JP2004205583A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】イオン導電性の転写ローラの長期放置後の通電直後に発生する急激な抵抗変動に起因する転写不良を防止する。
【解決手段】Vp1印加時の電流を検知し、転写ローラの1周分を平均化処理した値を1回目の検知電流値Ip1とする。次に、継続して、同様の転写バイアスVp1を転写ローラ9の1周分印加し、そのときの検知電流を平均化処理した値を2回目の検知電流値Ip2とする。そしてn回目の検知電流値Ipnと(n+1)回目の検知電流値Ip(n+1)の差分ΔIp(n+1−n)の値があらかじめ設定した閾値ΔIpよりも小さくなったときに、転写ローラの抵抗値が安定したものとして、前多回転動作を終了し、画像形成動作開始に備える。
【選択図】 図3
【解決手段】Vp1印加時の電流を検知し、転写ローラの1周分を平均化処理した値を1回目の検知電流値Ip1とする。次に、継続して、同様の転写バイアスVp1を転写ローラ9の1周分印加し、そのときの検知電流を平均化処理した値を2回目の検知電流値Ip2とする。そしてn回目の検知電流値Ipnと(n+1)回目の検知電流値Ip(n+1)の差分ΔIp(n+1−n)の値があらかじめ設定した閾値ΔIpよりも小さくなったときに、転写ローラの抵抗値が安定したものとして、前多回転動作を終了し、画像形成動作開始に備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置において、従来から、紙等の転写材上にトナーを転写するために転写材裏面に均一に電荷を付与する手段としてコロナ帯電器、ローラ帯電器、ブラシ帯電器、ブレード帯電器等が用いられてきた。
【0003】
しかしながら、コロナ帯電器では、帯電又は除電時にオゾンが発生し、また消費電力が大きいといった問題があった。
【0004】
そこで、最近ではオゾンの発生量が少なく、また消費電力が小さい接触帯電器が多く用いられる。接触帯電器は、導電性を有する接触帯電部材を使用する。
【0005】
接触帯電部材の形状としては、上述のように、ローラ状、ブラシ状、ブレード状といった種々の形状があるが、耐久性の観点からローラ状の帯電部材(以下「帯電ローラ」という。)が選択される場合が多い。
【0006】
帯電ローラは、帯電又は除電を均一に行うために、一般的にカーボンブラックや金属酸化物などの導電性を付与する導電フィラーを高分子エラストマー材料に分散させることによって中抵抗領域に抵抗調整される。しかし、製造上その分散均一性は十分でなく、周方向の抵抗ムラ(周ムラ)が生じ、結果的に均一に帯電又は除電できないという問題があった。
【0007】
この周ムラの対策として、例えば、4級アンモニウム塩基を結合するポリマーやポリエチレン−エピクロルヒドリン共重合体等をセグメントとするブロック型のポリマーなどで代表されるようなイオン導電性ポリマーを分散させて形成した帯電ローラが採用されるケースが増えてきている。
【0008】
この帯電ローラは、抵抗安定性に優れているため、製造上、精度よく目標抵抗値に合わせることができる。
【0009】
しかし、このようなイオン導電性を有する帯電ローラにも以下の第1〜第3のような問題が顕在化している。
▲1▼環境による抵抗変動が大きい、
▲2▼同一極性の電流を連続的に印加すると抵抗上昇を招く、
▲3▼長期放置後の通電開始直後に急激な抵抗変動が発生する。
【0010】
第1の問題について、図11にニトリルゴムとエチレン−エピクロルヒドリン共重合体とのブレンドにより形成されるイオン導電性ポリマーと、エチレンプロピレンゴム(EPDM)にカーボンブラックを分散させた電子導電性ポリマーとの抵抗値の環境変動を示す。同図に示すように、イオン導電性ポリマーは、絶対水分量の変化に対する抵抗値の変動については電子導電性ポリマーより大きい。しかしながら、この問題は環境(例えば、温度、湿度、又は絶対水分量)毎に設定値を設ける、いわゆる環境制御によって対策可能である。
【0011】
また、第2の問題であるイオン導電性ローラの抵抗上昇については、特許文献1に開示されているように、両極のバイアスを所定間隔で印加することによって対策可能である。
【0012】
第3の問題に対しては、特許文献2に開示されているATVC(ActiveTransfer Voltage Contorol)制御や特許文献3に開示されているPTVC(Programable Transfer Voltage Control)制御のように、転写材のない状態での導電ローラ(転写ローラ)を含む系の抵抗検知を行い、定電圧制御の電圧値を補正することによってある程度は対策可能である。
【0013】
しかしながら、第3の問題として挙げられているイオン導電性の帯電ローラの、長期放置後の通電開始直後の抵抗変動についての対策は開示されていない。図12にニトリルゴム(NBR)とイオン導電性ポリマーとをブレンドしたローラを48時間低湿環境下(温度23℃、湿度5%、絶対水分量0.86g/kg)に放置後における、電圧の印加時間(通電時間)と検知電流値との関係、つまり印加時間に対する検知電柱値の変化のようすを示す。放置後に抵抗が上がり、通電開始と同時に抵抗値が放置前の状態に戻る様子がわかる。また、放置条件やポリマーの種類によっては、長期放置によって抵抗値が下がり、通電によって抵抗が上昇し、放置前の抵抗値に戻る場合がある。このように、抵抗変動が生じた場合には以下の問題が生じる。
【0014】
例えば、抵抗値が放置により大きくなった場合には、通電開始直後に急激な抵抗低下を招くため、定電圧制御を行なっている場合には、急激な電流上昇が発生し、被帯電体に帯電ムラを発生させたり、必要以上に電流を流したことによって生じる画像不良や被帯電体表面に電気的メモリが発生することがある。定電流制御を行なっている場合には、導電部材を長期放置後の通電開始直後の電圧が大きいために、大きな電源を必要としたり、あるいは印加電圧が高すぎるためにリークやそれに関連した画像不良を引き起こすことがある。また、逆に長期放置により抵抗が下がっている場合には、通電開始直後にあらかじめ設定された電圧では電流が流れ過ぎ、上述と同様の問題が発生するおそれがある。
【0015】
ここで、従来例で説明したように、定期的に導電ローラ(転写ローラ)を含めた系の抵抗値を検知する手段を設け、印加する電圧を決定する制御(ATVC制御やPTVC制御)を有する画像形成装置の場合には、上述の問題の一部は改善されるが、上述の課題を解決するためには、これらの制御を行なう頻度を上げなければならず、生産性の低下を招くことがある。
【0016】
そこで、特許文献4には、定電圧制御で転写電圧を制御する場合の連続画像形成時に、紙間にもある所定の電圧を印加し、そのときの電流を検知し、その電流値によっては紙間を広げて、ATVCもしくはPTVC制御を入れ、それ以降の転写電圧設定に帰還させる制御が開示されている。
【0017】
【特許文献1】
特開平7−49604号公報
【特許文献2】
特開平2−264278号公報
【特許文献3】
特開平5−181373号公報
【特許文献4】
特開平10−307490号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献4に開示されている技術では、本発明が課題としている長期放置後の通電開始直後に発生する急激な抵抗変動に対しては、紙間を広げて上述の制御を頻繁に入れなければならず、やはり大きくその生産性を落としてしまう。
【0019】
以上説明してきた課題は、イオン導電性を有する導電部材を転写帯電器として採用した場合について述べてきたが、これに限定されないことはいうまでもない。潜像形成をする感光体表面を均一に帯電及び除電する接触式の帯電器や、転写材担持体、あるいはトナー像担持体としての転写ベルトを均一に帯電又は除電する接触式帯電器にも同様の課題が存在することはいうまでもない。
【0020】
そこで、本発明は、固定環境下で抵抗安定性に優れ、量産抵抗安定性にも優れたイオン導電性ポリマーを有する導電部材の長期放置後の通電開始直後に発生する急激な抵抗変動によって生じる不具合を、画像形成の生産性を低下させることなく、防止できるようにした画像形成装置を提供することを目的とするものである。さらに、長期放置後の抵抗上昇を緩和させ、イオン導電性ポリマーを採用した導電部材の長寿命化を実現することも目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、被帯電体に接触配置又は微小間隙を介して対向配置された帯電部材と、前記帯電部材に少なくとも直流電圧を印加することで前記被帯電体を帯電又は除電する電源と、前記電源を制御する制御手段とを備えた画像形成装置において、前記帯電部材は、イオン導電性を有する帯電部材であり、前記帯電部材によって前記被帯電体を帯電又は除電するに先立って前記帯電部材に前記電源により所定の電圧を印加したときに前記帯電部材に流れる電流を検知する電流検知手段を有し、前記電流検知手段によって検知された電流に基づいて、前記制御手段により、前記帯電部材の抵抗を安定させるための前記所定の電圧の印加時間を決定する、ことを特徴とする。
【0022】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記電流検知手段によって検知された電流の単位時間での積算電流値又は平均電流と前記積算電流値との変化量を算出する算出手段を有し、前記算出手段によって算出された前記変化量に基づいて、前記制御手段によって前記所定の電圧の印加時間を決定する、ことを特徴とする。
【0023】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記帯電部材に前記電源により前記所定の電圧を印加する際の電流の方向が、前記帯電部材によって前記被帯電部材を帯電又は除電する際の電流の方向と逆になるようにする、ことを特徴とする。
