JP3004597B2 - 計量機構部を備えた流体制御装置 - Google Patents

計量機構部を備えた流体制御装置

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JP3004597B2 JP8358794A JP35879496A JP3004597B2 JP 3004597 B2 JP3004597 B2 JP 3004597B2 JP 8358794 A JP8358794 A JP 8358794A JP 35879496 A JP35879496 A JP 35879496A JP 3004597 B2 JP3004597 B2 JP 3004597B2
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英樹 小澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、例えば車両の車輪に作動
的に連結されたパワーステアリングシリンダのような油
圧アクチュエータと連携して用いられる計量(メータリ
ング)機構部組込み型流体制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、建設車両のような産業機械の全
油圧式パワーステアリングシステムには、車輪に作動的
に連結された複動形パワーステアリングシリンダのよう
な油圧アクチュエータと連携して上記形式の流体制御装
置又は流体コントローラが広範に利用されている。かか
る流体制御装置の一例が特開平4−271962号に記
載されており、この流体制御装置は、パワーステアリン
グシリンダに通じる2つの制御ポート、油圧源に通じる
入口ポート及びリザーバに通じる戻りポートを備えたハ
ウジングと、ハウジング内に組み込まれていて、ステア
リングホイール(以下、「ハンドル」という場合があ
る)の回転方向及び/又は回転量に応動する制御バルブ
部又は切換弁組立体と計量機構部(「ジロータセット」
又は単に「ジロータ」と呼ばれることがある)の組合せ
とから成る。制御バルブ部は、ステアリングホイールに
機械的に連結された内側の回転部材又はスプールと、回
転部材と入れ子関係をなし、それに従動して回転するよ
う構成された外側の従動部材又はスリーブとを有してお
り、これらの部材は、これらを貫通するピン及びセンタ
リングスプリングを介して連結されることにより、制御
された相対的な角度変位をすることができると共にハウ
ジング内で一緒に左又は右のいずれか一方の方向に回転
運動して油圧回路の切換えを、バルブ中立位置と、ステ
アリング位置と、最大変位位置との間で行うことができ
るようになっている。また、ジロータセットは、内歯部
材(リング)及びこの内歯部材内に設けられていて偏心
的に自公転できると共にハウジング内で回転自在なドラ
イブシャフトにスプライン連結された外歯部材(スタ
ー)を含み、制御バルブ部を通る流体の流れを計量し、
それに応じて制御バルブ部に追従動作を与えるようにな
っている。ジロータセットは周知のようにスターの歯数
が内歯部材のリングの歯数よりも一つ少ない。噛み合い
状態の内歯と外歯の間には、周囲方向に流体容積室又は
油圧室が形成される。
【0003】一般に、車輪にリンク連結されたステアリ
ングシリンダがその行程の終端に達したとき、車輪も所
定の角度移動の終わりに達している。しかしながら、流
体制御装置の構成部品の製造公差に起因して、一般にジ
ロータセットの構成要素間に本来的に存在する隙間を通
って漏れ又はリークが生じることがある。その結果、ス
テアリングシリンダがその行程の終端に達していても、
オペレータが加える入力トルクに応じてハンドルが所定
回転量を越えて回りつづける「トラベルリミットスリッ
プ」と呼ばれる現象が生じる場合がある。
【0004】かかるトラベルリミットスリップを防止す
るために、通常はジロータセットの外歯部材に密着させ
てプラグ部材を設け、ハウジングのエンドキャップ又は
端板とプラグ部材との間に画定される制動圧力室に加圧
下で圧油を供給し、プラグ部材をスターに押しつけるこ
とによりスターを制動することが提案されている。
【0005】そこで、特開平4−271962号の流体
制御装置は、そのハウジングとジロータセットが協働し
