JPH11158231A - 整髪用樹脂の製法 - Google Patents

整髪用樹脂の製法

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JPH11158231A
JPH11158231A JP32766997A JP32766997A JPH11158231A JP H11158231 A JPH11158231 A JP H11158231A JP 32766997 A JP32766997 A JP 32766997A JP 32766997 A JP32766997 A JP 32766997A JP H11158231 A JPH11158231 A JP H11158231A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アニオン系および両性イオン系樹脂の特徴を
兼ね備え、高湿度下でのセット力が強く、しなやかで、
柔軟性に優れ、光沢がありしかも洗髪除去が容易である
優れた整髪用樹脂の簡便な製法を提供すること。 【解決手段】 一般式(I): 【化10】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を示す)で表わ
されるモノマー(A)のカルボキシル基65〜90モル
%を塩基性化合物で中和したのち、中和前のモノマー
(A)として5〜25重量%、一般式(II): 【化11】 (式中、R1は前記と同じ)で表わされるモノマー
(B)15〜50重量%および一般式(III): 【化12】 (式中、R1は前記と同じ、R2は炭素数1〜18のアル
キル基を示す)で表わされるモノマー(C)35〜70
重量%からなる共重合成分を親水性溶媒中で共重合させ
ることからなる整髪用樹脂の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は整髪用樹脂の製法に
関する。さらに詳しくは、アニオン系樹脂と両性イオン
系樹脂との優れた整髪効果を併有し、ヘアブローあるい
はエアゾールの形態で使用するのに適している水溶性整
髪用樹脂の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】頭髪を樹脂で固定して、所望の形状を付
与することは周知である。また頭髪に適用した樹脂を洗
髪にて除去するためには、整髪用樹脂が水溶性であるこ
とが要求される。
【0003】このような整髪用樹脂としては、ノニオン
系、カチオン系、アニオン系および両性イオン系のもの
が従来から使用されている。
【0004】しかしながら、ノニオン系樹脂は高温多湿
下ではセット力に欠け、低湿度下では、フレーキング現
象を起こしやすいという欠点を有する。
【0005】カチオン系樹脂は毛髪への親和性には優れ
ているものの、ノニオン系樹脂以上に湿度の影響を受け
やすく、やはりセット力が乏しいという欠点がある。
【0006】アニオン系樹脂は、湿度により影響を受け
にくく、セット力には優れているものの、その反面、え
られるフィルムが硬くまた、毛髪への親和力も弱いため
にフレーキング現象を起こしやすい。
【0007】両性イオン系樹脂(ここでいう両性イオン
系樹脂とは、いわゆるベタイン構造を有する特公昭61
−57803号公報記載の両性共重合体樹脂をさす)
は、毛髪への親和力や自然な風合いを付与するのには優
れているものの、構成モノマーである窒素含有モノマー
の窒素原子に対して、同実施例によると重合したのち、
等モルのハロ酢酸塩の変性剤で両性化されているため、
整髪剤としてえられるフィルムの水溶性〜耐水性の調整
を任意にコントロールすることができず、またえられる
フィルムが若干柔らかいという欠点があった。
【0008】そこで、特許第2596549号明細書記
載の製法では、酸性基を有するエチレン性モノマーを共
重合させて前記両性共重合体樹脂の欠点を解決している
が、製法自体は、同実施例によると特公昭61−578
03号公報に準じており、樹脂化したのち、変性剤を用
いて両性化し、そののち副生する生成塩を除去して使用
するためには、粘稠な樹脂溶液を使って煩雑な脱塩処理
工程を行なう必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者は、前
記従来技術に鑑みて、セット力の強さと適切な硬さとい
うアニオン系樹脂の特徴と、優れた毛髪への親和性から
くるフレーキング現象の軽減と自然な風合いという両性
イオン系樹脂の特徴とを併有する整髪用樹脂の簡便な製
