JPH11115783A - パワーステアリング装置 - Google Patents

パワーステアリング装置

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Publication number
JPH11115783A
JPH11115783A JP9296440A JP29644097A JPH11115783A JP H11115783 A JPH11115783 A JP H11115783A JP 9296440 A JP9296440 A JP 9296440A JP 29644097 A JP29644097 A JP 29644097A JP H11115783 A JPH11115783 A JP H11115783A
Authority
JP
Japan
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input shaft
valve
control valve
steering
cylinder
Prior art date
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Pending
Application number
JP9296440A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuyoshi Maruyama
辰義 丸山
Susumu Kimoto
進 木本
Takayuki Yoshida
高之 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Unisia Jecs Corp filed Critical Unisia Jecs Corp
Priority to JP9296440A priority Critical patent/JPH11115783A/ja
Priority to US09/172,771 priority patent/US6105711A/en
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/06Power-assisted or power-driven steering fluid, i.e. using a pressurised fluid for most or all the force required for steering a vehicle
    • B62D5/065Power-assisted or power-driven steering fluid, i.e. using a pressurised fluid for most or all the force required for steering a vehicle characterised by specially adapted means for varying pressurised fluid supply based on need, e.g. on-demand, variable assist
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D6/00Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置全体の小型化を図ることができると共
に、製造コストの低廉なパワーステアリング装置を提供
する。 【解決手段】 入力軸1に入力される操舵トルクに応じ
てパワーシリンダ13への作動油の供給を司り、操舵操
作の中立位置においてパワーシリンダ13への作動油の
供給を遮断する形式の制御弁20を設ける。前記制御弁
20を操作可能な操作棒(操作手段)54を含み、入力
軸1に入力される操舵トルクを操作棒54の変位に変換
する変換機構53を設ける。前記制御弁20とパワーシ
リンダ13との間に設けられ、入力軸1に入力される操
舵トルクの方向に応じて、作動油の供給をパワーシリン
ダ13の一方のシリンダ室15Lまたは他方のシリンダ
室15Rへ切り換えると共に、これらシリンダ室15
L、15Rからの作動油の排出を司る方向切替え弁63
とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等のパワー
ステアリング装置に関し、とりわけ、操舵操作の中立位
置においてパワーシリンダへの作動油の供給を遮断する
形式の制御弁を備えたパワーステアリング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種のパワーステアリング装置とし
て、例えばPCTパンフレットWO95/11158号
明細書に記載されたものが知られている。
【0003】前記従来のパワーステアリング装置は、操
舵機構の入力軸に入力される操舵トルクに応じて、パワ
ーシリンダに作動油を給排して操舵助勢力を得るパワー
ステアリング装置であって、操舵助勢力を発揮するパワ
ーシリンダと、このパワーシリンダへの作動油の供給を
司り、操舵操作の中立位置においてパワーシリンダへの
作動油の供給を遮断する形式の制御弁を有している。前
記制御弁は一対備えられており、操舵機構の左方向また
は右方向の転舵操作において選択的に作動するようにし
てある。
【0004】即ち、前記従来のパワーステアリング装置
は、操舵機構の左方向または右方向の転舵操作、例えば
左方向の転舵操作において一方の制御弁を開弁して、作
動油をパワーシリンダの左側のシリンダ室に導いて左方
向の転舵操作に対する操舵助勢力を得る一方、右方向転
舵操作においては他方の制御弁を開弁して、作動油をパ
ワーシリンダの右側のシリンダ室に導いて右方向の転舵
操作に対する操舵助勢力が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例にあっては、左方向の転舵操作において開弁する制
御弁と、右方向の転舵操作において開弁する制御弁との
2つの制御弁が設けられているため、装置全体が大型化
することはもとより、部品点数が多く、製造コストが高
騰する虞がある。
【0006】本発明は前記従来の実情に鑑みて案出され
たもので、装置全体の小型化を図ることができると共
に、製造コストの低廉なパワーステアリング装置を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の
発明は、操舵機構の入力軸に入力される操舵トルクに応
じて、パワーシリンダに作動油を給排して操舵助勢力を
得るパワーステアリング装置において、前記入力軸に入
力される操舵トルクに応じてパワーシリンダへの作動油
の供給を司り、操舵操作の中立位置においてパワーシリ
