JPH11157459A - パワーステアリング装置 - Google Patents

パワーステアリング装置

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JPH11157459A
JPH11157459A JP34070897A JP34070897A JPH11157459A JP H11157459 A JPH11157459 A JP H11157459A JP 34070897 A JP34070897 A JP 34070897A JP 34070897 A JP34070897 A JP 34070897A JP H11157459 A JPH11157459 A JP H11157459A
Authority
JP
Japan
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input shaft
movable member
control valve
steering
shaft
Prior art date
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Pending
Application number
JP34070897A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuyoshi Maruyama
辰義 丸山
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作動油圧特性を車速に応じて変化させること
ができ、優れた操舵感覚を得ることが可能なパワーステ
アリング装置を提供する。 【解決手段】 入力軸1に入力される操舵トルクに応じ
てパワーシリンダ13への作動油の供給を司る制御弁2
0を設ける。前記制御弁20を操作可能な操作棒(操作
手段)54を含み、入力軸1に入力される操舵トルクを
操作棒54の変位に変換する変換機構53を設ける。前
記制御弁20とパワーシリンダ13との間に設けられ、
入力軸1に入力される操舵トルクの方向に応じて、作動
油の供給をパワーシリンダ13の一方のシリンダ室15
Lまたは他方のシリンダ室15Rへ切り換えると共に、
これらシリンダ室15L、15Rからの作動油の排出を
司る方向切替え弁63を設ける。更に、操作棒54に対
して、車速に応じた制御力を与える電磁ソレノイド81
を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等のパワー
ステアリング装置に関し、とりわけ、操舵操作の中立位
置においてパワーシリンダへの作動油の供給を遮断する
形式の制御弁を備えたパワーステアリング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種のパワーステアリング装置とし
て、WO95/11158号明細書に記載されたものが
知られている。
【0003】前記従来のパワーステアリング装置は、操
舵機構の入力軸に入力される操舵トルクに応じて、パワ
ーシリンダに作動油を給排して操舵助勢力を得るパワー
ステアリング装置であって、操舵助勢力を発揮するパワ
ーシリンダと、このパワーシリンダへの作動油の供給を
司り、操舵操作の中立位置においてパワーシリンダへの
作動油の供給を遮断する形式の制御弁を有している。前
記制御弁は一対備えられており、操舵機構の左方向また
は右方向の転舵操作において選択的に作動するようにし
てある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例にあっては、パワーシリンダに導かれる作動油の油
圧特性は、もとより操舵トルクに応じて変化するけれど
も、その油圧特性が得られる操舵トルクの大きさは車速
が変化しても変化せず、所定の操舵トルクで油圧が立ち
上がり始め、所定の操舵トルクで油圧が減少し始める特
性を示す。
【0005】即ち、一般に車両の低速走行時或いは停止
時は小さな操舵トルクで十分な操舵助勢力が獲得できる
ことが望まれ、低速走行中よりも接地抵抗の小さい高速
走行時は、操舵安定性の見地から、小さな操舵トルクで
は然程操舵助勢力を必要としないところ、前記従来例に
あっては、油圧が立上がり始める操舵トルクの大きさ及
び減少し始める操舵トルクの大きさがそれぞれ一定で、
作動油圧特性が車速に応じて変化する特性が得られな
い。
【0006】本発明は前記従来の実情に鑑みて案出され
たもので、作動油圧特性を車速に応じて変化させること
ができ、即ち、油圧が立ち上がり始める操舵トルクの大
きさ及び油圧が減少し始める操舵トルクの大きさを車速
に応じて変化させることができ、優れた操舵感覚を得る
ことが可能なパワーステアリング装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の
発明は、操舵機構の入力軸に入力される操舵トルクに応
じて、パワーシリンダに作動油を給排して操舵助勢力を
得るパワーステアリング装置において、前記入力軸に入
力される操舵トルクに応じてパワーシリンダへの作動油
の供給を司り、操舵操作の中立位置においてパワーシリ
ンダへの作動油の供給を遮断する形式の制御弁と、この
制御弁を操作可能な操作手段を含み、前記入力軸に入力
される操舵トルクを操作手段の変位に変換する変換機構
と、前記制御弁とパワーシリンダとの間に設けられ、前
記入力軸に入力される操舵トルクの方向に応じて、作動
油の供給をパワーシリンダの一方または他方のシリンダ
室へ切り換えると共に、これらシリンダ室からの作動油
の排出を司る方向切替え弁と、前記操作手段に対して、
車速に応じた制御力を与えるアクチュエータと、を備え
てなる構成にしてある。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成のうち、前記変換機構が、前記入力軸を
回動可能に収容したハウジングと、前記入力軸に対して
相対回動可能に連繋されて、入力軸に入力される操舵ト
ルクを出力する出力軸と、前記入力軸に対して、軸方向
に移動可能で、かつ相対回動不能に連繋された可動部材
と、この可動部材と出力軸の可動部材に対向する対向面
との間に設けられ、これら可動部材と出力軸との相対回
動を可動部材の軸方向移動に変換する運動変換手段と、
前記可動部材に基端側が連繋され、先端側がハウジング
を貫通して延びており、この先端側で制御弁を操作可能
な操作棒とを備えてなる構成にしてある。
【0009】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の発明の構成のうち、前記操作棒が、その基端側と先
端側との間の中間部分がハウジングに枢動可能に連結さ
れてなる構成にしてある。
【0010】また、請求項4記載の発明は、請求項2記
載の発明の構成のうち、前記運動変換手段が、前記出力
軸の対向面と可動部材との何れか一方に設けられ、回動
方向に傾斜する一対の傾斜面と、何れか他方に設けら
れ、前記一対の傾斜面に接する突起とを備えてなる構成
にしてある。
【0011】また、請求項5記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成のうち、前記制御弁が、変換機構の操作
手段によって軸方向に移動操作されるスプール弁を備え
てなり、このスプール弁が入力軸と略平行に配置された
構成にしてある。
【0012】また、請求項6記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成のうち、前記方向切替え弁が、前記入力
軸の外周と、前記入力軸に対して相対回動可能に連繋さ
れた出力軸の内周との間に形成されてなる構成にしてあ
る。
【0013】また、請求項7記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成のうち、前記方向切替え弁が、前記入力
軸の外周と、前記入力軸に対して相対回動可能に連繋さ
れた出力軸の内周との間に形成されてなり、制御弁が入
力軸を回動可能に収容するハウジングに接している構成
にしてある。
【0014】また、請求項8記載の発明は、操舵機構の
入力軸に入力される操舵トルクに応じて、パワーシリン
ダに作動油を給排して操舵助勢力を得るパワーステアリ
ング装置において、前記入力軸に入力される操舵トルク
に応じてパワーシリンダへの作動油の供給を司り、操舵
操作の中立位置においてパワーシリンダへの作動油の供
給を遮断する形式の一対の制御弁と、この制御弁を操作
可能な操作手段を含み、前記入力軸に入力される操舵ト
ルクを操作手段の変位に変換する変換機構と、前記操作
手段に対して、車速に応じた制御力を与えるアクチュエ
ータと、を備えてなる構成にしてある。
【0015】また、請求項9記載の発明は、請求項8記
載の発明の構成のうち、前記変換機構が、前記入力軸を
回動可能に収容したハウジングと、前記入力軸に対して
相対回動可能に連繋されて、入力軸に入力される操舵ト
ルクを出力する出力軸と、この出力軸に対して、軸方向
に移動可能で、かつ相対回動不能に連繋された可動部材
と、この可動部材と入力軸の可動部材に対向する対向面
との間に設けられ、これら可動部材と入力軸との相対回
動を可動部材の軸方向移動に変換する運動変換手段と、
前記可動部材に基端側が連繋され、先端側がハウジング
を貫通して延びており、この先端側で制御弁を操作可能
な操作棒とを備えてなる構成にしてある。
【0016】また、請求項10記載の発明は、請求項8
記載の発明の構成のうち、前記変換機構が、前記入力軸
を回動可能に収容したハウジングと、前記入力軸に対し
て相対回動可能に連繋されて、入力軸に入力される操舵
トルクを出力する出力軸と、前記入力軸に対して、軸方
向に移動可能で、かつ相対回動不能に連繋された可動部
材と、この可動部材と出力軸の可動部材に対向する対向
面との間に設けられ、これら可動部材と出力軸との相対
回動を可動部材の軸方向移動に変換する運動変換手段
