JPH11145766A - 圧電共振部品 - Google Patents

圧電共振部品

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Publication number
JPH11145766A
JPH11145766A JP30824697A JP30824697A JPH11145766A JP H11145766 A JPH11145766 A JP H11145766A JP 30824697 A JP30824697 A JP 30824697A JP 30824697 A JP30824697 A JP 30824697A JP H11145766 A JPH11145766 A JP H11145766A
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JP
Japan
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vibration
component
piezoelectric vibrator
input
ceramic layer
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Pending
Application number
JP30824697A
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English (en)
Inventor
Satoshi Ishino
聡 石野
Takeshi Saito
毅 斉藤
Harufumi Bandai
治文 萬代
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 組立工程が不要で、高精度かつ高強度であ
り、小型化が可能であり、また、振動漏れ防止効果に優
れた圧電共振部品を提供する。 【解決手段】 部品本体22を、積層された複数のセラ
ミック層を含む積層体を一体焼成して得られたもので構
成し、その積層方向における中間部に圧電振動子25を
構成し、積層方向における両端部がケースとして機能す
るようにする。圧電振動子25のための励振用内部電極
23,24と部品本体22の外表面上に形成される入出
力用端子電極31,32との各電気的接続のためにビア
ホール接続部34,35を採用する。また、圧電振動子
25の振動の漏れを防止するための振動漏れ防止用空洞
43を圧電振動子25の周囲の少なくとも一部に設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧電共振部品に
関するもので、特に、圧電共振部品に備える圧電振動子
の振動漏れをより完璧に防止できるようにするための改
良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7および図8には、それぞれ、この発
明にとって興味ある従来の圧電共振部品1および2が分
解した状態で斜視図で示されている。これら圧電共振部
品1および2は、ともに、予め用意された圧電振動子3
を備えている。この圧電振動子3を封止するため、図7
に示した圧電共振部品1では、容器状のケース本体4内
に圧電振動子3が収容され、ケース本体4の開口を閉じ
るように、蓋5がケース本体4に接着される。他方、図
8に示した圧電共振部品2では、基板6上に圧電振動子
3が装着され、この圧電振動子3を覆うように容器状の
キャップ7が基板6上に接着される。
【0003】なお、圧電振動子3を封止する前の段階で
あって、圧電振動子3が図7に示したケース本体4内に
収容された状態または図8に示した基板6上に装着され
た状態において、圧電振動子3からケース本体4または
基板6への振動漏れを防ぐため、通常、圧電振動子3が
ケース本体4または基板6に機械的に結合される部分を
覆うように、ダンパー材が付与される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た図7に示した従来の圧電共振部品1は、圧電振動子3
とケース本体4と蓋5とをそれぞれ別体として用意し、
これら要素を組み立てることにより得られるものであ
る。同様に、図8に示した従来の圧電共振部品2は、圧
電振動子3と基板6とキャップ7とをそれぞれ別体とし
て用意し、これら要素を組み立てることにより得られる
ものである。
【0005】したがって、これら圧電共振部品1および
2は、組立時の各要素間の位置関係のばらつきや、封止
のための接着剤の付与態様のばらつきや、振動漏れ防止