ンダへの作動油の供給を遮断する形式の制御弁と、この
制御弁を操作可能な操作手段を含み、前記入力軸に入力
される操舵トルクを操作手段の変位に変換する変換機構
と、前記制御弁とパワーシリンダとの間に設けられ、前
記入力軸に入力される操舵トルクの方向に応じて、作動
油の供給をパワーシリンダの一方または他方のシリンダ
室へ切り換えると共に、これらシリンダ室からの作動油
の排出を司る方向切替え弁とを備えてなる構成にしてあ
る。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成のうち、前記変換機構が、前記入力軸を
回動可能に収容したハウジングと、前記入力軸に対して
相対回動可能に連繋されて、入力軸に入力される操舵ト
ルクを出力する出力軸と、前記入力軸に対して、軸方向
に移動可能で、かつ相対回動不能に連繋された可動板
と、この可動板と出力軸の可動板に対向する対向面との
間に設けられ、これら可動板と出力軸との相対回動を可
動板の軸方向移動に変換する運動変換手段と、前記可動
板に基端側が連繋され、先端側がハウジングを貫通して
延びており、この先端側で制御弁を操作可能な操作棒と
を備えてなる構成にしてある。
【0009】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の発明の構成のうち、前記操作棒が、その基端側と先
端側との間の中間部分がハウジングに枢動可能に連結さ
れてなる構成にしてある。
【0010】また、請求項4記載の発明は、請求項2記
載の発明の構成のうち、前記運動変換手段が、前記出力
軸の対向面と可動板との何れか一方に設けられ、回動方
向に傾斜する一対の傾斜面と、何れか他方に設けられ、
前記一対の傾斜面に接する突起とを備えてなる構成にし
てある。
【0011】また、請求項5記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成のうち、前記制御弁が、変換機構の操作
手段によって軸方向に移動操作されるスプール弁を備え
てなり、このスプール弁が入力軸と略平行に配置されて
いる構成にしてある。
【0012】また、請求項6記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成のうち、前記方向切替え弁が、前記入力
軸の外周と、前記入力軸に対して相対回動可能に連繋さ
れた出力軸の内周との間に形成されてなる構成にしてあ
る。
【0013】また、請求項7記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成のうち、前記方向切替え弁が、前記入力
軸の外周と、前記入力軸に対して相対回動可能に連繋さ
れた出力軸の内周との間に形成されてなり、制御弁が入
力軸を回動可能に収容するハウジングに接している構成
にしてある。
【0014】また、請求項8記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成のうち、前記変換機構の操作手段による
制御弁の操作に助勢力を与えるカットオフ弁が付設され
てなり、このカットオフ弁が変換機構の操作手段を挟ん
で制御弁に対向する位置に設けられている構成にしてあ
る。
【0015】斯かる構成にあっては、操舵機構の入力軸
に入力される操舵トルクに応じて、変換機構の操作手段
によって制御弁を操作する。このとき、請求項2記載の
発明にあっては、操舵トルクに応じて、前記入力軸に連
繋された可動板が移動し、この可動板に連繋された操作
棒が制御弁を操作する。また、請求項3記載の発明にあ
っては、前記操作棒の先端側は、可動板に連繋された基
端側の動きと反対方向の動きをして、制御弁を操作す
る。この場合に、前記制御弁は操舵トルクの方向には無
関係に、操舵トルクの大きさに応じて開弁操作される。
【0016】前記制御弁が開弁操作されることによっ
て、作動油が制御弁から方向切替え弁を介してパワーシ
リンダに導かれる。
【0017】前記方向切替え弁は、入力軸に入力される
操舵トルクの方向に応じて、作動油の供給をパワーシリ
ンダの一方のシリンダ室または他方のシリンダ室に切り
換える。
【0018】これによって、操舵機構の左方向または右
方向の転舵操作に対して、パワーシリンダによる操舵助
勢力が得られる。
【0019】ここで、前記パワーシリンダへの作動油の
供給を司る制御弁は1つであり、この1つの制御弁が操
舵方向に関係なく、即ち左方向へ転舵する場合及び右方
向へ転舵する場合の両方において、操舵トルクに応じて
操作される。
【0020】したがって、装置全体の小型化を図ること
ができると共に、製造コストの低廉なパワーステアリン
グ装置が得られる。
【0021】また、請求項2記載の発明にあっては、変
換機構の構成の簡素化を図ることができる。
【0022】また、請求項3記載の発明にあっては、前
記操作棒の枢支連結点を選択することによって、所謂レ
バー比を選択することができるから、可動板に連繋され
た操作棒の基端側の動きに対する先端側の動き量を選択
することができる。
【0023】また、請求項4記載の発明にあっては、簡
単な構成で、前記可動板と出力軸との相対回動の方向に
拘らず、操舵トルクに応じて可動板を一定方向に移動さ
せることができる。
【0024】また、請求項5記載の発明にあっては、前
記制御弁を入力軸と略平行に配置できるから、これを略
直角方向に配置する場合に比較して、半径方向外方への
突出部を少なくして、装置全体の小型化を図ることがで
きる。
【0025】また、請求項6記載の発明にあっては、前
記方向切替え弁が所謂ロータリ弁で構成できるから、半
径方向外方への突出部を少なくして、装置全体の小型化
を図ることができる。
【0026】また、請求項7記載の発明にあっては、前
記方向切替え弁と制御弁との間の作動油の通路をハウジ
ングに形成することができるから、配管等の手段を設け
る必要がない。
【0027】また、請求項8記載の発明にあっては、前
記カットオフ弁が制御弁に対して直列配置されるから、
半径方向外方への突出部を少なくして、装置全体の小型
化を図ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて詳述する。
【0029】図1は本発明の実施の形態を示すパワース
テアリング装置の説明図で、制御弁及び方向切替え弁の
断面図を含む図面、図2は図1のA−A線断面図、図3
は図1のB−B線断面図を含む説明図、図4は図1のC
−C線断面図、図5は車速をパラメータとして、入力軸
に入力される操舵トルク(T)と操舵助勢力を発生させ
る作動油圧(P)との関係を示す線図である。
【0030】図において1は中空状の入力軸で、この入
力軸1には図外のステアリングホイールが連結され、操