て圧力室と制御バルブ部との間を連絡する流路を備えて
いる。また、制御バルブ部は、ステアリング位置にある
ときには、圧力室から圧油をドレンするドレン流路を形
成し、最大変位位置に接近するときには圧力室に圧油を
供給して油圧制動作用を発揮させ、かくして、バルブの
最大変位時におけるハンドルのトラベルリミットスリッ
プの低減及び高負荷ステアリング時にスリップ低減のた
めの制動力を抜いて弁内部圧力損失の低減を達成しよう
としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
パワーステアリングシステムでは、高負荷且つ極低速ス
テアリング操作で、即ち、例えば「据え切り」状態で、
或いはタイヤの下部が泥濘に埋まったり障害物に当たっ
た状態で、ハンドルをいずれか一方の方向に非常にゆっ
くりと回してアクチュエータがその作動端に達したよう
な場合、エンドキャップとジロータスターの間のリーク
に起因して制御バルブのスプールとスリーブで構成され
る可変オリフィスが完全閉鎖に至らず、そのために制御
バルブがその最大変位に至らないので高圧が制動圧力室
に加わらず、ハンドルのトラベルリミットスリップが発
生することがある。この問題は、ユーザーの要望により
設定されるジロータの押退け容積が小さい場合には特に
深刻となる。というのは、押退け容積に対するリーク量
の割合が相対的に大きいためである。
【0007】そこで本発明の目的は、上記従来技術の問
題を解決し、特に高負荷且つ極低速ステアリング操作時
におけるリークを防止してジロータセットに対する制動
力を確実に生じさせ、それによりステアリングホイール
のトラベルリミットスリップを実質的に無くする改良型
計量機構部組込み型流体制御装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、油圧源
からの油圧の作用で操作されるアクチュエータに通じる
2つの制御ポート、油圧源に通じる入口ポート及びリザ
ーバに通じる戻りポートを備えたハウジングと、ハウジ
ング内に設けられていて、回転自在な入力手段に作動的
に連結された回転部材及びこれと入れ子関係をなしてい
てこれに従動して回転する従動部材で構成され、回転部
材と従動部材の相対的変位量に応じてバルブ中立位置、
バルブ最大変位位置及びこれらの間のバルブ中間変位位
置を定める制御バルブ部とを有し、制御バルブ部の回転
部材と従動部材の間には複数の可変オリフィスが形成さ
れ、可変オリフィスを介してアクチュエータ、油圧源及
びリザーバを含む油圧回路が形成され、更に、入力手段
の回転量に比例した量の圧油を、前記油圧回路を通じて
アクチュエータに計量供給する計量機構部を有し、計量
機構部が、内歯部材と、この中に偏心的に相対運動自在
に配置された外歯部材と、制御バルブを前記バルブ中立
位置から変位させると、内歯部材と外歯部材の間に形成
される高圧領域部と、連絡流路及び開口状態にある可変
オリフィスを経て油圧源とリザーバに選択的に流体連通
できるようになった制動圧力室と、制動圧力室内に設け
られていて、内歯部材と外歯部材のうち少なくとも一方
の運動中の部材に制動力を及ぼすことができる制動部材
とを含む流体制御装置において、計量機構部の前記制動
圧力室と前記高圧領域部を互いに隔絶して高圧領域部内
の圧油が前記連絡流路を通ってリザーバにリークするの
を阻止するための封止手段を設けたことにある。
【0009】可変オリフィスは、制御バルブのバルブ中
立位置では全開して、制動圧力室を減圧するドレンモー
ドの動作状態にある。かかる封止手段を設けたことによ
り、オペレータがハンドルを回して制御バルブ部がその
中立位置から中間変位位置になると、可変オリフィス
は、バルブ中間変位位置では、ドレンモードのまま次第
に閉鎖し始め、遂には完全に閉鎖して閉鎖移行モードを
とり、その後、再び開口して制動圧力室を加圧する加圧
モードで動作でき、かくして制動圧力室に圧油を導いて
制動部材を前記運動中の部材に押しつけ、これを制動で
きるようになっている。
【0010】封止手段は好ましくは、前記制動圧力室を
画定するシールであり、該シールは制動部材に密封的に
係合している。本発明の好ましい実施例では、シール
は、計量機構部に隣接して取り付けられたエンドキャッ
プの隣接面に設けられた凹部に嵌まる弾性体と、弾性体