法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式
(I):
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R1は水素原子またはメチル基を
示す)で表わされるモノマー(A)のカルボキシル基6
5〜90モル%を塩基性化合物で中和したのち、中和前
のモノマー(A)として5〜25重量%、一般式(I
I):
【0013】
【化5】
【0014】(式中、R1は前記と同じ)で表わされる
モノマー(B)15〜50重量%および一般式(II
I):
【0015】
【化6】
【0016】(式中、R1は前記と同じ、R2は炭素数1
〜18のアルキル基を示す)で表わされるモノマー
(C)30〜70重量%からなる共重合成分を親水性溶
媒中で共重合させることからなる整髪用樹脂の製法(請
求項1)に関する。
【0017】さらに、本発明は該共重合成分が該モノマ
ー(A)、(B)および(C)と共重合可能なエチレン
性不飽和モノマー(D)を含有する請求項1記載の整髪
用樹脂の製法(請求項2)および該エチレン性不飽和モ
ノマー(D)の含有量が該共重合成分として0.1〜3
5重量%である請求項2記載の整髪用樹脂の製法(請求
項3)に関する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の整髪用樹脂の製法は、前
記したように、一般式(I):
【0019】
【化7】
【0020】(式中、R1は水素原子またはメチル基を
示す)で表わされるモノマー(A)のカルボキシル基6
5〜90モル%を塩基性化合物で中和したのち、中和前
のモノマー(A)として5〜25重量%、一般式(I
I):
【0021】
【化8】
【0022】(式中、R1は前記と同じ)で表わされる
モノマー(B)15〜50重量%および一般式(II
I):
【0023】
【化9】
【0024】(式中、R1は前記と同じ、R2は炭素数1
〜18のアルキル基を示す)で表わされるモノマー
(C)30〜70重量%からなる共重合成分を親水性溶
媒中で共重合させることからなる整髪用樹脂の製法を提
供するものである。
【0025】本発明に用いるモノマー(A)は、前記し
たように、一般式(I)で表わされる(メタ)アクリル
酸である。中和して用いるモノマー(A)の使用量は、
中和前の重量に換算して、共重合成分全量に対して5重
量%以上、好ましくは7重量%以上、また25重量%以
下、好ましくは20重量%以下である。
【0026】5重量%未満では、えられる樹脂フィルム
の水溶性〜耐水性を任意に調整することができず、また
えられる両性イオン系樹脂に前述のアニオン系樹脂とし
ての特性を付与することができず、25重量%を超える
と、えられる樹脂は前述の両性イオン系樹脂としての一
般特性を有することができなくなる。
【0027】モノマー(A)は、単独で、または二種を
併用してもなんら差し支えない。
【0028】モノマー(A)のカルボキシル基は、それ
ぞれに対応する塩基性化合物で65モル%以上、好まし
くは70モル%以上、また90モル%以下、好ましくは
85モル%以下が中和される。
【0029】また共重合前に行なうこの中和は、反応中
のゲル化を防止する点で好ましい。中和率が65モル%
未満のばあいには反応中に望ましくないゲル化を引き起
こす恐れがある。また90モル%を超えるばあいには、
えられた整髪用樹脂の耐水性が損なわれる恐れがある。
【0030】塩基性化合物の具体例としては、エタノー
ルアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノー
ル、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、ラウリルアミンなどがあげられる。
【0031】モノマー(B)は、前記したように、一般
式(II)で表わされるN−(メタ)アクリロイルオキシ
エチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチ
ルカルボキシベタインであり、その製法は、特開平9−
95474号公報に詳細に記載されている、両性ベタイ
ンモノマーである。R1は、重合反応中にエステル交換
などの副反応を受けにくいという理由から、メチルが好
ましい(以下、一般式(II)におけるR1がメチルのタ
イプをベタインモノマーという)。
【0032】モノマー(B)の使用量は共重合成分全量
に対して15重量%以上、好ましくは20重量%以上、
また50重量%以下、好ましくは45重量%以下であ
