JP2001005168A - 近接場光露光用マスクおよびその作製方法 - Google Patents

近接場光露光用マスクおよびその作製方法

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JP2001005168A
JP2001005168A JP17563199A JP17563199A JP2001005168A JP 2001005168 A JP2001005168 A JP 2001005168A JP 17563199 A JP17563199 A JP 17563199A JP 17563199 A JP17563199 A JP 17563199A JP 2001005168 A JP2001005168 A JP 2001005168A
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功 鶴間
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昌之 納谷
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光光に対して透明であるマスク母材の一表
面側に、所定パターンの開口部を残すように遮光膜が形
成されてなる近接場光露光用マスクにおいて、近接場光
をフォトレジスト等の被露光物に十分な強度で照射可能
とし、また遮光膜が薄いことによるカブリや耐久性の問
題を解決する。 【解決手段】 露光光に対して透明であるマスク母材20
の一表面側に、所定パターンの開口部を残すように遮光
膜21が形成されてなる近接場光露光用マスク25におい
て、マスク母材20の一表面20aに所定形状の複数の溝20
bを形成し、これらの溝20bに挟まれる部分にマスク開
口部となる母材凸部20cを形成する。そして溝20bの部
分に遮光膜21を埋め込み、この遮光膜21の表面とマスク
母材20の一表面20aとの段差を50nm以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細パターンを転
写する近接場光露光に用いられるフォトマスクおよびそ
の作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時、例えばリソグラフィによるLSI
の製造技術においては、その高集積化にともない、リソ
グラフィに要求される最小寸法が微細化の一途をたどっ
ている。このような要求に応えるために、露光波長の短
波化と照明方法の工夫がなされて来たが、O.1μm以下
の線幅が求められる場合は、そのような手法で対処する
のは困難になっている。
【0003】また従来より、DBR(distributed Brag
g reflector :分布ブラッグ反射型)やDFB(distri
buted feedback :分布帰還型)レーザーのように内部
にグレーティングを有する半導体レーザーが提供されて
いるが、この種の半導体レーザーにおいては、幅がO.1
μm以下という狭いグレーティングパターンが求められ
ることもある。すなわちこの場合、高次のグレーティン
グとすればそのピッチを広くできて加工も容易となる
が、高次のグレーティングでは空間回折光による帰還光
量の低下がある上、ラインアンドスペース比を高精度で
制御する必要も生じるので、多くの場合は1次グレーテ
ィングとするのがより望ましいことになる。そして、こ
のように1次グレーティングとする場合は、要求される
グレーティングパターン寸法がO.1μm以下のオーダー
になるのである。
【0004】現状では、このようなグレーティングパタ
ーンの形成には電子ビームの直接描画による露光が適用
されているが、その方法には、使用装置のコストが高く
つく、スループットが低いといった問題が認められる。
【0005】この点に鑑み、近年、近接場光(ニアフィ
ールド光)の利用による、波長の回折限界を超えた微細
パターンの転写、近接場光露光が注目されている。この
近接場光露光は、露光光の波長よりも微細な開口を有す
るフォトマスク(以下、単にマスクという)を用い、こ
のマスクの開口部からしみ出した近接場光でフォトレジ
スト等の被露光物を露光する手法である。上記の近接場
光は、しみ出しの深さもまた範囲も、露光光の波長より
小さいものとなるので、この近接場光露光によれば露光
光の波長より微細なパターンを被露光物に転写可能とな
る。なおこの場合、上述のようにマスクからの近接場光
