JPH11153932A - 画像形成装置および除電ロール - Google Patents

画像形成装置および除電ロール

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JPH11153932A
JPH11153932A JP32016797A JP32016797A JPH11153932A JP H11153932 A JPH11153932 A JP H11153932A JP 32016797 A JP32016797 A JP 32016797A JP 32016797 A JP32016797 A JP 32016797A JP H11153932 A JPH11153932 A JP H11153932A
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JP
Japan
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roll
semiconductive
toner image
volume resistivity
intermediate transfer
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JP32016797A
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Yukio Hara
幸雄 原
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 中間転写体に蓄積された電荷をムラが発生し
ないように除電すること。 【解決手段】 回転移動する表面にトナー像が形成され
たトナー像担持体Bと、前記トナー像担持体Bの表面の
回転移動方向に沿って転写位置Q4より下流側に配置さ
れて、円筒状外側面を有する導電性の芯材と前記芯材の
円筒状外側面に付着された弾性を有し且つ半導電性表面
層の体積抵抗率をR1Ωcmとし半導電性下地層の体積
抵抗率をR2Ωcmとした場合、R1<R2となるように
設定された円筒状の弾性層とを有し、前記トナー像担持
体B表面に圧接してその圧接領域であるニップを形成す
る除電ロール31と、前記除電ロール31に電圧を印加
して、記録シートSにトナー像を転写したトナー像担持
体Bを除電する電圧印加装置32とから構成される画像
形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機や
レーザープリンタ等の画像形成装置に関し、特に感光体
ドラムまたは感光体ベルトにより構成される潜像担持体
や中間転写体等の表面に形成されたトナー像を他の部材
(記録シート等)に転写した後、前記潜像担持体や中間
転写ベルト等のトナー像担持体の帯電電荷を除去する除
電ロールを有する画像形成装置および前記画像形成装置
に備えられた前記除電ロールに関する。
【従来の技術】従来、この種の画像形成装置としては、
次の技術が知られている。 (J01)図13に示す技術 図13は、像担持体上に形成された未定着トナー像を、
中間転写体を介して記録シートに転写する従来の画像形
成装置の説明図である。このような画像形成装置は、特
公昭49−209号公報、特開昭62−206567号
公報、特開平3−192282号公報等に所載されてい
る。図13に示すように、光学的検出方法を用いて中間
転写体01の位置検出マークを検出した中間転写体01
の位置検出装置02から出力される中間転写体01の位
置検出信号をもとに、画像形成装置Fの制御部(コント
ローラ)Cにおいて像担持体03に対して行われる画情
報に応じた画像露光手段04による露光タイミングの制
御によって、画像のズレを補正し且つ画像形成装置Fの
動作を制御し、像担持体03上にタイミングよく形成さ
れた未定着トナー像を中間転写体01に1次転写し、前
記未定着トナー像を中間転写体01から記録シートSへ
2次転写して所望の画像を記録シートS上に形成するよ
うに構成されている。
【0002】特に図13に示すようにイエロー(Y)、
マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の各色に対
応した現像器Gy〜Gkを備え、各色の未定着トナー像を
重ね合わせてフルカラー画像を形成するカラー画像形成
装置Fにあっては、中間転写体01の位置検出装置02
で検出した中間転写体01の位置信号をもとに像担持体
03に対して行われる画像露光手段04による露光タイ
ミングの制御によって1次転写後の中間転写体01上の
合成像を記録シートSへ一括転写するように構成されて
いる。そして、1次転写後の像担持体03上の残存トナ
ーは次の画像形成サイクルの開始前に像担持体のクリー
ニング装置06によってクリーニングされる。
【0003】前記中間転写体を使用しない従来のカラー
画像形成装置であって、搬送ベルト等によって搬送され
る記録シートに対して感光体ドラム等の像担持体上に形
成された各色の未定着トナー像の合成像を直接多重転写
していたものでは、記録シートの厚みや表面特性また、
像担持体に対する記録シートの搬送特性等の多くの要因
によって、記録シート上に形成されるカラー画像の画質
が左右されていた。しかし、前述のように中間転写体を
用いたカラー画像形成装置では既に中間転写体上に多重
転写のなされた合成像を記録シートに一括転写している
ので、上記の不安定な要因を排除することができ、多重
転写時における画像の乱れや色むらの発生を効果的に防
止することができるという利点を有している。
【0004】そして、前記中間転写体を用いた従来の画
像形成装置において、像担持体03から中間転写体01
へ、あるいは中間転写体01から記録シートSへの未定
着トナー像の転写は静電転写法により行われ、各転写位
置において転写器07、08等により転写電圧を印加す
ると、未定着トナー像が像担持体03から中間転写体0
1へ転写され、あるいは中間転写体01から記録シート
Sへ転写される構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の中
間転写体を使用した画像形成装置においては、1次転写
装置が形成する電界によって像担持体から中間転写体上
に未定着トナー像が転写された直後以下のような問題が
発生する。すなわち、体積抵抗率の低い中間転写体を用
いた場合、像担持体上の未定着トナー像を中間転写体へ
1次転写する際、コロナ放電器あるいはバイアスロール
などの1次転写装置によって与えられた電荷が中間転写
体自身の導電性により帯電電荷が除電されてしまい、像
担持体から中間転写体へ転写された中間転写体上の未定
着トナーの電荷を保持する静電的な力が働かなくなるた
め、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリ
ンジ電界によって画像の周囲にトナーが飛散してしまい
画像ノイズの大きいものとなってしまう。
【0006】特に多重色画像のように単位面積あたりの
トナー量が多い像の周りではこの現象が顕著に現れカラ
ー画像形成装置にとっては致命的な画質欠陥となってし
まう。このような画像の周りにトナーが飛散する現象を
防ぐ手段としては、特開平3−192282号公報にて
開示されている内容のように中間転写体を構成する材料
の体積抵抗率を上げることによって、1次転写装置によ
り与えられた電荷が中間転写体に蓄積されるため、その
蓄積された電荷の静電的な力によって像担持体から中間
転写体へ転写された未定着トナーの電荷を保持すること
ができるため画像の周りにトナーが飛散する現象を防ぐ
ことが知られている。
【0007】しかし中間転写体の体積抵抗率を前記トナ
ーの飛散現象が発生しない領域にまで増加させるとさら
に以下のような問題点が発生する。すなわち、中間転写
体の体積抵抗率を増加させた場合多枚数の連続プリント
などを行うと1次転写装置によって与えられた電荷によ
って中間転写体の帯電量が徐々に増加する。前記中間転
写体に蓄積された電荷により、1次転写電界を妨げる方
向に働く逆方向の電界が生じる。前記中間転写体の蓄積
電荷は、像担持体から中間転写体、更に中間転写体から
記録シートへの転写電界を妨げることになり本来の転写
性能を低下させてしまうといった現象が発生する。特に
1次転写においては、中間転写体の帯電量が増加した場
合本来の転写性能を維持するためには1次転写装置に対
して印加する電圧を増加させていかなくてはならず、1
次転写装置に高電圧が印加されることになるため転写装
置で発生するリークの問題(印加電圧が高くなり過ぎる
と中間転写体が絶縁破壊を起こして電流が流れ、リーク
発生部分が劣化する問題)や大容量の電源が必要になり
コスト高になるという問題等が発生する。
【0008】このような問題を解決する方法として、従
来次の技術(J02)が知られている。 (J02)特開平6−83208号公報、特開平6−32
4551号公報等に記載の技術 これらの公報には、ブラシやコロトロン等の除電器をも
ちいて記録シート担持体または中間転写体に蓄積した電
荷を除去する手段が記載されている。しかし、これらの
公報記載の除電器などを配設して中間転写体の除電を行
った場合、以下の問題が発生することがわかった。 (a)コロトロンを用いる場合には、オゾンやNOxを
発生させ易いという問題がある。 (b)ブラシロールやブラシを用いる場合、ブラシに用
いるカーボン分散の導電繊維(ナイロン、アクリル繊
維)の抵抗のバラツキ、H/H環境(28℃,85%R
H)とL/L環境(10℃,15%RH)での抵抗変動
がある等によって除電の均一性に問題がある。このた
め、中間転写体上に蓄積された電荷が電気的に平滑(均
一に)に中和されずに中間転写体にムラになって残存し
そのムラになった残存電荷の影響で、次の転写サイクル
で画像に濃度ムラが発生し致命的な画質欠陥となってし
まう。
【0009】また、ブラシの場合には、使用中にブラシ
先端の破断または抜けなどが生じる。前記破断または抜
けが生じたブラシ先端がトナー像を乱して画質欠陥の原