により制動部材に常時押しつけられるシールリングとか
ら成る。また、好ましくは、シールは、計量機構部に隣
接して取り付けられたエンドキャップの隣接面に設けら
れた環状凹部に嵌まる可撓性シール部材と、可撓性シー
ルにより制動部材に押しつけられる剛性シール部材とか
ら成る。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、産業機械用の全油圧式パ
ワーステアリングシステムに用いられるよう設計された
計量機構部(ジロータセット)組込み型流体制御装置
(流体コントローラ)10の全体構造を断面で示す図で
ある。本発明の流体制御装置は、建設車両の車輪に機械
的に連結されたステアリングシリンダのような油圧アク
チュエータ(図示せず)への流体の流れを制御するのに
特に有用である。
【0012】図1を参照すると、流体制御装置10は、
ハウジング12の中央ボア内に設けられた全体を符号1
4で示す制御バルブ部又は切換弁組立体を有する。制御
バルブ部14は、一端がステアリングホイールに作動的
に連結された回転自在な中空筒状スプール又は内側回転
部材16と、スプールの回転に従動すると共に制御され
た相対回転運動を行うよう入れ子関係で結合された円筒
形スリーブ又は外側従動部材18とを含む(図2の分解
斜視図も参照のこと)。また、制御バルブ部14に隣接
すると共にこれと油圧連絡関係をなし、或いは油圧回路
を構成するよう計量機構部又はジロータセット20が流
体制御装置に組み込まれている。図示のように、ジロー
タセット20はそのエンドキャップ21を貫通する複数
本のボルト又はキャップスクリュー23によって、ポー
トプレート又はスペーサプレート26を介して流体制御
装置のハウジング12に固定されているが、これと一体
的に設けても良い。ジロータセットは、当業者には周知
のように、固定された外側の内歯部材又はリング22
と、固定リング22内で偏心的に自公転自在に設けられ
た内側の外歯部材又は可動スター24とから成り、ドラ
イブシャフト28がスプール16内に遊転自在に設けら
れ、その一方の拡大後端部は可動スター24にスプライ
ン連結され、他方の二股前端部は制御バルブ部のスプー
ルの端部にピン留めされている。なお、ジロータセット
のリングとスターは相対運動自在であって、当然のこと
ながら、場合によっては、リングを可動とし、スターを
固定することができる。外歯部材24の歯数は任意であ
るが、一般的には、内歯部材の歯数よりも1だけ少な
い。本発明の好ましい実施例で採用する内歯部材の歯数
は7、外歯部材の歯数は6である。図示のように、内歯
部材と外歯部材との間には、互いに独立した複数の容積
室又は油圧室30が形成されている。これら容積室は、
ステアリングホイール、即ちハンドルの回転に連動する
リング22内でのスター24の自公転運動により容積が
変化してハンドルの回転の度合いに応じた油量を計量す
るようになっている。
【0013】流体制御装置の制御バルブ部14は、常態
の中立位置から右回転方向又は左回転方向のいずれか一
方へ動作することができる。図4に示すようにバルブ中
立位置(A)からスプールとスリーブが相対回転した位
置は、バルブ中間変位位置又はステアリング位置(B)
及び(C)に対応し、さらに一杯まで相対回転した位置
はスプールとスリーブで構成されるバルブの最大変位位
置(D)を示すものとする。ハンドルの回転方向に応じ
て、制御バルブ部がその中立位置から右方向又は左方向
に動作すると、流体制御装置と関連の流体ポンプ(図示
せず)からの加圧流体は、制御バルブ部を通って計量機
構部20に流入する。計量機構部20の機能は、ステア
リングシリンダへの流体の適切な供給量を計量すること
にある。当業者には公知のように、計量機構部のもう一
つの機能は、制御バルブ部に従動した動作をすることに
あり、制御バルブ部は所望量の流体がステアリングシリ
ンダに流れるようになっており、オペレータが入力トル
クを除くとその中立位置に戻るよう構成されている。
【0014】制御バルブ部14は、スプール16とスリ
ーブ18で構成される複数の可変オリフィスAを有す
る。これについては、後で一層詳細に説明する。
【0015】再び、図1を参照すると、ハウジング12
は、複動形ステアリングシリンダの2つの室にそれぞれ