る。
【0033】15重量%未満では、えられる両性共重合
体のフィルムは水に難溶で、洗髪の際に洗浄除去が困難
となる可能性が高い。そのうえ、この共重合体は両性樹
脂の特徴である毛髪に対する親和性が付与されず、その
結果、フレーキング現象の発生、帯電防止効果の低下お
よび毛髪の自然な風合いの低下などの問題が生じる。
【0034】一方、モノマー(B)の使用量が50重量
%を超えると、同共重合体のフィルムはブロッキング感
を呈するようになり、セット力も劣り、またエアゾール
用として用いるばあいには、現在よく使用されている天
然ガスへの溶解性が著しく低下することが懸念される。
モノマー(B)は、単独でまたは二種を併用してもなん
ら差し支えない。
【0035】モノマー(C)は、前記したように、一般
式(III)で表わされる(メタ)アクリル酸エステルで
あり、モノマー(B)のR1がメチルのばあい、共重合
性のしやすさからR1がメチルで、R2が炭素数1〜18
のものが好ましい。より好ましいR2は、親水性溶媒中
での共重合のしやすさから炭素数1〜12のものであ
る。モノマー(C)の使用量は、共重合成分全量に対し
て30重量%以上、好ましくは35重量%以上、また7
0重量%以下、好ましくは65重量%以下であり、30
重量%未満では高湿度下でのセット力が著しく低下する
恐れがあり、70重量%を超えると、えられる共重合体
のフィルムが水に難溶となり洗髪の際の洗髪除去が困難
となる。
【0036】モノマー(C)の具体例としては、たとえ
ばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ
レート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ
ート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レートなどがあげられる。
【0037】モノマー(C)は、単独でまたは二種以上
を併用してもなんら差し支えない。
【0038】モノマー(D)は、両性共重合体フィルム
に適度の柔軟性および適度の硬度などを与えて感触を変
化させるために、前記モノマー(A)、(B)および
(C)以外の不飽和モノマーを共重合させることができ
る。
【0039】モノマー(D)の具体例としては、たとえ
ば、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、(メタ)アク
リロオキシプロピルトリメトキシシラン、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリ
レート、N−t−ブチルアクリルアミド、N−t−オク
チルアクリルアミド、アクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ダイアセトンアク
リルアミドなどがあげられる。
【0040】モノマー(D)の使用量は、共重合成分全
量に対して、0.1重量%以上、好ましくは2重量%以
上、また35重量%以下、好ましくは30重量%以下で
ある。
【0041】0.1重量%未満では、添加した効果がほ
とんど確認できず、また35重量%を超えるばあいに
は、本発明の目的である高湿度下でのセット力に優れ、
しかも頭髪との親和性に優れた自然で強力なセット性を
有する整髪用樹脂をうるのが困難となる傾向がある。
【0042】モノマー(D)は、単独でまたは二種以上
を併用してもなんら差し支えない。
【0043】本発明の製法に基づき、整髪用樹脂は、モ
ノマー(A)のカルボキシル基を任意の割合中和したの
ち、必要に応じてモノマー(D)を含有する、前記共重
合成分の所望量を調整し、親水性溶媒中で共重合するこ
とによりえられる。
【0044】ここで親水性溶媒とは、水に対する溶解度
が10g/水100g(25℃)以上である有機溶媒を
いう。かかる親水性溶媒の代表例としては、たとえば炭
素数1〜4の脂肪族1〜4価アルコール、エチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、酢酸メチル、ジ
メチルホルムアミドなどがあげられるが、これらのなか
では1〜2価アルコールが化粧料原料として扱ううえで
とくに好ましい。
【0045】前記代表例の1価アルコールの具体例とし
ては、たとえばメタノール、エタノール、イソプロパノ
ールなどがあげられる。また2価アルコールの具体例と
しては、たとえばプロピレングリコールなどがあげられ
る。
【0046】また、本発明の製法による整髪用樹脂は人
