JPH1115101A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH1115101A
JPH1115101A JP16379097A JP16379097A JPH1115101A JP H1115101 A JPH1115101 A JP H1115101A JP 16379097 A JP16379097 A JP 16379097A JP 16379097 A JP16379097 A JP 16379097A JP H1115101 A JPH1115101 A JP H1115101A
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silver halide
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gelatin
hardener
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JP16379097A
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Yoshinori Shimazaki
美紀 島崎
Hideo Ota
秀夫 太田
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、高温迅速処理時の膜物性の
劣化が改良され、さらに写真特性の安定性に優れたハロ
ゲン化銀写真感光材料を提供することにある。 【解決手段】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
銀乳剤層と少なくとも1層の保護層とを有するハロゲン
化銀写真感光材料において、水酸基を有するビニルスル
ホン系硬膜剤の少なくとも1種により硬膜された親水性
コロイド層、及び1分子中に3つ以上の官能基を有する
硬膜剤と親水性コロイド物質とをあらかじめ水溶液状で
反応させたものを含有してなる親水性コロイド層を有す
ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料に関し、詳しくは高温迅速処理においても写真特
性の安定性に優れ、現像液中での膨潤状態でも優れた膜
物性が得られるハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にハロゲン化銀写真感光材料はゼラ
チンなどの親水性コロイドをバインダーにして、ハロゲ
ン化銀乳剤がその中に含有されている。そして、一般に
ハロゲン化銀写真感光材料は湿式の現像を行うため、親
水性コロイドは硬膜剤により架橋されて、現像時に溶解
したりする。
【0003】硬膜剤による架橋度は、ハロゲン化銀の感
度にも影響を及ぼすため、硬膜剤は基本的性質として、
ハロゲン化乳剤に影響を与えないこと、更に特にカラー
写真感光材料は、複数の青感性層、緑感性層、赤感性層
を有した多層構造をとっているため、水への溶解度が高
く、親水性コロイド層内を均一に拡散する素材が望まれ
ている。ハロゲン化銀乳剤に影響が小さいものとして
は、ビニルスルホン系の化合物がよく知られており、例
えば、特開昭53−41221号、同61−12824
0号、同62−4275号では水溶性の高い化合物技術
が公開されている。特開昭53−57257号では、反
応性、水溶性、写真性能影響に優れた硬膜剤として、水
酸基を有するビニルスルホン系硬膜剤化合物技術が公開
されている。しかしながら、これらの硬膜剤に共通の欠
点として、水溶性が高いが故の現像液中での膜物性に劣
ることがあげられる。特に近年、写真感光材料は各所の
現像所での生産性向上の要求から、高温迅速処理が求め
られており、特に硬化された親水性コロイド層が高温迅
速処理に耐えられる強い膜を持つことが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は高温迅速処理時の膜物性の劣化が改良され、さら
に写真特性の安定性に優れたハロゲン化銀写真感光材料
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層と少なく
とも1層の保護層とを有するハロゲン化銀写真感光材料
において、水酸基を有するビニルスルホン系硬膜剤の少
なくとも1種により硬膜された親水性コロイド層、及び
1分子中に3つ以上の官能基を有する硬膜剤と親水性コ
ロイド物質とをあらかじめ水溶液状で反応させたものを
含有してなる親水性コロイド層を有することを特徴とす
るハロゲン化銀写真感光材料によって、達成された。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明において、水酸基を有するビニルス
ルホン系硬膜剤としては、下記一般式(1)で表される
ものが好ましい。
【0008】一般式(1) (CH2=CHSO2nA 〔式中、Aは少なくとも1個の水酸基を有するn価の基
を表し、nは2、3または4の整数を表す。〕 一般式(1)において、Aで表されるn価の基として
は、n価の炭素数1〜10の非環状炭化水素基、(窒素
原子、酸素原子または硫黄原子を含有する5または6員
の複素環基)、5または6員の脂環式基、または少なく
とも1種の7〜10の炭素原子を有するアラルキレン基
等である。非環状炭化水素基としては、1〜8の炭素原
子を有するアルキレン基が好ましい。Aで表されるそれ
ぞれの基は置換基を有してもよく、またはヘテロ原子
(例えば窒素原子、酸素原子および/または硫黄原
子)、カルボニル基、またはカルバミド基を介して相互
に結合してもよい。Aは、例えば、メトキシ基、エトキ
シ基等の炭素数1〜4を有するアルコキシ基、塩素原
