JPH10223179A - 蛍光ランプ - Google Patents

蛍光ランプ

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JPH10223179A
JPH10223179A JP2678097A JP2678097A JPH10223179A JP H10223179 A JPH10223179 A JP H10223179A JP 2678097 A JP2678097 A JP 2678097A JP 2678097 A JP2678097 A JP 2678097A JP H10223179 A JPH10223179 A JP H10223179A
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JP
Japan
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light
fluorescent lamp
phosphor
emitting layer
light emitting
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Application number
JP2678097A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Nagashima
由明 長島
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NEC Home Electronics Ltd
NEC Corp
Original Assignee
NEC Home Electronics Ltd
Nippon Electric Co Ltd
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Publication date
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  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的に簡単な構成によって長残光性を損なう
ことなく、明るさを実用上遜色のない程度に改善できる
他に、誘導灯ないし非常灯以外への利用展開が可能な蛍
光ランプを提供すること。 【解決手段】ガラスバルブ1の内面に1種又は2種以上
の蛍光体よりなる第1,第2の発光層2,3を有する蛍
光ランプにおいて、前記ガラスバルブ側の第1の発光層
2を、長残光性を有し、かつ残光特性の異なる複数の蛍
光体を混合してなる混合蛍光体にて形成し、この混合蛍
光体の付着量を1cm2 当たり少なくとも0.2mg以
上に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は蛍光ランプに関
し、特にランプ消灯後10分以上を経過しても物の識別
が可能な残光を呈する蛍光ランプの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、蛍光ランプは、例えばガラスバ
ルブの内面にハロリン酸塩蛍光体,希土類蛍光体などか
らなる発光層を形成して構成されており、この蛍光ラン
プは、通常、長尺状の器具本体と樹脂製の乳白色のパネ
ルやカバ−とを備えた照明器具に適用される。
【0003】この照明器具は種々の用途に使用されてい
るが、例えば直管40ワットタイプの蛍光ランプを用い
る多くの照明器具は工事用器具として事務所はもとより
大型店舗,劇場,浴場,地下街などのように広い分野で
使用されている。
【0004】ところで、このような照明器具が多く使用
される大型店舗,劇場,地下街などには多くの人が集ま
ることから、火災,地震などの災害によって万一停電し
たりすると、パニック状態となって不測の事故が起こる
ことが予測される。
【0005】従って、消防法,建築基準法では、一定以
上のスペ−スを有し、かつ人が多く集まるなどの条件を
満たす大型店舗,劇場,地下街などには一般照明器具の
他に、誘導灯,非常灯などの設置を義務付けている。
【0006】これらの誘導灯,非常灯は、例えば正常時
