JPH1115157A - 感光性ポリイミド前駆体組成物及びこれを用いた半導体素子の製造法 - Google Patents
感光性ポリイミド前駆体組成物及びこれを用いた半導体素子の製造法Info
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- JPH1115157A JPH1115157A JP9167350A JP16735097A JPH1115157A JP H1115157 A JPH1115157 A JP H1115157A JP 9167350 A JP9167350 A JP 9167350A JP 16735097 A JP16735097 A JP 16735097A JP H1115157 A JPH1115157 A JP H1115157A
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- Japan
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- group
- polyimide precursor
- precursor composition
- photosensitive
- general formula
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- Pending
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- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
- Formation Of Insulating Films (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 イミド化後の低熱膨張性、光透過性、特にi
線透過性及び接着性の何れにも優れる感光性ポリイミド
前駆体組成物並びに信頼性に優れる低残留応力の半導体
素子の製造法を提供する。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (式中、Xは4価の有機基を示し、Y1はフッ素原子を
含む2価の有機基を示し、R1及びR2は感光性基を示
す)で表される構造単位と、一般式(II) 【化2】 (式中、Xは4価の有機基を示し、Y2はフッ素原子を
含まない2価の有機基を示し、R1及びR2は感光性基を
示す)で表される構造単位とを含むポリイミド前駆体を
含有してなる感光性ポリイミド前駆体組成物並びにこの
感光性ポリイミド前駆体組成物を用いてポリイミド膜を
シリコンウエハ上に形成することを特徴とする半導体素
子の製造法。
線透過性及び接着性の何れにも優れる感光性ポリイミド
前駆体組成物並びに信頼性に優れる低残留応力の半導体
素子の製造法を提供する。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (式中、Xは4価の有機基を示し、Y1はフッ素原子を
含む2価の有機基を示し、R1及びR2は感光性基を示
す)で表される構造単位と、一般式(II) 【化2】 (式中、Xは4価の有機基を示し、Y2はフッ素原子を
含まない2価の有機基を示し、R1及びR2は感光性基を
示す)で表される構造単位とを含むポリイミド前駆体を
含有してなる感光性ポリイミド前駆体組成物並びにこの
感光性ポリイミド前駆体組成物を用いてポリイミド膜を
シリコンウエハ上に形成することを特徴とする半導体素
子の製造法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性ポリイミド
前駆体組成物及びこれを用いた半導体素子の製造法に関
する。
前駆体組成物及びこれを用いた半導体素子の製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体産業において、ポリイミド
樹脂は半導体の保護膜、絶縁膜など材料として広く実用
化されている。通常、非感光性ポリイミドを用いて半導
体集積回路やプリント基板上の回路パターンを形成する
場合、基材表面へのレジスト材の造膜、所定箇所への露
光、エッチング等による不要箇所の除去、基板表面の洗
浄作業等の煩雑で多岐にわたる工程が必要である。しか
し、感光性ポリイミドは、自身がパターン加工性を有し
ているため非感光性ポリイミドに比較して大幅にプロセ
スを簡略化することが可能であり、また、露光、現像に
よるパターン形成後も必要な部分のポリイミド被膜を絶
縁材料としてそのまま残して用いることができるため広
く使用されている。
樹脂は半導体の保護膜、絶縁膜など材料として広く実用
化されている。通常、非感光性ポリイミドを用いて半導
体集積回路やプリント基板上の回路パターンを形成する
場合、基材表面へのレジスト材の造膜、所定箇所への露
光、エッチング等による不要箇所の除去、基板表面の洗
浄作業等の煩雑で多岐にわたる工程が必要である。しか
し、感光性ポリイミドは、自身がパターン加工性を有し
ているため非感光性ポリイミドに比較して大幅にプロセ
スを簡略化することが可能であり、また、露光、現像に
よるパターン形成後も必要な部分のポリイミド被膜を絶
縁材料としてそのまま残して用いることができるため広
く使用されている。
【0003】また、最近では、半導体の高集積化に伴い
加工ルールが益々小さくなり、より高い解像度が求めら
れる傾向があり、露光機として普及しているステッパー
の露光波長が従来のg線(436μm)からi線(36
5μm)へと短波長に移行しつつある。
加工ルールが益々小さくなり、より高い解像度が求めら
れる傾向があり、露光機として普及しているステッパー
の露光波長が従来のg線(436μm)からi線(36
5μm)へと短波長に移行しつつある。
【0004】半導体関連に用いられるg線露光用の感光
性ポリイミドは、g線露光に対しては良好なパターン加
工性が得られる。しかし、従来のポリイミドのベースポ
リマーは、ポリマー自身がi線を吸収し透過率がほとん
どないため、i線露光では良好なパターンが得られない
という問題があった。
性ポリイミドは、g線露光に対しては良好なパターン加
工性が得られる。しかし、従来のポリイミドのベースポ
リマーは、ポリマー自身がi線を吸収し透過率がほとん
どないため、i線露光では良好なパターンが得られない
という問題があった。
【0005】そこで、このような問題を回避するため
に、例えば、i線露光に適した感応性重合体組成物を用
いる技術(特開平6−342211号公報、特開平08
−234433号公報等)が提案されている。しかし、
これら感光性ポリイミド前駆体組成物を用いる技術は、
樹脂のi線透過性が未だ不十分なため露光後、硬化され
ない部分が存在してパターン性が悪く、また、ポリイミ
ド前駆体組成物とシリコンウエハーとの接着性が悪いな
どの問題があり実用性に乏しいものであった。
に、例えば、i線露光に適した感応性重合体組成物を用
いる技術(特開平6−342211号公報、特開平08
−234433号公報等)が提案されている。しかし、
これら感光性ポリイミド前駆体組成物を用いる技術は、
樹脂のi線透過性が未だ不十分なため露光後、硬化され
ない部分が存在してパターン性が悪く、また、ポリイミ
ド前駆体組成物とシリコンウエハーとの接着性が悪いな
どの問題があり実用性に乏しいものであった。
【0006】一方、基板となるシリコンウエハの径は、
年々大きくなり、逆にシリコンウエハの厚さは、薄くな
る傾向にある。このような状況から、ポリイミドとシリ
コンウエハの熱膨張係数の差により、表面保護膜として
形成したポリイミド被膜によってシリコンウエハが反っ
てしまうという問題が発生している。そのため、低熱膨
張性を有する感光性ポリイミドが強く求められている。
一般に分子構造を剛直にすることにより低熱膨張性は達
成できるが、剛直構造の場合、i線をほとんど透過しな
いため、感光特性が低下する。
年々大きくなり、逆にシリコンウエハの厚さは、薄くな
る傾向にある。このような状況から、ポリイミドとシリ
コンウエハの熱膨張係数の差により、表面保護膜として
形成したポリイミド被膜によってシリコンウエハが反っ
てしまうという問題が発生している。そのため、低熱膨
張性を有する感光性ポリイミドが強く求められている。
一般に分子構造を剛直にすることにより低熱膨張性は達
成できるが、剛直構造の場合、i線をほとんど透過しな
いため、感光特性が低下する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の諸問題を鑑みて創案されたものである。即ち請求
項1〜5記載の発明は、イミド化後の低熱膨張性、光透
過性、特にi線透過性及び接着性の何れにも優れる感光
性ポリイミド前駆体組成物を提供するものである。また
請求項6記載の発明は、信頼性に優れる低残留応力の半
導体素子の製造法を提供するものである。
技術の諸問題を鑑みて創案されたものである。即ち請求
項1〜5記載の発明は、イミド化後の低熱膨張性、光透
過性、特にi線透過性及び接着性の何れにも優れる感光
性ポリイミド前駆体組成物を提供するものである。また
請求項6記載の発明は、信頼性に優れる低残留応力の半
導体素子の製造法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I)
【化4】 (式中、Xは4価の有機基を示し、Y1はフッ素原子を
含む2価の有機基を示し、R1及びR2は感光性基を示
す)で表される構造単位と、一般式(II)
含む2価の有機基を示し、R1及びR2は感光性基を示
す)で表される構造単位と、一般式(II)
【化5】 (式中、Xは4価の有機基を示し、Y2はフッ素原子を
含まない2価の有機基を示し、R1及びR2は感光性基を
示す)で表される構造単位とを含むポリイミド前駆体を
含有してなる感光性ポリイミド前駆体組成物に関する。
含まない2価の有機基を示し、R1及びR2は感光性基を
示す)で表される構造単位とを含むポリイミド前駆体を
含有してなる感光性ポリイミド前駆体組成物に関する。
【0009】また本発明は、一般式(I)におけるY1
が、フッ素原子又はフッ素原子を含む置換基を有する置
換ビフェニレン基であり、一般式(II)におけるY
2が、炭化水素基を有する置換ビフェニレン基である前
記感光性ポリイミド前駆体組成物に関する。また本発明
は、前記一般式(I)及び(II)におけるXが
が、フッ素原子又はフッ素原子を含む置換基を有する置
換ビフェニレン基であり、一般式(II)におけるY
2が、炭化水素基を有する置換ビフェニレン基である前
記感光性ポリイミド前駆体組成物に関する。また本発明
は、前記一般式(I)及び(II)におけるXが
【化6】 より選択される基である前記感光性ポリイミド前駆体組
成物に関する。
成物に関する。
【0010】また本発明は、前記一般式(I)における
Y1が2,2′−ジパーフルオロアルキル−4,4′−
ビフェニレン基であり、一般式(II)におけるY2が
2,2′−アルキル−4,4′−ビフェニレン基である