用のダンパー材の付与態様のばらつきが生じやすく、そ
の結果、性能のばらつきが生じやすいという問題を有し
ている。また、上述したダンパー材の付与にあたり、そ
の付与量や付与場所のコントロールがしにくく、そのた
め、振動漏れを完全に遮断することは極めて困難であ
る。
【0006】そこで、この発明の目的は、上述したよう
な課題を解決しようとするもので、基本的に組立工程が
不要であり、かつ振動漏れをより完璧に防止できる構造
を有する、圧電共振部品を提供しようとすることであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る圧電共振
部品は、上述した技術的課題を解決するため、次のよう
な構成を備えることを特徴としている。すなわち、この
発明に係る圧電共振部品は、積層された複数のセラミッ
ク層を含む積層体を一体焼成して得られた部品本体を備
えている。この部品本体を構成する複数のセラミック層
のうち、積層方向における少なくとも中間部に位置する
セラミック層は圧電性を有している。
【0008】また、積層方向における中間部に位置する
上述の圧電性を有するセラミック層の少なくとも一部を
挟むように、対をなす第1および第2の励振用内部電極
が部品本体の内部にそれぞれ形成され、それによって、
第1および第2の励振用内部電極によって挟まれた部分
が圧電振動子を構成するようにされるとともに、部品本
体の積層方向における両端部に位置するセラミック層が
当該圧電共振部品のケースとして機能するようにされ
る。
【0009】また、部品本体の外表面上には、上述の第
1および第2の励振用内部電極にそれぞれ電気的に接続
される第1および第2の入出力用端子電極が形成され、
他方、部品本体の内部には、第1および第2の励振用内
部電極と第1および第2の入出力用端子電極とをそれぞ
れ互いに電気的に接続するための第1および第2の入出
力用ビアホール接続部が特定のセラミック層を貫通する
ように形成されている。
【0010】さらに、部品本体の内部には、圧電振動子
を積層方向に挟む第1および第2の振動許容用空洞がセ
ラミック層の延びる方向に沿ってそれぞれ形成されると
ともに、圧電振動子の振動の、セラミック層の延びる方
向への漏れを防止するための振動漏れ防止用空洞が圧電
振動子の周囲の少なくとも一部に形成されている。この
発明に係る圧電共振部品において、好ましくは、上述の
振動漏れ防止用空洞は、第1および第2の振動許容用空
洞の少なくとも一方と積層方向における位置が同じとな
るようにされる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1ないし図5は、この発明の一
実施形態による圧電共振部品11を説明するためのもの
である。より詳細には、図1は、圧電共振部品11の外
観を上面側から示す斜視図であり、図2は、圧電共振部
品11の外観を下面側から示す斜視図であり、図3は、
図1の線III−IIIに沿う断面図であり、図4は、
図1の線IV−IVに沿う断面図であり、図5は、圧電
共振部品11に備える複数のセラミック層の代表的なも
のを互いに分離して示す斜視図である。
【0012】圧電共振部品11は、図5に示すように、
積層された複数のセラミック層12、13、14、1
5、16、17、18、19、20および21を含む積
層体を一体焼成して得られた、たとえば直方体状の部品
本体22を備えている。これら図示したセラミック層1
2〜21は、部品本体22を構成する複数のセラミック
層のうちの代表的なものであって、実際には、セラミッ
ク層12〜21の各間に、図示しないセラミック層が、
必要に応じて、後述する電気的接続を阻害しない態様で
介在することがある。
【0013】これら複数のセラミック層12〜21のう
ち、積層方向における中間部に位置するセラミック層1
4〜17は圧電性を有している。圧電性を有するセラミ
ック層14〜17は、ある実施例では、チタン酸ジルコ
ン酸鉛(PbZrTiO3 )をセラミック成分とするセ
ラミックグリーンシートを焼成することによって得られ
るもので、この焼成は、後述するように、生の積層体を
得た後に実施される一体焼成工程において達成される。
【0014】また、複数のセラミック層12〜21のう
ち、積層方向における両端部に位置するセラミック層1
2および13ならびに18〜21は、上述した中間部に
位置するセラミック層14〜17とは異なる材料系で構
成される。これらセラミック層12および13ならびに
18〜21は、機械的強度が比較的高く、また、誘電性
を有していることが好ましく、ある実施例では、Ba、