子、臭素原子等のハロゲン原子、アセトキシ基等で置換
されていてもよい。
【0009】本発明の一般式(1)で表される硬膜剤の
具体的例示化合物を以下に挙げるが、これにより限定さ
れるものではない。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】本発明の一般式(1)で表される硬膜剤
は、例えば米国特許4,173,481号に記載と同様
の方法で得ることができる。
【0013】本発明の一般式(1)で表される硬膜剤
は、親水性コロイド1gに対し1〜25mg使用される
のが好ましく、2〜20mg使用されるのがより好まし
い。
【0014】本発明の親水性コロイドとしては、特にゼ
ラチンが好ましい。ゼラチンはアルカリ処理ゼラチン及
び酸処理ゼラチンのいずれも好ましく用いることができ
る。ゼラチンはカルシウムなどの塩を取り除いたものが
好ましく、カルシウムの濃度として100ppm以下、
好ましくは50ppm以下である。その他の親水性コロ
イドとしては、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、デキストランサルフェイ
トなどの水溶性ポリマーを挙げることができる。
【0015】親水性コロイド層にゼラチンを使用する場
合、該ゼラチンの量は2〜25g/m2が好ましく、3
〜20g/m2がより好ましい。
【0016】本発明の硬膜剤としては、一般式(1)で
表される硬膜剤の他に潜像安定性を損なわない範囲で他
の硬膜剤を加えても良い。例えば、他のビニルスルホン
系硬膜剤、カルボキシ活性型硬膜剤などが挙げられる
が、好ましくは下記一般式(2)で表される硬膜剤であ
る。
【0017】
【化3】
【0018】〔式中、Mは水素原子又はアルカリ金属原
子を表す。〕 一般式(2)において、Mとしては、Naが好ましい。
【0019】次に本発明において親水性コロイド層中に
含有される、「1分子中に3つ以上の官能基を有する硬
膜剤と親水性コロイド物質とをあらかじめ水溶液の状態
で反応させたもの」について説明する。
【0020】本発明において、前記「1分子中に3つ以
上の官能基を有する硬膜剤」とは、バインダーとして用
いられる親水性コロイド物質、とりわけゼラチン分子と
の反応点あるいはゼラチン分子同士を反応させる活性点
を1分子中に3つ以上有している化合物である。かかる
硬膜剤として有利に用いられる化合物としては、活性ビ
ニル基を有するもの、活性ハロゲンを有するもの等が挙
げられる。
【0021】3つ以上の活性ビニル基を有する硬膜剤と
しては、例えば、米国特許3,490,911号、特公
昭47−8796号、特開昭49−24435号、同5
1−44164号、同52−21059号等に記載され
ている化合物が挙げられる。活性ハロゲンを3つ以上有
する硬膜剤としては、例えば特開昭53−63062号
等に記載された化合物を挙げることができる。このう
ち、活性ビニル基を3つ以上有する好ましい硬膜剤とし
ては、アクリロイル基を3つ以上有する下記一般式〔II
−1〕で表される化合物群、あるいはビニルスルホニル
基を3つ以上有する下記一般式〔II−2〕及び一般式
〔II−3〕で表される化合物群が挙げられる。
【0022】 一般式〔II−1〕 R(COCH=CH2n 式中、Rはn価の有機残基(例えばNHで置換された脂
肪族残基、飽和複素環残基)、nは3以上の整数を表
す。
【0023】 一般式〔II−2〕 X(SOCH=CH2n 式中、Xはn′価の有機残基(例えば脂肪族、芳香族、
脂環族、飽和複素環残基)、n′は3以上の整数を表
す。
【0024】
【化4】
【0025】式中、R11及びR12は一方が水素を、他方
が水素又はメチル基を表す。Aは互いに同一であっても
異なっていてもよく、2価の結合基(例えば−NH−又
は−O−)又は単結合を表す。Bは窒素原子で中断され
ていてもよいm価の脂肪族残基、芳香族残基又は飽和複
素環基を表す。mは3又は4の整数を表す。
【0026】一方、活性ハロゲンを3つ以上有する好適
な硬膜剤としては、下記一般式〔II−4〕及び一般式
〔II−5〕で表される化合物群及び下記一般式〔II−
6〕で表される化合物のうち活性ハロゲンを3つ以上有
する化合物の部分加水分解物が挙げられる。また、その
他本発明に有利に用いられる本発明に係る硬膜剤として
は、例えば米国特許3,057,723号、同3,39
6,029号、同4,161,407号等に記載されて
いる高分子硬膜剤を挙げることができる。
【0027】
【化5】
【0028】式中、R13及びR14は水素原子又はアルキ
ル基、Yは炭素原子数2以上のアルキレン基、シクロア
ルキレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、フェニレ
ンオキシフェニレン基、−(CH2m1−N(R15)−
(CH2n1−基(R15は水素原子又はアルキル基、m1
及びn1は2又は3の整数を表す)又は
【0029】
【化6】
【0030】基、(R16及びR17は水素原子又はアルキ
ル基、m2及びn2は2又は3の整数を表す)を表す。
【0031】
【化7】
【0032】式中、R18,R19及びR20は水素原子又は
アルキル基、m3は2又は3の整数、n3は1又は2の整数
を表す。
【0033】
【化8】
【0034】式中、R21は水素原子又は有機残基、X′
は(m4n4)価の有機残基(例えばアルキレン基、フェ
ニレン基)、m4は0又は正の整数、n4は正の整数を表
し、m4n4≧2である。
【0035】以下、一般式〔II−1〕ないし〔II−6〕
で示される硬膜剤の代表的な具体例を挙げるがこれらに
限定されるものではない。
【0036】
【化9】
