JPH11145765A - 圧電共振部品およびその製造方法 - Google Patents

圧電共振部品およびその製造方法

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JPH11145765A
JPH11145765A JP30824497A JP30824497A JPH11145765A JP H11145765 A JPH11145765 A JP H11145765A JP 30824497 A JP30824497 A JP 30824497A JP 30824497 A JP30824497 A JP 30824497A JP H11145765 A JPH11145765 A JP H11145765A
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JP
Japan
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ceramic layers
ceramic layer
ceramic
input
component
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JP30824497A
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English (en)
Inventor
Satoshi Ishino
聡 石野
Harufumi Bandai
治文 萬代
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 組立工程が不要で、高精度かつ高強度であ
り、小型化が可能な圧電共振部品を提供する。 【解決手段】 部品本体を、積層された複数のセラミッ
ク層12〜21を含む積層体を一体焼成して得られたも
ので構成し、その積層方向における中間部に圧電性を有
するセラミック層14〜17を配置することによって圧
電振動子を構成し、積層方向における両端部がケースと
して機能するようにする。圧電振動子のための励振用内
部電極26,27と部品本体22の外表面上に形成され
る入出力用端子電極31,32との各電気的接続のため
にビアホール接続部34,35を採用する。中間部のセ
ラミック層14〜17と両端部のセラミック層12,1
9〜21とを互いに異なる材料系で構成し、これら中間
部と両端部との各間に位置するセラミック層13,18
を熱挙動の差を緩和し得る材料系で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧電共振部品お
よびその製造方法に関するもので、特に、積層された複
数のセラミック層を含む積層体を一体焼成して部品本体
を備える圧電共振部品およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図7および図8には、それぞれ、この発
明にとって興味ある従来の圧電共振部品1および2が分
解した状態で斜視図で示されている。これら圧電共振部
品1および2は、ともに、予め用意された圧電振動子3
を備えている。この圧電振動子3を封止するため、図7
に示した圧電共振部品1では、容器状のケース本体4内
に圧電振動子3が収容され、ケース本体4の開口を閉じ
るように、蓋5がケース本体4に接着される。他方、図
8に示した圧電共振部品2では、基板6上に圧電振動子
3が装着され、この圧電振動子3を覆うように容器状の
キャップ7が基板6上に接着される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た図7に示した従来の圧電共振部品1は、圧電振動子3
とケース本体4と蓋5とをそれぞれ別体として用意し、
これら要素を組み立てることにより得られるものであ
る。同様に、図8に示した従来の圧電共振部品2は、圧
電振動子3と基板6とキャップ7とをそれぞれ別体とし
て用意し、これら要素を組み立てることにより得られる
ものである。
【0004】したがって、これら圧電共振部品1および
2は、組立時の各要素間の位置関係のばらつきや、封止
のための接着剤の付与態様のばらつきや、振動漏れ防止
用のダンパー材の付与態様のばらつきが生じやすく、そ
の結果、性能のばらつきが生じやすいという問題を有し
ている。そこで、この発明の目的は、上述したような課
題を解決しようとするもので、基本的に組立工程が不要
な圧電共振部品およびその製造方法を提供しようとする
