JPH11154458A - 電界放出型電子源の製造方法 - Google Patents

電界放出型電子源の製造方法

Info

Publication number
JPH11154458A
JPH11154458A JP33498997A JP33498997A JPH11154458A JP H11154458 A JPH11154458 A JP H11154458A JP 33498997 A JP33498997 A JP 33498997A JP 33498997 A JP33498997 A JP 33498997A JP H11154458 A JPH11154458 A JP H11154458A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
emitter
masking material
film
photoresist
field emission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33498997A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Takahashi
淳一 高橋
Hitoshi Kondo
均 近藤
Hideo Maeda
英男 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP33498997A priority Critical patent/JPH11154458A/ja
Publication of JPH11154458A publication Critical patent/JPH11154458A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線リソグラフィーのような高価で大面積が
不得手な加工方法によらずとも、従来技術よりも約一桁
程度高密度なエミッタアレイを低コスト且つ大面積に作
製することを可能とし、様々な応用に適用しても安定
性、冗長性、高い電流値などの特長を発揮することが可
能で、アプリケーションの自由度の高い電界放出型電子
源の製造方法を提供する。 【解決手段】 エミッタ材料となる膜2の上に超微粒子
3を塗布し、塗布された超微粒子3をエッチングマスク
としてエミッタ材料2をエッチングしてエミッタ形状に
加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ真空エレ
クトロニクスデバイス、マイクロ電界放射デバイス(mic
ro field emission device)、平面型表示装置、平面型
撮像素子、静電気録装置などに利用される電界放出型電
子源の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電界放出電極(エミッタ)の製造方
法として、特開平3−71529号に示されているよう
な方法が知られている。図1は特開平3−71529号
に示されている電界放出電極の作製工程を示す図であ
る。図1を参照すると、この作製工程例では、ガラス基
板51上にエミッタの共通電極となるタングステン膜5
2を蒸着し、その上にエミッタ材料となるタンタル(T
a)膜53をデポする(図1(a))。しかる後、その上に
酸化と開口のマスクとなる酸化シリコン(SiO2)54
をデポし、これを所望の寸法にパターニングする(図1
(b))。
【0003】しかる後、前記酸化シリコン(SiO2)5
4をマスクとしてタンタル膜(Ta)53を酸化する。こ
の工程によって、酸化シリコン(SiO2)54の下のタ
ンタル膜(Ta)53を先鋭化した形に残して、他のタン
タル膜(Ta)53は酸化されTa25となる(図1
(c))。図1(c)において、符号56はタンタルのまま
残された部分(円錐上の尖頭電極となるべき部分)、符号
55は酸化されてTa25となった部分である。しかる
後、引き出し電極57をデポする(図1(d))。次いで、
酸化シリコン(SiO2)54を除去した後、Taをエッ
チングできないエッチャントによりTa25のみエッチ
ングし、開口部58とエミッタ電界放出電極(尖頭電極
56,引き出し電極57を含む電極構造)とを作製する
ことができる。
【0004】また、図2は特開平3−194829号に
示されている微小真空三極管の構造および作製工程を示
す図である。図2を参照すると、この作製工程例では、
基板21上に第1の金属膜22を形成し、次いで第1の
絶縁膜23を形成した後、図2には図示しないが、第1
のレジストを第1の絶縁膜23上に塗布形成し、次いで
該第1のレジストをパターニングして所望の寸法に該第
1のレジストのマスクを形成した後、該レジストをマス
クに露呈した前記第1の絶縁膜23を途中までエッチン
グした後、残余のレジストを除去する工程と、次いで露
呈した絶縁膜23を覆うように第2のレジストを塗布形
成した後、前記第1のレジストマスク下の絶縁膜上に絶
縁膜の幅より小さく該第2のレジストが残るように、該
第2のレジストをパターニングする工程と、次いで、図
2(a)に示すように、残余の第2のレジストをマスクと
して、露呈された前記第1の絶縁膜23を前記第1の金
属膜22が露呈しないようにエッチングし、次いで第2
の金属膜28を蒸着した後、有機洗浄あるいは酸素
(O2)プラズマによって前記第2のレジストと第2のレ
ジスト上の不要の蒸着金属28を除去した後、前記金属
膜28上に第1の金メッキ層29を形成してグリッド4
0を形成する工程と、次いで前記第1の金メッキ層29
と一部露呈している第1の絶縁膜23を覆うように第2
の絶縁膜30を形成した後、該第2の絶縁膜30上に第
2のレジストを塗布形成し、次いで前記第1の金メッキ
層29に覆われていない第1の絶縁膜23の真上に前記
第2のレジストを残すようにパターニングした後、残余
の第2のレジストをマスクとして第2の絶縁膜30を第
1の金メッキ層29が露呈しないように一部エッチング
し、次いで第3の金属膜33を蒸着した後、残余の第2
のレジストと第2のレジスト上の不要の金属膜33を有
機洗浄あるいは酸素(O2)プラズマによって除去した
後、第2の金メッキ層34を形成する工程と、次いで第
2の金メッキ層34の開口35を通して露呈している第
2の絶縁膜30をエッチングしたのち、第1の絶縁膜2
3を露呈させ、次いで第1の絶縁膜23をエッチングし
て第1の金属膜22を露呈させた後、図2(b)に示すよ
うに、第4の金属膜36を蒸着してエミッタ37を形成
するとともに第2の金メッキ層34に存在する開口35
を閉じさせてコレクタ38を形成する工程とを含んでい
る。すなわち、この微小真空三極管は、いわゆるSpindt
型に収束電極を加えた構造になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図1の作製
工程例では、酸化シリコン4のパターニングにより(図
1(b)の工程のパターニングにより)エミッタのピッチ
が決まり、エミッタのピッチが小さいほどエミッタの密
度が高くなり電流密度も高くなるので、酸化シリコン4
のパターニングは、できるだけ微細なパターンで作製さ
れるのが良い。この場合、X線リソグラフィーを用いれ
ばサブμm(0.数μm)のパターニングも可能だが、微
細加工により作製する電界放出型電子源はその応用上比
較的大面積なフォトリソグラフィーが必要なこととコス
トの問題から、通常の紫外線によるフォトリソグラフィ
ーが行なわれる。従って、パターンの直径はもっとも微
細な場合でも1μm程度が限界であり、エミッタの間隔
はその後のプロセス(ウエットエッチングによるゲート
開口の広がり)を考慮すると5乃至6μmぐらいが限界
であった。
【0006】また、図2の作製工程例では、エミッタ形
状はあらかじめ形成されている開口部を通して蒸着によ
り基板上に自己整合的に蒸着が終了することにより形成
される。この場合でも、開口のパターンによりエミッタ
のピッチが決まり、エミッタのピッチは小さいほどエミ
ッタの密度が高くなり電流密度も高くなるので、できる
だけ微細なパターンで作製されるのが良い。この場合、
X線リソグラフィーを用いればサブμm(0.数μm)の
パターニングも可能だが、微細加工により作製する電界
放出型電子源はその応用上比較的大面積なフォトリソグ
ラフィーが必要なこととコストの問題から、通常の紫外
線によるフォトリソグラフィーが行なわれる。従って、
この場合にも、パターンの直径はもっとも微細な場合で
も1μm程度が限界であり、エミッタの間隔はその後の
プロセス(ウエットエッチングによるゲート開口の広が
り)を考慮すると、5乃至6μmぐらいが限界であっ
た。
【0007】このように、従来技術においては、エミッ
タの間隔は5μm程度以上になってしまう。例えば、デ
ィスプレイの応用にこの微小なエミッタを用いた電界放
射型電子源を用いた場合を考える。一般にディスプレイ
の1画素の大きさは300μm×300μm程度でフル
カラーディスプレイの場合は各色の1画素分の大きさは
100μm×300μmである。従って、1画素の一色
の蛍光体に対して1200個のエミッタから電子を照射
することになる。本来、電界放射型電子源は放射電流が
時間的に安定せず蛍光体からの発光のちらつきの原因と
なっていた。しかし、これだけ多数のエミッタから電子
が一つの蛍光体に照射されることにより統計的に電流値
が平均化され、結果として、ちらつきは抑えられる。
【0008】また、1200個のなかの数個が破壊され
てそこから電子が照射されなくなっても冗長性が高いた
めに問題とはならなかった。さらに一つのエミッタから
の電子放射の電流値は数nA程度であっても、多数のエ
ミッタからの電子放射により蛍光体からは充分な輝度が
得られることとなる。以上から、ディスプレイへの応用
に関しては従来技術で充分であった。
【0009】しかし、ディスプレイ以外の応用として、
撮像素子への応用が考えられる。これは図3に示すよう
に従来のいわゆる撮像管に使われてきた光導電ターゲッ
トを用い、ターゲットに対向して電界放射電子源アレイ
を設け、両者を真空封止する。電界放射電子源アレイは
撮像管の熱電子源によるラスタスキャンの機能を果たす
ことになる。電界放射電子源アレイは平板なので、この
構成で平板型の撮像素子となる。この場合、撮像レンズ
の大きさが重量などの関係から制限されるので、撮像素
子の大きさは大きくても20mm×40mm程度にな
る。HD(High Density)−TVの場合、画素数は約10
00×2000個であるから1ドットの大きさはモノク
ロでも20μm×20μmとなる。この場合、従来のエ
ミッタ(間隔5μm)を用いると1画素あたりのエミッタ
数は16個となる。この場合、ディスプレイの場合の1
/100程度のエミッタ数しかないので、先の放射電流
の安定化、破壊に対する冗長性、電流値の増加等の効果
も1/100になってしまい、もはや充分とはいえな
い。先に挙げた撮像素子の大きさは一般的な大きさから
するとかなり大きなものであり、いわゆる民生用の撮像
素子の大きさでは1画素の大きさは数μmになってしま
う。従って、従来技術のエミッタでは1画素あたり一つ
のエミッタが受けもつことになり、先に挙げた効果は皆
無となってしまう。
【0010】このように従来技術ではその応用の範囲が
ディスプレイに限られてしまい、他の応用への自由度が
低くなる。またディスプレイにしても今後はさらに高精
細なものが要求されているので、従来技術のままだと先
に挙げた効果が低くなっていく。これを解決する手段の
一つとして、エミッタの間隔を従来よりも小さくするこ
とが挙げられる。X線リソグラフィーを用いればサブμ
m(0.数μm)のパターニングも可能だが、微細加工に
より作製する電界放出型電子源はその応用上比較的大面
積なフォトリソグラフィーが必要なこととコストの問題
から現実的ではない。
【0011】本発明は、このような従来技術のエミッタ
の欠点を克服し、X線リソグラフィーのような高価で大
面積が不得手な加工方法によらずとも、従来技術よりも
約一桁程度高密度なエミッタアレイを低コスト且つ大面
積に作製することを可能とし、様々な応用に適用しても
安定性、冗長性、高い電流値などの特長を発揮すること
が可能で、アプリケーションの自由度の高い電界放出型
電子源の製造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、エミッタ材料となる膜の上
に超微粒子を塗布し、塗布された超微粒子をエッチング
マスクとしてエミッタ材料をエッチングしてエミッタ形
状に加工することを特徴としている。
【0013】また、請求項2記載の発明は、エミッタ材
料膜上にマスキング材料膜を形成した上で、マスキング
材料膜上に超微粒子を塗布し、塗布された超微粒子をエ
ッチングマスクとしてマスキング材料をエッチングし、
超微粒子とパターニングされたマスキング材料あるいは
マスキング材料のみをエッチングマスクとしてエミッタ
材料をエッチングしてエミッタ形状に加工することを特
徴としている。
【0014】また、請求項3記載の発明は、エミッタ材
料となる膜上に超微粒子を塗布し、塗布された超微粒子
をエッチングマスクとしてエミッタ材料をエッチングし
てエミッタ形状に加工し、超微粒子をキャップとしてゲ
ート絶縁膜とゲート電極膜を堆積し、その後、超微粒子
を除去することにより、引き出しゲート電極を持つ構造
を作製することを特徴としている。
【0015】また、請求項4記載の発明は、エミッタ材
料膜上にマスキング材料膜を形成した上で、マスキング
材料膜上に超微粒子を塗布し、塗布された超微粒子をエ
ッチングマスクとしてマスキング材料をエッチングし、
超微粒子とパターニングされたマスキング材料あるいは
マスキング材料のみをエッチングマスクとしてエミッタ
材料をエッチングしてエミッタ形状に加工し、超微粒子
とパターニングされたマスキング材料あるいはマスキン
グ材料のみをキャップとしてゲート絶縁膜とゲート電極
膜を堆積し、その後、超微粒子とパターニングされた該
マスキング材料を除去することにより、引き出しゲート
電極を持つ構造とすることを特徴としている。
【0016】また、請求項5記載の発明は、二つ以上の
光束の干渉により生じる干渉模様によりフォトレジスト
を露光する干渉露光法により、基板上のフォトレジスト
を露光し、現像することによりフォトレジストをエミッ
タ形状に加工することを特徴としている。
【0017】また、請求項6記載の発明は、エミッタ材