【0024】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記帯電部材に前記電源により前記所定の電圧を印加する際に流れる電流の絶対値が、前記帯電部材によって前記被帯電部材を帯電又は除電する際に流れる電流の絶対値よりも大きい、ことを特徴とする。
【0025】
請求項5に係る発明は、被帯電体に接触配置又は微小間隙を介して対向配置された帯電部材と、前記帯電部材に少なくとも直流電圧を印加することで前記被帯電体を帯電又は除電する電源と、前記電源を制御する制御手段とを備えた画像形成装置において、前記帯電部材は、イオン導電性を有する帯電部材であり、前記帯電部材によって前記被帯電体を帯電又は除電するに先立って前記帯電部材に所定の電流を流すために必要な電圧を検知する電圧検知手段を有し、前記電圧検知手段によって検知された電圧に基づいて、前記制御手段により、前記帯電部材の抵抗を安定させるための前記所定の電流を流す時間を決定する、ことを特徴とする。
【0026】
請求項6に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記電圧検知手段によって検知された電圧の単位時間での平均値と前記平均値の変化量を算出する算出手段を有し、前記算出手段によって算出された前記変化量に基づいて、前記制御手段によって前記所定の電流を流す時間を決定する、ことを特徴とする。
【0027】
請求項7に係る発明は、請求項5又は6に記載の画像形成装置において、前記帯電部材に前記所定の電流を流す際の電流の方向が、前記帯電部材によって前記被帯電部材を帯電又は除電する際の電流の方向と逆になるようにする、ことを特徴とする。
【0028】
請求項8に係る発明は、請求項5ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記帯電部材に流す前記所定の電流の絶対値が、前記帯電部材によって前記被帯電部材を帯電又は除電する際に流れる電流の絶対値よりも大きい、ことを特徴とする。
【0029】
請求項9に係る発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記帯電部材は、表面に静電潜像が形成される像担持体の表面を均一に帯電又は除電する接触帯電部材である、ことを特徴とする。
【0030】
請求項10に係る発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記帯電部材は、表面にトナー像を担持するトナー像担持体の表面を均一に帯電又は除電する接触帯電部材である、ことを特徴とする。
【0031】
請求項11に係る発明は、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記帯電部材は、トナー像担持体の表面に担持されたトナー像を被転写体に電気的に転写する接触帯電部材である、ことを特徴とする。
【0032】
請求項12に係る発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記帯電部材は、表面に転写材を担持する転写材担持体を所定の電位に帯電又は除電する接触帯電部材である、ことを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
【0034】
<実施の形態1>
図1に本発明に係る画像形成装置の一例として、実施の形態1に係る画像形成装置を示す。同図に示す画像形成装置は、電子写真方式の、両面画像形成装置(以下「画像形成装置」という。)である。
【0035】
同図に示す画像形成装置は、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)1を備えている。
【0036】
感光ドラム1としては、例えば、アルミニウム等の導電性のドラム基体の外周面にOPC(有機光半導体)感光層を設けて形成されている。感光ドラム1は、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0037】
感光ドラム1は、その表面(外周面)が接触帯電部材としての一次帯電ローラ2によって所定の極性・電位に一様に帯電(一次帯電)される。
【0038】
露光装置(露光手段)としてはレーザビームスキャナが使用されている。露光装置3は、イメージスキャナ、コンピュータ等の外部機器(不図示)から入力される画像情報に対応してオン/オフ変調されたレーザ光Lを出力して、感光ドラム1上の帯電処理面を走査露光する。この走査露光により感光ドラム1表面に目的の画像情報に応じた静電潜像が形成される。
【0039】
感光ドラム1上の静電潜像は現像装置4によって現像される。現像装置4は、現像剤が収納された現像容器4bと、現像容器4bの開口部において感光ドラム1表面に対向するように配置された現像スリーブ4aと、この現像スリーブ4a表面に担持される現像剤を薄層に形成する規制ブレード4cとを有している。現像スリーブ4aは、矢印方向に回転して表面に担持した現像剤を感光ドラム1表面に対向する現像位置に搬送するとともに、現像バイアス印加電源(不図示)によって現像バイアスが印加される。これにより現像剤中のトナーが感光ドラム1上の静電潜像に付着されて、静電潜像をトナー像として現像する。
【0040】
こうして感光ドラム1上に形成されたトナー像は、感光ドラム1の矢印R1方向に回転によって、感光ドラム1と転写ローラ(転写部材)9との間に形成される当接部である転写部Tに向けて搬送される。本実施の形態においては、上述の転写ローラ9が、帯電部材に相当する。
【0041】
一方、転写材P(例えば、紙、透明フィルム)は、給紙カセット5に収納されていて、給紙スタート信号に基づいて給紙ローラ6が駆動されることにより、給紙カセット5内から1枚ずつ給紙される。給紙された転写材Pは、レジストローラ7、紙パス8aを通って、転写部Tに所定のタイミングで供給される。すなわち、感光ドラム1の矢印R1方向の回転によって感光ドラム1上のトナー像の先端部が転写部Tに到達するタイミングと同期するようにレジストローラ7によって転写材Pの供給タイミングが制御される。
【0042】
転写部Tに導入された転写材Pは、感光ドラム1と転写ローラ9とによって挾持搬送され、このとき転写ローラ9に対し、制御装置(制御手段)9Aによって制御された転写バイアス印加電源)9Bによりトナーと逆極性の転写バイアスが印加される。これにより、感光ドラム1上のトナー像が転写材P表面に静電的に転写される。なお、転写ローラ9及び転写バイアス制御については後に詳述する。
【0043】
トナー像転写後の感光ドラム1は、転写材Pが分離された後、表面に残ったトナー(転写残トナー)や紙粉等の異物がクリーニング装置10で除去され、その後、次の画像形成に供される。
【0044】
一方、感光ドラム1から分離された転写材Pは、紙パス8bを通って定着装置11に搬送され、ここで加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。
【0045】
ここで、転写材Pの表面(第1面)にのみ画像形成の場合は、表面にトナー像が定着された転写材Pは、切り替え部材12の切り替えによって紙パス8cに導かれ、排出ローラ13によって排紙トレイ14上に排出される。一方、転写材Pの表面(第1面)と裏面(第2面)との両面に画像形成が行われる場合は、切り替え部材12の切り替えによって紙パス8d上に搬送され、反転パス8eを利用して表裏反転された後、再給紙パス8fに搬送され、ここから再度、転写部Tに供給される。そして、上述の表面(第1面)と同様に裏面(第2面)にもトナー像が転写され、定着された後、切り替え部材12、紙パス8c、排出ローラ13を介して排紙トレイ14上に排出される。これにより、両面の画像形成が終了する。
【0046】
上述の画像形成装置において、接触回転型の転写部材としての転写ローラ9は、イオン導電性スポンジローラであり、芯金9bの上にスポンジゴム層9aを有している。スポンジ層9aは、NBRゴムと界面活性剤等を反応させ、周ムラ1.5(後述)以下、抵抗値が温度23℃、湿度50%で106〜109Ω(2kV印加)のものを採用している。
【0047】
図2は転写ローラ9の抵抗測定装置の概略図である。回転駆動される外径30mmのアルミニウムドラム1Aに当接させる。転写ローラ9の芯金9bの長手方向の両端部において、それぞれ500gの荷重をかけ、当接圧1.0kgでアルミニウムドラム1Aに押圧し、アルミニウムドラム1Aの回転によって従動回転させる。このとき、芯金9bとアースとの間にバイアス印加電源(電圧検知手段)Eより2.0kVを印加し、アルミニウムドラム1Aに流れる電流を電流計(電流検知手段)Aで測定することで抵抗を算出した。また上述の測定において、転写ローラ9を1回転以上させたときの電流値をサンプリングし、このサンプリング電流値の平均値からローラ抵抗を算出した。
【0048】
このサンプリング電流値の最大値と最小値をそれぞれIMAX、IMINとすると、従来例同様、IMAX/IMIN≦1.5となる転写ローラ9、すなわち回転方向でその抵抗ムラ(周ムラ)が1.5以下である転写ローラ9を使用した。
【0049】
図3に、この転写ローラ9を、温度23℃、湿度5%の低湿環境下に長時間(48h)放置後に、2kVのバイアスを印加したときの電流値の変化を示す。同図では、横軸に印加時間(分)を、また縦軸に検知電流値(μA)をとっている。
【0050】
同図に示すように、バイアスの印加直後に急激に抵抗が低下して電流が増加するようすがわかる。画像形成装置本体内部は、この現象に加えて定着装置11(図1参照)等の熱により温度が上昇するため、より大きな抵抗低下を示すことがある。このような現象に対して、常に安定した転写バイアスを供給するために、本実施の形態1では以下のような制御を行った。
【0051】
