JPH11144683A - 残光形ランプ - Google Patents

残光形ランプ

Info

Publication number
JPH11144683A
JPH11144683A JP30890997A JP30890997A JPH11144683A JP H11144683 A JPH11144683 A JP H11144683A JP 30890997 A JP30890997 A JP 30890997A JP 30890997 A JP30890997 A JP 30890997A JP H11144683 A JPH11144683 A JP H11144683A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
emitting layer
afterglow
light
light emitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30890997A
Other languages
English (en)
Inventor
Makihiro Otohata
牧宏 乙幡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Home Electronics Ltd
NEC Corp
Original Assignee
NEC Home Electronics Ltd
Nippon Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Home Electronics Ltd, Nippon Electric Co Ltd filed Critical NEC Home Electronics Ltd
Priority to JP30890997A priority Critical patent/JPH11144683A/ja
Publication of JPH11144683A publication Critical patent/JPH11144683A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構成によって長時間に亘って点灯しても
長残光性を呈する蛍光体の劣化を抑制できる上、残光照
度も改善できる残光形ランプを提供すること。 【解決手段】ガラスバルブ1の内面に1種又は2種以上
の蛍光体よりなる第1,第2の発光層2,3を有し、か
つガラスバルブ側の第1の発光層2を長残光性を呈する
蛍光体にて、放電側の第2の発光層3を一般照明用の蛍
光体にて形成してなり、前記第1の発光層2を構成する
蛍光体にアルカリ金属を含まない超微粒子の金属酸化物
を0.1〜10.0重量%混入した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は残光形ランプに関
し、特にランプ消灯後10分以上を経過しても物の識別
が可能な残光を呈する残光形蛍光ランプの改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、照明用の蛍光ランプは、例えば
ガラスバルブの内面に青色領域,緑色領域,赤色領域に
発光を呈する複数の希土類蛍光体などからなる発光層を
形成して構成されている。
【0003】例えば青色領域に発光を呈する蛍光体とし
てユ−ロピウム,マンガン付活アルミン酸バリウム・マ
グネシウム蛍光体(BaMg2 Al1617:Eu,Mn
・・・以下、BAM蛍光体と呼称する)を、緑色領域に
発光を呈する蛍光体としてセリウム,テルビウム付活リ
ン酸ランタン蛍光体(LaPO4 :Ce,Tb)を、赤
色領域に発光を呈する蛍光体としてユ−ロピウム付活酸
化イットリウム蛍光体(Y2 3 :Eu)を混合して発
光層を形成した三波長域発光形の直管40ワットタイプ
の蛍光ランプでは3300〜3400(lm)程度の明
るさが得られており、オフィスはもとより大型店舗,劇
場,浴場,地下街などのように広い分野で使用されてい
る。
【0004】特に、人が多く集まる大型店舗,劇場,地
下街などにおいては、火災,地震などの災害によって停
電した場合でも、人命を第一義に考えて安全かつ迅速に
避難させる必要がある。
【0005】従って、消防法,建築基準法では、一定以
上のスペ−スを有し、かつ人が多く集まるなどの条件を
満たす大型店舗,劇場,地下街などには一般照明器具の