料となる膜上にフォトレジストを塗布し、二つ以上の光
束の干渉により生じる干渉模様によりフォトレジストを
露光する干渉露光法により、基板上のフォトレジストを
露光し、現像することによりフォトレジストをエミッタ
形状に加工し、その後、該エミッタ形状に加工されたフ
ォトレジストとエミッタ材料を同時にエッチングするこ
とにより、エミッタ材料をエミッタ形状に加工すること
を特徴としている。
【0018】また、請求項7記載の発明は、基板上に第
一のフォトレジストを塗布し、該第一のフォトレジスト
上に第一のフォトレジストと反対のトーンの第二のフォ
トレジストを塗布し、エミッタ作製のための露光を行な
った後、第二のレジストと第一のレジストを現像するこ
とにより、第二のレジストをゲート電極とし、第一のレ
ジストをエミッタとする引き出しゲート電極構造を持つ
構造とすることを特徴としている。
【0019】また、請求項8記載の発明は、エミッタ材
料となる膜上にフォトレジストを塗布し、二つ以上の光
束の干渉により生じる干渉模様によりフォトレジストを
露光する干渉露光法により、基板上のフォトレジストを
露光し、現像し、作製したレジストパターンをエッチン
グマスクとしてエミッタ材料をエッチングしてエミッタ
形状に加工することを特徴としている。
【0020】また、請求項9記載の発明は、エミッタ材
料膜上にマスキング材料膜を形成した上で、マスキング
材料膜上にフォトレジストを塗布し、二つ以上の光束の
干渉により生じる干渉模様によりフォトレジストを露光
する干渉露光法により、基板上のフォトレジストを露光
し、現像し、作製したレジストパターンをエッチングマ
スクとしてマスキング材料をエッチングし、パターニン
グされたレジストとマスキング材料あるいはマスキング
材料のみをエッチングマスクとしてエミッタ材料をエッ
チングしてエミッタ形状に加工することを特徴としてい
る。
【0021】また、請求項10記載の発明は、エミッタ
材料となる膜上にフォトレジストを塗布し、二つ以上の
光束の干渉により生じる干渉模様によりフォトレジスト
を露光する干渉露光法により、基板上のフォトレジスト
を露光し、現像し、作製したレジストパターンをエッチ
ングマスクとしてエミッタ材料をエッチングしてエミッ
タ形状に加工し、該レジストパターンをキャップとして
ゲート絶縁膜とゲート電極膜を堆積し、その後、レジス
トパターンを除去することにより、引き出しゲート電極
を持つ構造とすることを特徴としている。
【0022】また、請求項11記載の発明は、エミッタ
材料膜上にマスキング材料膜を形成した上で、マスキン
グ材料膜上にフォトレジストを塗布し、二つ以上の光束
の干渉により生じる干渉模様によりフォトレジストを露
光する干渉露光法により、基板上のフォトレジストを露
光し、現像し、作製したレジストパターンをエッチング
マスクとしてマスキング材料をエッチングし、パターン
ニングされたレジストとマスキング材料あるいはマスキ
ング材料のみをエッチングマスクとしてエミッタ材料を
エッチングしてエミッタ形状に加工し、パターニングさ
れたレジストとマスキング材料あるいはマスキング材料
のみをキャップとしてゲート絶縁膜とゲート電極膜を堆
積し、その後、レジストとマスキング材料を除去するこ
とにより、引き出しゲート電極をもつ構造とすることを
特徴としている。
【0023】また、請求項12記載の発明は、エミッタ
材料膜上にマスキング材料を島状構造に堆積し、該島状
構造のマスキング材料をエッチングマスクとしてエミッ
タ材料をエッチングしてエミッタ形状に加工することを
特徴としている。
【0024】また、請求項13記載の発明は、エミッタ
材料膜上に第一のマスキング材料膜を形成した上で、第
一のマスキング材料膜上に、第二のマスキング材料を島
状構造に堆積し、該島状構造の第二のマスキング材料を
エッチングマスクとして第一のマスキング材料をエッチ
ングし、第二のマスキング材料と第一のマスキング材料
あるいは第一のマスキング材料のみをエッチングマスク
としてエミッタ材料をエッチングしてエミッタ形状に加
工することを特徴としている。
【0025】また、請求項14記載の発明は、エミッタ
材料膜上に島状構造にマスキング材料を堆積し、該島状
構造のマスキング材料をエッチングマスクとしてエミッ
タ材料をエッチングしてエミッタ形状に加工し、島状構
造のマスキング材料をキャップとしてゲート絶縁膜とゲ
ート電極膜を堆積し、その後、島状構造のマスキング材
料を除去することにより、引き出しゲート電極をもつ構
造とすることを特徴としている。
【0026】また、請求項15記載の発明は、エミッタ
材料膜上に第一のマスキング材料膜を形成した上で、第
一のマスキング材料膜上に、第二のマスキング材料を島
状構造に堆積し、該島状構造の第二のマスキング材料を
エッチングマスクとして第一のマスキング材料をエッチ
ングし、第二のマスキング材料と第一のマスキング材料
あるいは第一のマスキング材料のみをエッチングマスク
としてエミッタ材料をエッチングしてエミッタ形状に加
工し、第二マスキング材料と第一のマスキング材料ある
いは第一のマスキング材料のみをキャップとしてゲート
絶縁膜とゲート電極膜を堆積し、その後、第二のマスキ
ング材料と第一のマスキング材料あるいは第一のマスキ
ング材料のみを除去することにより、引き出しゲート電
極をもつ構造とすることを特徴としている。
【0027】また、請求項16記載の発明は、エミッタ
を作製した後、該エミッタ上にゲート絶縁膜とゲート電
極膜とフォトレジストを堆積し、該エミッタ頂上部のフ
ォトレジストにガラス板を接触させ、該接触部分のフォ
トレジストのみが感光されるように露光条件を設定して
露光することで、エミッタ先端部分のみにレジストの開
口部を設け、該開口部からゲート電極膜とゲート絶縁膜
の開口部を形成することにより、引き出しゲート電極を
もつ構造とすることを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】図4は本発明に係る電界放出型電
子源の作製工程例を示す図である。図4の作製工程例で
は、エミッタ材料となる膜2の上に超微粒子3を塗布
し、塗布された超微粒子3をエッチングマスクとしてエ
ミッタ材料2をエッチングしてエミッタ形状に加工する
ことを特徴としている。
【0029】より具体的には、図4を参照すると、ガラ
スあるいは石英あるいはシリコン基板1上にノボラック
系フォトレジスト(一例として東京応化工業株式会社製
OFPR800)2をスピンコートあるいはローラーコ
ートあるいはカーテンコートなどの方法により塗布す
る。これを300℃、30分程度でハードベークする
(一般的なレジストはこの程度の温度でベークすると感
光性がなくなるので、これをハードベークという)。こ
れを炭素系材料の一つとして用いる。一方、いわゆる超
微粒子を有機溶媒、例えばエタノールに分散させる。超
微粒子の一例としては日本触媒株式会社製のシリカ球状
微粒子シーホスターKE−P10を用いる。これは直径
0.11μm程度の粒径の揃ったシリカ(SiO2)粒子
である。これをエタノール中に入れ、まずマグネットス
ターラにより30分程度撹拌し、その後超音波ホモジナ
イザーにより30分程度、撹拌し、微粒子が溶媒(エタ
ノール)中で単分散した状態にする。この微粒子3を含
む溶媒を、上述したハードベークレジスト2上にスピン
コートにより塗布する。これによりハードベークレジス
ト2上に超微粒子シリカ3を塗布することができる(図
4(a))。
【0030】次いで、O2あるいはO2に微量のCHF3
を添加したガスによりドライエッチングを行なう。この
時、異方性のあるRIE(Reactive Ion Etching)により
エッチングを行なう方が望ましい。超微粒子シリカ3
は、SiO2であるからO2あるいはO2にCHF3を添加
したガスによるRIEでは容易にエッチングされないの
で、これがエッチングのマスクとなる。従って、超微粒
子シリカ3の下の炭素系材料2は残り、図4(b)に示す
ようなコーン状(円錐状)の形状になる。
【0031】しかる後、弗酸あるいはCHF3ガスに微
量のO2を添加したガスのドライエッチングにより超微
粒子シリカ3を除去する(図4(c))。
【0032】ここで、炭素系材料2のコーン状の先端部
分が平坦で曲率をつける必要がある場合、等方的なドラ
イエッチング(O2のみまたはO2とCHF3)により先端
を丸める。この後、Ar+イオン注入を行なうことによ
り、レジスト2は低抵抗化され、エミッタとしての機能
を発揮するようになる(図4(d))。ここで、Ar+イオ
ンの注入条件は、一例として加速電圧:100Kev、
注入量:3×1016cm-2である。
【0033】我々の実験では以上の方法により、先端曲
率が50nm以下の先鋭化されたエミッタ形状を作製す
ることができた。このような方法で作製したエミッタに
は以下のような特長がある。
【0034】すなわち、単純なRIE(Reactive Ion Et
ching)だけで従来とほぼ同等の先端曲率半径が得られ
る。
【0035】また、形状のアスペクト比が高いため、高
密度(線密度0.5μmピッチ程度)でエミッタを配置で
きる。従って、画素の大きさが数〜数十μmになったと
きに現れる前述した従来技術の問題を克服することがで
きる。
【0036】このように、図4の工程例では、エミッタ
材料となる膜の上に超微粒子を塗布し、塗布された超微
粒子をエッチングマスクとしてエミッタ材料をエッチン
グし、エミッタ形状に加工するので、X線リソグラフィ
ーのような高価で大面積が不得手な加工方法によらずと
も、従来技術よりも約一桁程度高密度なエミッタアレイ
を低コストかつ大面積に作製することが可能となり、様
々な応用に適用しても安定性、冗長性、高い電流値など
の特長を発揮することが可能となる。従って、微小電界
放射型電子源のアプリケーションの自由度を高めること
ができる。
【0037】なお、超微粒子の種類としてはシリカ(S
iO2)以外にW、Ni、Cu、TiN、Al、Al
23、Si34など、炭素系材料とのエッチング比が高
いものであれば良い。
【0038】また、超微粒子を分散させる溶媒としては
シクロヘキサン、1−ブタノール、2−ブタノール、1
−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコー
ル、水、および、これらとエタノールとの混合液等を用
いても良い。
【0039】また、溶媒内への分散方法は必ずしも超音
波ホモジナイザーを用いることはなく、超音波洗浄機な
どを用いても良い。
【0040】また、炭素系エミッタ材料2としては必ず
しもハードベークしたノボラック系フォトレジストに限
らず、窒素ドープしたあるいはノンドープの低抵抗なD
LC膜でも良い。これらの膜は通常のプラズマCVD、
スーパーマグネトロンCVD、ECR−CVD、PEC
VDによるlayer-by-layer deposition等の方法でデポ
した膜であれば良い。
【0041】またエミッタ材料も特に炭素系材料に限ら
ず、Si、W、Mo、Ta、Pt、SiCなどでも良
い。この場合、超微粒子はエミッタ材料とのエッチング
比を得るため有機材料が好ましく、例えば、ベンゾグア
ミン樹脂、メラニン樹脂、低分子量四フッ化エチレン樹
脂(PTFE)、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂などを
用いる。この場合、先に挙げたエミッタ材料とのエッチ
ング比が取れるエッチングガスを用いることは言うまで
もない。
【0042】ところで、図4の工程例では、超微粒子を
エッチングマスク材として用いており、図4の工程例の
ように超微粒子がシリカで、エミッタ材料が炭素系の場
合はO2によりエミッタ材料をエッチングが可能なので
問題ない。しかし、例えばエミッタ材料がシリコンの場
合はエッチングの選択比の点から問題が生じる。一般に
超微粒子内の不純物によるコンタミネーションや粒径の
小ささ、粒径分布のピークが鋭いなどの点から、シリカ
の超微粒子を使用することが好ましい。一方、シリコン
をRIE等でドライエッチングする場合、エッチング後
の表面の荒れを防ぐため、SF6/O2/CHF3の混合
ガスによりエッチングを行なう。この時、このCHF3
ガスによりシリカの超微粒子もエッチングされてしま
う。
【0043】図5は本発明に係る電界放出型電子源の他
の作製工程例を示す図である。図5の作製工程例は、図
4の作製工程例における上述のような問題を回避するこ
とを意図しており、このために、エミッタ材料膜2上に
マスキング材料膜4を形成した上で、マスキング材料膜
4上に超微粒子3を塗布し、塗布された超微粒子3をエ
ッチングマスクとしてマスキング材料4をエッチング
し、超微粒子3とパターニングされたマスキング材料4
あるいはマスキング材料4のみをエッチングマスクとし
てエミッタ材料2をエッチングしてエミッタ形状に加工
することを特徴としている。
【0044】すなわち、図5の工程例では、エミッタ材
料のシリコン2と超微粒子シリカ3の間に、CHF3
スによるエッチングに耐える材料の膜(例えばAl等の
膜)4を介在させる(図5(a))。
【0045】しかる後、超微粒子シリカ3をマスクにし
て膜4をエッチング・パターニングして、これをエミッ
タ材料のシリコン2に対するマスキング材料4とする
(図5(b))。しかる後、このマスキング材料4をマスク
としてエミッタ材料のシリコン2をエッチングする(図
5(c))。その後超微粒子シリカ3を弗酸あるいはCH
3に微量のO2を添加した混合ガスにより除去し、塩素
系ガスのプラズマや50℃程度の燐酸+酢酸+水の混合
液などによりマスキング材4を除去し(図5(d))、しか
る後、図4と同様に等方性ドライエッチングによりエミ
ッタ材料2の先端部分に曲率をつける(図5(e))。この
ような方法によりプロセス上好ましい超微粒子シリカを
使いつつ、エミッタ材料の選択の自由度を広げることが
できる。
【0046】ここで、マスキング材料4はAlに限定さ
れるものではなく、シリカを侵さずにエッチングされ、
且つエミッタ材料をエッチングするガスまたは液体に侵
されない材料を用いることができる。
【0047】このように、図5の作製工程例では、エミ
ッタ材料膜上にマスキング材料膜を形成した上で、マス
キング材料膜上に、超微粒子を塗布し、塗布された超微
粒子をエッチングマスクとしてマスキング材料をエッチ
ングし、超微粒子とパターニングされた該マスキング材