には蛍光ランプを商用電源によって点灯させ、非常時
(停電時)には内蔵バッテリ−を電源として蛍光ランプ
ないし電球などを、床面の照度が1(Lx)以上でかつ
20〜30分以上点灯するように構成されている。
【0007】このために、非常時に、万一、商用電源が
停電して一般照明器具などが消灯したとしても、床面の
照度は最低でも1(Lx)以上が確保されるために、安
全かつ迅速な避難が可能となるものである。
【0008】しかしながら、これらの誘導灯,非常灯
は、高価であることもあって、一般照明器具に比較する
と、その設置数は少ない。例えば通路誘導灯のように壁
面の下方に配置される場合には、混雑していると、壁面
に近い人と遠い人では通路誘導灯の視認性に有意差が生
じて避難の迅速性にも影響が現われると考えられる。
【0009】一方、このような誘導灯,非常灯の設置義
務のない一般家庭などでは、災害によって停電した場
合、真っ暗な中で円滑かつ迅速に避難することは容易で
はなく、子供や老人の避難が遅れる可能性がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本出願人は、
先に、ガラスバルブの内面に1種又は2種以上の蛍光体
よりなる発光層を有し、この発光層に長残光性を有する
蛍光体を少なくとも1cm2 当たり0.2mg以上混入
した蛍光ランプを提案した(特願平7−204369号
参照)。
【0011】この提案によれば、この蛍光ランプを一般
の照明用蛍光ランプと同様に使用することによって、こ
の蛍光ランプの消灯後500秒を経過しても、物の識別
が可能な0.05(Lx)以上の照度(ランプから10
mm離れた点の照度)が得られ、停電時における誘導灯
的な機能や常夜灯的な機能を奏するものである。
【0012】しかしながら、この蛍光ランプの正常時に
おける明るさは、一般の照明用蛍光ランプと同等程度の
明るさが得られないために、所定の床面照度を満たすに
は照明器具の設置数を増加させなければならず、経済的
な負担が増加するという問題がある。
【0013】それ故に、本発明の目的は、比較的に簡単
な構成によって長残光性を損なうことなく、明るさを実
用上遜色のない程度に改善できる他に、誘導灯ないし非
常灯以外への利用展開が可能な蛍光ランプを提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、上述
の目的を達成するために、ガラスバルブの内面に主とし
て蛍光体よりなる第1,第2の発光層を有する蛍光ラン
プにおいて、前記ガラスバルブ側の第1の発光層を、長
残光性を有し、かつ残光特性の異なる複数の蛍光体を混
合してなる混合蛍光体にて形成したことを特徴とし、本
発明の第2の発明は、前記長残光性を有する混合蛍光体
の付着量を、1cm2 当たり少なくとも0.2mg以上
に設定したことを特徴とし、第3の発明は、前記第2の
発光層に、第1の発光層の蛍光体とは残光特性の異なる
長残光性を有する蛍光体を混入したことを特徴とし、さ
らに第4の発明は、前記第2の発光層を1種又は2種以
上の希土類蛍光体にて形成したことを特徴とする。
【0015】又、本発明の第5の発明は、ガラスバルブ
の内面に主として蛍光体よりなる第1,第2の発光層を
有する蛍光ランプにおいて、前記ガラスバルブ側の第1
の発光層を長残光性を有し、かつ残光特性の異なる複数
の蛍光体を混合してなる混合蛍光体にて形成し、かつガ
ラスバルブと第1の発光層との間に紫外線反射層を形成
したことを特徴とし、第6の発明は、前記紫外線反射層
をアルミナ又はマグネシアにて構成したことを特徴とす
る。
【0016】又、本発明の第7の発明は、ガラスバルブ
の内面に主として蛍光体よりなる第1,第2の発光層を
有する蛍光ランプにおいて、前記ガラスバルブ側の第1
の発光層を長残光性を有し、かつ残光特性の異なる複数
の蛍光体を混合してなる混合蛍光体にて形成し、かつガ
ラスバルブと第1の発光層との間に透光性の導電性被膜
を形成したことを特徴とし、第8の発明は、前記導電性
被膜と第1の発光層との間に紫外線反射層を形成したこ
とを特徴とする。
【0017】又、本発明の第9の発明は、ガラスバルブ
の内面に主として蛍光体よりなる第1,第2の発光層を