前記感光性ポリイミド前駆体組成物に関する。
Y1が2,2′−ジパーフルオロアルキル−4,4′−
ビフェニレン基であり、一般式(II)におけるY2が
2,2′−アルキル−4,4′−ビフェニレン基である
前記感光性ポリイミド前駆体組成物に関する。
【0011】また本発明は、前記一般式(I)で表され
る構造単位を主成分とするポリマー中に含有されるフッ
素量が0.1〜15重量%である前記感光性ポリイミド
前駆体組成物に関する。さらに本発明は、前記感光性ポ
リイミド前駆体組成物を用いてポリイミド膜をシリコン
ウエハ上に形成することを特徴とする半導体素子の製造
法に関する。
る構造単位を主成分とするポリマー中に含有されるフッ
素量が0.1〜15重量%である前記感光性ポリイミド
前駆体組成物に関する。さらに本発明は、前記感光性ポ
リイミド前駆体組成物を用いてポリイミド膜をシリコン
ウエハ上に形成することを特徴とする半導体素子の製造
法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のポリイミド前駆体組成物
は、上記一般式(I)及び上記一般式(II)で表される
繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を含む。上記一
般式(I)及び上記一般式(II)におけるXは、4価の
有機基であり、テトラカルボン酸又はその誘導体の残基
であるが、4価の芳香族基又は脂肪族基が好ましく、4
価の芳香族基がより好ましい。炭素原子数の面からは4
〜24ものが好ましく、6〜18のものがより好まし
い。4価の芳香族基としては、芳香環(ベンゼン環、ナ
フタレン環等)を含み、4個の結合部位はいずれも芳香
環からでているものであることが好ましい。これらの結
合部位は、2個ずつの2組に分けられ、各組の2個の結
合部位が芳香環のオルト位又はペリ位に位置することが
好ましい。前記の2組は同一の芳香環に存在してもよい
し、各種結合を介して結合している別々の芳香環に存在
してもよい。
は、上記一般式(I)及び上記一般式(II)で表される
繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を含む。上記一
般式(I)及び上記一般式(II)におけるXは、4価の
有機基であり、テトラカルボン酸又はその誘導体の残基
であるが、4価の芳香族基又は脂肪族基が好ましく、4
価の芳香族基がより好ましい。炭素原子数の面からは4
〜24ものが好ましく、6〜18のものがより好まし
い。4価の芳香族基としては、芳香環(ベンゼン環、ナ
フタレン環等)を含み、4個の結合部位はいずれも芳香
環からでているものであることが好ましい。これらの結
合部位は、2個ずつの2組に分けられ、各組の2個の結
合部位が芳香環のオルト位又はペリ位に位置することが
好ましい。前記の2組は同一の芳香環に存在してもよい
し、各種結合を介して結合している別々の芳香環に存在
してもよい。
【0013】中でも
【化7】 で示される基が特に低熱膨張性又は光透過性に優れるの
で好ましい。
で好ましい。
【0014】また、低応力ポリイミドを与えるものとし
ては、
ては、
【化8】 がより好ましい。また、露光時のi線透過性、露光後の
高速現像性ポリイミド前駆体を与えるものとしては、
高速現像性ポリイミド前駆体を与えるものとしては、
【化9】 がより好ましい。
【0015】一般式(I)及び上記一般式(II)におけ
るR1及びR2は感光性基であり、共有結合又はイオン結
合を介して末端に不飽和二重結合を有する有機基が好ま
しく、
るR1及びR2は感光性基であり、共有結合又はイオン結
合を介して末端に不飽和二重結合を有する有機基が好ま
しく、
【化10】 (式中、R3は2価の有機基である)で示される基がよ
り好ましい。R3としては、アルキレン基、アリーレン
基等が挙げられ、炭素原子数1〜10のものが好まし
い。
り好ましい。R3としては、アルキレン基、アリーレン
基等が挙げられ、炭素原子数1〜10のものが好まし
い。
【0016】一般式(I)におけるY1はジアミンの残基
であり、フッ素原子を含む2価の有機基である。このよ
うな2価の有機基としては、ベンゼン環、ナフタレン環
等の芳香環を含む基が好ましく、芳香環上の水素原子が
フッ素原子又はパーフルオロアルキル基に置換された芳
香環を含む基、2以上の芳香環がフッ素原子置換アルキ
レン基等のフッ素原子含有基を介して結合した基等があ
る。総炭素原子数としては6〜24のものが好ましい。
これらの中でもフッ素原子又はフッ素原子を含む置換基
を有するビフェニレン基が、低熱膨張性及び光透過性に
優れるので好ましい。このような置換フェニレン基とし
ては、フッ素原子、パーフルオロアルキル基、パーフル
オロアルキルオキシ基等が水素原子と置換した置換フェ
ニレン基が挙げられ、中でも、4,4′−ビフェニレン
基における2位、2′位、6位及び/又は6′位に置換
基を有するものが好ましく、2位及び2′位に置換基を
有するものがより好ましく、具体的には2,2′−パー
フルオロアルキル−4,4′−ビフェニレン基が好まし
く、2,2′−トリフルオロメチル−4,4′−ビフェ
ニレン基が最も好ましい。
であり、フッ素原子を含む2価の有機基である。このよ
うな2価の有機基としては、ベンゼン環、ナフタレン環
等の芳香環を含む基が好ましく、芳香環上の水素原子が
フッ素原子又はパーフルオロアルキル基に置換された芳
香環を含む基、2以上の芳香環がフッ素原子置換アルキ
レン基等のフッ素原子含有基を介して結合した基等があ
る。総炭素原子数としては6〜24のものが好ましい。
これらの中でもフッ素原子又はフッ素原子を含む置換基
を有するビフェニレン基が、低熱膨張性及び光透過性に
優れるので好ましい。このような置換フェニレン基とし
ては、フッ素原子、パーフルオロアルキル基、パーフル
オロアルキルオキシ基等が水素原子と置換した置換フェ
ニレン基が挙げられ、中でも、4,4′−ビフェニレン
基における2位、2′位、6位及び/又は6′位に置換
基を有するものが好ましく、2位及び2′位に置換基を
有するものがより好ましく、具体的には2,2′−パー
フルオロアルキル−4,4′−ビフェニレン基が好まし
く、2,2′−トリフルオロメチル−4,4′−ビフェ
ニレン基が最も好ましい。
【0017】又、一般式(II)におけるY2はジアミン
の残基であり、フッ素原子を含まない2価の有機基であ
る。このような2価の有機基としては、ベンゼン環、ナ
フタレン環等の芳香環を含む基が好ましく、芳香環上の
水素原子がアルキル基等の炭化水素基に置換された芳香
環、このような芳香環が2以上、単結合で又は炭化水素
基、酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、スルホン基、
スルホキシド基等を介して結合した基等がある。総炭素
原子数としては6〜24のものが好ましい。これらの中
では、ビフェニレン基の水素原子がアルキル基等の炭化
水素基で置換された置換ビフェニレン基が好ましいもの
として挙げられ、中でも、4,4′−ビフェニレン基に
おける2位、2′位、6位及び/又は6′位に置換基を
有するものが好ましく、2位及び2′位に置換基を有す
るものがより好ましく、具体的には2,2′−アルキル
−4,4′−ビフェニレン基が好ましく、2,2′−メ
チル−4,4′−ビフェニレン基が最も好ましい。
の残基であり、フッ素原子を含まない2価の有機基であ
る。このような2価の有機基としては、ベンゼン環、ナ
フタレン環等の芳香環を含む基が好ましく、芳香環上の
水素原子がアルキル基等の炭化水素基に置換された芳香
環、このような芳香環が2以上、単結合で又は炭化水素
基、酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、スルホン基、
スルホキシド基等を介して結合した基等がある。総炭素
原子数としては6〜24のものが好ましい。これらの中
では、ビフェニレン基の水素原子がアルキル基等の炭化
水素基で置換された置換ビフェニレン基が好ましいもの
として挙げられ、中でも、4,4′−ビフェニレン基に
おける2位、2′位、6位及び/又は6′位に置換基を
有するものが好ましく、2位及び2′位に置換基を有す
るものがより好ましく、具体的には2,2′−アルキル
−4,4′−ビフェニレン基が好ましく、2,2′−メ
チル−4,4′−ビフェニレン基が最も好ましい。
【0018】特に、一般式(I)におけるY1及び一般
式(II)におけるY2が、ともに置換基を有するビフェ
ニレン基であるものが低熱膨張性、光透過性及び接着性
に特に優れるので好ましい。本発明で用いるポリイミド
前駆体において、一般式(I)及び一般式(II)で示さ
れる繰り返し単位の総量は、透明性や機械強度等の点か
ら、全繰り返し単位中10モル%以上が好ましく、30
モル%以上がより好ましく、50〜99モル%がさらに
好ましい。また、上記一般式(I)及び一般式(II)で
表される構造単位の割合は、ポリイミド前駆体中に含有
されるフッ素量が0.1重量%〜15重量%の範囲とす
ることが好ましく、1重量%〜15重量%の範囲とする
ことがより好ましい。フッ素量が15重量%を越える
と、露光後、現像する際、現像液に対して溶解性が高く
なり過ぎてパターン流れなどが生じる傾向がある。ま
た、ポリイミド被膜のシリコンウエハに対する接着性が
著しく低下したり、耐熱性や機械特性などが低下する傾
向がある。一方、フッ素量が0.1重量%未満である
と、光透過性等が低下する傾向がある。本発明のポリイ
ミド前駆体組成物は、テトラカルボン酸又はその誘導体
とジアミンとを、必要に応じ有機溶媒中で反応させるこ
とにより合成することができる。
式(II)におけるY2が、ともに置換基を有するビフェ
ニレン基であるものが低熱膨張性、光透過性及び接着性
に特に優れるので好ましい。本発明で用いるポリイミド
前駆体において、一般式(I)及び一般式(II)で示さ
れる繰り返し単位の総量は、透明性や機械強度等の点か
ら、全繰り返し単位中10モル%以上が好ましく、30
モル%以上がより好ましく、50〜99モル%がさらに
好ましい。また、上記一般式(I)及び一般式(II)で
表される構造単位の割合は、ポリイミド前駆体中に含有
されるフッ素量が0.1重量%〜15重量%の範囲とす
ることが好ましく、1重量%〜15重量%の範囲とする
ことがより好ましい。フッ素量が15重量%を越える
と、露光後、現像する際、現像液に対して溶解性が高く
なり過ぎてパターン流れなどが生じる傾向がある。ま
た、ポリイミド被膜のシリコンウエハに対する接着性が
著しく低下したり、耐熱性や機械特性などが低下する傾
向がある。一方、フッ素量が0.1重量%未満である
と、光透過性等が低下する傾向がある。本発明のポリイ
ミド前駆体組成物は、テトラカルボン酸又はその誘導体
とジアミンとを、必要に応じ有機溶媒中で反応させるこ
とにより合成することができる。
【0019】ポリイミド前駆体の材料となるテトラカル
ボン酸としては、例えば、オキシジフタル酸、ピロメリ
