JP2015212737A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015212737A
JP2015212737A JP2014094804A JP2014094804A JP2015212737A JP 2015212737 A JP2015212737 A JP 2015212737A JP 2014094804 A JP2014094804 A JP 2014094804A JP 2014094804 A JP2014094804 A JP 2014094804A JP 2015212737 A JP2015212737 A JP 2015212737A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic layer
elastic
conductive
roller
conductive agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014094804A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6215130B2 (ja
Inventor
熱海 陽彦
Akihiko Atami
陽彦 熱海
杉本 卓郎
Takuro Sugimoto
卓郎 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2014094804A priority Critical patent/JP6215130B2/ja
Publication of JP2015212737A publication Critical patent/JP2015212737A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6215130B2 publication Critical patent/JP6215130B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Abstract

【課題】導電性弾性ローラが所望の帯電性能を維持することのできる時間を延ばすことにより、画像不良の発生を抑制した画像形成装置を提供する。
【解決手段】導電性シャフトと、該導電性シャフトの径方向外側に位置する弾性層とを含む導電性弾性ローラを具え、該導電性シャフトに通電して使用される画像形成装置であって、前記弾性層が、第1弾性層と、前記導電性弾性ローラの径方向において該第1弾性層に隣接する第2弾性層とを含み、前記第1弾性層及び前記第2弾性層のうちの少なくとも一方が、イオン導電剤を含む弾性層用原料を硬化させてなる硬化樹脂からなり、前記第1弾性層は、第2弾性層よりも、通電時に前記イオン導電剤が進行する進行方向側に位置し、前記第1弾性層の電気抵抗値が、前記第2弾性層の電気抵抗値より大きいことを特徴とする、画像形成装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像不良の発生を抑制した画像形成装置に関する。
一般に、電子写真方式の画像形成装置において、現像ローラ、帯電ローラ、トナー供給ローラ、転写ローラ、給紙ローラ、クリーニングローラ、加圧ローラ等として、ロール形状の導電性弾性部材、即ち、導電性弾性ローラが使用されている。該導電性弾性ローラは、通常、長さ方向両端部を軸支されて画像形成装置に取り付けられるシャフトと、該シャフトの径方向外側に位置する一層以上の弾性層とを備える。
上記導電性弾性ローラの弾性層は、例えば熱硬化樹脂や紫外線硬化樹脂によって形成されている。そして、通常、弾性層には、導電性を付与するための導電剤が配合されており、該導電剤としては、例えばリチウム塩などのイオン導電剤が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4925676号公報
しかし、イオン導電剤を用いた導電性弾性ローラを使用した画像形成装置では、導電性弾性ローラへの通電時間の経過に伴って、導電性弾性ローラの弾性層に含まれるイオン導電剤が局在化し、イオン導電剤が減少する部分ができる。そして、その結果、該部分におけるローラの電気抵抗が上昇して所望の帯電性能が得られなくなり、画像不良が発生する。
そこで、本発明の目的は、導電性弾性ローラが所望の帯電性能を維持することのできる時間を延ばし、画像不良の発生を抑制した画像形成装置を提供することにある。
即ち、本発明の画像形成装置は、導電性弾性ローラを具え、導電性シャフトの外周に形成された弾性層が、第1弾性層と、前記導電性弾性ローラの径方向において該第1弾性層に隣接する第2弾性層とを含み、前記第1弾性層及び前記第2弾性層のうちの少なくとも一方が、イオン導電剤を含む弾性層用原料を硬化させてなる硬化樹脂からなり、前記第1弾性層は、第2弾性層よりも、通電時に前記イオン導電剤が進行する進行方向側に位置し、前記第1弾性層の電気抵抗値が、前記第2弾性層の電気抵抗値より大きいことを特徴とする。この画像形成装置では、イオン導電剤の局在化を抑制して、所望の帯電性能を維持することのできる時間を延ばし、画像不良の発生を抑制することができる。
なお、イオン導電剤として、カチオン性イオン導電剤及びアニオン性イオン導電剤の両方が弾性層に含まれる場合、「イオン導電剤が進行する進行方向」とは、弾性層においてイオン導電剤の主成分が進行する方向をいい、「イオン導電剤の主成分」とは、カチオン性イオン導電剤及びアニオン性イオン導電剤のうち、弾性層中の含有率が50質量%を超えるものをいう。また、「電気抵抗値」とは、画像形成装置を使用する前の弾性層が有する、初期の電気抵抗値をいう。
ここで、本発明の画像形成装置は、前記第1弾性層の電気抵抗値と前記第2弾性層の電気抵抗値との桁差が、0.3以上3.0以下であることが好ましい。第1及び第2弾性層の電気抵抗値の差が、上記範囲内にある場合、電気抵抗値の差が上記範囲外にある場合と比較して、所望の帯電性能をより長時間維持することができ、画像不良の発生をより長時間抑制することができるためである。
そして、本発明の画像形成装置は、前記第2弾性層の層厚が、前記第1弾性層の層厚の0.5倍以上8.0倍以下であることが好ましい。第1弾性層の層厚に対する第2弾性層の層厚が上記範囲内にある場合、層厚の比が上記範囲外にある場合と比較して、所望の帯電性能をより長時間維持することができ、画像不良の発生をより長時間抑制することができるためである。