のしみ出し深さが非常に浅いため、露光方法としては密
着露光が多く採用されている。
【0006】従来、この密着露光に用いられるマスク
は、露光光に対して透明であるガラス等からなるマスク
母材の表面に、Cr等の金属膜に反射防止膜を付加して
なる遮光膜を形成し、その上にフォトレジストを塗布
し、これに電子ビーム露光を行なう等して露光光波長よ
りも狭い幅の開口を有するレジストパターンを形成し、
該レジストパターンをマスクとして遮光膜をエッチング
し、エッチング部分をマスク開口とすることにより作製
されていた。
【0007】あるいは図5に示すように、ガラス等から
なるマスク母材1を用意し(同図(1))、このマスク母
材1の表面にフォトレジストを塗布し、これに電子ビー
ム露光等により露光光波長よりも狭い線幅のレジストパ
ターン2を形成し(同図(2))、このレジストパターン
2をマスクとしてCrをスパッタする等して遮光膜3を
形成し(同図(3))、次いでレジストパターン2を除去
してその除去部分をマスク開口4とする(同図(4))マ
スク作製方法も知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の各方法で作製さ
れる従来のマスクは、いずれにしても、マスク母材の平
坦な表面上に所定パターンの開口部を有する形で遮光膜
が堆積したものとなる。このマスクを近接場光露光用に
用いる場合は、マスク母材の上記表面と反対側から露光
光を入射させ、遮光膜の開口部から近接場光をしみ出さ
せて、該遮光膜と密着あるいは近接させて配されたフォ
トレジスト等をこの近接場光によって露光するように用
いられる。
【0009】しかし、このようにマスク母材の平坦な表
面上に遮光膜を堆積させた構造の従来のマスクは、マス
ク母材からの近接場光の伝搬が浅いために、基本的に遮
光膜を十分に厚く形成することができないものであり、
そのために種々の問題を招くものとなっている。以下、
この点について詳しく説明する。
【0010】近接場光のしみ出し深さ、つまり上記構成
のマスクにあってはマスク母材の表面から到達する距離
は、一般に数十nm程度しかない。したがって、遮光膜
と密着あるいは近接配置された被露光物まで近接場光を
到達させるためには、遮光膜厚さは数十nm以下としな
ければならない。
【0011】遮光膜厚さが数十nm程度まで薄いと、そ
こにピンホール等の欠陥が生じやすく、また遮光膜自体
が光を透過しやすくなるため該遮光膜と開口部とを通過
する各光量の比(消光比)が小さくなり、露光させる被
露光物が高感度のものである場合にはカブリが発生する
という問題がある。
【0012】さらに、特にこのマスクを被露光物と密着
させて露光する場合は、遮光膜が薄いと機械的強度も低
いことから、マスクと被露光物とのアライメント等の作
業時に接触による欠陥を招きやすくなり、マスクの耐久
性が不十分となる。
【0013】以上の問題に対処するため、遮光膜をもっ
と厚くすることも考えられるが、勿論、数十nmを超え
る程度まで厚くすれば近接場光がフォトレジストに全く
到達しなくなる。また、遮光膜を数十nmに薄くした場
合でさえ近接場光の減衰があって、フォトレジストに十
分な光強度を与え難くなっていることを考慮すれば、前
記構成の密着露光用マスクでは、遮光膜厚さは50nm
程度が上限であると言える。
【0014】さらに従来の密着露光用マスクは、電子ビ
ームの直接描画による露光を適用して作製されている
が、それによって前述のグレーティングパターンを形成
する場合は、ラインアンドスペース比の制御にマージン
が少ない、コストが高くつく、といった問題が認められ
る。
【0015】本発明は上記の事情に鑑みて、近接場光を
フォトレジスト等の被露光物に十分な強度で照射するこ
とができ、その一方、遮光膜を十分に厚く形成可能とし
て、カブリや耐久性の問題も解決することができる近接
場光露光用マスクを提供することを目的とする。
【0016】また本発明は、そのような近接場光露光用
マスクを作製可能な方法を提供することを目的とする。
【0017】さらに本発明は、特にグレーティングパタ
ーンを形成する場合に、ラインアンドスペース比の制御
に広いマージンを設定でき、そして比較的低コストでグ
レーティングパターンを形成可能な方法を提供すること
を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明による近接場光露
光用マスクは、前述したように、露光光に対して透明で