ット酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカル
ボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン
酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、
1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,
3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸、3,4,9,
10−ペリレンテトラカルボン酸、スルホニルジフタル
酸、m−ターフェニル−3,3′,4,4′−テトラカ
ルボン酸、p−ターフェニル−3,3′,4,4′−テ
トラカルボン酸、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−又は
3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス{4′−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノ
キシ)フェニル}プロパン、1,1,1,3,3,3−
ヘキサフルオロ−2,2−ビス{4′−(2,3−又は
3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパ
ン、下記一般式(III)
ボン酸としては、例えば、オキシジフタル酸、ピロメリ
ット酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカル
ボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン
酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、
1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,
3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸、3,4,9,
10−ペリレンテトラカルボン酸、スルホニルジフタル
酸、m−ターフェニル−3,3′,4,4′−テトラカ
ルボン酸、p−ターフェニル−3,3′,4,4′−テ
トラカルボン酸、1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3−又は
3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス{4′−(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェノ
キシ)フェニル}プロパン、1,1,1,3,3,3−
ヘキサフルオロ−2,2−ビス{4′−(2,3−又は
3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパ
ン、下記一般式(III)
【化11】 (式中、R4及びR5は一価の炭化水素基を示し、それぞ
れ同一でも異なっていてもよく、sは1以上の整数であ
る)で表されるテトラカルボン酸等の芳香族テトラカル
ボン酸などが挙げられ、これらは単独で又は2種類以上
を組み合わせて使用される。
れ同一でも異なっていてもよく、sは1以上の整数であ
る)で表されるテトラカルボン酸等の芳香族テトラカル
ボン酸などが挙げられ、これらは単独で又は2種類以上
を組み合わせて使用される。
【0020】これらの中で、光線透過率と熱膨張係数を
調整しやすいことから、オキシジフタル酸、ピロメリッ
ト酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン
酸、m−ターフェニル−3,3′,4,4′−テトラカ
ルボン酸及びp−ターフェニル−3,3′,4,4′−
テトラカルボン酸が好ましく、これらは全カルボン酸成
分に対して50モル%以上用いるのが好ましい。
調整しやすいことから、オキシジフタル酸、ピロメリッ
ト酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン
酸、m−ターフェニル−3,3′,4,4′−テトラカ
ルボン酸及びp−ターフェニル−3,3′,4,4′−
テトラカルボン酸が好ましく、これらは全カルボン酸成
分に対して50モル%以上用いるのが好ましい。
【0021】テトラカルボン酸の誘導体としては、例え
ば、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸塩化
物等が挙げられる。ジアミンの反応の相手としては、反
応性等の点から、テトラカルボン酸二無水物が好まし
い。
ば、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸塩化
物等が挙げられる。ジアミンの反応の相手としては、反
応性等の点から、テトラカルボン酸二無水物が好まし
い。
【0022】上記ジアミンとしては、フッ素を含むジア
ミンとフッ素を含まないジアミンの少なくとも2種類の
ジアミン成分を用いることが必須である。フッ素を含む
ジアミンの好ましいものの例としては、2,2′−ビス
(トリフルオロメチル)−4,4′―ジアミノベンジジ
ン、2,2′,6,6′−テトラキス(トリフルオロメ
チル)−4,4′―ジアミノベンジジン、2,2′−ビ
ス(ペンタフルオロエチル)−4,4′―ジアミノベン
ジジン、2,2′,6,6′−テトラキス(ペンタフル
オロエチル)−4,4′―ジアミノベンジジン、2,
2′−ジフルオロ−4,4′―ジアミノベンジジン、
2,2′,6,6′−テトラフルオロ−4,4′―ジア
ミノベンジジン等があり、特に2,2′−トリ(フルオ
ロメチル)−4,4′―ジアミノベンジジンが好ましい
ものとして挙げられる。
ミンとフッ素を含まないジアミンの少なくとも2種類の
ジアミン成分を用いることが必須である。フッ素を含む
ジアミンの好ましいものの例としては、2,2′−ビス
(トリフルオロメチル)−4,4′―ジアミノベンジジ
ン、2,2′,6,6′−テトラキス(トリフルオロメ
チル)−4,4′―ジアミノベンジジン、2,2′−ビ
ス(ペンタフルオロエチル)−4,4′―ジアミノベン
ジジン、2,2′,6,6′−テトラキス(ペンタフル
オロエチル)−4,4′―ジアミノベンジジン、2,
2′−ジフルオロ−4,4′―ジアミノベンジジン、
2,2′,6,6′−テトラフルオロ−4,4′―ジア
ミノベンジジン等があり、特に2,2′−トリ(フルオ
ロメチル)−4,4′―ジアミノベンジジンが好ましい
ものとして挙げられる。
【0023】フッ素を含まないジアミンとしては、例え
ば、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,
4′−、2,2′−)ジアミノジフェニルエーテル、
4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′
−、2,2′−)ジアミノジフェニルメタン、4,4′
−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,
2′−)ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−(又
は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,2′−)
ジアミノジフェニルスルフィド、パラフェニレンジアミ
ン、メタフェニレンジアミン、p−キシリレンジアミ
ン、m−キシリレンジアミン、o−トリジン,o−トリ
ジンスルホン、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−
ジエチルアニリン)、4,4′−メチレン−ビス−
(2,6−ジイソプロピルアニリン)、2,4−ジアミ
ノメシチレン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4′
−ベンゾフェノンジアミン、ビス−{4−(4′−アミ
ノフェノキシ)フェニル}スルホン、1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス{4−(4′−アミノ
フェノキシ)フェニル}プロパン、3,3′−ジメチル
−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′,
5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフェニ
ルメタン、ビス{4−(3′−アミノフェノキシ)フェ
ニル}スルホン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)
プロパン等が挙げられ、好ましいものとしては、2,
2′−ジメチル−4,4′―ジアミノベンジジン、2,
2′,6,6′−テトラメチル−4,4′―ジアミノベ
ンジジン、2,2′−ジエチル−4,4′―ジアミノベ
ンジジン、2,2′,6,6′−テトラエチル−4,
4′―ジアミノベンジジン、3,3′−ジメチル−4,
4′―ジアミノベンジジン、3,3′,5,5′−テト
ラメチル−4,4′―ジアミノベンジジン等があり、特
に2,2′−ジメチル−4,4′―ジアミノベンジジン
が好ましいものとして挙げられる。
ば、4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,
4′−、2,2′−)ジアミノジフェニルエーテル、
4,4′−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′
−、2,2′−)ジアミノジフェニルメタン、4,4′
−(又は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,
2′−)ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−(又
は3,4′−、3,3′−、2,4′−、2,2′−)
ジアミノジフェニルスルフィド、パラフェニレンジアミ
ン、メタフェニレンジアミン、p−キシリレンジアミ
ン、m−キシリレンジアミン、o−トリジン,o−トリ
ジンスルホン、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−
ジエチルアニリン)、4,4′−メチレン−ビス−
(2,6−ジイソプロピルアニリン)、2,4−ジアミ
ノメシチレン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4′
−ベンゾフェノンジアミン、ビス−{4−(4′−アミ
ノフェノキシ)フェニル}スルホン、1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス{4−(4′−アミノ
フェノキシ)フェニル}プロパン、3,3′−ジメチル