Al2 3 およびSiO2 を主成分とするものにB4
を0.4%程度添加したものをセラミック成分とするセ
ラミックグリーンシートを、後述する生の積層体の一体
焼成工程において焼成することによって得られるもので
ある。
【0015】また、積層方向における両端部と中間部と
の各間に位置するセラミック層、たとえばセラミック層
13および18は、両端部と中間部との材料系の差異に
よる熱膨張または熱収縮のような熱挙動の差を緩和し得
る材料系で構成されてもよい。この場合、中間部に位置
するセラミック層14〜17のためのセラミックグリー
ンシートが、前述のように、チタン酸ジルコン酸鉛をセ
ラミック成分とするとき、たとえば、両端部に位置する
セラミック層12および19〜21のためのセラミック
グリーンシートは、コージライト(2MgO−2Al2
3 −5SiO 2 )にホウケイ酸鉛ガラスを約5%加え
たものをセラミック成分とし、これら両端部と中間部と
の各間に位置するセラミック層13および18のための
セラミックグリーンシートは、コージライト50%およ
びチタン酸ジルコン酸鉛50%をセラミック成分とする
ようにすればよい。
【0016】なお、セラミック層12〜21は、すべ
て、圧電性を有する同じ材料系で構成されてもよい。積
層方向における中間部に位置する圧電性を有するセラミ
ック層15および16上には、対をなす第1および第2
の励振用内部電極23および24がそれぞれ形成され
る。これら第1および第2の励振用内部電極23および
24は、部品本体22の内部においてセラミック層15
を挟むような位置関係にあり、このように挟まれた部分
が、たとえば厚み縦振動モードの圧電振動子25を構成
する。
【0017】他方、部品本体22の積層方向における両
端部に位置する少なくともセラミック層12および21
は、この圧電共振部品1のケースとして機能する。な
お、ケースは、圧電振動子25を封止するとともに、圧
電共振部品1にとって必要な機械的強度を与えるための
ものであるので、部品本体22に含まれるセラミック層
12〜21のうち、ケースとして機能するものとそうで
ないものとを必ずしも明瞭に峻別できるものではない。
【0018】前述した励振用内部電極23および24と
は別に、対をなす第1および第2の分極用内部電極26
および27が形成される。第1および第2の分極用内部
電極26および27は、積層方向における中間部に位置
する圧電性を有するセラミック層14および17上にそ
れぞれ形成される。これら第1および第2の分極用内部
電極26および27は、部品本体22の内部においてセ
ラミック層14〜16を挟むような位置関係にある。
【0019】この実施形態では、圧電振動子25と協働
して発振回路を構成するための負荷容量が圧電共振部品
11内に形成される。この負荷容量は、セラミック層1
9上において互いに独立して形成された第1および第2
の容量形成用電極28および29とセラミック層20上
に形成された第3の容量形成用電極30とによって与え
られる。第3の容量形成用電極30は、部品本体22の
内部において、セラミック層19を挟んで第1および第
2の容量形成用電極28および29に共通に対向する。
【0020】ある実施例において、セラミック層19お
よび20となる各セラミックグリーンシートは、厚み2
0μmとされる。部品本体22の外表面上であって、一
方の最外層のセラミック層21上には、第1の励振用内
部電極23および第1の容量形成用電極28の双方に電
気的に接続される第1の入出力用端子電極31、第2の
励振用内部電極24および第2の容量形成用電極29の
双方に電気的に接続される第2の入出力用端子電極3
2、ならびに第3の容量形成用電極30に電気的に接続
される第3の入出力用端子電極33が形成される。
【0021】上述した第1の励振用内部電極23および
第1の容量形成用電極28の双方と第1の入出力用端子
電極31との接続のため、第1の入出力用ビアホール接
続部34がセラミック層15〜21を貫通するように形
成される。また、第2の励振用内部電極24および第2
の容量形成用電極29の双方と第2の入出力用端子電極
32との接続のため、第2の入出力用ビアホール接続部
35がセラミック層16〜21を貫通するように形成さ
れる。また、第3の容量形成用電極30と第3の入出力
用端子電極33との接続のため、第3の入出力用ビアホ
ール接続部36がセラミック層20および21を貫通す
るように形成される。
【0022】他方、部品本体22の外表面上であって、
他方の最外層のセラミック層12上には、第1および第
2の分極用内部電極26および27にそれぞれ電気的に