舵トルクが入力される。2は前記入力軸1に対して相対
回動可能に連繋された出力軸で、これら入力軸1及び出
力軸2は、バルブハウジング3aとギヤハウジング3b
とからなり、ピン3cで連結されたハウジング3内に回
動可能に収容されている。4、5、6は前記入力軸1及
び出力軸2を支持する軸受けである。
【0031】前記出力軸2は、入力軸1の外周に嵌り合
う筒状のバルブボディ7とピニオン軸8とからなり、こ
のピニオン軸8は図外の操縦リンクを操向操作するラッ
ク軸9に噛合している。
【0032】10はラックサポートで、このラックサポ
ート10はラック軸9をその背面側からばね11のばね
力によってピニオン軸8に向かって押圧しており、これ
によって、このラック軸9とピニオン軸8との噛合隙間
を除去して、滑らかな操舵感覚が得られるようにしてあ
る。尚、12は前記ばね11のばね受けを兼ねるプラグ
である。
【0033】前記ラック軸9にはパワーシリンダ13が
付属しており、このパワーシリンダ13は、ラック軸9
に取付けたピストン14の両側に対峙する一対のシリン
ダ室15L、15Rを備えている。
【0034】16は前記入力軸1の中空内部に挿通され
たトーションバーで、このトーションバー16は、一端
がピン17によって入力軸1に連結され、他端がセレー
ション18によって出力軸2に連結されている。これに
よって、前記出力軸2は、トーションバー16を介して
入力軸1に連繋され、このトーションバー16が捩じら
れることにより、入力軸1に対して相対回動可能であ
る。
【0035】20は、前記入力軸1に入力される操舵ト
ルクに応じて、パワーシリンダ13への作動油の供給を
司る制御弁である。前記制御弁20は、ハウジング3に
接して配置され、次のように構成されている。
【0036】即ち、24は制御弁20のボディで、この
ボディ24には入力軸1と略平行にスプール弁収容孔2
5が形成してある。前記スプール弁収容穴25は、一端
側がプラグ26によって封止されており、その内部は、
一端側(封止端側)に大径部25aが形成され、他端側
に小径部25bが形成してある。尚、27は前記プラグ
26の抜止めを司る抜止めリングである。
【0037】28は前記スプール弁収容穴25内に摺動
自在に収容された第1スプール弁で、この第1スプール
弁28はスプール弁収容穴25内部を一端側の第1油室
29と他端側の第2油室30とに区画している。また、
前記第1スプール弁28は、その胴部が縮径され、スプ
ール弁収容穴25の略中央部分に第3油室31を区画形
成している。
【0038】前記第3油室31の第1油室29に対する
区画は、スプール弁収容穴25の大径部25a側におい
て第1スプール弁28にテーパ状に拡径して形成された
ポペット部28aが、スプール弁収容穴25の大径部2
5aと小径部25bとの段部25cに接し、前記第1油
室29と第3油室31との連通を遮断することによって
成就されている。したがって、前記第1油室29と第3
油室31との間は、第1スプール弁28が第1油室29
側に移動し、ポペット部28aが段部25cから離間す
ることによって連通可能である。
【0039】また、前記第3油室31の第2油室30に
対する区画は、第1スプール弁28の胴部外周に設けた
シールリング32によって成就されている。
【0040】前記第1スプール弁28の第1油室29側
端部は軸方向に延長されて挿入軸部28bが形成されて
おり、この挿入軸部28bがプラグ26に形成した貫通
孔33内に挿入されている。
【0041】また、前記第1スプール弁28の第2油室
30側端部には凹形状のテーパ面35が形成してある。
【0042】36は前記第1油室29と第2油室30と
を連通する連通油路で、この連通油路36はこの実施の
形態において第1スプール弁28に形成してある。即
ち、前記連通油路36は、第1油室29に臨んで第1ス
プール弁28の胴部に形成した直径方向の貫通孔36a
と、この貫通孔36aに連通して第2油室30に開口す
る軸方向孔36bとから構成してある。
【0043】37は前記スプール弁収容穴25の他端側
に摺動自在に収容された第2スプール弁である。前記第
2スプール弁37は、この実施の形態において、一端側
に第1スプール弁28側に向かって凸形状のテーパ面3
8が形成され、他端側に半球面39が形成されている。
また、前記第2スプール弁37の他端側、即ち半球面3
9が形成された先端部は、スプール弁収容孔25に略直
交してボディ24に形成された貫通孔40内に突出し、
後に詳述する変換機構の操作手段に接している。なお、
前記貫通孔40の開口端は、プラグ板41によって封止
してある。
【0044】42は前記第1油室29内に収容された供
給スプリングで、この供給スプリング42は、一端がプ
ラグ26に接し、他端が第1スプール弁28に接して、
この第1スプール弁28を第2油室30側に付勢してい
る。これによって、前記第1スプール弁28は、常態に
おいて、ポペット部28aがスプール弁収容穴25の段
部25cに接し、第1油室29と第3油室31との連通
を遮断している。
【0045】43は前記第2油室30内に収容された排
出スプリングで、この排出スプリング43は、一端が第
1スプール弁28に接し、他端が第2スプール弁37に
接して、この第2スプール弁37をバルブボディ20か
ら突出する方向に付勢している。つまり、前記排出スプ
リング43は第2スプール弁37を第1スプール弁28
から離れる方向に付勢して相互に接触させず、即ち、第
1スプール弁28の凹形状のテーパ面35と第2スプー
ル弁37の凸形状のテーパ面38とが接触しない状態と
する。このため、前記第2スプール弁37は、常態にお
いて、第1スプール弁28に形成した連通油路36を第
2油室30側端部において閉塞することがなく、この連
通路36を開いている状態としている。
【0046】前記制御弁20の第1油室29はボディ2
4に形成した通路44及びハウジング3に形成した斜め
孔(通路)45を介して、後に詳述する方向切替え弁に
連通している。また、第2油室30はドレン通路46に
連通し、第3油室31は作動油の供給通路47に連通し
ている。
【0047】48は前記制御弁20に付属する電磁ソレ
ノイドである。前記電磁レノイド48は、車速センサ4
9からの車速信号が入力される制御ユニット50を介し
て駆動され、電磁ソレノイド48のアーマチュア51が
制御弁20の第1スプール弁28の挿入軸部28bに接
して、この第1スプール弁28を第2油室30側に付勢
可能である。これによって、前記制御弁20の制御特性
を車速の因子を加えて変化させることができ、所謂車速
感応制御が可能となる。
【0048】53は変換機構で、この変換機構53は、
制御弁20を操作可能な操作手段としての操作棒54を