−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′,
5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフェニ
ルメタン、ビス{4−(3′−アミノフェノキシ)フェ
ニル}スルホン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)
プロパン等が挙げられ、好ましいものとしては、2,
2′−ジメチル−4,4′―ジアミノベンジジン、2,
2′,6,6′−テトラメチル−4,4′―ジアミノベ
ンジジン、2,2′−ジエチル−4,4′―ジアミノベ
ンジジン、2,2′,6,6′−テトラエチル−4,
4′―ジアミノベンジジン、3,3′−ジメチル−4,
4′―ジアミノベンジジン、3,3′,5,5′−テト
ラメチル−4,4′―ジアミノベンジジン等があり、特
に2,2′−ジメチル−4,4′―ジアミノベンジジン
が好ましいものとして挙げられる。
【0024】一般式(I)及び(II)で表される構造単
位を与える2種類のジアミン成分の比率としては、前記
フッ素含有量となるように配合されることが好ましく、
実際の比率としては、現像液に対する溶解性とシリコン
ウエハに対する接着性の点から、一般式(I)で表され
る構造単位を与えるジアミン成分/一般式(II)で表さ
れる構造単位を与えるジアミン成分のモル比で1/10
0〜75/25が好ましい。
位を与える2種類のジアミン成分の比率としては、前記
フッ素含有量となるように配合されることが好ましく、
実際の比率としては、現像液に対する溶解性とシリコン
ウエハに対する接着性の点から、一般式(I)で表され
る構造単位を与えるジアミン成分/一般式(II)で表さ
れる構造単位を与えるジアミン成分のモル比で1/10
0〜75/25が好ましい。
【0025】上記一般式(I)及び(II)で表されるジ
アミンの使用量は、全ジアミン総量の50〜99モル%
の範囲とすることが好ましい。この使用量が50モル%
未満では、ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が低下す
る傾向があり、99モル%を超えると接着性等が低下す
る傾向にある。
アミンの使用量は、全ジアミン総量の50〜99モル%
の範囲とすることが好ましい。この使用量が50モル%
未満では、ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が低下す
る傾向があり、99モル%を超えると接着性等が低下す
る傾向にある。
【0026】上記ジアミンとしては、接着性向上のため
に、下記一般式(IV)
に、下記一般式(IV)
【化12】 (式中、R6及びR7は二価の炭化水素基を示し、それぞ
れ同一でも異なっていてもよく、R8及びR9は一価の炭
化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよ
く、tは0又は1以上の整数である)で表されるジアミ
ノ(ポリ)シロキサン等の脂肪族ジアミンを併用するこ
とが好ましい。R6及びR7としては、メチレン基、エチ
レン基、プロピレン基等のアルキレン基、フェニレン基
等のアリーレン基、それらの結合基などが挙げられ、R
8及びR9としては、メチル基、エチル基等のアルキル
基、フェニル基等のアリール基などが挙げられ、R8及
びR9としては炭素原子数1〜6の炭化水素基が好まし
い。tは0又は1〜12であることが好ましい。R6及
びR7で示される基は、総炭素数が1〜10のものが好
ましい。併用する場合、これらはジアミン化合物の総量
中、1〜50モル%で使用することが好ましく、1〜2
0モル%の範囲で使用することがより好ましく、1〜1
0モル%の範囲で使用することがさらに好ましい。
れ同一でも異なっていてもよく、R8及びR9は一価の炭
化水素基を示し、それぞれ同一でも異なっていてもよ
く、tは0又は1以上の整数である)で表されるジアミ
ノ(ポリ)シロキサン等の脂肪族ジアミンを併用するこ
とが好ましい。R6及びR7としては、メチレン基、エチ
レン基、プロピレン基等のアルキレン基、フェニレン基
等のアリーレン基、それらの結合基などが挙げられ、R
8及びR9としては、メチル基、エチル基等のアルキル
基、フェニル基等のアリール基などが挙げられ、R8及
びR9としては炭素原子数1〜6の炭化水素基が好まし
い。tは0又は1〜12であることが好ましい。R6及
びR7で示される基は、総炭素数が1〜10のものが好
ましい。併用する場合、これらはジアミン化合物の総量
中、1〜50モル%で使用することが好ましく、1〜2
0モル%の範囲で使用することがより好ましく、1〜1
0モル%の範囲で使用することがさらに好ましい。
【0027】また、耐熱性向上のために、4,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル−3−スルホンアミド、3,
4′−ジアミノジフェニルエーテル−4−スルホンアミ
ド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3′−ス
ルホンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル
−4−スルホンアミド、4,4′−ジアミノジフェニル
エーテル−3−カルボキサミド、3,4′−ジアミノジ
フェニルエーテル−4−カルボキサミド、3,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル−3′−カルボキサミド、
3,3′−ジアミノジフェニルエーテル−4−カルボキ
サミド等のスルホンアミド基又はカルボキサミド基を有
するジアミン化合物を単独で又は2種以上併用すること
もできる。併用する場合、これらはジアミン化合物の総
量中、20モル%以下で使用することが好ましく、10
モル%以下の範囲で使用することがより好ましい。
アミノジフェニルエーテル−3−スルホンアミド、3,
4′−ジアミノジフェニルエーテル−4−スルホンアミ
ド、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル−3′−ス
ルホンアミド、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル
−4−スルホンアミド、4,4′−ジアミノジフェニル
エーテル−3−カルボキサミド、3,4′−ジアミノジ
フェニルエーテル−4−カルボキサミド、3,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル−3′−カルボキサミド、
3,3′−ジアミノジフェニルエーテル−4−カルボキ
サミド等のスルホンアミド基又はカルボキサミド基を有
するジアミン化合物を単独で又は2種以上併用すること
もできる。併用する場合、これらはジアミン化合物の総
量中、20モル%以下で使用することが好ましく、10
モル%以下の範囲で使用することがより好ましい。
【0028】テトラカルボン酸とジアミンの反応に使用
する有機溶媒としては、生成するポリイミド前駆体を完
全に溶解する極性溶媒が好ましく、例えば、N−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミ
ド、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
する有機溶媒としては、生成するポリイミド前駆体を完
全に溶解する極性溶媒が好ましく、例えば、N−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミ
ド、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【0029】また、この極性溶媒以外に、ケトン類、エ
ステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水
素類、炭化水素類等も使用することができ、例えば、ア
セトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジ
エチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロ
ロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタ
ン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で又は2
種類以上を組み合わせて使用される。
ステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水
素類、炭化水素類等も使用することができ、例えば、ア
セトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジ
エチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロ
ロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタ
ン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で又は2
種類以上を組み合わせて使用される。
【0030】テトラカルボン酸又はその誘導体及びジア
ミンの反応においては、両者を、一方の量に対し他方を
90〜110モル%で配合することが好ましく、特に等
モルで配合することが好ましい。また溶媒量は、テトラ
カルボン酸又はその誘導体及びジアミンの合計量に対し
て、3〜9倍の重量で用いることが好ましい。反応は、
酸無水物とジアミンの場合は、室温で10〜50時間行
うことが好ましい。
ミンの反応においては、両者を、一方の量に対し他方を
90〜110モル%で配合することが好ましく、特に等
モルで配合することが好ましい。また溶媒量は、テトラ
カルボン酸又はその誘導体及びジアミンの合計量に対し
て、3〜9倍の重量で用いることが好ましい。反応は、
酸無水物とジアミンの場合は、室温で10〜50時間行
うことが好ましい。
【0031】ポリイミド前駆体に感光性基を導入する方
法としては、例えば、ポリイミド前駆体の側鎖(例え
ば、カルボキシル基等)に、エステル結合、アミド結
合、尿素結合等の共有結合により、ビニル基、アクリロ
イル基、メタクリロイル基等を導入する方法、ポリイミ
ド前駆体のカルボキシル基にアミノ基を有するアクリロ
イル基又はメタクリロイル基を有する化合物をイオン結
合で導入する方法など既知の方法が挙げられる。熱イミ
ド閉環時の感光基の揮散し易さ、感光性ポリイミド前駆
体組成物の製造し易さ等の点からは、ポリイミド前駆体
のカルボン酸基にアミノ基を有する化合物をイオン結合
で導入する方法が好ましい。共有結合により感光性基を
導入する具体的な方法としては、テトラカルボン酸二無
水物とヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシア
ルキルメタクリレート、アリルアルコール等のヒドロキ