流体連通した制御通路又はポート32,34を有し、さ
らに流体ポンプ又は油圧源(図示せず)及び油タンク又
はリザーバ(これ又、図示せず)とそれぞれ流体連通関
係にある入口ポート(図示せず)及び戻りポート(これ
又、図示せず)を有する。
【0016】図1だけではなくて、制御バルブ部又は切
換弁組立体14の分解斜視図である図2も参照すると
(なお図2の組立体は図1に示すものとは向きが逆にな
っている)、ピン36がスプール16の壁に設けられて
いて、ピンと協働して制御バルブ部の最大変位角度を定
める所定の大きさの受入れ開口及びこれと整列関係にあ
るスリーブ18の壁に設けた横断穴、さらにドライブシ
ャフト28の二股前端部を貫通してこれらを駆動連結し
ている。かくして、スプール16の回転に応答して制御
バルブ部14を通って流れる加圧流体は、計量機構部2
0を通って流れるので、リング22内でスター24が所
定の軌道を描いて自公転するようになる。かかるスター
の運動により、ドライブシャフト28及びピン36が設
けられているので、スリーブ18の従動運動が生じ、ス
プールとスリーブとの間に特定の相対的な変位が保持さ
れ、これはオペレータによりハンドルに及ぼされる回転
度に比例する。図2で最も良く分かるように、スリーブ
の端部切欠き及びスプール16の開口を貫通して複数枚
のセンタリングスプリング又は板バネ38が設けられ、
これによりスリーブは、ハンドルに連結されたスプール
16に対し、常態の中立位置へ向かって押圧される。
【0017】固定リング22内でスター24が軌道を描
いて回転してこれら弁部材の歯が相互に作用すると、容
積室の拡縮が生じ、これに隣接してポートプレート26
は連通流体ポート40を備えている。ハウジング12は
複数の軸穴42(図1では一つしか示さず)を備え、そ
の各軸穴は流体ポート40の一つに連通する。各軸穴は
ハウジングの半径方向穴を経てハウジングの中央ボアと
の間に流体連通が確立される。
【0018】図2を参照すると概略的に理解されるよう
に、スプール16は、一対の周囲方向に設けられた計量
溝だけでなく、これらと流体連通する軸方向加圧流路を
含む種々の流路又はスロットを有している。また、スリ
ーブ18は、その環状溝を介して複数の流体制御装置の
ハウジングの入口ポートと連通するよう配置された加圧
ポートや別の環状溝により高圧繰越ポートと連続的に流
体連通するよう配置された中立ポート等を有している。
かかるスプール16及びスリーブ18の構成は当業者に
は周知なので詳しい説明は省略する。本発明の流体制御
装置に用いられるような形式の制御バルブ部の詳細な構
成及び作用の説明に関しては、必要ならば、本発明とほ
ぼ同一形式の流体制御装置を開示している上記の特開平
4−271962号を参照されたい。
【0019】次に図3を参照すると、本発明に従って構
成された流体制御装置の要部が拡大断面図で示されてい
る。ジロータスター24には凹部44が形成され、この
中には円盤又はディスク状のプラグ部材又は制動部材4
6が配置されている。制動部材46の前方面(図3で見
て左側)は、図示のように環状シール48によりジロー
タスター24に対して密封的に係合している。制動部材
46の後方面とエンドキャップ21の隣接面との間には
隙間又は空間50が形成されている。図示のように、エ
ンドキャップ内には流体通路又は連絡流路52が形成さ
れており、その一端は空間50へ開口し、他端はキャッ
プスクリュー23のうちの或る特定のものの周囲に形成
された環状空間54と連絡している。さらに、この環状
空間はその前方においてハウジング12に設けられた半
径方向連通路56と連絡している。
【0020】本発明の重要な特徴によれば、制動部材4
6とエンドキャップ隣接面との間に位置し、通路52の
開口端をぐるりと包囲して封止手段58が設けられてい
る。この封止手段58により、空間50内に通路52と
常時連通する制動圧力室又はブレーキング室60が画定
され、この制動圧力室60は、ジロータの容積室30と
常時連通する圧力室又は流体室66から隔絶されること
になることは注目されるべきである。封止手段58は、
制動部材に対して密封的に係合する単一又は複合シール
又は密封体であるのが良く、このシールは図示の好まし
い実施例では、エンドキャップ隣接面に円周方向に設け