と、前記可動部材に基端側が連繋され、先端側がハウジ
ングを貫通して延びており、この先端側で制御弁を操作
可能な操作棒とを備えてなる構成にしてある。
【0017】また、請求項11記載の発明は、請求項9
及び請求項10記載の発明の構成のうち、前記操作棒
が、その基端側と先端側との間の中間部分がハウジング
に枢動可能に連結されてなる構成にしてある。
【0018】また、請求項12記載の発明は、請求項9
記載の発明の構成のうち、前記運動変換手段が、前記入
力軸の可動部材に対向する対向面と可動部材との何れか
一方に設けられ、回動方向に傾斜する傾斜面と、何れか
他方に設けられ、前記傾斜面に接する突起とを備えてな
る構成にしてある。
【0019】また、請求項13記載の発明は、請求項1
0記載の発明の構成のうち、前記運動変換手段が、前記
出力軸の可動部材に対向する対向面と可動部材との何れ
か一方に設けられ、回動方向に傾斜する傾斜面と、何れ
か他方に設けられ、前記傾斜面に接する突起とを備えて
なる構成にしてある。
【0020】また、請求項14記載の発明は、請求項8
記載の発明の構成のうち、前記制御弁が、変換機構の操
作棒によって軸方向に移動操作されるスプール弁を備え
てなり、このスプール弁が入力軸と略平行に配置された
構成にしてある。
【0021】また、請求項15記載の発明は、請求項8
記載の発明の構成のうち、前記制御弁が、変換機構の操
作棒の両側に対峙して一対配置された構成にしてある。
【0022】先ず、請求項1乃至請求項7記載の発明の
構成にあっては、前記操舵機構の入力軸に入力される操
舵トルクに応じて、変換機構の操作手段によって制御弁
を操作する。このとき、請求項2記載の発明にあって
は、操舵トルクに応じて、前記入力軸に連繋された可動
部材が移動し、この可動部材に連繋された操作棒が制御
弁を操作する。また、請求項3記載の発明にあっては、
前記操作棒の先端側は、可動部材に連繋された基端側の
動きと反対方向の動きをして、制御弁を操作する。この
場合に、前記制御弁は操舵トルクの方向には無関係に、
操舵トルクの大きさに応じて開弁操作される。
【0023】前記制御弁が開弁操作されることによっ
て、作動油が制御弁から方向切替え弁を介してパワーシ
リンダに導かれる。
【0024】前記方向切替え弁は、入力軸に入力される
操舵トルクの方向に応じて、作動油の供給をパワーシリ
ンダの一方のシリンダ室または他方のシリンダ室に切り
換える。
【0025】これによって、操舵機構の左方向または右
方向の転舵操作に対して、パワーシリンダによる操舵助
勢力が得られる。
【0026】ここで、前記パワーシリンダへの作動油の
供給を司る制御弁を操作する操作手段に対して、アクチ
ュエータから車速に応じて制御力が与えられる。具体的
には、前記操作手段による制御弁の開弁操作の場合の操
作力に対する助勢力(制御力)を車速の増加に伴って減
じる。
【0027】これによって、操舵トルクに応じて変化す
る作動油の油圧特性において、油圧が立ち上がり始める
操舵トルク及び減少し始める操舵トルクの大きさが、車
速に応じて変化し、車両の低速走行時或いは停止時は、
高速走行時に比較して小さな操舵トルクで所定の作動油
圧力が得られる。
【0028】したがって、作動油圧特性を車速に応じて
変化させることができ、即ち、油圧が立ち上がり始める
操舵トルクの大きさ及び油圧が減少し始める操舵トルク
の大きさを車速に応じて変化させることができ、優れた
操舵感覚を得ることが可能なパワーステアリング装置が
得られる。
【0029】また、請求項2記載の発明にあっては、前
記入力軸に入力される操舵トルクを操作棒の枢動運動に
変換する変換機構が、この操作棒が連繋された可動部材
と、運動変換手段とを主要素として構成されているか
ら、この変換機構の構成の簡素化を図ることができる。
【0030】また、請求項3記載の発明にあっては、前
記変換機構の操作棒がハウジングに枢動可能に連結され
ていることにより、この枢支連結点を選択することによ
って、所謂レバー比を選択することができるから、可動
部材に連繋された操作棒の基端側の動きに対する先端側
の動き量を選択することができる。
【0031】また、請求項4記載の発明にあっては、前
記運動変換手段が傾斜面と突起とによって構成されてい
るから、簡単な構成で、前記可動部材と出力軸との相対
回動の方向に拘らず、操舵トルクに応じて可動部材を一
定方向に移動させることができる。
【0032】また、請求項5記載の発明にあっては、前
記制御弁を入力軸と略平行に配置できるから、これを略
直角方向に配置する場合に比較して、半径方向外方への
突出部を少なくして、装置全体の小型化を図ることがで
きる。
【0033】また、請求項6記載の発明にあっては、前
記方向切替え弁が所謂ロータリ弁で構成できるから、半
径方向外方への突出部を少なくして、装置全体の小型化
を図ることができる。
【0034】また、請求項7記載の発明にあっては、前
記方向切替え弁と制御弁との間の作動油の通路をハウジ
ングに形成することができるから、配管等の手段を設け
る必要がない。
【0035】次に、請求項8乃至請求項15記載の発明
の構成にあっては、前記操舵機構の入力軸に入力される
操舵トルクに応じて変換機構の操作棒が枢動し、この操
作棒の先端側によって制御弁を操作する。このとき、請
求項9及び請求項10記載の発明にあっては、操舵トル
クに応じて、前記入力軸に連繋された可動部材が移動
し、この可動部材に連繋された操作棒が制御弁を操作す
る。また、請求項11記載の発明にあっては、前記操作
棒の先端側は、可動部材に連繋された基端側の動きと反
対方向の動きをして、制御弁を操作することになる。
【0036】前記制御弁が開弁操作されることによっ
て、作動油が制御弁からパワーシリンダに導かれる。
【0037】これによって、操舵機構の左方向または右
方向の転舵操作に対して、パワーシリンダによる操舵助
勢力が得られる。
【0038】この場合においても、前記パワーシリンダ
への作動油の供給を司る制御弁を操作する操作手段に対
して、アクチュエータから車速に応じて制御力が与えら
れる。具体的には、前記操作手段による制御弁の開弁操
作の操作力に対する助勢力(制御力)を車速の増加に伴
って減じる。
【0039】これによって、操舵トルクに応じて変化す
る作動油の油圧特性において、油圧が立ち上がり始める
操舵トルク及び減少し始める操舵トルクの大きさが、車
速に応じて変化し、車両の低速走行時或いは停止時は、
高速走行時に比較して小さな操舵トルクで所定の作動油
圧力が得られる。
【0040】したがって、作動油圧特性を車速に応じて
変化させることができ、即ち、油圧が立ち上がり始める
操舵トルクの大きさ及び油圧が減少し始める操舵トルク
の大きさを車速に応じて変化させることができ、優れた
操舵感覚を得ることが可能なパワーステアリング装置が
得られる。
【0041】また、請求項9及び請求項10記載の発明
にあっては、前記入力軸に入力される操舵トルクを操作
棒の枢動運動に変換する変換機構が、この操作棒が連繋
された可動部材と、運動変換手段とを主要素として構成
されているから、この変換機構の構成の簡素化を図るこ
とができる。
【0042】また、請求項11記載の発明にあっては、
前記変換機構の操作棒がハウジングに枢動可能に連結さ
れていることにより、この枢支連結点を選択することに
よって、所謂レバー比を選択することができるから、可
動部材に連繋された操作棒の基端側の動きに対する先端
側の動き量を選択することができる。
【0043】また、請求項12記載の発明にあっては、
前記運動変換手段が傾斜面と突起によって構成されてい
るから、簡単な構成で、操舵トルクに基づく前記可動部
材と入力軸との相対回動に応じて、可動部材を軸方向に
移動させることができる。
【0044】また、請求項13記載の発明にあっては、
前記運動変換手段が傾斜面と突起によって構成されてい
るから、簡単な構成で、操舵トルクに基づく前記可動部
材と出力軸との相対回動に応じて、可動部材を軸方向に
移動させることができる。
【0045】また、請求項14及び請求項15記載の発
明にあっては、前記制御弁を入力軸と略平行に配置でき
るから、これを略直角方向に配置する場合に比較して、
半径方向外方への突出部を少なくして、装置全体の小型
化を図ることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて詳述する。
【0047】図1は本発明の実施の形態を示すパワース
テアリング装置の説明図で、制御弁及び方向切替え弁の
断面図を含む図面、図2は図1の要部を拡大して示す断
面図、図3は図1のA−A線断面図を含む説明図、図4
は図1のB−B線断面図、図5は車速をパラメータとし
て、入力軸に入力される操舵トルク(T)と操舵助勢力
を発生させる作動油圧(P)との関係を示す線図であ
る。
【0048】図において1は中空状の入力軸で、この入
力軸1には図外のステアリングホイールが連結され、操
舵トルクが入力される。2は前記入力軸1に対して相対
回動可能に連繋された出力軸で、これら入力軸1及び出
力軸2は、バルブハウジング3aとギヤハウジング3b
とからなるハウジング3内に回動可能に収容されてい
る。4、5、6は前記入力軸1及び出力軸2を支持する
軸受けである。
【0049】前記出力軸2は、入力軸1の外周に嵌り合
う筒状のバルブボディ7とピニオン軸8とからなり、こ
のピニオン軸8は図外の操縦リンクを操向操作するラッ
ク軸9に噛合している。なお、前記バルブボディ7とピ
ニオン軸8とは連結ピン7aによって連結してある。
【0050】10はラックサポートで、このラックサポ
ート10はラック軸9をその背面側からばね11のばね
力によってピニオン軸8に向かって押圧しており、これ
によって、このラック軸9とピニオン軸8との噛合隙間
を除去して、滑らかな操舵感覚が得られるようにしてあ
る。尚、12は前記ばね11のばね受けを兼ねるプラグ
である。
【0051】前記ラック軸9にはパワーシリンダ13が
付属しており、このパワーシリンダ13は、ラック軸9