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る圧電共振
部品は、上述した技術的課題を解決するため、次のよう
な構成を備えることを特徴としている。すなわち、この
発明に係る圧電共振部品は、積層された複数のセラミッ
ク層を含む積層体を一体焼成して得られた部品本体を備
えている。この部品本体を構成する複数のセラミック層
のうち、積層方向における中間部に位置するセラミック
層は圧電性を有している。また、積層方向における両端
部に位置するセラミック層は、中間部に位置するセラミ
ック層とは異なる材料系で構成され、さらに、積層方向
における両端部と中間部との各間には、これら両端部と
中間部との間の材料系の差異による熱挙動の差を緩和す
るためのセラミック層が位置されている。
【0006】また、積層方向における中間部に位置する
上述の圧電性を有するセラミック層の少なくとも一部を
挟むように、対をなす第1および第2の励振用内部電極
が部品本体の内部にそれぞれ形成され、それによって、
第1および第2の励振用内部電極によって挟まれた部分
が圧電振動子を構成するようにされるとともに、部品本
体の積層方向における両端部に位置するセラミック層が
当該圧電共振部品のケースとして機能するようにされ
る。
【0007】また、部品本体の外表面上には、上述の第
1および第2の励振用内部電極にそれぞれ電気的に接続
される第1および第2の入出力用端子電極が形成されて
いる。また、部品本体の内部には、第1および第2の励
振用内部電極と第1および第2の入出力用端子電極とを
それぞれ互いに電気的に接続するための第1および第2
の入出力用ビアホール接続部が特定のセラミック層を貫
通するように形成されている。
【0008】さらに、部品本体の内部には、圧電振動子
を積層方向に挟む第1および第2の振動許容用空洞がセ
ラミック層の延びる方向に沿ってそれぞれ形成されてい
る。この発明において、好ましくは、中間部に位置する
セラミック層は、チタン酸ジルコン酸鉛を含み、両端部
に位置するセラミック層は、コージライトを含み、両端
部と中間部との各間に位置するセラミック層は、チタン
酸ジルコン酸鉛とコージライトとを含んだもので構成さ
れる。
【0009】また、この発明に係る圧電共振部品は、上
述の圧電振動子と協働して発振回路を構成するための負
荷容量を形成する手段をさらに備えていてもよい。この
負荷容量形成手段は、好ましくは、部品本体の内部であ
って、圧電性を有するセラミック層が位置する中間部以
外の部分において、特定のセラミック層を挟んで対向す
る容量形成用電極をもって構成される。
【0010】また、この発明に係る一実施形態では、上
述の容量形成用電極は、第1の入出力用ビアホール接続
部に電気的に接続される第1の容量形成用電極と、第2
の入出力用ビアホール接続部に電気的に接続される第2
の容量形成用電極と、第1および第2の容量形成用電極
に共通に対向する第3の容量形成用電極とを含み、当該
圧電共振部品は、さらに、部品本体の外表面上に形成さ
れる第3の入出力用端子電極、および第3の容量形成用
電極と第3の入出力用端子電極とを互いに電気的に接続
するように特定のセラミック層を貫通して形成される第
3の入出力用ビアホール接続部を備える。
【0011】この発明は、また、上述したような圧電共
振部品の製造方法にも向けられる。この製造方法は、積
層された複数のセラミック層を含む積層体を一体焼成し
て上述したような部品本体を得る工程を含み、この部品
本体を得る工程は、圧電性を有するセラミック層を積層
方向における中間部に位置させ、中間部に位置するセラ
ミック層とは異なる材料系で構成されたセラミック層を
積層方向における両端部に位置させ、かつ、これら両端
部と中間部との間の熱収縮率の差を緩和するためのセラ
ミック層を積層方向における両端部と中間部との各間に
位置させた、積層体を用意する工程と、この積層体を一
体焼成する工程とを備える。
【0012】
【発明の実施の形態】図1ないし図5は、この発明の一
実施形態による圧電共振部品11を説明するためのもの
である。より詳細には、図1は、圧電共振部品11の外
観を上面側から示す斜視図であり、図2は、圧電共振部
品11の外観を下面側から示す斜視図であり、図3は、
図1の線III−IIIに沿う断面図であり、図4は、
図1の線IV−IVに沿う断面図であり、図5は、圧電
共振部品11に備える複数のセラミック層の代表的なも
のを互いに分離して示す斜視図である。
【0013】圧電共振部品11は、図5に示すように、
積層された複数のセラミック層12、13、14、1
5、16、17、18、19、20および21を含む積