本発明によれば、導電性弾性ローラに通電して使用した際に、所望の帯電性能を維持することのできる時間を延ばすことにより、画像不良の発生を抑制した画像形成装置を提供することができる。
図1は、本発明の画像形成装置が備える導電性弾性ローラの一例の斜視図である。 図2は、本発明の画像形成装置の一例の要部構成を示す説明図である。 図3は、本発明の画像形成装置が備える導電性弾性ローラの別の例のローラ径方向に沿う断面図である。 図4は、電気抵抗値の測定方法を説明する図である。 図5は、画像評価の方法を説明する図である。 図6は、第1弾性層の電気抵抗値と第2弾性層の電気抵抗値との桁差に対して、体積抵抗率の変動桁が1になるのに要する時間をプロットした図である。 図7は、第1弾性層と第2弾性層との層厚比に対して、体積抵抗率の変動桁が1になるのに要する時間をプロットした図である。
以下、本発明に係る画像形成装置の一例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の画像形成装置の一例は、図1に示す導電性弾性ローラ1を備える。本発明の画像形成装置は、上記導電性弾性ローラを用いる以外、特に制限はなく、公知の方法で製造することができる。
図2は、上記導電性弾性ローラを用いた画像形成装置の一例としての一般的な電子写真複写装置の要部構成を示す説明図である。本発明の導電性弾性ローラ1は、図2に例示するような画像形成装置において、各種ローラ部材として用いることができるものであるが、特に、帯電ローラ、現像ローラ、供給ローラとして好適に用いることができる。
図示する装置における電子写真プロセスは、以下のように行われる。まず、帯電ローラ12により感光ドラム11の表面を均一に帯電させて、露光光13を照射することにより、感光ドラム11上に静電潜像を形成する。次いで、この静電潜像に対し、現像装置15の現像ローラ14を用いて現像剤を付着させ、その後、転写ローラ16で、同じ極性の電荷により現像剤を紙等の記録媒体17上に転写する。さらに、クリーニング装置19のクリーニングローラ18により感光ドラム11上に残留した現像剤を除去して、プロセスが終了する。
図1に示すように、導電性弾性ローラ1は、導電性シャフト2と、該導電性シャフト2の径方向外側に位置する弾性層3とを含む。また、図示しないが、導電性弾性ローラ1は、弾性層3の径方向外側に塗膜層を備えていてもよい。
図1において、導電性シャフト2は、金属シャフト21と、該金属シャフト21の半径方向外側に配設された高剛性の導電性樹脂基材22とからなるが、本発明の導電性弾性ローラの導電性シャフト2の構成は、良好な導電性を有する限り特に制限はなく、金属シャフト21のみから構成されていてもよいし、高剛性の樹脂基材22のみから構成されていてもよいし、内部を中空にくりぬいた金属製又は高剛性樹脂製の円筒体等であってもよい。なお、シャフト部材2に高剛性の樹脂を使用する場合、高剛性樹脂に導電剤を添加及び分散させて、十分に導電性を確保することが好ましい。ここで、高剛性樹脂に分散させる導電剤としては、カーボンブラック粉末、グラファイト粉末、カーボンファイバー、アルミニウム、銅、ニッケル等の金属粉末、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物粉末、導電性ガラス粉末等の粉末状導電剤が好ましい。これら導電剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。該導電剤の配合量は、特に制限されるものではないが、高剛性樹脂の全体に対して5〜40質量%の範囲が好ましく、5〜20質量%の範囲が更に好ましい。
上記金属シャフト21や金属製円筒体の材質は、当該分野で公知のものが使用される。また、上記高剛性の樹脂基材22の材質も、当該分野で公知のものが使用される。
図1において、弾性層3は、第1弾性層31と、導電性弾性ローラの径方向において該第1弾性層31に隣接する第2弾性層32とを含む。
そして、図1において、第1弾性層31及び第2弾性層32は、イオン導電剤(A)を含む弾性層用原料を硬化させてなる硬化樹脂からなる。ここで、硬化樹脂は、弾性層用原料を、紫外線、熱及び電子線等の手段のうちのいずれかによって硬化することによって得られる樹脂であり、例えば、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂又は電子線硬化樹脂である。
イオン導電剤(A)は、弾性層に導電性を付与する作用を有する。イオン導電剤としては、カチオン性イオン導電剤及び/又はアニオン性イオン導電剤が使用され、例えば、カチオン性イオン導電剤として、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、それらのスルホン酸塩等のアンモニウム塩;リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属が挙げられ、アニオン性イオン導電剤として、変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩等が挙げられる。これらイオン導電剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
ここで、イオン導電剤(A)の配合量は、例えば、以下で説明するウレタンアクリレートオリゴマー(B)及びアクリレートモノマー(D)の合計100質量部に対して、0.25〜5質量部であることが好ましい。イオン導電剤(A)の配合量が上記範囲内にある場合、樹脂の表面へのブリードを小さくしつつ、低い電気抵抗値を得ることができる。なお、イオン導電剤(A)を上記割合で配合した樹脂の電気抵抗値は、例えば1×104〜1×106Ωとすることができる。
前記硬化樹脂が紫外線硬化樹脂である場合、弾性層用原料は、上記イオン導電剤(A)に加え、ウレタンアクリレートオリゴマー(B)及び重合開始剤(C)を更に含む。
