JPH10282813A - 電圧印加ロールおよび画像形成装置 - Google Patents

電圧印加ロールおよび画像形成装置

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JPH10282813A
JPH10282813A JP8298897A JP8298897A JPH10282813A JP H10282813 A JPH10282813 A JP H10282813A JP 8298897 A JP8298897 A JP 8298897A JP 8298897 A JP8298897 A JP 8298897A JP H10282813 A JPH10282813 A JP H10282813A
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nip
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elastic layer
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JP8298897A
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Inventor
Yukio Hara
幸雄 原
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性の芯材およびニップ間における弾性層
の電気抵抗値の変動を小さくし、且つ前記ニップを流れ
る電流を環境、電圧の変動にかかわらず経時変化なく安
定して流し、安定的に高画質を得ることが可能な画像形
成装置の提供。 【解決手段】 導電性の芯材21aと、芯材21aの円筒
状外側面に付着されて、表面を所定の押圧力で押圧した
際にニップNの円周方向の幅が所定範囲の値となるよう
に変形可能で、厚みがt1=2〜10(mm)、体積抵抗率
R1(Ωcm)がR1=108.0〜109.7に設定されたイオ
ン導電材料により構成された半導電性下地層21b、お
よび前記半導電性下地層21bの外側面を被覆する弾性
を有する厚みt2=0.005〜0.05(mm)、体積
抵抗率R2(Ωcm)が前記R1の値に対してR2≦R1×1
-2に設定された半導電性表面薄層21cを有する弾性
層21b+21cとから構成される電圧印加ロールを有す
る画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像担持体に形成し
たトナー像を転写媒体に対して静電的に転写させるタイ
プの複写機やプリンタ等の電子写算方式を用いた画像形
成装置に用いられる電圧印加ロールおよび画像形成装置
に関するものである。
【従来の技術】従来、前記電子写真万式を用いた画像形
成装置においては、環境性、低騒音、低コストの要求が
更に高まってきており、これらの要求に応える技術とし
て、感光体ドラム等からなる像担持体の帯電や当該像担
持体上に形成されたトナー像の転写などを行うコロナ放
電器に代え、当該像担持体に接触した状態で帯電や転写
を行う電圧印加ロールを用いたバイアスロール方式のも
のが提案されている。この接触型の電圧印加ロールは、
オゾン等のコロナ生成物がほとんど発生せず、しかも、
高圧電源の電圧として低い電圧のものを使用でき、大型
の高圧電源を必要としないため、その分、消費電力を定
着装置等に回して定着効率の向上を図ることが可能であ
り、画像形成装置の軽量化及び高速化を達成することが
できる。
【0002】前記電圧印加ロールを用いた画像形成装置
としては、従来、例えば次の技術(J01)が知られてい
る。 (J01)像担持体上に静電潜像を形成し、前記静電潜像
をトナー像に現像し、前記像担持体上のトナー像を中間
転写体を介して記録シートに転写する技術、または中間
転写体を介さずに記録シートに転写し、記録シート上の
トナー像を加熱定着する画像形成装置。
【0003】この種の画像形成装置で使用される転写ロ
ールや帯電ロール、除電ロール等の電圧印加ロールにお
いては、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、EPDM
(エチレンプロピレンジエンゴム )、ウレタンゴム、
シリコンゴムにカーボンブラックや有機及び無機電解質
などの導電性物質を分散させて導電性を付与し、ガス発
泡や化学発泡によつて発泡させたスポンジロールを用い
ている。このような電圧印加ロールでは、導電性物質に
よって、その電気的特性が大きく異なり、半導電性物質
として、有機及び無機電解質を添加したイオン導電性タ
イプと導電性物質としてカーボンブラックを用いた電子
電導タイプに分類される。イオン導電性タイプの電圧印
加ロールは、ロール内の体積抵抗率の分布のバラツキが
極めて小さく、望ましい、反面、温度や湿度の環境変化
に対する体積抵抗値率の変動が大きく、例えば、28
℃、85%RHの高温高湿環境(H/H環境)と10
℃、15%RHの低温低湿環境(L/L環境)との体積
抵抗値率の差が、1.5〜2桁(1.5〜2×logΩ)あ
るという問題を有している。
【0004】また、一般に、イオン導電性タイプの電圧
印加ロールは、イオン導電剤として、4級アンモニウム
過塩素酸塩などが用いられているが、L/L環境での体
積抵抗率を109.5Ωcm(=9.5logΩcm)よりも低く
することが困難であり、イオン導電剤の量を多くすると
イオン導電剤が、電圧印加ロールの表面から滲み出て、
像担持体の表面に移行(ブリードアウト)して、画像劣
化、汚染や感材侵食などを起こし易いという問題点が新
たに生じる。
【0005】また、カーボンブラックを用いた電子電導
タイプの場合には、温度や湿度の環境変化に対する体積
抵抗値率の変動は少ない。しかし、カーボンブラックの
分散性の不安定さのために、カーボンブラックの配合量
の多い、103-5Ωcm(=3〜5logΩcm)の抵抗領
域では、ロール内の体積抵抗率の分布のバラツキは、少
ないが、画像形成装置の転写ロールや帯電ロールとして
用いられる106-10.5Ωcm(=6〜10.5logΩc
m)の抵抗領域においては、例えば、ロール内の面内バ
ラツキが1桁(logΩcm)と大きい。また、体積抵抗
率の電圧依存性は、例えば、印加電圧100Vと印加電
圧1KVとでの体積抵抗値率が1桁(logΩcm)以上
と大きいために、電圧変動によって、転写部での転写電
流が大きく変わるなど問題がある。
【0006】前記対策として、従来下記の技術(J02)
〜(J04)が知られている。 (J02)特開平3−202885号公報記載の技術 この公報には、抵抗水準の異なる2層構成のゴムロール
にして、H/H環境とL/L環境での抵抗変動を少なく
する技術が開示されている。 (J03)特開平7−98549号公報記載の技術 この公報には、イオン導電剤とカーボンブラックなどの
電子電導の導電剤とを組合せた配合によって、環境、電
圧の変化に対する抵抗変動を少なくする技術が開示され
ている。 (J04)特開平5−332352号公報記載の技術 この公報には、2種類のカーボンブラックを組み合わせ
て配合して、ロール内の抵抗バラツキを低減する技術が
開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
(前記(J02)〜(J04)の問題点)バイアスロールと
して用いられる電圧印加ロールは、像担持体に形成され
たトナー像をバイアスロールにて記録シート(転写紙)
に転写する画像形成装置において、次の条件(a)〜
(c)が要求される。 (a)ロール内の抵抗値のばらつきが少ないこと。 (b)H/H環境とL/L環境での体積抵抗値率の変動
が少ないこと。 (c)体積抵抗率の電圧依存性が少ないこと。 しかしながら前記(J02)〜(J04)の技術は前記条件
(a)〜(c)を満足することができないので、転写部
で必要な一定の転写電流を環境、電圧の変動にかかわら
ず経時変化なく安定して流すことができない。
【0008】本発明は前述の事情(及び検討結果)に鑑
み、円筒状外側面を有する導電性の芯材と、前記芯材の
円筒状外側面に付着された弾性を有する円筒状の弾性層
とを有し、前記弾性層が、前記弾性層表面およびこの弾
性層表面に対向配置される対向部材を所定の押圧力で押
圧した際に前記円筒状の弾性層表面および前記対向部材
の圧接領域であるニップの円周方向の幅(すなわち、ニ
ップ幅)が所定範囲の値となるように変形可能な電圧印
加ロールにおいて、下記(O01)〜(O03)の記載内容
を課題とする。 (O01)前記導電性の芯材および前記ニップ間における
前記弾性層の電気抵抗値の変動を小さくすること。 (O02)前記ニップを流れる電流を環境、電圧の変動に
かかわらず経時変化なく安定して流すこと。 (O03)安定的に高画質を得ることのできる画像形成装
置を提供すること。
【0009】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決し
た本発明を説明するが、本発明の説明において本発明の
構成要素の後に付記したカッコ内の符号は、本発明の構
成要素に対応する後述の実施例の構成要素の符号であ
る。なお、本発明を後述の実施例の構成要素の符号と対
応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするた
めであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではな
い。
【0010】(第1発明)前記課題を解決するために、
本出願の第1発明の電圧印加ロールは、下記の要件を備
えたことを特徴とする、(A01)円筒状外側面を有する
導電性の芯材(21a,29a,30a)、(A02)前記
芯材(21a,29a,30a)の円筒状外側面に付着さ
れた弾性を有する円筒状の弾性層(21b+21c,29
b+29c,30b+30c)、(A03)前記弾性層(21
b+21c,29b+29c,30b+30c)表面およびこ
の弾性層(21b+21c,29b+29c,30b+30
c)表面に対向配置される対向部材(B)を所定の押圧
力で押圧した際に前記円筒状の弾性層(21b+21c,
29b+29c,30b+30c)表面および前記対向部材
(B)の圧接領域であるニップ(N)の円周方向の幅が
所定範囲の値となるように変形可能な前記弾性層(21
b+21c,29b+29c,30b+30c)、(A04)前
記芯材(21a,29a,30a)表面に付着して前記ニ
ップ(N)幅が所定範囲の値となるように変形可能な厚
みを有しイオン導電材料により構成された円筒状の半導
電性下地層(21b,29b,30b)、および前記半導
電性下地層(21b,29b,30b)の外側面を被覆す
る弾性を有する電子導電材料により構成された円筒状の
半導電性表面薄層(21c,29c,30c)を有する前
記弾性層(21b+21c,29b+29c,30b+30
c)、(A05)前記半導電性表面薄層(21c,29c,
30c)を形成しない状態の前記半導電性下地層(21
b,29b,30b)表面を前記対向部材に押圧したとき
の前記芯材およびニップ間の軸方向1cm当たりの抵抗
値である下地層抵抗値R′に比較して、前記半導電性下
地層(21b,29b,30b)表面に形成した前記半導
電性表面薄層(21c,29c,30c)を前記対向部材
に押圧したときの前記芯材およびニップ間の軸方向1c
m当たりの抵抗値である弾性層抵抗値Rが、R≦10
-0.3R′となるように形成された前記半導電性表面薄層
(21c,29c,30c)。
【0011】(第1発明の作用)前記構成を備えた第1
発明の電圧印加ロールは、円筒状外側面を有する導電性
の芯材(21a,29a,30a)と、前記芯材(21a,
29a,30a)の円筒状外側面に付着された弾性を有す
る円筒状の弾性層(21b+21c,29b+29c,30