層体を一体焼成して得られた、たとえば直方体状の部品
本体22を備えている。これら図示したセラミック層1
2〜21は、部品本体22を構成する複数のセラミック
層のうちの代表的なものであって、実際には、セラミッ
ク層12〜21の各間に、図示しないセラミック層が、
必要に応じて、後述する電気的接続を阻害しない態様で
介在することがある。
【0014】これら複数のセラミック層12〜21のう
ち、積層方向における中間部に位置するセラミック層1
4〜17は圧電性を有している。圧電性を有するセラミ
ック層14〜17は、ある実施例では、チタン酸ジルコ
ン酸鉛(PbZrTiO3 )をセラミック成分とするセ
ラミックグリーンシートを焼成することによって得られ
るもので、この焼成は、後述するように、生の積層体を
得た後に実施される一体焼成工程において達成される。
【0015】また、複数のセラミック層12〜21のう
ち、積層方向における両端部に位置するセラミック層1
2および19〜21は、上述した中間部に位置するセラ
ミック層14〜17とは異なる材料系で構成される。こ
れらセラミック層12および19〜21は、機械的強度
が比較的高く、また、誘電性を有していることが好まし
く、ある実施例では、コージライト(2MgO−2Al
2 3 −5SiO2 )にホウケイ酸鉛ガラスを約5%加
えたものをセラミック成分とするセラミックグリーンシ
ートを、後述する生の積層体の一体焼成工程において焼
成することによって得られるものである。
【0016】また、上述した積層方向における両端部と
中間部との各間に位置するセラミック層、すなわちセラ
ミック層13および18は、両端部と中間部との材料系
の差異による熱膨張または熱収縮のような熱挙動の差を
緩和し得る材料系で構成される。この場合、中間部に位
置するセラミック層14〜17のためのセラミックグリ
ーンシートが、前述のように、チタン酸ジルコン酸鉛を
セラミック成分とし、両端部に位置するセラミック層1
2および19〜21のためのセラミックグリーンシート
が、コージライト(2MgO−2Al2 3 −5SiO
2 )にホウケイ酸鉛ガラスを約5%加えたものをセラミ
ック成分としているとき、これら両端部と中間部との各
間に位置するセラミック層13および18のためのセラ
ミックグリーンシートは、コージライト50%およびチ
タン酸ジルコン酸鉛50%をセラミック成分とするよう
にすればよい。
【0017】積層方向における中間部に位置する圧電性
を有するセラミック層15および16上には、対をなす
第1および第2の励振用内部電極23および24がそれ
ぞれ形成される。これら第1および第2の励振用内部電
極23および24は、部品本体22の内部においてセラ
ミック層15を挟むような位置関係にあり、このように
挟まれた部分が、たとえば厚み縦振動モードの圧電振動
子25を構成する。
【0018】他方、部品本体22の積層方向における両
端部に位置する少なくともセラミック層12および21
は、この圧電共振部品1のケースとして機能する。な
お、ケースは、圧電振動子25を封止するとともに、圧
電共振部品1にとって必要な機械的強度を与えるための
ものであるので、部品本体22に含まれるセラミック層
12〜21のうち、ケースとして機能するものとそうで
ないものとを必ずしも明瞭に峻別できるものではない。
【0019】前述した励振用内部電極23および24と
は別に、対をなす第1および第2の分極用内部電極26
および27が形成される。第1および第2の分極用内部
電極26および27は、積層方向における中間部に位置
する圧電性を有するセラミック層14および17上にそ
れぞれ形成される。これら第1および第2の分極用内部
電極26および27は、部品本体22の内部においてセ
ラミック層14〜16を挟むような位置関係にある。
【0020】この実施形態では、圧電振動子25と協働
して発振回路を構成するための負荷容量が、圧電共振部
品11内、より具体的には、部品本体22の内部であっ
て、圧電性を有するセラミック層14〜17によって構
成される中間部以外の部分に形成される。この負荷容量
は、セラミック層19上において互いに独立して形成さ
れた第1および第2の容量形成用電極28および29と
セラミック層20上に形成された第3の容量形成用電極
30とによって与えられる。第3の容量形成用電極30
は、部品本体22の内部において、セラミック層19を
挟んで第1および第2の容量形成用電極28および29
に共通に対向する。
【0021】ある実施例において、セラミック層19お
よび20となる各セラミックグリーンシートは、厚み2
