JPH11145753A - 圧電共振部品の製造方法 - Google Patents

圧電共振部品の製造方法

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JPH11145753A
JPH11145753A JP30824597A JP30824597A JPH11145753A JP H11145753 A JPH11145753 A JP H11145753A JP 30824597 A JP30824597 A JP 30824597A JP 30824597 A JP30824597 A JP 30824597A JP H11145753 A JPH11145753 A JP H11145753A
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ceramic layer
input
ceramic
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JP30824597A
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Satoshi Ishino
聡 石野
Takeshi Saito
毅 斉藤
Harufumi Bandai
治文 萬代
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組立工程が不要で、高精度かつ高強度であ
り、小型化が可能な圧電共振部品の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 積層された複数のセラミック層12〜2
1を含む積層体を一体焼成して得られた部品本体を製造
しようとするとき、その積層方向における中間部に圧電
性を有するセラミック層14〜17を用いて圧電振動子
を構成し、積層方向における両端部がケースとして機能
するようにしながら、圧電振動子の振動を許容するため
の振動許容用空洞41,42を形成するため、これに隣
接するセラミック層13,18の一部をプレスしてこと
によって窪みを形成しておく。また、圧電振動子のため
の励振用内部電極23,24と部品本体の外表面上に形
成される入出力用端子電極31,32との各電気的接続
のためにビアホール接続部34,35を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧電共振部品の
製造方法に関するもので、特に、圧電共振部品に備える
圧電振動子の振動を許容するための空間の形成方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図7および図8には、それぞれ、この発
明にとって興味ある従来の圧電共振部品1および2が分
解した状態で斜視図で示されている。これら圧電共振部
品1および2は、ともに、予め用意された圧電振動子3
を備えている。この圧電振動子3を封止するため、図7
に示した圧電共振部品1では、容器状のケース本体4内
に圧電振動子3が収容され、ケース本体4の開口を閉じ
るように、蓋5がケース本体4に接着される。他方、図
8に示した圧電共振部品2では、基板6上に圧電振動子
3が装着され、この圧電振動子3を覆うように容器状の
キャップ7が基板6上に接着される。
【0003】なお、圧電振動子3は、図7および図8の
いずれの構造によって封止される場合であっても、封止
状態において、振動を許容するための空間がその周囲に
形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た図7に示した従来の圧電共振部品1は、圧電振動子3
とケース本体4と蓋5とをそれぞれ別体として用意し、
これら要素を組み立てることにより得られるものであ
る。同様に、図8に示した従来の圧電共振部品2は、圧
電振動子3と基板6とキャップ7とをそれぞれ別体とし
て用意し、これら要素を組み立てることにより得られる
ものである。
【0005】したがって、これら圧電共振部品1および
2は、組立時の各要素間の位置関係のばらつきや、封止
のための接着剤の付与態様のばらつきや、振動漏れ防止
用のダンパー材の付与態様のばらつきが生じやすく、そ
の結果、性能のばらつきが生じやすいという問題を有し
ている。そこで、この発明の目的は、上述したような課
題を解決し得る圧電共振部品の製造方法を提供しようと
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題を解
決するため、この発明に係る製造方法は、次のような構
成を備える圧電共振部品の製造に向けられる。すなわ
ち、この圧電共振部品は、積層された複数のセラミック
層を含む積層体を一体焼成して得られた部品本体を備え
ている。この部品本体を構成する複数のセラミック層の