あるマスク母材の一表面側に、所定パターンの開口部を
残すように遮光膜が形成されてなる近接場光露光用マス
クにおいて、前記マスク母材の一表面に所定形状の複数
の溝が形成されて、この溝に挟まれる部分に前記開口部
となる母材凸部が形成され、前記溝の部分に遮光膜が埋
め込まれ、この遮光膜の表面と前記マスク母材の一表面
との段差が50nm以下とされていることを特徴とする
ものである。
【0019】なお上記の母材凸部は、マスク母材の前記
一表面に向かって次第に細くなる形状とされるのが望ま
しい。
【0020】一方、上述のような構成の近接場光露光用
マスクを作製する、本発明による近接場光露光用マスク
の作製方法は、前記複数の溝および前記母材凸部に対応
した凹凸形状を有するマスターを形成し、このマスター
の形状をマスク母材材料に転写することによって前記マ
スク母材を形成し、このマスク母材の上に遮光膜材料を
堆積させて前記複数の溝中に該遮光膜材料を充填した
後、前記母材凸部が露出するまで該遮光膜材料を平坦化
して遮光膜とすることを特徴とするものである。
【0021】なお、この本発明による近接場光露光用マ
スクの作製方法においては、上記マスターをSiから形
成し、このマスターの上記凹凸形状を異方性エッチング
によって加工することが望ましい。
【0022】また上記マスターの凹凸形状は、前記母材
凸部を形成する凹部がその底部に向かって次第に細くな
る形状とされているのが望ましい。
【0023】他方、遮光膜材料の平坦化は、ポリッシン
グやエッチバックによって行なうことができる。
【0024】
【発明の効果】本発明の近接場光露光用マスクにおいて
は、マスク母材の一表面に所定形状の複数の溝が形成さ
れて、この溝に挟まれる部分に前記開口部となる母材凸
部が形成され、この溝の部分に遮光膜が埋め込まれ、こ
の遮光膜の表面とマスク母材の一表面との段差が50n
m以下とされているので、遮光膜の表面はマスク母材の
一表面と整合しているか、もしくは、マスク母材の一表
面より最大で50nm離れて前方に突出するかあるいは
後方側に引っ込んで位置することになる。
【0025】上記のように遮光膜の表面とマスク母材の
一表面とが整合している場合は、該マスクを用いた近接
場光露光時にフォトレジスト等の被露光物にマスクを密
着させると、近接場光のしみ出し面であるマスク母材の
一表面が被露光物に密着することになる。したがって、
マスク母材の一表面からしみ出した近接場光は減衰距離
を持たずに直接的に被露光物に到達するので、近接場光
によって被露光物を十分な強度で照射することができ
る。
【0026】近接場光露光時にマスクを被露光物に密着
させない場合でも、マスク母材の一表面からしみ出した
近接場光は僅かの減衰距離(マスクと被露光物との離間
距離)で被露光物に到達するので、この際も、近接場光
によって被露光物を十分な強度で照射することができ
る。
【0027】他方、マスク母材の一表面に形成した溝に
埋め込まれる遮光膜は、この溝の深さと同じ厚さのもの
となるので、基本的には、この溝の深さをより大きくす
ることにより、遮光膜の厚さは必要なだけ厚くすること
ができる。したがって、遮光膜を十分に厚くして前述の
消光比を大きく確保し、カブリや耐久性の問題を解決す
ることができる。
【0028】また、遮光膜の表面がマスク母材の一表面
より前方に突出している場合も、それら両表面の段差
は、近接場光到達の限度である50nm以下とされてい
る。したがって、該マスクを用いた近接場光露光時にフ
ォトレジスト等の被露光物にマスクを(より具体的には
遮光膜を)密着させると、マスク母材の一表面からしみ
出した近接場光は50nm以下の減衰距離で被露光物に
到達するので、この際も、近接場光によって被露光物を
十分な強度で照射することができる。
【0029】なお、遮光膜表面とマスク母材の一表面と
の段差が50nm以下の範囲の中でもかなり小さい値と
なるように遮光膜の突出量を設定しておけば、近接場光
露光時に遮光膜を被露光物から僅かに離間させても、マ
スク母材の一表面からしみ出した近接場光を50nm以
下の減衰距離で被露光物に到達させることができる。そ
こでこの際も、近接場光によって被露光物を十分な強度
で照射可能である。
【0030】以上のように遮光膜の表面がマスク母材の
一表面より前方に突出している場合も、マスク母材の一
表面に形成する溝の深さをより大きくすることにより、
遮光膜の厚さは必要なだけ厚くすることができる。した
がってこの場合も、遮光膜を十分に厚くして、前述した