0μmとされる。部品本体22の外表面上であって、一
方の最外層のセラミック層21上には、第1の励振用内
部電極23および第1の容量形成用電極28の双方に電
気的に接続される第1の入出力用端子電極31、第2の
励振用内部電極24および第2の容量形成用電極29の
双方に電気的に接続される第2の入出力用端子電極3
2、ならびに第3の容量形成用電極30に電気的に接続
される第3の入出力用端子電極33が形成される。
【0022】上述した第1の励振用内部電極23および
第1の容量形成用電極28の双方と第1の入出力用端子
電極31との接続のため、第1の入出力用ビアホール接
続部34がセラミック層15〜21を貫通するように形
成される。また、第2の励振用内部電極24および第2
の容量形成用電極29の双方と第2の入出力用端子電極
32との接続のため、第2の入出力用ビアホール接続部
35がセラミック層16〜21を貫通するように形成さ
れる。また、第3の容量形成用電極30と第3の入出力
用端子電極33との接続のため、第3の入出力用ビアホ
ール接続部36がセラミック層20および21を貫通す
るように形成される。
【0023】他方、部品本体22の外表面上であって、
他方の最外層のセラミック層12上には、第1および第
2の分極用内部電極26および27にそれぞれ電気的に
接続される第1および第2の分極用端子電極37および
38が形成される。上述した第1の分極用内部電極26
と第1の分極用端子電極37との接続のため、第1の分
極用ビアホール接続部39がセラミック層12および1
3を貫通するように形成される。また、第2の分極用内
部電極27と第2の分極用端子電極38との接続のた
め、第2の分極用ビアホール接続部40がセラミック層
12〜16を貫通するように形成される。
【0024】なお、励振用内部電極23および24のよ
うな電極や入出力用ビアホール接続部34〜36のよう
なビアホール接続部の形成のため、導電材料としては、
たとえばAg/Pdを主成分とするものが用いられ、た
とえば印刷方法が適用される。また、励振用内部電極2
3および24のような電極は、たとえば1〜10μmの
厚みで形成される。
【0025】部品本体22の内部には、圧電振動子25
を積層方向に挟む第1および第2の振動許容用空洞41
および42がセラミック層12〜21の延びる方向に沿
ってそれぞれ形成されている。この実施形態では、第1
の振動許容用空洞41は、これに隣接するセラミック層
13の下面の一部をプレスすることによって形成された
窪みをもって与えられ、他方、第2の振動許容用空洞4
2は、これに隣接するセラミック層18の上面の一部を
プレスすることによって形成された窪みをもって与えら
れる。
【0026】ある実施例において、セラミック層13お
よび18となる各セラミックグリーンシートは、厚み2
5〜100μmとされ、振動許容用空洞41および42
の形成のため、これらセラミックグリーンシートに40
0〜1500kg/cm2 のプレスを付与することによ
り、深さ1〜25μmの窪みが形成される。なお、振動
許容用空洞41および42の形成のため、上述したよう
な窪みを特定のセラミック層13および18に形成する
方法による他、たとえばセラミック層13および18の
各一部を打ち抜く方法、あるいは、セラミック層13お
よび18の各一部上にカーボンペーストのような焼成時
に焼失し得る物質を付与しておき、後の焼成工程におい
て、この物質を焼失させて空洞41および42とする方
法によってもよい。
【0027】部品本体22には、外部から圧電振動子2
5の表面にまで達するように、たとえば第1の振動許容
用空洞41に連通する周波数調整用穴43が設けられて
いる。すなわち、周波数調整用穴43は、セラミック層
12および13を貫通するように設けられている。周波
数調整用穴43は、圧電振動子25の周波数を調整する
ために圧電振動子25の表面上に、図3に示すような質
量物体44を外部から付与するためのものである。な
お、図示の実施形態では、2つの周波数調整用穴43が
設けられたが、この数は任意である。
【0028】このような圧電共振部品1を得るため、図
5に示すようなセラミック層12〜21を含む複数のセ
ラミック層の各々となるべきセラミックグリーンシート
が用意される。セラミック層12〜21の各々の材料系
については、前述のように選ばれる。また、各セラミッ
クグリーンシートに対しては、図5に示す励振用内部電
極23および24、分極用内部電極26および27、容
量形成用電極28〜30、入出力用端子電極31〜3
3、入出力用ビアホール接続部34〜36、分極用端子