他に、誘導灯,非常灯などを設置することが義務付けら
れている。
【0006】これらの誘導灯,非常灯は、例えば正常時
は蛍光ランプを商用電源によって点灯させ、非常時(停
電時)は内蔵バッテリ−を電源として蛍光ランプないし
電球などを照度が1(Lx)以上で、かつ20〜30分
以上点灯するように構成されている。
【0007】このために、非常時に、万一、商用電源が
停電して一般照明器具などが消灯したとしても、床面の
照度は最低でも1(Lx)以上が確保されるために、安
全かつ迅速な避難が可能となるものである。
【0008】しかしながら、これらの誘導灯,非常灯
は、高価であることもあって、一般照明器具に比較する
と、その設置数は少ない。例えば通路誘導灯のように壁
面の下方に配置される場合には、混雑していると、壁面
に近い人と遠い人では通路誘導灯の視認性に有意差が生
じて避難の迅速性にも影響が現われるものである。
【0009】一方、このような誘導灯,非常灯の設置義
務のない一般家庭などでは、災害によって停電した場
合、真っ暗な中で円滑かつ迅速に避難することは容易で
はなく、子供や老人の避難が遅れる可能性がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本出願人は、
先に、ガラスバルブの内面に1種又は2種以上の蛍光体
よりなる第1,第2の発光層を備え、ガラスバルブ側の
第1の発光層を長残光性を呈するユ−ロピウム,ディス
プロシウム付活アルミン酸ストロンチウム蛍光体(Sr
4 Al1425:Eu,Dy)にて、放電側の第2の発光
層を三波長域に発光を呈する複数の蛍光体にて構成し、
かつ第1の発光層の付着量を1cm2 当たり0.2〜
8.0mgに設定した残光形蛍光ランプを提案した。
【0011】この提案によれば、この蛍光ランプを一般
の照明用蛍光ランプと同様に使用することによって、こ
の蛍光ランプの消灯後、かなり長い時間を経過しても、
物の識別が可能な程度の照度が得られ、停電時における
誘導灯的な機能や常夜灯的な機能を奏するものである。
【0012】しかしながら、この蛍光ランプは、ガラス
バルブにソ−ダガラスが適用されている上に、ガラスバ
ルブの内部空間に不活性ガスと共に水銀が封入されてい
ることから、長時間に亘って点灯させているうちに、ガ
ラスバルブの内表面にソ−ダ成分が析出されるようにな
り、ソ−ダ成分,水銀が長残光性を呈する蛍光体に接触
することにより、同蛍光体が劣化し易くなるのみなら
ず、消灯後の残光照度も低下するという問題がある。
【0013】それ故に、本発明の目的は、簡単な構成に
よって長時間に亘って点灯しても長残光性を呈する蛍光
体の劣化を抑制できる上、残光照度も改善できる残光形
ランプを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、上述
の目的を達成するために、ガラスバルブの内面に1種又
は2種以上の蛍光体よりなる第1,第2の発光層を有
し、かつガラスバルブ側の第1の発光層を長残光性を呈
する蛍光体にて、放電側の第2の発光層を一般照明用の
蛍光体にて形成してなり、前記第1の発光層を構成する
蛍光体にアルカリ金属を含まない超微粒子の金属酸化物
を0.1〜10.0重量%混入したことを特徴とする。
【0015】又、本発明の第2の発明は、ガラスバルブ
の内面に1種又は2種以上の蛍光体よりなる第1の発光
層を有し、この第1の発光層を長残光性を呈する蛍光体
にて形成してなり、前記第1の発光層を構成する蛍光体
にアルカリ金属を含まない超微粒子の金属酸化物を0.
1〜10.0重量%混入したことを特徴とする。
【0016】又、本発明の第3の発明は、ガラスバルブ
の内面に複数の蛍光体よりなる第1の発光層を有し、こ
の第1の発光層を一般照明用の蛍光体と長残光性を呈す
る蛍光体との混合蛍光体にて形成してなり、前記第1の
発光層にアルカリ金属を含まない超微粒子の金属酸化物
を、長残光性を呈する蛍光体に対し0.1〜10.0重
量%の割合で混入したことを特徴とする。
【0017】さらには、本発明の第4の発明は、前記第
1の発光層の付着量を1cm2 当たり0.2〜8.0m
gの範囲に設定したことを特徴とし、第5の発明は、前
記金属酸化物が酸化アルミニウム,酸化チタン,酸化マ
グネシウムのいずれかであることを特徴とし、さらに、
第6の発明は、前記残光形ランプが蛍光ランプ又は電球
であることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第1の実施例につ