本実施の形態における画像形成装置においては、画像形成装置本体の電源の立ち上げ後、ジャム後、節電モードからの復帰後等に、前多回転と呼ばれる動作に入る。この前多回転と呼ばれる動作では、一般的に定着装置11(図1参照)の定着温度や駆動系の安定化、一次帯電ローラに印加するバイアスの最適化処理、現像条件の最適化処理等が行なわれる場合が多い。なお、本実施の形態では、これらの具体的な制御については割愛する。
【0052】
図4を参照して、実際に感光ドラム1上に形成したトナー像を転写材Pに転写するための転写バイアスを決定する制御について説明する。
【0053】
ユーザが、例えば操作パネル(不図示)上のスタートボタン(不図示)を押したり、あるいは画像形成装置が動作を開始してから、実際に画像形成動作が開始されるまでの、画像形成装置の空回転を前回転と呼ぶことにする。したがって、転写部材(転写ローラ9)については、ユーザがスタートボタンを押したり、あるいは画像形成装置が動作を開始してから、感光ドラム1上に形成されたトナー像及び転写材Pが転写部Tに到達するまでの空回転が前回転ということになる。
【0054】
この前回転時に、転写バイアス印加電源が転写ローラ9に印加する転写バイアスの電圧を多段階で切替、各々の電圧に対する電流を検知する。本実施の形態では、3段階に電圧を切り替え、電圧−電流特性(V−I特性)を導き出している。なお、測定ポイント以外は線形補完した。
【0055】
図4に示すように、まず、第1電圧V1を転写ローラ9の1周分印加し、そのときの電流値を電流検知手段(例えば図2の電流計A)で検知し、算出手段(図1に示す制御装置9Aに内蔵されている)により平均化処理された値をI1とする。同様に第2電圧V2に対する電流値I2、第3電圧V3に対する電流値I3を求める。なお、本実施の形態ではV3<V2<V1とした。こうして求められたV−I特性が図5に示すものである。
【0056】
一方、転写材Pの種類ごとに、トナー像の転写に必要な転写電流があらかじめ決められており、転写ローラ9にこの電流を流すために必要な基底電圧Vbが上述のV−I特性から求められる。
【0057】
例えば、ある転写材Pに感光ドラム1上のトナー像を転写するのに必要な転写電流をIbとすると、このIb及び上述のV−I特性から、Vbは、次式によって求めることができる。
・Ib≧I2のとき、
Vb=(V2−V1)(Ib−I1)/(I2−I1)+V1
・Ib<I2のとき、
Vb=(V3−V2)(Ib−I2)/(I3−I2)+V2
から求められるわけである。
【0058】
次に、この基底電圧Vbに、各転写材Pの種類毎(温湿度環境毎にも分けられている)にあらかじめ決められた転写材分の電圧Vpを加えた、実際に印加させる転写電圧Vtr
Vtr=Vb+Vp
が出力される。したがって、この制御において転写電圧Vtr(転写バイアス)を連続通紙時に安定させるためには、Vbの変動を抑えることのできる本実施の形態は、必要不可欠であることがわかる。
【0059】
以下に、転写バイアスを安定して供給のための制御について説明する。まず、一次帯電ローラ2によって感光ドラム1表面を均一に所定の電位Vdに均一に帯電する。この均一に帯電された感光ドラム1表面が転写部Tに到達したら、転写バイアスも固定値Vp1を印加する。すると、感光ドラム1の表面電位Vdと転写ローラ9の電位Vp1との電位差で電流が流れる。この検知電流に閾値を設け、その閾値を基準にして、Vp1を印加する時間を制御すればよい。さらに好ましくは以下のような制御するとよい。
【0060】
Vp1印加時の電流を検知し、転写ローラ9の1周分を平均化処理した値を1回目の検知電流値Ip1とする。次に、継続して、同様の転写バイアスVp1を転写ローラ9の1周分印加し、そのときの検知電流を平均化処理した値を2回目の検知電流値Ip2とする。そして、この最初の検知電流値Ip1と次に検知されたIp2の差分ΔIp(2−1)(=|Ip2−Ip1|)の値が、あらかじめ決められたΔIpよりも大きい場合には、継続して一次帯電ローラ9によって均一に帯電され、転写バイアスも印加される。そしてn回目の検知電流値Ipnとn+1回目の検知電流値Ip(n+1)の差分ΔIp(n+1−n)の値がΔIpよりも小さくなったら、前多回転動作を終了し、画像形成動作開始に備える。
【0061】
具体的には、本実施の形態では、20秒間電流測定を行い、それを平均化処理した値をIpnとした。そして、ΔIp=1μAとした。さらに、ΔIp(n+1−n)<ΔIpの条件を測定2回連続で満足した場合に、転写バイアスVp1の印加を終了する。前述の転写ローラ9の検知電流値の変動(抵抗の変動)を示す図に、上述の制御とを重ねた図を図3に示す。
【0062】
異常の説明では、検知電流値を平均化処理した値を使用したが、これに代えて単位時間当たりの積算電流値を使用するようにしてもよい。
【0063】
以上説明したように、上述のような制御を行なうことによって、転写時の電流値が最適となるばかりでなく、長期放置においてローラ抵抗値が変動した場合にも、画像形成の生産性を低下させることなく、適正な転写バイアスを供給することができる。
【0064】
また、長期放置後に転写ローラ9の抵抗が上昇し、必要な転写電流に対する転写電圧値が上昇すると、ハーフトーン画像部に白抜けが発生することがあり、これをもって転写ローラ9の寿命と判断してしまうことがあった。したがって、この白抜け画像や、転写ローラ9の長寿命化(ランニングコスト低下)にも効果があることがわかる。
【0065】
また本実施の形態では、トナーを転写材Pに転写する際に定電圧制御を行い、かつ前多回転で定電圧制御を行い、電流を検知する場合について示してきたが、前多回転時に一定電流を流しても同じように説明できることはいうまでもない。前多回転時に一定電流を印加し、その際に転写ローラ9に印加させる電圧を検知すればよい。その変化量あるいは電圧値によって一定電流を流す時間を制御すればよい。またトナーを転写材Pに転写する際に定電流制御を行なう場合も、特に長期放置時に抵抗上昇し、通電開始直後の電圧が非常に高く、転写電圧が高いために発生する白抜け画像の対策として有効である。
【0066】
<実施の形態2>
本実施の形態では、実施の形態1に加えて、前多回転で印加する転写バイアスの極性を感光ドラム1から転写材Pにトナー像を転写するときに転写ローラ9に印加するバイアスの極性の逆極性を印加することを特徴としている。
【0067】
図6に逆極性の−2kVを転写ローラ9に印加した場合の、転写ローラ9に流れる電流変化を示す。同図においては、横軸に印加時間(分)を、また縦軸に検知電流(μA)をとっている。図3と同様に印加時間とともに検知電流の絶対値が増加する、したがって、抵抗値が低下していくことがわかる。
【0068】
本実施の形態のように転写バイアスの逆極性を印加することで、イオン導電性を有する導電ローラとしての転写ローラ9の抵抗上昇を抑える効果がある。
【0069】
図7に前多回転時に印加される電圧の極性を、通常の感光ドラム1から転写材Pにトナーを転写するために印加する転写バイアスと同極性にした場合と、逆極性にした場合との設定される転写電圧(Vtr)の耐久変化を示す。同図では、横軸に耐久枚数(k枚)を、また縦軸に設定電圧(V)をとっている。さらに、「○」は、転写バイアスと同極性を印加したとき、また「□」は、転写バイアスと逆極性を印加したときを示している。転写電圧の増加は、高圧トランスの容量の増加や、白抜け画像の発生要因になるため、転写ローラ9の寿命を短くすることを意味する。
【0070】
したがって、本実施の形態で説明してきたように、通常印加される転写バイアスと逆極性のバイアスを印加することによって、放置後にバイアスを印加した場合の急激な抵抗変動を防止するだけでなく、さらなる転写ローラ9の長寿命化を図ることができる。
【0071】
<実施の形態3>
本実施の形態では、前多回転時に印加する転写バイアスを、通常の感光ドラム1から転写材P上にトナーを転写させるために要する転写電流よりも大きな電流値を流すことによって、転写ローラ9の安定化を早め、前回転時間を短くすることができる。
【0072】
図8に、低湿環境に放置した後に、転写電圧1kV,2kV,3kV,4kVを印加した場合の、印加時間と検知電流との関係を示す。同図は、横軸に印加時間(分)を、また縦軸に検知電流(μA)をとっている。同図から、前多回転時の転写電圧(印加電圧)を上げた方が、検知電流値の飽和する時間が短いことがわかる。
【0073】
そこで、本実施の形態では、図13に示すように、環境毎に、前多回転前の画像形成動作終了時の基底電圧Vb値を参考にして、前多回転時に印加する電圧を決めた。
【0074】
しかしながら、電圧を上げすぎると、感光ドラム1のドラムメモリやドラム表面劣化等を引き起こしやすくなるため、その上限値は様々なプロセス条件によって変えられなければならない。本実施の形態では、転写ローラ9の抵抗値が雰囲気環境に大きく影響を受けることから、過剰な電流が流れすぎないように、絶対水分量で表される環境毎(各環境の間は線形補間される)に上限電圧を図13に示すように決めた。具体的には、上限電圧は、絶対水分量0.86g/kgの低湿環境下では4000V、また絶対水分量10.5g/kgの常湿環境下では2000V、絶対水分量21.6g/kgの高湿環境下では1000Vに設定した。
【0075】
以上のようにすることにより、前多回転時間を効果的に縮めることができるため、画像形成装置本体の電源の立ち上げ後、ジャム処理後、節電モード復帰後等において、ユーザの待ち時間(ウェイトタイム)を縮めることが可能になる。
【0076】
<実施の形態4>
図9を参照して、実施の形態3について説明する。
【0077】