電極37および38、分極用ビアホール接続部39およ
び40、振動許容用空洞41および42、ならびに周波
数調整用穴43のそれぞれの形成のための工程が実施さ
れる。
【0029】次いで、圧電性を有するセラミック層14
〜17となるセラミックグリーンシートがまず積層さ
れ、プレスされた後、すべてのセラミック層12〜21
のためのセラミックグリーンシートが積層され、プレス
される。ある実施例では、これらプレス工程の各々にお
いて、1000〜1500kg/cm2 の圧力および40
〜80℃の温度が付与される。
【0030】このようにして得られた生の積層体は、次
いで、一体焼成工程に付される。ある実施例では、空気
雰囲気中において、1250℃の温度で焼成される。こ
の一体焼成工程において、積層方向における中間部と両
端部との各間に位置するセラミック層13および18
は、焼成時の不所望な成分拡散および熱挙動の差による
デラミネーションの発生を防止するように作用する。
【0031】次いで、焼成後の積層体の外表面上の第1
および第2の分極用端子電極37および38に電圧を印
加することによって、これら第1および第2の分極用端
子電極37および38に対して第1および第2の分極用
ビアホール接続部39および40を介して接続されてい
る第1および第2の分極用内部電極26および27間に
電界が印加され、それによって、第1および第2の分極
用内部電極26および27に挟まれた圧電性を有するセ
ラミック層14〜16が分極処理され、ここに圧電特性
が付与される。
【0032】このようにして、圧電共振部品11が完成
される。この圧電共振部品11は、第1および第2の励
振用内部電極23および24によって挟まれた部分によ
って圧電振動子25を構成する。この圧電振動子25の
ための第1および第2の励振用内部電極23および24
は、それぞれ、第1および第2の入出力用ビアホール接
続部34および35を介して第1および第2の入出力用
端子電極31および32間に引き出される。また、圧電
振動子25の振動は、第1および第2の振動許容用空洞
41および42によって許容される。
【0033】また、第1ないし第3の容量形成用電極2
8〜30によって形成された負荷容量は、第1および第
2の入出力用端子電極31および32の各々と第3の入
出力用端子電極33との間に挿入される。上述したよう
な圧電共振部品11の完成後において、圧電振動子25
の周波数調整を行なおうとするときには、図3に想像線
で示すように、質量物体44を吐出するためのノズル4
5が用意され、このノズル45が周波数調整用穴43に
挿入され、その状態で、ノズル45を通して質量物体4
4が吐出される。このようにして、圧電振動子25の表
面上に質量物体44が付与されることによって、圧電振
動子25の振動領域内の質量が変化し、その結果、圧電
振動子25の振動周波数が調整される。この操作は、所
望の周波数が得られるまで、実施される。なお、質量物
体44としては、たとえば、熱硬化性樹脂が有利に用い
られる。
【0034】図6は、この発明の他の実施形態による圧
電共振部品11aを説明するための図5に対応する図で
ある。なお、図6において、図5に示した要素に相当す
る要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略
する。図6を図5と対比したとき、セラミック層12
a、13a、14a、15a、16aおよび17aにお
いて異なり、セラミック層18〜21については同様で
あることがわかる。
【0035】これらの相違点のうち、セラミック層12
aおよび13aについては、周波数調整用穴43aの配
置態様が異なっているだけであり、本質的な相違ではな
い。他方、セラミック層14a〜17aについては、各
種電極およびビアホール接続部の形成態様が異なってい
る。より具体的には、積層方向における中間部に位置す
る圧電性を有するセラミック層14aおよび17a上に
は、対をなす第1および第2の励振用内部電極23aお
よび24aがそれぞれ形成される。これら第1および第
2の励振用内部電極23aおよび24aは、部品本体の
内部においてセラミック層14a〜16aを挟むような
位置関係にあり、このように挟まれた部分が、たとえば
厚み縦振動モードの圧電振動子を構成する。
【0036】上述した励振用内部電極23aおよび24
aとは別に、対をなす第1および第2の分極用内部電極
26aおよび27aが、積層方向における中間部に位置
する圧電性を有するセラミック層15aおよび16a上
にそれぞれ形成される。これら第1および第2の分極用