いて図1を参照して説明する。同図において、1は例え
ばソ−ダガラスよりなるガラスバルブであって、その内
面には下記化学組成式で示す長残光性を呈する蛍光体
(以下、第1の残光蛍光体と呼称する)にて第1の発光
層2が形成されている。この第1の発光層2にはアルカ
リ金属を含まない超微粒子の金属酸化物が0.1〜1
0.0重量%混入されている。この金属酸化物としては
平均粒径が100nm以下の超微粒子が用いられてお
り、例えば酸化アルミニウム(Al2 3 ),酸化チタ
ン(TiO2 ),酸化マグネシウム(MgO)などが適
用可能であるが、平均粒径が50nm以下、好ましくは
5〜30nmの酸化アルミニウム(アルミナ)が好適す
る。
【0019】 (M1-P-q EuP q )O・n(Al1-m m 2 3 0.0001≦p≦0.5 0.0001≦q≦0.5 0.5 ≦n≦3.0 0.0001≦m≦0.5 0.0001≦p+q≦0.75 但し、組成式中のMはMg,Ca,Sr,Ba,Znか
らなる2価金属の群より選ばれた少なくとも1種であ
り、Qは共付活剤でMn,Zr,Nb,Pr,Nd,G
d,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luからな
る群より選ばれた少なくとも1種。
【0020】又、この第1の発光層2における第1の残
光蛍光体は下記化学組成式で示す長残光性を呈する蛍光
体(以下、第2の残光蛍光体と呼称する)に置換して構
成することもできる。尚、第1の残光蛍光体と第2の残
光蛍光体とを適宜に混合することによって、第1の発光
層2を形成することもできる。
【0021】(Ca1-P-q-r EuP Ndq Mnr )O・
n(Al1-m m 2 3 ・kP2 6 ここで、0.0001 ≦p≦0.5 0.00005≦q≦0.5 0.00005≦r≦0.7 0.0001 ≦p+q+r≦0.75 0.5 ≦n≦3.0 0.0001 ≦m≦0.5 0 ≦k≦0.2 1 ≦r/p≦20 特に、第1,第2の残光蛍光体の付着量は1cm2 当た
り0.2〜8.0mgの範囲に設定されており、これら
の残光蛍光体のFSSS(フィッシャ−・サブ・シ−ブ
・サイザ−)による平均粒径は例えば5〜15μmの範
囲に、粒度分布は3〜50μmの範囲にそれぞれ設定さ
れている。
【0022】上述の第1の発光層2には1種又は2種以
上の一般照明用の蛍光体よりなる第2の発光層3が放電
側となるように積層されている。一般照明用の蛍光体と
しては、例えば青色領域に発光を呈するBAM蛍光体,
緑色領域に発光を呈する蛍光体としてセリウム,テルビ
ウム付活リン酸ランタン蛍光体(LaPO4 :Ce,T
b),赤色領域に発光を呈する蛍光体としてユ−ロピウ
ム付活酸化イットリウム蛍光体(Y2 3 :Eu)など
の希土類蛍光体や、ハロリン酸塩蛍光体(Ca 10(PO
46 FCl:Sb/Mnなど)などが用いられ、第2
の発光層3はこれらの1種又は2種以上を混合して形成
されている。これらの発光層2,3を形成するに当たっ
て、第2の発光層3を形成する際の蛍光体塗布液の塗布
方向を第1の発光層2を形成する際の蛍光体塗布液の塗
布方向とは逆に設定することにより、全体の膜厚を比較
的に均一化できる。尚、4はガラスバルブ1の両端に配
置された電極である。
【0023】この実施例によれば、第1の発光層2を構
成する第1又は第2の残光蛍光体にはアルカリ金属を含
まない超微粒子の金属酸化物が0.1〜10.0重量%
の範囲で分散して混入されているために、ガラスバルブ
1から析出されるソ−ダ成分や水銀との接触による残光
蛍光体自身の劣化が抑制される。従って、蛍光ランプの
点灯時間が長時間になっても、金属酸化物を混入しない
先行技術にかかる残光形蛍光ランプに比べて残光照度を
改善できる。
【0024】又、第1の発光層2に混入された超微粒子
の金属酸化物は第1又は第2の残光蛍光体の粒子のガラ
スバルブ側にも分散して存在するために、第1又は第2
の残光蛍光体の粒子の放電側(第2の発光層3側)の面
が水銀共鳴線(紫外線)及び第2の発光層3から放射さ
れる可視光線によって励起されるのみならず、第1又は
第2の残光蛍光体の粒子のガラスバルブ側の面が超微粒
子の金属酸化物にて反射された紫外線によっても励起さ
れる。従って、残光蛍光体の励起効率が向上し、残光照
度を高めることができる。
【0025】特に、第1の発光層2を第1の残光蛍光体