られた溝又は凹部に嵌まる弾性体、好ましくは可撓性シ
ール62と、これと重なり状態に配置され、これにより
制動部材に常時押しつけられている好ましくはO−リン
グ状の剛性シール又はシールリング64とで構成され
る。なお、符号68は、ドライブシャフト28の周りに
形成されていて、本発明の流体制御装置のタンクポート
圧力とほぼ同一の圧力状態にあるドレン圧力室である。
このドレン室68はより詳細には、シール48を備えた
制動部材3の前方面、スプール16の内周面、スペーサ
プレート26、ジロータスターの拡大端部スプライン部
及びドライブシャフト28の外周面により画定される。
かくして、室30及び室66と室68とはシール48を
備えた制動部材46によって隔離されている。なお、図
3は、制御バルブ部14のスプール16の溝とスリーブ
18の半径方向穴又はポートで構成される可変オリフィ
スAが開いた状態を示している。
【0021】図4は、スプール16とスリーブ18の相
対的変位量に応じた制御バルブ位置を、スプールの溝7
0R,70L及びスリーブのポート66の位置関係を平
面に展開して示している。(A)は、可変オリフィスA
が全開した常態のバルブ中立位置を示し、このバルブ中
立位置では、スリーブ18のポートはスプール16のド
レン流路68と連通可能に重なり合い、又は符合して、
可変オリフィスはドレンモード動作状態にある。(B)
に示すステアリング位置又は中間変位位置では、可変オ
リフィスAは次第に閉鎖し始めるが、(A)と同様にド
レンモードで動作している。(C)は、可変オリフィス
Aがドレン流路68から外れて完全に閉鎖し、閉鎖移行
モード状態になったバルブ中間変位位置を示している。
(D)は、可変オリフィスAが全開して加圧モードとな
り、スリーブポート66がスプール加圧流路又は溝70
Rと完全に重なり合ったバルブ最大変位位置を示してい
る。
【0022】なお、本発明の図示の実施例では、スリー
ブに対するスプールのいずれか一方の方向における相対
的なバルブ最大変位角は、約10°であり、これはピン
36を受け入れるスプール16の受入れ開口のサイズを
変えることにより任意に選択できる。また、図4に関
し、相対回転可能なスプールとスリーブの組合せに関
し、スプールを従動部材として説明したが、これは便宜
上のものであることは理解されよう。
【0023】次に、図3及び図4を参照して特開平4−
271962号に示された従来構成と本発明の新規な構
成の差異を説明する。もし室60と室66が隔離されて
おらず、従来構成のように室50が容積室30と連通し
ているすれば、ステアリング操作の際、計量機構部の高
圧領域部、すなわち高圧の油圧室30は、隙間50、エ
ンドキャップ21内の通路52、キャップスクリュー2
3の周りの通路54を経てハウジング12内の通路56
と常時連通状態にあり、可変オリフィスAが閉じない限
り、これを通じて高圧領域部30から低圧の室68への
リークが存在する。可変オリフィスAは、図4(B)に
示す中間変位位置では開口している。高速回転ステアリ
ング操作によりアクチュエータがその作動端に達した場
合には、ハンドルを介してスプールに伝達される入力ト
ルク又はその慣性により、制御バルブは通常はその最大
変位位置に到達して可変オリフィスAが閉じることがで
き、トラベルリミットスリップ現象が生じることはな
い。
【0024】しかしながら、従来構成において、高負荷
圧力且つ極低速ステアリング操作によりアクチュエータ
がその作動端に達した場合には、スプールとスリーブに
より構成される制御バルブの可変オリフィスAは、図4
(C)の中間変位位置に至らず、従って図4(D)のバ
ルブ最大変位位置に達することがない。というのは、高
圧の油圧室30から可変オリフィスAを経て低圧室68
へのリークが存在すると、ジロータ油圧室内の圧油が減
少するので、これを補給するためにジロータスター24
が回転しようとし、従って、これに連結されているドラ
イブシャフト28及び制御バルブ部のスプール16を介
してハンドルも回転することなる。その結果、圧油補給
のためのスプールの回転量、かくしてハンドルの回転速
度又は回転数よりも、オペレータによるハンドルの回転
速度又は回転数が低いと、高圧領域部30内の圧油のリ
ークを生じながら可変オリフィスはいつまでも閉じず、