カブリや耐久性の問題を解決することができる。
【0031】さらに、遮光膜の表面がマスク母材の一表
面より後方側に引っ込んで位置する場合は、該マスクを
用いた近接場光露光時にフォトレジスト等の被露光物に
マスクを密着させると、近接場光のしみ出し面であるマ
スク母材の一表面が被露光物に密着することになる。し
たがって、マスク母材の一表面からしみ出した近接場光
は減衰距離を持たずに直接的に被露光物に到達するの
で、近接場光によって被露光物を十分な強度で照射する
ことができる。
【0032】近接場光露光時にマスクを被露光物に密着
させない場合でも、マスク母材の一表面からしみ出した
近接場光は僅かの減衰距離(マスクと被露光物との離間
距離)で被露光物に到達するので、この際も、近接場光
によって被露光物を十分な強度で照射することができ
る。
【0033】以上のように遮光膜の表面がマスク母材の
一表面より後方側に引っ込んで位置する場合も、マスク
母材の一表面に形成する溝の深さをより大きくすること
により、遮光膜の厚さは必要なだけ厚くすることができ
る。したがってこの場合も、遮光膜を十分に厚くして、
前述したカブリや耐久性の問題を解決することができ
る。
【0034】なお遮光膜の表面がマスク母材の一表面よ
り後方側に引っ込んで位置する場合、遮光膜表面とマス
ク母材の一表面との間の段差を余りに大きく設定する
と、近接場光の拡がりにより露光像の解像度が落ちる懸
念がある。そこで本発明においては、この場合にも上記
両表面の段差が50nmを超えないようにしているもの
である。
【0035】また特に、マスク開口部となる母材凸部が
マスク母材の一表面に向かって次第に細くなる形状とさ
れている場合は、この部分を伝わる近接場光の減衰が低
く抑えられるので、近接場光を効率良く被露光物に照射
することが可能となる。
【0036】一方、本発明による近接場光露光用マスク
の作製方法においては、マスターの凹凸形状をマスク母
材材料に転写してマスク母材を形成するようにしたの
で、一度1つのマスターを作製してしまえば、その後は
簡単な転写処理によって次々とマスク母材を形成でき、
そしてそのマスク母材に対して蒸着、ポリッシング、エ
ッチング等のバッチ処理可能なプロセスを適用すること
により、低コストでマスクを作製可能となる。
【0037】特にマスターをSiから形成し、このマス
ターの前記凹凸形状を異方性エッチングによって加工す
る場合は、高精度の加工が可能となる。
【0038】またマスターの凹凸形状を、マスク母材凸
部を形成する凹部がその底部に向かって次第に細くなる
形状としておくと、この凹凸形状を転写して形成された
マスク母材において母材凸部は、先端側に向かって次第
に細くなる形状となる。その場合、マスク母材の上に堆
積させた遮光膜材料を平坦化する際に該遮光膜材料の除
去厚さ(例えばエッチングにより平坦化を行なう場合の
エッチング深さ等)を制御すれば、この平坦化によって
平らにされる母材凸部の先端面の幅を自在に設定可能と
なる。
【0039】この母材凸部の先端面の幅は、すなわちマ
スク開口部の幅であるから、このようにして形成したマ
スクを用いて近接場光露光により前述のグレーティング
パターンを形成する場合には、上記遮光膜材料の除去厚
さを制御することにより、グレーティングパターンのラ
インアンドスペース比を制御できることになる。したが
って、本発明の近接場光露光用マスクの作製方法によれ
ば、電子ビーム描画等によって形成するマスターの凹凸
形状に広いマージンを設定しておいても、最後の遮光膜
材料の除去厚さを制御することにより、所望のラインア
ンドスペース比を実現できるマスクを作製可能となる。
このようにマスターの凹凸形状に広いマージンを設定で
きれば、マスターを短期間に低コストで作製可能とな
り、ひいては近接場光露光用マスクを比較的低コストで
作製可能となる。
【0040】また、上述のように遮光膜材料の除去厚さ
に応じて定まるマスク開口部の幅(母材凸部の先端面の
幅)は、マスターの凹凸形状における凹部の幅よりも小
さくなるから、本発明の近接場光露光用マスクの作製方
法によれば、極めて幅の狭い開口部を有してより精密な
近接場光露光を実現するマスクを作製できるようにな
る。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1および2は、本発明の
第1の実施形態による近接場光露光用マスクを作製する
手順を概略的に示すものである。なおこのマスクは一例