体の皮膚に付着することがあるため、その安全性を考慮
すれば、前記親水性溶媒のなかではエタノールおよびイ
ソプロパノールがとくに好ましい。
【0047】前記共重合は、必要に応じてモノマー
(D)を含有する共重合成分を前記親水性溶媒に溶解
し、重合開始剤を添加し、たとえばチッ素ガスなどの不
活性ガス気流下で加熱しながら撹拌することにより行な
うことができる。
【0048】前記重合開始剤としては、一般に溶液重合
法に用いられているものであればとくに限定はなく、そ
の具体例としては、たとえば過酸化ベンゾイル、過酸化
ラウロイルなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ルなどのアゾ系化合物などがあげられる。ここでは、ア
ゾ系化合物を用いることが好ましい。
【0049】共重合に際しては、前記親水性溶媒は、モ
ノマー成分の混合物(共重合成分)の濃度が20〜60
重量%程度となるように調整して用いることが好まし
い。なお、前記モノマー成分の混合物の濃度が60重量
%を超えるばあいには、前記モノマー成分の混合物を分
割して徐々に添加して共重合を行なうことが急激な重合
熱の発生を避け、安全に共重合を行なううえで好まし
い。
【0050】重合温度は、用いる重合開始剤の種類など
によって異なるため一概には決定することができない
が、通常重合開始剤の10時間半減期温度とすることが
好ましく、とくに用いた親水性溶媒の還流温度に近いこ
とがより再現性の高い共重合を行なうことができるので
好ましい。
【0051】また重合時間は、8時間よりも短いばあい
には、共重合が不完全となって未反応のモノマーが残存
することがあるため、8時間以上、好ましくは12〜3
6時間とすることが望ましい。
【0052】なお、残存モノマーが存在するか否かは、
一般的な手法、たとえばPSDB法などにより二重結合
が存在するか否かを確認することにより行なうことがで
きる。
【0053】かくして本発明の製法によりえられる整髪
用樹脂は、共重合体が5000〜200000程度、な
かんづく60000〜150000程度の粘度平均分子
量を有するものであり、通常そのままの状態または溶媒
を除去した状態で整髪剤として用いることができる。
【0054】なお、本発明の製法による整髪用樹脂をた
とえばヘアブロー整髪剤などに用いるばあいには、たと
えば前記重合用溶媒として用いた親水性溶媒に溶解した
整髪用樹脂を、たとえばその他pH調整剤としての酸性
物質や、添加剤、補助剤などとともに噴霧容器内に充填
し、封入すればよい。また、本発明の製法による整髪用
樹脂をエアゾールとして用いるばあいには、前記親水性
溶媒に溶解した整髪用樹脂を、たとえば天然ガス、ジメ
チルエーテルなどの噴射剤やその他の添加剤などととも
にエアゾール容器内に加圧充填し、封入すればよい。な
お、このばあい、噴霧容器内やエアゾール容器内に充填
される各種成分の配合割合は、通常それぞれ目的や用途
などに応じて適宜調整されることが望ましい。
【0055】
【実施例】つぎに本発明の整髪用樹脂の製法を実施例に
もとづいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実
施例のみに限定されるものではない。なお、各実施例
中、「部」および「%」は特記しないかぎり重量基準で
ある。
【0056】実施例1 還流冷却器、温度計、チッ素導入管、滴下ロートおよび
撹拌装置を取り付けた5口フラスコに、メタクリル酸1
0部およびエタノール122.2部を加え、さらに2−
アミノ−2−メチル−1−プロパノール(以下、AMP
という)8.81部を含む45%アミンエタノール溶液
19.6部(中和率80モル%)を20〜40℃で撹拌
しながら滴下ロートより15〜30分かけて加えた。続
いてベタインモノマー40部、メチルメタクリレート1
5部、t−ブチルメタクリレート15部およびラウリル
メタクリレート20部を入れ、α,α′−アゾビスイソ
ブチロニトリル(以下、AIBNという)0.2部を加
え、撹拌しながらチッ素気流下にて70℃で重合反応を
行なった。
【0057】反応開始後4時間後に、AIBNを0.1
5部さらに添加し、ついで12時間共重合して反応を完
結させた。そののち、120.9部のエタノールを滴下
ロートより15〜30分かけて加え、30%ポリマーエ
タノール溶液とした。
【0058】かくして、粘度平均分子量98000の整
髪用樹脂をえた。
【0059】えられた整髪用樹脂の樹脂成分が10%含
有されたエタノール溶液30gにイオン交換水20gを