因となるなどの2次障害が発生する場合がある。さらに
ブラシロールやブラシを用いて除電する方法で中間転写
体上に蓄積された電荷をムラ無く平滑にするには除電器
に印加する電圧を更に大きくしなければならない。その
場合、リークが発生し、中間転写体が劣化して寿命が短
縮するという問題も発生する。このような問題の対策と
しては除電ロールを用いて除電する方法が考えられる
が、除電ロールを用いる場合には次のような問題があっ
た。前記除電ロール等の電圧印加ロールにおいては、N
BR(ニトリルブタジエンゴム)、EPDM(エチレン
プロピレンジエンゴム )、ウレタンゴム、シリコンゴ
ムにカーボンブラックや有機及び無機電解質などの導電
性物質を分散させて導電性を付与し、ガス発泡や化学発
泡によって発泡させたスポンジロールを用いている。
【0010】このような電圧印加ロールでは、導電性物
質によって、その電気的特性が大きく異なり、半導電性
物質として、有機及び無機電解質を添加したイオン導電
性タイプと導電性物質としてカーボンブラックを用いた
電子電導タイプに分類される。イオン導電性タイプの弾
性層を有する電圧印加ロールは、ロールの芯材および表
面間の抵抗値の円周方向に沿ったバラツキが極めて小さ
く、望ましい、反面、温度や湿度の環境変化に対する抵
抗値(ロールの芯材および表面間の抵抗値)の変動が大
きく、例えば、28℃、85%RHの高温高湿環境(H
/H環境)と10℃、15%RHの低温低湿環境(L/
L環境)との前記抵抗値の差が、1.5〜2桁(1.5〜
2×logΩ)あるという問題を有している。
【0011】また、一般に、イオン導電性タイプの弾性
層を有する電圧印加ロールは、イオン導電剤として、4
級アンモニウム過塩素酸塩などが用いられているが、L
/L環境での抵抗値(ロールの芯材および表面間の抵抗
値)を108.0Ω(=8.0logΩ)よりも低くすること
が困難であり、イオン導電剤の量を多くするとイオン導
電剤が、電圧印加ロールの表面から滲み出て、トナー像
担持体の表面に移行(ブリードアウト)して、画像劣
化、汚染や感材侵食などを起こし易いという問題点が新
たに生じる。
【0012】また、カーボンブラックを用いた電子電導
タイプの弾性層を有する電圧印加ロールの場合には、電
圧依存性(印加電圧の変化に対する抵抗値の変動)が大
きいという特性、温度や湿度の環境変化に対する前記抵
抗値(ロールの芯材および表面間の抵抗値)の変動は少
ないという特性を有する。前記電圧依存性が大きいとい
う特性は、一定の印加電圧で使用するので除電ロールで
は問題とならない。しかし、カーボンブラックの分散性
の不安定さのために、カーボンブラックの配合量の多
い、体積抵抗率103~5Ωcm(=3〜5logΩcm)
の抵抗領域では、ロールの芯材および表面間の抵抗値の
円周方向に沿った抵抗値のバラツキは、少ないが、画像
形成装置の除電ロールとして用いられる体積抵抗率10
6~9Ωcm(=6〜9logΩcm)の抵抗領域において
は、例えば、ロールの芯材および表面間の抵抗値の円周
方向に沿ったバラツキが1桁(logΩ)と大きい。
【0013】前記対策として、従来下記の技術(J03)
〜(J05)が知られている。 (J03)特開平3−202885号公報記載の技術 この公報には、抵抗水準の異なる2層構成のゴムロール
にして、H/H環境とL/L環境での抵抗変動を少なく
する技術が開示されている。 (J04)特開平7−98549号公報記載の技術 この公報には、イオン導電剤とカーボンブラックなどの
電子電導の導電剤とを組合せた配合によって、環境、電
圧の変化に対する抵抗変動を少なくする技術が開示され
ている。 (J05)特開平5−332352号公報記載の技術 この公報には、2種類のカーボンブラックを組み合わせ
て配合して、ロール内の抵抗バラツキを低減する技術が
開示されている。しかし、除電ロールは、次の条件が要
求される。 (a)ロールの芯材および表面間の抵抗値のばらつきが
少ないこと。 (b)H/H環境とL/L環境での抵抗値(ロールの芯
材および表面間の抵抗値)の変動が少ないこと。 しかしながら前記(J03)〜(J05)の技術は前記条件
(a)〜(b)を満足することができないので、除電に
必要な一定の電流を環境、電圧の変動にかかわらず安定
して流すことができない。このため、従来の除電ロール
を用いた場合中間転写体に蓄積された電荷をムラが発生
してしまうという問題があった。
【0014】本発明は、前記従来の問題点に鑑み、下記
(O01)〜(O05)の記載内容を課題とする。 (O01)中間転写体、潜像担持体または記録シート搬送
ベルトに蓄積された電荷をムラが発生しないように除電
すること。 (O02)オゾンやNOxを発生させずに除電すること。 (O03)画像の濃度ムラの発生を防ぐこと。 (O04)高体積抵抗率の中間転写体に電荷が蓄積される
のを防止すること。 (O05)中間転写体の劣化を防止して中間転写体の寿命
を延命すること。
【0015】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決し
た本発明を説明するが、本発明の説明において本発明の
構成要素の後に付記したカッコ内の符号は、本発明の構
成要素に対応する後述の実施例の構成要素の符号であ
る。なお、本発明を後述の実施例の構成要素の符号と対
応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするた
めであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではな
い。
【0016】(第1発明)前記課題を解決するために、
本出願の第1発明の画像形成装置は、下記の要件を備え
たことを特徴とする、(A01)回転移動する表面にトナ
ー像が形成されたトナー像担持体(B;D)、(A02)
前記トナー像担持体(B;D)表面に形成されたトナー
像を記録シート(S)に転写する転写位置(Q4)に配
置された転写器(T)、(A03)前記転写位置(Q4)
において前記記録シート(S)に転写したトナー像を加
熱定着する定着装置(44)、(A04)前記転写器
(T)および定着装置(44)に前記記録シート(S)
を順次搬送する記録シート搬送装置(37〜43)、
(A05)前記トナー像担持体(B;D)表面の回転移動
方向に沿って前記転写位置(Q4)より下流側に配置さ
れて、円筒状外側面を有する導電性の芯材(31a)
と、前記芯材(31a)の円筒状外側面に付着された弾
性を有する円筒状の弾性層(31b+31c)とを有し、
前記トナー像担持体(B;D)表面に圧接してその圧接
領域であるニップを形成する除電ロール(31)、(A
06)前記弾性層(31b+31c)の表面層である半導電
性表面層(31c)と、前記半導電性表面層(31c)の
下層の半導電性下地層(31b)とから構成されて、前
記半導電性表面層(31c)の体積抵抗率をR1(Ωc
m)とし、前記半導電性下地層(31b)の体積抵抗率
をR2(Ωcm)とした場合、R1<R2となるように設
定された前記弾性層(31b+31c)、(A07)前記除
電ロール(31)に電圧を印加して、前記記録シート
(S)にトナー像を転写したトナー像担持体(B;D)
を除電する電圧印加装置(32)。
【0017】(第1発明の作用)前記構成を備えた第1
発明の画像形成装置では、トナー像担持体(B;D)の
回転移動する表面にはトナー像が形成される。転写位置
(Q4)に配置された転写器(T)は前記トナー像担持
体(B;D)表面に形成されたトナー像を記録シート
(S)に転写する。定着装置(44)は、前記転写位置
(Q4)において前記記録シート(S)に転写したトナ
ー像を加熱定着する。記録シート搬送装置(37〜4
3)は前記転写器(T)および定着装置(44)に前記
記録シート(S)を順次搬送する。前記トナー像担持体
(B;D)表面の回転移動方向に沿って前記転写位置
(Q4)より下流側に配置された除電ロール(31)は
円筒状外側面を有する導電性の芯材(31a)と、前記
芯材(31a)の円筒状外側面に付着された弾性を有す
る円筒状の弾性層(31b+31c)とを有する。
【0018】前記除電ロール(31)は、前記トナー像
担持体(B;D)表面に圧接してニップを形成する。電
圧印加装置(32)は、前記除電ロール(31)に電圧
を印加して、前記記録シート(S)にトナー像を転写し
た後のトナー像担持体(B;D)を除電する。前記除電
ロール(31)において、前記半導電性表面層(31
c)を形成しない場合には、前記芯材(31a)から半導
電性下地層(31b)の狭い領域(芯材およびニップ
間)のみに電流が流れることになる。前記半導電性下地
層(31b)内部の体積抵抗率の分布が不均一である
と、除電ロール(31)の回転に伴い、前記トナー像担
持体(B;D)との圧接領域(トナー像担持体・除電ロ
ール圧接領域)であるニップの周囲に移動した部分の半
導電性下地層(31b)の体積抵抗率R2が変動する。こ
の場合には、除電ロール(31)の回転に伴い、前記圧
接領域の周囲に移動した部分の半導電性下地層(31
b)の体積抵抗率R2の変動によって、前記芯材(31
a)から前記ニップ(トナー像担持体・除電ロール圧接
領域)までの弾性層(31b+31c)の抵抗値(芯材・
ニップ間抵抗値)が大きく変動する。したがって、前記
除電のための印加電圧が変動し、前記トナー像担持体
(B;D)表面の除電が不均一になる。
【0019】これに対し、本発明では、前記除電ロール
(31)の前記弾性層(31b+31c)はその表面層で
ある半導電性表面層(31c)と、前記半導電性表面層
(31c)の下層の半導電性下地層(31b)とから構成
されていて、前記半導電性表面層(31c)の体積抵抗
率をR1(Ωcm)とし、前記半導電性下地層(31b)
の体積抵抗率をR2(Ωcm)とした場合、R1<R2と
なるように設定されている。このため、芯材(31a)
から半導電性表面層(31c)の広い面積部分(トナー
像担持体(B;D)との圧接領域の周囲以外の面積部
分)にも電流が流れ、且つ前記半導電性表面層(31
c)に沿って前記圧接領域に電流が流れることになる。