シル基含有不飽和化合物を混合して反応させ、テトラカ
ルボン酸のハーフエステルを製造した後、塩化チオニル
により酸クロリド化し、ついで、ジアミンと反応させる
方法や、前記テトラカルボン酸ハーフエステルをカルボ
ジイミド類を縮合剤としてジアミンと反応させる方法等
のエステル結合を介して感光性基を導入する方法、テト
ラカルボン酸二無水物とジアミンを無水下で反応させた
後、アミノアルキルアクリレート、アミノアルキルメタ
クリレート等のアミノ基含有不飽和化合物をカルボジイ
ミド類等の縮合剤の存在下で反応させる、アミド結合を
介して感光基を導入する方法などが挙げられる。
法としては、例えば、ポリイミド前駆体の側鎖(例え
ば、カルボキシル基等)に、エステル結合、アミド結
合、尿素結合等の共有結合により、ビニル基、アクリロ
イル基、メタクリロイル基等を導入する方法、ポリイミ
ド前駆体のカルボキシル基にアミノ基を有するアクリロ
イル基又はメタクリロイル基を有する化合物をイオン結
合で導入する方法など既知の方法が挙げられる。熱イミ
ド閉環時の感光基の揮散し易さ、感光性ポリイミド前駆
体組成物の製造し易さ等の点からは、ポリイミド前駆体
のカルボン酸基にアミノ基を有する化合物をイオン結合
で導入する方法が好ましい。共有結合により感光性基を
導入する具体的な方法としては、テトラカルボン酸二無
水物とヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシア
ルキルメタクリレート、アリルアルコール等のヒドロキ
シル基含有不飽和化合物を混合して反応させ、テトラカ
ルボン酸のハーフエステルを製造した後、塩化チオニル
により酸クロリド化し、ついで、ジアミンと反応させる
方法や、前記テトラカルボン酸ハーフエステルをカルボ
ジイミド類を縮合剤としてジアミンと反応させる方法等
のエステル結合を介して感光性基を導入する方法、テト
ラカルボン酸二無水物とジアミンを無水下で反応させた
後、アミノアルキルアクリレート、アミノアルキルメタ
クリレート等のアミノ基含有不飽和化合物をカルボジイ
ミド類等の縮合剤の存在下で反応させる、アミド結合を
介して感光基を導入する方法などが挙げられる。
【0032】イオン結合を導入するために用いられるア
ミノ基を有するアクリロイル基又はメタクリロイル基を
有する化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチ
ルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメ
タクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルメタク
リレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,
N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジ
エチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチル
アミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノ
エチルアクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で
又は2種類以上を組み合わせて使用される。
ミノ基を有するアクリロイル基又はメタクリロイル基を
有する化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチ
ルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメ
タクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピルメタク
リレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,
N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジ
エチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチル
アミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノ
エチルアクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で
又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0033】前記アミノ基を有するアクリロイル基又は
メタクリロイル基を有する化合物の使用量は、感光性基
を導入する前のポリイミド前駆体の量に対して、1〜2
00重量%とすることが好ましく、5〜150重量%と
することがより好ましい。この使用量が、1重量%未満
であると、光感度が劣る傾向があり、200重量%を超
えると、耐熱性、フィルムの機械特性等が劣る傾向があ
る。
メタクリロイル基を有する化合物の使用量は、感光性基
を導入する前のポリイミド前駆体の量に対して、1〜2
00重量%とすることが好ましく、5〜150重量%と
することがより好ましい。この使用量が、1重量%未満
であると、光感度が劣る傾向があり、200重量%を超
えると、耐熱性、フィルムの機械特性等が劣る傾向があ
る。
【0034】以上のようにして得られるポリイミド前駆
体は、必要に応じて、光開始剤等を混合し、感光性ポリ
イミド前駆体組成物とすることができる。光開始剤とし
ては、例えば、ミヒラーズケトン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテル、2−t−ブチルアントラキノン、2−
エチルアントラキノン、4,4,−ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノ
ン、チオキサントン、2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニ
ル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ベンジル、
ジフェニルジスルフィド、フェナンスレンキノン、2−
イソプロピルチオキサントン、リボフラビンテトラブチ
レート、2,6−ビス(p−ジエチルアミノベンザル)
−4−メチル−4−アザシクロヘキサノン、N−エチル
−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−フェニル
ジエタノールアミン、2−(o−エトキシカルボニル)
オキシイミノ−1,3−ジフェニルプロパンジオン、1
−フェニル−2−(o−エトキシカルボニル)オキシイ
ミノプロパン−1−オン、3,3,4,4,−テトラ
(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、
3,3,−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリ
ン)、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス−[2,6
−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル]チタ
ン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組
み合わせて使用される。
体は、必要に応じて、光開始剤等を混合し、感光性ポリ
イミド前駆体組成物とすることができる。光開始剤とし
ては、例えば、ミヒラーズケトン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプ
ロピルエーテル、2−t−ブチルアントラキノン、2−
エチルアントラキノン、4,4,−ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノ
ン、チオキサントン、2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニ
ル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ベンジル、
ジフェニルジスルフィド、フェナンスレンキノン、2−
イソプロピルチオキサントン、リボフラビンテトラブチ
レート、2,6−ビス(p−ジエチルアミノベンザル)
−4−メチル−4−アザシクロヘキサノン、N−エチル
−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−フェニル
ジエタノールアミン、2−(o−エトキシカルボニル)
オキシイミノ−1,3−ジフェニルプロパンジオン、1
−フェニル−2−(o−エトキシカルボニル)オキシイ
ミノプロパン−1−オン、3,3,4,4,−テトラ
(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、
3,3,−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリ
ン)、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス−[2,6
−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル]チタ
ン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組
み合わせて使用される。
【0035】光開始剤の使用量は、ポリイミド前駆体の
量に対して、0.01〜30重量%とすることが好まし
く、0.05〜10重量%とすることがより好ましい。
この使用量が0.01重量%未満では、光感度が劣る傾
向があり、30重量%を超えると、フィルムの機械特性
が劣る傾向がある。
量に対して、0.01〜30重量%とすることが好まし
く、0.05〜10重量%とすることがより好ましい。
この使用量が0.01重量%未満では、光感度が劣る傾
向があり、30重量%を超えると、フィルムの機械特性
が劣る傾向がある。
【0036】また、本発明の感光性ポリイミド前駆体組
成物には、必要に応じて、付加重合性化合物を含有する
ことができる。付加重合性化合物としては、例えば、ジ
エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリ
コールジアクリレート、テトラエチレングリコールジア
クリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、
トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチ
レングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロ
パンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−
ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタク
リレート、1,6−ヘキサンジオールメタクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリス
リトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールト
リメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタク
リレート、スチレン、ジビニルベンゼン、4−ビニルト
ルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、1,3−アクリロイルオキシ−2
−ヒドロキシプロパン、1,3−メタクリロイルオキシ
−2−ヒドロキシプロパン、メチレンビスアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロール
アクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で又は2
種類以上を組み合わせて使用される。
成物には、必要に応じて、付加重合性化合物を含有する
ことができる。付加重合性化合物としては、例えば、ジ
エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリ
コールジアクリレート、テトラエチレングリコールジア
クリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、
トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチ
レングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロ
パンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−
ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタク
リレート、1,6−ヘキサンジオールメタクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリス
リトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールト
リメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタク
リレート、スチレン、ジビニルベンゼン、4−ビニルト
ルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、1,3−アクリロイルオキシ−2
−ヒドロキシプロパン、1,3−メタクリロイルオキシ
−2−ヒドロキシプロパン、メチレンビスアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロール
アクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で又は2
種類以上を組み合わせて使用される。
【0037】付加重合性化合物の使用量は、ポリイミド
前駆体の量に対して、1〜200重量%とすることが好
ましく、5〜100重量%とすることがより好ましい。
この使用量が、1重量%未満では、現像液への溶解性も
含んだ感光特性が劣る傾向があり、200重量%を超え
ると、フィルムの機械特性が劣る傾向がある。
前駆体の量に対して、1〜200重量%とすることが好
ましく、5〜100重量%とすることがより好ましい。
この使用量が、1重量%未満では、現像液への溶解性も
含んだ感光特性が劣る傾向があり、200重量%を超え
ると、フィルムの機械特性が劣る傾向がある。
【0038】また、本発明の感光性ポリイミド前駆体組
成物には、必要に応じて、アジド化合物を含有すること
ができる。アジド化合物としては、例えば、
成物には、必要に応じて、アジド化合物を含有すること
ができる。アジド化合物としては、例えば、
【化13】
【化14】 等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み
合わせて使用される。
合わせて使用される。
【0039】アジド化合物の使用量は、ポリイミド前駆
体の量に対して、0.01〜30重量%とすることが好
ましく、0.05〜10重量%とすることがより好まし
い。この使用量が、0.01重量%未満では、光感度が
劣る傾向があり、30重量%を超えると、フィルムの機
械特性が劣る傾向がある。
体の量に対して、0.01〜30重量%とすることが好
ましく、0.05〜10重量%とすることがより好まし
い。この使用量が、0.01重量%未満では、光感度が
劣る傾向があり、30重量%を超えると、フィルムの機
械特性が劣る傾向がある。
【0040】また、本発明の感光性ポリイミド前駆体組
成物には、保存時の安定性を高めるために、ラジカル重
合禁止剤又はラジカル重合抑制剤を含有することができ
る。ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤として
は、例えば、p−メトキシフェノール、ジフェニル−p
−ベンゾキノン、ベンゾキノン、ハイドロキノン、ピロ
ガロール、フェノチアジン、レソルシノール、オルトジ
ニトロベンゼン、パラジニトロベンゼン、メタジニトロ
ベンゼン、フェナントラキノン、N−フェニル−1−ナ
フチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、ク
ペロン、フェノチアジン、2,5−トルキノン、タンニ
ン酸、パラベンジルアミノフェノール、ニトロソアミン
類等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組
み合わせて使用される。
成物には、保存時の安定性を高めるために、ラジカル重
合禁止剤又はラジカル重合抑制剤を含有することができ
る。ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤として
は、例えば、p−メトキシフェノール、ジフェニル−p
−ベンゾキノン、ベンゾキノン、ハイドロキノン、ピロ
ガロール、フェノチアジン、レソルシノール、オルトジ
ニトロベンゼン、パラジニトロベンゼン、メタジニトロ
ベンゼン、フェナントラキノン、N−フェニル−1−ナ
フチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、ク
ペロン、フェノチアジン、2,5−トルキノン、タンニ
ン酸、パラベンジルアミノフェノール、ニトロソアミン
類等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組
み合わせて使用される。
【0041】ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制
剤の使用量は、ポリイミド前駆体の量に対して、0.0
1〜30重量%とすることが好ましく、0.05〜10
重量%とすることがより好ましい。この使用量が、0.
01重量%未満であると、保存時の安定性が劣る傾向が
あり、30重量%を超えると、光感度及びフィルムの機
械特性が劣る傾向がある。
剤の使用量は、ポリイミド前駆体の量に対して、0.0
1〜30重量%とすることが好ましく、0.05〜10
重量%とすることがより好ましい。この使用量が、0.
01重量%未満であると、保存時の安定性が劣る傾向が
あり、30重量%を超えると、光感度及びフィルムの機
械特性が劣る傾向がある。
【0042】以上の各材料は、必要に応じて有機溶媒に
溶解又は分散して感光性ポリイミド前駆体組成物とす
る。有機溶媒としては、ポリイミド前駆体を完全に溶解
する極性溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメ
チル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミド、γ−ブチロ
ラクトン等が好ましいものとして挙げられ、これらの極
性溶媒以外に、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エ
ーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等も使用
することができ、例えば、アセトン、ジエチルケトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シ
ュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
クロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジク
ロロブタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−
ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらの
有機溶媒は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用
される。使用量は特に制限されないが、ポリイミド前駆
体重量の1〜10倍量溶媒を用いることが好ましい。
溶解又は分散して感光性ポリイミド前駆体組成物とす
る。有機溶媒としては、ポリイミド前駆体を完全に溶解
する極性溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメ
チル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミド、γ−ブチロ
ラクトン等が好ましいものとして挙げられ、これらの極
性溶媒以外に、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エ
ーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等も使用
することができ、例えば、アセトン、ジエチルケトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シ
ュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
クロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジク
ロロブタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−
ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらの
有機溶媒は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用