として、前述したグレーティングパターンを形成するた
めのものである。
【0042】まず図1を参照して、マスク母材成形用の
マスターを作製するまでの手順を説明する。最初に、同
図(1)に示されるように(100)面カットのSiウェ
ハ10に、熱酸化により厚さ50nmのSiO2 膜11を
形成する。
【0043】次にSiO2 膜11の上に電子ビームレジス
トを塗布した後、それをベーキングする。その後電子ビ
ームにより該レジストに所定のパターンを露光し、PE
B(post exposure bake)を行なった後、電子ビームレ
ジストを専用現像液で現像して、同図(2)に示されるよ
うに、紙面に垂直な方向にストライプ状に延びる複数の
部分が所定間隔を置いて並ぶレジストパターン12を形成
する。このときレジストパターン12は、Siウェハ10の
(111)面と平行になるように描画する。
【0044】次にこのレジストパターン12をマスクとし
て、バッファードフッ酸により、同図(3)に示されるよ
うにSiO2 膜11をエッチングする。そしてレジストパ
ターン12を専用剥離液により除去し、洗浄する(同図
(4))。
【0045】次に、残ったSiO2 膜11をマスクとし
て、エチレンジアミン+パイロカテコール系異方性エッ
チャントによりSiウェハ10をエッチングし、(11
1)面が露出した傾斜を持つ溝10aを形成する(同図
(5))。以上により、表面に凹凸形状を有するマスター1
5が完成する。
【0046】次に図2を参照して、上記マスター15を用
いて近接場光露光用マスクを作製する手順を説明する。
まず同図(1)に示されるようにマスター15にアクリル樹
脂20’を流し込み、硬化させる。硬化したアクリル樹脂
20’をマスター15から引き抜くことにより、同図(2)に
示される形状のマスク母材20が得られる。このアクリル
樹脂からなるマスク母材20はマスター15の凹凸形状に対
応して、その一表面20aから内部に切れ込んだ複数の溝
20bと、それらの溝20bに挟まれた凸部20cとを有する
ものとなる。
【0047】次に同図(3)に示されるように、マスク母
材20の上に蒸着によりCr膜21を300nm堆積させ
る。このときCr膜21は、マスク母材20の溝20b内に充
填される。次いでCMP(chemical mechanical polish
ing)によりCr膜21を平坦化する(同図(4))。さら
に、硝酸セリウムアンモニウム系のエッチャントにより
Cr膜21をエッチングして、マスク母材20の凸部20cが
露出するまでCr膜21を平坦化する。
【0048】以上により、同図(5)に示される形状の近
接場光露光用マスク25が完成する。この近接場光露光用
マスク25は、マスク母材20の一表面20aに複数の溝20b
が形成され、これらの溝20bに挟まれる部分に開口部と
なる母材凸部20cが形成され、上記溝20bの部分に遮光
膜としてのCr膜21が埋め込まれたものとなる。なお本
例の場合、マスク母材20の一表面20aとCr膜21の表面
とは整合している。
【0049】このような構成のマスク25を用いる近接場
光露光時に、フォトレジスト等の被露光物にマスク表面
(図2(5)中の上表面)を密着させると、近接場光のし
み出し面となる母材凸部20cの表面が被露光物に密着す
ることになる。したがって、この母材凸部20cの表面か
らしみ出した近接場光は減衰距離を持たずに直接的に被
露光物に到達するので、近接場光によって被露光物を十
分な強度で照射することができる。
【0050】近接場光露光時にマスク表面を被露光物に
密着させない場合でも、マスク母材20の一表面20aと被
露光物との間の距離を50nm以下に設定すれば、母材
凸部20cの表面からしみ出した近接場光は50nm以下
の減衰距離で被露光物に到達するので、この際も、近接
場光によって被露光物を十分な強度で照射することがで
きる。
【0051】他方、マスク母材20の溝20bの深さを大き
くすることにより、遮光膜としてのCr膜21の厚さは必
要なだけ厚くすることができる。したがって、このCr
膜21を十分に厚くして前述したカブリや耐久性の問題を
解決することができる。
【0052】さらに本実施形態のマスク25においては、
母材凸部20cが、マスク母材20の一表面20aに向かって
次第に細くなる形状とされているので、露光光の減衰を
より少なく抑えることができる。
【0053】なおこの第1実施形態において、マスク母
材20の一表面20aとCr膜21の表面とは整合している