b+30c)を有している。前記弾性層(21b+21c,
29b+29c,30b+30c)は、前記芯材(21a,
29a,30a)表面に付着した半導電性下地層(21
b,29b,30b)およびその表面を被覆する半導電性
表面薄層(21c,29c,30c)を有している。前記
半導電性下地層(21b,29b,30b)は、前記弾性
層(21b+21c,29b+29c,30b+30c)表面
およびこの弾性層(21b+21c,29b+29c,30
b+30c)表面に対向配置される対向部材(B)を所定
の押圧力で押圧した際に前記円筒状の弾性層(21b+
21c,29b+29c,30b+30c)表面および前記
対向部材(B)の圧接領域であるニップ(N)の円周方
向の幅が所定範囲の値となるように変形する。したがっ
て、前記半導電性下地層(21b,29b,30b)の弾
性変形により所定範囲のニップ(N)幅が形成される。
前記弾性層(21b+21c,29b+29c,30b+3
0c)は、前記芯材(21a,29a,30a)表面に付着
して前記ニップ(N)幅が所定範囲の値となるように変
形可能な厚みを有しイオン導電材料により構成された円
筒状の半導電性下地層(21b,29b,30b)、およ
び前記半導電性下地層(21b,29b,30b)の外側
面を被覆する弾性を有する電子導電材料により構成され
た円筒状の半導電性表面薄層(21c,29c,30c)
を有する。
【0012】前記半導電性表面薄層R2(21c,29
c,30c)を形成しない場合には、前記芯材(21a,
29a,30a)から半導電性下地層(21b,29b,3
0b)の小さい面積部分(ニップ(N)の周囲の小面積
部分)のみに電流が流れることになる。前記半導電性下
地層(21b,29b,30b)内部の体積抵抗率の分布
が不均一であると、電圧印加ロールの回転に伴い、ニッ
プ(N)の周囲に移動した部分の半導電性下地層(21
b,29b,30b)の体積抵抗率R1が変動する。この場
合には、電圧印加ロールの回転に伴い、ニップ(N)の
周囲に移動した部分の半導電性下地層(21b,29b,
30b)の体積抵抗率R1の変動によって、前記芯材(2
1a,29a,30a)からニップ(N)までの弾性層
(21b+21c,29b+29c,30b+30c)の抵抗
値が大きく変動する。
【0013】これに対し、本発明では、前記半導電性表
面薄層(21c,29c,30c)を形成しない状態の前
記半導電性下地層(21b,29b,30b)表面を前記
対向部材に押圧したときの前記芯材およびニップ間の軸
方向1cm当たりの抵抗値(下地層抵抗値)R′に比較
して、前記半導電性下地層(21b,29b,30b)表
面に形成した前記半導電性表面薄層(21c,29c,3
0c)を前記対向部材に押圧したときの前記芯材および
ニップ間の軸方向1cm当たりの抵抗値(弾性層抵抗
値)Rが、R≦10-0.3R′となるように構成されてい
る。この場合、芯材(21a,29a,30a)から半導
電性表面薄層(21c,29c,30c)の広い面積部分
に電流が流れ、且つ前記半導電性表面薄層(21c,2
9c,30c)に沿ってニップ(N)に電流が流れること
になる。すなわち、この場合、前記電流は半導電性下地
層(21b,29b,30b)の多くの部分通って前記半
導電性表面薄層(21c,29c,30c)の広い面積部
分に電流が流れることになる。
【0014】この場合には、前記半導電性下地層(21
b,29b,30b)内部の体積抵抗率の分布が不均一で
あっても(すなわち、電圧印加ロールの回転に伴い、ニ
ップ(N)の周囲に移動した部分の半導電性下地層(2
1b,29b,30b)の体積抵抗率R1が変動しても)、
前記電流が半導電性下地層(21b,29b,30b)の
多くの部分を流れるので、前記芯材(21a,29a,3
0a)からニップ(N)までの前記弾性層(21b+21
c,29b+29c,30b+30c)の抵抗値Rの変動は
小さい。
【0015】したがって、本発明のように半導電性下地
層(21b,29b,30b)の多くの部分および半導電
性表面薄層(21c,29c,30c)の広い部分を通っ
て電流が流れるように構成することにより、ロール回転
時の抵抗値Rの変動を小さくすることができる。また、
前述のように、半導電性下地層(21b,29b,30
b)の多くの部分および半導電性表面薄層(21c,29
c,30c)の広い部分を通って電流が流れるように構成
することは、前記半導電性下地層(21b,29b,30
b)の体積抵抗率R1よりも前述半導電性表面薄層(21
c,29c,30c)の体積抵抗率R2を低く設定すること
になる。
【0016】すなわち、本発明では、半導電性表面薄層
(21c,29c,30c)の体積抵抗率R2よりも半導電
性下地層(21b,29b,30b)の体積抵抗率R1を大
きく設定し、半導電性下地層(21b,29b,30b)
の多くの部分を通って電流が流れるように構成すること
になるので、芯材(21a,29a,30a)からニップ
(N)までの電圧印加ロールの抵抗値Rは、半導電性下
地層(21b,29b,30b)を構成するイオン導電材
料に支配されており、ロール抵抗値(芯材およびニップ
間抵抗値)Rの電圧依存性は、少ない。また、半導電性
下地層(21b,29b,30b)のイオン導電材料は、
体積抵抗率R1のばらつきが比較的小さいので、前述の
ように、芯材(21a,29a,30a)からニップ
(N)までの電圧印加ロールの抵抗値が半導電性下地層
(21b,29b,30b)を構成するイオン導電材料に
支配されている状態では、電圧印加ロール回転時の前記
芯材(21a,29a,30a)およびニップ(N)間の
抵抗値Rのばらつきは小さい。
【0017】また、前記半導電性下地層(21b,29
b,30b)および半導電性表面薄層(21c,29c,3
0c)が共に弾性を有するので、次のような問題点(a)
〜(c)が生じない。 (a)帯電ロールおよび転写ロール等の電圧印加ロール
が、弾性を有しない場合には対向部材(B)と安定して
ニップ(N)を形成することができなくなる。 (b)安定してニップ(N)を形成することができない
場合、前記電圧印加ロールが帯電ロールの場合には、帯
電が不均一になり易く、帯電むらが発生する。また、前
記電圧印加ロールが転写ロールの場合には、転写むらが
発生する。 (c)半導電性表面薄層(21c,29c,30c)に弾性
を有しない、例えば、カーボンブラック分散のアクリル
樹脂を低硬度のゴムロール表面材料として用いた場合に
は、半導電性表面薄層(21c,29c,30c)に弾性
がないため像担持体等の対向部材(B)との圧接に伴う
変形によって表面層にクラックが発生する問題がある。
【0018】第1発明で使用する弾性を有する半導電性
表面薄層(21c,29c,30c)としては、電子導電
剤を分散させた電子導電材料により構成されており、例
えば、カーボンブラック分散のウレタン塗料、ゴム変性
フッ素系導電塗料を使用することができる。第1発明の
導電性ロールの芯材(21a,29a,30a)およびニ
ップ(N)間の抵抗値Rは、前記半導電性下地層(21
b)により必要な大きさの抵抗値が得られるので、半導
電性表面薄層(21c)としては体積抵抗率R2の小さな
材料を使用することができる。例えば、前記電子導電材
料としてカーボンブラックを使用した場合、体積抵抗率
R2=103ないし105Ωcmの材料を使用することが
できる。この場合、前記電子導電剤の分散性の不安定さ
による影響の少ない領域、すなわち、体積抵抗率のバラ
ツキの少ない領域で、カーボンブラック(電子導電剤)
を使用することができるので、導電性ロールが回転する
際の前記芯材(21a,29a,30a)および前記ニッ
プ(N)間の抵抗値のバラツキは少なくなる。したがっ
て、前記ニップ(N)を流れる電流のバラツキの少ない
導電性ロールを得ることができる。
【0019】前記第1発明の電圧印加ロールは、電子写
真複写機のような画像形成装置の転写ロール、帯電ロー
ル、除電ロール等に適用できる。また、通常のモノカラ
ー画像形成装置や、感光体ドラム等の一つの像担持体上
に多重トナ一像を担持するカラー画像形成装置、中間転
写体方式のカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備え
た複数の像担侍体を直列に配置したタンデム型カラー画
像形成装置等の種々の画像形成装置の電圧印加ロールに
適用可能である。
【0020】(第2発明)また、本出願の第2発明の画
像形成装置は、下記の要件を備えたことを特徴とする、
(B01)回転移動する像担持体(16)表面を一様に帯
電させる帯電器(17)、(B02)一様に帯電した像担
持体(16)表面に静電潜像を形成する潜像形成装置
(ROS)、(B03)前記潜像をトナー像に現像する現
像装置(D)、(B04)前記像担持体(16)表面に形
成されたトナー像を中間転写体(B)に転写する1次転
写領域(Q3)に配置された1次転写器(21)、(B0
5)前記中間転写体(B)に転写されたトナー像を記録
シート(S)に転写する2次転写領域(Q4)に配置さ
れた2次転写器(T)、(B06)前記2次転写領域(Q
4)に記録シート(S)を供給するシート供給手段(3
5〜38)、(B07)前記2次転写領域(Q4)におい
て記録シート(S)に転写したトナー像を加熱定着する
定着装置(41)、(B08)円筒状外側面を有する導電
性の芯材(21a)と、前記芯材(21a)の円筒状外側
面に付着された弾性を有する円筒状の弾性層(21b+
21c)とを有する転写ロール(21)により構成され
た前記1次転写器(21)、(B09)前記弾性層(21
b+21c)表面およびこの弾性層(21b+21c)表面
に対向配置される対向部材である中間転写体(B)を所
定の押圧力で押圧した際に前記円筒状の弾性層(21b
+21c)表面および前記中間転写体(B)の圧接領域
であるニップ(N)の円周方向の幅が所定範囲の値とな
るように変形可能な前記弾性層(21b+21c)、(B
010)前記芯材(21a)表面に付着して前記ニップ
(N)幅が所定範囲の値となるように変形可能な厚みを
有しイオン導電材料により構成された円筒状の半導電性
下地層(21b)、および前記半導電性下地層(21b)
の外側面を被覆する弾性を有する電子導電材料により構
成された円筒状の半導電性表面薄層を有する前記弾性層
(21b+21c)、(B011)前記半導電性表面薄層を
形成しない状態の半導電性下地層(21b)表面を前記
対向部材に押圧したときの前記芯材およびニップ(N)
間の軸方向1cm当たりの抵抗値である下地層抵抗値
R′に比較して、前記半導電性下地層(21b)表面に
形成した前記半導電性表面薄層の表面を前記対向部材に
押圧したときの前記芯材およびニップ(N)間の軸方向
1cm当たりの抵抗値である弾性層抵抗値Rが、R≦1
-0.3R′となるように形成された前記半導電性表面薄
層。
【0021】(第2発明の作用)前記構成を備えた第2
発明の画像形成装置では、帯電器(17)は、回転移動
する像担持体(16)表面を一様に帯電させる。潜像形
成装置(ROS)は、前記一様に帯電した像担持体(1
6)表面に静電潜像を形成する。現像装置(D)は、前
記潜像をトナー像に現像する。1次転写領域(Q3)に
配置された1次転写器(21)は、前記像担持体(1
6)表面に形成されたトナー像を中間転写体(B)に転
写する。2次転写領域(Q4)に配置された2次転写器
(T)は、前記中間転写体(B)に転写されたトナー像
を記録シート(S)に転写する。シート供給手段(35
〜38)は、前記2次転写領域(Q4)に記録シート
(S)を供給する。定着装置(41)は、前記2次転写
領域(Q4)において記録シート(S)に転写したトナ
ー像を加熱定着する。
【0022】前記1次転写器(21)は、円筒状外側面
を有する導電性の芯材(21a)と、前記芯材(21a)
の円筒状外側面に付着された弾性を有する円筒状の弾性