内部電極26aおよび27aは、部品本体の内部におい
てセラミック層15aを挟むような位置関係にある。
【0037】上述した第1の励振用内部電極23aおよ
び第1の容量形成用電極28の双方と第1の入出力用端
子電極31との接続のため、第1の入出力用ビアホール
接続部34aがセラミック層14a〜21を貫通するよ
うに形成される。また、第2の励振用内部電極24aお
よび第2の容量形成用電極29の双方と第2の入出力用
端子電極32との接続のため、第2の入出力用ビアホー
ル接続部35aがセラミック層17a〜21を貫通する
ように形成される。
【0038】他方、上述した第1の分極用内部電極26
aと第1の分極用端子電極37aとの接続のため、第1
の分極用ビアホール接続部39aがセラミック層12a
〜14aを貫通するように形成される。また、第2の分
極用内部電極27aと第2の分極用端子電極38aとの
接続のため、第2の分極用ビアホール接続部40aがセ
ラミック層12a〜15aを貫通するように形成され
る。
【0039】この実施形態においても、積層方向におけ
る中間部に位置するセラミック層14a〜17aが圧電
性を有し、たとえば、チタン酸ジルコン酸鉛(PbZr
TiO3 )をセラミック成分とするセラミックグリーン
シートを焼成することによって得られるものである。ま
た、積層方向における両端部に位置するセラミック層1
2aおよび19〜21は、上述した中間部に位置するセ
ラミック層14a〜17aとは異なる材料系、好ましく
は、機械的強度が高く、誘電性を有している材料系で構
成され、たとえば、コージライト(2MgO−2Al2
3 −5SiO2 )にホウケイ酸鉛ガラスを約5%加え
たものをセラミック成分とするセラミックグリーンシー
トを焼成することによって得られるものである。
【0040】また、上述した積層方向における両端部と
中間部との各間に位置するセラミック層、すなわちセラ
ミック層13aおよび18は、両端部と中間部との材料
系の差異による熱膨張または熱収縮のような熱挙動の差
を緩和し得る材料系で構成され、たとえば、コージライ
ト50%およびチタン酸ジルコン酸鉛50%をセラミッ
ク成分とするセラミックグリーンシートを焼成して得ら
れるものである。
【0041】その他の構成は、図5に示したものと実質
的に同様である。ここで、励振用内部電極と分極用内部
電極との位置関係に注目すると、図5に示した構成で
は、第1および第2の励振用内部電極23および24を
挟むように、第1および第2の分極用内部電極26およ
び27が位置されているので、圧電振動子25は、第1
および第2の励振用内部電極23および24間の厚み縦
方向の基本波を利用するものである。これに対して、図
6に示した構成では、第1および第2の分極用内部電極
26aおよび27aを挟むように、第1および第2の励
振用内部電極23aおよび24aが位置されている。こ
の位置関係において、セラミック層14a、15aおよ
び16aが、互いに同じ厚みを有し、したがって、第1
の励振用内部電極23aと第1の分極用内部電極26a
と第2の分極用内部電極27aと第2の励振用内部電極
24aとの各間の距離が互いに等しく設定されている
と、厚み縦方向の3倍波を利用する圧電振動子を構成す
ることができる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、部品
本体が、積層された複数のセラミック層を含む積層体を
一体焼成して得られたものであり、この部品本体の積層
方向における中間部が圧電振動子を構成し、積層方向に
おける両端部がケースとして機能するようにされている
ので、従来のような接着剤の付与等による圧電振動子の
封止工程を含む圧電振動子とケースとの組立工程が不要
となり、そのため、組立に起因する各要素の位置関係の
ばらつきや、封止のための接着剤の付与態様のばらつき
や、振動漏れ防止用のダンパー材の付与態様のばらつき
等の生じる余地がない。また、圧電振動子からの振動漏
れも良好に抑制された構造とすることができる。
【0043】このようなことから、高精度な圧電共振部
品を得ることができるとともに、圧電共振部品の強度を
高めることができる。特に、部品本体を構成する複数の
セラミック層のうち、積層方向における中間部に位置す
るセラミック層は圧電性を有し、また、積層方向におけ
る両端部に位置するセラミック層は、中間部に位置する
セラミック層とは異なる材料系で構成されながらも、積
層方向における両端部と中間部との各間には、これら両
端部と中間部との間の材料系の差異による熱挙動の差を