すなわち、この場合、前記電流は半導電性下地層(31
b)の多くの部分通って前記半導電性表面層(31c)の
広い面積部分に電流が流れることになる。
【0020】この場合には、前記半導電性下地層(31
b)内部の体積抵抗率の分布が不均一であっても(すな
わち、除電ロール(31)の回転に伴い、前記圧接領域
の周囲に移動した部分の半導電性下地層(31b)の体
積抵抗率R2が変動しても)、前記電流が半導電性下地
層(31b)の多くの部分を流れるので、前記芯材(3
1a)および前記ニップ間の前記弾性層(31b+31
c)の抵抗値(芯材・ニップ間抵抗値)の変動は小さく
なる。
【0021】したがって、本発明のように半導電性下地
層(31b)の多くの部分および半導電性表面層(31
c)の広い部分を通って電流が流れるように構成するこ
とにより、ロール(31)回転時の芯材・ニップ間抵抗
値の変動を小さくすることができる。このため、前記ト
ナー像担持体(B;D)表面は変動の小さな電圧によっ
て除電されるので、前記トナー像担持体(B;D)表面
に蓄積された電荷をムラなく除電することができる。ま
た、本発明の画像形成装置は除電ロール(31)を用い
て前記トナー像担持体(B;D)の除電を行っているの
で、従来の画像形成装置のようにコロトロンを用いた場
合の除電技術と異なり、オゾンやNOxが発生しない。
【0022】(第2発明)また、本出願の第2発明の除
電ロールは、下記の要件を備えたことを特徴とする、
(B01)円筒状外側面を有する導電性の芯材(31
a)、(B02)前記芯材(31a)の円筒状外側面に付着
された弾性を有する円筒状の弾性層(31b+31c)、
(B03)前記弾性層(31b+31c)の表面層である半
導電性表面層(31c)と、前記半導電性表面層(31
c)の下層の半導電性下地層(31b)とから構成され
て、前記半導電性表面層(31c)の体積抵抗率をR1
(Ωcm)とし、前記半導電性下地層(31b)の体積
抵抗率をR2(Ωcm)とした場合、R1<R2となるよ
うに設定された前記弾性層(31b+31c)。
【0023】(第2発明の作用)前記構成を備えた第2
発明の除電ロールでは、円筒状外側面を有する導電性の
芯材(31a)と、前記芯材(31a)の円筒状外側面に
付着された弾性を有する円筒状の弾性層(31b+31
c)を有している。前記弾性層(31b+31c)は、前
記芯材(31a)表面に付着した半導電性下地層(31
b)およびその表面を被覆する半導電性表面層(31c)
を有している。第2発明の除電ロール(31)の前記弾
性層(31b+31c)はその表面の層である半導電性表
面層(31c)と、前記半導電性表面層(31c)の下層
の半導電性下地層(31b)とから構成されて、前記半
導電性表面層(31c)の体積抵抗率をR1(Ωcm)と
し、前記半導電性下地層(31b)の体積抵抗率をR2
(Ωcm)とした場合、R1<R2となるように設定され
ている。
【0024】この場合、芯材(31a)から半導電性表
面層(31c)の広い面積部分に電流が流れ、且つ前記
半導電性表面層(31c)に沿って前記ニップに電流が
流れることになる。したがって、前記半導電性下地層
(31b)内部の体積抵抗率の分布が不均一であっても
(すなわち、除電ロール(31)の回転に伴い、前記ニ
ップの周囲に移動した部分の半導電性下地層(31b)
の体積抵抗率R2が変動しても)、前記電流が半導電性
下地層(31b)の多くの部分を流れるので、前記芯材
・ニップ間の前記弾性層(31b+31c)の抵抗値(芯
材・ニップ間抵抗値)の変動は小さい。このため、除電
ロール(31)回転時の前記芯材・ニップ間抵抗値の変
動を小さくすることができるので、たとえば前記除電ロ
ール(31)が電荷の蓄積した中間転写ベルト表面に圧
接する場合、第2発明の除電ロール(31)を用いると
前記中間転写ベルト表面は変動の小さな電圧によって除
電される。したがって、前記中間転写ベルト表面に蓄積
された電荷がムラなく除電することができる。この第2
発明の除電ロール(31)は、画像形成装置に備えられ
た像担持体上に設定された転写位置(Q4)に記録シー
ト(S)を搬送する記録シート搬送ベルト、中間転写ド
ラム(D)または潜像担持体(16)などの除電にも使
用可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】(本発明の実施の形態1)本発明
の実施の形態1は、前記第1発明または第2発明におい
て下記の要件を備えたことを特徴とする、(A08)前記
半導電性表面層(31c)の体積抵抗率をR1(Ωcm)
とし、前記半導電性下地層(31b)の体積抵抗率をR2
(Ωcm)とした場合、R1×102<R2となるように
設定された前記弾性層(31b+31c)。 (本発明の実施の形態1の作用)前記構成を有する本発
明の実施の形態1では、弾性層(31b+31c)は前記
半導電性表面層(31c)の体積抵抗率をR1(Ωcm)
とし、前記半導電性下地層(31b)の体積抵抗率をR2
(Ωcm)とした場合、R1×102<R2となるように
設定される。このため、前記除電ロール(31)の芯材
(31a)から半導電性表面層(31c)の広い面積部分
(除電ロール(31)とトナー像担持体(B;D)とが
圧接していない部分)にも電流が流れ、且つ前記半導電
性表面層(31c)に沿って前記圧接領域に電流が流れ
ることになる。
【0026】したがって、前記半導電性下地層(31
b)内部の体積抵抗率の分布が不均一であっても(すな
わち、除電ロール(31)の回転に伴い、前記圧接領域
の周囲に移動した部分の半導電性下地層(31b)の体
積抵抗率R2が変動しても)、前記電流が半導電性下地
層(31b)の多くの部分を流れるので、前記芯材・ニ
ップ間抵抗値の変動は小さくなる。このため、除電時に
トナー像担持体(B;D)表面に印加される除電電圧の
変化が小さくなる。したがって、除電ロール(31)に
圧接するトナー像担持体(B;D)表面に蓄積された電
荷をムラなく除電することができる。
【0027】(本発明の実施の形態2)本発明の実施の
形態2は、前記第1発明もしくは第2発明または本発明
の実施の形態1において下記の要件を備えたことを特徴
とする、(A09)前記弾性層(31b+31c)内面およ
び外面間の抵抗値を測定し、前記測定した抵抗値を、前
記弾性層(31b+31c)が均一な1層構造であると仮
定して前記弾性層の単位体積当たりの抵抗値に換算した
値として定義される前記弾性層(31b+31c)の内外
面間体積抵抗率が1×106Ωcmないし1×108Ωc
mであり、且つ厚みtが2〜10mmの範囲にある前記
弾性層弾性層(31b+31c)。 (本発明の実施の形態2の作用)本発明の実施の形態2
では、除電ロール(31)の前記弾性層内外面間体積抵
抗率が1×106〜1×108Ωcmの範囲で且つ前記弾
性層(31b+31c)の厚みtが2〜10mmの範囲に
あるので、除電ロール(31)の芯材・ニップ間抵抗値
が適切な値となり、15KV以下の比較的低電圧の電源
により、リークの発生を伴うことなくトナー像担持体
(B;D)の除電を行うことができる。
【0028】(発明の実施の形態3)本発明の実施の形
態3は、前記第1発明もしくは第2発明または本発明の
実施の形態1ないし2において下記の要件を備えたこと
を特徴とする、(A010)前記半導電性表面層(31c)
の体積抵抗率R1(Ωcm)が1×102≦R1≦1×1
5に設定され、前記半導電性下地層(31b)の体積抵
抗率R2(Ωcm)が1×107≦R2≦1×109に設定
された前記弾性層(31b+31c)。 (本発明の実施の形態3の作用)前記構成を有する本発
明の実施の形態3では、弾性層(31b+31c)の前記
半導電性表面層(31c)の体積抵抗率R1(Ωcm)が
1×102≦R1≦1×105に設定されて、前記半導電
性下地層(31b)の体積抵抗率R2(Ωcm)が1×1
7≦R2≦1×109に設定される。このため、除電ロ
ール(31)の芯材(31a)から半導電性表面層(3
1c)の広い面積部分(除電ロール(31)とトナー像
担持体(B;D)とが圧接していない部分)にも電流が
流れ、且つ前記半導電性表面層(31c)に沿って前記
ニップに電流が流れることになる。したがって、本発明
の実施の形態2の画像形成装置および除電ロール(3
1)は、前記除電ロール(31)の芯材(31a)から
半導電性表面層(31c)の広い面積部分(除電ロール
(31)とトナー像担持体(B;D)とが圧接していな
い部分)にも電流が流れ、且つ前記半導電性表面層(3
1c)に沿って前記ニップに電流が流れることになる。
このため、除電時にトナー像担持体(B;D)表面に印
加される除電電圧の変化が小さくなる。したがって、除
電ロール(31)に圧接するトナー像担持体(B;D)
表面に蓄積された電荷をムラなく除電することができ
る。
【0029】(本発明の実施の形態4)本発明の実施の
形態4は、前記第1発明もしくは前記第2発明または前
記本発明の実施の形態1ないし3のいずれかにおいて下
記の要件を備えたことを特徴とする、(A011)カーボ
ンブラックを分散したウレタン変性のフッ素樹脂によっ
て構成された前記半導電性表面層(31c)。前記半導
電性表面層(31c)の材料に使用するウレタン変性の
フッ素樹脂としては次の材料が使用可能である。 (a)ウレタン変性4フッ化エチレン樹脂を含有した水
−エマルジョン塗料である日本アチソン(株)のエムラ
ロン345またはJYL−601にカーボンブラックを
分散したエムラロン345ESDまたはJYL−601
ESD等。 (b)4フッ化エチレン樹脂の微粉末(たとえば粒径
0.3μmのダイキン工業(株)ルブロンL5または粒
径0.3〜0.7μmの喜多村のKTL−500)を分
散させたカーボンブラック分散導電性ウレタン塗料。
【0030】(本発明の実施の形態4の作用)前記構成
を有する本発明の実施の形態4では、半導電性表面層
(31c)はカーボンブラックを分散したウレタン変性
のフッ素樹脂によって構成される。このため、前記除電
ロール(31)の表面は低表面エネルギーのゴム変性フ