有し、入力軸1に入力される操舵トルクを操作手段54
の変位に変換する。前記変換機構53は、ハウジング3
内に収容された入力軸1に対して、軸方向に移動可能
で、かつ相対回動不能に連繋された可動板55と、この
可動板55と出力軸2の可動板55に対向する対向面と
の間に設けられ、これら可動板55と出力軸2との相対
回動を可動板55の軸方向移動に変換する運動変換手段
56を有している。また、前記制御弁20を操作可能な
操作棒54は可動板55に連繋されている。
【0049】前記可動板55は中空円板状で、中空内部
に入力軸1が挿入された状態でこの入力軸1の外周側に
配置されており、入力軸1に形成した半径方向外方に延
びるフランジ57に軸方向に植設されたピン58によっ
て、軸方向に移動可能で、かつ相対回動不能に連繋され
ている。また、前記可動板55はフランジ57との間に
設けられたばね部材59によって、常時フランジ57か
ら離れる方向に付勢されている。
【0050】前記運動変換手段56は、可動板55に設
けられた回転方向に傾斜する一対の傾斜面60と、この
傾斜面60に接する突起としての球61を備えており、
この球61は出力軸3の可動板55に対向する対向面、
即ちバルブボディ7の端面に設けられている(図4参
照)。これによって、前記入力軸1に操舵トルクが入力
され、入力軸1と出力軸2との間に相対回動が生じるこ
とにより、球61が傾斜面60を押すことになるから、
可動板55はばね部材59のばね力に抗して軸方向に、
即ちバルブボディ7の端面から離れる方向に移動するこ
とが可能になる。この場合、前記傾斜面60は可動板5
5の回転方向に一対設けられているから、入力軸1と出
力軸2との相対回動が左右何れの方向であっても、可動
板55は一方向に移動することになる。
【0051】前記操作棒(操作手段)54は、基端54
a側が可動板55に連繋され、先端54b側がハウジン
グ3を貫通して延び、制御弁20の第2スプール弁37
の半球面39に接している。また、前記操作棒54は、
その基端54a側と先端54b側との間の中間部分がハ
ウジング3に取付けた球面軸受け62によって支持され
ており、この球面軸受け62によって、ハウジング3に
枢動可能に連結されている。このため、前記操作棒54
は、球面軸受け62を支点として揺動可能で、可動板5
5に連繋された基端55a側が図1において上方向に移
動することによって、先端55b側は下方向に移動して
制御弁20を操作することになる。
【0052】63は前記制御弁20とパワーシリンダ1
3との間に設けられた方向切替え弁で、この方向切替え
弁63は、図3に最もよく示されるように、この実施の
形態において、入力軸1の外周とバルブボディ7の内周
との間に所謂ロータリ弁として形成されている。
【0053】前記方向切替え弁63は、入力軸1に入力
される操舵トルクの方向に応じて、作動油の供給をパワ
ーシリンダ13の一方のシリンダ室15Lまたは他方の
シリンダ室15Rへ切替えると共に、これらシリンダ室
15L、15Rからの作動油の排出を司る。
【0054】即ち、前記入力軸1の外周には窪み64、
65が円周方向等間隔に配置して形成され、バルブボデ
ィ7の内周には、入力軸1の窪み64、65の間に位置
して、窪み66、67が円周方向等間隔に配置して形成
されており、これら窪み64、65、66、67の間
に、方向切替え弁63を構成する絞り68a、68b、
69a、69bが形成してある。
【0055】前記窪み64は、通路70を介してバルブ
ボディ7の外周に形成した周溝71に連通している。前
記周溝71は斜め孔45を介して制御弁20の第1油室
29に連通しているから、窪み64には制御弁20の第
1油室29内の作動油が導かれることが可能である。
【0056】前記窪み65は、通路72及び入力軸1の
内周とトーションバー16の外周との間の隙間及び出力
軸2に形成した貫通孔2aを介してハウジング3内の低
圧部分に連通し、このハウジング3内を介してドレン通
路46に連通している。
【0057】前記窪み66は、通路73を介してバルブ
ボディ7の外周に形成した周溝74に連通し、この周溝
74を介してパワーシリンダ13の一方のシリンダ室1
5Lに連通している。
【0058】前記窪み67は、通路75を介してバルブ
ボディ7の外周に形成した周溝76に連通し、この周溝
76を介してパワーシリンダ13の他方のシリンダ室1
5Rに連通している。
【0059】また、前記周溝71、74、76の両側に
はシールリング77、78、79、80が配置されてお
り、これによって、これら周溝71、74、76は液密
的に区画されている。
【0060】81はカットオフ弁で、このカットオフ弁
81は変換機構53の操作棒54を挟んで制御弁20に
対向する位置に設けられている。前記カットオフ弁81
は、制御弁20と共通のボディ24に形成したシリンダ
収容孔82内にねじ込み固定された内外二重のシリンダ
83、84と、この内側シリンダ83内に摺動自在に収
容されたプランジャ85とを備えている。前記シリンダ
収容孔82は貫通孔40に開口しており、プランジャ8
5の先端は貫通孔40内に突出して、操作棒54を挟ん
で制御弁20の第2スプール弁37に対向している。
【0061】また、前記内側シリンダ83とプランジャ
85との間には圧力室86が形成されており、この圧力
室86内の圧力によってプランジャ85を貫通孔40内
に突出させるようになっている一方、外側シリンダ84
とプランジャ85との間にはばね部材87が設けられ、
プランジャ84を圧力室86側に付勢している。前記プ
ランジャ85は、圧力室86内の圧力ががばね部材87
のばね力よりも小さい状態及び両者が拮抗している状態
においては、その先端は変換手段53の操作棒54に接
触せず、所定の隙間をもって対向している状態とされて
いる。
【0062】前記カットオフ弁81の圧力室86内に
は、制御弁20の第1圧力室29内の作動油が導かれる
ようになっている。即ち、前記制御弁20の第1圧力室
29に連通する通路44が、この通路44に直交する通
路88、この通路88とシリンダ収容孔82内とを連通
する通路89、この通路89に臨んで外側シリンダ84
の外周に形成した周溝90、この周溝90の底部に開口
する貫通孔91、この貫通孔91に臨んで内側シリンダ
83の外周に形成した周溝92、この周溝92の底部に
開口する貫通孔93を介して、圧力室86に連通してお
り、これによって、圧力室86内に制御弁20の第1圧
力室29内の作動油が導かれる。
【0063】95は前記供給通路47に作動油を供給す
る油圧ポンプである。前記供給通路53の途中には、油
圧ポンプ95から制御弁20の第3油室31側への作動
油の流通を許容し、逆方向の流通を阻止するチェック弁
96が設けられており、このチェック弁96よりも下流