接続される第1および第2の分極用端子電極37および
38が形成される。上述した第1の分極用内部電極26
と第1の分極用端子電極37との接続のため、第1の分
極用ビアホール接続部39がセラミック層12および1
3を貫通するように形成される。また、第2の分極用内
部電極27と第2の分極用端子電極38との接続のた
め、第2の分極用ビアホール接続部40がセラミック層
12〜16を貫通するように形成される。
【0023】なお、励振用内部電極23および24のよ
うな電極や入出力用ビアホール接続部34〜36のよう
なビアホール接続部の形成のため、導電材料としては、
たとえばAg/Pdを主成分とするものが用いられ、た
とえば印刷方法が適用される。また、励振用内部電極2
3および24のような電極は、たとえば1〜10μmの
厚みで形成される。
【0024】部品本体22の内部には、圧電振動子25
を積層方向に挟む第1および第2の振動許容用空洞41
および42がセラミック層12〜21の延びる方向に沿
ってそれぞれ形成されている。この実施形態では、第1
の振動許容用空洞41は、これに隣接するセラミック層
13の下面の一部をプレスすることによって形成された
窪みをもって与えられ、他方、第2の振動許容用空洞4
2は、これに隣接するセラミック層18の上面の一部を
プレスすることによって形成された窪みをもって与えら
れる。
【0025】また、部品本体22の内部には、圧電振動
子25の振動の、セラミック層12〜21の延びる方向
への漏れを防止するための振動漏れ防止用空洞43が、
圧電振動子25の周囲の少なくとも一部に形成されてい
る。この実施形態では、振動漏れ防止用空洞43は、上
述した第1の振動許容用空洞41のための窪みが形成さ
れたセラミック層13の下面に同様の窪みとして形成さ
れ、したがって、振動許容用空洞41と積層方向におけ
る位置が同じである。また、このような2つの振動漏れ
防止用空洞43が、互いに平行に延び、かつ第1の振動
許容用空洞41を長手方向に挟むように位置されてい
る。
【0026】振動漏れ防止用空洞43のための窪みも、
振動許容用空洞41のための窪みと同様、セラミック層
13の下面の一部をプレスすることによって形成され
る。また、好ましくは、振動許容用空洞41のための窪
みを形成するためのプレス工程において、振動漏れ防止
用空洞43のための窪みも同時に形成される。ある実施
例において、セラミック層13および18となる各セラ
ミックグリーンシートは、厚み25〜100μmとさ
れ、第1の振動許容用空洞41および振動漏れ防止用空
洞43の形成のため、あるいは第2の振動許容用空洞4
2の形成のため、これらセラミックグリーンシートに4
00〜1500kg/cm2 のプレスを付与することによ
り、深さ1〜25μmの窪みが形成される。
【0027】なお、振動許容用空洞41および42なら
びに振動漏れ防止用空洞43の形成のため、上述したよ
うな窪みを特定のセラミック層13および18に形成す
る方法による他、たとえばセラミック層13および18
の各一部を打ち抜く方法、あるいは、セラミック層13
および18の各一部上にカーボンペーストのような焼成
時に焼失し得る物質を付与しておき、後の焼成工程にお
いて、この物質を焼失させて振動許容用空洞41および
42ならびに振動漏れ防止用空洞43とする方法によっ
てもよい。
【0028】部品本体22には、外部から圧電振動子2
5の表面にまで達するように、たとえば第1の振動許容
用空洞41に連通する周波数調整用穴44が設けられて
いる。すなわち、周波数調整用穴44は、セラミック層
12および13を貫通するように設けられている。周波
数調整用穴44は、圧電振動子25の周波数を調整する
ために圧電振動子25の表面上に、図3に示すような質
量物体45を外部から付与するためのものである。な
お、図示の実施形態では、2つの周波数調整用穴44が
設けられたが、この数は任意である。
【0029】このような圧電共振部品1を得るため、図
5に示すようなセラミック層12〜21を含む複数のセ
ラミック層の各々となるべきセラミックグリーンシート
が用意される。各セラミックグリーンシートに対して
は、図5に示す励振用内部電極23および24、分極用
内部電極26および27、容量形成用電極28〜30、
入出力用端子電極31〜33、入出力用ビアホール接続
部34〜36、分極用端子電極37および38、分極用
ビアホール接続部39および40、振動許容用空洞41
および42、振動漏れ防止用空洞43、ならびに周波数
調整用穴44のそれぞれの形成のための工程が実施され
る。
【0030】次いで、圧電性を有するセラミック層14