にて構成した場合には、同残光蛍光体には硼素が含まれ
ているために、蛍光体のガラスバルブ1への被着強度が
改善できる。従って、製造工程において、仮に機械的な
衝撃などが付与されても、第1の発光層2の膜落を抑制
でき、良品率の向上は勿論のこと、外観特性,残光特性
を改善できる。
【0026】又、第1の発光層2を第2の残光蛍光体に
て構成した場合には、同残光蛍光体には硼素及びリン酸
が含まれるために、第2の残光蛍光体のガラスバルブ1
との結合性が向上し、膜落を確実に防止できるのみなら
ず、熱耐性の向上により残光照度をも大幅に増加でき
る。
【0027】しかも、ガラスバルブ1の内面に積層状態
で形成された第1,第2の発光層2,3のうち、放電路
側の第2の発光層3は、希土類蛍光体などのように、一
般の照明用蛍光ランプに使用される蛍光体にて構成され
ているために、蛍光ランプの点灯時に紫外線によって効
率よく励起され、明るさを大幅に増加させることができ
る。
【0028】さらには、第1の発光層2は、ガラスバル
ブ側に形成されており、かつそれの付着量が1cm2
たり0.2〜8.0mgの範囲に設定されているため
に、第2の発光層3を透過してくる紫外線及び第2の発
光層3からの可視光線によって第1又は第2の残光蛍光
体が効率よく励起されて発光することになる。一方、消
灯時においては、殆んどの放射光がガラスバルブ1から
直接的に外部に放射される。従って、第1の発光層2か
らの放射光は殆んど減衰することなく外部に放射させる
ことができ、残光照度を高めることができ、非常時など
の誘導光としても有効に利用できる。
【0029】尚、第1又は第2の残光蛍光体は、その平
均粒径が5〜15μmの範囲に、粒度分布が3〜50μ
mの範囲にそれぞれ設定されているために、第1の発光
層2の膜落を上述の残光蛍光体の使用と相俟って効果的
に防止できる。しかしながら、平均粒径が5μm未満に
なると、残光照度が小さくなり、逆に15μmを超える
と、膜落の発生が増加するようになる。又、粒度分布に
おいて、最小粒度が3μm未満のものが含まれると、残
光照度が小さくなり、逆に、最大粒度が50μmを超え
るものが含まれると、膜落の発生が増加するようにな
る。従って、平均粒径及び粒度分布は上記範囲内に設定
することが望ましい。
【0030】図2は、本発明の第2の実施例を示すもの
であって、ガラスバルブ1と第1の発光層2との間には
透光性を有する紫外線反射層5が形成されている。この
紫外線反射層5は、例えば平均粒径が100nm以下、
好ましくは5〜30nmの酸化アルミニウム(アルミ
ナ),酸化マグネシウム(マグネシア)などにて形成さ
れている。
【0031】ところで、第1,第2の発光層2,3は電
極4間の放電によって生ずる紫外線で励起されるのであ
るが、放電路側に位置する蛍光体は効率よく励起される
ものの、放電路から遠ざかるガラスバルブ側に位置する
蛍光体の励起効率は若干低下する傾向にある。しかしな
がら、この実施例によれば、第1,第2の発光層2,3
を透過した紫外線が紫外線反射層5でも反射されるため
に、ガラスバルブ側に位置する残光蛍光体は勿論のこ
と、残光蛍光体のガラスバルブ側に対向する面をも透過
及び反射した紫外線によって励起されることになる。従
って、発光効率を高めることができる。
【0032】又、例えばアルミナによる紫外線反射層5
を形成することによって、水銀のガラスバルブ1への接
触を抑制できる関係で、ソ−ラリゼ−ションによる変色
を防止ないし低減できる。
【0033】図3は、本発明の第3の実施例を示すもの
であって、ガラスバルブ1と第1の発光層2との間には
透光性を有する導電性被膜6が形成されている。この導
電性被膜6は、例えば加熱状態のガラスバルブの内面に
塩化錫を含む溶液を吹き付けることによって形成され
る。この被膜6は例えば1〜1000KΩ程度の抵抗値
を有する。
【0034】この実施例によれば、ラピッドスタ−ト式
の点灯回路装置を備えた照明器具に適用でき、大型店
舗,劇場,地下街などのように保守の手間を省きたい所
での使用に好適する。
【0035】特に、ガラスバルブ1と導電性被膜6との
間に図2に示す紫外線反射層5を形成すれば、明るさの
改善は勿論のこと、水銀が被膜6の錫などに接触するこ
とによって生ずる変色を防止ないし低減できる。従っ
て、残光形蛍光ランプとしての外観状態を向上できる。
【0036】図4は、本発明の第4の実施例を示すもの