に取付けたピストン14の両側に対峙する一対のシリン
ダ室15L、15Rを備えている。
【0052】16は前記入力軸1の中空内部に挿通され
たトーションバーで、このトーションバー16は適当な
捩じり弾性を有しており、一端がピン17によって入力
軸1に連結され、他端がセレーション18によって出力
軸2に連結されている。これによって、前記出力軸2
は、トーションバー16を介して入力軸1に連繋され、
このトーションバー16が捩じられることにより、入力
軸1に対して相対回動可能である。
【0053】20は、前記入力軸1に入力される操舵ト
ルクに応じて、パワーシリンダ13への作動油の供給を
司る制御弁である。前記制御弁20は、ハウジング3に
接して配置され、次のように構成されている。
【0054】即ち、24は制御弁20のボディで、この
ボディ24には入力軸1と略平行にスプール弁収容孔2
5が形成してある。前記スプール弁収容孔25は、一端
側がプラグ26によって封止されており、その内部は、
一端側(封止端側)に大径部25aが形成され、他端側
に小径部25bが形成してある。尚、27は前記プラグ
26の抜止めを司る抜止めリングである。
【0055】28は前記スプール弁収容孔25内に摺動
自在に収容された第1スプール弁で、この第1スプール
弁28はスプール弁収容孔25内部を一端側の第1油室
29と他端側の第2油室30とに区画している。また、
前記第1スプール弁28は、その胴部が縮径され、スプ
ール弁収容孔25の略中央部分に第3油室31を区画形
成している。
【0056】前記第3油室31の第1油室29に対する
区画は、スプール弁収容孔25の大径部25a側におい
て第1スプール弁28にテーパ状に拡径して形成された
ポペット部28aが、スプール弁収容孔25の大径部2
5aと小径部25bとの段部25cに接し、前記第1油
室29と第3油室31との連通を遮断することによって
成就されている。したがって、前記第1油室29と第3
油室31との間は、第1スプール弁28が第1油室29
側に移動し、ポペット部28aが段部25cから離間す
ることによって連通可能である。
【0057】また、前記第3油室31の第2油室30に
対する区画は、第1スプール弁28の胴部外周に設けた
シールリング32によって成就されている。
【0058】前記第1スプール弁28の第1油室29側
端部は軸方向に延長されて挿入軸部28bが形成されて
おり、この挿入軸部28bが第1油室29内を摺動自在
なカットオフピストン33の貫通孔33a内に挿入され
ている。
【0059】また、前記第1スプール弁28の第2油室
30側端部には凹形状のテーパ面35が形成してある。
【0060】36は前記第1油室29と第2油室30と
を連通する連通油路で、この連通油路36はこの実施の
形態において第1スプール弁28に形成してある。即
ち、前記連通油路36は、第1油室29に臨んで第1ス
プール弁28の挿入軸部28bに形成した直径方向の貫
通孔36aと、この貫通孔36aに連通して第2油室3
0に開口する軸方向孔36bとから構成してある。
【0061】37は前記スプール弁収容孔25の他端側
に摺動自在に収容された第2スプール弁である。前記第
2スプール弁37は、この実施の形態において球弁で、
その凸形状の外周面38は第1スプール弁28側におい
て凹形状のテーパ面35に接すると共に、先端部は、ス
プール弁収容孔25に略直交してボディ24に形成され
た貫通孔40内に突出し、後に詳述する変換機構の操作
手段に接している。なお、前記貫通孔40の開口端は、
プラグ板41によって封止してある。
【0062】42は前記第1油室29内に収容された供
給スプリングで、この供給スプリング42は、一端がプ
ラグ26に接し、他端が第1スプール弁28に接して、
この第1スプール弁28を第2油室30側に付勢してい
る。これによって、前記第1スプール弁28は、常態に
おいて、ポペット部28aがスプール弁収容孔25の段
部25cに接し、第1油室29と第3油室31との連通
を遮断している。
【0063】43は前記第2油室30内に収容された排
出スプリングで、この排出スプリング43は、一端が第
1スプール弁28に接し、他端が第2スプール弁37に
接して、この第2スプール弁37をバルブボディ20か
ら突出する方向に付勢している。つまり、前記排出スプ
リング43は第2スプール弁37を第1スプール弁28
から離れる方向に付勢して相互に接触させず、即ち、第
1スプール弁28の凹形状のテーパ面35と第2スプー
ル弁37の凸形状の外周面38とが接触しない状態とす
る。このため、前記第2スプール弁37は、常態におい
て、第1スプール弁28に形成した連通油路36を第2
油室30側端部において閉塞することがなく、この連通
路36を開いている状態としている。
【0064】前記制御弁20の第1油室29はボディ2
4に形成した通路44及びハウジング3に形成した斜め
孔(通路)45を介して、後に詳述する方向切替え弁に
連通している。また、第2油室30はドレン通路46に
連通し、第3油室31は作動油の供給通路47に連通し
ている。
【0065】48は前記制御弁20に付属するカットオ
フ弁で、このカットオフ弁48は、制御弁20の第1油
室29を摺動自在なカットオフピストン33と、一端が
プラグ26に接してカットオフピストン33を第1スプ
ール弁28側に付勢するカットオフスプリング34と、
カットオフピストン33と第1スプール28とを所定の
遊動ストローク(l)をもって軸方向に連繋する連繋部
材49とを主要素として構成してある。
【0066】前記カットオフピストン33のプラグ26
側端部33bは、外周側が軸方向に延長されてプラグ2
6の外周に嵌合しており、プラグ26との間に環状室5
0を形成している。
【0067】前記環状室50はボディ24に形成した通
路51及びハウジング3に形成した斜め孔(通路)52
を介してバルブハウジング3a内に連通し、ドレン通4
6に連通している。
【0068】また、前記連繋部材49は両端開放の略筒
状で、両端が内周側に折り曲げられて、第1スプール弁
28の外周及びカットオフピストン33の外周にそれぞ
れ係合しており、これら第1スプール弁28とカットオ
フピストン33とを所定のストローク(l)軸方向に連
繋している。また、前記連繋部材49の胴部には貫通孔
49aが形成してある。
【0069】53は変換機構で、この変換機構53は、
制御弁20を操作可能な操作手段としての操作棒54を
有し、入力軸1に入力される操舵トルクを操作手段54
の変位に変換する。前記変換機構53は、ハウジング3
内に収容された入力軸1に対して、軸方向に移動可能
で、かつ相対回動不能に連繋された可動部材55と、こ
の可動部材55と出力軸2の可動部材55に対向する対
向面との間に設けられ、これら可動部材55と出力軸2
との相対回動を可動部材55の軸方向移動に変換する運
動変換手段56を有している。また、前記制御弁20を
操作可能な操作棒54は後に詳述するように、可動部材
55に連繋されている。
【0070】前記可動部材55は中空円板状で、中空内
部に入力軸1が挿入された状態でこの入力軸1の外周側
に配置されており、入力軸1に形成した半径方向外方に
延びるフランジ57に軸方向に植設されたピン58によ
って、軸方向に移動可能で、かつ相対回動不能に連繋さ
れている。また、前記可動部材55は、一端が軸受け4
に接するばね部材59によって、常時出力軸2側(バル
ブボディ7側)に付勢されている。
【0071】前記運動変換手段56は、可動部材55に
設けられた回転方向に傾斜する一対の傾斜面60と、こ
の傾斜面60に接する突起としての球61を備えてお
り、この球61は出力軸2の可動部材55に対向する対
向面、即ちバルブボディ7の端面に設けられている(図
4参照)。これによって、前記入力軸1に操舵トルクが
入力され、入力軸1と出力軸2との間に相対回動が生じ
ることにより、球61が傾斜面60を押すことになるか
ら、可動部材55はばね部材59のばね力に抗して軸方
向に、即ちバルブボディ7の端面から離れる方向に移動
することが可能になる。この場合、前記傾斜面60は可
動部材55の回転方向に一対設けられているから、入力
軸1と出力軸2との相対回動が左右何れの方向であって
も、可動部材55は一方向に移動することになる。
【0072】前記操作棒(操作手段)54は、基端54
a側が可動部材55に連繋され、先端54b側がハウジ
ング3を貫通して延び、制御弁20の第2スプール弁3
7の外周面38に接している。また、前記操作棒54
は、その基端54a側と先端54b側との間の中間部分
がハウジング3に取付けた球面軸受け62によって支持
されており、この球面軸受け62によって、ハウジング
3に枢動可能に連結されている。このため、前記操作棒
54は、球面軸受け62を支点として揺動可能であり、
可動部材55に連繋された基端54a側が図1において
上方向に移動することによって、先端54b側は下方向
に移動して制御弁20を操作することになる。
【0073】63は前記制御弁20とパワーシリンダ1
3との間に設けられた方向切替え弁で、この方向切替え
弁63は、図3に最もよく示されるように、この実施の
形態において、入力軸1の外周とバルブボディ7の内周
との間に所謂ロータリ弁として形成されている。
【0074】前記方向切替え弁63は、入力軸1に入力
される操舵トルクの方向に応じて、作動油の供給をパワ
ーシリンダ13の一方のシリンダ室15Lまたは他方の
シリンダ室15Rへ切替えると共に、これらシリンダ室
15L、15Rからの作動油の排出を司る。
【0075】即ち、前記入力軸1の外周には窪み64、
65が円周方向等間隔に配置して形成され、バルブボデ
ィ7の内周には、入力軸1の窪み64、65の間に位置
して、窪み66、67が円周方向等間隔に配置して形成
されており、これら窪み64、65、66、67の間
に、方向切替え弁63を構成する絞り68a、68b、
69a、69bが形成してある。
【0076】前記窪み64は、通路70を介してバルブ
ボディ7の外周に形成した周溝71に連通している。前