有する蛍光ランプにおいて、前記ガラスバルブ側の第1
の発光層を長残光性を有し、かつ残光特性の異なる複数
の蛍光体を混合してなる混合蛍光体にて形成し、かつガ
ラスバルブの外周面を透光性の保護層にて覆ったことを
特徴とし、第10の発明は、前記保護層を、樹脂製のチ
ュ−ブにて構成したことを特徴とする。
【0018】又、本発明の第11の発明は、ガラスバル
ブの内面に所定角度の開口角を以て反射層を形成し、か
つ少なくとも反射層上に主として蛍光体よりなる発光層
を形成した蛍光ランプにおいて、前記発光層に、長残光
性を有し、かつ残光特性の異なる複数の蛍光体を混入・
分散させたことを特徴とし、第12の発明は、前記発光
層を第1,第2の発光層にて構成し、ガラスバルブ側の
第1の発光層を長残光性を有し、かつ残光特性の異なる
複数の蛍光体を混合してなる混合蛍光体にて、第2の発
光層を1種又は2種以上の希土類蛍光体の混合蛍光体に
て形成したことを特徴とする。
【0019】さらには、本発明の第13の発明は、ガラ
スバルブの内面に1種又は2種以上の蛍光体よりなる発
光層を有する蛍光ランプにおいて、前記発光層に、長残
光性を有し、かつ残光特性の異なる複数の蛍光体を混入
・分散させたことを特徴とし、第14の発明は、前記長
残光性を有する複数の蛍光体の混入総量を1cm2 当た
り少なくとも0.2mg以上に設定したことを特徴とす
る。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の1実施例について
図1〜図2を参照して説明する。同図において、1はガ
ラスバルブであって、その内面には長残光性を有し、か
つ残光特性の異なる複数の蛍光体を混合してなる混合蛍
光体にて第1の発光層2が形成されている。この第1の
発光層2における混合蛍光体の付着量は1cm2 当たり
0.2mg以上に設定されている。そして、この第1の
発光層2には1種又は2種以上の蛍光体よりなる第2の
発光層3が積層して形成されている。これらの発光層
2,3はガラスバルブ1に塗布液を流し込むことによっ
て形成されるのであるが、特に、第2の発光層3を形成
する際の塗布液の塗布方向を第1の発光層2を形成する
際の塗布液の塗布方向とは逆方向に設定することによ
り、長手方向の各部分の膜厚を比較的に均一化できる。
尚、4はガラスバルブ1の両端に配置された電極であ
る。
【0021】上述の長残光性を有する蛍光体(2)とし
ては、例えば一般式がMAl2 4で表される化合物
で、Mはカルシウム,ストロンチウム,バリウムからな
る群から選択された1つ以上の金属元素からなる化合物
を母結晶にした蓄光性蛍光体であり、付活剤としてはユ
−ロピウム(Eu)が用いられる他、共付活剤としてジ
スプロシウム(Dy),ネオジム(Nd)などが使用さ
れる。これらの蛍光体残光特性の異なるものが見受けら
れる。
【0022】例えば490nmに発光ピ−クを有するユ
−ロピウム,ジスプロシウム付活アルミン酸ストロンチ
ウム蛍光体(Sr4 Al1425:Eu/Dy)と、52
0nmに発光ピ−クを有するユ−ロピウム付活アルミン
酸ストロンチウム蛍光体(SrAl2 4 :Eu)と
は、粉体状態において、図2に示すような残光輝度特性
を呈する。前者は発光色が青緑色(ブル−グリ−ン)で
あり、後者は発光色が緑色(グリ−ン)であり、図中、
BG及びGで示している。これらの蛍光体(以下、前者
をBG蛍光体、後者をG蛍光体という)は、消灯直後
に、急激な残光輝度の減衰を呈するが、10分程度経過
した後は緩やかに減衰する減衰特性を有している。そし
て、消灯後、10分経過頃まではG蛍光体の方がBG蛍
光体の残光輝度より大きいが、10分程度経過後はBG
蛍光体の方がG蛍光体の残光輝度より大きくなるという
逆転現象が生じている。これらの蛍光体の輝度特性は、
BG蛍光体とG蛍光体との混合比率,付着量,平均粒径
などによって影響を受けるものであるが、例えばこれら
の平均粒径は2〜12μmに設定されているが、12μ
m以上に設定することもでき、大きな粒径を選択するこ
とにより残光輝度を高めることができる。
【0023】又、上述の第2の発光層3は電極間に形成
される放電路に隣接するように配置されており、例えば
ハロリン酸塩蛍光体(Ca10(PO46 FCl:Sb