層(21b+21c)とを有する転写ロール(21)によ
り構成されている。前記弾性層(21b+21c)は、前
記芯材(21a)表面に付着して前記ニップ(N)幅が
所定範囲の値となるように変形可能な厚みを有しイオン
導電材料により構成された円筒状の半導電性下地層(2
1b)、および前記半導電性下地層(21b)の外側面を
被覆する弾性を有する電子導電材料により構成された円
筒状の半導電性表面薄層(21c)を有する。したがっ
て、前記弾性層(21b+21c)は、弾性層(21b+
21c)表面およびこの弾性層(21b+21c)表面に
対向配置される対向部材である中間転写体(B)を所定
の押圧力で押圧した際に前記円筒状の弾性層(21b+
21c)表面および前記中間転写体(B)の圧接領域で
あるニップ(N)の円周方向の幅が所定範囲の値となる
ように変形する。
【0023】この第2発明の画像形成装置の前記1次転
写ロール(21)は、前記第1発明の電圧印加ロールを
使用しているので、前記第1発明の電圧印加ロールと同
様の作用が得られる。すなわち、芯材(21a,29a,
30a)から半導電性表面薄層(21c,29c,30c)
の広い面積部分に電流が流れ、且つ前記半導電性表面薄
層(21c,29c,30c)に沿ってニップ(N)に電
流が流れることになる。すなわち、この場合、前記電流
は半導電性下地層(21b,29b,30b)の多くの部
分通って前記半導電性表面薄層(21c,29c,30
c)の広い面積部分に電流が流れることになる。
【0024】この場合には、前記半導電性下地層(21
b,29b,30b)内部の体積抵抗率の分布が不均一で
あっても(すなわち、電圧印加ロールの回転に伴い、ニ
ップ(N)の周囲に移動した部分の半導電性下地層(2
1b,29b,30b)の体積抵抗率R1が変動しても)、
前記電流が半導電性下地層(21b,29b,30b)の
多くの部分を流れるので、前記芯材(21a,29a,3
0a)からニップ(N)までの前記弾性層(21b+21
c,29b+29c,30b+30c)の抵抗値Rの変動は
小さい。したがって、本発明のように半導電性下地層
(21b,29b,30b)の多くの部分および半導電性
表面薄層(21c,29c,30c)の広い部分を通って
電流が流れるように構成することにより、転写ロール
(21)回転時の抵抗値Rの変動を小さくすることがで
きる。
【0025】また、前記第1発明の作用で説明したよう
に、芯材(21a,29a,30a)からニップ(N)ま
での転写ロール(電圧印加ロール)(21)の抵抗値R
は、半導電性下地層(21b)を構成するイオン導電材
料に支配されており、ロール抵抗値(芯材およびニップ
(N)間抵抗値)Rの電圧依存性は、少ない。また、転
写ロール(電圧印加ロール)回転時の前記芯材(21
a)およびニップ(N)間の抵抗値Rのばらつきは小さ
い。また、前記半導電性下地層(21b)および半導電
性表面薄層(21c)が共に弾性を有するので、1次転
写ロール(21)は対向部材(B)と安定してニップ
(N)を形成することができるので、転写むらが発生し
難い。また、表面層にクラックが発生し難い。したがっ
て、前記ニップ(N)を流れる転写電流のバラツキを少
なくすることができる。このため、像担持体(16)と
中間転写体(B)との間に一定の1次転写電流を環境、
電圧の変動にかかわらず経時変化なく安定して流すこと
ができるので、安定的に良好な1次転写を行うことがで
きる。このため、1次転写不良に基づく画質低下の発生
を防止することができる。
【0026】(第3発明)また、本出願の第3発明の画
像形成装置は、下記の要件を備えたことを特徴とする、
(C01)回転移動する像担持体(16)表面を一様に帯
電させる帯電器(17)、(C02)一様に帯電した像担
持体(16)表面に静電潜像を形成する潜像形成装置
(ROS)、(C03)前記潜像をトナー像に現像する現
像装置(D)、(C04)前記像担持体(16)表面に形
成されたトナー像を記録シート(S)に転写する転写位
置に配置された転写器(21′,21″)、(C05)前
記転写位置に記録シート(S)を供給するシート供給手
段(35〜38)、(C06)前記転写位置において記録
シート(S)に転写したトナー像を加熱定着する定着装
置(41)、(C07)円筒状外側面を有する導電性の芯
材と、前記芯材の円筒状外側面に付着された弾性を有す
る円筒状の弾性層とを有する転写ロール(21′,2
1″)により構成された前記転写器(21′,2
1″)、(C08)前記弾性層表面およびこの弾性層表面
に対向配置される対向部材である像担持体(16)を所
定の押圧力で押圧した際に前記円筒状の弾性層表面およ
び前記像担持体(16)の圧接領域であるニップの円周
方向の幅が所定範囲の値となるように変形可能な前記弾
性層、(C09)前記芯材表面に付着して前記ニップ幅が
所定範囲の値となるように変形可能な厚みを有しイオン
導電材料により構成された円筒状の半導電性下地層、お
よび前記半導電性下地層の外側面を被覆する弾性を有す
る円筒状の半導電性表面薄層を有する前記弾性層、(C
010)前記芯材表面に付着して前記ニップ幅が所定範囲
の値となるように変形可能な厚みを有しイオン導電材料
により構成された円筒状の半導電性下地層、および前記
半導電性下地層の外側面を被覆する弾性を有する電子導
電材料により構成された円筒状の半導電性表面薄層を有
する前記弾性層。
【0027】(第3発明の作用)また、本出願の第3発
明の画像形成装置では、前記転写ロール(21′,2
1″)の半導電性下地層の体積抵抗率を半導電性表面薄
層の体積抵抗率より高く設定しているので、芯材からニ
ップまでの電圧印加ロールの抵抗値は、半導電性下地層
を構成するイオン導電材料に支配されており、ロール抵
抗値の電圧依存性は、少ない。また、半導電性下地層の
イオン導電材料は、体積抵抗率のばらつきが小さいの
で、前述のように、芯材からニップまでの電圧印加ロー
ルの抵抗値が半導電性下地層を構成するイオン導電材料
に支配されている状態では、前記抵抗値のばらつきは小
さい。このため、転写電流を環境、電圧の変動にかかわ
らず経時変化なく安定して流すことができるので、安定
的に良好な転写を行うことができる。このため、転写不
良に基づく画質低下の発生を防止することができる。
【0028】前記第2発明および第3発明の画像形成装
置は、転写器(21′,21″)として転写ロール(2
1′,21″)を用いる電子写真装置であれば、特に限
定されるものではなく、例えば、通常のモノカラー画像
形成装置や、感光体ドラム等の一つの像担持体(16)
上に多重トナ一像を担持するカラー画像形成装置、中間
転写体方式のカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備
えた複数の像担侍体を直列に配置したタンデム型カラー
画像形成装置等に適用可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】
(第1発明の実施の形態1)第1発明の実施の形態1の
電圧印加ロールは、前記第1発明において下記の要件を
備えたことを特徴とする、(A06)前記半導電性下地層
(21b,29b,30b)の体積抵抗率をR1Ωcm、前
記半導電性表面薄層の体積抵抗率をR2Ωcmとした場
合に103≦R2≦105に設定された前記半導電性表面
薄層(21c,29c,30c)。
【0030】(第1発明の実施の形態1の作用)前記構
成を有する第1発明の実施の形態1の電圧印加ロールで
は、前記弾性層(21b+21c,29b+29c,30b
+30c)の半導電性表面薄層(21c,29c,30c)
が、電子導電剤を分散させた電子導電材料により構成さ
れている。前記電子導電材料は、一般的にカーボンブラ
ック、有機および無機電解質等の電子導電剤を分散させ
た構成が採用される。第1発明の導電性ロールは芯材
(21a,29a,30a)およびニップ(N)間の抵抗
値は前記半導電性下地層(21b,29b,30b)によ
り必要な大きさが得られるので、半導電性表面薄層(2
1c,29c,30c)としては体積抵抗率R2の小さな材
料を使用しても、芯材(21a,29a,30a)および
ニップ(N)間の抵抗値を適切な値に設定することがで
きる。
【0031】半導電性表面薄層(21c,29c,30
c))として電子導電剤を分散させた体積抵抗率R2の小
さな材料を使用する場合、分散させる電子導電材料の量
が少な過ぎることによる半導電性表面薄層(21c,2
9c,30c))内部での体積抵抗率の分布にバラツキが
生じるようなことが無くなる。したがって、体積抵抗率
の分布が均一な半導電性表面薄層(21c,29c,30
c))を形成することができる。例えば、前記電子導電
材料としてカーボンブラックを使用した場合、体積抵抗
率R2=103ないし105Ωcmの材料を使用すること
ができる。この場合、前記電子導電剤の分散性の不安定
さによる影響の少ない領域、すなわち、体積抵抗率のバ
ラツキの少ない領域で、電子導電剤を使用することがで
きるので、導電性ロールが回転する際の前記芯材(21
a,29a,30a)および前記ニップ(N)間の抵抗値
のバラツキは少なくなる。したがって、前記ニップ
(N)を流れる電流のバラツキの少ない導電性ロールを
得ることができる。
【0032】(第1発明の実施の形態2)第1発明の実
施の形態2の電圧印加ロールは、前記第1発明または第
1発明の実施の形態1において下記の要件を備えたこと
を特徴とする、(A07)前記半導電性下地層(21b,
29b,30b)の厚みをt1(mm)、体積抵抗率をR1
(Ωcm)、前記半導電性表面薄層の厚みをt2(m
m)、体積抵抗率をR2(Ωcm)とした場合に、t1=
2〜10(mm)、t2=0.005〜0.05(m
m)、R2≦R1×10-2に設定された前記半導電性下地
層(21b,29b,30b)および前記半導電性表面薄
層(21c,29c,30c)。
【0033】(第1発明の実施の形態2の作用)第1発
明の実施の形態2の電圧印加ロールでは、前記ニップ
(N)の形成に必要な弾性は厚みt1(mm)=2〜1
0(mm)の半導電性下地層(21b,29b,30b)
により得ることができる。前記半導電性表面薄層(21
c,29c,30c)の体積抵抗率R2(Ωcm)の値およ
び前記半導電性下地層(21b,29b,30b)の体積
抵抗率R1の関係を、R2≦R1×10-2に設定した場
合、すなわち、R2をR1に比較して小さく設定した場
合、芯材(21a,29a,30a)から半導電性表面薄
層(21c,29c,30c)の広い面積部分に電流が流
れ、前記半導電性表面薄層(21c,29c,30c)に
沿ってニップ(N)に電流が流れることになる。この場
合、前記電流は半導電性下地層(21b,29b,30
b)の多くの部分を流れることになる。この場合には、
電圧印加ロールの回転に伴い、ニップ(N)の周囲に移
動した部分の半導電性下地層(21b,29b,30b)
の体積抵抗率の変動によっても、前記芯材(21a,2
9a,30a)からニップ(N)までの前記弾性層(21
b+21c,29b+29c,30b+30c)の抵抗値の変
動は小さい。また、前記t1,R1,t2,R2の値を前述
のように定めることにより、半導電性下地層(21b,
29b,30b)内側面の芯材(21a,29a,30a)
から表面(半導電性表面薄層(21c,29c,30c)
に接する外側面)までの抵抗値(芯材およびニップ間抵
抗値)R(Ω)を適切な値に容易に設定することができ
る。前記半導電性下地層(21b,29b,30b)の体
積抵抗率R1を半導電性表面薄層(21c,29c,30
c))の体積抵抗率R2より高く設定し、厚みt1をt2よ
りも分厚く設定しているので、芯材(21a,29a,3
0a)からニップ(N)までの電圧印加ロールの抵抗値
Rは、半導電性下地層(21b,29b,30b)を構成
するイオン導電材料に支配されており、ロール抵抗値の