料あるいは該マスキング材料のみをエッチングマスクと
してエミッタ材料をエッチングしてエミッタ形状に加工
するので、エミッタ材料となる膜の上に超微粒子を塗布
し、塗布された超微粒子をエッチングマスクとしてエミ
ッタ材料をエッチングしてエミッタ形状に加工すること
ができ、かつエミッタ材料の選択の自由度を広げるがで
きる。
【0048】また、図6は本発明に係る電界放出型電子
源の他の作製工程例を示す図である。図6の工程例で
は、エミッタ材料となる膜2上に超微粒子3を塗布し、
塗布された超微粒子3をエッチングマスクとしてエミッ
タ材料2をエッチングしてエミッタ形状に加工し、該超
微粒子3をキャップとしてゲート絶縁膜5とゲート電極
膜6を堆積し、その後、超微粒子3を除去することによ
り、引き出しゲート電極を持つ構造を作製することを意
図している。
【0049】すなわち、図6の工程例では、先ず、図4
(a),(b)と全く同様の工程による処理を行なう(図6
(a),(b))。
【0050】しかる後、超微粒子3をキャップ材として
ゲート絶縁膜(例えばSiO2)5を蒸着する。ここでは
キャップ下へのデポ膜の回り込みがあるといけないの
で、CVDなどの回り込みの良いデポ方法ではなく、チ
ムニーなどを用いた真空蒸着法が好ましい。さらに、ゲ
ート電極膜(例えばNb)6を同様に真空蒸着法でデポす
る(図6(c))。これによりエミッタ先端にはゲート絶縁
膜5とゲート電極膜6はデポされずまたエミッタ周辺に
隙間が残る。
【0051】しかる後、弗酸あるいはCHF3に微量の
2を混合したガスのドライエッチングにより超微粒子
シリカ3を除去する。これにより、超微粒子上のゲート
絶縁膜とゲート電極膜は超微粒子シリカとともに除去さ
れ、ゲート絶縁膜の開口も広がる(図6(d))。
【0052】エミッタ材料2のコーン状の先端部分が平
坦で曲率をつける必要がある場合、等方的なドライエッ
チング(O2のみまたはO2に微量のCHF3を混合したガ
ス)により先端を丸める。この後、Ar+イオン注入を行
なうことにより、レジスト2は低抵抗化され、エミッタ
としての機能を発揮するようになる(図6(e))。ここ
で、Ar+イオンの注入条件は、一例として加速電圧:
100Kev、注入量:3×1016cm-2である。
【0053】図6の方法により、図4の特長を持つエミ
ッタにゲート構造を作製することができ、ゲート電極へ
印加する電圧により電界放射を制御することができる。
すなわち、図6の工程例によれば、ゲート電極構造を有
し、ゲート電極に印加する電圧により放射電流を制御で
きる微小電界放射型電子源を提供することができる。
【0054】なお、超微粒子の種類、炭素系エミッタ材
料の種類も、図4の構成動作で述べた種類のものを用い
ても良い。
【0055】また、エミッタ材料2も特に炭素系材料に
限らず、Si、W、Mo、Ta、Pt、SiCなどでも
良い。この場合、超微粒子3はエミッタ材料とのエッチ
ング比を得るため有機材料が好ましく、例えば、ベンゾ
グアミン樹脂、メラニン樹脂、低分子量四フッ化エチレ
ン樹脂(PTFE)、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂な
どを用いる。この場合、先に挙げたエミッタ材料とのエ
ッチング比が取れるエッチングガスを用いることは言う
までもない。
【0056】また、ゲート絶縁膜5、ゲート電極膜6の
材料も、SiO2、Nbに限らず、プロセス上問題ない
範囲で他の材料を選択できる。例えばゲート絶縁膜5と
しては、Si34、Al23、PTFEなどの有機絶縁
膜を選択でき、ゲート電極膜6としては、Al、Pt、
等の金属、低抵抗化したアモルファスシリコン、ポリシ
リコン、DLCなどをも選択できる。
【0057】図7は本発明に係る電界放出型電子源の他
の作製工程例を示す図である。図7の工程例では、エミ
ッタ材料膜2上にマスキング材料膜4を形成した上で、
マスキング材料膜4上に超微粒子3を塗布し、塗布され
た超微粒子3をエッチングマスクとしてマスキング材料
4をエッチングし、超微粒子3とパターニングされたマ
スキング材料4あるいはマスキング材料4のみをエッチ
ングマスクとしてエミッタ材料2をエッチングしてエミ
ッタ形状に加工し、超微粒子3とパターニングされたマ
スキング材料4あるいはマスキング材料4のみをキャッ
プとしてゲート絶縁膜5とゲート電極膜6を堆積し、そ
の後、超微粒子3とパターニングされたマスキング材料
4を除去することにより、引き出しゲート電極を持つ構
造を作製することを意図している。
【0058】すなわち、図6の工程例では、先ず、図5
(a),(b),(c)と全く同様の工程による処理を行なう
(図7(a),(b),(c))。
【0059】その後、図6(c)と同様の工程により、ゲ
ート絶縁膜5とゲート電極6を蒸着する(図7(d))。
【0060】その後、弗酸あるいはCHF3に微量のO2
を添加した混合ガスにより超微粒子シリカ3を除去し、
塩素系ガスのプラズマや50℃程度の燐酸+酢酸+水の
混合液などによりマスキング材4を除去する。これによ
り、超微粒子上のゲート絶縁膜とゲート電極膜は超微粒
子シリカとともに除去され、また超微粒子シリカ除去時
にこれと同じ材料であるゲート絶縁膜の開口も広がる
(図7(e))。
【0061】エミッタ材料2のコーン状の先端部分が平
坦で曲率をつける必要がある場合、等方的なドライエッ
チングにより先端を丸める(図7(f))。
【0062】図7のような方法により、プロセス上好ま
しい超微粒子シリカを使いつつ、エミッタ材料の選択の
自由度を広げることができる。さらに、超微粒子は球形
をしているので、ゲート絶縁膜5とゲート電極6のデポ
時に、エミッタ周辺に隙間が残らずエミッタがこれらの
膜で埋まってしまう恐れがあるが、図7の工程例の場合
は板状のキャップ材4が超微粒子3の下に存在するの
で、このような事態が生ずるのを防止できる。すなわ
ち、引き出しゲート電極を持つ構造にすることができ、
かつエミッタ材料の選択の自由度を広げることができ
る。
【0063】また、上述した各作製工程例において、エ
ミッタの作製には、二つ以上の光束の干渉により生じる
干渉模様によりフォトレジストを露光する干渉露光法に
より、基板上のフォトレジストを露光し、現像すること
によりフォトレジストをエミッタ形状に加工する方法を
用いることもできる。具体的に、一例として、二つの光
束を用いる二光束干渉露光法により電界放射型電子源を
作製することができる。図8,図9は二光束干渉露光法
を説明するための図である。
【0064】図8の光学系では、光源(レーザ)からの光
をシャッタ,ミラー,可変アッテネータを介してビーム
スプリッタに入射させ、ビームスプリッタで2分割し、
2分割された光をそれぞれ、ミラー,ビーム拡大レン
ズ,空間フィルタ,コリメーションレンズを介して試料
台上の試料基板に入射させ、試料基板上で二光束干渉さ
せるようになっている。ここで、二光束干渉法(two bea
m interference method)は、光波長オーダの微細な周期
的露光パターンを得る最も有効な光学的方法であり、コ
ヒーレントな二つの光波を干渉させたときに生ずる干渉
縞を利用するものである。この方法はグレーティングを
ホログラムの一種として露光・作製することから、ホロ
グラフィック干渉法(holographic method)ともよばれ
る。
【0065】図9は二光束干渉露光の原理を示す図であ
り、図9(a)のように基板面にθ1、θ2の角で入射する
波長λの二つの平面波により生ずる干渉縞は、この面上
で入射面を含む方向に、次式の周期Λをもつ。
【0066】
【数1】Λ=λ/(sinθ1+sinθ2)
【0067】特にθ1=θ2=θの場合は、周期Λは次式
のようになる。
【0068】
【数2】Λ=λ/2sinθ
【0069】そこで、波長λと入射角θを適当に選ぶこ
とにより、希望する周期Λの露光パターンが得られ、試
料台上の試料基板にレジストを用いる場合は、現像後に
図9(b)のようなレリーフ形のグレーティングが得られ
る。
【0070】レジストは青色−紫外領域で感度をもつこ
とから、光源にはArレーザ(λ=4880Å、457
9Åなど)やHe−Cdレーザ(λ=4416Å、325
0Åなど)が多用される。前者は高出力が得られる利点
があり、後者は短波長であるので周期の短いグレーティ
ングの作製に適している。また、図8に示すような光学
系は、除震光学ベンチ上に配置する必要がある。He−
Cdレーザの3250Å光を用いる場合は紫外光透過特
性のよい石英製などの光学素子を用いる。
【0071】図8の光学系を用いてエミッタを作製する
場合、より詳しくは、図8の光学系の光源(レーザ)から
のレーザビームをビームスプリッタ(ハーフミラー)で2
ビームに分割し拡大した後に、数1あるいは数2で決定
した角θ(θ1,θ2)で基板(フォトレジスト基板)に入射
させる。このようにして、フォトレジスト上には縞模様
のパターンが露光され、そのピッチは、一例として、波
長λ=4880Å=488nm、θ=π/4の場合、Λ
≒345.1nmとなる。すなわち数百nmとなる。さ
らに照射される光の縞模様と直交する方向の強度分布は
図10に示すように正弦波となる。従って、フォトレジ
ストを露光・現像した後のレジストの縞形状の断面形状
は図11に示すように先端が丸くなった先鋭化された形
状になり、その曲率半径は50から60nmになる。従
って、このような二光束干渉露光法を用いて、先鋭化さ
れたエミッタを作製することができる。
【0072】図12はこの作製方法を説明するための図
である。図12を参照すると、まず、基板1に、レジス
ト2として、ポジレジストであるノボラック系のフォト
レジスト(例えば東京応化製TSMR−V90)をスピン
コートなどの方法で塗布し、第一回目の露光を行なう
(図12(a))。この後、基板を90度回転させ、第一回
目の露光と同様に、第二回目の露光を行なう(図12
(b))。この後,現像を行なう。レジストはポジ型なの
で、現像を行なうと、図12(c)の黒い部分のように、
二回の露光で露光されなかったところだけが残る。結果
として、レジスト2の形状は、先端の曲率半径が図11
と同様に数十nmで、ピッチが数百nmの先鋭化された
エミッタ形状が図13のように格子状に配列された形と
なる。
【0073】この後、Ar+イオン注入を行なうことに
よりレジスト2は低抵抗化され、エミッタとしての機能
を発揮するようになる。ここで、Ar+イオンの注入条
件は、一例として加速電圧:100Kev、注入量:3
×1016cm-2である。なお、ここではレジストのエミ
ッタ形状を作製した後、低抵抗化を行なっているが、最
初から抵抗の低いレジストを用いても同様なエミッタを
作製することができる。
【0074】このように、二光束干渉露光法を用いる方
法では、X線リソグラフィーのような高価な設備なしに
高密度にエミッタを作製することができる。また、レジ
スト2がそのままエミッタとなり、また、光の干渉縞に
よる露光でエミッタを作製しているので、エミッタ間隔
が確実に決まり、これにより、工程が簡単になり歩留ま
りが向上する。
【0075】なお、二光束干渉露光の回数は2回に限ら
れることはなく3回以上でも良い。また露光の後に、次
の露光のために基板を回転させる角度は90度に限られ
ることはなく他の角度でもよい。また光束の数も二つに
限らず、三つ、四つでも良い。この時、干渉模様はドッ
ト状になるので、基板を回転しなくても一度の露光で済
ませることも可能である。
【0076】このように、二光束干渉露光法を用いる場
合には、エミッタ形状に加工されたフォトレジストその
ものを低抵抗化することによりエミッタとしての機能を
持たせている。換言すれば、上述の工程例では、エミッ
タ材料としては低抵抗化されたフォトレジストに限定さ
れる。しかしながら、実際は、より高い耐プロセス性や
放射電流の安定性等の理由から所望の材料を用いたい場
合がある。
【0077】図14には、エミッタ材料を例えばDLC
(Diamond Like Carbon)にしたい場合が示されている。
この場合には、まず、基板1上に、エミッタ材料2とし
て、DLCをデポしておく。その上に、レジスト2’と
して、例えば東京応化製フォトレジストOFPR500
0をスピンコートにより塗布し、90℃、30分でプリ
ベークする。その後、前述のように二光束干渉露光、現
像を行ない、110℃、20分のポストベークを行なっ
てエミッタ形状を作製する(図14(a))。この後、RI
Eによりエッチングを行なう。この時、フォトレジスト
2’とDLC2のエッチングスピードをほぼ等しくする
ために、エッチングガスを流量比CO2:Ar=30s
ccm:7.5sccmの混合ガスとし、圧力0.05
Torr、パワー密度4mW/mm2でエッチングを行
なう。この条件ではDLC2とフォトレジスト2’のエ
ッチレートがほぼ等しいので、フォトレジスト2’のエ
ミッタ形状がそのままDLC2に転写される(図14
(b))。以上のような方法で、二光束干渉法により作製
されるエミッタ形状を持つDLCのエミッタを作製する
ことができる。なお、エッチングガスとして、CO2
代わりにO2を用いても同様な加工を行なうことができ
る。また、ここでは、エミッタ材料2としてDLCを用
いたが、レジストと等しいエッチレートで加工できる材
料エッチング条件の組み合わせであれば、他の材料でも
同様のエミッタを作製できることは言うまでもない。
【0078】図14のような方法によりエミッタを所望
の材料で作製することができるが、実際には、放射電流
を制御するためにゲート電極を持つ構造が必要になる。
図15は二光束干渉露光法により前述のような仕方で作
製したエミッタにゲート構造を作製する工程例を示す図
である。
【0079】図15の工程例では、先ず、二光束干渉露
光法によりエミッタ2を形成する(図15(a)。この場
合、エミッタ2は、二光束干渉露光法によりDLC上に
エミッタ形状のフォトレジストパターンを形成後、RI
Eによりフォトレジストのエミッタ形状をDLCに転写
して形成されても良いし、あるいは、二光束干渉露光法
によりエミッタ形状のレジストパターンを形成し、これ
をハードベークした後、Ar+イオン注入によりレジス
トを低抵抗化して形成されても良い。
【0080】このようにして、エミッタ2を作製した
後、ゲート絶縁膜5とゲート電極膜6をデポする(図1
5(b))。
【0081】その後、エミッタ形状が埋もれるようにレ