/Mn,Sr10(PO46 FCl:Sb/Mnなど)
や希土類蛍光体(Y2:Eu,LaPO4 :Ce/T
b,(SrCaBaMg)5 (PO43 Cl:Euな
ど ) などの1種又は2種以上を混合して形成されてい
る。尚、この第2の発光層3には、例えば第1の発光層
2の蛍光体とは残光特性の異なる長残光性を有する蛍光
体を適宜に混入・分散させることもできるし、又、第1
の発光層2の蛍光体の一部を混入・分散させることもで
きる。
【0024】この実施例によれば、ガラスバルブ1の内
面に積層状態で形成された少なくとも第1,第2の発光
層2,3のうち、放電路側の第2の発光層3は、希土類
蛍光体などのように、一般の照明用蛍光ランプに使用さ
れる蛍光体にて構成されているために、ランプ点灯時に
253.7nmなどの紫外線によって効率よく励起さ
れ、明るさを大幅に増加させることができる。
【0025】又、第1の発光層2は、ガラスバルブ側に
形成されているために、第2の発光層3を透過してくる
紫外線によって励起されて発光することになる。一方、
消灯時においては、殆んどの放射光がガラスバルブ1か
ら直接的に外部に放射される。従って、第1の発光層2
からの放射光は殆んど減衰することなく外部に放射させ
ることができ、非常時などの誘導光として有効に利用で
きる。
【0026】特に、第1の発光層2は、長残光性を有す
る蛍光体の総付着量が1cm2 当たり0.2mg以上に
設定されている関係で、蛍光ランプを消灯しても長時間
に亘って物の識別が可能な0.05(Lx)程度の照度
を維持できる。このために、消防法や建築基準法で誘導
灯,非常灯の設置が義務付けられている場所の一般照明
器具や一般家庭の照明器具に適用すれば、災害などで万
一停電しても、物を識別可能な明るさの残光が得られる
ために、円滑かつ迅速な避難が可能となる。
【0027】その上、第1の発光層2は、長残光性を有
し、かつ残光特性の異なる複数の蛍光体(例えばBG蛍
光体,G蛍光体など)よりなる混合蛍光体にて構成され
ているために、消灯してから10分程度まではグリ−ン
が強い発光を呈しているが、10分経過後からはブル−
グリ−ンが優勢な発光色を呈し、誘導用などの標識とし
てのみならず、消灯空間に照明の色調が変化する幻想的
な空間を演出することができる。従って、青色,緑色な
どの他に、赤色などの発光色を呈する蛍光体などと組み
合わせることによって、さらに多様な演出が可能とな
る。
【0028】さらに、家庭用照明器具には、常夜灯用と
して5W程度の豆球が搭載されているが、本発明蛍光ラ
ンプを使用すれば、豆球を省略でき、器具のコストを低
減できるのみならず、省電力も可能となる。
【0029】図3は、本発明の第2の実施例を示すもの
であって、基本的には図1に示す実施例と同じである。
異なる点は、ガラスバルブ1と第1の発光層2との間に
透光性を有する紫外線反射層5を形成したことである。
この紫外線反射層5は、例えば平均粒径が0.1μm以
下好ましくは30〜50mμmのアルミナ(Al2
3 ),マグネシア(MgO)などにて形成されている。
【0030】ところで、第1,第2の発光層2,3は電
極4間の放電によって生ずる水銀の紫外線で励起される
のであるが、放電路側に位置する蛍光体(第2の発光層
3)は効率よく励起されるものの、放電路から遠ざかる
ガラスバルブ側に位置する蛍光体(第1の発光層2)の
励起効率は低下する傾向にある。しかしながら、この実
施例によれば、第1,第2の発光層2,3を透過した紫
外線が紫外線反射層5で反射されるために、ガラスバル
ブ側に位置する蛍光体(第1の発光層2)は透過する時
の紫外線と反射した時の紫外線とによって励起されるこ
とになる。従って、発光効率を高めることができる。
【0031】又、例えばアルミナによる紫外線反射層5
を形成することによって、水銀のガラスバルブ1への接
触を抑制できる関係で、ソ−ラリゼ−ションによる変色
を防止ないし低減することもできる。
【0032】図4は、本発明の第3の実施例を示すもの
であって、基本的には図3に示す実施例と同じである。
異なる点は、ガラスバルブ1と紫外線反射層5との間に
透光性を有する導電性被膜6を形成したことである。こ
の導電性被膜6は、例えば加熱状態のガラスバルブの内