記周溝71は斜め孔45を介して制御弁20の第1油室
29に連通しているから、窪み64には制御弁20の第
1油室29内の作動油が導かれることが可能である。
【0077】前記窪み65は、通路72及び入力軸1の
内周とトーションバー16の外周との間の隙間及び出力
軸2に形成した貫通孔2aを介してハウジング3内の低
圧部分に連通し、このハウジング3内を介してドレン通
路46に連通している。
【0078】前記窪み66は、通路73を介してバルブ
ボディ7の外周に形成した周溝74に連通し、この周溝
74を介してパワーシリンダ13の一方のシリンダ室1
5Lに連通している。
【0079】前記窪み67は、通路75を介してバルブ
ボディ7の外周に形成した周溝76に連通し、この周溝
76を介してパワーシリンダ13の他方のシリンダ室1
5Rに連通している。
【0080】また、前記周溝71、74、76の両側に
はシールリング77、78、79、80が配置されてお
り、これによって、これら周溝71、74、76は液密
的に区画されている。
【0081】81はアクチュエータである。前記アクチ
ュエータ81は変換機構53の操作棒54を挟んで制御
弁20に対向する位置に設けられており、操作棒54に
対して、車速に応じた制御力を与えることが可能であ
る。即ち、前記アクチュエータ81はこの実施の形態に
おいて電磁ソレノイドからなり、常態において、この電
磁ソレノイド81のアーマチュア82がソレノイドスプ
リング83のばね力で付勢されて貫通孔40内に突出し
ており、その先端が操作棒54に接してこの操作棒54
を押圧している。
【0082】前記電磁ソレノイド(アクチュエータ)8
1は、車速センサ84からの車速信号が入力される制御
ユニット85を介して駆動されることにより、操作棒5
4に対するソレノイドスプリング83によるアーマチュ
ア82の押圧力、即ち制御力を、車速に応じて変化させ
る。これによって、前記制御弁20の制御特性を車速の
因子を加えて変化させることができ、所謂車速感応制御
が可能となる。
【0083】95は前記供給通路47に作動油を供給す
る油圧ポンプである。前記供給通路47の途中には、油
圧ポンプ95から制御弁20の第3油室31側への作動
油の流通を許容し、逆方向の流通を阻止するチェック弁
96が設けられており、このチェック弁96よりも下流
側の供給通路47には、この供給通路47内の圧力を所
定圧力に保持可能なアキュームレータ97が接続されて
いる。
【0084】98は前記油圧ポンプ95を回転駆動する
モータで、このモータ98は、チェック弁96よりも下
流側の供給通路47内の圧力をモニターする圧力スイッ
チ99の検出信号に基づいて駆動及び停止が制御され
る。
【0085】なお、前記ボディ24に形成した貫通孔4
0内はドレン通路46を介して作動油のリザーバ100
に連通している。
【0086】斯かる構成において、前記入力軸1に連結
される図外のステアリングホイールが操舵操作され、こ
の入力軸1に操舵トルクが入力されると、この操舵トル
クはトーションバー16を介して出力軸2に伝達され、
ラック軸9を介して図外の操縦リンクを操向操作する。
【0087】このとき、図外の車輪の接地抵抗が大きい
場合には、前記トーションバー16が捩じられ、入力軸
1と出力軸2との間に相対回動が生じることになる。
【0088】前記入力軸1と出力軸2との相対回動が生
じることによって、制御弁20及び方向切替え弁63が
作動し、パワーシリンダ13に作動油を給排して、作動
油圧による操舵助勢力が得られることになるのであり、
これについて順を追って説明する。
【0089】まず、前記供給通路47の作動油は、チェ
ック弁96よりも下流側に設けたアキュームレータ97
によって加圧されて、常時所定圧力に維持されている。
即ち、前記供給通路47内の作動油の圧力は圧力スイッ
チ99によってモニターされており、この供給通路47
内の圧力が所定圧力よりも低下した場合には圧力スイッ
チ99の検出信号に基づいてモータ98が回転し、油圧
ポンプ95が回転駆動されることによって、供給通路4
7内の作動油の圧力が高められる。一方、前記供給通路
47内の圧力が所定圧力に達した場合には、圧力スイッ
チ99がこれを検出し、モータ98及び油圧ポンプ95
の回転駆動を停止させる。したがって、前記制御弁20
の第3油室31内には常時所定圧力の作動油が導かれて
いることになる。
【0090】このとき、前記入力軸1と出力軸2との間
に相対回動が生じない状態、即ち操舵操作の中立位置に
おいては、変換機構53の可動部材55はばね部材59
のばね力で押圧されて、運動変換手段56の一対の傾斜
面60が同時に球体61に接した状態(図4参照)にあ
るから、操作棒54は図1に示す中立位置にあり、制御
弁20を操作しない。このため、前記制御弁20の第1
スプール弁28及び第2スプール弁37は共に図1に示
す中立状態にあり、作動油の方向切替え弁63及びパワ
ーシリンダ13への供給は遮断された状態にある。
【0091】即ち、前記制御弁20の第1スプール弁2
8は、常態にあって、この第1スプール弁28によって
スプール弁収容孔25内に形成された第1油室29、第
2油室30及び第3油室31をそれぞれ区画しており、
各油室間の相互の連通は阻止された状態にある。つま
り、前記第1スプール弁28は供給スプリング42によ
って第2油室30側に付勢され、この第1スプール弁2
8のポペット部28aがスプール弁収容孔25の段部2
5cに接しており、第1油室29と第3油室31との連
通を阻止している。また、前記第2油室30と第3油室
31との間はシールリング32によって封止が施されて
いる。つまり、前記作動油の供給通路47が連通する第
3油室31は、方向切替え弁63の周溝71に連通する
第1油室29、及びドレン通路46に連通する第2油室
30に対してそれぞれ区画されており、このため、前記
第3油室31に供給される作動油は方向切替え弁63及
びドレン通路46の何れにも供給されない状態にある。
【0092】また、前記第2スプール弁37は排出スプ
リング43によってボディ24から突出する方向に付勢
されているけれども、常態にあって、その先端部の外周
面38は変換機構53の操作手段としての操作棒54に
よって押圧されず、第1油室29と第2油室30とを連
通する連通油路36を連通状態に保っている。即ち、前
記第2スプール弁37は排出スプリング43によってバ
ルブボディ20から突出する方向に付勢され、これによ
って、第2スプール弁37は第1スプール弁28から離
間して、第1スプール弁28の凹形状のテーパ面35と
第2スプール弁37の凸形状の外周面38とが接触しな
い状態とされる。このため、前記第2スプール弁37は
第1スプール弁28に形成した連通油路36を第2油室
30側端部において閉塞することがなく、この連通路3
6を開いている。したがって、前記方向切替え弁63に
連通する第1油室29は、第2油室30に連通するドレ
ン通路46に連通していることになる。
【0093】斯かる状態から、前記図外のステアリング
ホイールを介して入力軸1に操舵トルクが入力され、ト
ーションバー16が捩じられて入力軸1と出力軸2とが
相対回動することにより、変換機構53の操作棒54が
第2スプール弁37の先端部を操作し、この第2スプー
ル弁37を排出スプリング43のばね力に抗して押圧し
て、軸方向に移動させる。
【0094】具体的には、前記入力軸1と出力軸2とが
相対回動することにより、運動変換手段56の球61が
可動部材55に形成した一対の傾斜面60の一方にのみ
接することになり、この可動部材55を図1において上
方向に移動させる。これによって、前記可動部材55に
基端54a側が連繋された操作棒54が球面軸受け62
を介して揺動し、この操作棒54の先端54b側が図1
において下方向に動くことになるから、この先端54b
側で第2スプール弁37の先端部が押される。その結
果、前記第2スプール弁37は操作手段としての操作棒
54によって押圧され、入力軸1と出力軸2との相対回
動量に応じて軸方向に移動することになるのである。
【0095】前記操作棒54が制御弁20の第2スプー
ル弁37を軸方向に押圧して移動させることにより、こ
の第2スプール弁37が、第1油室29と第2油室30
とを連通する連通油路36を閉じることになる。
【0096】即ち、前記第2スプール弁37が排出スプ
リング43のばね力に抗して第1スプール弁28側に移
動されることにより、第2スプール弁37が第1スプー
ル弁28に接し、第1スプール弁28の凹形状のテーパ
面35と第2スプール弁37の凸形状の外周面38とが
接触する。このため、前記第2スプール弁37は第1ス
プール弁28に形成した連通油路36を第2油室30側
端部において閉塞することになり、この連通路36を閉
じる。したがって、前記方向切替え弁63に連通する第
1油室29は第2油室30に連通するドレン通路46と
の連通が阻止されることになる。
【0097】また、前記操作手段としての操作棒54が
第2スプール弁37を押圧して軸方向に移動させ、この
第2スプール弁37が第1スプール弁28に接すること
により、この第1スプール弁28が軸方向に押圧され、
供給スプリング42のばね力に抗して第1油室29側に
移動することになる。
【0098】前記第1スプール弁28が第1油室29側
に移動することにより、第1油室29と第3油室31と
が連通することになる。これによって、前記作動油の供
給通路47に連通する第3油室31から第1油室29に
導かれる作動油が方向切替え弁63を介してパワーシリ
ンダ13に供給される。
【0099】即ち、いま、前記入力軸1に一定方向の操
舵トルクが入力され、プール弁収容孔25内の第1スプ
ール弁28が第1油室29側に移動すると、この第1ス
プール弁28に形成されたポペット部28aが、スプー
ル弁収容孔25の大径部25aと小径部25bとの段部
25cから離れ、前記第1油室29と第3油室31とが
連通される。これによって、前記供給通路47から第3