ジスト7を塗布する(図15(c))。この時、塗布したレ
ジスト7の表面が平坦化されるように膜厚等を調整す
る。この後、レジスト7をO2ガスあるいはO2に微量の
CHF3を添加した混合ガスによりドライエッチングで
エッチバックする(図15(d))。そして、エミッタ2の
先端上のゲート電極6が露出したところでエッチングを
終了する。エッチングを終了する時刻、いわゆるエンド
ポイントの検知は顕微鏡でエッチング中の表面を観察
し、先端が現われたところでエッチングを中止するよう
にして行なうことができる。しかし、より効率的には、
2ガスあるいはO2とCHF3の混合ガスにArなどの
物理的エッチングを行なうためのガスを混合したものを
エッチングガスとして使用し、ドライエッチング装置の
チャンバ内ガス中のゲート電極材料の分圧を分圧真空計
(真空分析計とも言う)により測定しながらエッチングを
行なう。レジストのエッチングが進み、ゲート電極が露
出するとエッチングガス中のArの働きによりゲート電
極がエッチングされ始め、チャンバ内のガス中に放出さ
れる。したがって、チャンバ内ガス中のゲート電極材料
の分圧が上昇する。これを先に述べた分圧真空計で検出
し、エッチングのエンドポイントを検知することができ
る。
【0082】このようにして、レジスト7のエッチバッ
クを行なった後、主にウェットエッチングによりゲート
電極6とゲート絶縁膜5をエッチングし開口を作製する
(図15(e))。しかる後、レジスト7を剥離液または酸
素プラズマで除去し、ゲート電極を持つ構造を作製する
(図15(f))。
【0083】以上のような方法でゲート電極を持つ構造
を作製することができる。なお、エミッタ先端のゲート
電極のみを露出する方法としては上記のエッチバック以
外に、レジスト全面に、現像後のエミッタ先端のゲート
電極のみがレジストから露出するように適当なパワーで
露光を行ない、現像、ベークを行なうようにしても良
い。
【0084】また、図15の説明では、エミッタ2が二
光束干渉露光法により作製されるとしたが、図15の工
程例において、エミッタとしては二光束干渉露光法以外
の方法(例えば、図4乃至図7のいずれかの方法、ある
いは、後述の種々の方法)で作製したエミッタにも、図
15の工程(ゲート電極をもつ構造の作製工程)を適用で
きる。
【0085】図16は本発明に係る電界放出型電子源の
他の作製工程例を示す図である。図16の作製工程例で
は、基板1上に第一のフォトレジスト12を塗布し、該
第一のフォトレジスト12上に第一のフォトレジスト1
2と反対のトーンの第二のフォトレジスト14を塗布
し、エミッタ作製のための露光を行なった後、第二のレ
ジスト14と第一のレジスト12を現像することによ
り、第二のレジスト14をゲート電極とし、第一のレジ
スト12をエミッタとする引き出しゲート電極構造を作
製することを意図している。
【0086】すなわち、図16の工程例では、より具体
的には、基板1上にポジレジスト12を塗布後、プリベ
ークを行ない、その上に、いわゆるミキシング防止膜1
3を塗布し、さらにその上にネガレジスト14あるいは
ネガの感光性ポリイミド14を塗布し、プリベークを行
なう(図16(a))。ここで、ポジレジスト12としては
例えば東京応化製TSMR−V90を用い、ミキシング
防止膜13としては例えば東京応化製TPFを用い、ネ
ガレジスト14としては例えば東京応化製THMR−i
N PS4を用い、また、感光性ポリイミド14として
は例えば宇部興産製LITHOCOAT PI−400
を用いることができる。
【0087】その後、前述した二光束干渉露光を行なう
(図16(b))。そして、先ず、上層のネガレジストまた
は感光性ポリイミド14を現像する(図16(c))。次い
で、ミキシング防止膜13を除去する(図16(d))。こ
こで、ミキシング防止膜13に東京応化製TPFのもの
を使用する場合は、水で除去を行なう。次いで、ポジレ
ジスト12を現像する(図16(e))。ここで、ポジレジ
スト12は、前述したように光が照射されないところが
残るので、格子状にエミッタ形状が配置される。一方、
上層のネガレジストまたは感光性ポリイミド14は、光
が照射されたところが残るので、下層のポジレジスト1
2のエミッタ形状が突出しているところがなくなり、エ
ミッタとエミッタの間の部分が残る。すなわち、エミッ
タと位置がアライメントされた網状の形状になる。この
後、ハードベーク、Ar+イオン注入により、ポジレジ
スト12とネガレジスト(あるいは感光性ポリイミド)1
4が同時に低抵抗化される。先に述べたように、上層の
ネガレジスト(あるいは感光性ポリイミド)14は、ポジ
レジスト12のエミッタ先端上が開口している網形状に
なっているので、低抵抗化されればゲート電極として機
能する。以上述べた加工法は露光、現像のみでエミッタ
とゲート電極を同時に作製できるので非常に工程が簡単
である。
【0088】なお、図16の工程例においても、二光束
干渉露光の回数は2回に限られることはなく3回以上で
もよい。また、露光の後に、次の露光のために基板を回
転させる角度は90度に限られることはなく他の角度で
もよい。また光束の数も二つに限らず、三つ、四つでも
良い。この時、干渉模様はドット状になるので、基板を
回転しなくても一度の露光で済ませることも可能であ
る。また、特に干渉露光法を用いず、一般的なフォトマ
スクを用いた露光方法でも上記と同様にゲート電極とエ
ミッタを同時に作製することができる。
【0089】また、図17は本発明に係る電界放出型電
子源の他の作製工程例を示す図である。図17の作製工
程例では、エミッタ材料となる膜2上にフォトレジスト
2’を塗布し、二つ以上の光束の干渉により生じる干渉
模様によりフォトレジスト2’を露光する干渉露光法に
より、基板上のフォトレジスト2’を露光し、現像し、
作製したレジストパターンをエッチングマスクとしてエ
ミッタ材料2をエッチングしてエミッタ形状に加工する
ことを意図している。
【0090】すなわち、図17の工程例では、より具体
的に、基板1上にSi,Wなどのエミッタ材料膜2を形
成し、このエミッタ材料膜2の上に、東京応化製TSM
R−V90等のポジ型レジスト2’を1μm程度以下の
膜厚で塗布する(図17(a))。次いで、前述した二光束
干渉露光法により露光、現像を行なう。この結果、レジ
スト2’は、露光されなかった部分が格子状のレジスト
パターンとして残る(図17(b))。しかる後、このレジ
ストパターン2’をエッチングマスクとしてドライエッ
チングを行なう。実際にはRIE装置でSF6/O2/C
HF3の混合ガスによりエッチングを行なう。CHF3
作用によりエッチングは等方性になり、レジストパター
ン2’の下のエミッタ材料2がアンダーエッチングされ
る(図17(c))。この後、O2プラズマ、剥離液などに
よりレジスト2’を除去し(図17(d))、図17(c)と
同様に等方性エッチングを行なうことにより、エミッタ
材料2の先端を丸くする(図17(e))。
【0091】以上のような方法でエミッタ形状を作製す
る際、レジストパターン2’は二光束干渉露光法により
数百nmピッチで作製できる。このように、X線リソグ
ラフィーを用いなくても高密度にエミッタ2を作製でき
る。
【0092】なお、この場合も、二光束干渉露光の回数
は2回に限られることなく3回以上でも良い。また、露
光の後に、次の露光のために基板を回転させる角度は9
0度に限られることはなく他の角度でもよい。また光束
の数も二つに限らず、三つ、四つでも良い。この時、干
渉模様はドット状になるので、基板を回転しなくても一
度の露光で済ませることも可能である。
【0093】なお、図17の工程例では、レジスト2’
をエッチングマスク材として用いており、上記工程例の
ようにレジスト2’がエッチングマスクで、エミッタ材
料2がSi等の無機系の場合は主にSF6/O2/CHF
3の混合ガスによりエミッタ材料2のエッチングが可能
なので問題ない。しかしながら、例えばエミッタ材料2
が炭素系の場合はエッチングの選択比の点から問題が生
じる。すなわち、炭素系のエミッタ材料2をRIE等で
ドライエッチングする場合、エッチング後の表面の荒れ
を防ぐため、O2/CHF3の混合ガスによるRIEまた
はO2のみの等方性ドライエッチングを行なうが、この
時、このO2ガスによりレジスト2’もエッチングされ
てしまうという問題が生じる。
【0094】図18は本発明に係る電界放出型電子源の
他の作製工程例を示す図である。図18の作製工程例
は、図17の工程例における上述のような問題を回避す
ることを意図しており、エミッタ材料膜上にマスキング
材料膜を形成した上で、マスキング材料膜上にフォトレ
ジストを塗布し、二つ以上の光束の干渉により生じる干
渉模様によりフォトレジストを露光する干渉露光法によ
り、基板上のフォトレジストを露光し、現像し、作製し
たレジストパターンをエッチングマスクとしてマスキン
グ材料をエッチングし、パターニングされたレジストと
マスキング材料あるいはマスキング材料のみをエッチン
グマスクとしてエミッタ材料をエッチングしてエミッタ
形状に加工することを特徴としている。
【0095】すなわち、図18の工程例は、より具体的
には、炭素系のエミッタ材料2とレジスト2’との間
に、O2に微量のCHF3を添加した混合ガスによるエッ
チングに耐える材料の膜(例えばSiO2、Si34等)
17を介在させる(図18(a))。ここで、レジスト2’
としては例えば東京応化製TSMR−V90等のポジ型
レジストを用いる。
【0096】しかる後、二光束干渉露光法によりポジレ
ジスト2’のレジストパターンを形成する(図18
(b))。そして、このレジストパターン2’をマスクに
してSiO2、Si34等の膜17をエッチング・パタ
ーニングする(図18(c))。
【0097】このように膜17をエッチングした後、エ
ッチングした膜17をマスクとして(マスキング材とし
て)炭素系エミッタ材料2をエッチングする(図18
(d))。実際には、O2のみの等方性ドライエッチングあ
るいはO2/CHF3の混合ガスでRIE装置によりエッ
チングを行なう。このようなエッチングは等方性がある
ので、レジストパターンの下のエミッタ材料がアンダー
エッチングされる。
【0098】その後、レジストを剥離液または酸素プラ
ズマにより除去し、マスキング材17を弗酸あるいはC
HF3に微量のO2を混合したガスのドライエッチングに
より除去する(図18(e))。次いで、前述したと同様に
等方性エッチングによりエミッタ材料2の先端を丸める
(図18(f))。このような方法によりレジストを使いつ
つ、炭素系エミッタ材料2を加工することができ、エミ
ッタ材料の選択の自由度を広げることができる。
【0099】上述の例では、マスキング材料17とし
て、SiO2、Si34等を用いたが、マスキング材1
7としてはSiO2、Si34等に限定されることな
く、レジストを侵さずにエッチングされ、且つエミッタ
材料をエッチングするガスまたは液体に侵されない任意
の材料を用いることができる。
【0100】また、図18の工程例でも、レジストパタ
ーンは二光束干渉露光法により数百nmピッチで作製で
きるので、X線リソグラフィーを用いなくても高密度に
エミッタを作製できる。また、この場合も、二光束干渉
露光の回数は2回に限られることはなく3回以上でも良
い。また露光の後に、次の露光のために基板を回転させ
る角度は90度に限られることはなく他の角度でもよ
い。また光束の数も二つに限らず、三つ、四つでも良
い。この時、干渉模様はドット状になるので、基板を回
転しなくても一度の露光で済ませることも可能である。
【0101】また、図19は本発明に係る電界放出型電
子源の他の作製工程例を示す図である。図19の作製工
程例では、エミッタ材料となる膜2上にフォトレジスト
2’を塗布し、二つ以上の光束の干渉により生じる干渉
模様によりフォトレジストを露光する干渉露光法によ
り、基板上のフォトレジスト2’を露光し、現像し、作
製したレジストパターンをエッチングマスクとしてエミ
ッタ材料2をエッチングしてエミッタ形状に加工し、該
レジストパターンをキャップとしてゲート絶縁膜5とゲ
ート電極膜6を堆積し、その後、レジストパターンを除
去することにより、引き出しゲート電極を持つ構造とし
たことを特徴としている。
【0102】すなわち、図19の工程例では、より具体
的に、基板1上にSi,Wなどのエミッタ材料膜2を形
成し、このエミッタ材料膜2の上に東京応化製TSMR
−V90等のポジ型レジスト2’を1μm程度以下の膜
厚で塗布する(図19(a))。次いで、前述した二光束干
渉露光法により露光、現像を行なう。この結果、レジス
ト2’は、露光されなかった部分が格子状のレジストパ
ターンとして残る(図19(b))。しかる後、このレジス
トパターン2’をエッチングマスクとしてドライエッチ
ングを行なう。実際にはRIE装置でSF6/O2/CH
3の混合ガスによりエッチングを行なう。CHF3の作
用によりエッチングは等方性になり、レジストパターン
2’の下のエミッタ材料2がアンダーエッチングされる
(図19(c))。
【0103】しかる後、レジスト2’をキャップ材とし
てゲート絶縁膜(例えばSiO2)5を蒸着する。なお、
この際、キャップ2’下へのデポ膜の回り込みがあると
いけないので、CVDなどの回り込みの良いデポ方法で
はなく、チムニーなどを用いた真空蒸着法が好ましい。
さらに、ゲート電極膜(例えばNb)6を同様に真空蒸着
法でデポする。これによりエミッタ2の先端にはゲート
絶縁膜5とゲート電極膜6はデポされず、また、エミッ
タ2の周辺に隙間が残る(図19(d))。
【0104】しかる後、剥離液あるいはO2ガスのドラ
イエッチングによりレジスト2’を除去する。これによ
り、レジスト2’上のゲート絶縁膜5とゲート電極6は
レジスト2’とともに除去され、また、ゲート絶縁膜5
の開口も広がる(図19(e))。次いで、エミッタ2の先
端に丸みをつける必要がある場合、等方的なドライエッ
チング(CHF3のみまたはSF6とCHF3またはSF6
とCHF3とO2の混合ガス)により先端を丸める(図19
(f))。
【0105】以上のような方法でエミッタ形状とゲート
構造が作製され、ゲート電極6へ印加する電圧により電
界放射を制御することができる。
【0106】図19の工程例でもレジストパターンは二
光束干渉露光法により数百nmピッチで作製できるの
で、X線リソグラフィーを用いなくても高密度にエミッ