上記弾性層用原料に用いるウレタンアクリレートオリゴマー(B)は、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)及び/又はメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を1つ以上有し、ウレタン結合(−NHCOO−)を複数有する化合物である。該ウレタンアクリレートオリゴマー(B)の官能基数及び分子量等は特に制限されるものではない。該ウレタンアクリレートオリゴマー(B)は、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとからウレタンプレポリマーを合成し、該ウレタンプレポリマーに水酸基を有するアクリレートを付加させることによって製造することができる。
上記ウレタンプレポリマーの合成に用いるポリオールは、水酸基(OH基)を複数有する化合物であり、該ポリオールとして、具体的には、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブタジエンポリオール、アルキレンオキサイド変性ポリブタジエンポリオール及びポリイソプレンポリオール等が挙げられる。なお、上記ポリエーテルポリオールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコールに、エチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキサイドを付加させて得られ、また、上記ポリエステルポリオールは、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、プロピレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の多価アルコールと、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、セバシン酸、ピメリン酸、スベリン酸等の多価カルボン酸とから得られる。これらポリオールは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリイソシアネートは、イソシアネート基(NCO基)を複数有する化合物であって、該ポリイソシアネートとして、具体的には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製ジフェニルメタンジイソシアネート(クルードMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)や、これらのイソシアヌレート変性物、カルボジイミド変性物、グリコール変性物等が挙げられる。これらポリイソシアネートは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ウレタンプレポリマーの合成においては、ウレタン化反応用の触媒を用いることが好ましい。該ウレタン化反応用触媒としては、ジブチルスズジラウレート,ジブチルスズジアセテート,ジブチルスズチオカルボキシレート,ジブチルスズジマレエート,ジオクチルスズチオカルボキシレート,オクテン酸スズ,モノブチルスズオキシド等の有機スズ化合物;塩化第一スズ等の無機スズ化合物;オクテン酸鉛等の有機鉛化合物;トリエチルアミン,ジメチルシクロヘキシルアミン等のモノアミン類;テトラメチルエチレンジアミン,テトラメチルプロパンジアミン,テトラメチルヘキサンジアミン等のジアミン類;ペンタメチルジエチレントリアミン,ペンタメチルジプロピレントリアミン,テトラメチルグアニジン等のトリアミン類;トリエチレンジアミン,ジメチルピペラジン,メチルエチルピペラジン,メチルモルホリン,ジメチルアミノエチルモルホリン,ジメチルイミダゾール,ピリジン等の環状アミン類;ジメチルアミノエタノール,ジメチルアミノエトキシエタノール,トリメチルアミノエチルエタノールアミン,メチルヒドロキシエチルピペラジン,ヒドロキシエチルモルホリン等のアルコールアミン類;ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル,エチレングリコールビス(ジメチル)アミノプロピルエーテル等のエーテルアミン類;p-トルエンスルホン酸,メタンスルホン酸,フルオロ硫酸等の有機スルホン酸;硫酸,リン酸,過塩素酸等の無機酸;ナトリウムアルコラート,水酸化リチウム,アルミニウムアルコラート,水酸化ナトリウム等の塩基類;テトラブチルチタネート,テトラエチルチタネート,テトライソプロピルチタネート等のチタン化合物;ビスマス化合物;四級アンモニウム塩等が挙げられる。これら触媒の中でも、有機スズ化合物が好ましい。これら触媒は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。上記触媒の使用量は、上記ポリオール100質量部に対して0.001〜2.0質量部の範囲が好ましい。
また、上記ウレタンプレポリマーに付加させる、水酸基を有するアクリレートは、水酸基を1つ以上有し、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)及び/又はメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を1つ以上有する化合物である。該水酸基を有するアクリレートは、上記ウレタンプレポリマーのイソシアネート基に付加することができる。該水酸基を有するアクリレートとしては、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。これら水酸基を有するアクリレートは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記弾性層用原料に用いる重合開始剤(C)は、紫外線又は熱に曝露することによって、上述したウレタンアクリレートオリゴマー(B)の重合を開始させる作用を有する、光重合開始剤又は熱重合開始剤であってよい。