電圧依存性は、少ない。また、半導電性下地層(21
b,29b,30b)のイオン導電材料は、体積抵抗率の
ばらつきが小さいので、前述のように、芯材(21a,
29a,30a)からニップ(N)までの電圧印加ロール
の抵抗値が半導電性下地層(21b,29b,30b)を
構成するイオン導電材料に支配されている状態では、前
記抵抗値Rのばらつきは小さい。
【0034】(第1発明の実施の形態3)第1発明の実
施の形態3の電圧印加ロールは、前記第1発明または第
1発明の実施の形態1もしくは2において下記の要件を
備えたことを特徴とする、(A08)前記導電性の芯材
(21a,29a,30a)および前記ニップ(N)間に
おける軸方向単位長さ当たりの常温常湿での抵抗値R
(Ω)がR=108.4〜108.9(Ω)に設定された前記
弾性層(21b+21c,29b+29c,30b+30
c)。
【0035】(第1発明の実施の形態3の作用)第1発
明の実施の形態3の電圧印加ロールでは、前記導電性の
芯材(21a,29a,30a)および前記ニップ(N)
間における軸方向単位長さ当たりの前記弾性層(21b
+21c,29b+29c,30b+30c)の常温常湿で
の抵抗値R(Ω)がR=108.4〜108.9(Ω)に設定
されているので、適切な転写電流および転写電界が得ら
れる。すなわち、R=108.4(Ω)の場合には必要な
転写電界を形成する電圧を印加できるが、Rの値がR=
108.4(Ω)よりも下のある値以下では、転写不良が
発生する。また、R=108.9(Ω)の場合は、適切な
転写電界を形成する電圧を印加できるが、Rの値がR=
108.9(Ω)を越えたある値以上では高電圧を印加す
ることになり、ニップ(N)前後の領域での放電現象が
生じ易くなり、白点抜け等の画質欠陥を発生させる。
【0036】(第1発明の実施の形態4)第1発明の実
施の形態4の電圧印加ロールは、前記第1発明または第
1発明の実施の形態1ないし3のいずれかにおいて下記
の要件を備えたことを特徴とする、(A09)前記イオン
導電材料がイオン導電剤を分散させたウレタンゴムによ
り構成された前記半導電性下地層(21b,29b,30
b)。
【0037】(第1発明の実施の形態4の作用)第1発
明の実施の形態4の電圧印加ロールでは、前記半導電性
下地層(21b,29b,30b)を構成する前記イオン
導電材料は、イオン導電剤を分散させたウレタンゴムに
より構成されている。ウレタンゴムは一般的に多用され
ているため、原材料の確保が容易であり、適切な弾性を
容易に得られる。
【0038】(第1発明の実施の形態5)第1発明の実
施の形態5の電圧印加ロールは、前記第1発明、または
第1発明の実施の形態1ないし4のいずれかにおいて下
記の要件を備えたことを特徴とする、(A010)前記電
子導電材料がカーボンブラックを分散させたウレタン変
性のフッ素樹脂により構成された前記半導電性表面薄層
(21c,29c,30c)。
【0039】(第1発明の実施の形態5の作用)第1発
明の実施の形態5の電圧印加ロールでは、前記半導電性
表面薄層(21c,29c,30c)を構成する前記電子
導電材料がカーボンブラックを分散させたウレタン変性
のフッ素樹脂により構成されている。電圧印加ロール表
面が低表面エネルギーのフッ素樹脂系材料で被覆される
ことで、トナーが付着し難くなり、トナー汚れが少なく
なる。したがって、トナ−汚れによるロール抵抗の上昇
を抑えることができる。更に、表面に吸水の少ないフッ
素系材料で被覆するので、電流が多くの半導電性下地層
(21b,29b,30b)の多くの部分を通って流れ、
かつ表面層は、H/H環境とL/L環境での抵抗変化が
ないので、イオン導電性ウレタンゴム単体の場合より、
H/H環境とL/L環境での抵抗値の変動が少なくな
る。
【0040】(第2発明の実施の形態1)第2発明の実
施の形態1の画像形成装置は、前記第2発明において下
記の要件を備えたことを特徴とする、(B012)円筒状
外側面を有する導電性の芯材と、前記芯材の円筒状外側
面に付着された弾性を有する円筒状の弾性層とを有する
帯電ロール(17′)により構成された前記帯電器(1
7′)、(B013)前記弾性層表面およびこの弾性層表
面に対向配置される対向部材である像担持体(16)を
所定の押圧力で押圧した際に前記円筒状の弾性層表面お
よび前記像担持体(16)の圧接領域であるニップの円
周方向の幅が所定範囲の値となるように変形可能な前記
弾性層、(B014)前記芯材表面に付着して前記ニップ
幅が所定範囲の値となるように変形可能な厚みを有しイ
オン導電材料により構成された円筒状の半導電性下地
層、および前記半導電性下地層の外側面を被覆する弾性
を有する円筒状の半導電性表面薄層を有する前記弾性
層、(B015)前記半導電性下地層の厚みをt1(m
m)、体積抵抗率をR1(Ωcm)、前記半導電性表面
薄層の厚みをt2(mm)、体積抵抗率をR2(Ωcm)
とした場合に、t1=2〜10(mm)、t2=0.00
5〜0.05(mm)、R2≦R1×10-2に設定された
前記半導電性下地層および前記半導電性表面薄層。
【0041】(第2発明の実施の形態1の作用)第2発
明の実施の形態1の画像形成装置では、前記円筒状の弾
性層表面および前記像担持体(16)の圧接領域である
ニップの形成に必要な弾性は厚みt1(mm)=2〜1
0(mm)の半導電性下地層により得ることができる。
前記半導電性表面薄層の体積抵抗率R2(Ωcm)の値
および前記半導電性下地層の体積抵抗率R1の関係を、
R2≦R1×10-2に設定した場合、すなわち、R2をR1
に比較して小さく設定した場合、芯材から半導電性表面
薄層の広い面積部分に電流が流れ、前記半導電性表面薄
層に沿ってニップに電流が流れることになる。この場
合、前記電流は半導電性下地層の多くの部分を流れるこ
とになる。この場合には、帯電ロール(17′)の回転
に伴い、ニップの周囲に移動した部分の半導電性下地層
の体積抵抗率の変動によっても、前記芯材からニップま
での前記弾性層の抵抗値の変動は小さい。また、前記t
1,R1,t2,R2の値を前述のように定めることによ
り、芯材およびニップ間抵抗値R(Ω)を適切な値に容
易に設定することができる。前記半導電性下地層の体積
抵抗率R1を半導電性表面薄層の体積抵抗率R2より高く
設定し、厚みt1をt2よりも分厚く設定しているので、
芯材からニップまでの帯電ロール(17′)の抵抗値R
は、半導電性下地層を構成するイオン導電材料に支配さ
れており、ロール抵抗値Rの電圧依存性は、少ない。ま
た、半導電性下地層のイオン導電材料は、体積抵抗率の
ばらつきが小さいので、前述のように、芯材からニップ
までの帯電ロール(17′)の抵抗値が半導電性下地層
を構成するイオン導電材料に支配されている状態では、
前記抵抗値Rのばらつきは小さい。このため、帯電電流
を環境、電圧の変動にかかわらず経時変化なく安定して
流すことができるので、安定的に良好な帯電を行うこと
ができる。このため、帯電不良に基づく画質低下の発生
を防止することができる。
【0042】(第2発明の実施の形態2)第2発明の実
施の形態2の画像形成装置は、前記第2発明または第2
発明の実施の形態1において下記の要件を備えたことを
特徴とする、(B016)円筒状外側面を有する導電性の
芯材(29a,30a)と、前記芯材(29a,30a)の
円筒状外側面に付着された弾性を有する円筒状の弾性層
(29b+29c,30b+30c)とを有する2次転写ロ
ール(29,30)を有する前記2次転写器(T)、
(B017)前記弾性層(29b+29c,30b+30c)
表面およびこの弾性層(29b+29c,30b+30c)
表面に対向配置される対向部材である中間転写体(B)
を所定の押圧力で押圧した際に前記円筒状の弾性層(2
9b+29c,30b+30c)表面および前記中間転写体
(B)の圧接領域であるニップ(N)の円周方向の幅が
所定範囲の値となるように変形可能な前記弾性層(29
b+29c,30b+30c)、(B018)前記芯材(29
a,30a)表面に付着して前記ニップ(N)幅が所定範
囲の値となるように変形可能な厚みを有しイオン導電材
料により構成された円筒状の半導電性下地層(29b,
30b)、および前記半導電性下地層(29b,30b)
の外側面を被覆する弾性を有する円筒状の半導電性表面
薄層(29c,30c)を有する前記弾性層(29b+2
9c,30b+30c)、(B019)前記半導電性下地層
(29b,30b)の厚みをt1(mm)、体積抵抗率を
R1(Ωcm)、前記半導電性表面薄層(29c,30
c)の厚みをt2(mm)、体積抵抗率をR2(Ωcm)
とした場合に、t1=2〜10(mm)、t2=0.00
5〜0.05(mm)、R2≦R1×10-2に設定された
前記半導電性下地層(29b,30b)および前記半導電
性表面薄層(29c,30c)。
【0043】(第2発明の実施の形態2の作用)第2発
明の実施の形態2の画像形成装置では、前記2次転写ロ
ール(29,30)の半導電性下地層(29b,30b)
の体積抵抗率を半導電性表面薄層(29c,30c)の体
積抵抗率より高く設定しているので、芯材(29a,3
0a)からニップ(N)までの2次転写ロール(29,
30)の抵抗値は、半導電性下地層(29b,30b)を
構成するイオン導電材料に支配されており、ロール抵抗
値の電圧依存性は、少ない。また、半導電性下地層(2
9b,30b)のイオン導電材料は、体積抵抗率のばらつ
きが小さいので、前述のように、芯材(29a,30a)
からニップ(N)までの2次転写ロール(29,30)
の抵抗値が半導電性下地層(29b,30b)を構成する
イオン導電材料に支配されている状態では、前記抵抗値
のばらつきは小さい。このため、2次転写電流を環境、
電圧の変動にかかわらず経時変化なく安定して流すこと
ができるので、安定的に良好な帯電を行うことができ
る。このため、2次転写不良に基づく画質低下の発生を
防止することができる。
【0044】(第3発明の実施の形態1)第3発明の実
施の形態1の画像形成装置は、前記第3発明において下
記の要件を備えたことを特徴とする、(C011)円筒状
外側面を有する導電性の芯材と、前記芯材の円筒状外側
面に付着された弾性を有する円筒状の弾性層とを有する
帯電ロール(17′)により構成された前記帯電器(1
7′)、(C012)前記弾性層表面およびこの弾性層表
面に対向配置される対向部材である像担持体(16)を
所定の押圧力で押圧した際に前記円筒状の弾性層表面お
よび前記像担持体(16)の圧接領域であるニップの円
周方向の幅が所定範囲の値となるように変形可能な前記
弾性層、(C013)前記芯材表面に付着して前記ニップ
幅が所定範囲の値となるように変形可能な厚みを有しイ
オン導電材料により構成された円筒状の半導電性下地
層、および前記半導電性下地層の外側面を被覆する弾性
を有する円筒状の半導電性表面薄層を有する前記弾性
層、(C014)前記半導電性下地層の厚みをt1(m
m)、体積抵抗率をR1(Ωcm)、前記半導電性表面
薄層の厚みをt2(mm)、体積抵抗率をR2(Ωcm)
とした場合に、t1=2〜10(mm)、t2=0.00
5〜0.05(mm)、R2≦R1×10-2に設定された
前記半導電性下地層および前記半導電性表面薄層。
【0045】(第3発明の実施の形態1の作用)第3発
明の実施の形態1の画像形成装置では、前記帯電ロール
(17′)の半導電性下地層の体積抵抗率を半導電性表
面薄層の体積抵抗率より高く設定しているので、芯材か
ら前記円筒状の弾性層表面および前記像担持体(16)
の圧接領域であるニップまでの帯電ロール(17′)の
抵抗値は、半導電性下地層を構成するイオン導電材料に
支配されており、ロール抵抗値の電圧依存性は、少な
い。また、半導電性下地層のイオン導電材料は、体積抵
抗率のばらつきが小さいので、前述のように、芯材から
ニップまでの帯電ロール (17′)の抵抗値が半導電
性下地層を構成するイオン導電材料に支配されている状
