が本発
明の範囲を外れて少ない場合で、定歪みを付与した場合
嵩高なため個々の繊維がうける応力が著しく小さくなる
ので50%歪みでのへたりは悪くないが、ふかふかすぎ
てクッション材には使えないものである。比較例7は本
発明を外れる高密度としたときである。ほとんどポリマ
−の塊状になり50%圧縮するには塊を潰す大きな圧縮
力が必要なため繰り返し圧縮残留歪みと25%圧縮硬さ
は測定器の能力を越えていて測定が困難であった。当然
座り心地もポリマ−の上に座るのと同じで最悪であっ
た。なお、実施例1〜2のクッション材を45°メセナ
ミン法および45°アルコ−ルランプ法で難燃性の評価
を行った結果、実施例1〜2のクッション材は全て合格
した。比較に発泡ポリウレタンを評価した結果は不合格
であった。また、JISK−7217の方法で燃焼ガス
の毒性指数を測定した結果は実施例1〜2のクッション
材はすべて5.1であり、発泡ポリウレタンは7.5と
高く、本発明の好ましい実施形態での繊維構造体が安全
性の高いことを示す。
【0028】
【発明の効果】本発明の繊維構造体は、非弾性捲縮短繊
維のマトリックス中に熱可塑性エラストマ−からなる弾
性複合繊維により、非弾性捲縮短繊維を熱可塑性エラス
トマ−成分で熱接着された極めて伸縮性の優れたコイル
状の3次元ネットワ−ク構造を形成した繊維構造体であ
るため、優れたクッション性、優れた耐熱耐久性、優れ
た耐へたり性を示し、着用時蒸れにくく、床つき感がな
く座り心地の良いクッション材に適した繊維構造体であ
る。特に本発明の最も好ましい実施形態の繊維構造体は
発泡ポリウレタンに近い優れた耐熱耐久性、優れた耐へ
たり性を示し、発泡ポリウレタンに比べ、安全性の高い
快適なクッション材に最適な繊維構造体及びその製法で
ある。また、該弾性複合繊維が熱可塑性ポリマ−からな
る繊維構造体であるので、開繊再成形することで再び繊
維構造体としてリサイクルができ、地球環境の保全にも
極めて有用である。本発明の繊維構造体の有用な用途と
しては、特に使用条件が過酷な自動車用、鉄道車両用及
び船舶用に最適である。勿論、家具、ベット用途にも適
している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−249213(JP,A) 特開 平4−245965(JP,A) 特開 平1−260050(JP,A) 国際公開91/019032(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B68G 5/00 B68G 7/00 D04H 1/54 A47C 27/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非弾性捲縮短繊維(A)と立体捲縮発現
    弾性複合繊維(B)が三次元的に混合されてなる繊維構
    造体であり、上記立体捲縮発現弾性複合繊維(B)は潜
    在捲縮能の顕在化により形成されており、非弾性捲縮短
    繊維(A)を形成するポリマーの融点より40℃以上低
    い融点を有する熱可塑性エラストマー(C)と、該熱可
    塑性エラストマー(C)より30℃以上高い融点を有す
    る熱可塑性エラストマー(D)よりなり、熱可塑性エラ
    ストマー(C)が複合繊維の表面に少なくとも2分の1
    以上露出しており、構造体中の繊維(B)と繊維(B)
    は交叉した部分で絡みつき、接触部分の大部分は熱融着
    しており、繊維(A)と繊維(B)の交叉部では繊維
    (B)が繊維(A)に絡みつき、接着部分の大部分は熱
    融着しており、密度が0.005〜0.10g/cm3
    あり、且つ上記熱可塑性エラストマーがハードセグメン
    ト及びソフトセグメントを有することを特徴とする繊維
    構造体。
  2. 【請求項2】 非弾性捲縮短繊維(A)と熱接着成分に
    非弾性巻縮短繊維(A)を構成するポリマーの融点より
    少なくとも40℃以上低い融点を有する熱可塑性エラス
    トマー(C)と、該熱接着成分より少なくとも30℃高
    い融点を有する熱可塑性エラストマー(D)からなり、
    熱可塑性エラストマー(C)が繊維表面に少なくとも2
    分の1以上露出した弾性複合繊維とを混綿、開繊して弾
    性複合繊維同士及び複合繊維と非弾性捲縮短繊維との三
    次元的な繊維接点を形成させた後、熱接着成分となる熱
    可塑性エラストマーの融点より少なくとも10℃以上高
    い温度で熱処理し、該弾性複合繊維の潜在巻縮能を発現
    させて立体巻縮を顕在化せしめ、少なくともその一部が
    弾性繊維同士、及び非弾性捲縮短繊維に絡みつかせ、次
    いで繊維接点のうち、少なくとも一部の繊維接点を熱接
    着させ、且つ上記熱可塑性エラストマーがハードセグメ
    ント及びソフトセグメントを有することを特徴とする繊
    維構造体の製造法。
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