ッ素樹脂系材料で被覆されることによりトナー汚れが少
なくなり、トナー汚れによる前記芯材・ニップ間抵抗値
の上昇を防止するすることができる。さらに、ゴム変性
の弾性材料を用いることにより、前記半導電性下地層
(31b)の変形に追随することができ前記半導電性表
面層(31c)にクラックが発生するなどの問題がな
い。
【0031】(本発明の実施の形態5)本発明の実施の
形態5は、前記第1発明もしくは前記第2発明または前
記本発明の実施の形態1ないし4のいずれかにおいて下
記の要件を備えたことを特徴とする、(A012)添加量
の増減による抵抗値の変化割合の大きなカーボンブラッ
クと、添加量の増減による抵抗値の変化割合の小さなカ
ーボンブラックとを添加した前記半導電性下地層(31
b)。 (本発明の実施の形態5の作用)前記構成を有する本発
明の実施の形態5では、半導電性下地層(31b)は、
添加量の増減による抵抗値の変化割合の大きなカーボン
ブラックと、添加量の増減による抵抗値の変化割合の小
さなカーボンブラックとが添加される。前記半導電性下
地層(31b)に添加量の増減による抵抗値の変化割合
の大きなカーボンブラックのみを添加した場合には、前
記抵抗値の変化割合の大きなカーボンブラックの添加量
を厳密に規定しなくては目的とする抵抗値を前記半導電
性下地層(31b)に与えることはできない。
【0032】また、前記半導電性下地層(31b)に添
加量の増減による抵抗値の変化割合の小さなカーボンブ
ラックのみを添加した場合には、目的とする抵抗値を得
るためには、前記抵抗値の変化割合の大きなカーボンブ
ラックの添加した場合よりも多量の添加が必要となる。
そして前記抵抗値の変化割合の小さなカーボンブラック
を多量に前記半導電性下地層(31b)を構成するゴム
組成物中に添加すると、前記ゴム組成物中のカーボンブ
ラックの配合比率が増加することから、素材(前記抵抗
値の変化割合の小さなカーボンブラックを多量に添加し
たゴム組成物)を混練するとき高粘度となるために加工
が困難となる。また、ゴム材料の硬度上昇を招き、前記
ゴムの硬度が硬くなる。しかしながら、本発明の実施の
形態5では、添加量の増減による抵抗値の変化割合の大
きなカーボンブラックと、添加量の増減による抵抗値の
変化割合の小さなカーボンブラックとを添加することに
より、前記半導電性下地層(31b)の硬度や体積抵抗
率を目標値にすることが容易となる。
【0033】(本発明の実施の形態6)本発明の実施の
形態6は、前記第1発明において下記の要件を備えたこ
とを特徴とする、(A013)回転移動する表面に静電潜
像が形成され、前記静電潜像がトナー像に現像される潜
像担持体(16)により構成された前記トナー像担持体
(B;D)。 (本発明の実施の形態6の作用)前記構成を有する本発
明の実施の形態6では、トナー像担持体(B;D)を構
成する潜像担持体(16)の回転移動する表面には静電
潜像が形成され、前記静電潜像がトナー像に現像され
る。前記現像されたトナー像は、中間転写体または記録
シートに転写された後、前記電圧印加装置(32)によ
り除電電圧が印加される前記除電ロール(31)により
除電される。
【0034】前記除電ロール(31)が有する前記弾性
層(31b+31c)は前記半導電性表面層(31c)の
体積抵抗率をR1(Ωcm)と前記半導電性下地層(3
1b)の体積抵抗率R2(Ωcm)とは、R1<R2となる
ように設定されているので、芯材(31a)から半導電
性表面層(31c)の広い面積部分(除電ロール(3
1)と中間転写体(B;D)とが圧接していない表面層
部分)にも電流が流れ、且つ前記半導電性表面層(31
c)に沿って前記ニップに電流が流れることになる。
【0035】したがって、前記半導電性下地層(31
b)内部の体積抵抗率の分布が不均一であっても(すな
わち、除電ロール(31)の回転に伴い、前記ニップの
周囲に移動した部分の半導電性下地層(31b)の体積
抵抗率R2が変動しても)、前記電流が半導電性下地層
(31b)の多くの部分を流れるので、前記芯材・ニッ
プ間の抵抗値の変動は小さい。このため、ロール(3
1)回転時の前記芯材・ニップ間抵抗値の変動を小さく
することができるので、トナー像担持体(B;D)に印
加される除電電圧の変化が小さくなる。したがって、前
記潜像担持体(トナー像担持体)表面に蓄積された電荷
をムラなく除電することができる。
【0036】(本発明の実施の形態7)本発明の実施の
形態7は、前記第1発明または前記本発明の実施の形態
6において下記の要件を備えたことを特徴とする、(A
014)前記潜像担持体(16)表面に現像されたトナー
像が1次転写器(21)によって1次転写される中間転
写体(B;D)により構成された前記トナー像担持体
(B;D)。 (本発明の実施の形態7の作用)前記構成を有する本発
明の実施の形態7では、潜像像担持体(16)の回転移
動する表面には静電潜像が形成され、前記静電潜像がト
ナー像に現像される。前記トナー像担持体(B;D)を
構成する中間転写体(B;D)は1次転写器(21)に
よって前記像担持体(16)表面上のトナー像が1次転
写される。前記中間転写体(B;D)上の前記トナー像
が記録シート(S)に転写された後、前記電圧印加装置
(32)が前記前記中間転写体(B;D)に圧接する前
記除電ロール(31)に電圧を印加して前記中間転写体
(B;D)表面を除電する。
【0037】前記除電ロール(31)が有する前記弾性
層(31b+31c)は前記半導電性表面層(31c)の
体積抵抗率をR1(Ωcm)と前記半導電性下地層(3
1b)の体積抵抗率R2(Ωcm)とは、R1<R2となる
ように設定されているので、芯材(31a)から半導電
性表面層(31c)の広い面積部分(除電ロール(3
1)と中間転写体(B;D)とが圧接していない部分)
にも電流が流れ、且つ前記半導電性表面層(31c)に
沿って前記ニップに電流が流れることになる。
【0038】したがって、前記半導電性下地層(31
b)内部の体積抵抗率の分布が不均一であっても(すな
わち、除電ロール(31)の回転に伴い、前記ニップの
周囲に移動した部分の半導電性下地層(31b)の体積
抵抗率R2が変動しても)、前記電流が半導電性下地層
(31b)の多くの部分を流れるので、前記芯材・ニッ
プ間抵抗値の変動は小さい。このため、ロール(31)
回転時の前記芯材・ニップ間抵抗値の変動を小さくする
ことができるので、除電するための電圧の変化が小さく
なる。したがって、前記中間転写体(B;D)表面に蓄
積された電荷をムラなく除電することができる。
【0039】(本発明の実施の形態8)本発明の実施の
形態8は、前記本発明の実施の形態7において下記の要
件を備えたことを特徴とする、(A015)中間転写ベル
ト(B)により構成された前記中間転写体(B)。 (本発明の実施の形態8の作用)前記構成を有する本発
明の実施の形態8では、中間転写体(B)は中間転写ベ
ルト(B)により構成される。したがって、中間転写ベ
ルト(B)を備えた画像形成装置においても前記本発明
の実施の形態7と同様中間転写ベルト(B)表面に蓄積
された電荷がムラなく除電することができる。
【0040】(本発明の実施の形態9)本発明の実施の
形態9は、前記本発明の実施の形態7において下記の要
件を備えたことを特徴とする、(A016)中間転写ドラ
ム(D)により構成された前記中間転写体(D)。 (本発明の実施の形態9の作用)前記構成を有する本発
明の実施の形態9では、中間転写体(D)は中間転写ド
ラム(D)により構成される。したがって、中間転写ド
ラム(D)を備えた画像形成装置においても前記本発明
の実施の形態7と同様中間転写ドラム(D)表面に蓄積
された電荷がムラなく除電することができる。
【0041】
【実施例】次に図面を参照しながら、本発明の画像形成
装置の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本
発明は以下の実施例に限定されるものではない。 (実施例1)図1は、本発明の画像形成装置の実施例1
の説明図である。図1において、カラー複写が可能な画
像形成装置Fは、上部にコピースタートキー、テンキ
ー、表示部等を有するUI(ユーザインタフェース)
と、原稿(図示せず)を載置する透明なプラテンガラス
2とを有している。プラテンガラス2の下側には、前記
プラテンガラス2上の原稿を照明しながら走査する原稿
照明ユニット3が配置されている。原稿照明ユニット3
は、原稿照明用光源4および第1ミラー5を有してい
る。また、プラテンガラス2の下側には、前記原稿照明
ユニット3の移動速度の1/2の速度で移動するミラー
ユニット6が配置されている。ミラーユニット6は、前
記照明用光源4から出射して原稿で反射し、前記第1ミ
ラー5で反射した原稿画像光を反射する第2ミラー7お
よび第3ミラー8を有している。前記第3ミラー8で反
射した原稿画像光は結像レンズ9を通って、CCD(カ
ラー画像読取センサ)によりR,G,Bのアナログ信号
として読み取られる。
【0042】CCDで読み取られたR(赤色),G(緑
色),B(青色)の画像信号は、IPS(イメージプロ
セッシングシステム)に入力される。IPSの作動はコ
ントローラCにより制御されている。また、IPSは、
前記CCDで得られるR,G,Bの読取画像のアナログ
電気信号をデジタル信号に変換して出力する画像読取デ
ータ出力手段11および前記RGBの画像データをK
(黒)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、およびC
(シアン)の画像データに変換して濃度補正、拡大縮小
補正等のデータ処理を施し、書込用画像データ(レーザ
駆動データ)として出力する画像データ出力手段12を
有している。前記画像データ出力手段12は前記K,
Y,M,C,の画像データを一時的に記憶する画像メモ
リ13を有している。
【0043】前記IPSの書込画像データ出力手段12
が出力するK,Y,M,Cの4色の画像書込データ(レ
ーザ駆動データ)は、レーザ駆動信号出力装置14に入
力される。レーザ駆動信号出力装置14は、入力された