タを作製できる。また、エミッタ材料も、Siに限ら
ず、W、Mo、Ta、Pt、SiCなどでも良い。ま
た、ゲート絶縁膜,ゲート電極膜の材料もSiO2、N
bに限らず、プロセス上問題ない範囲で他の材料を選択
できる。例えば、ゲート絶縁膜には、Si34,Al2
3,低分子量四フッ化エチレン樹脂(PTFE)などの
有機絶縁膜を用いることができゲート電極膜には、A
l,Pt等の金属を用いることができる。
【0107】また、二光束干渉露光の回数は2回に限ら
れることはなく3回以上でもよい。また露光の後に、次
の露光のために基板を回転させる角度は90度に限られ
ることはなく他の角度でも良い。また光束の数も二つに
限らず、三つ、四つでも良い。この時、干渉模様はドッ
ト状になるので、基板を回転しなくても一度の露光で済
ませることも可能である。
【0108】なお、図19の工程例では、レジストをエ
ッチングマクス材として用いており、上記工程例のよう
にレジストがエッチングマスクで、エミッタ材料がSi
等の無機系の場合は主にSF6/O2/CHF3の混合ガ
スによりエミッタ材料のエッチングが可能なので問題な
い。しかしながら、例えばエミッタ材料が炭素系の場合
はエッチングの選択比の点から問題が生じる。すなわ
ち、炭素系をRIE等でドライエッチングする場合、エ
ッチング後の表面の荒れを防ぐため、O2に微量のCH
3を添加した混合ガスによるRIEまたはO2のみの等
方性ドライエッチングを行なうが、この時、このO2
スによりレジストもエッチングされてしまうという問題
が生じる。
【0109】図20は本発明に係る電界放出型電子源の
作製工程例を示す図である。図20の作製工程例は、図
19の工程例における上述のような問題を回避すること
を意図しており、エミッタ材料膜上にマスキング材料膜
を形成した上で、マスキング材料膜上にフォトレジスト
を塗布し、二つ以上の光束の干渉により生じる干渉模様
によりフォトレジストを露光する干渉露光法により、基
板上のフォトレジストを露光し、現像し、作製したレジ
ストパターンをエッチングマスクとしてマスキング材料
をエッチングし、パターンニングされたレジストとマス
キング材料あるいはマスキング材料のみをエッチングマ
スクとしてエミッタ材料をエッチングしてエミッタ形状
に加工し、パターニングされたレジストとマスキング材
料あるいはマスキング材料のみをキャップとしてゲート
絶縁膜とゲート電極膜を堆積し、その後、レジストとマ
スキング材料を除去することにより、引き出しゲート電
極をもつ構造とすることを特徴としている。
【0110】すなわち、図20を参照すると、炭素系エ
ミッタ材料2とレジスト2’との間に例えばO2に微量
のCHF3を添加した混合ガスによるエッチングに耐え
る材料の膜(例えばSiO2,Si34等)17を介在さ
せる(図20(a))。ここで、レジスト2’としては例え
ば東京応化製TSMR−V90等のポジ型レジストを用
いる。
【0111】しかる後、二光束干渉露光法によりポジレ
ジスト2’のレジストパターンを形成する(図20
(b))。そして、このレジストパターンをマスクにして
SiO2,Si34等の膜17をエッチング・パターニ
ングする(図20(c))。
【0112】このように膜17をエッチングした後、エ
ッチングした膜17をマスクとして炭素系エミッタ材料
2をエッチングする(図20(d))。実際には、O2のみ
の等方性ドライエッチングあるいはO2に微量のCHF3
を混合したガスでRIE装置によりエッチングを行な
う。このようなエッチングは等方性があるので、レジス
トパターンの下のエミッタ材料2がアンダーエッチング
される。
【0113】その後、エッチングマスク材17をキャッ
プ材としてゲート絶縁膜(例えばSiO2)5を蒸着す
る。なお、この際、キャップ17下へのデポ膜の回り込
みがあるといけないので、CVDなどの回り込みの良い
デポ方法ではなく、チムニーなどを用いた真空蒸着法が
好ましい。さらに、ゲート電極膜(例えばNb)6を同様
に真空蒸着法でデポする。これによりエミッタ2の先端
にはゲート絶縁膜5とゲート電極膜6はデポされず、ま
た、エミッタ2の周辺に隙間が残る(図20(e))。
【0114】しかる後、弗酸あるいはCHF3に微量の
2を混合したガスのドライエッチングによりマスキン
グ材料17を除去する。これにより、マスキング材料1
7上のゲート絶縁膜5とゲート電極6はマスキング材料
17とともに除去され、またゲート絶縁膜5の開口も広
がる(図20(f))。次いで、図19(f)の工程と同様に
等方性エッチングによりエミッタ2の先端を丸める(図
20(g))。このような方法によりレジストを使いつ
つ、炭素系エミッタ材料を加工することができ、エミッ
タ材料の選択の自由度を広げることができる。
【0115】以上のような方法でエミッタ形状とゲート
構造が作製され、ゲート電極6へ印加する電圧により電
界放射を制御することができる。図20の工程例でも、
レジストパターンは二光束干渉露光法により数百nmピ
ッチで作製できるので、X線リソグラフィーを用いなく
ても高密度にエミッタを作製できる。
【0116】また、二光束干渉露光の回数は2回に限ら
れることはなく3回以上でも良い。また露光の後に、次
の露光のために基板を回転させる角度は90度に限られ
ることはなく他の角度でもよい。また光束の数も二つに
限らず、三つ、四つでも良い。この時、干渉模様はドッ
ト状になるので、基板を回転しなくても一度の露光で済
ませることも可能である。
【0117】また、エミッタ材料膜上にマスキング材料
を島状構造に堆積し、該島状構造のマスキング材料をエ
ッチングマスクとしてエミッタ材料をエッチングしてエ
ミッタ形状に加工することもできる。すなわち、薄膜の
形成過程の初期に生じる島状構造をマスキング材料に利
用することもできる。図21はAgの薄膜を10-8To
rrの真空中、基板温度180℃で基板上に20nm程
度の膜厚で蒸着した場合(この段階で蒸着を停止した場
合)の結果(最もありふれた例の一つとして、Agを基板
上に蒸着したときの静的方法による電子顕微鏡観察の結
果)を示す図である。このように形成されたAg薄膜
は、肉眼では一様に見えるが、電子顕微鏡で倍率を拡大
して観察すると、図21のように必ずしも一様でないこ
とがわかる。特に、質量膜厚が十分小さいと、薄膜は連
続的ではなく、島が点々と海の上に浮いているような構
造になっていることがわかる。このような状態の構造を
島状構造(island structure)という。大部分の薄膜は、
形成の初期にはこのような島状構造をもつ。図21の島
の大きさは数十nmであり、これをエミッタ材料2のマ
スクあるいはゲート絶縁膜5とゲート電極6を蒸着する
ときのキャップとして用い、エミッタ形状やゲート構造
をもつ電界放射型電子源を作製することができる。
【0118】図22は本発明に係る電界放出型電子源の
他の作製工程例を示す図であり、図22の工程例では、
薄膜の形成過程の初期に生じる島状構造をマスキング材
料に利用している。但し、図22の例(さらには以下の
各例)では、Agの島状構造のかわりに、Alの縞状構
造を用いる場合が示されている。図22を参照すると、
基板1上にエミッタ材料2をデポする(図22(a))。こ
こで、エミッタ材料2としては、Si,DLC,フォト
レジストなどの金属以外の材料を用いる。このようにエ
ミッタ材料をデポした後、Alを真空蒸着し、島状構造
17が残っている段階で蒸着を停止する(図22(b))。
しかる後、この島状構造17をエッチングマスクとして
ドライエッチングを行なう。実際には、エミッタ材料2
がSiの場合はSF6/O2/CHF3の混合ガスによ
り、DLCやフォトレジストなど炭素系材料の場合はO
2のみまたはO2に微量のCHF3を混合したガスによ
り、RIE装置でエッチングを行なう。この場合、CH
3の作用によりエッチングは等方性になり、島状構造
パターン17の下のエミッタ材料2がアンダーエッチン
グされる(図22(c))。この後、塩素系ガスのプラズマ
や50℃程度の燐酸+酢酸+水の混合液などにより島状
構造17を除去し(図22(d))、図22(c)の工程と同
様に等方性エッチングを行なうことにより、エミッタ2
の先端を丸くする(図22(e))。
【0119】以上のような方法でエミッタ形状を作製で
き、この際、島状構造は真空蒸着により数百nmピッチ
で作製できるので、X線リソグラフィーを用いなくても
高密度にエミッタを作製できる。
【0120】なお、図22の工程例のようにAlの島状
構造がエッチングマスクで、エミッタ材料がSiの場合
はSF6/O2/CHF3の混合ガスにより、また、エミ
ッタ材料がDLCやフォトレジストなどの炭素系材料の
場合はO2に微量のCHF3を添加した混合ガスにより、
エッチングを行なうので問題ない。しかしながら、エミ
ッタ材料が例えばW、Ti、Ta、Ptなどの金属の場
合は、Al島状構造とエミッタ材料とのエッチングの選
択比の点から問題が生じる。すなわち、金属をRIE等
でドライエッチングする場合、塩素系のガスによるRI
Eでエッチングを行なうが、この時、この塩素系ガスに
よりAl島状構造もエッチングされてしまうという問題
が生じる。
【0121】図23は本発明に係る電界放出型電子源の
他の作製工程例を示す図である。図23の作製工程例
は、図22の工程例における上述のような問題を回避す
ることを意図しており、エミッタ材料膜上の第一のマス
キング材料膜上に、島状構造に第二のマスキング材料を
堆積し、該島状構造の第二のマスキング材料をエッチン
グマスクとして第一のマスキング材料をエッチングし、
第二のマスキング材料と第一のマスキング材料あるいは
第一のマスキング材料のみをエッチングマスクとしてエ
ミッタ材料をエッチングしてエミッタ形状に加工するこ
とを特徴としている。
【0122】すなわち、図23を参照すると、基板1上
にW、Ti、Ta、Ptなどの金属のエミッタ材料2を
形成し、このエミッタ材料膜2上に、塩素ガスによるエ
ッチングに耐える材料の膜(例えばSiO2、Si3
4等)17をデポする(図23(a))。しかる後、前述した
ように、Alを真空蒸着し、島状構造17’が残ってい
る段階で蒸着を停止する(図23(a))。
【0123】しかる後、このAl島状構造17’をマス
クにしてSiO2、Si34等の膜17をエッチング・
パターニングし(図23(c))、これをマスキング材17
として、金属のエミッタ材料2をエッチングする。実際
には、塩素系ガスを用いて等方性エッチングを行なう。
これにより、Al島状構造の下のエミッタ材料2がアン
ダーエッチングされる(図23(d))。
【0124】その後、塩素系ガスのプラズマや50℃程
度の燐酸+酢酸+水の混合液などにより、Al島状構造
17’を除去し、マスキング材17を弗酸あるいはCH
3に微量のO2を添加した混合ガスにより除去し(図2
3(e))、塩素系ガスあるいはウェットエッチャントの
等方性エッチングにより、エミッタ2に丸みをつける
(図23(f))。このような方法により、島状構造を使い
つつ、エミッタ材料の選択の自由度を広げることができ
る。なお、マスキング材料17は、SiO2、Si34
等に限定されるものではなく、島状構造を侵さずにエッ
チングされ、かつ、エミッタ材料をエッチングするガス
または液体に侵されない任意の材料を用いることができ
る。
【0125】以上のような方法で、金属のエミッタ材料
に関しても、エミッタ形状を作製できる。この場合、島
状構造は真空蒸着により数百nmピッチで作製できるの
で、X線リソグラフィーを用いなくても高密度にエミッ
タを作製できる。
【0126】図24は本発明に係る電界放出型電子源の
他の作製工程例を示す図であり、図24の工程例では、
エミッタ材料膜上に島状構造にマスキング材料を堆積
し、該島状構造のマスキング材料をエッチングマスクと
してエミッタ材料をエッチングしてエミッタ形状に加工
し、島状構造のマスキング材料をキャップとしてゲート
絶縁膜とゲート電極膜を堆積し、その後、島状構造のマ
スキング材料を除去することにより、引き出しゲート電
極をもつ構造とすることを特徴としている。
【0127】すなわち、図24の工程例では、基板1上
にエミッタ材料2をデポする(図24(a))。ここで、エ
ミッタ材料2としては、Si,DLC,フォトレジスト
などの金属以外の材料を用いることができる。しかる
後、前述したように、Alを真空蒸着し、島状構造17
が残っている段階で蒸着を停止する(図24(b))。
【0128】しかる後、この島状構造17をエッチング
マスクとしてエミッタ材料2にドライエッチングを行な
う。実際には、エミッタ材料がSiの場合はSF6/O2
/CHF3の混合ガスにより、DLCやフォトレジスト
など炭素系材料の場合はO2/CHF3の混合ガスによ
り、RIE装置でエッチングを行なう。この場合、CH
3の作用によりエッチングは等方性になり、島状構造
パターン17の下のエミッタ材料2がアンダーエッチン
グされる(図24(c))。
【0129】しかる後、Al島状構造17をキャップ材
としてゲート絶縁膜(例えばSiO2)5を蒸着する。な
お、この際、キャップ17の下へのデポ膜の回り込みが
あるといけないので、CVDなどの回り込みの良いデポ
方法ではなく、チムニーなどを用いた真空蒸着法が好ま
しい。さらに、ゲート電極膜(例えばNb)6を同様に真
空蒸着法でデポする。これによりエミッタ2の先端には
ゲート絶縁膜5とゲート電極膜6はデポされず、また、
エミッタ2の周辺に隙間が残る(図24(d))。
【0130】この後、塩素系ガスのプラズマや50℃程
度の燐酸+酢酸+水の混合液などにより島状構造17を
除去する。これにより、Al島状構造17上のゲート絶
縁膜5とゲート電極6はAl島状構造17とともに除去
される(図24(e))。次いで、等方性エッチングを行な
うことにより、エミッタ2の先端を丸くする(図24
(f))。以上のような方法でエミッタ形状とゲート構造
が作製され、ゲート電極へ印加する電圧により電界放射
を制御することができる。島状構造は真空蒸着により数
百nmピッチで作製できるので、X線リソグラフィーを
用いなくても高密度にエミッタを作製できる。
【0131】なお、図24の工程例のようにAlの島状
構造がエッチングマスクで、エミッタ材料がSiの場合
はSF6/O2/CHF3の混合ガスにより、また、エミ
ッタ材料がDLCやフォトレジストなどの炭素系材料の
場合はO2/CHF3の混合ガスにより、エッチングを行
なうので問題ない。しかしながら、エミッタ材料が例え