であって、ガラスバルブ1の外周面には保護層7が形成
されている。この保護層7は熱収縮性を有し、例えばポ
リエチレンテレフタレ−ト(PET)などの樹脂材から
構成されており、厚みは例えば100〜150μmに設
定されている。この保護層7は、予めチュ−ブ状に構成
されており、これの内部にガラスバルブ1を挿入した
後、150〜200℃に加熱して収縮させ、ガラスバル
ブ1の外周面に密着させることによって形成される。特
に、保護層7に酸化チタン(TiO2 )などの紫外線吸
収材を混入させれば、保護層7の耐光性を改善できるの
みならず、紫外線防止層としても作用する。尚、この構
成は図2や図3に示す残光形蛍光ランプにも適用でき
る。
【0037】この実施例によれば、ガラスバルブ1の外
周面には樹脂製などの保護層7が形成されているので、
非常時に、万一、ガラスバルブ1が破損しても飛散を防
止できるのみならず、破損した状態でも物を識別できる
程度の照度が得られる。従って、避難誘導用の光源とし
て利用可能となる。
【0038】図5は、本発明の第5の実施例を示すもの
であって、ガラスバルブ1の内面には第1又は第2の残
光蛍光体とアルカリ金属を含まない超微粒子の金属酸化
物とを混合してなる第1の発光層2が形成されており、
残光蛍光体に対する超微粒子の金属酸化物の混入量は重
量比で0.1〜10.0重量%の範囲に設定されてい
る。尚、金属酸化物としては平均粒径が5〜30nmの
アルミナが好適する。又、残光蛍光体の付着量は、1c
2 当たり0.2〜8.0mgの範囲に設定されてい
る。
【0039】この実施例によれば、一般照明用の蛍光ラ
ンプとして使用する場合には、一般照明用の蛍光ランプ
に比べて明るさが低下するものの、消灯時には十分の残
光照度が得られるし、残光蛍光体の劣化に起因する残光
照度の低下も抑制できる。
【0040】図6は、本発明の第6の実施例を示すもの
であって、ガラスバルブ1の内面には一般照明用の蛍光
体と第1又は第2の残光蛍光体とアルカリ金属を含まな
い超微粒子の金属酸化物とを混合してなる第1の発光層
2Aが形成されており、残光蛍光体に対する超微粒子の
金属酸化物の混入量は重量比で0.1〜10.0重量%
の範囲に設定されている。尚、金属酸化物としては平均
粒径が5〜30nmのアルミナが好適するが、マグネシ
ア,チタニアに置換することも可能である。又、残光蛍
光体の付着量は、1cm2 当たり0.2〜8.0mgの
範囲に設定されている。
【0041】この実施例によれば、一般照明用の蛍光ラ
ンプとして使用する場合には、第5の実施例に比べて明
るさを一層に改善できる上に、残光蛍光体の劣化よる残
光照度の低下も抑制できる。
【0042】尚、本発明は、何ら上記実施例にのみ制約
されることなく、例えば残光形ランプは直管形蛍光ラン
プはもとより環形蛍光ランプ,コンパクト蛍光ランプ,
電球形蛍光ランプなどにも適用できるし、電球などにも
適用できる。又、残光蛍光体は、一般式がMAl2 4
で表される化合物で、MはCa,Sr,Baからなる群
より選択された1つ以上の金属元素からなる化合物を母
結晶にし、付活剤としてEu,Dyなどを使用したもの
でも適用できる。
【0043】
【実施例】次に、第1の実験例について説明する。ま
ず、平均粒径が10μmでかつ粒度分布が5〜35μm
の第2の残光蛍光体及び平均粒径が15nmでかつ第2
の残光蛍光体に対する混入量を1.0重量%に設定した
アルミナを含む蛍光体塗布液をFL40用バルブの内面
に流し込むことにより第1の発光層を形成すると共に、
三波長域に発光を呈する三種類の希土類蛍光体(BAM
蛍光体とCe,Tb付活リン酸ランタン蛍光体とEu付
活酸化イットリウム蛍光体)を含む蛍光体塗布液をFL
40用バルブに流し込むことにより第1の発光層上に第
2の発光層を形成する。尚、第1の発光層の付着量は
5.0mg/cm2 であった。
【0044】この蛍光ランプの中央部分から1m離隔し
た地点に照度計を配置した状態において、蛍光ランプを
定格電圧で15分間連続点灯し、その後、蛍光ランプを
消灯した時の残光照度の推移を測定したところ、図7に
示す結果が得られた。
【0045】同図より明らかなように、消灯後、0.5
秒における本発明にかかる蛍光ランプの残光照度は、本
出願人が先に提案した従来の蛍光ランプのほぼ1.2倍
程度に改善されている。尚、本発明及び従来例の蛍光ラ
ンプの100本について、1gの重りを50cmの高さ
から蛍光ランプ上に1回だけ自然落下させた時に、発光