が、それら両表面との間に段差があっても、その段差が
50nm以下であれば、上記と同様に近接場光によって
被露光物を十分な強度で照射することができる。その理
由は先に詳しく説明した通りである。この点は、以下の
第2実施形態でも同様である。
【0054】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。図3および4は、本発明の第2の実施形態によ
る近接場光露光用マスクを作製する手順を概略的に示す
ものである。なおこのマスクも、前述したグレーティン
グパターンを形成するためのものである。
【0055】まず図3を参照して、マスク母材成形用の
マスターを作製するまでの手順を説明する。最初に、同
図(1)に示されるように(100)面カットのSiウェ
ハ10に、熱酸化によって厚さ50nmのSiO2 膜11を形
成する。
【0056】次にSiO2 膜11の上に電子ビームレジス
トを塗布した後、それをベーキングする。その後電子ビ
ームにより該レジストに所定のパターンを露光し、PE
B(post exposure bake)を行なった後、電子ビームレ
ジストを専用現像液で現像して、同図(2)に示されるよ
うに、紙面に垂直な方向にストライプ状に延びる複数の
部分が所定間隔を置いて並ぶレジストパターン12を形成
する。このときレジストパターン12は、Siウェハ10の
(111)面と平行になるように描画する。
【0057】次にこのレジストパターン12をマスクとし
て、CF4 により、同図(3)に示されるようにSiO2
膜11をドライエッチングする。そしてレジストパターン
12を専用剥離液により除去し、洗浄する(同図(4))。
【0058】次に、残ったSiO2 膜11をマスクとし
て、エチレンジアミン+パイロカテコール系異方性エッ
チャントによりSiウェハ10をエッチングし、V溝10b
を形成する(同図(5))。以上の処理により、表面に凹
凸形状を有するマスター35が完成する。
【0059】次に図4を参照して、上記マスター35を用
いて近接場光露光用マスクを作製する手順を説明する。
まず同図(1)に示されるようにマスター35にアクリル樹
脂40’を流し込み、硬化させる。硬化したアクリル樹脂
40’をマスター35から引き抜くことにより、同図(2)に
示される形状のマスク母材40が得られる。このアクリル
樹脂からなるマスク母材40はマスター35の凹凸形状に対
応して、複数の溝40bと、それらの溝40bに挟まれた山
形の凸部40cとを有するものとなる。
【0060】次に同図(3)に示されるように、マスク母
材40の上に蒸着によりCr膜41を300nm堆積させ
る。このときCr膜41は、マスク母材40の溝40b内に充
填される。次いでCMP(chemical mechanical polish
ing)によりCr膜41を平坦化する(同図(4))。さら
に、硝酸セリウムアンモニウム系のエッチャントにより
Cr膜41をエッチングして、マスク母材40の凸部40cが
露出するまでCr膜41を平坦化する(同図(5))。
【0061】その後、Cr膜41から飛び出している部分
のマスク母材凸部40cをO2 アッシングによって除去す
ると、同図(6)に示される形状の近接場光露光用マスク4
5が完成する。
【0062】この近接場光露光用マスク45は、マスク母
材40の一表面40aに複数の溝40bが形成され、この溝40
bに挟まれる部分に開口部となる母材凸部40cが形成さ
れ、上記溝40bの部分に遮光膜としてのCr膜41が埋め
込まれたものとなる。本例の場合も、マスク母材40の一
表面40aとCr膜41の表面とは整合している。
【0063】このような構成のマスク45を用いて近接場
光露光をする際には、第1実施形態のマスク25を用いる
場合と同様の効果が全て得られる。それに加えて、本実
施形態では以下の特有の効果も得られる。
【0064】この第2の実施形態においてマスター35の
凹凸形状は、V溝10bがその底部に向かって次第に細く
なる形状とされ、それによりマスク母材凸部40cが上記
の形状に形成される。この場合、マスク母材40の上に堆
積させたCr膜41を平坦化する際に該Cr膜41の除去厚
さを制御すれば、この平坦化によって平らにされるマス
ク母材凸部40cの先端面の幅を自在に設定可能となる。
【0065】このマスク母材凸部40cの先端面の幅は、
すなわちマスク開口部の幅であるから、このようにして
形成したマスク45を用いてグレーティングパターンを形