油室31に供給される作動油が、第1油室29内に導か
れ、この第1油室29から、斜め孔45、周溝71を介
して方向切替え弁63に導かれ、この方向切替え弁63
による制御のもとに、パワーシリンダ13の一方のシリ
ンダ室15L(転舵方向が逆の場合には他方のシリンダ
室15R)に供給されるのである。
【0100】ここで、前記方向切替え弁63は、入力軸
1と出力軸2との間に相対回動が生じない状態、即ち操
舵操作の中立位置においては、絞り68a、69aは閉
じており、絞り68b、69bは僅かに開いている。こ
のため、前記パワーシリンダ13の一方のシリンダ室1
5Lは、周溝74、通路73、絞り68b、窪み65、
通路72を介してドレン通路46に連通しており、他方
のシリンダ室15Rは、周溝76、通路75、絞り69
b、窪み65を介してドレン通路46に連通している。
【0101】斯かる状態から、前記図外のステアリング
ホイールを介して入力軸1に操舵トルクが入力され、ト
ーションバー16が捩じられて入力軸1と出力軸2とが
相対回動することにより、方向切替え弁63の絞り68
aが開いて絞り68bが閉じる(転舵方向が逆の場合に
は絞り69aが開いて絞り69bが閉じる)ことにな
る。これによって、前記制御弁20から斜め孔45を介
して周溝71に供給される作動油が、通路70から絞り
68aを介してパワーシリンダ13の一方のシリンダ室
15Lに導かれる(転舵方向が逆の場合には、通路70
から絞り69aを介してパワーシリンダ13の他方のシ
リンダ室15Rに導かれる)。
【0102】つまり、前記制御弁20が方向切替え弁6
3に作動油を導く動作と、方向切替え弁63がパワーシ
リンダ13の一方のシリンダ室15Lまたは他方のシリ
ンダ室15Rとに作動油の供給を選択的に切替える動作
とは、略同時に実行されることになる。
【0103】前記制御弁20が方向切替え弁63を介し
てパワーシリンダ13に作動油を供給するとき、制御弁
20の第1スプール弁28は、操舵トルクが増加する過
程で、入力軸1に入力される操舵トルクとパワーシリン
ダ13の一方のシリンダ室15L内(転舵方向が逆の場
合には、他方のシリンダ室15R内)の圧力及び供給ス
プリング42のばね力との3者の釣合いが徐々に変化す
ることによって移動し、次のように作動する。
【0104】即ち、前記第1スプール弁28のポペット
部28aがスプール弁収容孔25の段部25cから離
れ、作動油が第1油室29からパワーシリンダ13に供
給されて、例えば一方のシリンダ室15L内の圧力が上
昇し、操舵助勢力が発揮されると、前記図外のステアリ
ングホイールから入力軸1に入力されている操舵トルク
は、パワーシリンダ13によって得られる助勢力の大き
さの分、減じられることが可能である。同時に、前記シ
リンダ15L内の圧力が上昇することによって第1油室
29内の圧力も上昇することになるから、第1スプール
弁28は第1油室29内の圧力によって押し戻され、ポ
ペット部28aがスプール弁収容孔25の段部25cに
接して、第1油室29と第3油室31との連通を遮断す
る。さらに、転舵操作のために、前記入力軸1に入力さ
れる操舵トルクが増大すると、再びポペット部28aが
スプール弁収容孔25の段部25cから離れ、作動油が
パワーシリンダ13の一方のシリンダ室15Lに供給さ
れる。以後、前記入力軸1に入力される操舵トルクに応
じて所定の大きさの操舵助勢力が得られるまで、前記動
作が繰り返されることになる。
【0105】つまり、前記制御弁20の第1スプール弁
28は、入力軸1に操舵トルクが入力されて、入力軸1
と出力軸2との相対回動が生じ、所定の大きさの助勢力
が得られるまで、ポペット部28aがスプール弁収容孔
25の段部25cから離れて作動油をパワーシリンダ1
3に導入する動作と、ポペット部28aがスプール弁収
容孔25の段部25cに接して作動油の導入を中止する
動作とを繰り返すことになる。
【0106】したがって、前記トーションバー16は、
第1スプール弁28のポペット部28aがスプール弁収
容孔25の段部25cから離れるまでの範囲内でのみ捩
じられることになり、また、前記入力軸1と出力軸2と
相対回動量もその範囲内となる。
【0107】一方、前記制御弁20からの作動油が方向
切替え弁63を介してパワーシリンダ13の一方のシリ
ンダ室15Lに導入されるとき、パワーシリンダ13の
他方のシリンダ室15Rは周溝76、通路75、窪み6
7、絞り69b窪み65、通路67を介してドレン通路
46に連通している。
【0108】このため、前記パワーシリンダ13の一方
のシリンダ室15Lに導入される作動油の圧力によっ
て、ピストン14を介してラック軸9に操舵方向の力が
与えられ、操舵助勢力が発揮されるのである。
【0109】これにより、前記入力軸1に与えられる操
舵トルクに応じて、パワーシリンダ13に供給される作
動油によって所定の操舵助勢力が得られる。
【0110】次に、操舵操作が完了し、前記入力軸1へ
の操舵トルクの入力が解除されると、制御弁20の第1
スプール弁28が第1油室29内の圧力及び供給スプリ
ング42のばね力によって第2油室30側に押し戻さ
れ、第1スプール弁28のポペット部28aがスプール
弁収容孔25の段部25cに接して、第1油室29と第
3油室31との連通を遮断する。
【0111】また、前記第2スプール弁37が、第2油
室30内の圧力(この圧力は作動油が供給されるパワー
シリンダ13のシリンダ室、例えば一方のシリンダ室1
5L内の圧力に等しい)及び排出スプリング43のばね
力によって第1スプール弁28から離間する方向に徐々
に押し戻され、第1スプール弁28の凹形状のテーパ面
35と第2スプール弁37の凸形状の外周面38とが接
触しない状態とされる。このため、前記第2スプール弁
37は第1スプール弁28に形成した連通油路36を第
2油室30側端部において開口し、この連通油路36を
開く。これによって、前記パワーシリンダ13の一方の
シリンダ室15Lに連通する第1油室29がドレン通路
46に連通し、シリンダ室15L内を大気圧のもとに解
放して、操舵助勢力を除すことになる。
【0112】これと同時に、前記方向切替え弁63も中
立位置に戻り、パワーシリンダ13の一方のシリンダ室
15L内及び他方のシリンダ室15R内はセンターオー
プン型の絞り68b、69bからドレン通路46に連通
される。
【0113】このとき、前記制御弁20の第2スプール
弁37は、操舵トルクが減じられる過程で入力軸1に残
留する操舵トルクとパワーシリンダ13の一方のシリン
ダ室15L内(転舵方向が逆の場合には、他方のシリン
ダ室15R内)に残留する圧力及び排出スプリング43
のばね力との3者の釣合いが徐々に変化することによっ
て移動し、連通油路36を徐々に開くことになる。
【0114】即ち、前記第2スプール弁37が連通油路
36を僅かに開くと、パワーシリンダ13の一方のシリ
ンダ室15L内の油圧力が僅かに減じられ、操舵助勢力
が減じられる。前記パワーシリンダ13の助勢力が減じ
られると、入力軸1に残留する操舵トルクが勝り、第2
スプール弁37は第1スプール弁28に接し、連通油路
36を閉じることになる。さらに、転舵操作を解除する
ために前記入力軸1に入力されている操舵トルクを除す
と、再び第2スプール弁37が第1スプール弁28から
離間して連通油路36を開き、パワーシリンダ13の一
方のシリンダ室15L内の作動油をドレン通路46に逃
がす。以後、前記入力軸1に入力される操舵トルク及び
パワーシリンダ13での操舵助勢力が零になるまで、前
記動作が繰り返されることになる。
【0115】つまり、前記制御弁20の第2スプール弁
37は、入力軸1に入力される操舵トルクが減じられる
ことによって、入力軸1と出力軸2との相対回動が減じ
られ、操舵助勢力が零になるまで、第1スプール弁28
から離間して連通油路36を開き、パワーシリンダ13
とドレン通路46とを連通する動作と、第1スプール弁
28に接して連通油路36を閉じる動作とを繰り返すこ
とになる。
【0116】一方、前記図外のステアリングホイールが
逆方向に操舵操作された場合には、運動変換手段56の
球61は可動部材55に形成した一対の傾斜面60の他
方にのみ接することになるけれども、この可動部材55
は前記同様に図1において上方向に移動するから、前記
同様に操作棒54が制御弁20を操作する。これに対し
て、前記方向切替え弁63は前記した方向とは逆方向に
作動し、絞り69a、68bを開き、絞り69b、68
aを閉じる。これによって、方向切替え弁63は、制御
弁20からの作動油を絞り69aを介してパワーシリン
ダ13の他方のシリンダ室15R内に供給すると共に、
一方のシリンダ室15L内が絞り68bを介してドレン
通路46に連通することになる。
【0117】これにより、前記同様に、入力軸1に入力
される操舵トルクに応じて、パワーシリンダ13に供給
される作動油によって所定の操舵助勢力が得られる。
【0118】その結果、操舵機構の左方向または右方向
の転舵操作に対して、パワーシリンダ13による操舵助
勢力が得られるのである。
【0119】このとき、前記カットオフ弁48は次のよ
うに作動する。即ち、操舵操作の中立位置で、前記制御
弁20が操作棒54によって操作されず、第2スプール
弁37が連通路36を開いて、第1油室29内がドレン
通路46に連通している状態では、第1油室29内及び
環状室50内は何れも大気圧の下にあるから、カットオ
フピストン33はカットオフスプリング34のばね力に
よって付勢されて、第1スプール弁28に最も近付いた
位置にある。この状態では、前記連繋部材49が第1ス
プール弁28に対して軸方向に遊動ストローク(l)を
もって係合している(図2参照)。
【0120】次に、前記操作棒54が制御弁20を操作
して第2スプール弁37が連通路36を閉じ、第1スプ
ール弁28が移動して第1油室29内に第3油室31内
の作動油が導かれると、カットオフピストン33は第1
油室29内の油圧力によって押圧され、カットオフスプ
リング34のばね力に抗して第スプール弁28から離れ