本実施の実施の形態に係る画像形成装置は、画像形成装置本体内に、4個の画像形成ステーション(画像形成部)、すなわち第1,第2,第3,第4の画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdが並設され、各画像形成ステーションPa〜Pdではそれぞれ異なった色のトナー像、例えばイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのトナー像が一次帯電、露光、現像、転写の各プロセスを経て形成される。なお、各画像形成ステーションPa〜Pdに配設されている一次帯電ローラ、露光装置、現像装置、クリーニング装置については、図1に示すものと同様な構成及び作用であるのでこれらのついての図示及び説明は省略する。
【0078】
各画像形成ステーションPa〜Pdはそれぞれ専用の感光ドラム1a,1b,1c,1dを具備し、各感光ドラム1a〜1d上に各色のトナー像が形成される。
【0079】
また、感光ドラム1a,1b,1c,1dに隣接して第2の像担持体である中間転写体としての中間転写ベルト50が配設されている。中間転写ベルト50は、高圧電源(不図示)により一次転写ローラ24aに印加された一次転写バイアスにより感光ドラム1a上の1色目のイエローのトナー像が中間転写ベルト50上に一次転写される。
【0080】
以下、上述のイエローのトナー像と同様にして、2色目のマゼンタのトナー像、3色目のシアンのトナー像、4色目のブラックのトナー像が、中間転写ベルト50上に順次に一次転写されて、中間転写ベルト50上で4色のトナー像が重ね合わされる。
【0081】
なお、本実施の形態における一次転写ローラ24a〜24dに印加される一次転写バイアスは、上述の実施の形態1〜3に記載されている転写バイアスの制御方法と同様にV−I特性から所望の一次転写電圧を求める制御が行なわれる。
【0082】
中間転写ベルト50上に形成された4色のトナー像は、給紙カセット10から給紙され、レジストローラ12によりタイミングをとって、中間転写ベルト50と二次転写ローラ61との間の二次転写部(二次転写ニップ部)T2に供給された転写材P上に一括で二次転写される。二次転写ローラ61に、高圧電源(不図示)により二次転写バイアスが印加され、これにより、中間転写ベルト50から4色のトナー像の転写材Pへの一括転写が行なわれる。このときに印加される二次転写バイアスも上述の一次転写バイアスと同様に決められる。
【0083】
この二次転写によって転写材P上に転写されずに中間転写ベルト50上に残ったトナーは、中間転写体クリーニング手段であるクリーナ62によって除去される。
【0084】
中間転写ベルト50は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂シートや、ポリフッ化ビニリデン樹脂シート、ポリウレタン樹脂シート、あるいはポリイミド樹脂シートなどの誘電体樹脂シートによって形成されており、無端状(エンドレス)に形成されている。
【0085】
上述の本実施の形態に係る画像形成装置において、転写ローラとしては一次転写ローラ24a〜24dと二次転写ローラ61とが存在する。本実施の形態の特徴とするところは、上述の実施の形態1〜3と同様に、本発明を、中間転写ベルト50を用いた一次転写ローラ24a〜24dや二次転写ローラ61にも適用したことである。
【0086】
すなわち、最近の4色フルカラーの画像形成装置で採用されている、様々な転写材に対応可能な中間転写ベルトを有する画像形成装置においても、イオン導電性を有する導電ローラを転写ローラとして有効に利用できる。
【0087】
<実施の形態5>
上述の実施の形態1〜4は、すべてトナー像を像担持体から被転写体に電気的に転写するための転写部材にイオン導電性を有する導電ローラを採用した場合について述べてきた。
【0088】
しかしながら、本発明の効果はこれに限定されるものではない。例えば、図1に示す感光ドラム1表面を所定電位に均一に帯電する接触式の一次帯電ローラ2や感光ドラム1の表面に当接して、感光ドラム表面の電位を均一に帯電もしくは除電する部材であれば、上述実施の形態と同様の制御を採用することにより上述の実施の形態と同様の効果があることはいうまでもない。
【0089】
<実施の形態6>
図10は、実施の形態6に係る画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。本実施の形態の画像形成装置の特徴は、転写材Pを、転写材担持体としての転写ベルト130上に静電吸着させ、感光ドラム1a,1b,1c,1d上に形成されたトナー像を、転写ローラ24a,24b,24c,24dに転写バイアスを印加して直接、転写材Pに順次に転写することにある。
【0090】
上述の転写ベルト130は、転写材Pの吸着力を維持するために、高抵抗の誘電体シートによって形成されている。本実施の形態では体積抵抗率1016Ω・cm以上のポリカーボネートを採用した。このように誘電体シートを採用した場合には、転写等の電荷供給とともに転写ベルト130の電位は上昇し、トナー像転写後に転写材Pが分離された後も、電荷が残留する。
【0091】
本実施の形態では、1対の帯電部材としての導電ローラ7a,7bによって転写ベルト130を挟持し、バイアスを印加することで、転写ベルト130の電位を所定の電位に収束させている。この導電ローラ7a,7bにイオン導電性ポリマーを含む導電ローラを採用し、上述実施の形態と同様の制御を採用しても同様の効果をあげている。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、イオン導電性を有する帯電部材によって被帯電体を帯電又は除電するに先立って帯電部材に電源により所定の電圧を印加したときに帯電部材に流れる電流を検知する電流検知手段を有し、電流検知手段によって検知された電流に基づいて、制御手段により、帯電部材の抵抗を安定させるための所定の電圧の印加時間を決定することにより、固定環境下で抵抗安定性に優れ、量産抵抗安定性にも優れたイオン導電性を有する帯電部材において長期放置後の通電開始直後に発生する急激な抵抗変動に起因した転写不良を、画像形成装置の画像形成の生産性を低下させることなく防止することができる。さらに、長期放置後の抵抗上昇を緩和させることにより、イオン導電性を有する導電部材の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】帯電部材としての導電ローラの抵抗測定装置を示す概略構成図である。
【図3】実施の形態1において、長期放置後の転写ローラに対する電圧の印加時間と検知電流値との関係を示す図である。
【図4】実施の形態1において、転写バイアスを決定する制御を説明する図である。
【図5】実施の形態1において、転写バイアスを決定する制御を説明する図である。
【図6】実施の形態2において、印加バイアスを逆極性にしたときの印加時間と検知電流との関係を示す図である。
【図7】実施の形態2において、イオン導電性を有する導電ローラの、耐久枚数と設定電圧との関係を示す図である。
【図8】実施の形態3において、印加時間と検知電流値との関係を示す図である。
【図9】実施の形態4の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図10】実施の形態6の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図11】イオン導電性ポリマーと電子導電性ポリマーの、絶対水分量と抵抗値との関係を示す図である。
【図12】イオン導電性の導電ローラの、長期放置後における印加時間と検知電流値との関係を示す図である。
【図13】絶対水分量と、前多回転印加電圧及び上限電圧との関係を示す図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d
被帯電体(像担持体、感光ドラム)
2 帯電部材(接触帯電部材、一次帯電ローラ)
7a,7b 帯電部材(導電ローラ)
9 帯電部材(接触帯電部材、転写ローラ)
9A 制御手段(制御装置)
9B 電源(転写バイアス印加電源)
24a,24b,24c,24d
帯電部材(接触帯電部材、一次転写ローラ)
50 被帯電体(トナー像担持体、中間転写ベルト)
61 帯電部材(二次転写ローラ)
130 被帯電体(転写材担持体、転写ベルト)
A 電流検知手段(電流計)
P 被転写体(転写材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ,複写機,ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置において、従来から、紙等の転写材上にトナーを転写するために転写材裏面に均一に電荷を付与する手段としてコロナ帯電器、ローラ帯電器、ブラシ帯電器、ブレード帯電器等が用いられてきた。
【0003】
しかしながら、コロナ帯電器では、帯電又は除電時にオゾンが発生し、また消費電力が大きいといった問題があった。
【0004】
そこで、最近ではオゾンの発生量が少なく、また消費電力が小さい接触帯電器が多く用いられる。接触帯電器は、導電性を有する接触帯電部材を使用する。
【0005】
接触帯電部材の形状としては、上述のように、ローラ状、ブラシ状、ブレード状といった種々の形状があるが、耐久性の観点からローラ状の帯電部材(以下「帯電ローラ」という。)が選択される場合が多い。
【0006】
帯電ローラは、帯電又は除電を均一に行うために、一般的にカーボンブラックや金属酸化物などの導電性を付与する導電フィラーを高分子エラストマー材料に分散させることによって中抵抗領域に抵抗調整される。しかし、製造上その分散均一性は十分でなく、周方向の抵抗ムラ(周ムラ)が生じ、結果的に均一に帯電又は除電できないという問題があった。
【0007】
この周ムラの対策として、例えば、4級アンモニウム塩基を結合するポリマーやポリエチレン−エピクロルヒドリン共重合体等をセグメントとするブロック型のポリマーなどで代表されるようなイオン導電性ポリマーを分散させて形成した帯電ローラが採用されるケースが増えてきている。