うち、積層方向における少なくとも中間部に位置するセ
ラミック層は圧電性を有している。
【0007】また、積層方向における中間部に位置する
上述の圧電性を有するセラミック層の少なくとも一部を
挟むように、対をなす第1および第2の励振用内部電極
が部品本体の内部にそれぞれ形成され、それによって、
第1および第2の励振用内部電極によって挟まれた部分
が圧電振動子を構成するようにされるとともに、部品本
体の積層方向における両端部に位置するセラミック層が
当該圧電共振部品のケースとして機能するようにされ
る。
【0008】また、部品本体の外表面上には、上述の第
1および第2の励振用内部電極にそれぞれ電気的に接続
される第1および第2の入出力用端子電極が形成され、
他方、部品本体の内部には、第1および第2の励振用内
部電極と第1および第2の入出力用端子電極とをそれぞ
れ互いに電気的に接続するための第1および第2の入出
力用ビアホール接続部が特定のセラミック層を貫通する
ように形成されている。
【0009】また、部品本体の内部には、圧電振動子を
積層方向に挟む第1および第2の振動許容用空洞がセラ
ミック層の延びる方向に沿ってそれぞれ形成されてい
る。このような構成の圧電共振部品を製造するため、こ
の発明は、次のような構成を備えることを特徴としてい
る。すなわち、この発明に係る圧電振動子の製造方法
は、積層された複数のセラミック層を含む積層体を一体
焼成して上述のような部品本体を得る工程を含み、この
部品本体を得る工程は、第1および第2の振動許容用空
洞にそれぞれ隣接するセラミック層の各一部をプレスす
ることによって、上述の第1および第2の振動許容用空
洞となるべき窪みを形成する工程と、窪みが形成された
セラミック層を含む複数のセラミック層を積層して積層
体を得る工程と、この積層体を一体焼成する工程とを備
えている。
【0010】
【発明の実施の形態】図1ないし図5は、この発明の一
実施形態による製造方法およびこの製造方法によって得
られる圧電共振部品11を説明するためのものである。
より詳細には、図1は、圧電共振部品11の外観を上面
側から示す斜視図であり、図2は、圧電共振部品11の
外観を下面側から示す斜視図であり、図3は、図1の線
III−IIIに沿う断面図であり、図4は、図1の線
IV−IVに沿う断面図であり、図5は、圧電共振部品
11に備える複数のセラミック層の代表的なものを互い
に分離して示す斜視図である。
【0011】圧電共振部品11は、図5に示すように、
積層された複数のセラミック層12、13、14、1
5、16、17、18、19、20および21を含む積
層体を一体焼成して得られた、たとえば直方体状の部品
本体22を備えている。これら図示したセラミック層1
2〜21は、部品本体22を構成する複数のセラミック
層のうちの代表的なものであって、実際には、セラミッ
ク層12〜21の各間に、図示しないセラミック層が、
必要に応じて、後述する電気的接続を阻害しない態様で
介在することがある。
【0012】これら複数のセラミック層12〜21のう
ち、積層方向における中間部に位置するセラミック層1
4〜17は圧電性を有している。圧電性を有するセラミ
ック層14〜17は、ある実施例では、チタン酸ジルコ
ン酸鉛(PbZrTiO3 )をセラミック成分とするセ
ラミックグリーンシートを焼成することによって得られ
るもので、この焼成は、後述するように、生の積層体を
得た後に実施される一体焼成工程において達成される。
【0013】また、複数のセラミック層12〜21のう
ち、積層方向における両端部に位置するセラミック層1
2および13ならびに18〜21は、上述した中間部に
位置するセラミック層14〜17とは異なる材料系で構
成される。これらセラミック層12および13ならびに
18〜21は、機械的強度が比較的高く、また、誘電性
を有していることが好ましく、ある実施例では、Ba、
Al2 3 およびSiO2 を主成分とするものにB4
を0.4%程度添加したものをセラミック成分とするセ
ラミックグリーンシートを、後述する生の積層体の一体
焼成工程において焼成することによって得られるもので
ある。
【0014】また、積層方向における両端部と中間部と
の各間に位置するセラミック層、たとえばセラミック層
13および18は、両端部と中間部との材料系の差異に
よる熱膨張または熱収縮のような熱挙動の差を緩和し得
る材料系で構成されてもよい。この場合、中間部に位置
するセラミック層14〜17のためのセラミックグリー
ンシートが、前述のように、チタン酸ジルコン酸鉛をセ
ラミック成分とするとき、たとえば、両端部に位置する
セラミック層12および19〜21のためのセラミック
グリーンシートは、コージライト(2MgO−2Al2
3 −5SiO 2 )にホウケイ酸鉛ガラスを約5%加え
たものをセラミック成分とし、これら両端部と中間部と