画像データに応じた各色K,Y,M,Cの成分の画像の
レーザ駆動信号を所定のタイミングで、ROS(光走査
装置、すなわち、潜像形成装置)に出力する機能を有し
ている。前記ROSは、入力された前記レーザ駆動信号
により変調されたレーザビームLにより、160mm/
secのスピードで回転する像担持体(潜像担持体)1
6の静電潜像書込位置Q1を走査する。前記回転する像
担持体16に沿って、像担持体16の移動方向で前記潜
像書込位置Q1の上流側に、像担持体16を一様に帯電
させる帯電器17が配置されている。帯電器17は本実
施例1では帯電コロトロンにより構成されているが、帯
電ロールにより構成することが可能である。像担持体1
6は、前記帯電器17により一様に帯電された後、前記
潜像書込位置Q1において、前記レーザビームLにより
静電潜像が書き込まれるように構成されている。
【0044】前記像担持体16の移動方向に沿って、前
記潜像書込位置Q1の下流側の現像領域Q2には、前記静
電潜像をトナー像に現像するロータリ式の現像装置Gが
配置されている。前記現像装置Gは、回転軸18周囲に
装着したY,M,C,Kの4色の現像器Gy,Gm,G
c,Gkを有しており、前記回転軸18の回転に伴い、前
記各4色の現像器Gy,Gm,Gc,Gkが順次前記現像領
域Q2に移動するように構成されている。前記現像器G
y,Gm,Gc,Gkは、像担持体16上の静電潜像を、Y
(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K
(黒)の各色のトナー像に現像する装置である。前記符
号14〜17,ROS,G等で示された要素によりトナ
ー像形成装置(14〜17+ROS+G)が構成されて
いる。
【0045】前記回転する像担持体16下方には、中間
転写ベルト(中間転写体,トナー像担持体)Bが配置さ
れている。中間転写ベルトBはカーボンブラックを分散
した熱硬化性シームレスベルトにより構成されており、
次のようにして製造される。カーボンブラックを宇部興
産(株)製耐熱皮膜用ポリイミドワニスUワニス-Sと
ミキサーなどにより混合する。この原液を円筒型に注入
して加熱しつつ遠心成形する。半硬化した状態で脱型
し、その後、脱型したベルトを鉄芯に被せて450℃に
加熱して、本硬化(イミド化反応)して、表面抵抗率l
11.8Ω/□、体積抵抗率l09.0Ωcmの厚さ80μ
mのシームレスベルトを得る。なお、前記表面抵抗率の
計測は後述する三菱油化製ハイレスターIPのHRプロ
ーブを用い、電圧100V印加し、30秒後の電流値に
より求めた。前記シームレスベルトの表面にダイキン製
のフッ素ゴム塗料ダイエルラテックスGLS−213を
スプレー塗装のコート後、300℃で20分加熱して、
厚み50μm(トナー粒径の7倍)のフッ素ゴムとフッ
素樹脂から構成されるコート層を形成する。前記ダイキ
ン製フッ素ゴム塗料GLS−213のコート層は、27
0℃以上に焼成することにより、その表面に2μmのフ
ッ素樹脂(FEP:テトラフルオロエチレン・ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体)層が形成されている。
【0046】このようにして、表面抵抗率1013.0Ω/
□、体積抵抗率1013.5Ωcmの厚さ130μmのシー
ムレスベルトを得る。なお、前記表面抵抗率の計測は三
菱油化製ハイレスターIPのHRプローブ(図示せず)
を用い、電圧500V印加し、30秒後の電流値により
求めた。また、前記中間転写ベルトBの前記体積抵抗率
は、前記中間転写ベルトBの内面および外面間(両面
間)の抵抗値を測定し、前記測定した抵抗値を、前記中
間転写ベルトBが均一な1層構造であると仮定して前記
中間転写ベルトの単位体積当たりの抵抗値に換算した値
として定義される前記中間転写ベルトBの内外面間の体
積抵抗率である。前記中間転写ベルトBは、前記回転す
る像担持体16の表面に沿って前記現像領域Q2の下流
側に設定された1次転写領域Q3を通過するように配置
されている。前記1次転写領域Q3には、1次転写コロ
トロン(1次転写器)21が配置されている。
【0047】図1において、前記回転する像担持体16
に沿って、前記1次転写領域Q3の下流側には、像担持
体クリーナ22および除電ランプ23が配置されてい
る。なお、除電ランプ23の代わりに除電ロールを使用
することが可能である。前記中間転写ベルトBは、駆動
ロール25、アイドラロール26、テンションロール2
7、ウォーク補正ロール28(中間転写ベルトBの幅方
向の位置を調節するロール)および内側2次転写ロール
(バックアップロール)29の5本のロールで張架され
ており、図示しない駆動装置により前記像担持体16と
ほぼ同速度で前記駆動ロール25を介して矢印方向Aへ
回転する。前記駆動ロール25、アイドラロール26、
テンションロール27、ウォーク補正ロール28は導電
性の金属ロールにより構成されている。前記中間転写ベ
ルトBを支持する内側2次転写ロール29の導電金属製
の芯材は接地されその表面は半導電性または絶縁性の薄
層フィルムで被覆されている。前記薄層フィルムの体積
抵抗率はl09Ωcm以上に調整されている。
【0048】前記中間転写ベルトBの周辺には、2次転
写領域Q4において、前記中間転写ベルトBに対して前
記内側2次転写ロール29と対向する側に外側2次転写
ロール30が配置されている。外側2次転写ロール30
は導電性の金属ロールに半導電性の弾性体を巻き付けて
構成されており、例えばその弾性体の体積抵抗率はl0
5Ωcmに調整されている。前記符号29〜30で示さ
れた要素により本実施例1の2次転写器Tが構成されて
いる。
【0049】前記駆動ロール25は接地されており中間
転写ベルトBを挟んでその対向位置に除電ロール31が
配設されている。前記除電ロール31および駆動ロール
25の間には除電領域Q5が形成される。図2は本実施
例1における前記除電ロールの構成を示す図である。図
2において、除電ロール31は、金属シャフト(芯材)
31a、その表面に装着された半導電性下地層31bおよ
びその表面に形成された半導電性表面薄層31cを有し
ている。各構成要素の詳細は後で詳述する。前記中間転
写ベルトBの移動方向に沿って前記1次転写コロトロン
21から前記2次転写器Tまでの距離は使用される記録
シートSの最大長さよりも長く構成されている。また、
前記中間転写ベルトBの位置検出マークを検出するため
のベルト位置センサSN1が設けられている。
【0050】前記内側2次転写ロール29の芯材はアー
スされ、外側2次転写ロール30の芯材には、2次転写
電力印加手段としての電源回路32(図1参照,電圧印
加装置)のlkV〜6KV程度の直流電圧が印加され
る。前記除電ロール31および前記外側2次転写ロール
30は前記電源回路32に接続されている。この電源回
路32により前記外側2次転写ロール30にトナーと逆
極性のバイアス電圧が印加され中間転写ベルトB上のト
ナー像が記録シートSに転写される。
【0051】前記外側2次転写ロール30は前記内側2
次転写ロール29および中間転写ベルトBから離れた位
置に移動した状態で、転写ロールクリーナ33によりク
リーニングされ、転写で付着したトナー粒子や紙粉等の
異物が除去される。また、前記中間転写ベルトBの搬送
方向で、前記外側2次転写ロール30の下流側1次転写
領域の上流側に、前記中間転写ベルトBの表面に残留す
る未転写トナーを除去する中間転写体クリーナ34が配
置されており、前記内側2次転写ロール29表面に巻き
付く中間転写ベルトB表面に隣接して剥離爪35が配置
されている。前記外側2次転写ロール30、前記中間転
写体クリーナ34および剥離爪35は、前記中間転写ベ
ルトBに対し圧接、離間可能に構成配置されている。
【0052】給紙トレイ36から取り出された記録シー
トSは、フィードロール38により搬送され、レジスト
ロール39で一旦停止してから所定のタイミングでガイ
ド搬送路41を通って前記2次転写領域Q4に搬送され
る。この記録シートSには、2次転写領域Q4を通過す
る際に中間転写ベルトB上の未定着トナー像が2次転写
される。この未定着トナー像が転写された記録シートS
は、シートガイド部材42上面に沿って移動し、さらに
搬送ベルト43を通って定着位置Q6に搬送される。記
録シートSが前記定着位置Q6を通過するときに記録シ
ートS上の未定着トナー像は定着装置44によって定着
され、排紙トレイ46に排出されるように構成されてい
る。前記符号37〜43で示された要素により本実施例
1の記録シート搬送装置(37〜43)が構成されてい
る。
【0053】図2に示す除電ロール31において、金属
シャフト(芯材)31aの表面には、半導電性下地層3
1bおよびその表面に形成された半導電性表面層31cを
有する弾性層(31b+31c)が形成されている。前記
除電ロール31の金属性の芯材(芯金)31a表面に付
着した半導電性下地層31bは、スポンジ状の材質で、
原材料として、EPDMゴム材料(日本合成ゴム製EP
33)にジアゾ系の発泡剤10部と導電剤として粒状ア
セチレンブラック(電気化学(株)、平均粒径40m
μ、DBP吸油量288ml/100g)25部とアサ
ヒマールFT(旭カーボン(株)、平均粒径80mμ、
DBP吸油量28ml/100g)28部と配合し混練
する。この混練した原材料を押出成形機によりチューブ
形状に押出成形して、加硫缶をもちいて5.5KG/c
2の蒸気圧で160°の温度に加熱して発泡加硫を行
い、直径8mmの金属シャフトに圧入する。これによっ
て形成された発泡層の外径を14mmに研磨して形成す
る。この半導電性下地層31bの体積抵抗率は108Ωc
mであり、厚みは3(=(14−8)/2)mmであ
る。なお、この体積抵抗率の測定は図3に示す方法で行
ったが詳細については後述する。
【0054】導電剤として粒状アセチレンブラック(電
気化学(株)、平均粒径40mμ、DBP吸油量288
ml/100g)25部とアサヒマールFT(旭カーボ
ン(株)、平均粒径80mμ、DBP吸油量28ml/
100g)28部とをEPDMゴム材料に配合した理由