る方向に移動する。即ち、前記カットオフピストン33
は、環状室50内が大気圧下にあるから、この環状室5
0の断面積に相当する面積に第1油室29内の油圧力が
作用することによって移動することになる。
【0121】前記カットオフピストン33の軸方向移動
が、遊動ストローク(l)をこえると、第1油室29内
の油圧力によってカットオフピストン33が移動する力
は、連繋部材49を介して第1スプール弁28に伝達さ
れ、この第1スプール弁28を開弁方向に移動させるこ
とになる。
【0122】つまり、前記第1油室29内の油圧力が上
昇することにより、カットオフピストン3が第油室29
内の圧力とカットオフスプリング34との釣り合いによ
ってプラグ26側に移動し、所定のストローク(l)の
後、変換機構53の操作棒54が制御弁20の第1スプ
ール弁28を供給スプリング42のばね力に抗して押圧
する力に対して助勢力を与えることになる。
【0123】このため、前記入力軸1に操舵トルクが入
力されて、変換機構53の操作棒54が制御弁20を操
作して第1油室29内の油圧が増圧されるとき、この制
御弁20の第1油室29が所定の圧力に上昇したカット
オフ点以降、操舵トルク(T)に対する油圧(P)の増
加割合が増加する特性を持って制御されることになる
(図5参照)。
【0124】また、前記操作棒54に対して車速に応じ
た制御力を与える電磁ソレノイド81は次のように作動
する。即ち、前記電磁ソレノイド81は、常態におい
て、アーマチュア82がソレノイドスプリング83のば
ね力で付勢され、その先端が操作棒54に接してこの操
作棒54を押圧しており、この状態から、車速センサ8
4からの車速信号が入力される制御ユニット85を介し
て駆動されることにより、ソレノイドスプリング83に
よってアーマチュア82が操作棒54を押圧する力を減
じる。つまり、前記電磁ソレノイド81は、車速センサ
84からの車速信号に基づいて駆動制御されることによ
り、ソレノイドスプリング83によるアーマチュア82
の押圧力、即ち制御力が、車速に応じて変化することに
なる。
【0125】これによって、前記電磁ソレノイド81
は、変換機構53の操作棒54が制御弁20の第2スプ
ール弁37の先端部を操作してこの第2スプール弁37
を排出スプリング43のばね力に抗して押圧する力に対
する助勢力を、車速に応じて変化させることになる。具
体的には、前記電磁ソレノイド81は、車両の低速時ま
たは停止時に最も大きな助勢力を発揮し、高速になるに
従って助勢力を減じることになる。
【0126】このため、前記入力軸1に操舵トルクが入
力されて、変換機構53の操作棒54が制御弁20を操
作して第1油室29の油圧が増圧されるとき、及び入力
軸1に入力される操舵トルクが減じられて、変換機構5
3の操作棒54が制御弁20を操作して第1油室29の
油圧が減圧されるとき、この制御弁20の制御特性に車
速の因子が加えられ、操舵トルク(T)に対する油圧
(P)の特性が、図5に示すように、車速に応じて変化
し、所謂車速感応制御されることになる。
【0127】ここで、前記パワーシリンダ13への作動
油の供給を司る制御弁20を操作する操作手段としての
操作棒54に対して、アクチュエータとしての電磁ソレ
ノイド81から車速に応じて制御力が与えられる。具体
的には、前記操作棒54による制御弁20の開弁操作の
場合の操作力に対する助勢力(制御力)を車速の増加に
伴って減じる。
【0128】これによって、操舵トルクに応じて変化す
る作動油の油圧特性において、油圧が立ち上がり始める
操舵トルク及び減少し始める操舵トルクの大きさが、車
速に応じて変化し、車両の低速走行時或いは停止時は、
高速走行時に比較して小さな操舵トルクで所定の作動油
圧力が得られる。
【0129】したがって、作動油圧特性を車速に応じて
変化させることができ、即ち、油圧が立ち上がり始める
操舵トルクの大きさ及び油圧が減少し始める操舵トルク
の大きさを車速に応じて変化させることができ、優れた
操舵感覚を得ることが可能なパワーステアリング装置が
得られる。
【0130】また、前記入力軸1に入力される操舵トル
クを操作棒54の変位に変換する変換機構53が、この
操作棒54が連繋された可動部材55と、運動変換手段
56とを主要素として構成されているから、この変換機
構53の構成の簡素化を図ることができる。
【0131】また、前記変換機構53の操作棒54がハ
ウジング3に球面軸受け62を介して枢動可能に連結さ
れていることにより、この枢支連結点を選択することに
よって、所謂レバー比を選択することができるから、可
動部材55に連繋された操作棒54の基端54a側の動
きに対する先端54b側の動き量を選択することができ
る。
【0132】また、前記変換機構53の運動変換手段6
5が一対の傾斜面60と球61とによって構成されてい
るから、簡単な構成で、可動部材55と出力軸2との相
対回動の方向に拘らず、操舵トルクに応じて可動部材5
5を一定方向に移動させることができる。
【0133】また、前記制御弁20が入力軸1と略平行
に配置されていることにより、これを略直角方向に配置
する場合に比較して、半径方向外方への突出部を少なく
して、装置全体の小型化を図ることができる。
【0134】また、前記方向切替え弁63が所謂ロータ
リ弁で構成されているから、半径方向外方への突出部を
少なくして、装置全体の小型化を図ることができる。
【0135】また、前記方向切替え弁63と制御弁20
との間の作動油の通路(斜め孔45)をハウジング3
(3a)に形成したことにより、配管等の手段を設ける
必要がない。
【0136】図6乃至図12は本発明の別の実施の形態
を示す図面で、これが前記実施の形態と変わるところ
は、前記実施の形態の方向切替え弁63を廃止して、パ
ワーシリンダ13のシリンダ室15L、15Rに対応し
て一対の制御弁20を設けた点である。
【0137】前記制御弁20は変換機構53の制御棒5
4両側に対峙して一対配置されており、一方の制御弁2
0の第1油室29は通路44Lを介してパワーシリンダ
13の一方のシリンダ室15Lに連通し、他方の制御弁
20の第1油室29は通路44Rを介してパワーシリン
ダ13の他方のシリンダ室15Rに連通している。な
お、前記各制御弁20の第2油室30はドレン通路46
に連通し、第3油室31は作動油の供給通路47に連通
している。
【0138】前記一対の制御弁20を選択的に操作する
ために、変換機構53が次のように構成してある。即
ち、前記変換機構53は、ハウジング3内に収容された
入力軸1に対して軸方向移動可能で、出力軸2に対して
相対回動不能に連携された可動部材55と、この可動部
材55と入力軸1の可動部材55に対向する対向面との
間に設けられ、これら可動部材55と入力部材1との相
対回動を可動部材55の軸方向移動に変換する運動変換
手段56とを有している。また、前記制御弁20を操作
可能な操作棒54は前記実施の形態と同様に、その基端
54a側が可動部材55に連繋されている。
【0139】前記可動部材55は中空円筒状で、中空内
部に入力軸1が挿入された状態でこの入力軸1の外周側
に配置されており、この入力軸1に対して相対移動可能
であると共に、出力軸2に対しては、この出力軸2に植
設されたピン58Bによって軸方向に移動可能で、かつ
相対回動不能に連繋されている。
【0140】前記運動変換手段56は、この実施の形態
において可動部材55の軸方向両端側に設けられてお
り、入力軸1の可動部材55に対向する対向面、即ち入
力軸1に一体的に形成した半径方向のフランジ57の端
面に設けられた回転方向に傾斜する傾斜面60と、この
傾斜面60に接する突起としての球61を備えており、
この球61は可動部材55の端面に設けられている(図
9乃至図12参照)。前記運動変換手段56の傾斜面6
0は、それぞれの半径方向のフランジ57において、入
力軸1の互いに異なる回転方向に傾斜して形成してあ
る。
【0141】これによって、前記入力軸1に操舵トルク
が入力され、入力軸1と出力軸2との間に相対回動が生
じることにより、一方の運動変換手段56の球61が傾
斜面60を押して一方の半径方向フランジ57と可動部
材55との間隔を広げようとし、他方の運動変換手段5
6の球61が傾斜面60をすべって他方の半径方向のフ
ランジ57と可動部材55との間隔を狭めようとするか
ら、可動部材55は軸方向に移動することが可能にな
る。この場合、前記傾斜面60は可動部材55の軸方向
両側に一対設けられているから、入力軸1と出力軸2と
が左右何れかの方向に相対回動することによって、可動
部材55はその相対回動の方向に応じて移動することに
なる。
【0142】前記操作棒54は、その基端54a側が軸
受け92を介して可動部材55に連繋され、先端54b
側がハウジング3を貫通して延び、制御弁20の第2ス
プール弁37の外周面38に接している。また、前記操
作棒54は、その基端54a側と先端54b側との間の
中間部分がハウジング3に取付けた球面軸受け62によ
って支持されており、この球面軸受け62によって、ハ
ウジング3に枢動可能に連結されている。
【0143】このため、前記操作棒54は、球面軸受け
62を支点として揺動可能で、可動部材55に連繋され
た基端54a側が図6において上方向に移動することに
よって、先端54b側は下方向に移動して一方の制御弁
20を開弁操作し、他方の制御弁20を閉弁操作するこ
とになる。また、前記可動部材55が逆方向に移動して
操作棒54の先端54b側が上方向に移動する場合に
は、他方の制御弁20を開弁操作し、一方の制御弁20
を閉弁操作することになる。
【0144】また、前記操作棒54の先端54b側の端
面には、図6において山形のテーパ状のカム面54cが
形成してある。
【0145】81はアクチュエータとしての電磁ソレノ
イドで、この電磁ソレノイド81は、アーマチュア82
の先端が操作棒54に形成した山形のカム面54cの稜
線に臨んで配置してある。また、前記電磁ソレノイド8
1のアーマチュア82の軸心線と操作棒54の軸心線が