される。使用量は特に制限されないが、ポリイミド前駆
体重量の1〜10倍量溶媒を用いることが好ましい。
【0043】得られる本発明の感光性ポリイミド前駆体
組成物は、浸漬法、スプレー法、スクリーン印刷法、回
転塗布法等によってシリコンウエハー、金属基板、セラ
ミック基板等の基材上に塗布され、溶剤の大部分を加熱
乾燥することにより粘着性のない塗膜とすることができ
る。この塗膜の膜厚には特に制限はないが、回路特性等
の点から、4〜50μmであることが好ましく、6〜4
0μmであることがより好ましく、10〜40μmであ
ることが特に好ましく、20〜35μmであることが極
めて好ましい。この塗膜上に、所望のパターンが描かれ
たマスクを通して活性光線又は化学線を照射する等して
パターン状に露光後、未露光部を適当な現像液で現像し
て溶解し、除去することにより、所望のレリーフパター
ンを得ることができる。
組成物は、浸漬法、スプレー法、スクリーン印刷法、回
転塗布法等によってシリコンウエハー、金属基板、セラ
ミック基板等の基材上に塗布され、溶剤の大部分を加熱
乾燥することにより粘着性のない塗膜とすることができ
る。この塗膜の膜厚には特に制限はないが、回路特性等
の点から、4〜50μmであることが好ましく、6〜4
0μmであることがより好ましく、10〜40μmであ
ることが特に好ましく、20〜35μmであることが極
めて好ましい。この塗膜上に、所望のパターンが描かれ
たマスクを通して活性光線又は化学線を照射する等して
パターン状に露光後、未露光部を適当な現像液で現像し
て溶解し、除去することにより、所望のレリーフパター
ンを得ることができる。
【0044】本発明の感光性ポリイミド前駆体組成物
は、i−線ステッパでの露光に好適なものとして設計さ
れたものであるが、照射する活性光線又は化学線として
は、i−線ステッパ以外に、例えば、超高圧水銀灯を用
いるコンタクト/プロキシミテイ露光機、ミラープロジ
ェクション露光機、g−線ステッパ、その他の紫外線、
可視光源、X線、電子線等も使用することができる。現
像液としては、例えば、良溶媒(N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル
−2−ピロリドン等)、前記良溶媒と貧溶媒(低級アル
コール、ケトン、水、芳香族炭化水素等)との混合溶
媒、塩基性溶液(水酸化テトラメチルアンモニウム水溶
液、トリエタノールアミン水溶液等)が挙げられる。
は、i−線ステッパでの露光に好適なものとして設計さ
れたものであるが、照射する活性光線又は化学線として
は、i−線ステッパ以外に、例えば、超高圧水銀灯を用
いるコンタクト/プロキシミテイ露光機、ミラープロジ
ェクション露光機、g−線ステッパ、その他の紫外線、
可視光源、X線、電子線等も使用することができる。現
像液としては、例えば、良溶媒(N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル
−2−ピロリドン等)、前記良溶媒と貧溶媒(低級アル
コール、ケトン、水、芳香族炭化水素等)との混合溶
媒、塩基性溶液(水酸化テトラメチルアンモニウム水溶
液、トリエタノールアミン水溶液等)が挙げられる。
【0045】現像後は、必要に応じて、水又は貧溶媒で
リンスを行い、100℃前後で乾燥し、パターンを安定
なものとすることが好ましい。また、このレリーフパタ
ーンを、加熱することによりイミド閉環し、パターン化
された高耐熱性ポリイミド膜を形成することができる。
このときの加熱温度は、150〜500℃とすることが
好ましく、200〜400℃とすることがより好まし
い。この加熱温度が、150℃未満であると、ポリイミ
ド膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向があり、50
0℃を超えると、ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が
低下する傾向がある。また、このときの加熱時間は、
0.05〜10時間とすることが好ましい。この加熱時
間が、0.05時間未満であると、ポリイミド膜の機械
特性及び熱特性が低下する傾向があり、10時間を超え
ると、ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が低下する傾
向がある。
リンスを行い、100℃前後で乾燥し、パターンを安定
なものとすることが好ましい。また、このレリーフパタ
ーンを、加熱することによりイミド閉環し、パターン化
された高耐熱性ポリイミド膜を形成することができる。
このときの加熱温度は、150〜500℃とすることが
好ましく、200〜400℃とすることがより好まし
い。この加熱温度が、150℃未満であると、ポリイミ
ド膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向があり、50
0℃を超えると、ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が
低下する傾向がある。また、このときの加熱時間は、
0.05〜10時間とすることが好ましい。この加熱時
間が、0.05時間未満であると、ポリイミド膜の機械
特性及び熱特性が低下する傾向があり、10時間を超え
ると、ポリイミド膜の機械特性及び熱特性が低下する傾
向がある。
【0046】このようにして本発明の感光性ポリイミド
前駆体組成物は、半導体用表面保護膜、多層配線板の層
間絶縁膜等に使用することができる。特に、上記の方法
で、パッシベーション膜を形成した基材の上にポリイミ
ドパターンを得、さらにこれをマスクとして用いて、前
記パッシベーション膜をエッチングして加工する、いわ
ゆるワンマスクプロセスに好適に使用することができ
る。
前駆体組成物は、半導体用表面保護膜、多層配線板の層
間絶縁膜等に使用することができる。特に、上記の方法
で、パッシベーション膜を形成した基材の上にポリイミ
ドパターンを得、さらにこれをマスクとして用いて、前
記パッシベーション膜をエッチングして加工する、いわ
ゆるワンマスクプロセスに好適に使用することができ
る。
【0047】ここでパッシベーション膜の加工とは、通
常、外部からの化学的な影響を防ぐために、SiO、S
iN等の無機物を用いて形成されているパッシベーショ
ン膜の導通部開口を行う加工のことである。なお、この
パッシベーション膜の上に残存するポリイミドパターン
は、封止剤からの物理的影響を防ぎ、表面保護膜として
機能する。また、前記パッシベーション膜の加工は、ボ
ンディングパットの上と補償回路の上のパッシベーショ
ン膜をドライエッチング等で除去する加工であること
が、歩留向上等の点から好ましい。
常、外部からの化学的な影響を防ぐために、SiO、S
iN等の無機物を用いて形成されているパッシベーショ
ン膜の導通部開口を行う加工のことである。なお、この
パッシベーション膜の上に残存するポリイミドパターン
は、封止剤からの物理的影響を防ぎ、表面保護膜として
機能する。また、前記パッシベーション膜の加工は、ボ
ンディングパットの上と補償回路の上のパッシベーショ
ン膜をドライエッチング等で除去する加工であること
が、歩留向上等の点から好ましい。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1〜5及び比較例1〜3 <ポリイミド前駆体の合成>攪拌機及び温度計を備えた
300mlのフラスコに、表1に示したジアミン成分及び
N−メチル−2−ピロリドンを加え、室温で攪拌溶解
し、この溶液に表1に示した酸成分を添加し、30時間
攪拌し、粘稠なポリイミド前駆体の溶液を得た。さら
に、この溶液を、70℃で5時間加熱し、粘度を80ポ
イズ(固形分25重量%)に調節し、ポリイミド前駆体
の溶液(PI−1〜PI−8)とした。なお、ジアミン
成分、酸成分及びN−メチル−2−ピロリドンの各使用
量は、表1に合わせて示した。
る。 実施例1〜5及び比較例1〜3 <ポリイミド前駆体の合成>攪拌機及び温度計を備えた
300mlのフラスコに、表1に示したジアミン成分及び
N−メチル−2−ピロリドンを加え、室温で攪拌溶解
し、この溶液に表1に示した酸成分を添加し、30時間
攪拌し、粘稠なポリイミド前駆体の溶液を得た。さら
に、この溶液を、70℃で5時間加熱し、粘度を80ポ
イズ(固形分25重量%)に調節し、ポリイミド前駆体
の溶液(PI−1〜PI−8)とした。なお、ジアミン
成分、酸成分及びN−メチル−2−ピロリドンの各使用
量は、表1に合わせて示した。
【0049】なお、粘度は、E型粘度計(東機産業(株)
製、EHD型)を使用し、温度が25℃、回転数が2.
5rpmで測定した。また、得られたポリイミド前駆体の
溶液を乾燥させたものを、KBr法により、赤外吸収ス
ペクトル(日本電子(株)製、JIR−100型)を測定
したところ、いずれも、1600cm-1付近にアミド基の
C=Oの吸収と、3300cm-1付近にN−Hの吸収が確
認された。
製、EHD型)を使用し、温度が25℃、回転数が2.
5rpmで測定した。また、得られたポリイミド前駆体の
溶液を乾燥させたものを、KBr法により、赤外吸収ス
ペクトル(日本電子(株)製、JIR−100型)を測定
したところ、いずれも、1600cm-1付近にアミド基の
C=Oの吸収と、3300cm-1付近にN−Hの吸収が確
認された。
【0050】
【表1】
【0051】上記で得られた、各ポリイミド前駆体組成
物(PI−1〜PI−8)10gに対して、2,6−ビ
ス(4′−アジドベンザル)−4−カルボキシシクロヘ
キサノン(CA)0.027g、4,4′−ビス(ジエ
チルアミノ)ベンゾフェノン(EAB)0.027g及
び1−フェニル−2−(o−エトキシカルボニル)オキ
シイミノプロパン−1−オン(PDO)0.054gを
加え、さらに、ポリイミド前駆体のカルボキシル基と当
量のジメチルアミノプロピルメタクリレート(MDA
P)を加え、攪拌混合して、実施例1〜5及び比較例1
〜4に供する均一な感光性ポリイミド前駆体組成物溶液
(PAA−1〜PAA−8)を得た。
物(PI−1〜PI−8)10gに対して、2,6−ビ
ス(4′−アジドベンザル)−4−カルボキシシクロヘ
キサノン(CA)0.027g、4,4′−ビス(ジエ
チルアミノ)ベンゾフェノン(EAB)0.027g及
び1−フェニル−2−(o−エトキシカルボニル)オキ
シイミノプロパン−1−オン(PDO)0.054gを
加え、さらに、ポリイミド前駆体のカルボキシル基と当
量のジメチルアミノプロピルメタクリレート(MDA
P)を加え、攪拌混合して、実施例1〜5及び比較例1
〜4に供する均一な感光性ポリイミド前駆体組成物溶液
(PAA−1〜PAA−8)を得た。
【0052】
【化15】
【0053】得られた感光性ポリイミド前駆体組成物溶
液を、フィルタ濾過し、それぞれシリコンウエハ上に滴
下スピンコートした。次いで、ホットプレートを用い
て、100℃で150秒間加熱し、23μmの塗膜を形
成した後、パターンマスクし、i線ステッパで露光し