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】
【化13】
【0041】
【化14】
【0042】
【化15】
【0043】
【化16】
【0044】
【化17】
【0045】
【化18】
【0046】
【化19】
【0047】
【化20】
【0048】
【化21】
【0049】
【化22】
【0050】以上例記した硬膜剤のうち、水への溶解性
が悪いもの(ある種のビニルスルホン系硬膜剤にみられ
る)については、ビニルスルホン基と反応する基(例え
ばSH基、NH基、NH2基など)及び水溶性基(例え
ばOH基、COOH基、SO3H基、SO2H基、OSO
3H基あるいはこれらの塩)を持つ化合物と反応させ水
溶性を付与させることができる。これらビニルスルホン
基と反応する基及び水溶性基は、それぞれ分子構造中に
1つ又は2つ以上含まれていてもよい。本発明において
好ましく用いられる水溶性付与化合物を以下に挙げる。
【0051】 A−1 H2NCOONa A−2 H2NSO3K A−3 HSCH2COOH
【0052】
【化23】
【0053】
【化24】
【0054】
【化25】
【0055】前記硬膜剤(以下Hと称す)と水溶性付与
化合物(以下Aと称す)を反応させるには、Hの溶液に
Aの溶液を加え、室温で保存するか、あるいは加温すれ
ばよい。反応させるにあたり、Aの水溶性基として塩と
されていない基を用いる場合には、反応後更にアルカリ
と反応させて反応生成物中の水溶性基を塩の形に変えて
もよい。HとAの反応モル比は、Hのビニルスルホニル
基の数及びAの反応性基の数によって異なるが、一般に
M個のビニルスルホニル基を有するHに1個の反応性基
を有するAを反応させる場合には、H1モルに対しAを
0.5〜Mモルの割合で反応させるのがよく、特にH1
モルに対しAを1〜(M−2)モルの割合で反応させる
と望ましい特性を有する硬膜剤が得られる。また望まし
い反応量はAの反応性基の種類によっても異なるが、例
えば反応性基が−SH基又は=NH基の場合には前記の
如き反応量が望ましいが、反応性基が−NH2基の場合
にはそれらの1/2量を反応させるのが望ましい。Hと
Aの反応によって得られる反応生成物は、単独の化合物
である場合もあるが、一般に単独の化合物のみから成る
ものが得られない場合が多い。すなわち、例えばHのビ
ニルスルホニル基のいくつかがAの反応性基との反応に
より消滅したものを主体とし、これに若干の未反応のH
あるいは分子構造中の全てのビニルスルホニル基がAの
反応性基との反応により消滅したものを含有する混合物
の形で反応生成物が得られることが多い。本発明に係る
良好な水溶性硬膜剤としての効果は、Hのビニルスルホ
ニル基のいくつかがAの反応性基との反応により消滅し
たもの、とくにその分子構造中にビニルスルホニル基が
なお3つ以上残存しているものによって示されるものと
考えられるが、前記の如き少量の他の反応生成物が混在
しても、その作用効果には悪い影響を与えない。従って
反応生成物は必要に応じ、例えばクロマト法等により単
離してもよいが、実際に使用するにあたっては敢えて反
応生成物の主体のみを単離することなく、混合物として
の反応生成物をそのまま使用するのが望ましい。
【0056】なお、本発明で用いられる3つ以上の官能
基を持った硬膜剤は、単独又は併用して用いることがで
きる。
【0057】本発明に係る1分子中に3つ以上の官能基
を有する硬膜剤と反応させる親水性コロイド物質として
はゼラチンが主であるが、一部を変性したゼラチン等を
用いることができる。また更にそれらゼラチンの一部を
代え、アルブミン、寒天、アラビアゴム、アルギン酸、
カゼイン、部分加水分解セルロース誘導体、ポリビニル
アルコール、部分加水分解ポリ酢酸ビニル、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリルアミド、イミド化ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルピロリドン及びこれらビニル化合物の共
重合体を用いることもできる。
【0058】本発明において、特に好ましくは本発明に
係わる硬膜剤とゼラチン等をあらかじめ水溶液中で反応
させた後、乳剤層及び又は非感光性親水性コロイド層及
び又は保護層に添加する場合である。この場合の保護層
は支持体から最も遠く塗設されたハロゲン化銀乳剤の外
側に塗布された非感光性表面層を示し、複数層からなっ
ても良いが、1〜2層が好ましい。
【0059】本発明に係る、1分子中に3つ以上の官能
基を有する硬膜剤とゼラチン等をあらかじめ水溶液状で
反応させる態様は以下の通りである。
【0060】使用するゼラチン類は特に制限はされない
が、低分子量低粘度のゼラチンよりも高分子量高粘度の
ゼラチンの方が反応が進みやすい。反応条件はゼラチン
の種類に応じて反応温度、反応時間、ゼラチン水溶液の
濃度などでコントロールする。反応の際ゼラチン水溶液
のpHを中性〜僅酸性に保つことが必要で、これにより
酸性側では反応の進行が遅れ、pH8以上の塩基性側で
は増粘とゲル化が起こりフリーの官能基の減少により却
って硬膜剤としての能力を失う。
【0061】一般の写真用ゼラチンのうち、低粘度ゼラ
チンではゼラチン水溶液の濃度を約12〜20%に、中
粘度ゼラチンでは約8〜15%に高粘度ゼラチンでは約
6〜12%にして反応させるのが好ましく、反応は45
〜70℃で数分〜数時間かけて行うが、65℃前後で3
0〜60分反応させるのが効果的である。反応の終結は
40℃以下に温度を下げ、又は同時に水で希釈すること
によりなされる。
【0062】硬膜剤の使用量は反応に用いるゼラチンの
種類や硬化目的により異なるが、ゼラチン当たり約0.