面に塩化錫を含む溶液を吹き付けることによって形成さ
れ、例えば1〜1000KΩ程度の抵抗値を有する。
【0033】この実施例によれば、ラピッドスタ−ト式
の点灯回路装置を備えた照明器具に適用でき、大型店
舗,劇場,地下街などのように保守の手間を省きたい所
での使用に好適する。
【0034】しかも、導電性被膜6と第1の発光層2の
間には紫外線反射層5が形成されているために、明るさ
の改善は勿論のこと、水銀が被膜6の錫などに接触する
ことによって生ずる変色を防止ないし低減できる。従っ
て、蛍光ランプとしての外観状態を向上できる。
【0035】図5〜図6は、本発明の第4の実施例を示
すものであって、基本的には図3に示す実施例と同じで
ある。異なる点は、第1の発光層2と紫外線反射層5と
の間に開口部7aを有する反射層7を形成したことであ
る。この反射層7は、例えば酸化チタン(TiO2 )な
どのように光反射性を有する部材にて形成されている。
そして、それの開口部7aの開口角θは例えば120度
に設定されているが、用途に応じて100度,70度な
ど適宜の開口角に設定できる。
【0036】この実施例によれば、開口部7aから放出
される光は第1,第2の発光層2,3からの直射光と、
反射層7で反射されて放出される反射光との合成された
ものとなる。このために、開口部7aの法線方向のの明
るさ(光度)は図6においてAで示すように増加する
し、消灯時における第1の発光層2のそれぞれの蛍光体
の残光輝度も増加し、指向性を有する色調変化によって
上述の実施例とは異なった演出が可能となる。尚、同図
において、Bは反射層7を有しない蛍光ランプの配光特
性を示す。
【0037】この実施例では、紫外線反射層5を省略し
たり、第1の発光層2に反射層7と同様に開口部(アパ
−チャ部)を形成することもできるし、或いはガラスバ
ルブ1と紫外線反射層5との間に導電性被膜6を形成す
ることもできる。
【0038】図7は、本発明の第5の実施例を示すもの
であって、基本的には図1に示す実施例と同じである。
異なる点は、ガラスバルブ1の外周面に保護層8が形成
されている。この保護層8は、例えばポリエチレンテレ
フタレ−ト(PET)などの樹脂材からなり、厚みは例
えば100〜150μmに設定されている。この保護層
8は、予めチュ−ブ状に構成されており、これの内部に
ガラスバルブ1を挿入した後、150〜200℃で加熱
して収縮させ、ガラスバルブ1の外周面に密着させるこ
とによって形成される。特に、保護層8に酸化チタン
(TiO2 )などの紫外線吸収材を混入させれば、保護
層8の耐光性を改善できるのみならず、紫外線防止層と
しても作用する。尚、この構成は図3,図4,図5に示
す蛍光ランプにも適用できる。
【0039】この実施例によれば、ガラスバルブ1の外
周面には樹脂製などの保護層8が形成されているので、
非常時に、万一、ガラスバルブ1が破損しても飛散を防
止できるのみならず、破損した状態でも物を識別できる
程度の照度が得られる。しかも、残光特性の異なる複数
の蛍光体に基づき、消灯後の経過時間によって色調変化
が得られる。
【0040】その上、この蛍光ランプを照明器具より取
り外せば、懐中電灯の代替品として利用することができ
るので、避難誘導のみならず色々な面で図り知れない威
力を発揮するものと推測される。
【0041】図8は、本発明の第6の実施例を示すもの
であって、基本的には図7に示す実施例と同じである。
異なる点は、ガラスバルブ1の外周面と保護層8との間
に第1の発光層2を形成したことである。この実施例に
よれば、通常の蛍光ランプを利用して構成することが可
能となる。
【0042】図9は、本発明の第7の実施例を示すもの
であって、ガラスバルブ1の内面には、長残光性を有
し、かつ残光特性の異なる複数の蛍光体と、ハロリン酸
塩蛍光体,希土類蛍光体など一般照明用蛍光ランプに用
いられる蛍光体とを混合してなる混合蛍光体にて発光層
2Aが形成されている。この実施例は、例えば図3,図
4,図5,図7に示す蛍光ランプにも適用できる。
【0043】尚、本発明は、何ら上記実施例にのみ制約
されることなく、例えば蛍光ランプは、40ワットタイ
プ以外の直管形蛍光ランプはもとより環形蛍光ランプ,