光重合開始剤としては、4-ジメチルアミノ安息香酸、4-ジメチルアミノ安息香酸エステル、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、アセトフェノンジエチルケタール、アルコキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン及び3,3-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、4,4-ジメトキシベンゾフェノン、4,4-ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4-ジアルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジル及びベンジルメチルケタール等のベンジル誘導体、ベンゾイン及びベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン誘導体、ベンゾインイソプロピルエーテル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、キサントン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、フルオレン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1,2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(モルホリノフェニル)-ブタノン-1等が挙げられる。これら光重合開始剤は、1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
熱重合開始剤としては、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、ジラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。これら熱重合開始剤もまた、1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
上記弾性層用原料は、更にアクリレートモノマー(D)を含むことが好ましい。該アクリレートモノマー(D)は、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)及び/又はメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)を1つ以上有するモノマーであり、反応性希釈剤として作用し、即ち、紫外線で硬化する上、弾性層用原料の粘度を低下させることが可能である。該アクリレートモノマー(D)は、官能基数が1.0〜10であることが好ましく、1.0〜3.5であることが更に好ましい。ここで、官能基とは、アクリロイルオキシ基をさす。アクリレートモノマー(D)の官能基数が1.0以上であれば、未反応のアクリレートモノマーが弾性層中に残留し難く、一方、10以下であれば、弾性層の硬度が高くなり過ぎることがない。
また、アクリレートモノマー(D)は、分子量が100〜2000であることが好ましく、100〜1000であることが更に好ましい。アクリレートモノマー(D)の分子量が100以上であれば、良好な樹脂特性を維持しながら硬度の調整や配合液の粘度調整が可能であり、一方、2000以下であれば、圧縮残留歪が良好で粘度調整も可能である。
アクリレートモノマー(D)としては、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、グリシジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。これらアクリレートモノマーは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記弾性層用原料において、ウレタンアクリレートオリゴマー(B)とアクリレートモノマー(D)との質量比(B/D)は、100/0〜10/90の範囲にあることが好ましい。ウレタンアクリレートオリゴマー(B)とアクリレートモノマー(D)との総量に占めるウレタンアクリレートオリゴマー(B)の割合を10質量%以上とすることで(即ち、アクリレートモノマー(D)の割合を90質量%以下とすることで)、導電性弾性ローラに適した低硬度で低圧縮残留歪の弾性層を得ることが可能である。
また、上記弾性層用原料における、重合開始剤(C)の配合量は、上記ウレタンアクリレートオリゴマー(B)と上記アクリレートモノマー(D)との合計100質量部に対して、0.2〜5.0質量部の範囲が好ましい。重合開始剤(C)の配合量が0.2質量部以下では、弾性層用原料の硬化を開始させる効果が小さく、一方、5.0質量部を超えると、弾性層用原料の硬化を開始させる効果が飽和する一方、圧縮残留歪等の物性が低下し、弾性層用原料のコストが高くなる。
また、上記弾性層用原料には、ウレタンアクリレートオリゴマー(B)とアクリレートモノマー(D)との合計100質量部に対して、重合禁止剤を0.001〜0.2質量部添加してもよい。重合禁止剤を添加することで、紫外線照射前の熱重合を防止することができる。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエ−テル、p-メトキシフェノール、2,4-ジメチル-6-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、ブチルヒドロキシアニソール、3-ヒドロキシチオフェノール、α-ニトロソ-β-ナフトール、p-ベンゾキノン、2,5-ジヒドロキシ-p-キノン等が挙げられる。
なお、弾性層が熱重合開始剤により硬化される場合、弾性層用原料は、更なる導電剤としてカーボンブラックを更に含んでいてもよい。
本発明の画像形成装置を使用する場合、導電性弾性ローラ1を、電源の負極又は正極に繋ぐことによって通電する。図1では、導電性弾性ローラ1を、導電性シャフト2を電源の負極に繋ぐことによって通電する。そして、図1では、第1弾性層31及び第2弾性層32は、イオン導電剤(A)の主成分としてカチオン性イオン導電剤を含んでいる。このとき、第1弾性層31及び第2弾性層32に含まれるカチオン性イオン導電剤は、導電性弾性ローラ1の径方向外側から、導電性弾性ローラ1の径方向内側に向かって進行する。第1弾性層31は、第2弾性層32よりも、通電時にカチオン性イオン導電剤が進行する進行方向側、即ちここでは、導電性弾性ローラ1の径方向内側に位置する。
そして、第1弾性層31の電気抵抗値は、第2弾性層32の電気抵抗値より大きい。弾性層3の電気抵抗値は、例えば、樹脂の種類を変更すること及び/又は導電剤の配合量を変化させることによって調整することができる。例えば、導電剤の配合量を、一方の弾性層よりも他方の弾性層で多くすることによって、弾性層間の電気抵抗値に差をつけることができる。具体的には、弾性層の電気抵抗値は、例えば、導電剤の配合量を多くすることによって小さくすることができ、また、導電剤の配合量を少なくすることによって大きくすることができる。図1では、第1弾性層31及び第2弾性層32の両方が導電剤を含んでいるが、第1弾性層31及び第2弾性層32のうち、電気抵抗値がより高い弾性層は、導電剤を含んでいなくてもよい。