1〜10%(重量比)が好ましい。
【0063】ゼラチン膜の硬化を促進させる方法として
いわゆるシーズニングと呼ばれている方法がある。即ち
一般にゼラチン等を硬化させる場合の硬化速度は湿度依
存性があり、低湿度になる程硬化速度は遅くなる。また
硬化速度は温度にも依存し、高温度程硬化速度は早くな
る。そこで塗布乾燥された感光材料を密閉容器中好まし
くはプラスチックシール中で、加熱状態好ましくは35
〜45℃で数日間好ましくは3〜6日間放置する。この
方法がシーズニングと呼ばれるもので、ゼラチン膜の硬
化を促進する方法として一般に広く用いられており、本
発明の実施においてもこれを採用できる。
【0064】本発明に使用されるハロゲン化銀は平板状
ハロゲン化銀であることが好ましい。これらの平板状ハ
ロゲン化銀は平均アスペクト比が5〜20であり、好ま
しくは8〜20である。また直径は0.3〜10ミクロ
ンが好ましく、さらには0.5〜5ミクロンが好まし
い。厚みは0.05〜1.5ミクロンが好ましい。
【0065】本発明において、ハロゲン化銀乳剤はリサ
ーチ・ディスクロージャーNo.308119(以下、
RD308119と略す)に記載されているものを用い
ることができる。
【0066】本発明において、ハロゲン化銀乳剤は物理
熟成、化学熟成及び分光増感を行ったものを使用するこ
とが好ましい。化学増感剤としては、硫黄増感剤、セレ
ン増感剤、テルル増感剤などを用いることができる。本
発明に使用できる写真用添加剤も上記RD308119
や、RD17643、RD18716等に記載されてい
る。
【0067】本発明には種々のカプラーを使用すること
ができ、その具体例も、上記リサーチ・ディスクロージ
ャーに記載されている。
【0068】本発明に使用する添加剤は、RD3081
19 XIVに記載されている分散法などにより、添加す
ることができ、前述RD17643 28頁、RD18
716 647〜8頁及びRD308119のXIXに記
載されている支持体を使用することができる。
【0069】本発明の感光材料には、前述RD3081
19VII−K項に記載されているフィルター層や中間層
等の補助層を設けることができ、順層、逆層、ユニット
構成等の様々な層構成をとることができる。
【0070】本発明は、一般用もしくは映画用のカラー
ネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反
転フィルム、カラーポジフィルムに代表される種々のカ
ラー感光材料に適用することができる。
【0071】これらのカラー感光材料は、乳剤層を有す
る側の全親水性コロイド層の膜厚の総和が24μm以下
であることが好ましく、20μm以下がより好ましく、
18μm以下が更に好ましい。又、膜膨張潤速度T1/2
は30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましい。
膜厚は25℃相対湿度55%調湿下(2hr)で測定し
た膜厚を意味し、膜膨張潤速度T1/2は、当該技術分野
において公知の手法に従って測定することができる。
【0072】膨張潤速度T1/2は、バインダーとしての
ゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時
条件を変えることによって調整することができる。又、
膨潤率は150〜400%が好ましい。膨潤率とは、先
に述べた条件下での最大膨潤膜厚から、(最大膨潤膜厚
−膜厚)/膜厚に従って計算できる。
【0073】カラー感光材料は、前述のRD17643
の28、29頁及びRD18716の615頁左欄〜右
欄に記載された通常の方法によって現像処理することが
できる。
【0074】カラー感光材料をロール状の形態で使用す
る場合には、カートリッジに収納した形態を取るのが好
ましい。カートリッジとして最も一般的なものは、現在
の135のフォーマットのパトローネである。その他、
実開昭58−67329号、特開昭58−181035
号、米国特許4,221,479号、特開平1−231
045号、同2−199451号、米国特許4,84
6,418号、同4,848,693号、同4,83
2,275号で提案されたカートリッジも使用できる。
【0075】又、1992年1月31日出願(八木敏彦
他)の「小型の写真用ロールフィルムパトローネとフィ
ルムカメラ」に本発明を適用することができる。
【0076】本発明において、化学増感をハロゲン化銀
吸着性化合物の存在下で施すと、本発明の効果が一層増
す。該ハロゲン化銀吸着性化合物としては、本発明の一
般式(1)の化合物を含む増感色素、カブリ防止剤及び
安定剤などが使用できる。
【0077】増感色素としては、シアニン色素、メロシ
アニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色
素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、ス
チリル色素、ヘミオキソノール色素、オキソノール、メ
ロスチリルおよびストレプトシアニンを含むポリメチン
染料を挙げることができる。
【0078】カブリ防止剤、安定剤としては、例えばテ
トラザインデン類、アゾール類、例えばベンゾチアゾリ
ウム塩、ニトロインダゾール類、ニトロベンズイミダゾ
ール類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイ
ミダゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベ
ンズイミダゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾト
リアゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプ
トテトラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプト
テトラゾール)など、またメルカプトピリミジン類、メ
ルカプトトリアジン類、例えばオキサゾリチオンのよう
なチオケト化合物、更にはベンゼンチオスルフィン酸、
ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフォン酸アミド、
ハイドロキノン誘導体、アミノフェノール誘導体、没食
子酸誘導体、アスコルビン酸誘導体を挙げることができ
る。
【0079】ハロゲン化銀溶剤共存下で増感を施すとし
ばしば良い結果が得られる。
【0080】用いられるハロゲン化銀溶剤としては、米