はつぎのとおりである。カーボンブラックはこれが添加
されたゴム組成中において、連鎖状に結合する傾向にあ
り、この連鎖結合の長さに応じて抵抗値は異なったもの
となる。すなわち、この連鎖結合が長ければ、ゴムの導
電性は向上してその抵抗値は低下する。一方、この連鎖
結合が短ければ、導電性は低下してその抵抗値は高くな
る。したがって、長い連鎖結合を形成するカーボンブラ
ックをゴム組成物に添加した場合には、短い連鎖結合を
形成するカーボンブラックを同量だけ添加した場合と比
較して、ゴムの抵抗値は大きく変化することになる。前
記連鎖結合の長さはカーボンブラックの個々の粒子の粒
径や表面活性度に依存しているがこれを示す指標の一つ
としてASTM(アメリカ標準試験法)D2414−6
TTに定義されているDBP吸油量がある。このDBP
吸油量とは、カーボンブラック100gに吸収されるジ
ブチルフタレート(DBP)の量(ml)を示すもので
あり、このDBP吸油量の高いカーボンブラックほど長
い連鎖結合を形成するものと考えられている。
【0055】このため、除電ロールの前記半導電性下地
層を製造するに当たり、前記DBP吸油量の高いカーボ
ンブラックのみを添加して前記半導電性下地層の抵抗値
を調整しようとすると、添加量の増減に伴う抵抗値の変
化割合が大きくなり、カーボンブラックの添加量を厳密
に規定しなくては目的とする抵抗値が得られない。ま
た、前記DBP吸油量の低いカーボンブラックのみを添
加すると、前述のような添加量の増減に伴う抵抗値の変
化割合が小さくなるが、目的とする抵抗値を得るために
は前記DBP吸油量の高いカーボンブラックのみを添加
した場合よりも多量のカーボンブラックを添加する必要
が生じ、ゴム組成物中におけるカーボンブラックの配合
比率が増加することから、前記素材をバンバリミキサ
ー、ニーダーなどで混練するときに、高粘度となるため
に加工が困難になる、ゴム材料の硬度上昇を招き、前記
ゴムの硬度が硬くなるという問題がある。
【0056】前記添加する2種類のカーボンブラック
は、これらのDBP吸油量の間に差が存在するものであ
れば差し支えないが、前記DBP吸油量の差が僅かであ
ると一種類のカーボンブラックを添加した場合と同じよ
うな問題が生じやすい。したがって、本発明の実施例1
における2種類のカーボンブラックは、DBP吸油量に
ある程度差があることが望ましく、2種類のカーボンブ
ラックとしてはDBP吸油量の高いカーボンブラックが
250ml/100g以上のDBP吸油量を有し、DB
P吸油量の低いカーボンブラックが100ml/100
g以下のDBP吸油量を有することが好ましい。したが
って、本発明の実施例1において、EPDMゴム材料に
前記DBP吸油の高いカーボンブラックとして前述の粒
状アセチレンブラック25部を添加し、前記DBP吸油
の低いカーボンブラックとして前述のアサヒサーマルF
T28部を添加する。前述の各カーボンブラックの代わ
りに以下のカーボンブラックに変更可能である。 (a)DBP吸油量の高いカーボンブラックとして ライオンアクゾ(株)製ケッチエンブラック(吸油量3
60ml/100g) キャボット(株)製バルカンXC−72(吸油量265
ml/100g) 旭カーボン(株)製HS−500(吸油量477ml/
100g) (b)DBP吸油量の低いカーボンブラックとして 旭カーボン(株)製製FTカーボン(吸油量28ml/
100g)
【0057】前記半導電性下地層31bを被覆する半導
電性表面層31cは、体積抵抗率10 3に調整されたエム
ラロン345ESD(日本アチソン(株)製のカーボン
ブラック)を分散してなるウレタン変性フッ素樹脂系塗
料)をスプレー法にて、厚み20μmに塗布し、100
℃で30〜35分加熱硬化して形成されている。
【0058】図3は除電ロールの半導電性下地層の体積
抵抗率の計測方法の説明図である。図3において、除電
ロール31の半導電性下地層31bを形成した状態(半
導電性表面層31cの形成前の状態)で、前記半導電性
下地層31bの表面にw(cm)幅(w=1インチ幅=
2.45cm)の銅テープを巻き付け、芯材31aとの
間に1KVの電圧を印加して10秒後の電流値Iを測定
して内面および外面間抵抗値Rを測定する。この場合の
前記半導電性下地層31bの軸方向単位長さ当たりの内
面および外面間抵抗値R、および体積抵抗率R2(Ωc
m)は、以下の式により計算して求めることができる。 R=(V/I)/w R2=2πwV/Iln(r2/r1) ここで、V:印加電圧(V)、I:電流値(A)、w:
銅テープ幅、r1:芯金径(mm)、r2:ロール径(m
m) なお、前記R2を求める式は次式より得られる。 V/I=R2×{(dr/2πrw)のr=r1からr2
までの積分値}
【0059】図4は本発明の実施例1の下地層の弾性体
(発泡体、EPDMゴム材料(日本合成ゴム(株)EP
33))に添加する特性の異なる2種類のカーボンブラ
ックとして、粒状アセチレンブラック(電気化学
(株)、平均粒径40mμ、DBP吸油量288ml/
100g)とアサヒマールFT(旭カーボン(株)、平
均粒径80mμ、DBP吸油量28ml/100g)と
を組み合わせて用いた場合のアセチレンブラック配合量
と体積抵抗率との関係を示すグラフである。横軸はEP
DMゴム材料100重量部に対する粒状アセチレンブラ
ック(電気化学(株)製)の配合量を示し、縦軸は体積
抵抗率(logΩcm)を示す。●のグラフ(FT2
5)はアサヒマールFTが25重量部の場合を示し、○
のグラフ(FT28)はアサヒマールFTが28重量部
の場合を示す。図4において体積抵抗率が107〜109
Ωcmの領域において、アセチレンブラック配合の変化
量に対する体積抵抗率の変化は比較的(図5に比較し
て)小さい。
【0060】図5は前記図4の測定結果の比較例として
実施した下地層の弾性体(EPDMゴム材料(日本合成
ゴム(株)EP33))にカーボンブラックとしてDB
P吸油量360ml/100gのケッチエンブラック
(ライオンアクゾ(株)、平均粒径30mμ)を配合し
た場合のカーボンブラック配合量(重量部)と体積抵抗
との関係を示すグラフである。横軸はケッチンエンブラ
ック(ライオンアクゾ(株)製)の配合量を示し、縦軸
は体積抵抗率(logΩcm)を示す。図5と前記図4
の各グラフを比較すると図5のケッチエンブラックを配
合した場合の方が前記図4の粒状アセチレンカーボンブ
ラックとアサヒサーマルFTとを組み合わせた場合より
カーボンブラック配合量の変化に対する体積抵抗率の変
化が大きい。したがって、本実施例1の半導電性下地層
31の前記図4の粒状アセチレンブラックとアサヒマー
ルFTとを組み合わせて用いた場合の方が107〜109
Ωcmの領域での抵抗が安定して得られる。
【0061】図6は本実施例1における半導電性表面層
の体積抵抗率の測定方法(スライドガラス法)の説明
図、図6Aは前記測定方法(スライドガラス法)のため
の各測定機器の説明図、図6Bは前記測定の際使用され
るスライドガラスと銅板との配置図である。図6におい
て、スライドガラスSgに半導電性表面層31cを塗布し
て、両端を銅板(電極)E1,E2で挟み、両端の銅板E
1,E2間に10Vの電圧Vを印加してその電流値(10
秒値)Iを測定する。その場合の図6に示す符号の意味
は次のとおりである。 V:前記両端の銅板E1,E2間の印加電圧、 I:前記両端の銅板E1,E2間の電流、 L:前記両端の銅板E1,E2間の距離、 W:前記半導電性表面層31cの幅、 t2:前記半導電性表面層31cの厚み、 この場合の半導電性表面層31cの体積抵抗率R1は次式
で表せる。 R1=(V/I)×(Wt2/L) =VWt2/IL
【0062】図7は本実施例1の除電ロールの半導電性
表面層の体積抵抗率とカーボンブラック配合量の割合と
の関係を示すグラフである。図7から分かるように、半
導電性表面層31cの体積抵抗率R1は、105Ωcmを
越えると、カーボンブラック量の僅かな変化によっても
大きく変化するが、105Ωcm以下の場合にはカーボ
ンブラック量の変化によってもあまり変化しない。した
がって、半導電性表面層31cの電子導電材料としてカ
ーボンブラックを使用する場合には、半導電性表面層3
1cの体積抵抗率R1の値として5(logΩcm)以下に
設定すると、カーボンブラックが不均一となっても、半
導電性表面層31c内部の体積抵抗率R1のバラツキは少
なくなる。この場合、体積抵抗率の均一な半導電性表面
層31cが形成できる。
【0063】次に発明者は半導電性下地層31bおよび
半導電性表面層31cの2層構造の弾性層を有する除電
ロール31の弾性層内外面間体積抵抗率と除電ロール3
1に印加する印加電圧との関係を調べた。なお、弾性層
内外面間体積抵抗率は、前記弾性層(31b+31c)内
面および外面間の抵抗値を測定し、前記測定した抵抗値
を、前記弾性層(31b+31c)が均一な1層構造であ
ると仮定して前記弾性層(31b+31c)の単位体積当
たりの抵抗値に換算した値として定義される値である。
図8は除電ロールの弾性層内外面間体積抵抗率と中間転
写ベルトを除電するための前記除電ロールに印加する印
加電圧との関係を示すグラフである。縦軸は印加電圧
(KV)を示し、横軸は弾性層内外面間体積抵抗率(l
ogΩcm)を示す。
【0064】図8において、●─●より上方の電圧を印
加したときリーク(印加電圧が高くなり過ぎると中間転
写体が絶縁破壊を起こして電流が流れる現象)が発生し
た。□─□より下方の電圧を印加したとき中間転写ベル
トBに対する除電効果が得られなかった。また、除電ロ
ール31の弾性層内外面間体積抵抗率106Ωcm未満
の場合、3KV以上の印加電圧でないと中間転写ベルト
Bの除電効果が得られなかったが、前記3KV以上の印
加電圧ではリークが発生した。除電ロール31の弾性層
内外面間体積抵抗率が108Ωcm以上の場合、印加電
圧が15KV以上20KV以下でなければリークが発生
せずに除電効果が得られるが、15KV以上印加する場
合には電源容量の問題から適当ではない。
【0065】したがって、除電ロール31の弾性層内外