層に直径1mm以上の膜落が発生したか否かによって膜
落の発生率を測定したところ、本発明品では0%であっ
たのに対し、従来品では7%であった。
【0046】次に、第2の実験例について説明する。第
1の実験例において、第2の残光蛍光体の付着量を5.
0mg/cm2 一定とした上で、第1の発光層に混入・
分散するアルミナの混入量を0.05〜15.0重量%
の範囲で変化させたFL40蛍光ランプを製作し、10
0時間連続点灯した後に、第1の実験例と同一の条件で
残光照度及び通常照度(一般照明時)を測定したとこ
ろ、図8に示す結果が得られた。尚、残光照度の評価項
目において、○印は従来例に比較して十分な改善効果
(2%以上)が認められたことを、△印は一応の改善効
果(2%未満)が認められたことを、×印は改善効果が
不十分であることを示している。又、通常照度の評価項
目において、○印は一般照明用の蛍光ランプに比べて遜
色ないことを、△印は低いも十分に実用性があること
を、×印はかなり低いことを示している。
【0047】同図より明らかなように、残光照度につい
ては、アルミナの混入率が0.05重量%では改善効果
が不十分であるが、0.1重量%では一応の改善効果が
得られ、0.5〜5.0重量%では十分の改善効果が得
られる。しかしながら、混入率が10.0重量%になる
と、改善効果が減少し、15.0重量%になると、改善
効果が不十分になる。又、通常照度については、アルミ
ナの混入率が0.05〜5.0重量%の範囲では一般照
明用の蛍光ランプに比べて遜色がないものの、10.0
重量%になると、低くなり、15.0重量%になると、
かなり損なわれる。この結果から、アルミナの混入量は
0.1〜10.0重量%の範囲が望ましいものである。
【0048】次に、第2の実験例におけるアルミナの混
入量が0.5重量%及び1.0重量%の残光形蛍光ラン
プについて、点灯時間が0,500,2000時間経過
後における残光照度比を測定したところ、図9に示す結
果が得られた。尚、残光照度比は、アルミナの混入量が
0重量%の残光形蛍光ランプのそれぞれの点灯時間にお
ける残光照度を100%とした比較照度である。又、残
光照度の測定条件は第1の実験例と同じである。
【0049】同図より明らかなように、アルミナの混入
量が0.5重量%及び1.0重量%のいずれの蛍光ラン
プも各点灯時間での残光照度比が102%を超えてお
り、アルミナの混入による残光照度の改善効果が顕著に
現われている。特に、点灯時間が500,2000時間
でも十分の残光照度が得られているのは、ガラスバルブ
から析出するソ−ダ成分や水銀との接触による残光蛍光
体の劣化がアルミナの混入によって抑制されているため
と推察される。尚、0.5,1.0重量%を除く0.1
〜10.0重量%の範囲でも同様の効果が得られること
を別の実験によって確認した。又、金属酸化物としては
アルミナを酸化チタン,酸化マグネシウムに置換しても
同様の効果が期待できる。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、第1の
発光層を構成する残光蛍光体にはアルカリ金属を含まな
い超微粒子の金属酸化物が0.1〜10.0重量%の範
囲で分散して混入されているために、ガラスバルブから
析出されるソ−ダ成分や水銀との接触による残光蛍光体
自身の劣化が抑制される。従って、蛍光ランプの点灯時
間が長時間になっても、金属酸化物を混入しない先行技
術にかかる残光形蛍光ランプに比べて残光照度を改善で
きる。
【0051】又、第1の発光層に混入された超微粒子の
金属酸化物は残光蛍光体の粒子のガラスバルブ側に対向
する面側にも分散して存在するために、残光蛍光体の粒
子の放電側の面が紫外線及び第2の発光層から放射され
る可視光線によって励起されるのみならず、残光蛍光体
の粒子のガラスバルブ側の面が超微粒子の金属酸化物に
て反射された紫外線によっても励起される。従って、残
光蛍光体の励起効率が向上し、残光照度を高めることが
できる。
【0052】さらには、第1の発光層は、その付着量を
1cm2 当たり0.2〜8.0mgの範囲に設定すれ
ば、紫外線や可視光線などによって効率よく励起されて
発光することになる。一方、消灯時においては、殆んど
の放射光がガラスバルブから直接的に外部に放射され
る。従って、第1の発光層からの放射光は殆んど減衰す
ることなく外部に放射させることができ、残光照度を高