側の供給通路47には、この供給通路47内の圧力を所
定圧力に保持可能なアキュームレータ97が接続されて
いる。
【0064】98は前記油圧ポンプ95を回転駆動する
モータで、このモータ98は、チェック弁96よりも下
流側の供給通路47内の圧力をモニターする圧力スイッ
チ99の検出信号に基づいて駆動及び停止が制御され
る。
【0065】なお、前記ボディ24に形成した貫通孔4
0内はドレン通路46を介して作動油のリザーバ100
に連通している。また、前記制御弁20と電磁ソレノイ
ド48との間の空間101は、バルブハウジング3aに
形成した斜め孔102を介してハウジング3内の低圧部
分に連通し、このハウジング3内を介してドレン通路4
6に連通している。
【0066】斯かる構成において、前記入力軸1に連結
される図外のステアリングホイールが操舵操作され、こ
の入力軸1に操舵トルクが入力されると、この操舵トル
クはトーションバー16を介して出力軸2に伝達され、
ラック軸9を介して図外の操縦リンクを操向操作する。
【0067】このとき、図外の車輪の接地抵抗が大きい
場合には、前記トーションバー16が捩じられ、入力軸
1と出力軸2との間に相対回動が生じることになる。
【0068】前記入力軸1と出力軸2との相対回動が生
じることによって、制御弁20及び方向切替え弁63が
作動し、パワーシリンダ13に作動油を給排して、作動
油圧による操舵助勢力が得られることになるのであり、
これについて順を追って説明する。
【0069】まず、前記供給通路47の作動油は、チェ
ック弁96よりも下流側に設けたアキュームレータ97
によって加圧されて、常時所定圧力に維持されている。
即ち、前記供給通路47内の作動油の圧力は圧力スイッ
チ99によってモニターされており、この供給通路47
内の圧力が所定圧力よりも低下した場合には圧力スイッ
チ99の検出信号に基づいてモータ98が回転し、油圧
ポンプ95が回転駆動されることによって、供給通路4
7内の作動油の圧力が高められる。一方、前記供給通路
47内の圧力が所定圧力に達した場合には、圧力スイッ
チ99がこれを検出し、モータ98及び油圧ポンプ95
の回転駆動を停止させる。したがって、前記制御弁20
の第3油室31内には常時所定圧力の作動油が導かれて
いることになる。
【0070】このとき、前記入力軸1と出力軸2との間
に相対回動が生じない状態、即ち操舵操作の中立位置に
おいては、変換機構53の可動板55はばね部材59の
ばね力で押圧されて、運動変換手段56の一対の傾斜面
60が同時に球体61に接した状態(図4参照)にある
から、操作棒54は図1に示す中立位置にあり、制御弁
20を操作しない。このため、前記制御弁20の第1ス
プール弁28及び第2スプール弁37は共に図1に示す
中立状態にあり、作動油の方向切替え弁63及びパワー
シリンダ13への供給は遮断された状態にある。
【0071】即ち、前記制御弁20の第1スプール弁2
8は、常態にあって、この第1スプール弁28によって
スプール弁収容穴25内に形成された第1油室29、第
2油室30及び第3油室31をそれぞれ区画しており、
各油室間の相互の連通は阻止された状態にある。つま
り、前記第1スプール弁28は供給スプリング42によ
って第2油室30側に付勢され、この第1スプール弁2
8のポペット部28aがスプール弁収容穴25の段部2
5cに接しており、第1油室29と第3油室31との連
通を阻止している。また、前記第2油室30と第3油室
31との間はシールリング32によって封止が施されて
いる。つまり、前記作動油の供給通路47が連通する第
3油室31は、方向切替え弁63の周溝71に連通する
第1油室29、及びドレン通路47に連通する第2油室
30に対してそれぞれ区画されており、このため、前記
第3油室31に供給される作動油は方向切替え弁63及
びドレン通路47の何れにも供給されない状態にある。
【0072】また、前記第2スプール弁37は排出スプ
リング43によってボディ24から突出する方向に付勢
されているけれども、常態にあって、その先端部の半球
面39は変換機構53の操作手段としての操作棒54に
よって押圧されず、第1油室29と第2油室30とを連
通する連通油路36を連通状態に保っている。即ち、前
記第2スプール弁37は排出スプリング43によってバ
ルブボディ20から突出する方向に付勢され、これによ
って、第2スプール弁37は第1スプール弁28から離
間して、第1スプール弁28の凹形状のテーパ面35と
第2スプール弁37の凸形状のテーパ面38とが接触し
ない状態とされる。このため、前記第2スプール弁37
は第1スプール弁28に形成した連通油路36を第2油
室30側端部において閉塞することがなく、この連通路
36を開いている。したがって、前記方向切替え弁63
に連通する第1油室29は、第2油室30に連通するド
レン通路47に連通していることになる。
【0073】斯かる状態から、前記図外のステアリング
ホイールを介して入力軸1に操舵トルクが入力され、ト
ーションバー16が捩じられて入力軸1と出力軸2とが
相対回動することにより、変換機構53の操作棒54が
第2スプール弁37の先端部(半球面39)を操作し、
この第2スプール弁37を排出スプリング43のばね力
に抗して押圧して、軸方向に移動させる。
【0074】具体的には、前記入力軸1と出力軸2とが
相対回動することにより、運動変換手段56の球61が
可動板55に形成した一対の傾斜面60の一方にのみ接
することになり、この可動板55を図1において上方向
に移動させる。これによって、前記可動板55に基端5
4a側が連繋された操作棒54が球面軸受け62を介し
て揺動し、この操作棒54の先端54b側が図1におい
て下方向に動くことになるから、この先端54b側で第
2スプール弁37の先端部(半球面39)が押される。
その結果、前記第2スプール弁37は操作手段としての
操作棒54によって押圧され、入力軸1と出力軸2との
相対回動量に応じて軸方向に移動するのである。
【0075】前記操作棒54が制御弁20の第2スプー
ル弁37を軸方向に押圧して移動させることにより、こ
の第2スプール弁37が、第1油室29と第2油室30
とを連通する連通油路36を閉じることになる。
【0076】即ち、前記第2スプール弁37が排出スプ
リング43のばね力に抗して第1スプール弁28側に移
動されることにより、第2スプール弁37が第1スプー
ル弁28に接し、第1スプール弁28の凹形状のテーパ
面35と第2スプール弁37の凸形状のテーパ面38と
が接触する。このため、前記第2スプール弁37は第1
スプール弁28に形成した連通油路36を第2油室30
側端部において閉塞することになり、この連通路36を
閉じる。したがって、前記方向切替え弁63に連通する