図4(C)の閉鎖移行モードに至らないことになる。か
くして、プラグ部材46を前方に押圧してジロータスタ
ー24に制動力を及ぼすのに充分な圧力が隙間50内に
発生しない。この場合、オペレータがハンドルを回す
と、アクチュエータがその作動端に達しているにもかか
わらず、トラベルリミットスリップ現象が生じ、即ち、
ハンドルが所定の回転量を越えて回り続けることにな
る。特に、ジロータの軸方向厚さで定まる押退け容積が
比較的小さい場合、それに応じて押退け容積に対するリ
ーク量の比率が大きくなるので、このトラベルリミット
スリップ現象が発生しやすくなる。
【0025】これに対して、図3に示す本発明の特徴に
よれば、図4(B)に示すような通常ステアリング操作
中、可変オリフィスAが開口していても、室66及び高
圧室30と加圧室60とは、封止手段58により互いに
隔絶されているので、計量機構部20の高圧領域部30
からの低圧領域部68への圧油のリークが阻止され、か
くして高負荷且つ極低速ステアリング操作によりアクチ
ュエータがその作動端に達した場合でも、制御バルブ部
は図4(C)に示す状態を経て速やかに図4(D)に示
すバルブ最大変位位置を取ることができるようになる。
【0026】なお、参考までに述べると、高負荷圧力時
のステアリング操作では、ジロータ油圧室30と常時連
通している室66内の圧力は高いが、図4(B)に示す
ように、リザーバ戻りラインに通じる可変オリフィスA
が開いているので制動圧力室60内の圧力は低く、従っ
てジロータスターに作用する全体的な制動力は比較的小
さい。かくして、ジロータリング内でのスターの偏心運
動に対する摩擦抵抗は有利には小さく、従って、摩擦抵
抗に起因して生じる場合のある望ましくないジロータの
モータ作用を最小限に抑えることができ、かくして流体
制御装置の内部圧力損失を小さくすることができる。
【0027】本発明の上記構成によれば、図5のオリフ
ィス線図(上部に、図4の対応の部分図符号を示してい
る)に示すように、制御バルブ部が図4(A)のバルブ
中立位置にあるときに、高負荷圧力且つ極低速ステアリ
ング操作を行うと、しばらくの間、オリフィス面積が一
定のままスプールとスリーブが相対的に変位する。図4
(B)に相当する中間変位位置では、可変オリフィスA
が閉鎖し始めてその開口面積が次第に減少する。本発明
の構成では、高圧の領域である圧力室30と制動圧力室
60は互いに隔離されているのでリークが生じず、つい
には図4(C)に相当するバルブ中間変位位置において
可変オリフィスAが完全に閉鎖する。可変オリフィス
は、スプール16とスリーブ18の僅かな相対的角度変
位の間、閉鎖したままである。次に、スリーブポート6
6がスプール加圧流路70Rと連通可能に部分的に重な
り合うと、可変オリフィスは再び開口して加圧モードに
切り換わり、制動圧力室60に圧油が供給され始め、制
御バルブ部は、ついには図4(D)に示されているバル
ブ最大変位位置に達する。すると、制動部材46が前方
へ付勢され、シール48を介してジロータスターに強く
押しつけられ、これに制動力を及ぼすようになる。これ
と同期してアクチュエータがその作動端に達する。ま
た、この時点では、圧力室30と圧力室60が共に高圧
状態となり、ジロータスターに対する制動力が一層大き
くなる。その結果、所定量を越えるハンドルの回転が阻
止され、トラベルリミットスリップが生じないようにな
る。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメータリング機構組込み型流体制御装
置の概略段断面図である。
【図2】本発明の流体制御装置に用いられる制御バルブ
部の分解斜視図である。
【図3】図1の点線で囲んだ部分の拡大詳細図であり、
本発明の新規な特徴を示す図である。
【図4】本発明の制御バルブ部を構成するスプールとス
リーブの種々の相対的位置関係を示す説明図であり、
(A)は、スリーブのポートがスプールのドレン通路と
一致していて、可変オリフィスが全開状態にあるバルブ
中立位置を示し、(B)は、可変オリフィスが閉じ始め
たバルブ変位途中の中間変位位置を示す図であり、
(C)は、可変オリフィスが完全に閉じた状態を示す中
間変位位置を示す図であり、(D)は、バルブ最大変位
状態を示し、可変オリフィスが再び開口して制動圧力室