〜17となるセラミックグリーンシートがまず積層さ
れ、プレスされた後、すべてのセラミック層12〜21
のためのセラミックグリーンシートが積層され、プレス
される。ある実施例では、これらプレス工程の各々にお
いて、1000〜1500kg/cm2 の圧力および40
〜80℃の温度が付与される。
【0031】このようにして得られた生の積層体は、次
いで、一体焼成工程に付される。ある実施例では、空気
雰囲気中において、1250℃の温度で焼成される。次
いで、焼成後の積層体の外表面上の第1および第2の分
極用端子電極37および38に電圧を印加することによ
って、これら第1および第2の分極用端子電極37およ
び38に対して第1および第2の分極用ビアホール接続
部39および40を介して接続されている第1および第
2の分極用内部電極26および27間に電界が印加さ
れ、それによって、第1および第2の分極用内部電極2
6および27に挟まれた圧電性を有するセラミック層1
4〜16が分極処理され、ここに圧電特性が付与され
る。
【0032】このようにして、圧電共振部品11が完成
される。この圧電共振部品11は、第1および第2の励
振用内部電極23および24によって挟まれた部分によ
って圧電振動子25を構成する。この圧電振動子25の
ための第1および第2の励振用内部電極23および24
は、それぞれ、第1および第2の入出力用ビアホール接
続部34および35を介して第1および第2の入出力用
端子電極31および32間に引き出される。
【0033】また、圧電振動子25の振動は、第1およ
び第2の振動許容用空洞41および42によって許容さ
れる。そして、この振動は、振動漏れ防止用空洞43に
よって有利に閉じ込められ、セラミック層12〜21の
延びる方向へ漏れることが防止される。また、第1ない
し第3の容量形成用電極28〜30によって形成された
負荷容量は、第1および第2の入出力用端子電極31お
よび32の各々と第3の入出力用端子電極33との間に
挿入される。
【0034】上述したような圧電共振部品11の完成後
において、圧電振動子25の周波数調整を行なおうとす
るときには、図3に想像線で示すように、質量物体45
を吐出するためのノズル46が用意され、このノズル4
6が周波数調整用穴44に挿入され、その状態で、ノズ
ル46を通して質量物体45が吐出される。このように
して、圧電振動子25の表面上に質量物体45が付与さ
れることによって、圧電振動子25の振動領域内の質量
が変化し、その結果、圧電振動子25の振動周波数が調
整される。この操作は、所望の周波数が得られるまで、
実施される。なお、質量物体45としては、たとえば、
熱硬化性樹脂が有利に用いられる。
【0035】図6は、この発明の他の実施形態による圧
電共振部品11aを説明するための図5に対応する図で
ある。なお、図6において、図5に示した要素に相当す
る要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略
する。図6を図5と対比したとき、セラミック層12
a、13a、14a、15a、16a、17aおよび1
8aにおいて異なり、セラミック層19〜21について
は同様であることがわかる。
【0036】これらの相違点のうち、セラミック層12
aおよび13aについては、まず、周波数調整用穴44
aの配置態様が異なっている。また、セラミック層13
aには、振動漏れ防止用空洞43に相当するものが形成
されていない。セラミック層14a〜17aについて
は、各種電極およびビアホール接続部の形成態様が異な
っている。
【0037】より具体的には、積層方向における中間部
に位置する圧電性を有するセラミック層14aおよび1
7a上には、対をなす第1および第2の励振用内部電極
23aおよび24aがそれぞれ形成される。これら第1
および第2の励振用内部電極23aおよび24aは、部
品本体の内部においてセラミック層14a〜16aを挟
むような位置関係にあり、このように挟まれた部分が、
たとえば厚み縦振動モードの圧電振動子を構成する。
【0038】上述した励振用内部電極23aおよび24
aとは別に、対をなす第1および第2の分極用内部電極
26aおよび27aが、積層方向における中間部に位置
する圧電性を有するセラミック層15aおよび16a上
にそれぞれ形成される。これら第1および第2の分極用
内部電極26aおよび27aは、部品本体の内部におい
てセラミック層15aを挟むような位置関係にある。
【0039】上述した第1の励振用内部電極23aおよ
び第1の容量形成用電極28の双方と第1の入出力用端
子電極31との接続のため、第1の入出力用ビアホール