合致するようにしてある。
【0146】なお、その他の構成については前記の実施
の形態と略同様であるから、同一構成部分には同一符号
を付し、その重複する説明を省略する。
【0147】斯かる構成おいて、操舵操作の中立位置で
は、前記変換機構53の可動部材55は、この可動部材
55の軸方向両端側に設けた運動変換手段56の傾斜面
60が同時に球体61に接した状態(図11及び図12
参照)にあるから、操作棒54は図6に示す中立位置に
あり、各制御弁20を操作しない。このため、前記各制
御弁20は共に図6に示す中立位置にある。
【0148】前記制御弁20の中立位置では、作動油の
供給通路47が連通する第3油室31は、第1スプール
弁28によって、通路44Lまたは通路44Rに連通す
る第1油室29、及びドレン通46に連通する第2油室
30に対してそれぞれ区画されており、これによって、
第3油室31に供給される作動油はパワーシリンダ13
及びドレン通路46の何れにも供給されない状態にあ
る。また、前記制御弁20の第2スプール弁37は第1
スプール弁28に形成した連通油路36を第2油室30
側端部において閉塞することがなく、この連通油路36
を開いている。したがって、前記パワーシリンダ13の
シリンダ室15L、15Rに連通する第1油室29は、
第2油室30を介して、この第2油室30に連通するド
レン通路47に連通していることになる。
【0149】斯かる状態から、前記図外のステアリング
ホイールを介して入力軸1に操舵トルクが入力され、ト
ーションバー16が捩じられて入力軸1と出力軸2とが
相対回動することにより、変換機構53の操作棒54が
一方または他方の制御弁20の第2スプール弁37の先
端部を操作し、この第2スプール弁37を排出スプリン
グ43のばね力に抗して押圧して、軸方向に移動させ
る。
【0150】具体的には、前記前記入力軸1と出力軸2
とが相対回動することにより、一方の運動変換手段56
の球61が傾斜面60を押して一方の半径方向フランジ
57と可動部材55との間隔を広げようとし、他方の運
動変換手段56球61が傾斜面60をすべって他方の半
径方向フランジ57と可動部材55との間隔を狭めよう
とするから、可動部材55は軸方向に移動する。
【0151】前記可動部材55が、例えば図6において
上方向に移動すると、この可動部材55に基端54a側
が連繋された操作棒54が球面軸受け62を介して揺動
し、この操作棒54の先端54b側が図6において下方
向に動くことになるから、この先端54b側で一方の制
御弁20の第2スプール弁37の先端部が押される。逆
方向の操舵操作によって、前記可動部材55が図6にお
いて下方向に移動すると、操作棒54の先端54b側が
図6において上方向に動くことになるから、他方の制御
弁20の第2スプール弁37が押圧される。その結果、
前記制御弁20の第2スプール弁37は操作棒54によ
って押圧され、入力軸1と出力軸2との相対回動量に応
じて軸方向に移動するのである。
【0152】前記操作棒54によって制御弁20が開弁
操作され、第1スプール弁28及び第2スプール弁37
が供給スプリング42及び排出スプリング43が軸方向
に移動することによって、供給通路47から第3油室3
1に供給される作動油が、第1油室29内に導かれ、こ
の第1油室29からパワーシリンダ13に供給される。
詳しくは、前記変換機構53の操作棒54が一方の制御
弁20を操作する場合には、一方の制御弁20の第1油
室29に導かれた作動油が、通路44Lを介してパワー
シリンダ13の一方のシリンダ室15Lに供給される。
また、前記変換機構53の操作棒54が他方の制御弁2
0を操作する場合には、他方の制御弁20の第1油室2
9に導かれた作動油が、通路44R介してパワーシリン
ダ13の他方のシリンダ室15Rに供給される。
【0153】一方、前記変換機構53の操作棒54が一
方の制御弁20を操作し、この一方の制御弁20の第1
油室29に導かれた作動油が、通路44Lを介してパワ
ーシリンダ13の一方のシリンダ室15Lに供給される
とき、パワーシリンダ13の他方のシリンダ室15Rは
通路44Rを介して他方の制御弁20の第1油室29に
連通しており、この第1油室29は連通油路36及び第
2油室30を介してドレン通路46に連通している。ま
た、前記変換機構53の操作棒54が他方の制御弁20
を操作し、この他方の制御弁20から通路44Rを介し
てパワーシリンダ13の他方のシリンダ室15Rに作動
油が供給されるときは、パワーシリンダ13の一方のシ
リンダ室15L内が一方の制御弁20を介してドレン通
路46に連通することになる。
【0154】その結果、前記パワーシリンダ13の一方
のシリンダ室15Lまたは他方のシリンダ室15Rに導
入される作動油の圧力によって、ピストン14を介して
ラック軸9に操舵方向の力が与えられ、操舵助勢力が発
揮されるのである。
【0155】これにより、前記入力軸1に与えられる操
舵トルクに応じて、パワーシリンダ13に供給される作
動油によって所定の操舵助勢力が得られる。
【0156】次に、操舵操作が完了し、前記入力軸1へ
の操舵トルクの入力が解除されると、制御弁20の第1
スプール弁28が第1油室29内の圧力及び供給スプリ
ング42のばね力によって第2油室30側に押し戻さ
れ、第1油室29と第3油室31との連通を遮断する。
【0157】また、前記第2スプール弁37が、第2油
室30内の圧力(この圧力は作動油が供給されるパワー
シリンダ13のシリンダ室、例えば一方のシリンダ室1
5L内の圧力に等しい)及び排出スプリング43のばね
力によって第1スプール弁28から離間する方向に徐々
に押し戻され、第1スプール弁28の凹形状のテーパ面
35と第2スプール弁37の凸形状の外周面38とが接
触しない状態とされる。このため、前記第2スプール弁
37は第1スプール弁28に形成した連通油路36を第
2油室30側端部において開口し、この連通油路36を
開く。これによって、前記パワーシリンダ13の一方の
シリンダ室15L(または他方のシリンダ室15R)に
連通する第1油室29がドレン通路46に連通し、シリ
ンダ室15L(またはシリンダ室15R)内を大気圧の
もとに解放して、操舵助勢力を除すことになる。
【0158】これによって、操舵機構の左方向または右
方向の転舵操作に対して、パワーシリンダ13による操
舵助勢力が得られる。
【0159】このとき、前記電磁ソレノイド81のアー
マチュア82は、操作棒54の先端54b側に形成した
カム面54cを介してこの操作棒54に助勢力を与え
る。
【0160】前記電磁ソレノイド81が車速センサから
の信号に基づいて駆動制御されることにより、前記実施
の形態と同様に、変化機構53の操作棒54が制御弁2
0を操作する力に対する助勢力を車速に応じて変化させ
る。具体的には、前記操作棒54による制御弁20の開
弁操作の場合の操作力に対する助勢力(制御力)を車速
の増加に伴って減じる。
【0161】その結果、操舵トルクに応じて変化する作
動油の油圧特性において、油圧が立ち上がり始める操舵
トルク及び減少し始める操舵トルクの大きさが、車速に
応じて変化し、車両の低速走行時或いは停止時は、高速
走行時に比較して小さな操舵トルクで所定の作動油圧力
が得られる。
【0162】したがって、この実施の形態においても、
作動油圧特性を車速に応じて変化させることができ、即
ち、油圧が立ち上がり始める操舵トルクの大きさ及び油
圧が減少し始める操舵トルクの大きさを車速に応じて変
化させることができ、優れた操舵感覚を得ることが可能
なパワーステアリング装置が得られる。
【0163】また、前記入力軸1に入力される操舵トル
クを操作棒54の枢動運動に変換する変換機構53が、
この操作棒54が連繋された可動部材55と、運動変換
手段56とを主要素として構成されているから、この変
換機構53の構成の簡素化を図ることができる。
【0164】また、前記変換機構53の操作棒54がハ
ウジング3に枢動可能に連結されていることにより、こ
の枢支連結点を選択することによって、所謂レバー比を
選択することができるから、可動部材55に連繋された
操作棒54の基端54a側の動きに対する先端54b側
の動き量を選択することができる。
【0165】また、前記運動変換手段56が傾斜面60
と突起としての球61によって構成されているから、簡
単な構成で、操舵トルクに基づく前記可動部材55と入
力軸1との相対回動に応じて、可動部材55を軸方向に
移動させることができる。
【0166】また、前記運動変換手段56が傾斜面60
と突起としての球61によって構成されているから、簡
単な構成で、操舵トルクに基づく前記可動部材55と出
力軸2との相対回動に応じて、可動部材55を軸方向に
移動させることができる。
【0167】また、前記制御弁20を入力軸1と略平行
に配置できるから、これを略直角方向に配置する場合に
比較して、半径方向外方への突出部を少なくして、装置
全体の小型化を図ることができる。
【0168】以上、実施の形態を図面に基づいて説明し
たが、具体的構成はこれらの実施の形態に限られるもの
ではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能であ
る。例えば、前記制御弁20の第1スプール弁28に連
通油路36を形成した実施の形態について述べたが、こ
の連通油路36はボディ24に設けるようにしてもよい
ものである。
【0169】また、前記アクチュエータとして電磁ソレ
ノイド81を採用したが、これに限ることなく、ステッ
プモータ等の各種アクチュエータが採用可能である。
【0170】また、第1の実施の形態において、前記方
向切替え弁63を所謂ロータリ弁で構成したが、スプー
ル弁で構成することも可能である。
【0171】また、第2の実施の形態において、前記変
換機構53として、可動部材55を出力軸2に対して軸
方向に移動可能で、かつ相対回動不能に連繋した実施の
形態について述べたが、可動部材55を入力軸1に対し
て軸方向移動可能で、かつ相対回動不能に連繋する構成