【0008】
この帯電ローラは、抵抗安定性に優れているため、製造上、精度よく目標抵抗値に合わせることができる。
【0009】
しかし、このようなイオン導電性を有する帯電ローラにも以下の第1〜第3のような問題が顕在化している。
▲1▼環境による抵抗変動が大きい、
▲2▼同一極性の電流を連続的に印加すると抵抗上昇を招く、
▲3▼長期放置後の通電開始直後に急激な抵抗変動が発生する。
【0010】
第1の問題について、図11にニトリルゴムとエチレン−エピクロルヒドリン共重合体とのブレンドにより形成されるイオン導電性ポリマーと、エチレンプロピレンゴム(EPDM)にカーボンブラックを分散させた電子導電性ポリマーとの抵抗値の環境変動を示す。同図に示すように、イオン導電性ポリマーは、絶対水分量の変化に対する抵抗値の変動については電子導電性ポリマーより大きい。しかしながら、この問題は環境(例えば、温度、湿度、又は絶対水分量)毎に設定値を設ける、いわゆる環境制御によって対策可能である。
【0011】
また、第2の問題であるイオン導電性ローラの抵抗上昇については、特許文献1に開示されているように、両極のバイアスを所定間隔で印加することによって対策可能である。
【0012】
第3の問題に対しては、特許文献2に開示されているATVC(ActiveTransfer Voltage Contorol)制御や特許文献3に開示されているPTVC(Programable Transfer Voltage Control)制御のように、転写材のない状態での導電ローラ(転写ローラ)を含む系の抵抗検知を行い、定電圧制御の電圧値を補正することによってある程度は対策可能である。
【0013】
しかしながら、第3の問題として挙げられているイオン導電性の帯電ローラの、長期放置後の通電開始直後の抵抗変動についての対策は開示されていない。図12にニトリルゴム(NBR)とイオン導電性ポリマーとをブレンドしたローラを48時間低湿環境下(温度23℃、湿度5%、絶対水分量0.86g/kg)に放置後における、電圧の印加時間(通電時間)と検知電流値との関係、つまり印加時間に対する検知電柱値の変化のようすを示す。放置後に抵抗が上がり、通電開始と同時に抵抗値が放置前の状態に戻る様子がわかる。また、放置条件やポリマーの種類によっては、長期放置によって抵抗値が下がり、通電によって抵抗が上昇し、放置前の抵抗値に戻る場合がある。このように、抵抗変動が生じた場合には以下の問題が生じる。
【0014】
例えば、抵抗値が放置により大きくなった場合には、通電開始直後に急激な抵抗低下を招くため、定電圧制御を行なっている場合には、急激な電流上昇が発生し、被帯電体に帯電ムラを発生させたり、必要以上に電流を流したことによって生じる画像不良や被帯電体表面に電気的メモリが発生することがある。定電流制御を行なっている場合には、導電部材を長期放置後の通電開始直後の電圧が大きいために、大きな電源を必要としたり、あるいは印加電圧が高すぎるためにリークやそれに関連した画像不良を引き起こすことがある。また、逆に長期放置により抵抗が下がっている場合には、通電開始直後にあらかじめ設定された電圧では電流が流れ過ぎ、上述と同様の問題が発生するおそれがある。
【0015】
ここで、従来例で説明したように、定期的に導電ローラ(転写ローラ)を含めた系の抵抗値を検知する手段を設け、印加する電圧を決定する制御(ATVC制御やPTVC制御)を有する画像形成装置の場合には、上述の問題の一部は改善されるが、上述の課題を解決するためには、これらの制御を行なう頻度を上げなければならず、生産性の低下を招くことがある。
【0016】
そこで、特許文献4には、定電圧制御で転写電圧を制御する場合の連続画像形成時に、紙間にもある所定の電圧を印加し、そのときの電流を検知し、その電流値によっては紙間を広げて、ATVCもしくはPTVC制御を入れ、それ以降の転写電圧設定に帰還させる制御が開示されている。
【0017】
【特許文献1】
特開平7−49604号公報
【特許文献2】
特開平2−264278号公報
【特許文献3】
特開平5−181373号公報
【特許文献4】
特開平10−307490号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献4に開示されている技術では、本発明が課題としている長期放置後の通電開始直後に発生する急激な抵抗変動に対しては、紙間を広げて上述の制御を頻繁に入れなければならず、やはり大きくその生産性を落としてしまう。
【0019】
以上説明してきた課題は、イオン導電性を有する導電部材を転写帯電器として採用した場合について述べてきたが、これに限定されないことはいうまでもない。潜像形成をする感光体表面を均一に帯電及び除電する接触式の帯電器や、転写材担持体、あるいはトナー像担持体としての転写ベルトを均一に帯電又は除電する接触式帯電器にも同様の課題が存在することはいうまでもない。
【0020】
そこで、本発明は、固定環境下で抵抗安定性に優れ、量産抵抗安定性にも優れたイオン導電性ポリマーを有する導電部材の長期放置後の通電開始直後に発生する急激な抵抗変動によって生じる不具合を、画像形成の生産性を低下させることなく、防止できるようにした画像形成装置を提供することを目的とするものである。さらに、長期放置後の抵抗上昇を緩和させ、イオン導電性ポリマーを採用した導電部材の長寿命化を実現することも目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、被帯電体に接触配置又は微小間隙を介して対向配置された帯電部材と、前記帯電部材に少なくとも直流電圧を印加することで前記被帯電体を帯電又は除電する電源と、前記電源を制御する制御手段とを備えた画像形成装置において、前記帯電部材は、イオン導電性を有する帯電部材であり、前記帯電部材によって前記被帯電体を帯電又は除電するに先立って前記帯電部材に前記電源により所定の電圧を印加したときに前記帯電部材に流れる電流を検知する電流検知手段を有し、前記電流検知手段によって検知された電流に基づいて、前記制御手段により、前記帯電部材の抵抗を安定させるための前記所定の電圧の印加時間を決定する、ことを特徴とする。
【0022】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記電流検知手段によって検知された電流の単位時間での積算電流値又は平均電流と前記積算電流値との変化量を算出する算出手段を有し、前記算出手段によって算出された前記変化量に基づいて、前記制御手段によって前記所定の電圧の印加時間を決定する、ことを特徴とする。
【0023】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記帯電部材に前記電源により前記所定の電圧を印加する際の電流の方向が、前記帯電部材によって前記被帯電部材を帯電又は除電する際の電流の方向と逆になるようにする、ことを特徴とする。
【0024】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記帯電部材に前記電源により前記所定の電圧を印加する際に流れる電流の絶対値が、前記帯電部材によって前記被帯電部材を帯電又は除電する際に流れる電流の絶対値よりも大きい、ことを特徴とする。
【0025】
請求項5に係る発明は、被帯電体に接触配置又は微小間隙を介して対向配置された帯電部材と、前記帯電部材に少なくとも直流電圧を印加することで前記被帯電体を帯電又は除電する電源と、前記電源を制御する制御手段とを備えた画像形成装置において、前記帯電部材は、イオン導電性を有する帯電部材であり、前記帯電部材によって前記被帯電体を帯電又は除電するに先立って前記帯電部材に所定の電流を流すために必要な電圧を検知する電圧検知手段を有し、前記電圧検知手段によって検知された電圧に基づいて、前記制御手段により、前記帯電部材の抵抗を安定させるための前記所定の電流を流す時間を決定する、ことを特徴とする。
【0026】
請求項6に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記電圧検知手段によって検知された電圧の単位時間での平均値と前記平均値の変化量を算出する算出手段を有し、前記算出手段によって算出された前記変化量に基づいて、前記制御手段によって前記所定の電流を流す時間を決定する、ことを特徴とする。
【0027】
請求項7に係る発明は、請求項5又は6に記載の画像形成装置において、前記帯電部材に前記所定の電流を流す際の電流の方向が、前記帯電部材によって前記被帯電部材を帯電又は除電する際の電流の方向と逆になるようにする、ことを特徴とする。
【0028】
請求項8に係る発明は、請求項5ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記帯電部材に流す前記所定の電流の絶対値が、前記帯電部材によって前記被帯電部材を帯電又は除電する際に流れる電流の絶対値よりも大きい、ことを特徴とする。
【0029】
請求項9に係る発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記帯電部材は、表面に静電潜像が形成される像担持体の表面を均一に帯電又は除電する接触帯電部材である、ことを特徴とする。
【0030】
請求項10に係る発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記帯電部材は、表面にトナー像を担持するトナー像担持体の表面を均一に帯電又は除電する接触帯電部材である、ことを特徴とする。
【0031】
請求項11に係る発明は、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記帯電部材は、トナー像担持体の表面に担持されたトナー像を被転写体に電気的に転写する接触帯電部材である、ことを特徴とする。