態では、前記抵抗値のばらつきは小さい。このため、帯
電電流を環境、電圧の変動にかかわらず経時変化なく安
定して流すことができるので、安定的に良好な帯電を行
うことができる。このため、帯電不良に基づく画質低下
の発生を防止することができる。
【0046】(第3発明の実施の形態2)第3発明の実
施の形態2の画像形成装置は、前記第3発明または第3
発明の実施の形態1において下記の要件を備えたことを
特徴とする、(C015)円筒状外側面を有する導電性の
芯材と、前記芯材の円筒状外側面に付着された弾性を有
する円筒状の弾性層とを有し、前記像担持体表面の回転
方向に沿って前記帯電器の上流側に配置された、前記像
担持体表面を除電する除電ロールを有する除電器、(C
016)前記弾性層表面およびこの弾性層表面に対向配置
される対向部材である像担持体を所定の押圧力で押圧し
た際に前記円筒状の弾性層表面および前記中間転写体の
圧接領域であるニップの円周方向の幅が所定範囲の値と
なるように変形可能な前記弾性層、(C017)前記芯材
表面に付着して前記ニップ幅が所定範囲の値となるよう
に変形可能な厚みを有しイオン導電材料により構成され
た円筒状の半導電性下地層、および前記半導電性下地層
の外側面を被覆する弾性を有する円筒状の半導電性表面
薄層を有する前記弾性層、(C018)前記半導電性下地
層の厚みをt1(mm)、体積抵抗率をR1(Ωcm)、
前記半導電性表面薄層の厚みをt2(mm)、体積抵抗
率をR2(Ωcm)とした場合に、t1=2〜10(m
m)、t2=0.005〜0.05(mm)、R2≦R1×
10-2に設定された前記半導電性下地層および前記半導
電性表面薄層。
【0047】(第3発明の実施の形態2の作用)第3発
明の実施の形態2の画像形成装置では、前記除電ロール
の半導電性下地層の体積抵抗率を半導電性表面薄層の体
積抵抗率より高く設定しているので、芯材からニップま
での除電ロールの抵抗値は、半導電性下地層を構成する
イオン導電材料に支配されており、ロール抵抗値の電圧
依存性は、少ない。また、半導電性下地層のイオン導電
材料は、体積抵抗率のばらつきが小さいので、前述のよ
うに、芯材からニップまでの除電ロールの抵抗値が半導
電性下地層を構成するイオン導電材料に支配されている
状態では、前記抵抗値のばらつきは小さい。このため、
除電電流を環境、電圧の変動にかかわらず経時変化なく
安定して流すことができるので、安定的に良好な除電を
行うことができる。このため、除電不良に基づく画質低
下の発生を防止することができる。
【0048】
【実施例】次に図面を参照しながら、本発明の電圧印加
ロールおよび画像形成装置の実施の形態の具体例(実施
例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。 (実施例1)図1は、本発明の実施例を備えた画像形成
装置の全体説明図である。図1において、カラー複写が
可能な画像形成装置Fは、上部にコピースタートキー、
テンキー、表示部等を有するUI(ユーザインタフェー
ス)と、原稿(図示せず)を載置する透明なプラテンガ
ラス2とを有している。プラテンガラス2の下側には、
前記原稿を照明しながら走査する原稿照明ユニット3が
配置されている。原稿照明ユニット3は、原稿照明用光
源4および第1ミラー5を有している。また、プラテン
ガラス2の下側には、前記原稿照明ユニット3の移動速
度の1/2の速度で移動するミラーユニット6が配置さ
れている。ミラーユニット6は、前記照明用光源4から
出射して原稿で反射し、前記第1ミラー5で反射した原
稿画像光を反射する第2ミラー7および第3ミラー8を
有している。前記第3ミラー8で反射した原稿画像光は
結像レンズ9を通って、CCD(カラー画像読取セン
サ)によりR,G,Bのアナログ信号として読み取られ
る。
【0049】CCDで読み取られたR(赤色),G(緑
色),B(青色)の画像信号は、IPSに入力される。
IPSの作動はコントローラCにより制御されている。
また、IPSは、前記CCDで得られるR,G,Bの読
取画像のアナログ電気信号をデジタル信号に変換して出
力する画像読取データ出力手段11および前記RGBの
画像データをK(黒)、Y(イエロー)、M(マゼン
タ)、およびC(シアン)の画像データに変換して濃度
補正、拡大縮小補正等のデータ処理を施し、書込用画像
データ(レーザ駆動データ)として出力する画像データ
出力手段12を有している。前記画像データ出力手段1
2は前記K,Y,M,Cの画像データを一時的に記憶す
る画像メモリ13を有している。
【0050】前記IPSの書込画像データ出力手段12
が出力するK,Y,M,Cの4色の画像書込データ(レ
ーザ駆動データ)は、レーザ駆動信号出力装置14に入
力される。レーザ駆動信号出力装置14は、入力された
画像データに応じた各色K,Y,M,Cの成分の画像の
レーザ駆動信号を所定のタイミングで、ROS(光走査
装置、すなわち、潜像形成装置)に出力する機能を有し
ている。前記ROSは、入力された前記レーザ駆動信号
により変調されたレーザビームLにより、160mm/
secのスピードで回転する像担持体16の静電潜像書
込位置Q1を走査する。前記回転する像担持体16に沿
って、像担持体16の移動方向で前記潜像書込位置Q1
の上流側に、像担持体16を一様に帯電させる帯電コロ
トロン(帯電器)17が配置されている。帯電器17は
本実施例では帯電コロトロンにより構成されているが、
帯電ロールにより構成することが可能である。像担持体
16は、前記帯電器17により一様に帯電された後、前
記潜像書込位置Q1において、前記レーザビームLによ
り静電潜像が書き込まれるように構成されている。
【0051】前記像担持体16の移動方向に沿って、前
記潜像書込位置Q1の下流側の現像領域Q2には、前記静
電潜像をトナー像に現像するロータリ式の現像装置(現
像装置)Dが配置されている。前記現像装置Dは、回転
軸18周囲に装着したY,M,C,Kの4色の現像器D
k,Dy,Dm,Dcを有しており、前記回転軸18の回転
に伴い、前記各4色の現像器Dk,Dy,Dm,Dcが順次
前記現像領域Q2に移動するように構成されている。前
記現像器Dk,Dy,Dm,Dcは、像担持体16上の静電
潜像を、K(黒)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、
C(シアン)の各色のトナー像に現像する装置である。
前記符号14〜17,ROS,D等で示された要素によ
りトナー像形成装置(14〜17+ROS+D)が構成
されている。前記回転する像担持体16の表面に沿って
前記現像領域Q2の下流側に設定された1次転写領域Q3
には、中間転写体(中間転写体)Bおよび1次転写ロー
ル(1次転写器)21が配置されている。図2は本実施
例における前記1次転写ロール21の構成を示す図であ
る。図2において、1次転写ロール21は、金属シャフ
ト(芯材)21a、その表面に装着された半導電性下地
層21bおよびその表面に形成された半導電性表面薄層
21cを有している。各構成要素の詳細は後で詳述す
る。
【0052】図1において、前記回転する像担持体16
に沿って、前記1次転写領域Q3の下流側には、像担持
体クリーナ22および除電ランプ23が配置されてい
る。なお、除電ランプ23の代わりに除電ロールを使用
することが可能である。前記中間転写体(中間転写体)
Bは、駆動ロール25、アイドラロール26、テンショ
ンロール27、ウォーク補正ロール28(中間転写体B
の幅方向の位置を調節するロール)および内側転写ロー
ル(バックアップロール)29の5本のロールで張架さ
れており、図示しない駆動装置により前記像担持体16
とほぼ同速度で前記駆動ロール25を介して矢印方向A
へ回転する。
【0053】中間転写体(中間転写体)B:前記中間中
間転写体Bは、アクリル、ポリエステル、ポリカーボネ
イト、ポリイミド等の樹脂、または各種ゴム材料にカー
ボンブラック等の導電材料を適量含有させ、例えば厚さ
0.05〜0.15mmに形成されており、その体積抵抗
率を108〜1015Ωcmに調整されている。
【0054】前記中間転写体Bの周辺には、2次転写領
域Q4において、前記中間転写体Bに対して前記内側2
次転写ロール(電圧印加ロール)29と対向する側に外
側2次転写ロール30が配置されている。前記内側2次
転写ロール29および外側2次転写ロール30は前記1
次転写ロール21と同様に構成されている。図3は内側
2次転写ロール29および外側2次転写ロール30の説
明図である。図3において、内側2次転写ロール29
は、金属シャフト29a、その表面に装着された半導電
性下地層29bおよびその表面に形成された半導電性表
面薄層29cを有している。外側2次転写ロール30も
前記内側2次転写ロール29と同様に構成されており、
芯材30a、半導電性下地層30bおよび半導電性表面薄
層30cを有している。前記符号29〜30で示された
要素により本実施例の2次転写器Tが構成されている。
【0055】前記外側2次転写ロール30の芯材30a
はアースされ、内側2次転写ロール29の芯材29a
は、2次転写電力印加手段としての転写用電源回路32
(図1、図2参照)に接続されている。この転写用電源
回路32により前記内側2次転写ロール29にトナーと
逆極性のバイアス電圧が印加され中間転写体B上のトナ
ー像が記録シートSに転写される。転写用電源回路32
は、コントローラCにより制御されている。前記外側2
次転写ロール30は前記内側2次転写ロール29および
中間転写体Bから離れた位置に移動した状態で、転写ロ
ールクリーナ33によりクリーニングされ、転写で付着
したトナー粒子や紙粉等の異物が除去される。また、前
記中間転写体Bの搬送方向で、前記外側2次転写ロール
30の下流側に、前記中間転写体Bの表面に残留する未
転写トナーを除去する中間転写体クリーナ34が配置さ
れている。前記外側2次転写ロール30および前記中間
転写体クリーナ34は、前記中間転写体Bに対し圧接、
離間可能に構成されている。
【0056】給紙トレイ35から取り出された記録シー
トSは、フィードロール36により搬送され、レジスト
ロール37で一旦停止してから所定のタイミングでガイ
ド搬送路38を通って前記2次転写領域Q4に搬送され
る。この記録シートSには、2次転写領域Q4を通過す
る際に中間転写体B上の未定着トナー像が2次転写され
る。この未定着トナー像が転写された記録シートSは、
シートガイド部材39上面に沿って移動し、さらに搬送
ベルト40を通って定着位置Q5に搬送される。記録シ
ートSが前記定着位置Q5を通過するときに記録シート
S上の未定着トナー像は定着装置41によって定着さ
れ、排紙トレイ42に排出されるように構成されてい
る。前記符号35〜38で示された要素により本実施例
の記録シート搬送手段(35〜38)が構成されてい
る。
【0057】(1次転写ロール21、内側2次転写ロー
ル29および外側2次転写ロール30等の電圧印加ロー
ルの詳細な説明)前記図2に示す1次転写ロール21、
図3に示す内側2次転写ロール29および外側2次転写
ロール30等の電圧印加ロールは同様に構成されている
ので、以下、1次転写ロール21について詳細に説明す
る。
【0058】図2に示す1次転写ロール21において、
金属シャフト(芯材)21aの表面には、半導電性下地
層21bおよびその表面に形成された半導電性表面薄層
21cを有する弾性層(21b+21c)が形成されてい
る。前記1次転写ロール21の金属性の芯材(芯金)2
1a表面に付着した半導電性下地層21bは、四級アンモ
ニウム塩などの導電剤を含有させて抵抗を導電〜半導電
に制御したウレタンゴムにより構成されている。前記半
導電性下地層21bを被覆する半導電性表面薄層21c
は、エムラロン345E(日本アチソン(株)製のカー
ボンブラックを分散してなるウレタン変性フッ素樹脂系