めることができ、非常時などの誘導光としても有効に利
用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す要部断面図。
【図2】本発明の第2の実施例を示す要部断面図。
【図3】本発明の第3の実施例を示す要部断面図。
【図4】本発明の第4の実施例を示す要部断面図。
【図5】本発明の第5の実施例を示す要部断面図。
【図6】本発明の第6の実施例を示す要部断面図。
【図7】消灯後の経過時間に対する残光照度を示す図。
【図8】第1の発光層へのアルミナの混入率に対する残
光照度及び通常照度の関係を示す図。
【図9】アルミナの混入率をパラメ−タとした点灯時間
と残光照度比との関係を示す図。
【符号の説明】
1 ガラスバルブ 2,2A 第1の発光層 3 第2の発光層 5 紫外線反射層 6 導電性被膜 7 保護層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスバルブの内面に1種又は2種以上
    の蛍光体よりなる第1,第2の発光層を有し、かつガラ
    スバルブ側の第1の発光層を長残光性を呈する蛍光体に
    て、放電側の第2の発光層を一般照明用の蛍光体にて形
    成してなり、前記第1の発光層を構成する蛍光体にアル
    カリ金属を含まない超微粒子の金属酸化物を0.1〜1
    0.0重量%混入したことを特徴とする残光形ランプ。
  2. 【請求項2】 ガラスバルブの内面に1種又は2種以上
    の蛍光体よりなる第1の発光層を有し、この第1の発光
    層を長残光性を呈する蛍光体にて形成してなり、前記第
    1の発光層を構成する蛍光体にアルカリ金属を含まない
    超微粒子の金属酸化物を0.1〜10.0重量%混入し
    たことを特徴とする残光形ランプ。
  3. 【請求項3】 ガラスバルブの内面に複数の蛍光体より
    なる第1の発光層を有し、この第1の発光層を一般照明
    用の蛍光体と長残光性を呈する蛍光体との混合蛍光体に
    て形成してなり、前記第1の発光層にアルカリ金属を含
    まない超微粒子の金属酸化物を、長残光性を呈する蛍光
    体に対し0.1〜10.0重量%の割合で混入したこと
    を特徴とする残光形ランプ。
  4. 【請求項4】 前記第1の発光層の付着量を1cm2
    たり0.2〜8.0mgの範囲に設定したことを特徴と
    する請求項1に記載の残光形ランプ。
  5. 【請求項5】 前記金属酸化物が酸化アルミニウム,酸
    化チタン,酸化マグネシウムのいずれかであることを特
    徴とする請求項1に記載の残光形ランプ。
  6. 【請求項6】 前記残光形ランプが蛍光ランプ又は電球
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の残光形ランプ。
JP30890997A 1997-11-11 1997-11-11 残光形ランプ Pending JPH11144683A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30890997A JPH11144683A (ja) 1997-11-11 1997-11-11 残光形ランプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30890997A JPH11144683A (ja) 1997-11-11 1997-11-11 残光形ランプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11144683A true JPH11144683A (ja) 1999-05-28

Family

ID=17986742

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30890997A Pending JPH11144683A (ja) 1997-11-11 1997-11-11 残光形ランプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11144683A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005330459A (ja) * 2003-10-28 2005-12-02 Nichia Chem Ind Ltd 蛍光物質および発光装置