第1油室29は第2油室30に連通するドレン通路67
との連通が阻止されることになる。
【0077】また、前記操作手段としての操作棒54が
第2スプール弁37を押圧して軸方向に移動させ、この
第2スプール弁37が第1スプール弁28に接すること
により、この第1スプール弁28が軸方向に押圧され、
供給スプリング42のばね力に抗して第1油室29側に
移動することになる。
【0078】前記第1スプール弁28が第1油室29側
に移動することにより、第1油室29と第3油室31と
が連通することになる。これによって、前記作動油の供
給通路47に連通する第3油室31から第1油室29に
導かれる作動油が方向切替え弁63を介してパワーシリ
ンダ13に供給される。
【0079】即ち、いま、前記入力軸1に一定方向の操
舵トルクが入力され、プール弁収容穴25内の第1スプ
ール弁28が第1油室29側に移動すると、この第1ス
プール弁28に形成されたポペット部28aが、スプー
ル弁収容穴25の大径部25aと小径部25bとの段部
25cから離れ、前記第1油室29と第3油室31とが
連通される。これによって、前記供給通路47から第3
油室31に供給される作動油が、第1油室29内に導か
れ、この第1油室29から、斜め孔45、周溝71を介
して方向切替え弁63に導かれ、この方向切替え弁63
による制御のもとに、パワーシリンダ13の一方のシリ
ンダ室15L(転舵方向が逆の場合には他方のシリンダ
室15R)に供給されるのである。
【0080】ここで、前記方向切替え弁63は、入力軸
1と出力軸2との間に相対回動が生じない状態、即ち操
舵操作の中立位置においては、絞り68a、69aは閉
じており、68b、69bは僅かに開いている。このた
め、前記パワーシリンダ13の一方のシリンダ室15L
は、周溝74、通路73、絞り68b、窪み65、通路
72を介してドレン通路46に連通しており、他方のシ
リンダ室15Rは、周溝76、通路75、絞り69b、
窪み65を介してドレン通路46に連通している。
【0081】斯かる状態から、前記図外のステアリング
ホイールを介して入力軸1に操舵トルクが入力され、ト
ーションバー16が捩じられて入力軸1と出力軸2とが
相対回動することにより、方向切替え弁63の絞り68
aが開いて絞り68bが閉じる(転舵方向が逆の場合に
は絞り69aが開いて絞り69bが閉じる)ことにな
る。これによって、前記制御弁20から斜め孔45を介
して周溝71に供給される作動油が、通路70から絞り
68aを介してパワーシリンダ13の一方のシリンダ室
15Lに導かれる(転舵方向が逆の場合には、通路70
から絞り69aを介してパワーシリンダ13の他方のシ
リンダ室15Rに導かれる)。
【0082】つまり、前記制御弁20が方向切替え弁6
3に作動油を導く動作と、方向切替え弁63がパワーシ
リンダ13の一方のシリンダ室15Lまたは他方のシリ
ンダ室15Rとに作動油の供給を選択的に切替える動作
とは、略同時に実行されることになる。
【0083】前記制御弁20が方向切替え弁63を介し
てパワーシリンダ13に作動油を供給するとき、制御弁
20の第1スプール弁28は、操舵トルクが増加する過
程で、入力軸1に入力される操舵トルクとパワーシリン
ダ13の一方のシリンダ室15L内(転舵方向が逆の場
合には、他方のシリンダ室15R内)の圧力及び供給ス
プリング42のばね力との3者の釣合いが徐々に変化す
ることによって移動し、次のように作動する。
【0084】即ち、前記第1スプール弁28のポペット
部28aがスプール弁収容穴25の段部25cから離
れ、作動油が第1油室29からパワーシリンダ13に供
給されて、例えば一方のシリンダ室15L内の圧力が上
昇し、操舵助勢力が発揮されると、前記図外のステアリ
ングホイールから入力軸1に入力されている操舵トルク
は、パワーシリンダ13によって得られる助勢力の大き
さの分、減じられることが可能である。同時に、前記シ
リンダ15L内の圧力が上昇することによって第1油室
29内の圧力も上昇することになるから、第1スプール
弁28は第1油室29内の圧力によって押し戻され、ポ
ペット部28aがスプール弁収容穴25の段部25cに
接して、第1油室29と第3油室31との連通を遮断す
る。さらに、転舵操作のために、前記入力軸1に入力さ
れる操舵トルクが増大すると、再びポペット部28aが
スプール弁収容穴25の段部25cから離れ、作動油が
パワーシリンダ13の一方のシリンダ室15Lに供給さ
れる。以後、前記入力軸1に入力される操舵トルクに応
じて所定の大きさの操舵助勢力が得られるまで、前記動
作が繰り返されることになる。
【0085】つまり、前記制御弁20の第1スプール弁
28は、入力軸1に操舵トルクが入力されて、入力軸1
と出力軸2との相対回動が生じ、所定の大きさの助勢力
が得られるまで、ポペット部28aがスプール弁収容穴
25の段部25cから離れて作動油をパワーシリンダ1
3に導入する動作と、ポペット部28aがスプール弁収
容穴25の段部25cに接して作動油の導入を中止する
動作とを繰り返すことになる。
【0086】したがって、前記トーションバー16は、
第1スプール弁28のポペット部28aがスプール弁収
容穴25の段部25cから離れるまでの範囲内でのみ捩
じられることになり、また、前記入力軸1と出力軸2と
相対回動量もその範囲内となる。
【0087】一方、前記制御弁20からの作動油が方向
切替え弁63を介してパワーシリンダ13の一方のシリ
ンダ室15Lに導入されるとき、パワーシリンダ13の
他方のシリンダ室15Rは周溝76、通路75、窪み6
7、絞り69b窪み65、通路67を介してドレン通路
46に連通している。
【0088】このため、前記パワーシリンダ13の一方
のシリンダ室15Lに導入される作動油の圧力によっ
て、ピストン14を介してラック軸9に操舵方向の力が
与えられ、操舵助勢力が発揮されるのである。
【0089】これにより、前記入力軸1に与えられる操
舵トルクに応じて、パワーシリンダ13に供給される作
動油によって所定の操舵助勢力が得られる。
【0090】次に、操舵操作が完了し、前記入力軸1へ
の操舵トルクの入力が解除されると、制御弁20の第1
スプール弁28が第1油室29内の圧力及び供給スプリ
ング42のばね力によって第2油室30側に押し戻さ
れ、第1スプール弁28のポペット部28aがスプール
弁収容穴25の段部25cに接して、第1油室29と第
3油室31との連通を遮断する。
【0091】また、前記第2スプール弁37が、第2油
室30内の圧力(この圧力は作動油が供給されるパワー
シリンダ13のシリンダ室、例えば一方のシリンダ室1
5L内の圧力に等しい)及び排出スプリング43のばね
力によって第1スプール弁28から離間する方向に徐々