緩和するためのセラミック層が位置されているので、各
セラミック層間の強度を高めることができる。
【0044】また、この発明によれば、圧電共振部品を
得るための工程数を削減することができる。また、少な
くとも圧電振動子の励振のための第1および第2の励振
用内部電極と部品本体の外表面上に形成される第1およ
び第2の入出力用端子電極との各電気的接続のため、な
らびに、圧電振動子を構成する圧電性セラミックを分極
処理するための第1および第2の分極用内部電極と部品
本体の外表面上に形成される第1および第2の分極用端
子電極との各電気的接続のために、ビアホール接続部が
それぞれ採用されているので、設計の自由度が上がり、
また、圧電共振部品の小型化を可能にする。
【0045】この発明において、中間部に位置するセラ
ミック層が、チタン酸ジルコン酸鉛を含み、かつ両端部
に位置するセラミック層が、コージライトを含むとき、
両端部と中間部との各間に位置するセラミック層が、チ
タン酸ジルコン酸鉛とコージライトとを含んだもので構
成されると、当該セラミック層によって、上述したよう
な機能を有利に働かせることができる。
【0046】この発明に係る圧電共振部品が、その部品
本体の内部であって、圧電性を有するセラミック層が位
置する中間部以外の部分において、特定のセラミック層
を挟んで対向する容量形成用電極を含む負荷容量形成手
段をさらに備えるとき、上述の圧電振動子と協働して発
振回路を構成することができる。このとき、容量形成用
電極は、圧電性を有するセラミック層とは異なる材料系
で構成されたセラミック層を介して対向するように配置
されるので、このセラミック層を比較的高誘電率のセラ
ミックで構成することにより、比較的大きな負荷容量を
与えることができる。
【0047】また、上述の容量形成用電極が、第1の容
量形成用電極と第2の容量形成用電極と第1および第2
の容量形成用電極に共通に対向する第3の容量形成用電
極とを備えているとき、第1の容量形成用電極が、第1
の励振用内部電極と第1の入出力用端子電極との接続の
ための第1の入出力用ビアホール接続部に接続され、第
2の容量形成用電極が、第2の励振用内部電極と第2の
入出力用端子電極との接続のための第2の入出力用ビア
ホール接続部に接続され、さらに、部品本体の外表面上
に形成される第3の入出力用端子電極と第3の容量形成
用電極とを、第3の入出力用ビアホール接続部によって
互いに接続するようにすると、前述した効果を保有しな
がら、発振回路を与え得る圧電共振部品を構成すること
ができる。
【0048】また、特に、この発明に係る圧電共振部品
の製造方法によれば、焼成されるべき積層体において、
圧電性を有するセラミック層を積層方向における中間部
に位置させ、中間部に位置するセラミック層とは異なる
材料系で構成されたセラミック層を積層方向における両
端部に位置させ、かつ、これら両端部と中間部との間の
熱収縮率の差を緩和するためのセラミック層を積層方向
における両端部と中間部との各間に位置させているの
で、積層体の一体焼成工程において、不所望な成分拡散
および熱挙動の差によるデラミネーションの発生を防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による圧電共振部品11
の外観をその上面側から示す斜視図である。
【図2】図1に示した圧電共振部品11の外観をその下
面側から示す斜視図である。
【図3】図1の線III−IIIに沿う断面図である。
【図4】図1の線IV−IVに沿う断面図である。
【図5】図1に示した圧電共振部品11に備える代表的
なセラミック層12〜21を互いに分離して示す斜視図
である。
【図6】この発明の他の実施形態による圧電共振部品1
1aに備える代表的なセラミック層12a〜21を互い
に分離して示す、図5に相当する斜視図である。
【図7】この発明にとって興味ある従来の圧電共振部品
1を分解して示す斜視図である。
【図8】この発明にとって興味ある他の従来の圧電共振
部品2を分解して示す斜視図である。
【符号の説明】
11,11a 圧電共振部品 12,19〜21,12a 積層方向における両端部に
位置するセラミック層 14〜17,14a〜17a 積層方向における中間部
に位置する圧電性を有するセラミック層 13,18,13a,18a 両端部と中間部との各間
に位置するセラミック層 22 部品本体 23,23a 第1の励振用内部電極 24,24a 第2の励振用内部電極 25 圧電振動子 31 第1の入出力用端子電極 32 第2の入出力用端子電極 34,34a 第1の入出力用ビアホール接続部 35,35a 第2の入出力用ビアホール接続部 41 第1の振動許容用空洞 42 第2の振動許容用空洞