塗料)をスプレー法にて、厚み20μmに塗布し、10
0℃で35分加熱硬化して形成されている。
【0059】前記図2に示す実施例の1次転写ロール2
1の構成の詳細は次のとおりである。 (1)金属シャフト(芯材)21a: 材質:ステンレス 外径:8.0mm (2)半導電性下地層21b: 材料:イオン導電発泡ウレタン 厚みt1(mm):t1=5.35mm 体積抵抗率R1(Ωcm): R1=108.0-9.7(Ωcm) =7.0〜9.7(logΩcm)(図7(後述)の図表1
参照) 芯材およびニップ間の軸方向単位長さ(1cm=10m
m)当たりの抵抗値R(Ω): R=108.0〜109.7(Ω) =8.0〜9.7(logΩcm)(図8(後述)の図表2
参照) (3)半導電性表面薄層21c: 材料:カーボンブラック分散ウレタン変性フッ素樹脂 厚みt2(mm):t2=0.020mm=20μm 体積抵抗率R2: R2=104.5Ωcm=4.5(logΩ
cm) なお、R2の値は、R2≦R1×10-2(Ωcm)の範囲
で定めることができる。
【0060】前記1次転写ロール21の前記半導電性下
地層21bは、厚みt1(mm)および常温常湿での体積
抵抗率R1(Ωcm)が次式を満たすように設定され
る。 t1=2〜10(mm)、 R1=108.0〜109.7(Ωcm) =8.9〜9.4(logΩcm) 前記常温常湿での体積抵抗率R1(Ωcm)が上式を満
たす場合には、前記厚みt1を上式の範囲で調節するこ
とにより、心材およびニップ間の抵抗値として適切な値
を得ることが可能である。
【0061】また、前記半導電性表面薄層21cは、厚
みt2(mm)および常温常湿での体積抵抗率R2(Ωc
m)が次式を満たすように設定される。 t2=0.005〜0.05(mm) R2≦R1×10-2 このように設定することにより、半導電性下地層内側面
の芯材から表面(半導電性表面薄層に接する外側面)ま
での部分の厚み、弾性変形量および抵抗値(内面および
外面間抵抗値)R(Ω)を適切な値に設定することがで
きる。また、前記半導電性表面薄層21cの厚みt2の値
を上式の範囲に設定することにより、スプレーコート法
等の作業の簡単な薄膜形成技術により均一な薄層を容易
に形成することができる。また、半導電性表面薄層21
cの厚みt2の値が上式を満たす程度に薄い場合には、半
導電性表面薄層21cは、その弾性が半導電性下地層2
1b異なっても、半導電性下地層21bの弾性変形に倣っ
て弾性変形し、ひび割れ等が生じ難い。
【0062】図4は前記1次転写ロール21の半導電性
下地層21bの体積抵抗率R1の計測方法の説明図であ
る。図4において、1次転写ロール21の半導電性下地
層21bを形成した状態(半導電性表面薄層21cの形成
前の状態)で、前記半導電性下地層21bの表面にw
(cm)幅(w=1インチ幅=2.45cm)の銅テー
プを巻き付け、芯材21aとの間に1KVまたは100
Vの電圧を印加して1分後の電流値Iを測定して内面お
よび外面間抵抗値Rを測定する。この場合の前記半導電
性下地層21bの軸方向単位長さ当たりの内面および外
面間抵抗値R、および体積抵抗率R1(Ωcm)は、以
下の式により計算して求めることができる。 R=(V/I)/w R1=2πwV/Iln(r2/r1) ここで、V:印加電圧(V)、I:電流値(A)、w:
銅テープ幅、r1:芯金径(mm)、r2:ロール径(m
m) なお、前記R1を求める式は次式より得られる。 V/I=R1×{(dr/2πrw)のr=r1からr2
までの積分値}
【0063】図5は本実施例における前記半導電性表面
薄層21cの体積抵抗率R2の測定方法(スライドガラス
法)の説明図である。図5において、スライドガラスG
に半導電性表面薄層21cを塗布して、両端を銅板(電
極)E1,E2で挟み、両端の銅板E1,E2間に1Vまた
は10Vの電圧Vを印加してその電流値Iを測定する。
その場合の図5に示す符号の意味は次のとおりである。 V:前記両端の銅板E1,E2間の印加電圧、 I:前記両端の銅板E1,E2間の電流、 L:前記両端の銅板E1,E2間の距離、 W:前記半導電性表面薄層21cの幅、 t2:前記半導電性表面薄層21cの厚み、 この場合の半導電性表面薄層21cの体積抵抗率R2は次
式で表せる。 R2=(V/I)×(Wt2/L) =VWt2/IL
【0064】図6は1次転写ロール21および前記中間
転写体Bの接触領域であるニップN(すなわち、1次転
写領域Q3)と芯材21aとの間の軸方向単位長さ当たり
の抵抗値(すなわち、芯材およびニップ間抵抗値)Rの
測定方法の説明図である。前記芯材21aおよびニップ
N間の抵抗値は、図6に示すように1次転写ロール21
を直径28mmの金層ロールに食い込み0.5mmで押
しつけて、1次転写ロール21の芯材21aと直径28
mmの金属ロールとの間に電圧(V)を印加して10秒
後の電流値Iを読み取り以下の式により計算する。な
お、この場合の実施例1のニップ幅は3.8mmであっ
た。また、次式中、Hはロール長さである。 R=(V/I)H また、芯材およびニップN間の抵抗値Rの円周方向での
ばらつきは、図6の状態において、直径28mmの金層
ロ−ルを印加電圧1KVで10rpmの速度で回転させ
ながら、ロールを1周させたときの電流値の変動より求
めた。
【0065】図7に示す図表1は前記実施例1,2の半
導電性下地層21bおよび比較例1,2の弾性層の環境
および電圧の変化に対する体積抵抗率R1(図4の方法
で測定した値)の変化を示す図表である。図8に示す図
表2は前記1次転写ロール(図2参照)の実施例1,
2、および比較例1〜4の構成と、環境および電圧の変
化に対する芯材・ニップ間抵抗値R(図6の方法で測定
した値)の変化を示す図表である。図7の図表1に示す
ように、本実施例1の1次転写ロール21は、半導電性
下地層21bおよび半導電性表面薄層21cにより構成さ
れる2層構造の弾性層(21b+21c)を有しており、
比較例1〜4の弾性層は1層構造に構成されている。特
に、比較例1の弾性層は前記実施例の下地層21bと同
一の1層構造により構成され、比較例2の弾性層は後述
する実施例2の下地層21bと同一の1層構造により構
成され、ている。図7の図表1において、実施例1の下
地層21bおよび比較例1の弾性層は、4級アンモニム
塩1.2%を導電剤とする発泡ウレタンロール(Lavo環
境すなわち、常温常湿環境での体積抵抗率が8.9lo
gΩcm)である。そして、本実施例1の2層構造の1
次転写ロールは、前記下地層21b表面に日本アチソン
(株)製のカーボンブラックを分散してなるウレタン変
性フッ素樹脂系塗料エムラロン345Eをスプレー法に
て、厚み20μmに塗布し、100℃で30分加熱硬化
して、カーボンブラック分散の半導電性表面薄層21c
を形成した構成である。
【0066】図8の図表2において、本実施例1の1次
転写ロールの環境変動に対する芯材およびニップ間抵抗
値Rの変動幅と、電圧依存性と、1次転写ロールが1回
転する間の芯材およびニップ間抵抗値Rのバラツキと
は、次のようであった。印加電圧1000Vを使用した
ときの環境変動に対する芯材およびニップ間抵抗値Rの
変動幅: 実施例1…1.4(logΩ) 比較例1…1.7(logΩ) 印加電圧100Vおよび1000Vを使用したときの電
圧依存性: 実施例1…0.1(logΩ) 比較例1…0.1(logΩ) 印加電圧1000Vにおける1回転する間の芯材および
ニップ間抵抗値Rのバラツキ 実施例1…0.1(logΩ) 比較例1…0.1(logΩ)
【0067】(実施例1の作用)図1において、像担持
体16は失印A方向に回転し、帯電器17でその表面が
ー様に帯電される。帯電された像担持体16にROS
(レーザー書き込み装置)などの画像書き込み手段によ
り第1色(例えば、Kすなわち、黒)の静電潜像が形成
される。この静電潜像は現像装置Dによってトナー現像
されて可視化されたトナー像Imが形成される。トナー
像Imは像担持体16の回転に伴い1次転写ロール21
が配置された1次転写領域Q3に搬送される。一次転写
領域Q3において、中間転写体Bの裏側から像担持体1
6に押圧される1次転写ロール21には、トナーと逆極
性の電圧が印加される。前記トナー像Imと逆極性の電
界を作用させることにより前記トナー像Imは静電的に
中間転写体Bに吸着され、一次転写される。以下、同様
にして第2色(例えばイエローY)のトナー像、第3色
(例えばマゼンタM)のトナー像、第4色(例えばシア
ンC)のトナー像が順次形成され中間転写体Bにおいて
重ね合わされ、多重トナー像が形成される。
【0068】中間転写体Bに転写された多重トナー像は
中間転写体Bの回転に伴い、2次転写領域Q4に搬送さ
れる。前記多重トナー像が2次転写領域Q4に搬送され
るのにタイミングを合わせて、前記記録シートSが2次
転写領域Q4に搬送される。2次転写領域Q4において、
中間転写体B上の多重トナー像は、中間転写体Bのトナ
ー像が担持された表面側に設置された外側2次転写ロー
ル30と中間転写体Bの裏側に配置された内側2次転写
ロール29との間に印加される2次転写電圧により、前
記記録シートS上に2次転写される。多重トナー像が転
写された記録シートSは、最終トナー像の一次転写終了
まで退避位置にある剥離爪Hを作動せることにより中間
転写体Bから剥離され、定着装置41に搬送され、加圧
/加熱処理でトナー像が固定されて永久画像とされる。
なお、多重トナ−像の記録シートSへの転写の終了した
中間転写体Bは2次転領域Q4の下流に設けた中間転写
体クリーナ34で残留トナーの除去が行われて次の転写
に備える。
【0069】なお、単色画像の転写の場合は、一次転写
されたトナー像Imを直ちに2次転写して定着装置41
に搬送するが、複数色の重ね合わせによる多色画像の転
写の場合は各色のトナー像が1次転写領域Q3で正確に
一致するように中間転写体Bと像担持体16との回転を
同期させて各色のトナー像がずれないようにする。前記
2次転領域Q4では、外側2次転写ロール30と中間転
写体Bを介して対向配置した内側2次転写ロール29に
トナー像の極性と同極性の転写電圧を印加することによ
りトナー像を記録シートSに静電反発で2次転写する。
トナー像が2次転写された記録シートSは定着装置41
により定着され、排紙トレイ42に排出される。
【0070】1次転写ロール21の実施例1と比較例1
の作用:前記図8の図表2において、本発明によるイオ
ン導電タイプの発泡ウレタンロールにカーボンブラック
を分散してなる半導電層が被覆した2層構成ロール(1
次転写ロール)の実施例1と、比較例1として、イオン
導電タイプの発泡ウレタンロール、カーボンブラック分
散タイプの発泡ウレタンロール、カーボンブラッグ分散
EPDMロールのH/H環境とL/L環境での印加電圧
100Vと1KVでのロールの内面および外面間抵抗値
及びロールの円周方向における内面および外面間抵抗値
のバラッキの計測結果を示す。
【0071】図9は1次転写ロール(電圧印加ロール)
21に流れる電流の説明図で、図9Aは半導電性下地層
21bおよび半導電性表面薄層21cの2層構造の実施例
の1次転写ロール(電圧印加ロール)21の電流を示
し、図9Bは1層構造の電圧印加ロールの電流を示す図
である。図9Aにおいて、イオン導電タイプの発泡ウレ
タンロール(半導電性下地層21b)の表面に前記半導
電性下地層21bよりも体積抵抗率の低いカーボンブラ
ックを分散してなるウレタン変性フッ素樹脂(半導電性
表面薄層21c)を彼覆した場合には、低抵抗の半導電
性表面薄層21cに沿って電流が流れる。すなわち、半
導電性表面薄層21cでの電流の回り込みが生じる。こ
の場合、1次転写ロール21の芯材21aからニップN
に流れる電流は、半導電性下地層21bの多くの部分を
流れることになる。これに対して、半導電性下地層21
bのみの場合には、図9Bに示すように、芯材21aとニ
ップN間の電流は、ニップNに近い部分の半導電性下地