に押し戻され、第1スプール弁28の凹形状のテーパ面
35と第2スプール弁37の凸形状のテーパ面38とが
接触しない状態とされる。このため、前記第2スプール
弁37は第1スプール弁28に形成した連通油路36を
第2油室30側端部において開口し、この連通油路36
を開く。これによって、前記パワーシリンダ13の一方
のシリンダ室15Lに連通する第1油室29がドレン通
路46に連通し、シリンダ室15L内を大気圧のもとに
解放して、操舵助勢力を除すことになる。
【0092】これと同時に、前記方向切替え弁63も中
立位置に戻り、パワーシリンダ13の一方のシリンダ室
15L内及び他方のシリンダ室15R内はセンターオー
プン型の絞り68b、69bからドレン通路46に連通
される。
【0093】このとき、前記制御弁20の第2スプール
弁37は、操舵トルクが減じられる過程で入力軸1に残
留する操舵トルクとパワーシリンダ13の一方のシリン
ダ室15L内(転舵方向が逆の場合には、他方のシリン
ダ室15R内)に残留する圧力及び排出スプリング43
のばね力との3者の釣合いが徐々に変化することによっ
て移動し、連通油路36を徐々に開くことになる。
【0094】即ち、前記第2スプール弁37が連通油路
36を僅かに開くと、パワーシリンダ13の一方のシリ
ンダ室15L内の油圧力が僅かに減じられ、操舵助勢力
が減じられる。前記パワーシリンダ13の助勢力が減じ
られると、入力軸1に残留する操舵トルクが勝り、第2
スプール弁37は第1スプール弁28に接し、連通油路
36を閉じることになる。さらに、転舵操作を解除する
ために前記入力軸1に入力されている操舵トルクを除す
と、再び第2スプール弁37が第1スプール弁28から
離間して連通油路36を開き、パワーシリンダ13の一
方のシリンダ室15L内の作動油をドレン通路46に逃
がす。以後、前記入力軸1に入力される操舵トルク及び
パワーシリンダ13での操舵助勢力が零になるまで、前
記動作が繰り返されることになる。
【0095】つまり、前記制御弁20の第2スプール弁
37は、入力軸1に入力される操舵トルクが減じられる
ことによって、入力軸1と出力軸2との相対回動が減じ
られ、操舵助勢力が零になるまで、第1スプール弁28
から離間して連通油路36を開き、パワーシリンダ13
とドレン通路46とを連通する動作と、第1スプール弁
28に接して連通油路36を閉じる動作とを繰り返すこ
とになる。
【0096】一方、前記図外のステアリングホイールが
逆方向に操舵操作された場合には、運動変換手段56の
球61は可動板55に形成した一対の傾斜面60の他方
にのみ接することになるけれども、この可動板55は前
記同様に図1において上方向に移動するから、前記同様
に操作棒54が制御弁20を操作する。これに対して、
前記方向切替え弁63は前記した方向とは逆方向に作動
し、絞り69a、68bを開き、絞り69b、68aを
開く。これによって、方向切替え弁63は、制御弁20
からの作動油を絞り69aを介してパワーシリンダ13
の他方のシリンダ室15R内に供給すると共に、一方の
シリンダ室15L内が絞り68aを介してドレン通路4
7に連通することになる。
【0097】これにより、前記同様に、入力軸1に入力
される操舵トルクに応じて、パワーシリンダ13に供給
される作動油によって所定の操舵助勢力が得られる。
【0098】このとき、前記電磁ソレノイド48は次の
ように作動する。即ち、前記電磁ソレノイド48は車速
センサ49からの車速信号に基づいて駆動制御され、こ
の電磁ソレノイド48のアーマチュア51が制御弁20
の第1スプール弁28を第2油室30側に付勢する。
【0099】つまり、前記電磁ソレノイド48は、変換
機構53の操作棒54が制御弁20の第2スプール弁3
7の先端部(半球面39)を操作し、この第2スプール
弁37を排出スプリング43のばね力に抗して押圧する
力に対して抗力を与えることになる。
【0100】このため、前記入力軸1に操舵トルクが入
力されて、変換機構53の操作棒54が制御弁20を操
作して第1油室29の油圧が増圧されるとき、この制御
弁20の制御特性に車速の因子が加えられ、操舵トルク
(T)に対する油圧(P)の特性が、図5に示すよう
に、車速に応じて変化し、所謂車速感応制御されること
になる。
【0101】また、前記カットオフ弁81は次のように
作動する。即ち、前記カットオフ弁81は通路88を介
して導かれる制御弁20の第1油室29の油圧力に基づ
いて作動制御され、このカットオフ弁81のプランジャ
85が変換機構53の操作棒54を操作する。
【0102】つまり、前記カットオフ弁81の圧力室8
6内には通路88を介して制御弁20の第1圧力室29
内の油圧が導かれており、変換機構53の操作棒54に
よって制御弁20が操作され、第1圧力室29内の油圧
力が上昇することにより、プランジャ85が圧力室86
内の圧力とばね部材87との釣り合いによって貫通孔4
0内に突出し、所定のストロークの後、変換機構53の
操作棒54が制御弁20の第2スプール弁37を排出ス
プリング43のばね力に抗して押圧する力に対して助勢
力を与えることになる。
【0103】このため、前記入力軸1に操舵トルクが入
力されて、変換機構53の操作棒54が制御弁20を操
作して第1油室29の油圧が増圧されるとき、この制御
弁20の第1圧力室29が所定の圧力に上昇したカット
オフ点以降、操舵トルク(T)に対する油圧(P)の増
加割合が増加する特性を持って制御されることになる
(図5参照)。
【0104】ここで、前記パワーシリンダ13への作動
油の供給を司る制御弁20は1つであり、この1つの制
御弁20が操舵方向に関係なく、即ち左方向へ転舵する
場合及び右方向へ転舵する場合の両方において、操舵ト
ルクに応じて操作される。
【0105】したがって、装置全体の小型化を図ること
ができると共に、製造コストの低廉なパワーステアリン
グ装置が得られる。
【0106】また、前記入力軸1に入力される操舵トル
クを操作棒54の変位に変換する変換機構53が、この
操作棒54が連繋された可動板55と、運動変換手段5
6とを主要素として構成されているから、この変換機構
53の構成の簡素化を図ることができる。
【0107】また、前記変換機構53の操作棒54がハ
ウジング3に球面軸受け62を介して枢動可能に連結さ
れていることにより、この枢支連結点を選択することに
よって、所謂レバー比を選択することができるから、可
動板55に連繋された操作棒54の基端側の動きに対す
る先端側の動き量を選択することができる。
【0108】また、前記変換機構53の運動変換手段6
5が一対の傾斜面60と球61とによって構成されてい
るから、簡単な構成で、可動板55と出力軸2との相対
回動の方向に拘らず、操舵トルクに応じて可動板55を