接続部34aがセラミック層14a〜21を貫通するよ
うに形成される。また、第2の励振用内部電極24aお
よび第2の容量形成用電極29の双方と第2の入出力用
端子電極32との接続のため、第2の入出力用ビアホー
ル接続部35aがセラミック層17a〜21を貫通する
ように形成される。
【0040】他方、上述した第1の分極用内部電極26
aと第1の分極用端子電極37aとの接続のため、第1
の分極用ビアホール接続部39aがセラミック層12a
〜14aを貫通するように形成される。また、第2の分
極用内部電極27aと第2の分極用端子電極38aとの
接続のため、第2の分極用ビアホール接続部40aがセ
ラミック層12a〜15aを貫通するように形成され
る。
【0041】また、セラミック層18aの上面には、第
2の振動許容用空洞42のための窪みが形成されるだけ
でなく、圧電振動子の振動の、セラミック層12a〜2
1の延びる方向への漏れを防止するための振動漏れ防止
用空洞43aのための窪みが、第2の振動許容用空洞4
2をたとえば取り囲むように、圧電振動子の周囲に形成
されている。
【0042】この実施形態においても、振動漏れ防止用
空洞43aのための窪みも、第2の振動許容用空洞42
のための窪みと同様、セラミック層18aの上面の一部
をプレスすることによって形成され、また、振動許容用
空洞42のための窪みを形成するためのプレス工程にお
いて、振動漏れ防止用空洞43aのための窪みも同時に
形成される。
【0043】その他の構成は、図5に示したものと実質
的に同様である。ここで、励振用内部電極と分極用内部
電極との位置関係に注目すると、図5に示した構成で
は、第1および第2の励振用内部電極23および24を
挟むように、第1および第2の分極用内部電極26およ
び27が位置されているので、圧電振動子25は、第1
および第2の励振用内部電極23および24間の厚み縦
方向の基本波を利用するものである。これに対して、図
6に示した構成では、第1および第2の分極用内部電極
26aおよび27aを挟むように、第1および第2の励
振用内部電極23aおよび24aが位置されている。こ
の位置関係において、セラミック層14a、15aおよ
び16aが、互いに同じ厚みを有し、したがって、第1
の励振用内部電極23aと第1の分極用内部電極26a
と第2の分極用内部電極27aと第2の励振用内部電極
24aとの各間の距離が互いに等しく設定されている
と、厚み縦方向の3倍波を利用する圧電振動子を構成す
ることができる。
【0044】なお、図1ないし図5に示した実施形態で
は、振動漏れ防止用空洞43が、第1の振動許容用空洞
41と積層方向において同じ位置に設けられ、図6に示
した実施形態では、振動漏れ防止用空洞43aが、第2
の振動許容用空洞42と積層方向において同じ位置に設
けられたが、このような振動漏れ防止用空洞は、圧電振
動子の周囲であれば、振動許容用空洞とは積層方向にお
いて異なる位置に設けられてもよい。また、積層方向に
おける2つ以上の位置に、振動漏れ防止用空洞が設けら
れてもよい。
【0045】また、図1ないし図5に示した実施形態で
は、2つの振動漏れ防止用空洞43が、互いに平行に延
び、かつ第1の振動許容用空洞41を長手方向に挟むよ
うに位置され、図6に示した実施形態では、振動漏れ防
止用空洞43aが、第2の振動許容用空洞42を取り囲
むように設けられたが、このような振動漏れ防止用空洞
は、圧電振動子の周囲の少なくとも一部に位置する限
り、どのような形態で延びていてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、部品
本体が、積層された複数のセラミック層を含む積層体を
一体焼成して得られたものであり、この部品本体の積層
方向における中間部が圧電振動子を構成し、積層方向に
おける両端部がケースとして機能するようにされている
ので、従来のような接着剤の付与等による圧電振動子の
封止工程を含む圧電振動子とケースとの組立工程が不要
となり、そのため、組立に起因する各要素の位置関係の
ばらつきや、封止のための接着剤の付与態様のばらつき
や、振動漏れ防止用のダンパー材の付与態様のばらつき
等の生じる余地がない。
【0047】このようなことから、高精度な圧電共振部
品を得ることができるとともに、圧電共振部品の強度を
高めることができる。また、圧電共振部品を得るための
工程数を削減することができる。また、少なくとも圧電
振動子の励振のための第1および第2の励振用内部電極
と部品本体の外表面上に形成される第1および第2の入
出力用端子電極との各電気的接続のために、ビアホール