の各間に位置するセラミック層13および18のための
セラミックグリーンシートは、コージライト50%およ
びチタン酸ジルコン酸鉛50%をセラミック成分とする
ようにすればよい。
【0015】なお、セラミック層12〜21は、すべ
て、圧電性を有する同じ材料系で構成されてもよい。積
層方向における中間部に位置する圧電性を有するセラミ
ック層15および16上には、対をなす第1および第2
の励振用内部電極23および24がそれぞれ形成され
る。これら第1および第2の励振用内部電極23および
24は、部品本体22の内部においてセラミック層15
を挟むような位置関係にあり、このように挟まれた部分
が、たとえば厚み縦振動モードの圧電振動子25を構成
する。
【0016】他方、部品本体22の積層方向における両
端部に位置する少なくともセラミック層12および21
は、この圧電共振部品1のケースとして機能する。な
お、ケースは、圧電振動子25を封止するとともに、圧
電共振部品1にとって必要な機械的強度を与えるための
ものであるので、部品本体22に含まれるセラミック層
12〜21のうち、ケースとして機能するものとそうで
ないものとを必ずしも明瞭に峻別できるものではない。
【0017】前述した励振用内部電極23および24と
は別に、対をなす第1および第2の分極用内部電極26
および27が形成される。第1および第2の分極用内部
電極26および27は、積層方向における中間部に位置
する圧電性を有するセラミック層14および17上にそ
れぞれ形成される。これら第1および第2の分極用内部
電極26および27は、部品本体22の内部においてセ
ラミック層14〜16を挟むような位置関係にある。
【0018】この実施形態では、圧電振動子25と協働
して発振回路を構成するための負荷容量が圧電共振部品
11内に形成される。この負荷容量は、セラミック層1
9上において互いに独立して形成された第1および第2
の容量形成用電極28および29とセラミック層20上
に形成された第3の容量形成用電極30とによって与え
られる。第3の容量形成用電極30は、部品本体22の
内部において、セラミック層19を挟んで第1および第
2の容量形成用電極28および29に共通に対向する。
【0019】ある実施例において、セラミック層19お
よび20となる各セラミックグリーンシートは、厚み2
0μmとされる。部品本体22の外表面上であって、一
方の最外層のセラミック層21上には、第1の励振用内
部電極23および第1の容量形成用電極28の双方に電
気的に接続される第1の入出力用端子電極31、第2の
励振用内部電極24および第2の容量形成用電極29の
双方に電気的に接続される第2の入出力用端子電極3
2、ならびに第3の容量形成用電極30に電気的に接続
される第3の入出力用端子電極33が形成される。
【0020】上述した第1の励振用内部電極23および
第1の容量形成用電極28の双方と第1の入出力用端子
電極31との接続のため、第1の入出力用ビアホール接
続部34がセラミック層15〜21を貫通するように形
成される。また、第2の励振用内部電極24および第2
の容量形成用電極29の双方と第2の入出力用端子電極
32との接続のため、第2の入出力用ビアホール接続部
35がセラミック層16〜21を貫通するように形成さ
れる。また、第3の容量形成用電極30と第3の入出力
用端子電極33との接続のため、第3の入出力用ビアホ
ール接続部36がセラミック層20および21を貫通す
るように形成される。
【0021】他方、部品本体22の外表面上であって、
他方の最外層のセラミック層12上には、第1および第
2の分極用内部電極26および27にそれぞれ電気的に
接続される第1および第2の分極用端子電極37および
38が形成される。上述した第1の分極用内部電極26
と第1の分極用端子電極37との接続のため、第1の分
極用ビアホール接続部39がセラミック層12および1
3を貫通するように形成される。また、第2の分極用内
部電極27と第2の分極用端子電極38との接続のた
め、第2の分極用ビアホール接続部40がセラミック層
12〜16を貫通するように形成される。
【0022】なお、励振用内部電極23および24のよ
うな電極や入出力用ビアホール接続部34〜36のよう
なビアホール接続部の形成のため、導電材料としては、
たとえばAg/Pdを主成分とするものが用いられ、た
とえば印刷方法が適用される。また、励振用内部電極2
3および24のような電極は、たとえば1〜10μmの
厚みで形成される。
【0023】部品本体22の内部には、圧電振動子25
を積層方向に挟む第1および第2の振動許容用空洞41
および42がセラミック層12〜21の延びる方向に沿
ってそれぞれ形成されている。第1の振動許容用空洞4
1は、これに隣接するセラミック層13の下面の一部を
プレスすることによって形成された窪みをもって与えら
れ、他方、第2の振動許容用空洞42は、これに隣接す