なお、弾性層が紫外線硬化樹脂からなる場合、導電剤としてはイオン導電剤のみを使用することができる。弾性層が紫外線硬化樹脂からなる場合、導電剤としてカーボンブラックを使用すると、カーボンブラックによって紫外線が遮られてしまい、弾性層用原料である紫外線硬化型樹脂原料を硬化して紫外線硬化樹脂を得ることができないからである。なお、導電性弾性ローラに通電する時、イオン導電剤とは異なり、カーボンブラックは弾性層中を移動しない。
本発明の画像形成装置は、上述の導電性弾性ローラ1を備えることにより、以下に説明する通り、画像不良を抑制することができる。
上述の通り、図1では、第1弾性層31及び第2弾性層32にはイオン導電剤(A)の主成分としてカチオン性イオン導電剤が含まれており、導電性シャフト2を電源の負極に接続して導電性弾性ローラ1に通電するので、カチオン性イオン導電剤は、導電性弾性ローラ1の径方向外側から、導電性弾性ローラ1の径方向内側へ向かって進行する。そして、弾性層3において、電気抵抗値が第2弾性層32の電気抵抗値より大きい第1弾性層31は、第2弾性層32よりも、通電時に前記イオン導電剤(A)(図1ではカチオン性イオン導電剤)が進行する進行方向側、即ち、導電性弾性ローラ1の径方向内側に位置している。
このとき、弾性層3において、第1弾性層31と第2弾性層32との界面が存在することによって、カチオン性イオン導電剤の、ローラ1の径方向内側へと向かう移動が抑制される。
また、弾性層3の電気抵抗は、第1弾性層31の電気抵抗と第2弾性層32の電気抵抗とを合成した、弾性層全体としての電気抵抗として見ることができる。そして、弾性層全体の電気抵抗へ与える影響は、電気抵抗が高い弾性層(この例では、電気抵抗が第2弾性層より大きい第1弾性層31)の方が大きい。ここで、通電時、第2弾性層32から第1弾性層31へと界面を越えたイオン導電剤が移動することにより、第2弾性層32の電気抵抗は上昇するが、第1弾性層31より電気抵抗が低いため、弾性層全体の電気抵抗へ与える影響は小さい。一方、第1弾性層31においても、ローラ1の径方向内側へのイオン導電剤の移動が発生するが、第2弾性層32から界面を介してイオン導電剤が移動するため、第1弾性層31内部のイオン導電剤の局在化を小さくすることができる。そのため、弾性層全体の電気抵抗において、支配的な第1弾性層31の電気抵抗の変動を小さくすることができる。そして、その結果、弾性層全体の電気抵抗の変動を小さくすることができる。
よって、導電性弾性ローラ1を用いた画像形成装置では、導電性弾性ローラ1が所望の帯電性能を維持することのできる時間を延ばし、画像不良の発生を抑制することができる。
本発明の画像形成装置が備える導電性弾性ローラの通電方法、第1及び第2弾性層の配置並びにイオン導電剤の種類は、図1を参照して説明した上記の例に限られない。例えば、図3(a)〜(c)に示す、別の例に係る導電性弾性ローラも本発明の画像形成装置に使用することができる。
図3(a)は、導電性シャフト2を電源の正極に接続して通電し、第1弾性層31及び第2弾性層32のうちの少なくとも一方にイオン導電剤(A)の主成分としてカチオン性イオン導電剤が含まれている場合の導電性弾性ローラ1を示す。図3(a)では、第1弾性層31及び第2弾性層32の配置は、図1とは逆になっている。図3(a)では、導電性弾性ローラ1に通電する時、カチオン性イオン導電剤は、導電性弾性ローラ1の径方向内側から、導電性弾性ローラ1の径方向外側に向かって進行する。そして、電気抵抗値が第2弾性層32の電気抵抗値より大きい第1弾性層31は、第2弾性層32よりも、通電時にカチオン性イオン導電剤が進行する進行方向側、即ち、導電性弾性ローラ1の径方向外側に位置している。
このとき、弾性層3において、第1弾性層31と第2弾性層32との界面が存在することによって、カチオン性イオン導電剤のローラ1の径方向外側へと向かう移動が抑制される。また、電気抵抗値の高い第1弾性層31は、通電時にカチオン性イオン導電剤が進行する方向に位置している。そのため、弾性層に含まれるカチオン性イオン導電剤が導電性弾性ローラ1の径方向外側に局在化することが抑制され、カチオン性イオン導電剤が減少する部分が生ずるのを防ぐことができる。よって、導電性弾性ローラ1が所望の帯電性能を維持することのできる時間を延ばし、画像不良の発生を抑制することができる。
次に、イオン導電剤(A)としてアニオン性イオン導電剤を使用する場合について説明する。
図3(b)は、導電性シャフト2を電源の正極に接続して通電し、第1弾性層31及び第2弾性層32のうちの少なくとも一方にはイオン導電剤(A)の主成分としてアニオン性イオン導電剤が含まれている場合の導電性弾性ローラ1を示す。図3(b)では、第1弾性層31及び第2弾性層32の配置は、図1と同様になっている。図3(b)では、導電性弾性ローラ1に通電する時、アニオン性イオン導電剤は、導電性弾性ローラ1の径方向外側から、導電性弾性ローラ1の径方向内側に向かって進行する。そして、電気抵抗値が第2弾性層32の電気抵抗値より大きい第1弾性層31は、第2弾性層32よりも、通電時にアニオン性イオン導電剤が進行する進行方向側、即ち、導電性弾性ローラ1の径方向内側に位置している。
このとき、弾性層3において、第1弾性層31と第2弾性層32との界面が存在することによって、アニオン性イオン導電剤のローラ1の径方向内側へと向かう移動が抑制される。また、電気抵抗値の高い第1弾性層31は、通電時にアニオン性イオン導電剤が進行する方向に位置している。そのため、弾性層に含まれるアニオン性イオン導電剤が導電性弾性ローラ1の径方向内側に局在化することが抑制され、アニオン性イオン導電剤が減少する部分が生ずるのを防ぐことができる。よって、導電性弾性ローラ1が所望の帯電性能を維持することのできる時間を延ばし、画像不良の発生を抑制することができる。
更に、図3(c)では、導電性シャフト2を電源の負極に接続して通電し、第1弾性層31及び第2弾性層32のうちの少なくとも一方にはイオン導電剤(A)の主成分としてアニオン性イオン導電剤が含まれている場合の導電性弾性ローラ1を示す。図3(c)では、第1弾性層31及び第2弾性層32の配置は、図1及び図3(b)とは逆になっている。図3(c)では、導電性弾性ローラ1に通電する時、アニオン性イオン導電剤は、導電性弾性ローラ1の径方向内側から、導電性弾性ローラ1の径方向外側に向かって進行する。そして、電気抵抗値が第2弾性層32の電気抵抗値より大きい第1弾性層31は、第2弾性層32よりも、通電時にアニオン性イオン導電剤が進行する進行方向側、即ち、導電性弾性ローラ1の径方向外側に位置している。