に圧油が供給され、制動部材を介してジロータに対する
充分な制動力が得られている状態を示す図である。
【図5】バルブ変位とオリフィス面積との関係を示すと
共に図4との対応関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
10 流体制御装置 12 ハウジング 14 制御バルブ部又は切換弁組立体 16 スプール 18 スリーブ 20 計量機構部又はジロータセット 21 エンドキャップ 22 内歯部材(リング) 24 外歯部材(スター) 28 ドライブシャフト 30 高圧領域部又は流体容積部 48 シール 50 隙間 52,54,56 連絡流路 58 封止手段 60 制動圧力室 62 弾性体又は可撓性シール 64 剛性シール 66 圧力室 68 ドレン室

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧源からの油圧の作用で操作されるア
    クチュエータに通じる2つの制御ポート、油圧源に通じ
    る入口ポート及びリザーバに通じる戻りポートを備えた
    ハウジングと、ハウジング内に設けられていて、回転自
    在な入力手段に作動的に連結された回転部材及びこれと
    入れ子関係をなしていてこれに従動して回転する従動部
    材で構成され、回転部材と従動部材の相対的変位量に応
    じてバルブ中立位置、バルブ最大変位位置及びこれらの
    間のバルブ中間変位位置を定める制御バルブ部とを有
    し、制御バルブ部の回転部材と従動部材の間には複数の
    可変オリフィスが形成され、可変オリフィスを介してア
    クチュエータ、油圧源及びリザーバを含む油圧回路が形
    成され、更に、入力手段の回転量に比例した量の圧油
    を、前記油圧回路を通じてアクチュエータに計量供給す
    る計量機構部を有し、計量機構部が、内歯部材と、この
    中に偏心的に相対運動自在に配置された外歯部材と、制
    御バルブを前記バルブ中立位置から変位させると、内歯
    部材と外歯部材の間に形成される高圧領域部と、連絡流
    路及び開口状態にある可変オリフィスを経て油圧源とリ
    ザーバに選択的に流体連通できるようになった制動圧力
    室と、制動圧力室内に設けられていて、内歯部材と外歯
    部材のうち少なくとも一方の運動中の部材に制動力を及
    ぼすことができる制動部材とを含む流体制御装置におい
    て、計量機構部の前記制動圧力室と前記高圧領域部を互
    いに隔絶して高圧領域部内の圧油が前記連絡流路を通っ
    てリザーバにリークするのを阻止するための封止手段が
    設けられ、それにより、前記可変オリフィスは、前記制
    御バルブの前記バルブ中立位置では全開して、制動圧力
    室を減圧するドレンモードで動作し、前記バルブ中間変
    位位置では、ドレンモードのまま次第に閉鎖し始め、遂
    には完全に閉鎖して閉鎖移行モードをとり、その後、再
    び開口して制動圧力室を加圧する加圧モードで動作で
    き、かくして前記制動圧力室に圧油を導いて制動部材を
    前記運動中の部材に押しつけ、これを制動できるように
    なっていることを特徴とする流体制御装置。
  2. 【請求項2】 前記封止手段は、前記制動圧力室を画定
    するシールであり、該シールは制動部材に対して密封的
    に係合していることを特徴とする請求項1記載の流体制
    御装置。
  3. 【請求項3】 前記シールは、計量機構部に隣接して取
    り付けられたエンドキャップの隣接面に設けられた凹部
    に嵌まる弾性体と、弾性体により制動部材に押しつけら
    れるシールリングとから成ることを特徴とする請求項2
    記載の流体制御装置。
  4. 【請求項4】 前記シールは、計量機構部に隣接して取
    り付けられたエンドキャップの隣接面に設けられた環状
    凹部に嵌まる可撓性シール部材と、可撓性シールにより
    制動部材に押しつけられる剛性シール部材とから成るこ
    とを特徴とする請求項2記載の流体制御装置。
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