一定方向に移動させることができる。
【0109】また、前記制御弁20が入力軸1と略平行
に配置されていることにより、これを略直角方向に配置
する場合に比較して、半径方向外方への突出部を少なく
して、装置全体の小型化を図ることができる。
【0110】また、前記方向切替え弁63が所謂ロータ
リ弁で構成されているから、半径方向外方への突出部を
少なくして、装置全体の小型化を図ることができる。
【0111】また、前記方向切替え弁63と制御弁20
との間の作動油の通路(斜め孔45)をハウジング1に
形成したことにより、配管等の手段を設ける必要がな
い。
【0112】また、前記カットオフ弁81が制御弁20
に対して直列に配置されているから、半径方向外方への
突出部を少なくすることができ、装置全体の小型化を図
ることができる。
【0113】以上、実施の形態を図面に基づいて説明し
たが、具体的構成はこの実施の形態に限られるものでは
なく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、前記方向切替え弁63はこの実施の形態におい
て所謂ロータリ弁で構成したが、スプール弁で構成する
ことも可能である。
【0114】また、前記カットオフ弁81が変換機構5
3の操作手段としての操作棒54を挟んで制御弁20に
対向する位置に設けられた実施の形態について述べた
が、この操作棒54の配置位置とは異なる第2の位置に
第2操作棒を設けると共に、この第2操作棒によって操
作可能な位置にカットオフ弁81を設ける構成としても
よい。この場合に、前記第2操作棒をハウジング3に枢
支連結するか否かは、カットオフ弁81の配置位置との
関連において任意に選択可能である。斯く構成した場合
には、前記カットオフ弁81の操作力は第2操作棒から
可動板55に伝達され、この可動板55から操作棒54
を介して制御弁20に伝えられることになる。
【0115】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、装置全体の小型化を図ることができると共に、
製造コストの低廉なパワーステアリング装置が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すパワーステアリング
装置の説明図で、制御弁及び方向切替え弁の断面図を含
む図面である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面を含む説明図である。
【図4】図1のC−C線断面図である。
【図5】車速をパラメータとして、入力軸に入力される
操舵トルク(T)と操舵助勢力を発生させる作動油圧
(P)との関係を示す線図である。
【符号の説明】
1 入力軸 13 パワーシリンダ 15L、15R シリンダ室 20 制御弁 53 変換機構 54 操作棒(操作手段) 63 方向切替え弁

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵機構の入力軸に入力される操舵トル
    クに応じて、パワーシリンダに作動油を給排して操舵助
    勢力を得るパワーステアリング装置において、前記入力
    軸に入力される操舵トルクに応じてパワーシリンダへの
    作動油の供給を司り、操舵操作の中立位置においてパワ
    ーシリンダへの作動油の供給を遮断する形式の制御弁
    と、この制御弁を操作可能な操作手段を含み、前記入力
    軸に入力される操舵トルクを操作手段の変位に変換する
    変換機構と、前記制御弁とパワーシリンダとの間に設け
    られ、前記入力軸に入力される操舵トルクの方向に応じ
    て、作動油の供給をパワーシリンダの一方または他方の
    シリンダ室へ切り換えると共に、これらシリンダ室から
    の作動油の排出を司る方向切替え弁とを備えてなること
    を特徴とする、パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記変換機構は、前記入力軸を回動可能
    に収容したハウジングと、前記入力軸に対して相対回動
    可能に連繋されて、入力軸に入力される操舵トルクを出
    力する出力軸と、前記入力軸に対して、軸方向に移動可
    能で、かつ相対回動不能に連繋された可動板と、この可
    動板と出力軸の可動板に対向する対向面との間に設けら
    れ、これら可動板と出力軸との相対回動を可動板の軸方
    向移動に変換する運動変換手段と、前記可動板に基端側
    が連繋され、先端側がハウジングを貫通して延びてお
    り、この先端側で制御弁を操作可能な操作棒とを備えて
    なることを特徴とする、請求項1記載のパワーステアリ
    ング装置。
  3. 【請求項3】 前記操作棒は、その基端側と先端側との
    間の中間部分がハウジングに枢動可能に連結されてなる
    ことを特徴とする、請求項2記載のパワーステアリング
    装置。
  4. 【請求項4】 前記運動変換手段は、前記出力軸の対向
    面と可動板との何れか一方に設けられ、回動方向に傾斜
    する一対の傾斜面と、何れか他方に設けられ、前記一対
    の傾斜面に接する突起とを備えてなることを特徴とす
    る、請求項2記載のパワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 前記制御弁は、変換機構の操作手段によ
    って軸方向に移動操作されるスプール弁を備えてなり、
    このスプール弁が入力軸と略平行に配置されていること
    を特徴とする、請求項1記載のパワーステアリング装
    置。
  6. 【請求項6】 前記方向切替え弁は、前記入力軸の外周
    と、前記入力軸に対して相対回動可能に連繋された出力
    軸の内周との間に形成されてなることを特徴とする、請
    求項1記載のパワーステアリング装置。
  7. 【請求項7】 前記方向切替え弁は、前記入力軸の外周
    と、前記入力軸に対して相対回動可能に連繋された出力
    軸の内周との間に形成されてなり、制御弁が入力軸を回
    動可能に収容するハウジングに接していることを特徴と
    する、請求項1記載のパワーステアリング装置。
  8. 【請求項8】 前記変換機構の操作手段による制御弁の
    操作に助勢力を与えるカットオフ弁が付設されてなり、
    このカットオフ弁が変換機構の操作手段を挟んで制御弁
    に対向する位置に設けられていることを特徴とする、請
    求項1記載のパワーステアリング装置。
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