面間体積抵抗率が1×106〜1×108Ωcmが使用可
能な範囲である。本実施例1では除電ロール31の弾性
層内外面間体積抵抗率は107.5Ωcmに設定されてい
る。また、本実施例1では半導電性下地層31bの厚さ
は3mm、半導電性表面層31cの厚みは20μmであ
るので、弾性層(31b+31c)の厚みtは3.02m
mである。前記弾性層内外面間体積抵抗率が1×106
〜1×108Ωcmの場合、前記弾性層(31b+31
c)の厚みtは、2〜10mmの範囲が使用可能であ
る。厚みtが10mmを越えると芯材・ニップ間抵抗値
が大きくなり過ぎ、また、2mmより小さくなると、適
切なニップ幅を形成し難くなる。
【0066】(実施例1の作用)図1において、像担持
体16は失印A方向に回転し、帯電器17でその表面が
ー様に帯電される。帯電された像担持体16にROS
(レーザー書き込み装置)などの画像書き込み手段によ
り静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置Gに
よってY(イエロー)のトナー現像されて可視化された
トナー像が形成される。トナー像は像担持体16の回転
に伴い1次転写コロトロン21が配置された1次転写領
域Q3に搬送される。1次転写領域Q5において、中間転
写ベルトBの裏側から像担持体16に押圧される1次転
写コロトロン21には、トナーと逆極性の電圧が印加さ
れる。前記トナー像と逆極性の電界を作用させることに
より前記トナー像は静電的に中間転写ベルトBに吸着さ
れ、1次転写される。以下、同様にしてM(マゼン
タ)、C(シアン)、K(黒)の各トナー像が順次形成
され中間転写ベルトBにおいて重ね合わされ、多重トナ
ー像が形成される。
【0067】中間転写ベルトBに転写された多重トナー
像は中間転写ベルトBの回転に伴い、2次転写領域Q4
に搬送される。前記多重トナー像が2次転写領域Q4に
搬送されるのにタイミングを合わせて、前記記録シート
Sが2次転写領域Q4に搬送される。2次転写領域Q4に
おいて、中間転写ベルトB上の多重トナー像は、中間転
写ベルトBのトナー像が担持された表面側に設置された
外側2次転写ロール30と中間転写ベルトBの裏側に配
置された内側2次転写ロール29との間に印加される2
次転写電圧により、前記記録シートS上に2次転写され
る。多重トナー像が転写された記録シートSは、最終ト
ナー像の1次転写終了まで退避位置にある剥離爪35を
作動せることにより中間転写ベルトBから剥離され、定
着装置44に搬送され、加圧/加熱処理でトナー像が固
定されて永久画像とされる。なお、多重トナ−像の記録
シートSへの転写の終了した中間転写ベルトBは2次転
領域Q4の下流に設けた中間転写体クリーナ34で残留
トナーの除去が行われて次の転写に備える。
【0068】なお、単色画像の転写の場合は、1次転写
されたトナー像を直ちに2次転写して定着装置44に搬
送するが、複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の
場合は各色のトナー像が1次転写領域Q3で正確に一致
するように中間転写ベルトBと像担持体16との回転を
同期させて各色のトナー像がずれないようにする。前記
2次転領域Q4では、内側2次転写ロール29と中間転
写ベルトBを介して対向配置した外側2次転写ロール3
0にトナー像の極性と逆極性の転写電圧を印加すること
によりトナー像を記録シートSに静電力で2次転写す
る。トナー像が2次転写された記録シートSは定着装置
44により定着され、排紙トレイ46に排出される。前
記記録シートSにトナー像を2次転写した後、前記中間
転写ベルトBに圧接している除電ロール31は、電源回
路32によって電圧が印加されて前記中間転写ベルトB
を除電する。
【0069】図9は除電ロールおよび前記中間転写ベル
トBの圧接領域であるニップN(すなわち、除電領域Q
5)と芯材31aとの間の軸方向単位長さ当たりの抵抗値
(すなわち、芯材・ニップ間抵抗値)の測定方法の説明
図である。前記芯材31aおよびニップN間の抵抗値
は、図9に示すように除電ロール31を直径28mmの
金層ロールに食い込み0.5mmで押しつけて、除電ロ
ール31の芯材31aと直径28mmの金属ロールとの
間に電圧(V)を印加して10秒後の電流値Iを読み取
り以下の式により計算する。なお、この場合の実施例1
のニップ幅は3.8mmであった。また、次式中、Hは
ロール長さである。 R=(V/I)H また、芯材31aおよびニップN間の抵抗値Rの円周方
向でのばらつきは、図9の状態において、直径28mm
の金層ロ−ルを印加電圧1KVで10rpmの速度で回
転させながら、除電ロール31を1周させたときの電流
値の変動より求めた。
【0070】図10に示す図表1は前記実施例1の半導
電性下地層31bおよび比較例1,2,3の弾性層の内
外面間体積抵抗率(図3の方法で測定し、算出した値)
の環境の変化に対する変化およびバラツキ、ならびに芯
材・ニップ間抵抗値R(図9の方法で測定した値)のバ
ラツキを示す図表である。比較例として以下のロールを
使用した。 比較例1 カーボンブラック分散EPDMロール(単層のロール) 比較例2 イオン導電タイプの発泡ウレタンロールの下地層にカー
ボンブラックを分散した表面層を被覆した2層構成のロ
ール 比較例3 イオン導電タイプの発泡ウレタンロール(単層のロー
ル)
【0071】図11は除電ロールに流れる電流の説明図
で、図11Aは半導電性下地層および半導電性表面薄層
の2層構造の実施例1の除電ロールの電流を示し、図1
1Bは1層構造の除電ロールの電流を示す図である。図
11Aにおいて、発泡EDPM(半導電性下地層31
b)の表面に前記半導電性下地層31bよりも体積抵抗率
の低いカーボンブラックを分散してなるウレタン変性フ
ッ素樹脂(半導電性表面層31c)を彼覆した場合に
は、低抵抗の半導電性表面層31cに沿って電流が流れ
る。すなわち、半導電性表面層31cでの電流の回り込
みが生じる。この場合、除電ロール31の芯材31aか
らニップNに流れる電流は、半導電性下地層31bの多
くの部分を流れることになる。これに対して、半導電性
下地層31bのみの場合には、図11Bに示すように、
芯材31aとニップN間の電流は、ニップNに近い部分
の半導電性下地層31bのみを流れることになる。
【0072】図11Bの芯材31aとニップN間の電流
がニップNに近い部分の半導電性下地層31bのみを流
れるような場合は、半導電性下地層31bの内面および
外面間の抵抗値が除電ロール31の円周方向のバラツキ
を有している場合、除電ロール31の回転位置において
前記芯材31aおよびニップN間の抵抗値は変動する。
この場合、除電ロール31の回転時における芯材および
ニップ間における抵抗値のバラツキは大きくなり易い。
これに対して、前記図11Aのように芯材31aからニ
ップNに流れる電流が半導電性下地層31bの多くの部
分を流れる場合には、仮に半導電性下地層31bの内面
および外面間の抵抗値が除電ロール31の円周方向のバ
ラツキを有していても、除電ロール31の回転時におけ
る芯材・ニップ間抵抗値Rのバラツキは大きくなり難
い。
【0073】前記半導電性表面層31cを設けた場合に
は、前記図10の図表1の実施例1の除電ロールおよび
比較例1の除電ロール(半導電性表面層がないロール)
を比較して分かるように、前記実施例1の除電ロール3
1の芯材・ニップ間抵抗値Rは、前記半導電性下地層の
みの抵抗値より低くなる。すなわち、前記除電ロールの
抵抗値は、L/L環境での抵抗値は0.6(=8.2−
7.6)桁(log値)低くなり、且つL/L環境とH
/H環境下での抵抗変動は、0.2桁(log値)と小
さくなっている。
【0074】また、比較例2(イオン導電タイプの発泡
ウレタンロールの下地層にカーボンブラックを分散した
表面層を被覆した2層構成のロール)および比較例3
(イオン導電タイプの発泡ウレタンロール(単層))の
ロ−ルは、芯材・ニップ間抵抗値のロールの面内バラツ
キ(円周方向のバラツキ)が小さいが、環境変動幅が
1.4および1.8桁(log値)と大きい。比較例の
3のカーボンブラック分散のウレタンロールゴム、比較
例1のカーボンブラック分散のEPDMゴムロールの抵
抗値は、環境での変動は少ないが、ロール内の面内の抵
抗バラツキ(芯材および表面間の抵抗値の円周方向に沿
ったバラツキ)が大きい。
【0075】したがって、本実施例1の除電ロール31
回転時の抵抗値(芯材・ニップ間抵抗値R)の変動を小
さくすることができるので、除電するための電圧の変化
が小さくなる。このため、前記中間転写ベルトB表面に
蓄積された電荷をムラなく除電することができる。した
がって、高体積抵抗率の中間転写ベルト表面に蓄積され
た電荷をムラなく除電できるので高体積抵抗率の中間転
写ベルトの使用が可能となり、低体積抵抗率の中間転写
ベルトで発生していた単位面積当たりに付着したトナー
重量が大きい像の周りで顕著に発生するトナー飛散現象
を防止できる。このため、画像形成装置内部の汚れを減
少させることができるため保守容易度を高めることがで
きる。
【0076】また、コロトロンを使用していないのでオ
ゾンやNOxを発生させることなく、ブラシも使用してい
ないので使用中にブラシ先端の破断、抜けなどによりト
ナー像の画質欠陥の原因となるなどの2次障害が発生す
ることがない。さらに、本実施例1の除電ロール31の
ロールの抵抗値(芯材および表面間の抵抗値)は環境変
動による変動も小さく、ロール内の抵抗値のバラツキ
(芯材および表面間の抵抗値の円周方向に沿ったバラツ
キ)も小さい。このため、従来の除電ロールのように高
出力の電圧を印加しなくても中間転写ベルトBの除電が
可能となるため電気的ストレスによる中間転写ベルトB
の劣化の問題も少なくなるため長寿命で信頼性の高い画
像形成装置を提供することができる。また、除電ロール
31表面に弾性を有する低表面エネルギーのフッ素樹脂
系材料で被覆されることで、トナー汚れが少なくなり、
トナー汚れによる除電ロール31の芯材・ニップ間抵抗
値の上昇を抑えることができる。