【0032】
請求項12に係る発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記帯電部材は、表面に転写材を担持する転写材担持体を所定の電位に帯電又は除電する接触帯電部材である、ことを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
【0034】
<実施の形態1>
図1に本発明に係る画像形成装置の一例として、実施の形態1に係る画像形成装置を示す。同図に示す画像形成装置は、電子写真方式の、両面画像形成装置(以下「画像形成装置」という。)である。
【0035】
同図に示す画像形成装置は、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)1を備えている。
【0036】
感光ドラム1としては、例えば、アルミニウム等の導電性のドラム基体の外周面にOPC(有機光半導体)感光層を設けて形成されている。感光ドラム1は、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0037】
感光ドラム1は、その表面(外周面)が接触帯電部材としての一次帯電ローラ2によって所定の極性・電位に一様に帯電(一次帯電)される。
【0038】
露光装置(露光手段)としてはレーザビームスキャナが使用されている。露光装置3は、イメージスキャナ、コンピュータ等の外部機器(不図示)から入力される画像情報に対応してオン/オフ変調されたレーザ光Lを出力して、感光ドラム1上の帯電処理面を走査露光する。この走査露光により感光ドラム1表面に目的の画像情報に応じた静電潜像が形成される。
【0039】
感光ドラム1上の静電潜像は現像装置4によって現像される。現像装置4は、現像剤が収納された現像容器4bと、現像容器4bの開口部において感光ドラム1表面に対向するように配置された現像スリーブ4aと、この現像スリーブ4a表面に担持される現像剤を薄層に形成する規制ブレード4cとを有している。現像スリーブ4aは、矢印方向に回転して表面に担持した現像剤を感光ドラム1表面に対向する現像位置に搬送するとともに、現像バイアス印加電源(不図示)によって現像バイアスが印加される。これにより現像剤中のトナーが感光ドラム1上の静電潜像に付着されて、静電潜像をトナー像として現像する。
【0040】
こうして感光ドラム1上に形成されたトナー像は、感光ドラム1の矢印R1方向に回転によって、感光ドラム1と転写ローラ(転写部材)9との間に形成される当接部である転写部Tに向けて搬送される。本実施の形態においては、上述の転写ローラ9が、帯電部材に相当する。
【0041】
一方、転写材P(例えば、紙、透明フィルム)は、給紙カセット5に収納されていて、給紙スタート信号に基づいて給紙ローラ6が駆動されることにより、給紙カセット5内から1枚ずつ給紙される。給紙された転写材Pは、レジストローラ7、紙パス8aを通って、転写部Tに所定のタイミングで供給される。すなわち、感光ドラム1の矢印R1方向の回転によって感光ドラム1上のトナー像の先端部が転写部Tに到達するタイミングと同期するようにレジストローラ7によって転写材Pの供給タイミングが制御される。
【0042】
転写部Tに導入された転写材Pは、感光ドラム1と転写ローラ9とによって挾持搬送され、このとき転写ローラ9に対し、制御装置(制御手段)9Aによって制御された転写バイアス印加電源)9Bによりトナーと逆極性の転写バイアスが印加される。これにより、感光ドラム1上のトナー像が転写材P表面に静電的に転写される。なお、転写ローラ9及び転写バイアス制御については後に詳述する。
【0043】
トナー像転写後の感光ドラム1は、転写材Pが分離された後、表面に残ったトナー(転写残トナー)や紙粉等の異物がクリーニング装置10で除去され、その後、次の画像形成に供される。
【0044】
一方、感光ドラム1から分離された転写材Pは、紙パス8bを通って定着装置11に搬送され、ここで加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。
【0045】
ここで、転写材Pの表面(第1面)にのみ画像形成の場合は、表面にトナー像が定着された転写材Pは、切り替え部材12の切り替えによって紙パス8cに導かれ、排出ローラ13によって排紙トレイ14上に排出される。一方、転写材Pの表面(第1面)と裏面(第2面)との両面に画像形成が行われる場合は、切り替え部材12の切り替えによって紙パス8d上に搬送され、反転パス8eを利用して表裏反転された後、再給紙パス8fに搬送され、ここから再度、転写部Tに供給される。そして、上述の表面(第1面)と同様に裏面(第2面)にもトナー像が転写され、定着された後、切り替え部材12、紙パス8c、排出ローラ13を介して排紙トレイ14上に排出される。これにより、両面の画像形成が終了する。
【0046】
上述の画像形成装置において、接触回転型の転写部材としての転写ローラ9は、イオン導電性スポンジローラであり、芯金9bの上にスポンジゴム層9aを有している。スポンジ層9aは、NBRゴムと界面活性剤等を反応させ、周ムラ1.5(後述)以下、抵抗値が温度23℃、湿度50%で106〜109Ω(2kV印加)のものを採用している。
【0047】
図2は転写ローラ9の抵抗測定装置の概略図である。回転駆動される外径30mmのアルミニウムドラム1Aに当接させる。転写ローラ9の芯金9bの長手方向の両端部において、それぞれ500gの荷重をかけ、当接圧1.0kgでアルミニウムドラム1Aに押圧し、アルミニウムドラム1Aの回転によって従動回転させる。このとき、芯金9bとアースとの間にバイアス印加電源(電圧検知手段)Eより2.0kVを印加し、アルミニウムドラム1Aに流れる電流を電流計(電流検知手段)Aで測定することで抵抗を算出した。また上述の測定において、転写ローラ9を1回転以上させたときの電流値をサンプリングし、このサンプリング電流値の平均値からローラ抵抗を算出した。
【0048】
このサンプリング電流値の最大値と最小値をそれぞれIMAX、IMINとすると、従来例同様、IMAX/IMIN≦1.5となる転写ローラ9、すなわち回転方向でその抵抗ムラ(周ムラ)が1.5以下である転写ローラ9を使用した。
【0049】
図3に、この転写ローラ9を、温度23℃、湿度5%の低湿環境下に長時間(48h)放置後に、2kVのバイアスを印加したときの電流値の変化を示す。同図では、横軸に印加時間(分)を、また縦軸に検知電流値(μA)をとっている。
【0050】
同図に示すように、バイアスの印加直後に急激に抵抗が低下して電流が増加するようすがわかる。画像形成装置本体内部は、この現象に加えて定着装置11(図1参照)等の熱により温度が上昇するため、より大きな抵抗低下を示すことがある。このような現象に対して、常に安定した転写バイアスを供給するために、本実施の形態1では以下のような制御を行った。
【0051】
本実施の形態における画像形成装置においては、画像形成装置本体の電源の立ち上げ後、ジャム後、節電モードからの復帰後等に、前多回転と呼ばれる動作に入る。この前多回転と呼ばれる動作では、一般的に定着装置11(図1参照)の定着温度や駆動系の安定化、一次帯電ローラに印加するバイアスの最適化処理、現像条件の最適化処理等が行なわれる場合が多い。なお、本実施の形態では、これらの具体的な制御については割愛する。
【0052】
図4を参照して、実際に感光ドラム1上に形成したトナー像を転写材Pに転写するための転写バイアスを決定する制御について説明する。
【0053】
ユーザが、例えば操作パネル(不図示)上のスタートボタン(不図示)を押したり、あるいは画像形成装置が動作を開始してから、実際に画像形成動作が開始されるまでの、画像形成装置の空回転を前回転と呼ぶことにする。したがって、転写部材(転写ローラ9)については、ユーザがスタートボタンを押したり、あるいは画像形成装置が動作を開始してから、感光ドラム1上に形成されたトナー像及び転写材Pが転写部Tに到達するまでの空回転が前回転ということになる。
【0054】
この前回転時に、転写バイアス印加電源が転写ローラ9に印加する転写バイアスの電圧を多段階で切替、各々の電圧に対する電流を検知する。本実施の形態では、3段階に電圧を切り替え、電圧−電流特性(V−I特性)を導き出している。なお、測定ポイント以外は線形補完した。
【0055】
図4に示すように、まず、第1電圧V1を転写ローラ9の1周分印加し、そのときの電流値を電流検知手段(例えば図2の電流計A)で検知し、算出手段(図1に示す制御装置9Aに内蔵されている)により平均化処理された値をI1とする。同様に第2電圧V2に対する電流値I2、第3電圧V3に対する電流値I3を求める。なお、本実施の形態ではV3<V2<V1とした。こうして求められたV−I特性が図5に示すものである。
【0056】
一方、転写材Pの種類ごとに、トナー像の転写に必要な転写電流があらかじめ決められており、転写ローラ9にこの電流を流すために必要な基底電圧Vbが上述のV−I特性から求められる。
【0057】
例えば、ある転写材Pに感光ドラム1上のトナー像を転写するのに必要な転写電流をIbとすると、このIb及び上述のV−I特性から、Vbは、次式によって求めることができる。
・Ib≧I2のとき、
Vb=(V2−V1)(Ib−I1)/(I2−I1)+V1
・Ib<I2のとき、
Vb=(V3−V2)(Ib−I2)/(I3−I2)+V2
から求められるわけである。
【0058】
次に、この基底電圧Vbに、各転写材Pの種類毎(温湿度環境毎にも分けられている)にあらかじめ決められた転写材分の電圧Vpを加えた、実際に印加させる転写電圧Vtr
Vtr=Vb+Vp
が出力される。したがって、この制御において転写電圧Vtr(転写バイアス)を連続通紙時に安定させるためには、Vbの変動を抑えることのできる本実施の形態は、必要不可欠であることがわかる。