るセラミック層18の上面の一部をプレスすることによ
って形成された窪みをもって与えられる。
【0024】ある実施例において、セラミック層13お
よび18となる各セラミックグリーンシートは、厚み2
5〜100μmとされ、振動許容用空洞41および42
の形成のため、これらセラミックグリーンシートに40
0〜1500kg/cm2 のプレスを付与することによ
り、深さ1〜25μmの窪みが形成される。部品本体2
2には、外部から圧電振動子25の表面にまで達するよ
うに、たとえば第1の振動許容用空洞41に連通する周
波数調整用穴43が設けられている。すなわち、周波数
調整用穴43は、セラミック層12および13を貫通す
るように設けられている。周波数調整用穴43は、圧電
振動子25の周波数を調整するために圧電振動子25の
表面上に、図3に示すような質量物体44を外部から付
与するためのものである。なお、図示の実施形態では、
2つの周波数調整用穴43が設けられたが、この数は任
意である。
【0025】このような圧電共振部品1を得るため、図
5に示すようなセラミック層12〜21を含む複数のセ
ラミック層の各々となるべきセラミックグリーンシート
が用意される。各セラミックグリーンシートに対して
は、図5に示す励振用内部電極23および24、分極用
内部電極26および27、容量形成用電極28〜30、
入出力用端子電極31〜33、入出力用ビアホール接続
部34〜36、分極用端子電極37および38、分極用
ビアホール接続部39および40、振動許容用空洞41
および42、ならびに周波数調整用穴43のそれぞれの
形成のための工程が実施される。
【0026】次いで、圧電性を有するセラミック層14
〜17となるセラミックグリーンシートがまず積層さ
れ、プレスされた後、すべてのセラミック層12〜21
のためのセラミックグリーンシートが積層され、プレス
される。ある実施例では、これらプレス工程の各々にお
いて、1000〜1500kg/cm2 の圧力および40
〜80℃の温度が付与される。
【0027】このようにして得られた生の積層体は、次
いで、一体焼成工程に付される。ある実施例では、空気
雰囲気中において、1250℃の温度で焼成される。次
いで、焼成後の積層体の外表面上の第1および第2の分
極用端子電極37および38に電圧を印加することによ
って、これら第1および第2の分極用端子電極37およ
び38に対して第1および第2の分極用ビアホール接続
部39および40を介して接続されている第1および第
2の分極用内部電極26および27間に電界が印加さ
れ、それによって、第1および第2の分極用内部電極2
6および27に挟まれた圧電性を有するセラミック層1
4〜16が分極処理され、ここに圧電特性が付与され
る。
【0028】このようにして、圧電共振部品11が完成
される。この圧電共振部品11は、第1および第2の励
振用内部電極23および24によって挟まれた部分によ
って圧電振動子25を構成する。この圧電振動子25の
ための第1および第2の励振用内部電極23および24
は、それぞれ、第1および第2の入出力用ビアホール接
続部34および35を介して第1および第2の入出力用
端子電極31および32間に引き出される。また、圧電
振動子25の振動は、第1および第2の振動許容用空洞
41および42によって許容される。
【0029】また、第1ないし第3の容量形成用電極2
8〜30によって形成された負荷容量は、第1および第
2の入出力用端子電極31および32の各々と第3の入
出力用端子電極33との間に挿入される。上述したよう
な圧電共振部品11の完成後において、圧電振動子25
の周波数調整を行なおうとするときには、図3に想像線
で示すように、質量物体44を吐出するためのノズル4
5が用意され、このノズル45が周波数調整用穴43に
挿入され、その状態で、ノズル45を通して質量物体4
4が吐出される。このようにして、圧電振動子25の表
面上に質量物体44が付与されることによって、圧電振
動子25の振動領域内の質量が変化し、その結果、圧電
振動子25の振動周波数が調整される。この操作は、所
望の周波数が得られるまで、実施される。なお、質量物
体44としては、たとえば、熱硬化性樹脂が有利に用い
られる。
【0030】図6は、この発明に係る製造方法が適用さ
れる他の圧電共振部品11aを説明するための図5に対
応する図である。なお、図6において、図5に示した要
素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する
説明は省略する。図6を図5と対比したとき、セラミッ
ク層12a、13a、14a、15a、16aおよび1
7aにおいて異なり、セラミック層18〜21について
は同様であることがわかる。
【0031】これらの相違点のうち、セラミック層12
aおよび13aについては、周波数調整用穴43aの配