このとき、弾性層3において、第1弾性層31と第2弾性層32との界面が存在することによって、アニオン性イオン導電剤のローラ1の径方向外側へと向かう移動が抑制される。また、電気抵抗値の高い第1弾性層31は、通電時にアニオン性イオン導電剤が進行する方向に位置している。そのため、弾性層に含まれるアニオン性イオン導電剤が導電性弾性ローラ1の径方向外側に局在化することが抑制され、アニオン性イオン導電剤が減少する部分が生ずるのを防ぐことができる。よって、導電性弾性ローラ1が所望の帯電性能を維持することのできる時間を延ばし、画像不良の発生を抑制することができる。
以上説明した通り、本願発明に係る画像形成装置では、弾性層において第1及び第2弾性層の界面が存在し、電気抵抗値が第2弾性層の電気抵抗値より大きい第1弾性層が、第2弾性層よりも、イオン導電剤の主成分が進行する進行方向側に位置するため、導電性弾性ローラ1の弾性層3にイオン導電剤の主成分としてカチオン性及びアニオン性イオン導電剤のいずれを使用した場合でも、イオン導電剤の局在化を防ぎ、導電性弾性ローラ1が所望の帯電性能を維持することのできる時間を延ばし、画像不良の発生を抑制することができる。
なお、イオン導電剤の、導電性弾性ローラ1の外表面への染み出し、所謂ブリーディングが生じ難いことから、図1及び図3(b)の構成を採用することが好ましい。
更に、本発明の画像形成装置において、第1弾性層31の電気抵抗値と第2弾性層32の電気抵抗値との桁差は、好ましくは0.3以上3.0以下であり、より好ましくは0.5以上2.5以下である。即ち、本発明の画像形成装置において、第1弾性層31の電気抵抗値と第2弾性層32の電気抵抗値との差は、好ましくは100.3Ω以上103Ω以下であり、より好ましくは100.5Ω以上102.5Ω以下である。第1弾性層31と第2弾性層32との間の電気抵抗値の桁差が、3を超えるか又は0.3未満の場合、第1及び第2弾性層の体積抵抗率の変動桁が1になるまでの所要時間が十分に長くなく、所望の帯電性能を長時間維持することができない虞がある。一方、第1弾性層31の電気抵抗値と第2弾性層32の電気抵抗値との差が、0.3以上3.0以下の範囲内にある場合、イオン導電剤の局在化を一層抑制することができるため、第1及び第2弾性層の体積抵抗率の変動桁が1になるまでの所要時間が十分に長く、所望の帯電性能をより長時間維持することができ、画像不良の発生をより長時間抑制することができる。
更に、上記導電性弾性ローラ1では、第2弾性層32の層厚が、第1弾性層31の層厚の0.5倍以上8.0倍以下であることが好ましく、7.0倍以下であることが更に好ましく、1.0倍以上6.0倍以下であることがより好ましい。
第2弾性層32の層厚が、第1弾性層31の層厚の0.5倍未満であるか又は8.0倍を超える場合、第1及び第2弾性層の体積抵抗率の変動桁が1になるまでの所要時間が十分に長くなく、画像不良の発生を長時間抑制することができない虞がある。一方、第2弾性層32の層厚が、第1弾性層31の層厚の0.5倍以上8.0倍以下である場合、イオン導電剤の局在化を一層抑制することができるため、第1及び第2弾性層の体積抵抗率の変動桁が1になるまでの所要時間が十分に長く、所望の帯電性能をより長時間維持することができ、画像不良の発生をより長時間抑制することができる。
例えば、第1弾性層及び第2弾性層の厚さは、ぞれぞれ、0.1〜3.0mm及び0.1〜3.0mmである。
本発明の画像形成装置が備える導電性弾性ローラは、上述の例に限定されず、例えば、弾性層3が、更なる弾性層を含んでいてもよい。画像不良を抑制するためには、導電性弾性ローラの最も外側における帯電性能を維持することが必要であるため、第1弾性層31及び第2弾性層32のいずれかが、導電性弾性ローラの径方向の最も外側に位置していることが好ましい。
本発明の画像形成装置は、上記導電性弾性ローラを備えたものであればよく、それ以外の各部の構造等については特に制限されるものではなく、常法に従い適宜構成することができる。
以下に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、以下で作製した画像形成装置の導電性弾性ローラの構成は、図1に準ずるものとする。即ち、導電性シャフト2は電源の負極に接続され、イオン導電剤としてカチオン性イオン導電剤を使用し、使用したカチオン性イオン導電剤は、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムである。
<A>樹脂の組み合わせに対する、体積抵抗率の変動桁が1になるまでの所要時間の測定
下記表1に示す質量部の各成分を攪拌機にて、液温70℃、60回転/分で1時間攪拌混合し、混合液をろ過して、A1〜A4の第1及び第2弾性層用の紫外線硬化型樹脂原料、並びに、A5〜A7の第1弾性層用の紫外線硬化型樹脂原料を得た。
各々の紫外線硬化型樹脂原料を用いて、厚さ1mm、直径13mmの第1及び第2弾性層のサンプルを作成し、25℃、RH55%の環境に12時間放置した後、下記の方法に従って電気抵抗値の測定及び抵抗変動の評価を行った。結果を表2に示す。
また、各々の紫外線硬化型樹脂原料を用いて、外径14mm、長さ230mm、導電性シャフト径11mmの導電性弾性ローラを作成し、下記の方法に従って電気抵抗値の測定、並びに、画像印刷及び画像評価を行った。結果を表2に示す。
(1)電気抵抗値の測定
作成したサンプルを、図4に示すように、直径13mmの導電ゴムシート2枚(41a,41b)の間に挟み、これらのサンプル及び導電ゴムシートを、更に、直径13mmの2つの電極(42a,42b)の間に挟んで試験片を作成した。次いで、定電流電源(TREK社製610C)により、300μAの直流電流を試験片に印加し、印加時の電圧から、サンプルの体積抵抗率を求めた。
そして、A1〜A4について、導電性弾性ローラにした際の各弾性層の厚みと面積(ニップ面積)から各弾性層の電気抵抗値(=体積抵抗率(Ω・cm)×厚み(cm)÷面積(cm2))を算出した。