国特許3,271,157号、同3,531,2891
号、同3,574,628号、特開昭54−1019
号、同54−158917号等に記載された(a)有機
チオエーチル類、特開昭53−82408号、同55−
77737号、同55−2982号等に記載された
(b)チオ尿素誘導体、特開昭53−144319号に
記載された(c)酸素または硫黄原子と窒素原子とに挟
まれたチオカルボニル基を有するハロゲン化銀溶剤、特
開昭54−100717号に記載された(d)イミダゾ
ール類、(e)亜硫酸塩、(f)チオシアネート等が挙
げられる。
【0081】
【実施例】以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本
発明の実施の態様はこれに限定されない。
【0082】実施例1 120μmのセルローストリアセテート支持体の背面に
下記組成の各層を順次塗設した。
【0083】 第1層 アルミナゾルAS100(日産化学工業(株)製) 0.8g/m2 ジアセチルセルロース 1.5g/m2 第2層 ジアセチルセルロース 20mg/m2 SiO2微粒子(平均粒径3μm) 0.4mg/m2 第3層 カルナバワックス(融点83℃) 0.1g/m2 上記背面加工を施した支持体上に、ポリコ(酢酸ビニル
−無水マレイン酸)からなる下塗りを施し、その上に下
記組成の各層より成る多層カラー感光材料を塗布作成し
た。なお、添加剤の使用量は感光材料1m2当たりのグ
ラム数で示し、ハロゲン化銀乳剤及びコロイド銀は銀換
算値で示す。又、増感色素は同一層中に含まれるハロゲ
ン化銀1モル当たりのモル数で示した。
【0084】 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.15 紫外線吸収剤(UV−1) 0.30 高沸点溶媒(Oil−1) 0.16 ゼラチン 1.64 第2層:中間層 ゼラチン 0.80 第3層:低感度赤感性層 沃臭化銀乳剤A 0.44 沃臭化銀乳剤B 0.11 増感色素(SD−1) 2.6×10-5 増感色素(SD−2) 2.6×10-5 増感色素(SD−3) 3.1×10-4 増感色素(SD−4) 2.3×10-5 増感色素(SD−5) 2.8×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.35 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.065 化合物(GA−1) 2.0×10-3 高沸点溶媒(Oil−1) 0.33 ゼラチン 0.73 第4層:中感度赤感性層 沃臭化銀乳剤B 0.39 増感色素(SD−1) 1.3×10-4 増感色素(SD−2) 1.3×10−4 増感色素(SD−3) 2.5×10−4 増感色素(SD−4) 1.8×10-5 シアンカプラー(C−1) 0.24 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.040 DIR化合物(D−1) 0.025 化合物(GA−1) 1.0×10-3 高沸点溶媒(Oil−1) 0.30 ゼラチン 0.59 第5層:高感度赤感性層 沃臭化銀乳剤E 0.91 増感色素(SD−1) 8.5×10-5 増感色素(SD−2) 9.1×10-5 増感色素(SD−3) 1.7×10-4 増感色素(SD−4) 2.3×10-5 シアンカプラー(C−2) 0.10 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.014 DIR化合物(D−1) 7.5×10-3 化合物(GA−1) 1.4×10-3 高沸点溶媒(Oil−1) 0.12 ゼラチン 0.53 第6層:中間層 ゼラチン 1.14 第7層:低感度緑感性層 沃臭化銀乳剤B 0.32 沃臭化銀乳剤A 0.74 増感色素(SD−7) 5.5×10-4 増感色素(SD−1) 5.2×10-5 増感色素(SD−12) 4.8×10-5 マゼンタカプラー(M−1) 0.15 マゼンタカプラー(M−2) 0.37 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.20 DIR化合物(D−2) 0.020 化合物(GA−1) 4.0×10-3 高沸点溶媒(Oil−2) 0.65 ゼラチン 1.65 第8層:高感度緑感性層 沃臭化銀乳剤D 0.79 増感色素(SD−8) 1.4×10-4 増感色素(SD−9) 1.5×10-4 増感色素(SD−10) 1.4×10-4 増感色素(SD−12) 7.1×10-5 マゼンタカプラー(M−2) 0.065 マゼンタカプラー(M−3) 0.025 カラードマゼンタカプラー(CM−2) 0.025 DIR化合物(D−3) 7.0×10-4 化合物(GA−1) 1.8×10-3 高沸点溶媒(Oil−2) 0.15 ゼラチン 0.46 第9層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 0.10 化合物(SC−1) 0.14 化合物(FS−1) 0.20 高沸点溶媒(Oil−2) 0.18 ゼラチン 1.20 第10層:低感度青感性層 沃臭化銀乳剤B 0.17 沃臭化銀乳剤A 0.20 増感色素(SD−11) 5.4×10−4 増感色素(SD−12) 2.0×10−4 イエローカプラー(Y−1) 0.62 イエローカプラー(Y−2) 0.31 化合物(GA−1) 4.5×10-3 高沸点溶媒(Oil−2) 0.20 ゼラチン 1.27 第11層:高感度青感性層 沃臭化銀乳剤C 0.66 イエローカプラー(Y−1) 0.10 化合物(GA−1) 2.0×10-3 高沸点溶媒(Oil−2) 0.04 ゼラチン 0.57 第12層:第1保護層 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.04μm、沃化銀含有率4.0モル%) 0.30 紫外線吸収剤(UV−2) 0.030 紫外線吸収剤(UV−3) 0.015 紫外線吸収剤(UV−4) 0.015 紫外線吸収剤(UV−5) 0.015 紫外線吸収剤(UV−6) 0.10 化合物(FS−1) 0.25 高沸点溶媒 (Oil−1) 0.07 高沸点溶媒 (Oil−3) 0.07 ゼラチン 1.04 第13層:第2保護層 ポリコ(メチルメタクリレート−エチルメタクリレート−メタク リル酸)マット剤(平均粒径2μm) 0.15 ポリメチルメタクリレート(平均粒径3μm) 0.04 滑り剤(WAX−1) 0.04 フッ素系界面活性剤(F−1) 0.01 フッ素系界面活性剤(F−2) 0.01 ゼラチン 0.55 尚、上記の組成物の他に、塗布助剤Su−1、分散助剤