置態様が異なっているだけであり、本質的な相違ではな
い。他方、セラミック層14a〜17aについては、各
種電極およびビアホール接続部の形成態様が異なってい
る。より具体的には、積層方向における中間部に位置す
る圧電性を有するセラミック層14aおよび17a上に
は、対をなす第1および第2の励振用内部電極23aお
よび24aがそれぞれ形成される。これら第1および第
2の励振用内部電極23aおよび24aは、部品本体の
内部においてセラミック層14a〜16aを挟むような
位置関係にあり、このように挟まれた部分が、たとえば
厚み縦振動モードの圧電振動子を構成する。
【0032】上述した励振用内部電極23aおよび24
aとは別に、対をなす第1および第2の分極用内部電極
26aおよび27aが、積層方向における中間部に位置
する圧電性を有するセラミック層15aおよび16a上
にそれぞれ形成される。これら第1および第2の分極用
内部電極26aおよび27aは、部品本体の内部におい
てセラミック層15aを挟むような位置関係にある。
【0033】上述した第1の励振用内部電極23aおよ
び第1の容量形成用電極28の双方と第1の入出力用端
子電極31との接続のため、第1の入出力用ビアホール
接続部34aがセラミック層14a〜21を貫通するよ
うに形成される。また、第2の励振用内部電極24aお
よび第2の容量形成用電極29の双方と第2の入出力用
端子電極32との接続のため、第2の入出力用ビアホー
ル接続部35aがセラミック層17a〜21を貫通する
ように形成される。
【0034】他方、上述した第1の分極用内部電極26
aと第1の分極用端子電極37aとの接続のため、第1
の分極用ビアホール接続部39aがセラミック層12a
〜14aを貫通するように形成される。また、第2の分
極用内部電極27aと第2の分極用端子電極38aとの
接続のため、第2の分極用ビアホール接続部40aがセ
ラミック層12a〜15aを貫通するように形成され
る。
【0035】ここで、励振用内部電極と分極用内部電極
との位置関係に注目すると、図5に示した構成では、第
1および第2の励振用内部電極23および24を挟むよ
うに、第1および第2の分極用内部電極26および27
が位置されているので、圧電振動子25は、第1および
第2の励振用内部電極23および24間の厚み縦方向の
基本波を利用するものである。これに対して、図6に示
した構成では、第1および第2の分極用内部電極26a
および27aを挟むように、第1および第2の励振用内
部電極23aおよび24aが位置されている。この位置
関係において、セラミック層14a、15aおよび16
aが、互いに同じ厚みを有し、したがって、第1の励振
用内部電極23aと第1の分極用内部電極26aと第2
の分極用内部電極27aと第2の励振用内部電極24a
との各間の距離が互いに等しく設定されていると、厚み
縦方向の3倍波を利用する圧電振動子を構成することが
できる。
【0036】その他の構成は、図5に示したものと実質
的に同様であり、したがって、この圧電共振部品11a
も、前述した圧電共振部品11と実質的に同様の製造方
法によって製造される。
【0037】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る製造方法
によれば、部品本体が、積層された複数のセラミック層
を含む積層体を一体焼成して得られたものであり、この
部品本体の積層方向における中間部が圧電振動子を構成
し、積層方向における両端部がケースとして機能するよ
うにされている、そのような圧電共振部品を得ることが
できる。したがって、従来のような接着剤の付与等によ
る圧電振動子の封止工程を含む圧電振動子とケースとの
組立工程が不要となり、そのため、組立に起因する各要
素の位置関係のばらつきや、封止のための接着剤の付与
態様のばらつきや、振動漏れ防止用のダンパー材の付与
態様のばらつき等の生じる余地がない。
【0038】このようなことから、高精度な圧電共振部
品を得ることができるとともに、圧電共振部品の強度を
高めることができる。また、圧電共振部品を得るための
工程数を削減することができる。また、この発明に係る
製造方法によって得られた圧電共振部品によれば、少な
くとも圧電振動子の励振のための第1および第2の励振
用内部電極と部品本体の外表面上に形成される第1およ
び第2の入出力用端子電極との各電気的接続のために、
ビアホール接続部が採用されているので、設計の自由度
が上がり、また、圧電共振部品の小型化を可能にする。
【0039】また、この発明によれば、部品本体の内部
に第1および第2の振動許容用空洞を形成するため、複
数のセラミック層を積層する前に、第1および第2の振
動許容用空洞にそれぞれ隣接するセラミック層の各一部
をプレスすることによって、上述の第1および第2の振
動許容用空洞となるべき窪みを予め形成しておく方法が