ばW、Ti、Ta、Ptなどの金属の場合はAl島状構
造とエミッタ材料とのエッチングの選択比の点から問題
が生じる。すなわち、金属をRIE等でドライエッチン
グする場合、塩素系のガスによるRIEでエッチングを
行なうが、この時、この塩素系ガスによりAl島状構造
もエッチングされてしまうという問題が生じる。
【0132】図25は本発明に係る電界放出型電子源の
作製工程例を示す図であり、図25の作製工程例は、図
24の工程例における上述のような問題を回避すること
を意図しており、エミッタ材料膜上に第一のマスキング
材料膜を形成した上で、第一のマスキング材料膜上に、
第二のマスキング材料を島状構造に堆積し、該島状構造
の第二のマスキング材料をエッチングマスクとして第一
のマスキング材料をエッチングし、第二のマスキング材
料と第一のマスキング材料あるいは第一のマスキング材
料のみをエッチングマスクとしてエミッタ材料をエッチ
ングしてエミッタ形状に加工し、第二マスキング材料と
第一のマスキング材料あるいは第一のマスキング材料の
みをキャップとしてゲート絶縁膜とゲート電極膜を堆積
し、その後、第二のマスキング材料と第一のマスキング
材料あるいは第一のマスキング材料のみを除去すること
により、引き出しゲート電極をもつ構造とすることを特
徴としている。
【0133】すなわち、図25を参照すると、基板1上
にW、Ti、Ta、Ptなどの金属のエミッタ材料2を
形成し、このエミッタ材料上に塩素ガスによるエッチン
グに耐える材料の膜(例えばSiO2、Si34等)17
をデポする(図25(a))。
【0134】しかる後、前述したように、Alを真空蒸
着し、島状構造17’が残っている段階で蒸着を停止す
る(図25(b))。しかる後、このAl島状構造17’を
マスクにしてSiO2、Si34等の膜17をエッチン
グ・パターニングし(図25(c))、これをマスキング材
17として、金属のエミッタ材料2をエッチングする。
実際には、塩素系ガスを用いて等方性エッチングを行な
う。これにより、Al島状構造の下のエミッタ材料がア
ンダーエッチングされる(図25(d))。
【0135】その後、マスキング材17をキャップ材と
してゲート絶縁膜(例えばSiO2)5を蒸着する。な
お、この際、キャップ下へのデポ膜の回り込みがあると
いけないので、CVDなどの回り込みのよいデポ方法で
はなく、チムニーなどを用いた真空蒸着法が好ましい。
さらに、ゲート電極膜(例えばNb)6を同様に真空蒸着
法でデポする。これによりエミッタ2の先端にはゲート
絶縁膜5とゲート電極膜6はデポされず、また、エミッ
タ2の周辺に隙間が残る(図25(e))。
【0136】その後、塩素系ガスのプラズマや50℃程
度の燐酸+酢酸+水の混合液などによりAl島状構造1
7’を除去し、マスキング材17を弗酸あるいはCHF
3に微量のO2を添加した混合ガスにより除去し(図25
(f))、塩素系ガスあるいはウェットエッチャントの等
方性エッチングによりエミッタ材料2に丸みをつける
(図25(g))。このような方法により、島状構造を使い
つつ、エミッタ材料の選択の自由度を広げることができ
る。なお、マスキング材料17は、SiO2、Si34
等に限定されるものではなく、島状構造を侵さずにエッ
チングされ、かつ、エミッタ材料をエッチングするガス
または液体に侵されない任意の材料を用いることができ
る。
【0137】以上のような方法で、エミッタ形状とゲー
ト構造が作製され、ゲート電極へ印加する電圧により電
界放射を制御することができる。この場合、島状構造は
真空蒸着により数百nmピッチで作製できるので、X線
リソグラフィーを用いなくても高密度にエミッタを作製
できる。
【0138】また、前述した図15の作製工程例におい
て、ゲート構造の作製工程は次のような問題を含んでい
る。すなわち、図15(d)の工程において、レジストを
エッチングするとき、微小なエミッタ形状の先端部分が
レジストの表面に表われたところを分圧真空計により検
知してエッチングを止めるが、エッチングレートそのも
のが基板内でばらついているため、またフォトレジスト
の膜厚がばらついているため、一部のエミッタはエミッ
タ先端がレジスト表面に出ていなかったり、あるいは出
過ぎてしまったりする。出過ぎてしまった場合、RIE
は物理的エッチングの作用によりゲート電極膜6やゲー
ト絶縁膜5もエッチングしてしまい、開口部の形状が所
望の形に仕上がらないという欠点がある。
【0139】図26は本発明に係る電界放出型電子源の
他の作製工程例を示す図であって、図26の工程例で
は、図15の工程例における上述の欠点を回避し、確実
に開口を作製することを意図している。
【0140】すなわち、図26を参照すると、エミッタ
形状2を作製した後(図26(a))、ゲート絶縁膜5とゲ
ート電極膜6をデポする(図26(b))。その後、エミッ
タ形状の突出部が埋もれないようレジスト膜厚を調整し
てフォトレジスト2’を塗布し、次いで、ガラス板ある
いは石英板のようなフォトレジストが感光性をもつ波長
の光に対して透明である板19をエミッタ先端部分のフ
ォトレジスト2’のみに接触するように載置する(図2
6(c))。この板(例えば、ガラス板)19において、フ
ォトレジスト2’を感光するための光が照射される側に
は、反射防止膜をコートしておく。ここで、反射防止コ
ートをしてある側から、平行光化された光を基板表面に
対して斜めに照射する。ガラス板の光源側の面と空気の
界面では反射防止膜がコートされているので、光は板
(ガラス板)19中に入射する。入射した光は、ガラス板
のエミッタ側の面と空気の界面、あるいは、ガラス板と
空気の界面、あるいは、ガラス板とフォトレジスト界面
に到達する。ガラス板と空気の界面に到達した光は全反
射条件を満たし、また、ガラス板とフォトレジストとの
界面に到達した光はレジスト側に光が入射する条件を満
たすように、あらかじめ光源からガラス板への入射角
と、ガラス・空気・フォトレジストの屈折率の関係とを
設定しておく。これにより、フォトレジスト2’を感光
させる光源から光はガラス板19と接触したフォトレジ
スト2’の部分のみに到達し、他の部分の光はガラス板
19と空気の界面で全反射され、前記接触部分以外のフ
ォトレジスト2’には到達しない。従って、エミッタ2
の先端のフォトレジスト2’のみが感光される。
【0141】従って、これを現像することにより、エミ
ッタ2の先端上のフォトレジスト2’のみ除去され、ゲ
ート電極膜6が露出する(図26(d))。次いで、レジス
トの開口を介してゲート電極6とゲート絶縁膜5をウェ
ットエッチングかドライエッチングによりエッチングす
る。これにより、エミッタ2の先端が露出する(図26
(e))。最後に剥離液あるいは酸素プラズマによりフォ
トレジスト2’を除去する(図26(f))。
【0142】以上のような方法でエミッタ形状とゲート
構造が作製され、ゲート電極6へ印加する電圧により電
界放射を制御することができる。そして、図26の方法
は、フォトレジストをエッチバックしないので、レジス
トの膜厚やエッチバックのエッチレートのばらつきによ
る開口部形状のばらつきが少なく、特性のそろった歩留
まりの高い電界放射型電子源を作製することができる。
【0143】なお、図26(c)の工程では、ガラス板に
対して斜めに光を入射させ、ガラス板と空気およびフォ
トレジストの界面における反射条件によりフォトレジス
ト先端のみが露光されるようにしたが、これのかわり
に、次のようにしてもよい。
【0144】すなわち、光導波路の機能をもったガラス
板を用い、ガラス板端面から露光用の光を導入する。光
はガラス板と空気の界面で全反射し、ガラス板の外には
出てこない。エミッタ先端のフォトレジストがガラス板
に接触しているところは全反射条件が崩れガラス板側か
らレジストに光が出て両者が接触している部分のレジス
トのみが露光され、上記と同様に開口を作製することが
できる。
【0145】また、ガラス板端面から光を導入した場
合、ガラス板内で全反射条件が成り立っていても、光導
波路であるガラス板表面からはエバネッセント光が出て
いる。このエバネッセント光はガラス表面から十nmの
以下の距離まで表われているので、ガラス板とレジスト
が接触している部分のレジストは感光され、上記と同様
に開口を作製することができる。
【0146】また、図26の説明では、エミッタ2が二
光束干渉露光法により作製されるとしたが、エミッタが
二光束干渉露光法以外の方法(例えば、図4乃至図7の
いずれかの方法など)で作製されるものである場合に
も、図26の工程を適用できる。
【0147】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1記載の
発明によれば、エミッタ材料となる膜の上に超微粒子を
塗布し、塗布された超微粒子をエッチングマスクとして
エミッタ材料をエッチングし、エミッタ形状に加工する
ので、X線リソグラフィーのような高価で大面積が不得
手な加工方法によらずとも、従来技術よりも約一桁程度
高密度なエミッタアレイを低コストかつ大面積に作製す
ることが可能となり、様々な応用に適用しても安定性、
冗長性、高い電流値などの特長を発揮することが可能と
なる。従って、微小電界放射型電子源のアプリケーショ
ンの自由度を高めることができる。
【0148】また、請求項2記載の発明によれば、エミ
ッタ材料膜上のマスキング材料膜上に、超微粒子を塗布
し、塗布された超微粒子をエッチングマスクとしてマス
キング材料をエッチングし、超微粒子とパターニングさ
れたマスキング材料あるいはマスキング材料のみをエッ
チングマスクとしてエミッタ材料をエッチングし、エミ
ッタ形状に加工するので、X線リソグラフィーのような
高価で大面積が不得手な加工方法によらずとも、従来技
術よりも約一桁程度高密度なエミッタアレイを低コスト
かつ大面積に作製することが可能となり、様々な応用に
適用しても安定性、冗長性、高い電流値などの特長を発
揮することが可能となる。従って、微小電界放射型電子
源のアプリケーションの自由度を高めることができ、か
つ、エミッタ材料の選択の自由度を広げることができ
る。
【0149】また、請求項3記載の発明によれば、エミ
ッタ材料となる膜上に超微粒子を塗布し、塗布された超
微粒子をエッチングマスクとしてエミッタ材料をエッチ
ングしてエミッタ形状に加工し、超微粒子をキャップと
してゲート絶縁膜とゲート電極膜を堆積し、その後、超
微粒子を除去することにより、引き出しゲート電極を持
つ構造とするので、X線リソグラフィーのような高価で
大面積が不得手な加工方法によらずとも、従来技術より
も約一桁程度高密度なエミッタアレイを低コストかつ大
面積に作製することが可能となり、様々な応用に適用し
ても安定性、冗長性、高い電流値などの特長を発揮する
ことが可能となって、微小電界放射型電子源のアプリケ
ーションの自由度を高めることができるとともに、ゲー
ト電極構造を有し、ゲート電極に印加する電圧により放
射電流を制御できる微小電界放射型電子源を提供するこ
とができる。
【0150】また、請求項4記載の発明によれば、エミ
ッタ材料膜上にマスキング材料膜を形成した上で、マス
キング材料膜上に超微粒子を塗布し、塗布された超微粒
子をエッチングマスクとしてマスキング材料をエッチン
グし、超微粒子とパターニングされたマスキング材料あ
るいはマスキング材料のみをエッチングマスクとしてエ
ミッタ材料をエッチングしてエミッタ形状に加工し、超
微粒子とパターニングされたマスキング材料あるいはマ
スキング材料のみをキャップとしてゲート絶縁膜とゲー
ト電極膜を堆積し、その後、超微粒子とパターニングさ
れた該マスキング材料を除去することにより、引き出し
ゲート電極を持つ構造とするので、X線リソグラフィー
のような高価で大面積が不得手な加工方法によらずと
も、従来技術よりも約一桁程度高密度なエミッタアレイ
を低コストかつ大面積に作製することが可能となり、様
々な応用に適用しても安定性、冗長性、高い電流値など
の特長を発揮することを可能となって、微小電界放射型
電子源のアプリケーションの自由度を高めることができ
るとともに、ゲート電極構造を有し、ゲート電極に印加
する電圧により放射電流を制御できる微小電界放射型電
子源を提供することができ、さらに、エミッタ材料の選
択の自由度を広げることができる。
【0151】また、請求項5記載の発明によれば、二つ
の光束の干渉により生じる干渉縞によりフォトレジスト
を露光する二光束干渉露光法により、基板上のフォトレ
ジストに縞状模様を露光し、その後、基板を回転させ再
び露光することを複数回行なった後、現像することによ
り、フォトレジストをエミッタ形状に加工するので、レ
ジストがそのままエミッタとなり、また、光の干渉縞に
よる露光でエミッタを作製しているので、エミッタ間隔
が確実に決まり、工程が簡単になって歩留まりを高める
ことができる。
【0152】また、請求項6記載の発明によれば、エミ
ッタ材料となる膜上にフォトレジストを塗布し、二つの
光束の干渉により生じる干渉縞によりフォトレジストを
露光する二光束干渉露光法により、該フォトレジストに
縞状模様を露光し、その後、基板を回転させ再び露光す
ることを複数回行なった後、現像することによりフォト
レジストをエミッタ形状に加工し、その後、エミッタ形
状に加工されたフォトレジストとエミッタ材料を同時に
エッチングすることにより、エミッタ材料をエミッタ形
状に加工するので、レジストがそのままエミッタとな
り、また、光の干渉縞による露光でエミッタを作製して
いるので、エミッタ間隔が確実に決まり、工程が簡単に
なって歩留まりを高めることができる。
【0153】また、請求項7記載の発明によれば、基板
上に第一のフォトレジストを塗布し、該第一のフォトレ
ジスト上に第一のフォトレジストと反対のトーンの第二
のフォトレジストを塗布し、二つの光束の干渉により生
じる干渉縞によりフォトレジストを露光する二光束干渉
露光法により、該フォトレジストに縞状模様を露光し、
その後、基板を回転させ再び露光することを複数回行な
った後、現像することによりフォトレジストをエミッタ
形状に加工し、その後、基板を回転させ再び露光するこ
とを複数回行なった後、第二のレジストと第一のレジス
トを現像することにより、第二のレジストをゲート電極
とし、第一のレジストをエミッタとする引き出しゲート
電極構造を持つ構造とするので、ゲート電極に印加する
電圧により放射電流を制御できる微小電界放射型電子源