としてもよい。この場合には、前記運動変換手段56を
可動部材55と出力軸2の可動部材55に対向する対向
面との間に設けることになる。
【0172】また、前記運動変換手段56を、入力軸1
の可動部材55に対向する対向面、即ち入力軸1に形成
した半径方向フランジ57の端面に傾斜面60を設け、
この傾斜面60に接する突起としての球61を可動部材
55の端面に設けた実施の形態について述べたが、可動
部材55の端面に傾斜面を設け、入力軸1に形成した半
径方向フランジ57の端面に突起を設ける構成としても
よい。なお、前記運動変換手段56を可動部材55と出
力軸2の可動部材55に対向する対向面との間に設ける
場合についても、同様に考えることができる。
【0173】また、前記変換機構53の運動変換手段5
6を可動部材55の両端側にそれぞれ設けた実施の形態
について述べたが、一方の運動変換手段56を廃止し
て、これに変えて可動部材55を他方の運動変換手段5
6側に付勢するばね部材を設ける構成にしてもよい。
【0174】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、作動油圧特性を車速に応じて変化させることが
でき、即ち、油圧が立ち上がり始める操舵トルクの大き
さ及び油圧が減少し始める操舵トルクの大きさを車速に
応じて変化させることができ、優れた操舵感覚を得るこ
とが可能なパワーステアリング装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すパワーステアリング
装置の説明図で、制御弁及び方向切替え弁の断面図を含
む図面である。
【図2】図1の要部を拡大して示す断面図である。
【図3】図1のA−A線断面を含む説明図である。
【図4】図1のB−B線断面図である。
【図5】車速をパラメータとして、入力軸に入力される
操舵トルク(T)と操舵助勢力を発生させる作動油圧
(P)との関係を示す線図である。
【図6】本発明の別の実施の形態を示す、図1と同様の
図面である。
【図7】図6の要部を拡大して示す断面図である。
【図8】図6のA−A線断面図である。
【図9】図6のB−B線断面図である。
【図10】図6のC−C線断面図である。
【図11】図9のA−A線断面図である。
【図12】図10のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 13 パワーシリンダ 15L、15R シリンダ室 20 制御弁 53 変換機構 54 操作棒(操作手段) 63 方向切替え弁 81 電磁ソレノイド(アクチュエータ)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵機構の入力軸に入力される操舵トル
    クに応じて、パワーシリンダに作動油を給排して操舵助
    勢力を得るパワーステアリング装置において、前記入力
    軸に入力される操舵トルクに応じてパワーシリンダへの
    作動油の供給を司り、操舵操作の中立位置においてパワ
    ーシリンダへの作動油の供給を遮断する形式の制御弁
    と、この制御弁を操作可能な操作手段を含み、前記入力
    軸に入力される操舵トルクを操作手段の変位に変換する
    変換機構と、前記制御弁とパワーシリンダとの間に設け
    られ、前記入力軸に入力される操舵トルクの方向に応じ
    て、作動油の供給をパワーシリンダの一方または他方の
    シリンダ室へ切り換えると共に、これらシリンダ室から
    の作動油の排出を司る方向切替え弁と、前記操作手段に
    対して、車速に応じた制御力を与えるアクチュエータ
    と、を備えてなることを特徴とする、パワーステアリン
    グ装置。
  2. 【請求項2】 前記変換機構は、前記入力軸を回動可能
    に収容したハウジングと、前記入力軸に対して相対回動
    可能に連繋されて、入力軸に入力される操舵トルクを出
    力する出力軸と、前記入力軸に対して、軸方向に移動可
    能で、かつ相対回動不能に連繋された可動部材と、この
    可動部材と出力軸の可動部材に対向する対向面との間に
    設けられ、これら可動部材と出力軸との相対回動を可動
    部材の軸方向移動に変換する運動変換手段と、前記可動
    部材に基端側が連繋され、先端側がハウジングを貫通し
    て延びており、この先端側で制御弁を操作可能な操作棒
    とを備えてなることを特徴とする、請求項1記載のパワ
    ーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 前記操作棒は、その基端側と先端側との
    間の中間部分がハウジングに枢動可能に連結されてなる
    ことを特徴とする、請求項2記載のパワーステアリング
    装置。
  4. 【請求項4】 前記運動変換手段は、前記出力軸の対向
    面と可動部材との何れか一方に設けられ、回動方向に傾
    斜する一対の傾斜面と、何れか他方に設けられ、前記一
    対の傾斜面に接する突起とを備えてなることを特徴とす
    る、請求項2記載のパワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 前記制御弁は、変換機構の操作手段によ
    って軸方向に移動操作されるスプール弁を備えてなり、
    このスプール弁が入力軸と略平行に配置されていること
    を特徴とする、請求項1記載のパワーステアリング装
    置。
  6. 【請求項6】 前記方向切替え弁は、前記入力軸の外周
    と、前記入力軸に対して相対回動可能に連繋された出力
    軸の内周との間に形成されてなることを特徴とする、請
    求項1記載のパワーステアリング装置。
  7. 【請求項7】 前記方向切替え弁は、前記入力軸の外周
    と、前記入力軸に対して相対回動可能に連繋された出力
    軸の内周との間に形成されてなり、制御弁が入力軸を回
    動可能に収容するハウジングに接していることを特徴と
    する、請求項1記載のパワーステアリング装置。
  8. 【請求項8】 操舵機構の入力軸に入力される操舵トル
    クに応じて、パワーシリンダに作動油を給排して操舵助
    勢力を得るパワーステアリング装置において、前記入力
    軸に入力される操舵トルクに応じてパワーシリンダへの
    作動油の供給を司り、操舵操作の中立位置においてパワ
    ーシリンダへの作動油の供給を遮断する形式の一対の制
    御弁と、この制御弁を操作可能な操作手段を含み、前記
    入力軸に入力される操舵トルクを操作手段の変位に変換
    する変換機構と、前記操作手段に対して、車速に応じた
    制御力を与えるアクチュエータと、を備えてなることを
    特徴とする、パワーステアリング装置。
  9. 【請求項9】 前記変換機構は、前記入力軸を回動可能
    に収容したハウジングと、前記入力軸に対して相対回動
    可能に連繋されて、入力軸に入力される操舵トルクを出
    力する出力軸と、この出力軸に対して、軸方向に移動可
    能で、かつ相対回動不能に連繋された可動部材と、この
    可動部材と入力軸の可動部材に対向する対向面との間に
    設けられ、これら可動部材と入力軸との相対回動を可動
    部材の軸方向移動に変換する運動変換手段と、前記可動
    部材に基端側が連繋され、先端側がハウジングを貫通し
    て延びており、この先端側で制御弁を操作可能な操作棒
    とを備えてなることを特徴とする、請求項8記載のパワ
    ーステアリング装置。
  10. 【請求項10】 前記変換機構は、前記入力軸を回動可
    能に収容したハウジングと、前記入力軸に対して相対回
    動可能に連繋されて、入力軸に入力される操舵トルクを
    出力する出力軸と、前記入力軸に対して、軸方向に移動
    可能で、かつ相対回動不能に連繋された可動部材と、こ
    の可動部材と出力軸の可動部材に対向する対向面との間
    に設けられ、これら可動部材と出力軸との相対回動を可
    動部材の軸方向移動に変換する運動変換手段と、前記可
    動部材に基端側が連繋され、先端側がハウジングを貫通
    して延びており、この先端側で制御弁を操作可能な操作
    棒とを備えてなることを特徴とする、請求項8記載のパ
    ワーステアリング装置。
  11. 【請求項11】 前記操作棒は、その基端側と先端側と
    の間の中間部分がハウジングに枢動可能に連結されてな
    ることを特徴とする、請求項9及び請求項10記載のパ
    ワーステアリング装置。
  12. 【請求項12】 前記運動変換手段は、前記入力軸の可
    動部材に対向する対向面と可動部材との何れか一方に設
    けられ、回動方向に傾斜する傾斜面と、何れか他方に設
    けられ、前記傾斜面に接する突起とを備えてなることを
    特徴とする、請求項9記載のパワーステアリング装置。
  13. 【請求項13】 前記運動変換手段は、前記出力軸の可
    動部材に対向する対向面と可動部材との何れか一方に設
    けられ、回動方向に傾斜する傾斜面と、何れか他方に設
    けられ、前記傾斜面に接する突起とを備えてなることを
    特徴とする、請求項10記載のパワーステアリング装
    置。
  14. 【請求項14】 前記制御弁は、変換機構の操作棒によ
    って軸方向に移動操作されるスプール弁を備えてなり、
    このスプール弁が入力軸と略平行に配置されていること
    を特徴とする、請求項8記載のパワーステアリング装
    置。
  15. 【請求項15】 前記制御弁は、変換機構の操作棒の両
    側に対峙して一対配置されていることを特徴とする、請
    求項8記載のパワーステアリング装置。
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