成する場合には、Cr膜41の除去厚さを制御することに
より、グレーティングパターンのラインアンドスペース
比を制御できることになる。したがって、このマスク作
製方法によれば、電子ビーム描画によって形成するマス
ター35の凹凸形状に広いマージンを設定しておいても、
最後のCr膜41の除去厚さを制御することにより、所望
のラインアンドスペース比を実現できるマスク45を作製
可能となる。このようにマスター35の凹凸形状に広いマ
ージンを設定できれば、それを短期間に低コストで作製
可能となり、ひいては近接場光露光用マスク45を比較的
低コストで作製可能となる。
【0066】また、上述のようにCr膜41の除去厚さに
応じて定まるマスク開口部の幅(マスク母材凸部40cの
先端面の幅)は、マスター35のV溝10bの幅よりも小さ
くなるから、このマスク作製方法によれば、極めて幅の
狭い開口部を有してより精密な近接場光露光を実現する
マスク45を作製できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による近接場光露光用マ
スクを作製する手順の一部を説明する概略図
【図2】図1の手順に続く手順を説明する概略図
【図3】本発明の第2実施形態による近接場光露光用マ
スクを作製する手順の一部を説明する概略図
【図4】図3の手順に続く手順を説明する概略図
【図5】従来の近接場光露光用マスクを作製する手順を
説明する概略図
【符号の説明】
10 Siウェハ 10a Siウェハの溝 10b SiウェハのV溝 11 SiO2 膜 12 レジストパターン 15 マスター 20’ アクリル樹脂 20 マスク母材 20a マスク母材の一表面 20b マスク母材の溝 20c マスク母材の凸部 21 Cr膜 25 近接場光露光用マスク 35 マスター 40’ アクリル樹脂 40 マスク母材 40a マスク母材の一表面 40b マスク母材の溝 40c マスク母材の凸部 41 Cr膜 45 近接場光露光用マスク

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光光に対して透明であるマスク母材の
    一表面側に、所定パターンの開口部を残すように遮光膜
    が形成されてなる近接場光露光用マスクにおいて、 前記マスク母材の一表面に所定形状の複数の溝が形成さ
    れて、この溝に挟まれる部分に前記開口部となる母材凸
    部が形成され、 前記溝の部分に遮光膜が埋め込まれ、 この遮光膜の表面と前記マスク母材の一表面との段差が
    50nm以下とされていることを特徴とする近接場光露
    光用マスク。
  2. 【請求項2】 前記母材凸部が、マスク母材の前記一表
    面に向かって次第に細くなる形状とされていることを特
    徴とする請求項1記載の近接場光露光用マスク。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の近接場光露光用
    マスクを作製する方法であって、 前記複数の溝および前記母材凸部に対応した凹凸形状を
    有するマスターを形成し、 このマスターの形状をマスク母材材料に転写することに
    よって前記マスク母材を形成し、 このマスク母材の上に遮光膜材料を堆積させて前記複数
    の溝中に該遮光膜材料を充填した後、 前記母材凸部が露出するまで該遮光膜材料を平坦化して
    遮光膜とすることを特徴とする近接場光露光用マスクの
    作製方法。
  4. 【請求項4】 前記マスターをSiから形成し、このマ
    スターの前記凹凸形状を異方性エッチングによって加工
    することを特徴とする請求項3記載の近接場光露光用マ
    スクの作製方法。
  5. 【請求項5】 前記マスターの凹凸形状が、前記母材凸
    部を形成する凹部がその底部に向かって次第に細くなる
    形状であることを特徴とする請求項3または4記載の近
    接場光露光用マスクの作製方法。
  6. 【請求項6】 前記遮光膜材料の平坦化をポリッシング
    によって行なうことを特徴とする請求項3から5いずれ
    か1項記載の近接場光露光用マスクの作製方法。
  7. 【請求項7】 前記遮光膜材料の平坦化をエッチバック
    によって行なうことを特徴とする請求項3から5いずれ
    か1項記載の近接場光露光用マスクの作製方法。
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