を提供することができる。またレジストがそのままエミ
ッタとゲート電極になり、また、光の干渉縞による露光
でエミッタを作製しているのでエミッタ間隔が確実に決
まり、また、露光、現像のみでエミッタとゲート電極を
同時に作製でき、非常に工程が簡単になり歩留まりを向
上させることができる。
【0154】また、請求項8記載の発明によれば、エミ
ッタ材料となる膜上にフォトレジストを塗布し、二つの
光束の干渉により生じる干渉縞によりフォトレジストを
露光する二光束干渉露光法により、該フォトレジストに
縞状模様を露光し、その後、基板を回転させ再び露光す
ることを複数回行なった後、現像し、作製したレジスト
パターンをエッチングマスクとしてエミッタ材料をエッ
チングし、エミッタ形状に加工するので、エミッタ間隔
が確実に決まり、工程が簡単になり歩留まりを向上させ
ることができる。
【0155】また、請求項9記載の発明によれば、エミ
ッタ材料膜上にマスキング材料膜を形成した上で、マス
キング材料膜上にフォトレジストを塗布し、二つ以上の
光束の干渉により生じる干渉模様によりフォトレジスト
を露光する干渉露光法により、基板上のフォトレジスト
を露光し、現像し、作製したレジストパターンをエッチ
ングマスクとしてマスキング材料をエッチングし、パタ
ーニングされたレジストとマスキング材料あるいはマス
キング材料のみをエッチングマスクとしてエミッタ材料
をエッチングしてエミッタ形状に加工するので、エミッ
タ間隔が確実に決まり、工程が簡単になり歩留まりを向
上させることができる。
【0156】また、請求項10記載の発明によれば、エ
ミッタ材料となる膜上にフォトレジストを塗布し、二つ
の光束の干渉により生じる干渉縞によりフォトレジスト
を露光する二光束干渉露光法により、該フォトレジスト
に縞状模様を露光し、その後、基板を回転させ再び露光
することを複数回行なった後、現像し、作製したレジス
トパターンをエッチングマスクとしてエミッタ材料をエ
ッチングしてエミッタ形状に加工し、該レジストパター
ンをキャップとしてゲート絶縁膜とゲート電極膜を堆積
し、その後、該レジストパターンを除去することによ
り、引き出しゲート電極を持つ構造とするので、ゲート
電極に印加する電圧により放射電流を制御できる微小電
界放射型電子源を提供することができる。また、光の干
渉縞による露光でエミッタを作製しているので、エミッ
タ間隔が確実に決まり、工程が簡単になり歩留まりを向
上させることができる。
【0157】また、請求項11記載の発明によれば、エ
ミッタ材料膜上にマスキング材料膜を形成した上で、マ
スキング材料膜上にフォトレジストを塗布し、二つ以上
の光束の干渉により生じる干渉模様によりフォトレジス
トを露光する干渉露光法により、基板上のフォトレジス
トを露光し、現像し、作製したレジストパターンをエッ
チングマスクとしてマスキング材料をエッチングし、パ
ターンニングされたレジストとマスキング材料あるいは
マスキング材料のみをエッチングマスクとしてエミッタ
材料をエッチングしてエミッタ形状に加工し、パターニ
ングされたレジストとマスキング材料あるいはマスキン
グ材料のみをキャップとしてゲート絶縁膜とゲート電極
膜を堆積し、その後、レジストとマスキング材料を除去
することにより、引き出しゲート電極をもつ構造とする
ので、ゲート電極に印加する電圧により放射電流を制御
できる微小電界放射型電子源を提供することができ、か
つ、エミッタ材料の選択の自由度を広げることができ
る。また、光の干渉縞による露光でエミッタを作製して
いるので、エミッタ間隔が確実に決まり、工程が簡単に
なり歩留まりを向上させることができる。
【0158】また、請求項12記載の発明によれば、エ
ミッタ材料膜上に島状構造にマスキング材料を蒸着し、
該島状構造のマスキング材料をエッチングマスクとして
エミッタ材料をエッチングし、エミッタ形状に加工する
ので、X線リソグラフィーのような高価で大面積が不得
手な加工方法によらずとも、従来技術よりも約一桁程度
高密度なエミッタアレイを低コストかつ大面積に作製す
ることが可能となり、様々な応用に適用しても安定性、
冗長性、高い電流値などの特長を発揮することが可能と
なって、微小電界放射型電子源のアプリケーションの自
由度を高めることができる。
【0159】また、請求項13記載の発明によれば、エ
ミッタ材料膜上に第一のマスキング材料膜を形成した上
で、第一のマスキング材料膜上に、第二のマスキング材
料を島状構造に堆積し、該島状構造の第二のマスキング
材料をエッチングマスクとして第一のマスキング材料を
エッチングし、第二のマスキング材料と第一のマスキン
グ材料あるいは第一のマスキング材料のみをエッチング
マスクとしてエミッタ材料をエッチングしてエミッタ形
状に加工するので、エミッタ材料の選択の自由度を広げ
ることができる。
【0160】また、請求項14記載の発明によれば、エ
ミッタ材料膜上に島状構造にマスキング材料を蒸着し、
該島状構造のマスキング材料をエッチングマスクとして
エミッタ材料をエッチングし、エミッタ形状に加工し、
島状構造のマスキング材料をキャップとしてゲート絶縁
膜とゲート電極膜を堆積し、その後、島状構造のマスキ
ング材料を除去することにより、引き出しゲート電極を
もつ構造とするので、ゲート電極に印加する電圧により
放射電流を制御できる微小電界放射型電子源を提供する
ことができる。
【0161】また、請求項15記載の発明によれば、エ
ミッタ材料膜上に第一のマスキング材料膜を形成した上
で、第一のマスキング材料膜上に、第二のマスキング材
料を島状構造に堆積し、該島状構造の第二のマスキング
材料をエッチングマスクとして第一のマスキング材料を
エッチングし、第二のマスキング材料と第一のマスキン
グ材料あるいは第一のマスキング材料のみをエッチング
マスクとしてエミッタ材料をエッチングしてエミッタ形
状に加工し、第二マスキング材料と第一のマスキング材
料あるいは第一のマスキング材料のみをキャップとして
ゲート絶縁膜とゲート電極膜を堆積し、その後、第二の
マスキング材料と第一のマスキング材料あるいは第一の
マスキング材料のみを除去することにより、引き出しゲ
ート電極をもつ構造とするので、ゲート電極に印加する
電圧により放射電流を制御できる微小電界放射型電子源
を提供することができ、かつ、エミッタ材料の選択の自
由度を広げることができる。
【0162】また、請求項16記載の発明によれば、エ
ミッタを作製した後、該エミッタ上にゲート絶縁膜とゲ
ート電極膜とフォトレジストを堆積し、該エミッタ頂上
部のフォトレジストにガラス板を接触させ、該接触部分
のフォトレジストのみが感光されるように露光条件を設
定して露光することで、エミッタ先端部分のみにレジス
トの開口部を設け、該開口部からゲート電極膜とゲート
絶縁膜の開口部を形成することにより、引き出しゲート
電極をもつ構造とするので、ゲート電極に印加する電圧
により放射電流を制御できる微小電界放射型電子源をよ
り確実に作製し、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の電界放出電極の作製工程を示す図であ
る。
【図2】従来の微小真空三極管の構造および作製工程を
示す図である。
【図3】従来、撮像管に使用されている光導電ターゲッ
トを示す図である。
【図4】本発明に係る電界放出型電子源の作製工程例を
示す図である。
【図5】本発明に係る電界放出型電子源の他の作製工程
例を示す図である。
【図6】本発明に係る電界放出型電子源の他の作製工程
例を示す図である。
【図7】本発明に係る電界放出型電子源の他の作製工程
例を示す図である。
【図8】二光束干渉露光法を説明するための図である。
【図9】二光束干渉露光法を説明するための図である。
【図10】二光束干渉露光法によって形成される光の縞
模様と直交する方向の光強度分布を示す図である。
【図11】フォトレジストを露光・現像した後のレジス
トの縞形状の断面形状を示す図である。
【図12】二光束干渉露光法を用いて、先鋭化されたエ
ミッタを作製する方法を説明するための図である。
【図13】図12の方法により形成されるエミッタ形状
を示す図である。
【図14】エミッタ形状の作製工程例を示す図である。
【図15】本発明に係る電界放出型電子源の他の作製工
程例を示す図である。
【図16】本発明に係る電界放出型電子源の他の作製工
程例を示す図である。
【図17】本発明に係る電界放出型電子源の他の作製工
程例を示す図である。
【図18】本発明に係る電界放出型電子源の他の作製工
程例を示す図である。
【図19】本発明に係る電界放出型電子源の他の作製工
程例を示す図である。
【図20】本発明に係る電界放出型電子源の他の作製工
程例を示す図である。
【図21】Agの薄膜を10-8Torrの真空中、基板
温度180℃で基板上に20nm程度の膜厚で蒸着した
ときの静的方法による電子顕微鏡観察の結果を示す図で
ある。
【図22】本発明に係る電界放出型電子源の他の作製工
程例を示す図である。
【図23】本発明に係る電界放出型電子源の他の作製工
程例を示す図である。
【図24】本発明に係る電界放出型電子源の他の作製工
程例を示す図である。
【図25】本発明に係る電界放出型電子源の他の作製工
程例を示す図である。
【図26】本発明に係る電界放出型電子源の他の作製工
程例を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 エミッタ材料となる膜,エミッタ材料 2’ フォトレジスト 3 超微粒子 4 マスキング材料 5 ゲート絶縁膜 6 ゲート電極膜 7 レジスト 12 第一のフォトレジスト 14 第二のフォトレジスト 13 ミキシング防止膜 17 マスキング材

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エミッタ材料となる膜の上に超微粒子を
    塗布し、塗布された超微粒子をエッチングマスクとして
    エミッタ材料をエッチングしてエミッタ形状に加工する
    ことを特徴とする電界放出型電子源の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電界放出型電子源の製造
    方法において、エミッタ材料膜上にマスキング材料膜を
    形成した上で、マスキング材料膜上に超微粒子を塗布
    し、塗布された超微粒子をエッチングマスクとしてマス
    キング材料をエッチングし、超微粒子とパターニングさ
    れたマスキング材料あるいはマスキング材料のみをエッ
    チングマスクとしてエミッタ材料をエッチングしてエミ
    ッタ形状に加工することを特徴とする電界放出型電子源
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電界放出型電子源の製造
    方法において、エミッタ材料となる膜上に超微粒子を塗
    布し、塗布された超微粒子をエッチングマスクとしてエ
    ミッタ材料をエッチングしてエミッタ形状に加工し、超
    微粒子をキャップとしてゲート絶縁膜とゲート電極膜を
    堆積し、その後、超微粒子を除去することにより、引き
    出しゲート電極を持つ構造を作製することを特徴とする
    電界放出型電子源の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電界放出型電子源の製造
    方法において、エミッタ材料膜上にマスキング材料膜を
    形成した上で、マスキング材料膜上に超微粒子を塗布
    し、塗布された超微粒子をエッチングマスクとしてマス
    キング材料をエッチングし、超微粒子とパターニングさ
    れたマスキング材料あるいはマスキング材料のみをエッ
    チングマスクとしてエミッタ材料をエッチングしてエミ
    ッタ形状に加工し、超微粒子とパターニングされたマス
    キング材料あるいはマスキング材料のみをキャップとし
    てゲート絶縁膜とゲート電極膜を堆積し、その後、超微
    粒子とパターニングされた該マスキング材料を除去する
    ことにより、引き出しゲート電極を持つ構造とすること
    を特徴とする電界放出型電子源の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電界放出型電子源の製造
    方法において、二つ以上の光束の干渉により生じる干渉
    模様によりフォトレジストを露光する干渉露光法によ
    り、基板上のフォトレジストを露光し、現像することに
    よりフォトレジストをエミッタ形状に加工することを特
    徴とする電界放出型電子源の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電界放出型電子源の製造
    方法において、エミッタ材料となる膜上にフォトレジス
    トを塗布し、二つ以上の光束の干渉により生じる干渉模
    様によりフォトレジストを露光する干渉露光法により、
    基板上のフォトレジストを露光し、現像することにより
    フォトレジストをエミッタ形状に加工し、その後、該エ
    ミッタ形状に加工されたフォトレジストとエミッタ材料
    を同時にエッチングすることにより、エミッタ材料をエ
    ミッタ形状に加工することを特徴とする電界放出型電子
    源の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の電界放出型電子源の製造
    方法において、基板上に第一のフォトレジストを塗布
    し、該第一のフォトレジスト上に第一のフォトレジスト
    と反対のトーンの第二のフォトレジストを塗布し、エミ
    ッタ作製のための露光を行なった後、第二のレジストと
    第一のレジストを現像することにより、第二のレジスト
    をゲート電極とし、第一のレジストをエミッタとする引
    き出しゲート電極構造を持つ構造とすることを特徴とす
    る電界放出型電子源の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の電界放出型電子源の製造
    方法において、エミッタ材料となる膜上にフォトレジス
    トを塗布し、二つ以上の光束の干渉により生じる干渉模
    様によりフォトレジストを露光する干渉露光法により、
    基板上のフォトレジストを露光し、現像し、作製したレ
    ジストパターンをエッチングマスクとしてエミッタ材料