【0059】
以下に、転写バイアスを安定して供給のための制御について説明する。まず、一次帯電ローラ2によって感光ドラム1表面を均一に所定の電位Vdに均一に帯電する。この均一に帯電された感光ドラム1表面が転写部Tに到達したら、転写バイアスも固定値Vp1を印加する。すると、感光ドラム1の表面電位Vdと転写ローラ9の電位Vp1との電位差で電流が流れる。この検知電流に閾値を設け、その閾値を基準にして、Vp1を印加する時間を制御すればよい。さらに好ましくは以下のような制御するとよい。
【0060】
Vp1印加時の電流を検知し、転写ローラ9の1周分を平均化処理した値を1回目の検知電流値Ip1とする。次に、継続して、同様の転写バイアスVp1を転写ローラ9の1周分印加し、そのときの検知電流を平均化処理した値を2回目の検知電流値Ip2とする。そして、この最初の検知電流値Ip1と次に検知されたIp2の差分ΔIp(2−1)(=|Ip2−Ip1|)の値が、あらかじめ決められたΔIpよりも大きい場合には、継続して一次帯電ローラ9によって均一に帯電され、転写バイアスも印加される。そしてn回目の検知電流値Ipnとn+1回目の検知電流値Ip(n+1)の差分ΔIp(n+1−n)の値がΔIpよりも小さくなったら、前多回転動作を終了し、画像形成動作開始に備える。
【0061】
具体的には、本実施の形態では、20秒間電流測定を行い、それを平均化処理した値をIpnとした。そして、ΔIp=1μAとした。さらに、ΔIp(n+1−n)<ΔIpの条件を測定2回連続で満足した場合に、転写バイアスVp1の印加を終了する。前述の転写ローラ9の検知電流値の変動(抵抗の変動)を示す図に、上述の制御とを重ねた図を図3に示す。
【0062】
異常の説明では、検知電流値を平均化処理した値を使用したが、これに代えて単位時間当たりの積算電流値を使用するようにしてもよい。
【0063】
以上説明したように、上述のような制御を行なうことによって、転写時の電流値が最適となるばかりでなく、長期放置においてローラ抵抗値が変動した場合にも、画像形成の生産性を低下させることなく、適正な転写バイアスを供給することができる。
【0064】
また、長期放置後に転写ローラ9の抵抗が上昇し、必要な転写電流に対する転写電圧値が上昇すると、ハーフトーン画像部に白抜けが発生することがあり、これをもって転写ローラ9の寿命と判断してしまうことがあった。したがって、この白抜け画像や、転写ローラ9の長寿命化(ランニングコスト低下)にも効果があることがわかる。
【0065】
また本実施の形態では、トナーを転写材Pに転写する際に定電圧制御を行い、かつ前多回転で定電圧制御を行い、電流を検知する場合について示してきたが、前多回転時に一定電流を流しても同じように説明できることはいうまでもない。前多回転時に一定電流を印加し、その際に転写ローラ9に印加させる電圧を検知すればよい。その変化量あるいは電圧値によって一定電流を流す時間を制御すればよい。またトナーを転写材Pに転写する際に定電流制御を行なう場合も、特に長期放置時に抵抗上昇し、通電開始直後の電圧が非常に高く、転写電圧が高いために発生する白抜け画像の対策として有効である。
【0066】
<実施の形態2>
本実施の形態では、実施の形態1に加えて、前多回転で印加する転写バイアスの極性を感光ドラム1から転写材Pにトナー像を転写するときに転写ローラ9に印加するバイアスの極性の逆極性を印加することを特徴としている。
【0067】
図6に逆極性の−2kVを転写ローラ9に印加した場合の、転写ローラ9に流れる電流変化を示す。同図においては、横軸に印加時間(分)を、また縦軸に検知電流(μA)をとっている。図3と同様に印加時間とともに検知電流の絶対値が増加する、したがって、抵抗値が低下していくことがわかる。
【0068】
本実施の形態のように転写バイアスの逆極性を印加することで、イオン導電性を有する導電ローラとしての転写ローラ9の抵抗上昇を抑える効果がある。
【0069】
図7に前多回転時に印加される電圧の極性を、通常の感光ドラム1から転写材Pにトナーを転写するために印加する転写バイアスと同極性にした場合と、逆極性にした場合との設定される転写電圧(Vtr)の耐久変化を示す。同図では、横軸に耐久枚数(k枚)を、また縦軸に設定電圧(V)をとっている。さらに、「○」は、転写バイアスと同極性を印加したとき、また「□」は、転写バイアスと逆極性を印加したときを示している。転写電圧の増加は、高圧トランスの容量の増加や、白抜け画像の発生要因になるため、転写ローラ9の寿命を短くすることを意味する。
【0070】
したがって、本実施の形態で説明してきたように、通常印加される転写バイアスと逆極性のバイアスを印加することによって、放置後にバイアスを印加した場合の急激な抵抗変動を防止するだけでなく、さらなる転写ローラ9の長寿命化を図ることができる。
【0071】
<実施の形態3>
本実施の形態では、前多回転時に印加する転写バイアスを、通常の感光ドラム1から転写材P上にトナーを転写させるために要する転写電流よりも大きな電流値を流すことによって、転写ローラ9の安定化を早め、前回転時間を短くすることができる。
【0072】
図8に、低湿環境に放置した後に、転写電圧1kV,2kV,3kV,4kVを印加した場合の、印加時間と検知電流との関係を示す。同図は、横軸に印加時間(分)を、また縦軸に検知電流(μA)をとっている。同図から、前多回転時の転写電圧(印加電圧)を上げた方が、検知電流値の飽和する時間が短いことがわかる。
【0073】
そこで、本実施の形態では、図13に示すように、環境毎に、前多回転前の画像形成動作終了時の基底電圧Vb値を参考にして、前多回転時に印加する電圧を決めた。
【0074】
しかしながら、電圧を上げすぎると、感光ドラム1のドラムメモリやドラム表面劣化等を引き起こしやすくなるため、その上限値は様々なプロセス条件によって変えられなければならない。本実施の形態では、転写ローラ9の抵抗値が雰囲気環境に大きく影響を受けることから、過剰な電流が流れすぎないように、絶対水分量で表される環境毎(各環境の間は線形補間される)に上限電圧を図13に示すように決めた。具体的には、上限電圧は、絶対水分量0.86g/kgの低湿環境下では4000V、また絶対水分量10.5g/kgの常湿環境下では2000V、絶対水分量21.6g/kgの高湿環境下では1000Vに設定した。
【0075】
以上のようにすることにより、前多回転時間を効果的に縮めることができるため、画像形成装置本体の電源の立ち上げ後、ジャム処理後、節電モード復帰後等において、ユーザの待ち時間(ウェイトタイム)を縮めることが可能になる。
【0076】
<実施の形態4>
図9を参照して、実施の形態3について説明する。
【0077】
本実施の実施の形態に係る画像形成装置は、画像形成装置本体内に、4個の画像形成ステーション(画像形成部)、すなわち第1,第2,第3,第4の画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdが並設され、各画像形成ステーションPa〜Pdではそれぞれ異なった色のトナー像、例えばイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのトナー像が一次帯電、露光、現像、転写の各プロセスを経て形成される。なお、各画像形成ステーションPa〜Pdに配設されている一次帯電ローラ、露光装置、現像装置、クリーニング装置については、図1に示すものと同様な構成及び作用であるのでこれらのついての図示及び説明は省略する。
【0078】
各画像形成ステーションPa〜Pdはそれぞれ専用の感光ドラム1a,1b,1c,1dを具備し、各感光ドラム1a〜1d上に各色のトナー像が形成される。
【0079】
また、感光ドラム1a,1b,1c,1dに隣接して第2の像担持体である中間転写体としての中間転写ベルト50が配設されている。中間転写ベルト50は、高圧電源(不図示)により一次転写ローラ24aに印加された一次転写バイアスにより感光ドラム1a上の1色目のイエローのトナー像が中間転写ベルト50上に一次転写される。
【0080】
以下、上述のイエローのトナー像と同様にして、2色目のマゼンタのトナー像、3色目のシアンのトナー像、4色目のブラックのトナー像が、中間転写ベルト50上に順次に一次転写されて、中間転写ベルト50上で4色のトナー像が重ね合わされる。
【0081】
なお、本実施の形態における一次転写ローラ24a〜24dに印加される一次転写バイアスは、上述の実施の形態1〜3に記載されている転写バイアスの制御方法と同様にV−I特性から所望の一次転写電圧を求める制御が行なわれる。
【0082】
中間転写ベルト50上に形成された4色のトナー像は、給紙カセット10から給紙され、レジストローラ12によりタイミングをとって、中間転写ベルト50と二次転写ローラ61との間の二次転写部(二次転写ニップ部)T2に供給された転写材P上に一括で二次転写される。二次転写ローラ61に、高圧電源(不図示)により二次転写バイアスが印加され、これにより、中間転写ベルト50から4色のトナー像の転写材Pへの一括転写が行なわれる。このときに印加される二次転写バイアスも上述の一次転写バイアスと同様に決められる。
【0083】
この二次転写によって転写材P上に転写されずに中間転写ベルト50上に残ったトナーは、中間転写体クリーニング手段であるクリーナ62によって除去される。
【0084】
中間転写ベルト50は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂シートや、ポリフッ化ビニリデン樹脂シート、ポリウレタン樹脂シート、あるいはポリイミド樹脂シートなどの誘電体樹脂シートによって形成されており、無端状(エンドレス)に形成されている。
【0085】