層21bのみを流れることになる。
【0072】図9Bの芯材21aとニップN間の電流が
ニップNに近い部分の半導電性下地層21bのみを流れ
るような場合は、半導電性下地層21bの内面および外
面間抵抗値Rが1次転写ロール21の円周方向のバラツ
キを有している場合、1次転写ロール21の回転位置に
おいて前記芯材21aおよびニップN間の抵抗値は変動
する。この場合、1次転写ロール21の回転時における
芯材およびニップ間における抵抗値のバラツキは大きく
なり易い。これに対して、前記図9Aのように芯材21
aからニップNに流れる電流が半導電性下地層21bの多
くの部分を流れる場合には、仮に半導電性下地層21b
の内面および外面間抵抗値Rが1次転写ロール21の円
周方向のバラツキを有していても、1次転写ロール21
の回転時における芯材およびニップ間における抵抗値の
バラツキは大きくなり難い。
【0073】なお、前記半導電性表面薄層21cを設け
た場合には、図8の図表2の実施例および比較例1から
分かるように、前記芯材21aから1次転写ロール21
外表面の間(内面および外面間)の抵抗値は、前記半導
電性下地層21bのみの抵抗値より低くなる。すなわ
ち、ロールの抵抗値は、L/L環境での体積抵抗値は
0.7桁(log値)低くなり、かつL/L環境とH/
H環境下での抵抗変動は、0.3桁(log値)と小さ
くなっている。また、表面に弾性を有する低表面エネル
ギーのフッ素樹脂系材料で被覆されることで、トナー汚
れが少なくなり、トナー汚れによるロール抵抗の上昇を
抑えることができる。
【0074】比較例1(イオン量1.2%)および比較
例2(イオン量0.2%)のイオン導電剤分散のウレタ
ンロ−ルは、芯材およびニップ間抵抗値Rの電圧依存
性、ロール内の抵抗値の面内バラツキ(円周方向のバラ
ツキ)が小さいが、環境変動幅が1.8桁(log値)
と大きい。比較例の3のカーボンブラック分散のウレタ
ンロールゴム、比較例4のカーボンブラック分散のEP
DMゴムロールのR1(体積抵抗率抵抗値)は、環境で
の変動は少ないが電圧依存性が大きく、ロール内の抵抗
の面内バラツキ(芯材および表面間の抵抗値の円周方向
に沿ったバラツキ)が大きい。
【0075】図10は比較例1のイオン導電タイプ発泡
ウレタンロールのイオン導電剤として用いた4級アンモ
ニウム塩の配合量(%)とL/L環境で計測したロール
の体積抵抗率との関係を示す図である。図10におい
て、「L/L環境抵抗値」は、10℃、15%RHの条
件下で前記図6の計測方法を用いて測定された芯材およ
びニップ間抵抗値(ロール抵抗値)Rを意味する。前記
比較例1の構成を有するロールにおいて、イオン量を変
化させた場合のロール抵抗値Rを測定するため、図10
に示す各イオン量0.6%、0.8%、…等のロールをそ
れぞれ多数製作し、それらのロールを用いてロール抵抗
値Rを測定した。図10には各イオン量に対してそれぞ
れ4個の試作品の測定データを示している。●は1回目
試作品計測データ、■は2回目試作品計測データ、▲は
3回目試作品計測データ、×は4回目試作品計測データ
を示す。イオン量0.2%から1.0%の範囲ではロール
抵抗値は低くなる傾向にあるが、1.0%より増量して
もロール抵抗は変わらない。また、2.0%以上にイオ
ン量を増やすとポリオールとイソシァネートによるウレ
タンの生成反応を阻害するなどの問題が生じた。
【0076】図11は半導電性表面薄層21cの体積抵
抗率R2とカーボンブラック量との関係を示す図であ
る。図11から分かるように、半導電性表面薄層21c
の体積抵抗率R2は、105Ωcmを越えると、カーボン
ブラック量の僅かな変化によっても大きく変化するが、
105Ωcm以下の場合にはカーボンブラック量の変化
によってもあまり変化しない。したがって、半導電性表
面薄層21cの電子導電材料としてカーボンブラックを
使用する場合には、半導電性表面薄層21cの体積抵抗
率R2の値として5(logΩcm)以下に設定すると、
カーボンブラックが不均一となっても、半導電性表面薄
層21c内部の体積抵抗率R2のバラツキは少なくなる。
この場合、体積抵抗率の均一な半導電性表面薄層21c
を形成できる。
【0077】(実施例2)図7に示す図表1および図8
に示す図表2に示した前記1次転写ロール(図2参照)
の実施例2、および比較例2の構成は、図7に示す図表
1および図8に示す図表2に示した値が前記実施例1と
相違するだけで、他の点では前記実施例1と同一に構成
されている。したがって、この実施例2の説明において
前記実施例と同一の構成要素には同一の符号を用いる。
図7の図表1に示すように、本実施例2の1次転写ロー
ル21は、半導電性下地層21bおよび半導電性表面薄
層21cにより構成される2層構造の弾性層(21b+2
1c)を有しており、比較例2の弾性層は1層構造に構
成されている。図7の図表1において、実施例2の下地
層21bおよび比較例2の弾性層は、4級アンモニム塩
0.2%を導電剤とする発泡ウレタンロール(Labo環境
すなわち、常温常湿環境での体積抵抗率が9.4log
Ωcm)である。そして、本実施例2の2層構造の1次
転写ロールは、前記下地層21b表面に日本アチソン
(株)製のカーボンブラックを分散してなるウレタン変
性フッ素樹脂系塗料エムラロン345Eをスプレー法に
て、厚み20μmに塗布し、100℃で30分加熱硬化
して、カーボンブラック分散の半導電性表面薄層(実施
例1と同一の構成)21cを形成した構成である。
【0078】図8の図表2において、本実施例2の1次
転写ロールの環境変動に対する芯材およびニップ間抵抗
値Rの変動幅と、電圧依存性と、1次転写ロールが1回
転する間の芯材およびニップ間抵抗値Rのバラツキと
は、次のようであった。印加電圧1000Vを使用した
ときの環境変動に対する芯材およびニップ間抵抗値Rの
変動幅: 実施例2…1.4(logΩ) 比較例2…1.9(logΩ) 印加電圧100Vおよび1000Vを使用したときの電
圧依存性: 実施例2…0.1(logΩ) 比較例2…0.1(logΩ) 印加電圧1000Vにおける1回転する間の芯材および
ニップ間抵抗値Rのバラツキ 実施例2…0.1(logΩ) 比較例2…0.1(logΩ)
【0079】前記比較例2および実施例2の説明から分
かるように、前記実施例2も、前記実施例1と同様に、
半導電性表面薄層21cを形成することにより、1次転
写ロール21の環境変動に対する芯材およびニップ間抵
抗値Rの変動幅が小さくなる。
【0080】なお、前記芯材およびニップ間の抵抗値R
の値が、R=108.4(Ω)の場合には必要な転写電界
を形成する電圧を印加できるが、Rの値がR=108.4
(Ω)よりも下のR=107.5(Ω)(1KV印加時)
以下では、転写不良が発生する。また、R=10
8.9(Ω)の場合は、適切な転写電界を形成する電圧を
印加できるが、Rの値がR=108.9(Ω)を越えたR
=1010.5(Ω)(1KV印加時)以上では高電圧を印
加することになり、ニップ(N)前後の領域での放電現
象が生じ易くなり、白点抜け等の画質欠陥を発生させ
る。
【0081】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
実施例を下記に例示する。 (H01)本発明は図12に示す画像形成装置にも適用す
ることが可能である。図12の画像形成装置は、前記実
施例の1次転写ロール21と同様の構成を有する帯電ロ
ール(帯電器)17′により、表面を帯電させた後、静
電潜像が形成された像担持体16上に各色のトナー像を
順次形成して4色の多重トナー像を形成し、前記像担持
体16上の多重トナー像を、前記実施例の1次転写ロー
ル21と同様の構成を有する転写ロール(転写器)2
1′により記録シートSに転写するように構成されてい
る。
【0082】(H02)本発明は図13に示す画像形成装
置にも適用することが可能である。図13の画像形成装
置は、記録シートSが循環搬送されるシート循環路4
3、および記録シートSを反転させるシート反転路44
を有し、前記実施例の1次転写ロール21と同様の構成
を有する帯電ロール17′により、表面を帯電させた
後、静電潜像が形成された像担持体16上に各色のトナ
ー像が形成される。前記各色のトナー像は、循環搬送さ
れる記録シート上に、前記実施例の1次転写ロール21
と同様の構成を有する転写ロール(転写器)21″によ
り順次転写される。また、前記シート反転路44で記録
シートSを反転させることにより両面記録を行えるよう
に構成されている。 (H03)本発明は、モノクロの画像形成装置や、各色の
像担持体および現像装置が記録シートの搬送方向に沿っ
て並んで配置されたタンデム型の画像形成装置等にも適
用することができる。
【0083】
【発明の効果】前述の本発明の、円筒状外側面を有する
導電性の芯材と、前記芯材の円筒状外側面に付着された
弾性を有する円筒状の弾性層とを有し、前記弾性層が、
前記弾性層表面およびこの弾性層表面に対向配置される
対向部材を所定の押圧力で押圧した際に前記円筒状の弾
性層表面および前記対向部材の圧接領域であるニップの
円周方向の幅(すなわち、ニップ幅)が所定範囲の値と
なるように変形可能な電圧印加ロールおよび前記電圧印
加ロールを備えた画像形成装置において、下記の効果を
奏することができる。 (E01)前記導電性の芯材および前記ニップ間における
前記弾性層の電気抵抗値の変動を小さくすることができ
る。 (E02)前記ニップを流れる電流を環境、電圧の変動に
かかわらず経時変化なく安定して流すことができる。 (E03)安定的に高画質を得ることのできる画像形成装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施例を備えた画像形成装
置の全体説明図である。
【図2】 図2は本実施例における前記1次転写ロール
21の構成を示す図である。
【図3】 図3は内側2次転写ロール29および外側2
次転写ロール30の説明図である。
【図4】 図4は前記1次転写ロール21の半導電性下
地層21bの体積抵抗率R1の計測方法の説明図である。
【図5】 図5は本実施例における前記半導電性表面薄
層21cの体積抵抗率R2の測定方法(スライドガラス
法)の説明図である。
【図6】 図6は1次転写ロールの芯材およびニップ間
の抵抗値の測定方法の説明図である。
【図7】 図7に示す図表1は前記実施例1,2の半導
電性下地層21bおよび比較例1,2の弾性層の環境お
よび電圧の変化に対する体積抵抗率R1(図4の方法で
測定した値)の変化を示す図表である。
【図8】 図8に示す図表2は前記1次転写ロール(図
2参照)の実施例1,2、および比較例1〜4の構成
と、環境および電圧の変化に対する芯材・ニップ間抵抗
値R(図6の方法で測定した値)の変化を示す図表であ
る。
【図9】 図9は1次転写ロール(電圧印加ロール)2
1に流れる電流の説明図で、図9Aは半導電性下地層2
1bおよび半導電性表面薄層21cの2層構造の実施例の
1次転写ロール(電圧印加ロール)21の電流を示し、
図9Bは1層構造の電圧印加ロールの電流を示す図であ
る。
【図10】 図10はイオン導電タイプ発泡ウレタンロ
ールのイオン導電剤として用いた4級アンモニウム塩の
配合量(%)とL/L環境で計測したロールの体積抵抗
率との関係を示す図である。
【図11】 図11は半導電性表面薄層21cの体積抵
抗率R2とカーボンブラック量との関係を示す図であ
る。
【図12】図12は本発明の実施例の変更例を示す図で
ある。
【図13】図13は本発明の実施例の他の変更例を示す
図である。
【符号の説明】
B…対向部材(中間転写体)、D…現像装置、N…ニッ
プ、Q3…1次転写領域、Q4…2次転写領域、ROS…
潜像形成装置、S…記録シート、T…2次転写器、16
…像担持体、17…帯電器、17′…帯電器(帯電ロー
ル)、21…1次転写器(1次転写ロール)、21′,