Su−2、粘度調整剤、染料AI−1,AI−2、安定
剤ST−1、カブリ防止剤AF−1,AF−2,AF−
3、及び防腐剤DI−1を適宜添加した。
【0085】上記試料の作成に用いた化合物の構造を以
下に示す。
【0086】
【化26】
【0087】
【化27】
【0088】
【化28】
【0089】
【化29】
【0090】
【化30】
【0091】
【化31】
【0092】
【化32】
【0093】
【化33】
【0094】
【化34】
【0095】上記試料に用いた乳剤は、下記の通りであ
る。尚、平均粒径は立方体に換算した粒径で示した。ま
た、各乳剤は、金、硫黄、セレン増感を最適に施した。
【0096】 乳剤名 平均AgI含有率 平均粒径 晶癖 直径/厚み比 (モル%) (μm) 沃臭化銀乳剤A 2.0 0.32 正常晶 1.0 沃臭化銀乳剤B 6.0 0.42 双晶平板 4.0 沃臭化銀乳剤C 8.0 0.70 双晶平板 5.0 沃臭化銀乳剤D 6.0 0.60 双晶平板 4.0 沃臭化銀乳剤E 6.0 0.54 双晶平板 4.0 この層構成を有する試料を同じ膨潤度になるように種々
の硬膜剤で架橋した試料101〜112を作成した。硬
膜剤の種類と量は表1に記す。更にこうして作成した試
料の第13層には本発明態様の前処理を施した。
【0097】本発明実施例において前処理とは、高度脱
イオン化しカルシウムイオンが50ppm以下である中
粘度ゼラチンの10%水溶液を硬膜剤とPH6.5、6
5℃で60分反応させ、硬膜剤官能基の一部をゼラチン
と反応せしめる手段をさし、これは本発明の手段の一例
である。
【0098】こうして得られた試料を40℃65%条件
下3日保存し、写真性能と湿潤時の膜物性を評価した。
湿潤時の膜物性として、スクラッチ試験を行った。
【0099】膨潤度は親水性コロイド1g当たりの38
℃3分間での吸水量を求め、下式で算出したものであ
る。
【0100】膨潤度=100+(吸水量/親水性コロイ
ド層重量)×100 本実施例では200±5に調整した。
【0101】こうして作成した試料の写真性能の評価は
下記のように行った。
【0102】(写真性能)試料に白色中性ウエッジ露光
を与え、後述の基準カラー現像処理を行った。現像処理
試料について、X−RITE社製の濃度計X−RITE
にて青色濃度を測定し、センシトメトリー曲線を得た。
感度は試料の最小濃度+0.5を与える露光量の逆数か
ら求めた。ブランク試料の感度を100とした相対感度
で示した。 (膜強度・スクラッチ試験法)試料を巾35mm、長さ
14cmの大きさに裁断し、38℃の発色現像液中に3
分間浸漬した後、直径0.5mmのサファイア針を膜面
に圧着し、5mm/secの速さで移動しながら針の荷
重を連続的に変化させ、膜が破壊されるときの荷重で表
した。
【0103】(処理変動・処理安定性)試料に白色中性
ウエッジ露光を与え、後述の基準カラー現像処理を行っ
た試料と、発色現像液のpHを水酸化ナトリウムを用い
て10.5に調整した以外は、後述の基準カラー現像処
理方法で処理を行った試料とについてそれぞれγ値を測
定し、下記式で求められる変動値Δγをもって処理変動
(処理安定性)を表すものとする。
【0104】変動値Δγ=pH10.5でのγ値/pH
10.1でのγ値 《基準カラー現像処理》 (処理工程) 処理工程 処理時間 処理温度 補充量* 発色現像 3分15秒 38±0.3℃ 780ml 漂 白 45秒 38±2.0℃ 150ml 定 着 1分30秒 38±2.0℃ 830ml 安 定 60秒 38±5.0℃ 830ml 乾 燥 1分 55±5.0℃ − *補充量は感光材料1m2当たりの値である。
【0105】発色現像液、漂白液、定着液、安定液及び
その補充液は、以下のものを使用した。
【0106】 (発色現像液) 水 800ml 炭酸カリウム 30g 炭酸水素ナトリウム 2.5g 亜硫酸カリウム 3.0g 臭化ナトリウム 1.3g 沃化カリウム 1.2mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5g 塩化ナトリウム 0.6g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシルエチル) アニリン硫酸塩 4.5g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水酸化カリウム 1.2g 水を加えて1lとし、水酸化カリウムまたは20%硫酸を用いてpH10.0 6に調整する。
【0107】 (発色現像補充液) 水 800ml 炭酸カリウム 35g 炭酸水素ナトリウム 3g 亜硫酸カリウム 5g 臭化ナトリウム 0.4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.1g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−ヒドロキシルエチル) アニリン硫酸塩 6.3g 水酸化カリウム 2g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水を加えて1lとし、水酸化カリウムまたは20%硫酸を用いてpH10.1 8に調整する。
【0108】 (漂白液) 水 700ml 1,3ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 125g エチレンジアミン四酢酸 2g 硝酸ナトリウム 40g 臭化アンモニウム 150g 氷酢酸 40g 水を加えて1lとし、アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4.4に調整する 。
【0109】 (漂白補充液) 水 700ml 1,3ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 175g エチレンジアミン四酢酸 2g 硝酸ナトリウム 50g 臭化アンモニウム 200g 氷酢酸 56g アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4.0に調整後水を加えて1lとする。
【0110】 (定着液) 水 800ml チオシアン酸アンモニウム 120g チオ硫酸アンモニウム 150g 亜硫酸ナトリウム 15g エチレンジアミン四酢酸 2g アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH6.2に調整後水を加えて1lとする。