た。これを、さらに100℃で60秒間加熱し、N−メ
チル−2−ピロリドン/水(75/25(重量比))の
混合溶液を用いて、パドル現像し、これを、100℃で
30分間、200℃で30分間、350℃で60分間加
熱して、ポリイミドのレリーフパターンを得た。得られ
たポリイミドのレリーフパターンの一部について、KB
r法により、赤外吸収スペクトルを測定したところ、1
780cm-1付近にイミドの特性吸収が確認された。
液を、フィルタ濾過し、それぞれシリコンウエハ上に滴
下スピンコートした。次いで、ホットプレートを用い
て、100℃で150秒間加熱し、23μmの塗膜を形
成した後、パターンマスクし、i線ステッパで露光し
た。これを、さらに100℃で60秒間加熱し、N−メ
チル−2−ピロリドン/水(75/25(重量比))の
混合溶液を用いて、パドル現像し、これを、100℃で
30分間、200℃で30分間、350℃で60分間加
熱して、ポリイミドのレリーフパターンを得た。得られ
たポリイミドのレリーフパターンの一部について、KB
r法により、赤外吸収スペクトルを測定したところ、1
780cm-1付近にイミドの特性吸収が確認された。
【0054】得られた各ポリイミド前駆体を感光性化し
た組成物溶液のi線透過率と、未露光部の現像液に対す
る溶解速度、イミド化後の熱膨張係数、シリコンウエハ
に対する接着性、前記で得られたレリーフパターンの解
像度を以下の方法により評価し、これらの評価結果を表
2に示した。i線透過率は、得られた各感光性ポリイミ
ド前駆体組成物の溶液をスピンコートし、85℃で3分
間、さらに105℃で3分間乾燥して塗膜を形成し36
5nmにおける波長の透過率について分光光度計で測定し
た。未露光部の現像液に対する溶解速度は、各感光性ポ
リイミド前駆体組成物の溶液をスピンコートし、85℃
で3分間、さらに105℃で3分間乾燥して塗膜を形成
した後、現像液であるN−メチル−2−ピロリドン/水
(75/25(重量比))の混合溶液に浸漬して被膜の
溶解速度を測定した。熱膨張係数は、膜厚10μmのポ
リイミドフィルムを昇温速度10℃/min、荷重10gの
条件でTMAを用いて測定した。接着性の測定は、碁盤
目試験により実施し、残片数によって測定した。解像度
は、スルホールテストパターンを用いて、現像可能なス
ルホールの最小の大きさとして評価した。
た組成物溶液のi線透過率と、未露光部の現像液に対す
る溶解速度、イミド化後の熱膨張係数、シリコンウエハ
に対する接着性、前記で得られたレリーフパターンの解
像度を以下の方法により評価し、これらの評価結果を表
2に示した。i線透過率は、得られた各感光性ポリイミ
ド前駆体組成物の溶液をスピンコートし、85℃で3分
間、さらに105℃で3分間乾燥して塗膜を形成し36
5nmにおける波長の透過率について分光光度計で測定し
た。未露光部の現像液に対する溶解速度は、各感光性ポ
リイミド前駆体組成物の溶液をスピンコートし、85℃
で3分間、さらに105℃で3分間乾燥して塗膜を形成
した後、現像液であるN−メチル−2−ピロリドン/水
(75/25(重量比))の混合溶液に浸漬して被膜の
溶解速度を測定した。熱膨張係数は、膜厚10μmのポ
リイミドフィルムを昇温速度10℃/min、荷重10gの
条件でTMAを用いて測定した。接着性の測定は、碁盤
目試験により実施し、残片数によって測定した。解像度
は、スルホールテストパターンを用いて、現像可能なス
ルホールの最小の大きさとして評価した。
【0055】次に、上記の実施例1〜5及び比較例1〜
3で得られたレリーフパターンを100℃で30分間、
200℃で30分間、窒素雰囲気下350℃で60分間
加熱してポリイミドパターンを得た。実施例1〜5のレ
リーフパターンから得られたポリイミドパターンは、レ
リーフパターンのパターン形状が矩形状で解像度が良好
であることを反映して台形状の良好なパターン形状を有
していたが、比較例1及び3は現像時間が極めて長くパ
ターンが開口せず、比較例2のレリーフパターンから得
られたポリイミドパターンは、レリーフパターンのパタ
ーン形状が逆台形状で解像度が不良であることを反映し
て逆台形状の好ましくないパターン形状を有していた。
3で得られたレリーフパターンを100℃で30分間、
200℃で30分間、窒素雰囲気下350℃で60分間
加熱してポリイミドパターンを得た。実施例1〜5のレ
リーフパターンから得られたポリイミドパターンは、レ
リーフパターンのパターン形状が矩形状で解像度が良好
であることを反映して台形状の良好なパターン形状を有
していたが、比較例1及び3は現像時間が極めて長くパ
ターンが開口せず、比較例2のレリーフパターンから得
られたポリイミドパターンは、レリーフパターンのパタ
ーン形状が逆台形状で解像度が不良であることを反映し
て逆台形状の好ましくないパターン形状を有していた。
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜5記載の感光
性ポリイミド前駆体組成物は、イミド化後の低熱膨張
性、光透過性及び接着性の何れにも優れる感光性ポリイ
ミド前駆体組成物を提供するものである。さらに具体的
には、i線ステッパー露光に対して良好なパターン加工
性を有しており、ポリイミド本来の耐熱性及び機械特性
を維持しながら、現像液に対する高い溶解性とシリコン
ウエハに対する接着性とを合わせ持ち、半導体工業にお
ける保護膜、絶縁膜を形成させる材料等として好適なも
のである。また請求項6記載の半導体素子の製造法によ
れば、信頼性に優れる低残留応力半導体素子が得られ
る。
性ポリイミド前駆体組成物は、イミド化後の低熱膨張
性、光透過性及び接着性の何れにも優れる感光性ポリイ
ミド前駆体組成物を提供するものである。さらに具体的
には、i線ステッパー露光に対して良好なパターン加工
性を有しており、ポリイミド本来の耐熱性及び機械特性
を維持しながら、現像液に対する高い溶解性とシリコン
ウエハに対する接着性とを合わせ持ち、半導体工業にお
ける保護膜、絶縁膜を形成させる材料等として好適なも
のである。また請求項6記載の半導体素子の製造法によ
れば、信頼性に優れる低残留応力半導体素子が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/312 H01L 21/30 502R
Claims (6)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Xは4価の有機基を示し、Y1はフッ素原子を
含む2価の有機基を示し、R1及びR2は感光性基を示
す)で表される構造単位と、一般式(II) 【化2】 (式中、Xは4価の有機基を示し、Y2はフッ素原子を
含まない2価の有機基を示し、R1及びR2は感光性基を
示す)で表される構造単位とを含むポリイミド前駆体を
含有してなる感光性ポリイミド前駆体組成物。 - 【請求項2】 一般式(I)におけるY1が、フッ素原
子又はフッ素原子を含む置換基を有する置換ビフェニレ
ン基であり、一般式(II)におけるY2が、炭化水素基
を有する置換ビフェニレン基である請求項1記載の感光
性ポリイミド前駆体組成物。 - 【請求項3】 一般式(I)及び(II)におけるXが 【化3】 より選択される基である請求項1又は2記載の感光性ポ
リイミド前駆体組成物。 - 【請求項4】 一般式(I)におけるY1が2,2′−
ジパーフルオロアルキル−4,4′−ビフェニレン基で
あり、一般式(II)におけるY2が2,2′−ジアルキ
ル−4,4′−ビフェニレン基である請求項1、2又は
3記載の感光性ポリイミド前駆体組成物。 - 【請求項5】 一般式(I)で表される構造単位を主成
分とするポリマー中に含有されるフッ素量が0.1〜1
5重量%である請求項1、2、3又は4記載の感光性ポ
リイミド前駆体組成物。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の感光性
ポリイミド前駆体組成物を用いてポリイミド膜をシリコ
ンウエハ上に形成することを特徴とする半導体素子の製
造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9167350A JPH1115157A (ja) | 1997-06-24 | 1997-06-24 | 感光性ポリイミド前駆体組成物及びこれを用いた半導体素子の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9167350A JPH1115157A (ja) | 1997-06-24 | 1997-06-24 | 感光性ポリイミド前駆体組成物及びこれを用いた半導体素子の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1115157A true JPH1115157A (ja) | 1999-01-22 |
Family
ID=15848107
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9167350A Pending JPH1115157A (ja) | 1997-06-24 | 1997-06-24 | 感光性ポリイミド前駆体組成物及びこれを用いた半導体素子の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1115157A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002037886A (ja) * | 2000-07-27 | 2002-02-06 | Hitachi Chemical Dupont Microsystems Ltd | ポリイミド及びその前駆体、感光性樹脂組成物、パターンの製造法並びに電子部品 |
JP2017073441A (ja) * | 2015-10-06 | 2017-04-13 | 日立化成株式会社 | 感光性封止樹脂組成物、それを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置 |
-
1997
- 1997-06-24 JP JP9167350A patent/JPH1115157A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002037886A (ja) * | 2000-07-27 | 2002-02-06 | Hitachi Chemical Dupont Microsystems Ltd | ポリイミド及びその前駆体、感光性樹脂組成物、パターンの製造法並びに電子部品 |
JP2017073441A (ja) * | 2015-10-06 | 2017-04-13 | 日立化成株式会社 | 感光性封止樹脂組成物、それを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置 |
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