接続部が採用されているので、設計の自由度が上がり、
また、圧電共振部品の小型化を可能にする。
【0048】また、この発明によれば、セラミック層の
延びる方向への圧電振動子の振動の漏れを防止するため
の振動漏れ防止用空洞が圧電振動子の周囲の少なくとも
一部に形成されているので、振動が、振動漏れ防止用空
洞によって有利に閉じ込められ、圧電振動子からの振動
漏れを極めて良好に抑制することができる。また、ダン
パー材の付与のための工程を必要としない。
【0049】この発明に係る圧電共振部品において、上
述の振動漏れ防止用空洞が、圧電振動子を積層方向に挟
む第1および第2の振動許容用空洞の少なくとも一方と
積層方向における位置が同じとなるようにされると、第
1および第2の振動許容用空洞の少なくとも一方の形成
と同時に振動漏れ防止用空洞を形成することが容易にな
るので、このように同時に振動許容用空洞と振動漏れ防
止用空洞とを形成するようにすることにより、振動漏れ
防止用空洞の形成のために工程数を増加させる必要がな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による圧電共振部品11
の外観をその上面側から示す斜視図である。
【図2】図1に示した圧電共振部品11の外観をその下
面側から示す斜視図である。
【図3】図1の線III−IIIに沿う断面図である。
【図4】図1の線IV−IVに沿う断面図である。
【図5】図1に示した圧電共振部品11に備える代表的
なセラミック層12〜21を互いに分離して示す斜視図
である。
【図6】この発明の他の実施形態による圧電共振部品1
1aに備える代表的なセラミック層12a〜21を互い
に分離して示す、図5に相当する斜視図である。
【図7】この発明にとって興味ある従来の圧電共振部品
1を分解して示す斜視図である。
【図8】この発明にとって興味ある他の従来の圧電共振
部品2を分解して示す斜視図である。
【符号の説明】
11,11a 圧電共振部品 12〜21,12a〜18a セラミック層 22 部品本体 23,23a 第1の励振用内部電極 24,24a 第2の励振用内部電極 25 圧電振動子 31 第1の入出力用端子電極 32 第2の入出力用端子電極 34,34a 第1の入出力用ビアホール接続部 35,35a 第2の入出力用ビアホール接続部 41 第1の振動許容用空洞 42 第2の振動許容用空洞 43,43a 振動漏れ防止用空洞

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層された複数のセラミック層を含む積
    層体を一体焼成して得られた部品本体を備え、 前記部品本体を構成する前記複数のセラミック層のう
    ち、積層方向における少なくとも中間部に位置するセラ
    ミック層は圧電性を有し、 積層方向における中間部に位置する前記圧電性を有する
    セラミック層の少なくとも一部を挟むように、対をなす
    第1および第2の励振用内部電極が前記部品本体の内部
    にそれぞれ形成され、それによって、前記第1および第
    2の励振用内部電極によって挟まれた部分が圧電振動子
    を構成するようにされるとともに、前記部品本体の積層
    方向における両端部に位置する前記セラミック層が当該
    圧電共振部品のケースとして機能するようにされ、 前記部品本体の外表面上には、前記第1および第2の励
    振用内部電極にそれぞれ電気的に接続される第1および
    第2の入出力用端子電極が形成され、 前記部品本体の内部には、前記第1および第2の励振用
    内部電極と前記第1および第2の入出力用端子電極とを
    それぞれ互いに電気的に接続するための第1および第2
    の入出力用ビアホール接続部が特定の前記セラミック層
    を貫通するように形成され、さらに、 前記部品本体の内部には、前記圧電振動子を積層方向に
    挟む第1および第2の振動許容用空洞が前記セラミック
    層の延びる方向に沿ってそれぞれ形成されるとともに、
    前記圧電振動子の振動の、前記セラミック層の延びる方
    向への漏れを防止するための振動漏れ防止用空洞が前記
    圧電振動子の周囲の少なくとも一部に形成されている、
    圧電共振部品。
  2. 【請求項2】 前記振動漏れ防止用空洞は、前記第1お
    よび第2の振動許容用空洞の少なくとも一方と積層方向
    における位置が同じである、請求項1に記載の圧電共振
    部品。
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