【0111】 (定着補充液) 水 800ml チオシアン酸アンモニウム 150g チオ硫酸アンモニウム 180g 亜硫酸ナトリウム 20g エチレンジアミン四酢酸 2g アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH6.5に調整後水を加えて1lとする。
【0112】 (安定液及び安定補充液) 水 900ml C817−(C64)−O−(C24O)10H 2.0g ジメチロール尿素 0.5g ヘキサメチレンテトラミン 0.2g 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1g シロキサン(UCC製 L−77) 0.1g アンモニア水 0.5ml 水を加えて1lとした後、アンモニア水又は50%硫酸を用いてpH8.5に 調整する。
【0113】以上の結果を表1にまとめて示す。
【0114】
【表1】
【0115】
【化35】
【0116】表1からわかるように、試料101と10
3、106、109から本発明の硬膜剤は比較化合物に
比べて湿潤時の膜強度が強いことがわかった。また試料
102、104、107、110から本発明態様の前処
理を施すと更に膜強度が強くなることがわかった。これ
らの試料から、本発明態様の前処理を施すことによっ
て、湿潤時のスクラッチ膜強度が強くなり、本発明硬膜
剤との組み合わせによってさらに効果が倍増することが
わかった。また試料104と111、112からは一般
式(2)であらわされる硬膜剤と併用してもその効果は
変わらないことがわかる。また試料104、105から
本発明態様の前処理で添加する硬膜剤の添加量を半分に
減らした場合でも効果は変わらない。また試料107、
108から本発明態様の前処理の硬膜剤の種類を変えて
も効果は同じであることが判明した。以上のことから本
発明態様の前処理と本発明硬膜剤の組み合わせは、湿潤
時のスクラッチ膜強度が強い試料を得ることが出来、さ
らに得られた試料は膜が強くなることによる写真性能上
の変動も小さく、処理変動性においても写真特性の安定
した試料であることがわかった。
【0117】実施例2 実施例1で作成した試料を下記に示す支持体に変えた他
は、まったく同様にして感光材料を作成した。
【0118】磁気記録媒体の作成 《支持体の作成》2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメ
チル100重量部、エチレングリコール60重量部にエ
ステル交換触媒として酢酸カルシウム水和物0.1重量
部を添加し、常法に従ってエステル交換反応を行った。
得られた生成物に、三酸化アンチモン0.05重量部、
リン酸トリメチルエステル0.03重量部を添加した。
次いで徐々に昇温、減圧にし、290℃、0.05mm
Hgの条件で重合を行ない固有粘度0.60のポリエチ
レン−2,6−ナフタレートを得た。
【0119】これを、150℃で8時間真空乾燥した
後、300℃でTダイから層状に溶融押出し、50℃の
冷却ドラム上に静電印加しながら密着させ、冷却固化さ
せ、未延伸シートを得た。この未延伸シートをロール式
縦延伸機を用いて、135℃で縦方向に3.3倍延伸し
た。
【0120】得られた一軸延伸フィルムをテンター式横
延伸機を用いて、第一延伸ゾーン145℃で総横延伸倍
率の50%延伸し、更に第二延伸ゾーン155℃で総横
延伸倍率3.3倍となるように延伸した。次いで、10
0℃で2秒間熱処理し、更に第一熱固定ゾーン200℃
で5秒間熱固定し、第二熱固定ゾーン240℃で15秒
間熱固定した。次いで、横方向に5%弛緩処理しながら
室温まで30秒かけて徐冷して、厚さ85μmのポリエ
チレンナフタレートフィルムを得た。
【0121】これをステンレス製のコアに巻き付け、1
10℃で48時間熱処理(アニール処理)して支持体を
作成した。
【0122】この支持体の両面に12W/m2/min
のコロナ放電処理を施し、一方の面に下引塗布液B−1
を乾燥膜厚0.4μmになるように塗布し、その上に1
2W/m2/minのコロナ放電処理を施し、下引塗布
液B−2を乾燥膜厚0.06μmになるように塗布し
た。
【0123】12W/m2/minのコロナ放電処理を
施した他方の面には、下引塗布液B−3を乾燥膜厚0.
2μmになるように塗布し、その上に12W/m2/m
inのコロナ放電処理を施し、塗布液B−4を乾燥膜厚
0.2μmになるように塗布した。
【0124】各層はそれぞれ塗布後90℃で10秒間乾
燥し、4層塗布後引き続いて110℃で2分間熱処理を
行った後、50℃で30秒間冷却処理を行った。
【0125】 〈下引塗布液B−1〉 ブチルアクリレート30重量%,t−ブチルアクリレート20重量%, スチレン25重量%及び2−ヒドロキシエチルアクリレート25重量% の共重合体ラテックス液(固形分30%) 125g 化合物(UL−1) 0.4g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 0.05g 水で仕上げる 1000ml 〈下引塗布液B−2〉 スチレン−無水マレイン酸共重合体の水酸化ナトリウム水溶液 (固形分6%) 50g 化合物(UL−1) 0.6g 化合物(UL−2) 0.09g シリカ粒子(平均粒径3μ) 0.2g 水で仕上げる 1000ml 〈塗布液B−3〉 ブチルアクリレート30重量%、t−ブチルアクリレート20重量%、 スチレン25重量%及び2−ヒドロキシアクリレート25重量% の共重合体ラテックス液(固形分30%) 50g 化合物(UL−1) 0.3g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 1.1g 水で仕上げる 1000ml
【0126】
【化36】
【0127】〈塗布液B−4〉ジカルボン酸成分として
テレフタル酸ジメチル60モル%、イソフタル酸ジメチ
ル30モル%、5−スルホイソフタル酸ジメチルのナト
リム塩10モル%、グリコール成分としてエチレングリ
コール50モル%、ジエチレングリコール50モル%を
常法により共重合した。この共重合体を95℃の熱水中
で3時間撹拌し、15重量%の水分散液Aとした。
【0128】 酸化スズ−酸化アンチモン複合微粒子(平均粒径0.2μ)の 水分散液(固形分40重量%) 109g 水分散液A 67g 水で仕上げる 1000ml 《磁気記録層の塗設》前記下引処理支持体の下引層U−
4塗布液を塗設した層上に下記組成の磁気記録層塗布液
を精密イクストルージョンコーターを用い乾燥膜厚0.