KR100712414B1 (ko) 2004-03-25 2007-04-27 닛본 덴끼 가부시끼가이샤 백열 램프
KR100721740B1 (ko) * 2004-03-24 2007-05-25 닛본 덴끼 가부시끼가이샤 축광 형광체 분말, 그 제조 방법 및 잔광성 형광 램프
US7488432B2 (en) 2003-10-28 2009-02-10 Nichia Corporation Fluorescent material and light-emitting device

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005330459A (ja) * 2003-10-28 2005-12-02 Nichia Chem Ind Ltd 蛍光物質および発光装置
US7488432B2 (en) 2003-10-28 2009-02-10 Nichia Corporation Fluorescent material and light-emitting device
US7658866B2 (en) 2003-10-28 2010-02-09 Nichia Corporation Fluorescent material and light-emitting device
JP4691955B2 (ja) * 2003-10-28 2011-06-01 日亜化学工業株式会社 蛍光物質および発光装置
US8169131B2 (en) 2003-10-28 2012-05-01 Nichia Corporation Fluorescent material and light-emitting device
KR100721740B1 (ko) * 2004-03-24 2007-05-25 닛본 덴끼 가부시끼가이샤 축광 형광체 분말, 그 제조 방법 및 잔광성 형광 램프
KR100712414B1 (ko) 2004-03-25 2007-04-27 닛본 덴끼 가부시끼가이샤 백열 램프

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4016597B2 (ja) 赤色発光残光性フォトルミネッセンス蛍光体及びこの蛍光体の残光性ランプ
JP3405049B2 (ja) 残光性ランプ
KR100721740B1 (ko) 축광 형광체 분말, 그 제조 방법 및 잔광성 형광 램프
KR100712414B1 (ko) 백열 램프
JP2007520042A (ja) 低圧水銀蒸気蛍光ランプ
EP0856871A1 (en) Fluorescent lamp
JPH11144683A (ja) 残光形ランプ
JPH07316551A (ja) 水銀蒸気放電灯用けい光体とこのけい光体を用いた水銀蒸気放電灯およびこの放電灯を用いた照明装置
JPH11144685A (ja) 残光形ランプ
JPH11111227A (ja) 残光形蛍光ランプ
JPH1167158A (ja) 蛍光ランプ
JPH11144684A (ja) 残光形ランプ
JPH0955191A (ja) 蛍光ランプ
JPH0955190A (ja) 蛍光ランプ
JP3516533B2 (ja) 蛍光ランプ
JP2009087627A (ja) 蛍光ランプ及び照明器具
JP2003272559A (ja) 蛍光ランプ
JP3341532B2 (ja) 残光性ランプ
JPH0982283A (ja) 蛍光ランプ
JP2001023574A (ja) 蓄光形蛍光ランプ
JP3376670B2 (ja) けい光ランプおよびこれを用いた照明装置
JPH0955189A (ja) 蛍光ランプ
JPH0963540A (ja) 蛍光ランプ及び照明器具
JPH10223179A (ja) 蛍光ランプ
KR19980067655A (ko) 형광등

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20041001

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060113

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060117

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060517