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層された複数のセラミック層を含む積
    層体を一体焼成して得られた部品本体を備え、 前記部品本体を構成する前記複数のセラミック層のう
    ち、積層方向における中間部に位置するセラミック層は
    圧電性を有し、かつ、積層方向における両端部に位置す
    るセラミック層は、前記中間部に位置するセラミック層
    とは異なる材料系で構成され、さらに、積層方向におけ
    る前記両端部と前記中間部との各間には、これら両端部
    と中間部との間の材料系の差異による熱挙動の差を緩和
    するためのセラミック層が位置され、 前記圧電性を有するセラミック層の少なくとも一部を挟
    むように、対をなす第1および第2の励振用内部電極が
    前記部品本体の内部にそれぞれ形成され、それによっ
    て、前記第1および第2の励振用内部電極によって挟ま
    れた部分が圧電振動子を構成するようにされるととも
    に、前記部品本体の積層方向における両端部に位置する
    前記セラミック層が当該圧電共振部品のケースとして機
    能するようにされ、 前記部品本体の外表面上には、前記第1および第2の励
    振用内部電極にそれぞれ電気的に接続される第1および
    第2の入出力用端子電極が形成され、 前記部品本体の内部には、前記第1および第2の励振用
    内部電極と前記第1および第2の入出力用端子電極とを
    それぞれ互いに電気的に接続するための第1および第2
    の入出力用ビアホール接続部が特定の前記セラミック層
    を貫通するように形成され、さらに、 前記部品本体の内部には、前記圧電振動子を積層方向に
    挟む第1および第2の振動許容用空洞が前記セラミック
    層の延びる方向に沿ってそれぞれ形成されている、圧電
    共振部品。
  2. 【請求項2】 前記中間部に位置するセラミック層は、
    チタン酸ジルコン酸鉛を含み、前記両端部に位置するセ
    ラミック層は、コージライトを含み、前記両端部と前記
    中間部との各間に位置するセラミック層は、チタン酸ジ
    ルコン酸鉛とコージライトとを含む、請求項1に記載の
    圧電共振部品。
  3. 【請求項3】 前記圧電振動子と協働して発振回路を構
    成するための負荷容量を形成する手段をさらに備え、前
    記負荷容量形成手段は、前記部品本体の内部であって、
    圧電性を有する前記セラミック層が位置する前記中間部
    以外の部分において、特定の前記セラミック層を挟んで
    対向する容量形成用電極を含む、請求項1または2に記
    載の圧電共振部品。
  4. 【請求項4】 前記容量形成用電極は、前記第1の入出
    力用ビアホール接続部に電気的に接続される第1の容量
    形成用電極と、前記第2の入出力用ビアホール接続部に
    電気的に接続される第2の容量形成用電極と、前記第1
    および第2の容量形成用電極に共通に対向する第3の容
    量形成用電極とを含み、当該圧電共振部品は、さらに、
    前記部品本体の外表面上に形成される第3の入出力用端
    子電極、および前記第3の容量形成用電極と前記第3の
    入出力用端子電極とを互いに電気的に接続するように特
    定の前記セラミック層を貫通して形成される第3の入出
    力用ビアホール接続部を備える、請求項3に記載の圧電
    共振部品。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の圧
    電共振部品の製造方法であって、 前記積層された複数のセラミック層を含む積層体を一体
    焼成して部品本体を得る工程を含み、 前記部品本体を得る工程は、 圧電性を有するセラミック層を積層方向における中間部
    に位置させ、前記中間部に位置するセラミック層とは異
    なる材料系で構成されたセラミック層を積層方向におけ
    る両端部に位置させ、かつ、これら両端部と中間部との
    間の熱収縮率の差を緩和するためのセラミック層を積層
    方向における前記両端部と前記中間部との各間に位置さ
    せた、積層体を用意し、 前記積層体を一体焼成する、各工程を備える、圧電共振
    部品の製造方法。
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