また、A5〜A7について、抵抗測定機器(ADVANTEST社製、製品名:R8340A ULTRA HIGH RESISTANCE METER)を用いて導電性弾性ローラの電気抵抗値を測定し、弾性層(第1弾性層)の電気抵抗値を求めた。具体的には、導電性弾性ローラの弾性層と電極とを密着させた状態で導電性シャフトの両端に合計500gの荷重を負荷し、電極と導電性シャフトとの間に300Vの電圧を印加して弾性層の電気抵抗値を測定した。
(2)抵抗変動の評価
作成したサンプルを、図4に示すように、直径13mmの導電ゴムシート2枚(41a,41b)の間に挟み、これらのサンプル及び導電ゴムシートを、更に、直径13mmの2つの電極(42a,42b)間に挟んだ状態で、定電流電源(TREK社製610C)により、300μAの直流電流を一定時間印加して、印加初期電圧からの電圧変動を読み取り、電圧(電気抵抗;V∝R)変動桁が1桁になるまでの時間を測定した。なお、電気抵抗変動桁は、下記式に基づき算出した。
(電気抵抗変動桁)=log10(変動電圧/初期電圧)
(3)画像印刷及び画像評価
作製した導電性弾性ローラについて、図5に示すように、帯電ローラをステンレス(SUS)ドラムに密着させて設置し、直流電圧(300V)を印加して、SUSドラムを60rpmで8時間回転させた。その後、導電性弾性ローラを画像形成装置のカートリッジにセットし、画像印刷を行った。印刷した画像にカブリ不良が発生しているか否かを目視で確認し、下記の評価基準に基づき評価した。
◎…連続印字を行い、1時間以上画像不良(カブリ)が発生しなかった
○…連続印字を行い、1時間以内に画像不良(カブリ)が発生した
△…連続印字を行い、0.5時間以内に画像不良(カブリ)が発生した
×…印字一枚目から画像不良(カブリ)が発生した
Figure 2015212737
Figure 2015212737
Figure 2015212737
表2より、第1弾性層31の電気抵抗値が、第2弾性層32の電気抵抗値よりも大きい場合(A1、A3、A4)に、体積抵抗率の変動桁が1桁になるまでの所要時間が長いことが示された。また、この場合に、画像不良が抑制されることが示された。
<B>第1及び第2弾性層間の電気抵抗値の桁差に対する、体積抵抗率の変動桁が1になるまでの所要時間
次に、電気抵抗値が、第1弾性層31の電気抵抗値よりも低い第2弾性層32を使用して体積抵抗率の変動を調べた。具体的には、下記表3に示すように、第1弾性層31の電気抵抗値と第2弾性層32の電気抵抗値の桁差を0.1〜3.5まで変化させて、<A>の(2)及び(3)に示した方法と同様にして、体積抵抗率の変動桁が1になるまでの所要時間を調べると共に、画像評価を行なった。電気抵抗値の桁差については、下記式に従って算出した。なお、ここで用いた第1及び第2弾性層の層厚比は1:1であった。結果を表3及び図6に示す。
(電気抵抗値の桁差)=log10(第1弾性層31の電気抵抗値)−log10(第2弾性層32の電気抵抗値)
Figure 2015212737
表3及び図6より、第1弾性層31と第2弾性層32との電気抵抗値の桁差が、0.3〜3.0の範囲内にある場合に、体積抵抗率の変動桁が1になるまでの所要時間を延ばすことができることが示された。また、体積抵抗率の変動桁が1になるまでの所用時間が長いほど、画像不良が生じ難いということが示された。
<C>第1及び第2層間の層厚比に対する、体積抵抗率の変動桁が1になるまでの所要時間
更に、下記表4に示すように、第1弾性層31と第2弾性層32との層厚の比を、1:8から1:0.2まで変化させて、<A>の(2)及び(3)に示した方法と同様にして、体積抵抗率の変動桁が1桁になるまでの所要時間を調べると共に、画像評価を行なった。結果を表4及び図7に示す。
Figure 2015212737
表4及び図7より、第1弾性層31の層厚1に対して第2弾性層32の層厚が0.5〜8.0倍の範囲内にある場合に、体積抵抗率の変動桁が1になるまでの所要時間を延ばすことができることが示された。また、体積抵抗率の変動桁が1になるまでの所用時間が長いほど、画像不良が生じ難いということが示された。
上記<A>〜<C>において、A1、A3、A4、B1〜9及びC1〜C10は実施例、A2及びA5〜A7は比較例に相当する。
1…導電性弾性ローラ、2…導電性シャフト、3…弾性層、11…感光ドラム、12…帯電ローラ、13…露光光、14…現像ローラ、15…現像装置、16…転写ローラ、17…記録媒体、18…クリーニングローラ、19…クリーニング装置、21…金属シャフト、22…樹脂基材、31…第1弾性層、32…第2弾性層、40…サンプル、41a,41b…導電ゴムシート、42a,42b…電極、43…定電流電源、44…SUSドラム

Claims (3)

  1. 導電性シャフトと、該導電性シャフトの径方向外側に位置する弾性層とを含む導電性弾性ローラを具え、該導電性シャフトに通電して使用される画像形成装置であって、
    前記弾性層が、第1弾性層と、前記導電性弾性ローラの径方向において該第1弾性層に隣接する第2弾性層とを含み、
    前記第1弾性層及び前記第2弾性層のうちの少なくとも一方が、イオン導電剤を含む弾性層用原料を硬化させてなる硬化樹脂からなり、
    前記第1弾性層は、第2弾性層よりも、通電時に前記イオン導電剤が進行する進行方向側に位置し、
    前記第1弾性層の電気抵抗値が、前記第2弾性層の電気抵抗値より大きいことを特徴とする、画像形成装置。
  2. 前記第1弾性層の電気抵抗値と前記第2弾性層の電気抵抗値との桁差が、0.3以上3.0以下であることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第2弾性層の層厚が、前記第1弾性層の層厚の0.5倍以上8.0倍以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
JP2014094804A 2014-05-01 2014-05-01 画像形成装置 Active JP6215130B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014094804A JP6215130B2 (ja) 2014-05-01 2014-05-01 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014094804A JP6215130B2 (ja) 2014-05-01 2014-05-01 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015212737A true JP2015212737A (ja) 2015-11-26