加え、均一な透明液体(ヘアブロー整髪剤)をえた。こ
れをヘアブロー用噴霧容器(容量:100ml)に充填
し、これにバルブを取り付けてヘアブロー製品を作製し
た。
【0060】以下実施例2〜5および比較例1〜2につ
いても同様にえられた整髪用樹脂を用いて、ヘアブロー
整髪剤をえた。
【0061】実施例2〜5および比較例1〜2 配合した各モノマー成分を表1に示すように変更したほ
かは、実施例1と同様にして整髪用樹脂をえた。
【0062】えられた整髪用樹脂の粘度平均分子量およ
び中和率の結果をそれぞれ表1に示す。
【0063】AA:アクリル酸 MAA:メタクリル酸 ベタインモノマー:N−メタクリロイルオキシエチル−
N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボ
キシベタイン MMA:メチルメタクリレート EMA:エチルメタクリレート t−BMA:t−ブチルメタクリレート LMA:ラウリルメタクリレート TDMA:トリデシルメタクリレート SMA:ステアリルメタクリレート DM:N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート HPA:ヒドロキシプロピルアクリレート NVP:N−ビニルピロリドン DAAm:ダイアセトンアクリルアミド AMP:2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール
【0064】
【表1】
【0065】つぎにえられたヘアブロー製品を用いてヘ
アブロー整髪剤のセット保持力、しなやかさおよび形成
されたフィルムの物性を以下の方法にしたがって調べ
た。その結果を表2に示す。
【0066】(セット保持力)長さ25cmの毛髪2g
にヘアブロー整髪剤4gを20cmの距離から均一に塗
布したのち、この毛髪を外径1.2cmのカーラーに巻
き、40℃の温風で60分間かけて乾燥した。このの
ち、カーラーから毛髪をはずし、温度30℃、相対湿度
90%の雰囲気中に垂直に吊した直後の長さ(L1)と
3時間放置後の長さ(L2)を測定し、カールリテンシ
ョン(%)を次式から算出した。
【0067】[カールリテンション](%)={(25
−L2)/(25−L1)}×100 なお、カールリテンションが70%以上のものを合格
(表2中、Aと表示)とし、70%未満のものを不合格
(表2中、Bと表示)とした。
【0068】(しなやかさ)長さ25cmの毛髪2gに
ヘアブロー整髪剤4gを20cmの距離から均一に塗布
したのち、乾燥前に市販のくしで毛並みを揃え、この毛
髪を40℃の温風で60分間かけて乾燥し、以下の評価
基準にもとづいて評価した。
【0069】(評価基準) A:手で触れるとごわつきがなく、自然な感触である。 B:手で触れると少しごわつきがある。 C:手で触れるとごわつきがひどく、かたい感触があ
る。
【0070】(フィルムの物性) (イ)洗浄性 2.5cm×7.5cmのガラス板にヘアブロー整髪剤
4gを20cmの距離から均一に塗布したのち、20℃
にて3時間風乾してフィルムを形成した。このガラス板
を40℃の0.2%シャンプー含有温水に静置浸漬し、
フィルムの溶解状態の経時変化を調べ、以下の評価基準
にもとづいて評価した。
【0071】(評価基準) A:30分間以内に完全に溶解する。 B:40分間以内に完全に溶解する。 C:40分間経過後もフィルムが残存する。
【0072】(ロ)柔軟性(フレーキング現象の確認) 長さ25cmの毛髪2gにヘアブロー整髪剤4gを均一
に塗布したのち、この毛髪を40℃の温風で60分間か
けて乾燥した。この毛髪の中心から約1cm間隔のとこ
ろを指ではさみ、上下に曲げる操作を10回繰り返して
コーティングフィルムの変化を目視にて観察し、以下の
評価基準にもとづいて評価した。
【0073】(評価基準) A:変化なし。 B:フィルムの剥離が若干認められる。 C:曲げた箇所全面が白くなり、剥離がいちじるしい。
【0074】(ハ)平滑性 2.5cm×7.5cmのガラス板にヘアブロー整髪剤
4gを20cmの距離から均一に塗布したのち、20℃
にて3時間風乾してフィルムを形成した。つぎに形成し
たフィルム面の感触を指で調べ、平滑性を以下の評価基
準にもとづいて評価した。
【0075】(評価基準) A:完全になめらかである。 B:ややざらつきがある。 C:かなりざらつきがある。
【0076】(ニ)光沢性 長さ25cmの毛髪2gにヘアブロー整髪剤4gを20
cmの距離から均一に塗布した。この毛髪を40℃の温
風で60分間かけて乾燥し、目視にて光沢性を観察し、