【0077】(実施例2)図12は本発明の実施例2の
画像形成装置の全体説明図である。なお、この実施例2
の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構
成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略
する。この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違
しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成され
ている。図12においてこの実施例2では、前記実施例
1の中間転写ベルトBの代わりに中間転写ドラム(中間
転写体,トナー像担持体)Dが使用されている。前記中
間転写ドラムDはアルミなど導電性金属で基材を構成し
アースされており、前記基材上に厚み10mmの発泡シ
リコンを包皮しさらにPTFE樹脂をコートし300℃
で焼成することによって表面抵抗率1013.8Ω/□、体
積抵抗率1013.5Ωcmを得る。
【0078】また、本実施例2の除電ロール31の弾性
層の内外面間体積抵抗率(図3の方法で測定し、算出し
た値)は106Ωcmに調節され、前記中間転写ドラム
D表面に当接している。除電ロール31の前記中間転写
ドラムDを挟んで導電性の金属ロール25′が配置され
ている。なお、前記表面抵抗率、体積抵抗率の計測は後
述する三菱油化製ハイレスターIPのHRプローブを用
い、電圧500V印加し、30秒後の電流値により求め
た。この実施例2においても前記実施例1と同様の作用
を奏する。
【0079】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
実施例を下記に例示する。(H01)前記実施例1では除
電ロール31が中間転写ベルトBを介して対向するロー
ルとして駆動ロール25を設けたが、前記駆動ロール2
5とは別にアースされた金属ロールを配置することが可
能である。
【0080】
【発明の効果】前述の本発明の画像形成装置および除電
ロールにおいて、下記の効果を奏することができる。 (E01)中間転写体、潜像担持体または記録シート搬送
ベルトに蓄積された電荷をムラが発生しないように除電
することができる。 (E02)コロトロンを使用しないのでオゾンやNOxが
発生させずに除電できる。 (E03)除電ムラの発生がないので電荷が残らず残存電
荷による画像の濃度ムラの発生が防止できる。 (E04)高体積抵抗率の中間転写体に電荷が蓄積される
のが防止できる。 (E05)従来の除電器のように高出力の電圧を印加しな
くても中間転写体の除電が可能なため、高出力の電圧の
印加の際発生するリークが発生せず、中間転写体の劣化
が防止され中間転写体の寿命が延命できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の画像形成装置の実施例1の
説明図である。
【図2】 図2は本実施例1における前記除電ロールの
構成を示す図である。
【図3】 図3は除電ロールの半導電性下地層の体積抵
抗率の計測方法の説明図である。
【図4】 図4は本発明の実施例1の下地層の弾性体
(発泡体、EPDMゴム材料(日本合成ゴム(株)EP
33))に添加する特性の異なる2種類のカーボンブラ
ックとして、粒状アセチレンブラック(電気化学
(株)、平均粒径40mμ、DBP吸油量288ml/
100g)とアサヒマールFT(旭カーボン(株)、平
均粒径80mμ、DBP吸油量28ml/100g)と
を組み合わせて用いた場合のアセチレンブラック配合量
と体積抵抗率との関係を示すグラフである。
【図5】 図5は前記図4の測定結果の比較例として実
施した下地層の弾性体(EPDMゴム材料(日本合成ゴ
ム(株)EP33))にカーボンブラックとしてDBP
吸油量360ml/100gのケッチエンブラック(ラ
イオンアクゾ(株)、平均粒径30mμ)を配合した場
合のカーボンブラック配合量(重量部)と体積抵抗との
関係を示すグラフである。
【図6】 図6は本実施例1における半導電性表面層の
体積抵抗率の測定方法(スライドガラス法)の説明図、
図6Aは前記測定方法(スライドガラス法)のための各
測定機器の説明図、図6Bは前記測定の際使用されるス
ライドガラスと銅板との配置図である。
【図7】 図7は本実施例1の除電ロールの半導電性表
面層の体積抵抗率とカーボンブラック配合量の割合との
関係を示すグラフである。
【図8】 図8は除電ロールの弾性層内外面間体積抵抗
率と中間転写ベルトを除電するための前記除電ロールに
印加する印加電圧との関係を示すグラフである。
【図9】 図9は除電ロールおよび前記中間転写ベルト
Bの圧接領域であるニップN(すなわち、除電領域Q
5)と芯材31aとの間の軸方向単位長さ当たりの抵抗値
(すなわち、芯材・ニップ間抵抗値)の測定方法の説明
図である。
【図10】 図10に示す図表1は前記実施例1の半導
電性下地層31bおよび比較例1,2,3の弾性層の内
外面間体積抵抗率(図3の方法で測定し、算出した値)
の環境の変化に対する変化およびバラツキ、ならびに芯
材・ニップ間抵抗値R(図9の方法で測定した値)のバ
ラツキを示す図表である。
【図11】図11は除電ロールに流れる電流の説明図
で、図11Aは半導電性下地層および半導電性表面薄層
の2層構造の実施例1の除電ロールの電流を示し、図1
1Bは1層構造の除電ロールの電流を示す図である。
【図12】図12は本発明の実施例2の画像形成装置の
全体説明図である。
【図13】図13は、像担持体上に形成された未定着ト
ナー像を、中間転写体を介して記録シートに転写する従
来の画像形成装置の説明図である。このような画像形成
装置は、特公昭49−209号公報、特開昭62−20
6567号公報、特開平3−192282号公報等に所
載されている。
【符号の説明】
B;D…トナー像担持体(中間転写体)、B…中間転写
ベルト、D…中間転写ドラム、Q4…転写位置、S…記
録シート、T…転写器、16…潜像担持体、21…1次
転写器、31…除電ロール、31a…芯材、31b+31
c…弾性層、31b…半導電性下地層、31c…半導電性
表面層、 32…電圧印加装置、37〜43…記録シー
ト搬送装置、44…定着装置、

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の要件を備えたことを特徴とする画
    像形成装置、(A01)回転移動する表面にトナー像が形
    成されたトナー像担持体、(A02)前記トナー像担持体
    表面に形成されたトナー像を記録シートに転写する転写
    位置に配置された転写器、(A03)前記転写位置におい
    て前記記録シートに転写したトナー像を加熱定着する定
    着装置、(A04)前記転写器および定着装置に前記記録
    シートを順次搬送するシート搬送装置、(A05)前記ト
    ナー像担持体表面の回転移動方向に沿って前記転写位置
    より下流側に配置されて、円筒状外側面を有する導電性
    の芯材と、前記芯材の円筒状外側面に付着された弾性を
    有する円筒状の弾性層とを有し、前記トナー像担持体表
    面に圧接してその圧接領域であるニップを形成する除電
    ロール、(A06)前記弾性層の表面層である半導電性表
    面層と、前記半導電性表面層の下層の半導電性下地層と
    から構成されて、前記半導電性表面層の体積抵抗率をR
    1(Ωcm)とし、前記半導電性下地層の体積抵抗率を
    R2(Ωcm)とした場合、R1<R2となるように設定
    された前記弾性層、(A07)前記除電ロールに電圧を印
    加して、前記記録シートにトナー像を転写したトナー像
    担持体を除電する電圧印加装置。
  2. 【請求項2】 下記の要件を備えたことを特徴とする請
    求項1記載の画像形成装置、(A08)前記半導電性表面
    層の体積抵抗率をR1(Ωcm)とし、前記半導電性下
    地層の体積抵抗率をR2(Ωcm)とした場合、R1×1
    2<R2となるように設定された前記弾性層。
  3. 【請求項3】 下記の要件を備えたことを特徴とする請
    求項1または2記載の画像形成装置、(A09)前記弾性
    層内面および外面間の抵抗値を測定し、前記測定した抵
    抗値を、前記弾性層が均一な1層構造であると仮定して
    前記弾性層の単位体積当たりの抵抗値に換算した値とし
    て定義される前記弾性層の内外面間の体積抵抗率が1×
    106Ωcmないし1×108Ωcmである前記弾性層。
  4. 【請求項4】 下記の要件を備えたことを特徴とする請
    求項1ないし3記載の画像形成装置、(A010)前記半
    導電性表面層の体積抵抗率R1(Ωcm)が1×102
    R1≦1×105に設定され、前記半導電性下地層の体積
    抵抗率R2(Ωcm)が1×10 7≦R2≦1×109に設
    定された前記弾性層。
  5. 【請求項5】 下記の要件を備えたことを特徴とする除
    電ロール、(B01)円筒状外側面を有する導電性の芯
    材、(B02)前記芯材の円筒状外側面に付着された弾性
    を有する円筒状の弾性層、(B03)前記弾性層の表面層
    である半導電性表面層と、前記半導電性表面層の下層の
    半導電性下地層とから構成されて、前記半導電性表面層
    の体積抵抗率をR1(Ωcm)とし、前記半導電性下地
    層の体積抵抗率をR2(Ωcm)とした場合、R1<R2
    となるように設定された前記弾性層。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002283601A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Ricoh Co Ltd 記録装置及び該記録装置に用いる記録体

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