8μmとなるように塗布し、乾燥と同時に塗膜が未乾の
うちに配向磁場中で塗布方向へ磁性体を配向させ、磁気
記録再生時の高出力化を図った。
【0129】 〔磁気記録層塗布液M−1の組成と調製〕 コバルト含有ガンマ酸化鉄 (平均長軸長0.12μm、短軸長0.015μm、 Fe2+/Fe3+=0.2、比表面積40m2/g、Hc=750Oe) 10重量部 アルミナ(α−Al23、平均粒径0.2μm) 3重量部 ジアセチルセルロース(帝人(株)製) 150重量部 ポリウレタン(N3132、日本ポリウレタン(株)製) 15重量部 ステアリン酸 2重量部 シクロヘキサノン 920重量部 アセトン 920重量部 上記を良く混合分散した後、サンドミルで分散後、ポリ
イソシアネートのコロネート−3041(日本ポリウレ
タン(株)製、固形分50%)を50重量部添加した
後、十分撹拌混合して磁性塗料M−1とした。
【0130】《潤滑層の塗設》前記磁気記録層の上にカ
ルナバワックスを0.1%含有するよう水/メタノール
混合溶液に分散した潤滑剤塗布液(下記ワックス液)を
調製し、該ワックスの付量が15mg/m2となるよう
に塗布した。ワックス塗布後の原反を100℃の熱処理
ゾーンに5分間通して乾かした後、40℃のオーブンで
5日間放置し、イソシアネートの架橋反応を充分に行っ
た。
【0131】(ワックス液の作成)90℃に加熱した水
100重量部にポリオキシエチレンラウリルエーテル4
重量部を混合し、別に90℃で熔融しておいたカルナバ
ワックス40重量部をこれに添加した後、高速撹拌式ホ
モジナイザーを用いて充分に撹拌し、カルナバワックス
の分散液(WAX1)を作成した。
【0132】次に水995重量部、メタノール900重
量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル10
0重量部を混合し、ここにWAX1を5重量部添加し、
撹拌してワックス液を作成した。
【0133】前記磁気記録媒体の、磁気記録層側とは反
対側に前記下引塗布液B−1及びB−2を同一条件で塗
設した下引層を設けた。
【0134】次に表2に示すように本発明の硬膜剤を変
え、更に前処理を施した層と前処理に使用した硬膜剤も
表2に示すように変えて試料201〜試料219まで作
成した。
【0135】こうして得られた試料を40℃65%条件
下で3日間保存し、写真性能と湿潤時の膜物性、さらに
圧力カブリと耐湿保存性を評価した。評価方法は写真性
能と湿潤時の膜物性は実施例1とまったく同じ方法で評
価した。圧力カブリと耐湿保存性の評価方法については
下記に示す。
【0136】(圧力カブリ)試料をR=5mmの曲率半
径を持つようにしてハロゲン化銀乳剤塗布面を内側にし
て180度まで折曲げたのち、実施例1のカラー現像処
理方法により現像処理を行った。得られた試料から、折
曲げるという応力によるカブリ部分の濃度の上昇巾を圧
力カブリ耐性として評価した。比較試料201の値を1
とした相対値で示した。
【0137】(耐湿保存性)試料を温度40℃、相対湿
度80%の雰囲気下に14日間保存したものと、23
℃、相対湿度55%の雰囲気下に同期間保存したものと
を実施例1のカラー現像処理方法によって現像処理を行
った。得られた試料のカブリ濃度を測定し比較すること
によって、耐湿保存性の評価を行った。カブリ濃度差は
下記式で表すものである。
【0138】カブリ濃度差ΔDmin=40℃80%D
min−23℃55%Dmin 以上の結果を表2に示す。
【0139】
【表2】
【0140】表2から明らかなように、実施例1の試料
101、102、104と実施例2の試料201、20
2、203を比較してわかるように、支持体を実施例1
から実施例2に変えたものも実施例1と同様に本発明の
効果を得ることができた。
【0141】また試料201と203、207、21
0、215から前処理を施す層としては保護層に限ら
ず、いずれの親水性コロイド層でも良い結果が得られる
ことがわかった。また試料204、205、208、2
13、214、216、217、218から本発明の態
様の前処理を施す層としては保護層1層に限らず、同時
に複数の親水性コロイド層でもよく、同等かそれ以上の
良い効果が得られることがわかった。また複数の親水性
コロイド層に前処理を施す場合に使用される硬膜剤は、
各層違う種類の硬膜剤でもまったく問題はなかった。ま
たいずれの水準も湿潤時の膜強度が強く、写真性能を取
り崩すことも無く、圧力カブリの濃度変化も小さく、さ
らには高湿下でのカブリ上昇までが改良されていること
がわかった。
【0142】
【発明の効果】上述の如く本発明のハロゲン化銀写真感
光材料の態様は湿潤時の膜物性に絶大な効果が得られた
だけでなく、圧力カブリも小さく、写真性能を取り崩す
ことも無く、発色現像処理液のpH変化に対して安定で
あり高温迅速処理に適したものであることがわかる。さ
らには耐湿保存性評価においても、高湿に対するカブリ
の上昇が改良されたハロゲン化銀写真感光材料である。
【0143】本発明により、高温迅速処理時の膜物性の
劣化が改良され、さらに写真特性の安定性に優れたハロ
ゲン化銀写真感光材料を提供することができた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層と少なくとも1層の保護層とを有するハロゲン
    化銀写真感光材料において、水酸基を有するビニルスル
    ホン系硬膜剤の少なくとも1種により硬膜された親水性
    コロイド層、及び1分子中に3つ以上の官能基を有する
    硬膜剤と親水性コロイド物質とをあらかじめ水溶液状で
    反応させたものを含有してなる親水性コロイド層を有す
    ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
JP16379097A 1997-06-20 1997-06-20 ハロゲン化銀写真感光材料 Pending JPH1115101A (ja)

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JP16379097A JPH1115101A (ja) 1997-06-20 1997-06-20 ハロゲン化銀写真感光材料

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