    をエッチングしてエミッタ形状に加工することを特徴と
    する電界放出型電子源の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の電界放出型電子源の製造
    方法において、エミッタ材料膜上にマスキング材料膜を
    形成した上で、マスキング材料膜上にフォトレジストを
    塗布し、二つ以上の光束の干渉により生じる干渉模様に
    よりフォトレジストを露光する干渉露光法により、基板
    上のフォトレジストを露光し、現像し、作製したレジス
    トパターンをエッチングマスクとしてマスキング材料を
    エッチングし、パターニングされたレジストとマスキン
    グ材料あるいはマスキング材料のみをエッチングマスク
    としてエミッタ材料をエッチングしてエミッタ形状に加
    工することを特徴とする電界放出型電子源の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の電界放出型電子源の製
    造方法において、エミッタ材料となる膜上にフォトレジ
    ストを塗布し、二つ以上の光束の干渉により生じる干渉
    模様によりフォトレジストを露光する干渉露光法によ
    り、基板上のフォトレジストを露光し、現像し、作製し
    たレジストパターンをエッチングマスクとしてエミッタ
    材料をエッチングしてエミッタ形状に加工し、該レジス
    トパターンをキャップとしてゲート絶縁膜とゲート電極
    膜を堆積し、その後、レジストパターンを除去すること
    により、引き出しゲート電極を持つ構造とすることを特
    徴とする電界放出型電子源の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の電界放出型電子源の製
    造方法において、エミッタ材料膜上にマスキング材料膜
    を形成した上で、マスキング材料膜上にフォトレジスト
    を塗布し、二つ以上の光束の干渉により生じる干渉模様
    によりフォトレジストを露光する干渉露光法により、基
    板上のフォトレジストを露光し、現像し、作製したレジ
    ストパターンをエッチングマスクとしてマスキング材料
    をエッチングし、パターンニングされたレジストとマス
    キング材料あるいはマスキング材料のみをエッチングマ
    スクとしてエミッタ材料をエッチングしてエミッタ形状
    に加工し、パターニングされたレジストとマスキング材
    料あるいはマスキング材料のみをキャップとしてゲート
    絶縁膜とゲート電極膜を堆積し、その後、レジストとマ
    スキング材料を除去することにより、引き出しゲート電
    極をもつ構造とすることを特徴とする電界放出型電子源
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の電界放出型電子源の製
    造方法において、エミッタ材料膜上にマスキング材料を
    島状構造に堆積し、該島状構造のマスキング材料をエッ
    チングマスクとしてエミッタ材料をエッチングしてエミ
    ッタ形状に加工することを特徴とする電界放出型電子源
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の電界放出型電子源の製
    造方法において、エミッタ材料膜上に第一のマスキング
    材料膜を形成した上で、第一のマスキング材料膜上に、
    第二のマスキング材料を島状構造に堆積し、該島状構造
    の第二のマスキング材料をエッチングマスクとして第一
    のマスキング材料をエッチングし、第二のマスキング材
    料と第一のマスキング材料あるいは第一のマスキング材
    料のみをエッチングマスクとしてエミッタ材料をエッチ
    ングしてエミッタ形状に加工することを特徴とする電界
    放出型電子源の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の電界放出型電子源の製
    造方法において、エミッタ材料膜上に島状構造にマスキ
    ング材料を堆積し、該島状構造のマスキング材料をエッ
    チングマスクとしてエミッタ材料をエッチングしてエミ
    ッタ形状に加工し、島状構造のマスキング材料をキャッ
    プとしてゲート絶縁膜とゲート電極膜を堆積し、その
    後、島状構造のマスキング材料を除去することにより、
    引き出しゲート電極をもつ構造とすることを特徴とする
    電界放出型電子源の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1記載の電界放出型電子源の製
    造方法において、エミッタ材料膜上に第一のマスキング
    材料膜を形成した上で、第一のマスキング材料膜上に、
    第二のマスキング材料を島状構造に堆積し、該島状構造
    の第二のマスキング材料をエッチングマスクとして第一
    のマスキング材料をエッチングし、第二のマスキング材
    料と第一のマスキング材料あるいは第一のマスキング材
    料のみをエッチングマスクとしてエミッタ材料をエッチ
    ングしてエミッタ形状に加工し、第二マスキング材料と
    第一のマスキング材料あるいは第一のマスキング材料の
    みをキャップとしてゲート絶縁膜とゲート電極膜を堆積
    し、その後、第二のマスキング材料と第一のマスキング
    材料あるいは第一のマスキング材料のみを除去すること
    により、引き出しゲート電極をもつ構造とすることを特
    徴とする電界放出型電子源の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の電界放出型電子源の製
    造方法において、エミッタを作製した後、該エミッタ上
    にゲート絶縁膜とゲート電極膜とフォトレジストを堆積
    し、該エミッタ頂上部のフォトレジストにガラス板を接
    触させ、該接触部分のフォトレジストのみが感光される
    ように露光条件を設定して露光することで、エミッタ先
    端部分のみにレジストの開口部を設け、該開口部からゲ
    ート電極膜とゲート絶縁膜の開口部を形成することによ
    り、引き出しゲート電極をもつ構造とすることを特徴と
    する電界放出型電子源の製造方法。
JP33498997A 1997-11-19 1997-11-19 電界放出型電子源の製造方法 Pending JPH11154458A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33498997A JPH11154458A (ja) 1997-11-19 1997-11-19 電界放出型電子源の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33498997A JPH11154458A (ja) 1997-11-19 1997-11-19 電界放出型電子源の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11154458A true JPH11154458A (ja) 1999-06-08

Family

ID=18283491

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33498997A Pending JPH11154458A (ja) 1997-11-19 1997-11-19 電界放出型電子源の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11154458A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020037421A (ko) * 2000-11-14 2002-05-21 주식회사 현대 디스플레이 테크놀로지 전계방출소자의 제조방법
JP2005099707A (ja) * 2003-08-29 2005-04-14 Nikon Corp 透過型光学素子及びその製造方法、並びに投影露光装置
KR100701750B1 (ko) * 2000-01-26 2007-03-29 엘지전자 주식회사 전계방출소자의 에미터 구조 및 그 제조방법
JP2007227076A (ja) * 2006-02-22 2007-09-06 Dialight Japan Co Ltd 電界放射型電子源およびその製造方法
JP2008041460A (ja) * 2006-08-07 2008-02-21 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 電界放出素子用エミッタ作製方法
JP2010086967A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Carl Zeiss Nts Gmbh 電子ビーム源および電子ビーム源を作製する方法
US9136794B2 (en) 2011-06-22 2015-09-15 Research Triangle Institute, International Bipolar microelectronic device

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100701750B1 (ko) * 2000-01-26 2007-03-29 엘지전자 주식회사 전계방출소자의 에미터 구조 및 그 제조방법
KR20020037421A (ko) * 2000-11-14 2002-05-21 주식회사 현대 디스플레이 테크놀로지 전계방출소자의 제조방법
JP2005099707A (ja) * 2003-08-29 2005-04-14 Nikon Corp 透過型光学素子及びその製造方法、並びに投影露光装置
JP4505670B2 (ja) * 2003-08-29 2010-07-21 株式会社ニコン 透過型光学素子の製造方法
JP2007227076A (ja) * 2006-02-22 2007-09-06 Dialight Japan Co Ltd 電界放射型電子源およびその製造方法
JP2008041460A (ja) * 2006-08-07 2008-02-21 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 電界放出素子用エミッタ作製方法
JP2010086967A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Carl Zeiss Nts Gmbh 電子ビーム源および電子ビーム源を作製する方法
US8723138B2 (en) 2008-09-30 2014-05-13 Carl Zeiss Microscopy Gmbh Electron beam source and method of manufacturing the same
US9136794B2 (en) 2011-06-22 2015-09-15 Research Triangle Institute, International Bipolar microelectronic device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7871760B2 (en) Method to fabricate a redirecting mirror in optical waveguide devices
US20020094494A1 (en) Method of manufacturing triode carbon nanotube field emitter array
US5675210A (en) Method of fabricating a field emission device
US20020074307A1 (en) Method for making an integrated optical circuit
JPH11154458A (ja) 電界放出型電子源の製造方法
JPH08212910A (ja) 感光性樹脂層内へのホールの形成法
US5858256A (en) Method of forming small aperture
US6461774B1 (en) Apparatus and method for forming features on a substrate
JPH06244156A (ja) パタ―ン形成法
JP4507775B2 (ja) ステンシルマスクの製造方法
Huq et al. Fabrication and characterisation of ultra sharp silicon field emitters
KR100933560B1 (ko) 패턴화된 실리콘 나노팁 제작방법
KR20200070625A (ko) 나노 구조체 제조 방법 및 이를 이용하여 제조한 나노 구조체
JP2001356470A (ja) 濃度分布マスクを用いた3次元構造体製造方法
US20230152708A1 (en) Optical devices and methods for manufacturing the optical devices
JPH11354014A (ja) 電界放射型電子源の作製方法
Heynick et al. Projection electron lithography using aperture lenses
JPS59126634A (ja) パタ−ン形成方法
JPH06310029A (ja) 電子銃および量子細線の製造方法
US7118679B2 (en) Method of fabricating a sharp protrusion
JP2814848B2 (ja) 位相シフトマスク及びその製造方法
KR100577780B1 (ko) 전계방출 표시소자의 제조방법
JP2001005168A (ja) 近接場光露光用マスクおよびその作製方法
KR100569269B1 (ko) 전계방출 표시소자의 제조방법
JP4522068B2 (ja) 近接場光を発生させる構造体、近接場光の発生方法、及び、近接場露光装置