採用される。したがって、振動領域の封止を適正に行な
いながら、振動に必要な領域にだけ必要な面積で振動許
容用空洞を形成することが容易であり、また、圧電振動
子からの振動漏れが良好に抑制された構造とすることが
できる。
【0040】また、振動周波数は、振動許容用空洞の大
きさや位置によって変わることがあるが、この発明によ
れば、振動許容用空洞を、セラミック層の一部をプレス
することによって任意の大きさや位置で高精度に形成す
ることができるので、このような振動周波数の制御を、
振動許容用空洞の大きさや位置の変更によって容易に行
なうことができるようになる。
【0041】また、振動許容用空洞の形成のため、たと
えばセラミック層の一部を打ち抜く方法、あるいは、セ
ラミック層の一部上にカーボンペーストのような焼成時
に焼失し得る物質を付与しておき、後の焼成工程におい
て、この物質を焼失させて空洞とする方法も考えられる
が、このような方法と比較すれば、この発明のように、
窪みを特定のセラミック層に形成する方法によると、こ
の窪みが形成されたセラミック層の表裏いずれの側にも
導体を形成することができ、したがって、回路設計の自
由度が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による製造方法によって
得られる圧電共振部品11の外観をその上面側から示す
斜視図である。
【図2】図1に示した圧電共振部品11の外観をその下
面側から示す斜視図である。
【図3】図1の線III−IIIに沿う断面図である。
【図4】図1の線IV−IVに沿う断面図である。
【図5】図1に示した圧電共振部品11に備える代表的
なセラミック層12〜21を互いに分離して示す斜視図
である。
【図6】この発明の製造方法が適用される他の圧電共振
部品11aに備える代表的なセラミック層12a〜21
を互いに分離して示す、図5に相当する斜視図である。
【図7】この発明にとって興味ある従来の圧電共振部品
1を分解して示す斜視図である。
【図8】この発明にとって興味ある他の従来の圧電共振
部品2を分解して示す斜視図である。
【符号の説明】
11,11a 圧電共振部品 12〜21,12a〜17a セラミック層 22 部品本体 23,23a 第1の励振用内部電極 24,24a 第2の励振用内部電極 25 圧電振動子 31 第1の入出力用端子電極 32 第2の入出力用端子電極 34,34a 第1の入出力用ビアホール接続部 35,35a 第2の入出力用ビアホール接続部 41 第1の振動許容用空洞 42 第2の振動許容用空洞

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層された複数のセラミック層を含む積
    層体を一体焼成して得られた部品本体を備え、 前記部品本体を構成する前記複数のセラミック層のう
    ち、積層方向における少なくとも中間部に位置するセラ
    ミック層は圧電性を有し、 積層方向における中間部に位置する前記圧電性を有する
    セラミック層の少なくとも一部を挟むように、対をなす
    第1および第2の励振用内部電極が前記部品本体の内部
    にそれぞれ形成され、それによって、前記第1および第
    2の励振用内部電極によって挟まれた部分が圧電振動子
    を構成するようにされるとともに、前記部品本体の積層
    方向における両端部に位置する前記セラミック層が当該
    圧電共振部品のケースとして機能するようにされ、 前記部品本体の外表面上には、前記第1および第2の励
    振用内部電極にそれぞれ電気的に接続される第1および
    第2の入出力用端子電極が形成され、 前記部品本体の内部には、前記第1および第2の励振用
    内部電極と前記第1および第2の入出力用端子電極とを
    それぞれ互いに電気的に接続するための第1および第2
    の入出力用ビアホール接続部が特定の前記セラミック層
    を貫通するように形成され、さらに、 前記部品本体の内部には、前記圧電振動子を積層方向に
    挟む第1および第2の振動許容用空洞が前記セラミック
    層の延びる方向に沿ってそれぞれ形成されている、圧電
    共振部品を製造する方法であって、 前記積層された複数のセラミック層を含む積層体を一体
    焼成して部品本体を得る工程を含み、 前記部品本体を得る工程は、 前記第1および第2の振動許容用空洞にそれぞれ隣接す
    る前記セラミック層の各一部をプレスすることによっ
    て、前記第1および第2の振動許容用空洞となるべき窪
    みを形成し、 前記窪みが形成されたセラミック層を含む複数のセラミ
    ック層を積層して積層体を得、 前記積層体を一体焼成する、各工程を備える、圧電共振
    部品の製造方法。
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