JP6215130B2 JP6215130B2 (ja) 2017-10-18

Family

ID=54697030

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014094804A Active JP6215130B2 (ja) 2014-05-01 2014-05-01 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6215130B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04256985A (ja) * 1991-02-08 1992-09-11 Bridgestone Corp 導電性ローラー
JPH10282813A (ja) * 1997-04-01 1998-10-23 Fuji Xerox Co Ltd 電圧印加ロールおよび画像形成装置
JPH11295963A (ja) * 1998-04-08 1999-10-29 Oki Data Corp 帯電ロ−ラと画像形成装置
JP2003241543A (ja) * 2002-02-14 2003-08-29 Canon Inc 画像形成装置
JP2007199599A (ja) * 2006-01-30 2007-08-09 Canon Inc 帯電ローラ
JP2007206443A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Bridgestone Corp 導電性弾性ローラ及びそれを備えた画像形成装置
JP2012203243A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Fuji Xerox Co Ltd 導電性ロール、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2013037079A (ja) * 2011-08-04 2013-02-21 Fuji Xerox Co Ltd 転写ロールおよび画像形成装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04256985A (ja) * 1991-02-08 1992-09-11 Bridgestone Corp 導電性ローラー
JPH10282813A (ja) * 1997-04-01 1998-10-23 Fuji Xerox Co Ltd 電圧印加ロールおよび画像形成装置
JPH11295963A (ja) * 1998-04-08 1999-10-29 Oki Data Corp 帯電ロ−ラと画像形成装置
JP2003241543A (ja) * 2002-02-14 2003-08-29 Canon Inc 画像形成装置
JP2007199599A (ja) * 2006-01-30 2007-08-09 Canon Inc 帯電ローラ
JP2007206443A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Bridgestone Corp 導電性弾性ローラ及びそれを備えた画像形成装置
JP2012203243A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Fuji Xerox Co Ltd 導電性ロール、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2013037079A (ja) * 2011-08-04 2013-02-21 Fuji Xerox Co Ltd 転写ロールおよび画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6215130B2 (ja) 2017-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5030605B2 (ja) 導電性弾性ローラ及びそれを備えた画像形成装置
JP6545561B2 (ja) 帯電ローラ
WO2012105615A1 (ja) 現像ローラ
EP2073068B1 (en) Conductive elastic roller and image-forming apparatus employing the same
JP4393499B2 (ja) 導電性弾性ローラ及びそれを具えた画像形成装置
JP5677867B2 (ja) 現像ローラ
JP6302799B2 (ja) 導電性部材、導電性ローラ、及び画像形成装置
JP4679556B2 (ja) 導電性ローラ及びそれを用いた画像形成装置
JP4990535B2 (ja) 導電性弾性ローラ及びそれを備えた画像形成装置
JP5781780B2 (ja) 現像ローラ
JP4990536B2 (ja) 導電性弾性ローラ及びそれを備えた画像形成装置
JP5781779B2 (ja) 現像ローラ
JP2007206438A (ja) 導電性弾性ローラ及びそれを備えた画像形成装置
JP6215130B2 (ja) 画像形成装置
JP7221039B2 (ja) 帯電ローラ、および帯電ローラの製造方法
JP2009115952A (ja) 導電性ローラ及びその製造方法、並びにそれを用いた画像形成装置
JP4711936B2 (ja) 導電性弾性ローラ及びそれを備えた画像形成装置
WO2020129814A1 (ja) 帯電ローラ、および、画像形成装置
JP7425059B2 (ja) 帯電ローラ及び画像形成装置
WO2017135324A1 (ja) 帯電ローラ
JP4996865B2 (ja) 導電性弾性ローラ及びそれを備えた画像形成装置
JP5833387B2 (ja) 現像ローラ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170920

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6215130

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250