21″…転写器(転写ロール)、21a,29a,30a
…芯材、21b+21c,29b+29c,30b+30c…
弾性層、21b,29b,30b…半導電性下地層、21
c,29c,30c…半導電性表面薄層、35〜38…シ
ート供給手段、41…定着装置、
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年11月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【発明の実施の形態】 (第1発明の実施の形態1)第1発明の実施の形態1の
電圧印加ロールは、前記第1発明において下記の要件を
備えたことを特徴とする、 (A06)前記半導電性表面薄層の体積抵抗率をR2Ωc
mとした場合に103≦R2≦105に設定された前記半
導電性表面薄層(21c,29c,30c)。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】図2に示す1次転写ロール21において、
金属シャフト(芯材)21aの表面には、半導電性下地
層21bおよびその表面に形成された半導電性表面薄層
21cを有する弾性層(21b+21c)が形成されてい
る。前記1次転写ロール21の金属性の芯材(芯金)2
1a表面に付着した半導電性下地層21bは、四級アンモ
ニウム塩などの導電剤を含有させて抵抗を導電〜半導電
に制御したウレタンゴムにより構成されている。前記半
導電性下地層21bを被覆する半導電性表面薄層21c
は、エムラロン345E(日本アチソン(株)製のカー
ボンブラックを分散してなるウレタン変性フッ素樹脂系
塗料)をスプレー法にて、厚み20μmに塗布し、10
0℃で30〜35分加熱硬化して形成されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正内容】
【0065】図7に示す図表1は前記実施例1,2の半
導電性下地層21bおよび比較例1,2の弾性層の環境
および電圧の変化に対する体積抵抗率R1(図4の方法
で測定した値)の変化を示す図表である。図8に示す図
表2は前記1次転写ロール(図2参照)の実施例1,
2、および比較例1〜4の構成と、環境および電圧の変
化に対する芯材・ニップ間抵抗値R(図6の方法で測定
した値)の変化を示す図表である。図7の図表1に示す
ように、本実施例1の1次転写ロール21は、半導電性
下地層21bおよび半導電性表面薄層21cにより構成さ
れる2層構造の弾性層(21b+21c)を有しており、
比較例1〜4の弾性層は1層構造に構成されている。特
に、比較例1の弾性層は前記実施例の下地層21bと同
一の1層構造により構成され、比較例2の弾性層は後述
する実施例2の下地層21bと同一の1層構造により構
成され、ている。図7の図表1において、実施例1の下
地層21bおよび比較例1の弾性層は、4級アンモニム
塩1.2%を導電剤とする発泡ウレタンロール(Lavo環
境すなわち、常温常湿環境での体積抵抗率が8.9lo
gΩcm)である。そして、本実施例1の2層構造の1
次転写ロールは、前記下地層21b表面に日本アチソン
(株)製のカーボンブラックを分散してなるウレタン変
性フッ素樹脂系塗料エムラロン345Eをスプレー法に
て、厚み20μmに塗布し、100℃で30〜35分加
熱硬化して、カーボンブラック分散の半導電性表面薄層
21cを形成した構成である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正内容】
【0077】(実施例2)図7に示す図表1および図8
に示す図表2に示した前記1次転写ロール(図2参照)
の実施例2、および比較例2の構成は、図7に示す図表
1および図8に示す図表2に示した値が前記実施例1と
相違するだけで、他の点では前記実施例1と同一に構成
されている。したがって、この実施例2の説明において
前記実施例と同一の構成要素には同一の符号を用いる。
図7の図表1に示すように、本実施例2の1次転写ロー
ル21は、半導電性下地層21bおよび半導電性表面薄
層21cにより構成される2層構造の弾性層(21b+2
1c)を有しており、比較例2の弾性層は1層構造に構
成されている。図7の図表1において、実施例2の下地
層21bおよび比較例2の弾性層は、4級アンモニム塩
0.2%を導電剤とする発泡ウレタンロール(Labo環境
すなわち、常温常湿環境での体積抵抗率が9.4log
Ωcm)である。そして、本実施例2の2層構造の1次
転写ロールは、前記下地層21b表面に日本アチソン
(株)製のカーボンブラックを分散してなるウレタン変
性フッ素樹脂系塗料エムラロン345Eをスプレー法に
て、厚み20μmに塗布し、100℃で30〜35分加
熱硬化して、カーボンブラック分散の半導電性表面薄層
(実施例1と同一の構成)21cを形成した構成であ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の要件を備えたことを特徴とする電
    圧印加ロール、(A01)円筒状外側面を有する導電性の
    芯材、(A02)前記芯材の円筒状外側面に付着された弾
    性を有する円筒状の弾性層、(A03)前記弾性層表面お
    よびこの弾性層表面に対向配置される対向部材を所定の
    押圧力で押圧した際に前記円筒状の弾性層表面および前
    記対向部材の圧接領域であるニップの円周方向の幅が所
    定範囲の値となるように変形可能な前記弾性層、(A0
    4)前記芯材表面に付着して前記ニップ幅が所定範囲の
    値となるように変形可能な厚みを有しイオン導電材料に
    より構成された円筒状の半導電性下地層、および前記半
    導電性下地層の外側面を被覆する弾性を有する電子導電
    材料により構成された円筒状の半導電性表面薄層を有す
    る前記弾性層、(A05)前記半導電性表面薄層を形成し
    ない状態の半導電性下地層表面を前記対向部材に押圧し
    たときの前記芯材およびニップ間の軸方向1cm当たり
    の抵抗値である下地層抵抗値R′に比較して、前記半導
    電性下地層表面に形成した前記半導電性表面薄層の表面
    を前記対向部材に押圧したときの前記芯材およびニップ
    間の軸方向1cm当たりの抵抗値である弾性層抵抗値R
    が、R≦10-0.3R′となるように形成された前記半導
    電性表面薄層。
  2. 【請求項2】 下記の要件を備えたことを特徴とする電
    圧印加ロール、(A06)前記半導電性下地層の体積抵抗
    率をR1Ωcm、前記半導電性表面薄層の体積抵抗率を
    R2Ωcmとした場合に103≦R2≦105に設定された
    前記半導電性表面薄層。
  3. 【請求項3】 下記の要件を備えたことを特徴とする画
    像形成装置、(B01)回転移動する像担持体表面を一様
    に帯電させる帯電器、(B02)一様に帯電した像担持体
    表面に静電潜像を形成する潜像形成装置、(B03)前記
    潜像をトナー像に現像する現像装置、(B04)前記像担
    持体表面に形成されたトナー像を中間転写体に転写する
    1次転写領域に配置された1次転写器、(B05)前記中
    間転写体に転写されたトナー像を記録シートに転写する
    2次転写領域に配置された2次転写器、(B06)前記2
    次転写領域に記録シートを供給するシート供給手段、
    (B07)前記2次転写領域において記録シートに転写し
    たトナー像を加熱定着する定着装置、(B08)円筒状外
    側面を有する導電性の芯材と、前記芯材の円筒状外側面
    に付着された弾性を有する円筒状の弾性層とを有する転
    写ロールにより構成された前記1次転写器、(B09)前
    記弾性層表面およびこの弾性層表面に対向配置される対
    向部材である中間転写体を所定の押圧力で押圧した際に
    前記円筒状の弾性層表面および前記中間転写体の圧接領
    域であるニップの円周方向の幅が所定範囲の値となるよ
    うに変形可能な前記弾性層、(B010)前記芯材表面に
    付着して前記ニップ幅が所定範囲の値となるように変形
    可能な厚みを有しイオン導電材料により構成された円筒
    状の半導電性下地層、および前記半導電性下地層の外側
    面を被覆する弾性を有する電子導電材料により構成され
    た円筒状の半導電性表面薄層を有する前記弾性層、(B
    011)前記半導電性表面薄層を形成しない状態の半導電
    性下地層表面を前記対向部材に押圧したときの前記芯材
    およびニップ間の軸方向1cm当たりの抵抗値である下
    地層抵抗値R′に比較して、前記半導電性下地層表面に
    形成した前記半導電性表面薄層の表面を前記対向部材に
    押圧したときの前記芯材およびニップ間の軸方向1cm
    当たりの抵抗値である弾性層抵抗値Rが、R≦10-0.3
    R′となるように形成された前記半導電性表面薄層。
  4. 【請求項4】 下記の要件を備えたことを特徴とする画
    像形成装置、(C01)回転移動する像担持体表面を一様
    に帯電させる帯電器、(C02)一様に帯電した像担持体
    表面に静電潜像を形成する潜像形成装置、(C03)前記
    潜像をトナー像に現像する現像装置、(C04)前記像担
    持体表面に形成されたトナー像を記録シートに転写する
    転写位置に配置された転写器、(C05)前記転写位置に
    記録シートを供給するシート供給手段、(C06)前記転
    写位置において記録シートに転写したトナー像を加熱定
    着する定着装置、(C07)円筒状外側面を有する導電性
    の芯材と、前記芯材の円筒状外側面に付着された弾性を
    有する円筒状の弾性層とを有する転写ロールにより構成
    された前記転写器、(C08)前記弾性層表面およびこの
    弾性層表面に対向配置される対向部材である像担持体を
    所定の押圧力で押圧した際に前記円筒状の弾性層表面お
    よび前記像担持体の圧接領域であるニップの円周方向の
    幅が所定範囲の値となるように変形可能な前記弾性層、
    (C09)前記芯材表面に付着して前記ニップ幅が所定範
    囲の値となるように変形可能な厚みを有しイオン導電材
    料により構成された円筒状の半導電性下地層、および前
    記半導電性下地層の外側面を被覆する弾性を有する電子
    導電材料により構成された円筒状の半導電性表面薄層を
    有する前記弾性層、(C010)前記半導電性表面薄層を
    形成しない状態の半導電性下地層表面を前記対向部材に
    押圧したときの前記芯材およびニップ間の軸方向1cm
    当たりの抵抗値である下地層抵抗値R′に比較して、前
    記半導電性下地層表面に形成した前記半導電性表面薄層
    の表面を前記対向部材に押圧したときの前記芯材および
    ニップ間の軸方向1cm当たりの抵抗値である弾性層抵
    抗値Rが、R≦10-0.3R′となるように形成された前
    記半導電性表面薄層。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005064418A1 (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Yamauchi Corporation 導電性ゴムローラおよびその製造方法
JP2009128615A (ja) * 2007-11-22 2009-06-11 Shin Etsu Polymer Co Ltd 弾性ローラ及び画像形成装置
JP2015212737A (ja) * 2014-05-01 2015-11-26 株式会社ブリヂストン 画像形成装置

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