上述の本実施の形態に係る画像形成装置において、転写ローラとしては一次転写ローラ24a〜24dと二次転写ローラ61とが存在する。本実施の形態の特徴とするところは、上述の実施の形態1〜3と同様に、本発明を、中間転写ベルト50を用いた一次転写ローラ24a〜24dや二次転写ローラ61にも適用したことである。
【0086】
すなわち、最近の4色フルカラーの画像形成装置で採用されている、様々な転写材に対応可能な中間転写ベルトを有する画像形成装置においても、イオン導電性を有する導電ローラを転写ローラとして有効に利用できる。
【0087】
<実施の形態5>
上述の実施の形態1〜4は、すべてトナー像を像担持体から被転写体に電気的に転写するための転写部材にイオン導電性を有する導電ローラを採用した場合について述べてきた。
【0088】
しかしながら、本発明の効果はこれに限定されるものではない。例えば、図1に示す感光ドラム1表面を所定電位に均一に帯電する接触式の一次帯電ローラ2や感光ドラム1の表面に当接して、感光ドラム表面の電位を均一に帯電もしくは除電する部材であれば、上述実施の形態と同様の制御を採用することにより上述の実施の形態と同様の効果があることはいうまでもない。
【0089】
<実施の形態6>
図10は、実施の形態6に係る画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。本実施の形態の画像形成装置の特徴は、転写材Pを、転写材担持体としての転写ベルト130上に静電吸着させ、感光ドラム1a,1b,1c,1d上に形成されたトナー像を、転写ローラ24a,24b,24c,24dに転写バイアスを印加して直接、転写材Pに順次に転写することにある。
【0090】
上述の転写ベルト130は、転写材Pの吸着力を維持するために、高抵抗の誘電体シートによって形成されている。本実施の形態では体積抵抗率1016Ω・cm以上のポリカーボネートを採用した。このように誘電体シートを採用した場合には、転写等の電荷供給とともに転写ベルト130の電位は上昇し、トナー像転写後に転写材Pが分離された後も、電荷が残留する。
【0091】
本実施の形態では、1対の帯電部材としての導電ローラ7a,7bによって転写ベルト130を挟持し、バイアスを印加することで、転写ベルト130の電位を所定の電位に収束させている。この導電ローラ7a,7bにイオン導電性ポリマーを含む導電ローラを採用し、上述実施の形態と同様の制御を採用しても同様の効果をあげている。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、イオン導電性を有する帯電部材によって被帯電体を帯電又は除電するに先立って帯電部材に電源により所定の電圧を印加したときに帯電部材に流れる電流を検知する電流検知手段を有し、電流検知手段によって検知された電流に基づいて、制御手段により、帯電部材の抵抗を安定させるための所定の電圧の印加時間を決定することにより、固定環境下で抵抗安定性に優れ、量産抵抗安定性にも優れたイオン導電性を有する帯電部材において長期放置後の通電開始直後に発生する急激な抵抗変動に起因した転写不良を、画像形成装置の画像形成の生産性を低下させることなく防止することができる。さらに、長期放置後の抵抗上昇を緩和させることにより、イオン導電性を有する導電部材の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】帯電部材としての導電ローラの抵抗測定装置を示す概略構成図である。
【図3】実施の形態1において、長期放置後の転写ローラに対する電圧の印加時間と検知電流値との関係を示す図である。
【図4】実施の形態1において、転写バイアスを決定する制御を説明する図である。
【図5】実施の形態1において、転写バイアスを決定する制御を説明する図である。
【図6】実施の形態2において、印加バイアスを逆極性にしたときの印加時間と検知電流との関係を示す図である。
【図7】実施の形態2において、イオン導電性を有する導電ローラの、耐久枚数と設定電圧との関係を示す図である。
【図8】実施の形態3において、印加時間と検知電流値との関係を示す図である。
【図9】実施の形態4の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図10】実施の形態6の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図11】イオン導電性ポリマーと電子導電性ポリマーの、絶対水分量と抵抗値との関係を示す図である。
【図12】イオン導電性の導電ローラの、長期放置後における印加時間と検知電流値との関係を示す図である。
【図13】絶対水分量と、前多回転印加電圧及び上限電圧との関係を示す図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d
被帯電体(像担持体、感光ドラム)
2 帯電部材(接触帯電部材、一次帯電ローラ)
7a,7b 帯電部材(導電ローラ)
9 帯電部材(接触帯電部材、転写ローラ)
9A 制御手段(制御装置)
9B 電源(転写バイアス印加電源)
24a,24b,24c,24d
帯電部材(接触帯電部材、一次転写ローラ)
50 被帯電体(トナー像担持体、中間転写ベルト)
61 帯電部材(二次転写ローラ)
130 被帯電体(転写材担持体、転写ベルト)
A 電流検知手段(電流計)
P 被転写体(転写材)
Claims (12)
- 被帯電体に接触配置又は微小間隙を介して対向配置された帯電部材と、前記帯電部材に少なくとも直流電圧を印加することで前記被帯電体を帯電又は除電する電源と、前記電源を制御する制御手段とを備えた画像形成装置において、
前記帯電部材は、イオン導電性を有する帯電部材であり、
前記帯電部材によって前記被帯電体を帯電又は除電するに先立って前記帯電部材に前記電源により所定の電圧を印加したときに前記帯電部材に流れる電流を検知する電流検知手段を有し、
前記電流検知手段によって検知された電流に基づいて、前記制御手段により、前記帯電部材の抵抗を安定させるための前記所定の電圧の印加時間を決定する、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記電流検知手段によって検知された電流の単位時間での積算電流値又は平均電流と前記積算電流値との変化量を算出する算出手段を有し、
前記算出手段によって算出された前記変化量に基づいて、前記制御手段によって前記所定の電圧の印加時間を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記帯電部材に前記電源により前記所定の電圧を印加する際の電流の方向が、前記帯電部材によって前記被帯電部材を帯電又は除電する際の電流の方向と逆になるようにする、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記帯電部材に前記電源により前記所定の電圧を印加する際に流れる電流の絶対値が、前記帯電部材によって前記被帯電部材を帯電又は除電する際に流れる電流の絶対値よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 被帯電体に接触配置又は微小間隙を介して対向配置された帯電部材と、前記帯電部材に少なくとも直流電圧を印加することで前記被帯電体を帯電又は除電する電源と、前記電源を制御する制御手段とを備えた画像形成装置において、
前記帯電部材は、イオン導電性を有する帯電部材であり、
前記帯電部材によって前記被帯電体を帯電又は除電するに先立って前記帯電部材に所定の電流を流すために必要な電圧を検知する電圧検知手段を有し、
前記電圧検知手段によって検知された電圧に基づいて、前記制御手段により、前記帯電部材の抵抗を安定させるための前記所定の電流を流す時間を決定する、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記電圧検知手段によって検知された電圧の単位時間での平均値と前記平均値の変化量を算出する算出手段を有し、
前記算出手段によって算出された前記変化量に基づいて、前記制御手段によって前記所定の電流を流す時間を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記帯電部材に前記所定の電流を流す際の電流の方向が、前記帯電部材によって前記被帯電部材を帯電又は除電する際の電流の方向と逆になるようにする、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。 - 前記帯電部材に流す前記所定の電流の絶対値が、前記帯電部材によって前記被帯電部材を帯電又は除電する際に流れる電流の絶対値よりも大きい、
ことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記帯電部材は、表面に静電潜像が形成される像担持体の表面を均一に帯電又は除電する接触帯電部材である、
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記帯電部材は、表面にトナー像を担持するトナー像担持体の表面を均一に帯電又は除電する接触帯電部材である、
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記帯電部材は、トナー像担持体の表面に担持されたトナー像を被転写体に電気的に転写する接触帯電部材である、
ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記帯電部材は、表面に転写材を担持する転写材担持体を所定の電位に帯電又は除電する接触帯電部材である、
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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