以下の評価基準に基づいて評価した。
【0077】(評価基準) A:非常に光沢がある。 B:若干光沢がある。 C:光沢がない。
【0078】
【表2】
【0079】
【発明の効果】本発明でえられる整髪用樹脂は、いずれ
も整髪剤として必要な特性を備え、従来のアニオン系樹
脂にはなかった、洗髪性としなやかさ、フレーキング現
象を低減する柔軟さを兼ね備えていることがわかる。
【0080】また、従来のベタイン型両性イオン系樹脂
は、とくにエアゾールとして用いるばあい、その製法
は、両性化樹脂からの脱塩濾過ならびにイオン交換処
理、さらにはイオン交換樹脂から溶出してくる不純物を
活性炭で処理するなどの煩雑な後処理が必要であり、製
造品種を切り替えるばあい、品種ごとの専用設備を設け
るか、めんどうな後処理設備の清掃整備を、品種切り替
えの都度行なう必要があった。
【0081】水系ヘアブロー製品としての腐食のない樹
脂容器で使用するときも、毛髪へのNaClなどの塩類
によるダメージを考えると樹脂は脱塩されている方が望
ましいのは周知のことといえる。
【0082】また、本製法では、共重合反応自体に本
来、整髪用樹脂としては必要でない金属水酸化物を入れ
る必要はない。
【0083】本発明の方法でえられる共重合樹脂は、構
成一成分として存在する酸性基を有するエチレン性不飽
和モノマー由来の酸性基部分を、塩基性化合物で任意の
割合、中和することにより、えられる共重合体樹脂フィ
ルムの水溶性〜耐水性を任意に調整することができる。
【0084】本発明の製法でえられる整髪用樹脂は、ア
ニオン系樹脂としての特性と、ベタイン型両性整髪用樹
脂の特性を併有しており、従来の両性樹脂にはなかった
アニオン系樹脂としての特性も簡単にコントロールする
ことができ、フィルムの硬さを向上させるなどの改良を
付与することが可能となってくる。
【0085】以上のとおり、本発明の製法でえられる整
髪用樹脂は、アニオン系、両性イオン系樹脂の特徴を兼
ね備え、高湿度下でのセット力が強く、しなやかで、柔
軟性に優れ、光沢がありしかも洗髪除去が容易である優
れた整髪用樹脂であり、本発明によればこのような整髪
用樹脂を従来の製法より簡単に製造する方法が提供でき
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 220:04)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を示す)で表わ
    されるモノマー(A)のカルボキシル基65〜90モル
    %を塩基性化合物で中和したのち、中和前のモノマー
    (A)として5〜25重量%、一般式(II): 【化2】 (式中、R1は前記と同じ)で表わされるモノマー
    (B)15〜50重量%および一般式(III): 【化3】 (式中、R1は前記と同じ、R2は炭素数1〜18のアル
    キル基を示す)で表わされるモノマー(C)30〜70
    重量%からなる共重合成分を親水性溶媒中で共重合させ
    ることからなる整髪用樹脂の製法。
  2. 【請求項2】 該共重合成分が該モノマー(A)、
    (B)および(C)と共重合可能なエチレン性不飽和モ
    ノマー(D)を含有する請求項1記載の整髪用樹脂の製
    法。
  3. 【請求項3】 該エチレン性不飽和モノマー(D)の含
    有量が該共重合成分として0.1〜35重量%である請
    求項2記載の整髪用樹脂の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007039391A (ja) * 2005-08-04 2007-02-15 Kao Corp 整髪用被膜形成樹脂
WO2007020203A1 (de) * 2005-08-19 2007-02-22 Basf Se Anionische, ampholytische copolymere für low-voc-zusammensetzungen
US8039568B2 (en) * 2004-10-22 2011-10-18 Basf Se Anionic ethyl methacrylate copolymers and use thereof
JP2017527655A (ja) * 2014-07-25 2017-09-21 アクゾ ノーベル コーティングス インターナショナル ビー ヴィ 双性イオン性コポリマーを調製する方法

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