コンパクト蛍光ランプ,電球形蛍光ランプなどにも適用
できる。長残光性を有する蛍光体は、上記実施例に記載
したものの他、ユ−ロピウム,ネオジム,イットリウム
付活アルミン酸カルシウム蛍光体(CaAl2 4 :E
u/Nd/Y),ユ−ロピウム,ネオジム付活アルミン
酸バリウム蛍光体(BaAl2 4 :Eu/Nd)など
のように長残光特性を有し、かつ残光特性の異なるもの
はすべて使用できる。又、三波長形蛍光ランプにおいて
は、第2の発光層における3種類以上の蛍光体のうち、
1種類以上を長残光性を有する蛍光体にて置換したりす
ることもできる。又、第1,第2の発光層は逆配置にす
ることもできる。さらには、これらの長残光性を有する
蛍光体を混合するばあいには、それぞれの混合割合は粒
径,発光域,消灯時の残光色調の変化態様などによって
適宜に設定できる。
【0044】
【実施例】次に、本発明者は、544nmに発光ピ−ク
を有するセリウム,テルビウム付活リン酸ランタン蛍光
体(LaPO4 :Ce/Tb・・・A蛍光体)と、長残
光性を有し、かつ490nmに発光ピ−クを有するユ−
ロピウム,ジスプロシウム付活アルミン酸ストロンチウ
ム蛍光体(Sr4 Al1425:Eu/Dy・・・BG蛍
光体)と、長残光性を有し、かつ520nmに発光ピ−
クを有するユ−ロピウム,ジスプロシウム付活アルミン
酸ストロンチウム蛍光体(SrAl2 4 :Eu・・・
G蛍光体)とを用いて図1に示すFL40蛍光ランプを
製造し、全光束を測定したところ、表1に示す結果が得
られた。尚、第1,第2の発光層の蛍光体付着量はそれ
ぞれ4.0mg/cm2 一定とした。又、BG蛍光体と
G蛍光体との混合比率は1:1とした。
【0045】
【表1】
【0046】同表より明らかなように、第2の発光層に
A蛍光体,第1の発光層にBG及びG蛍光体の混合蛍光
体を使用した組合せの場合の全光束を100とすると、
その逆の組合せの場合には90%に減少している。これ
は、放電路側に発光効率のよい蛍光体を配置することに
よって全体の効率改善が可能であることを示している。
前者の組合せの蛍光ランプにおいて、ガラスバルブと第
1の発光層との間にアルミナよりなる紫外線反射層を形
成したところ、全光束が3%程度増加した。
【0047】又、第2の発光層にA蛍光体を、第1の発
光層にBG及びG蛍光体の混合蛍光体を使用した組合せ
のFL40蛍光ランプにおいて、A蛍光体の付着量を4
mg/cm2 一定とし、混合蛍光体の付着量を0〜8.
0mg/cm2 の範囲で変化させた時の全光束及び消灯
後300秒における照度を測定したところ、表2に示す
結果が得られた。尚、照度は、蛍光ランプの中央部分か
ら10mm離隔したところに照度計を配置して測定し
た。
【0048】
【表2】
【0049】同表から明らかなように、混合蛍光体の付
着量が増加すると、全光束は低下するものの、残光照度
は増加している。例えば停電時に物の識別が可能な照度
は、ほぼ0.05(Lx)であることが実験的に確認さ
れていることから、そのような照度を得るには混合蛍光
体の付着量は少なくとも0.2mg/cm2 が必要であ
ることが理解できる。又、全光束は、通常の蛍光ランプ
の50%以上あれば、一応実用に供し得るものの経済性
を加味すれば、8.0mg/cm2 が限度と考えられ
る。
【0050】又、本発明者は、第1の発光層にBG蛍光
体と、G蛍光体とを使用し、第2の発光層に622nm
に発光ピ−クを有するユ−ロピウム付活酸化イットリウ
ム蛍光体(Y23 :Eu・・・R蛍光体)と、A蛍光
体と、453nmに発光ピ−クを有するユ−ロピウム付
活リン酸ストロンチウム・カルシウム・バリウム・マグ
ネシウム蛍光体((SrCaBaMg)5 (PO43
Cl:Eu・・・B蛍光体)とを使用し、表3に示す配
合比で混合して図1に示す構成のFL40蛍光ランプを
製造した。尚、第1及び第2の発光層の付着量は、それ
ぞれ5.3及び3.4mg/cm2 であった。
【0051】
【表3】
【0052】この蛍光ランプの各種特性を測定したとこ
ろ、全光束は2830(Lm)であった。尚、第1の発
光層を設けない従来の蛍光ランプの全光束は3200
(Lm)であった。又、消灯後の経過時間に対する照度
(残光特性)は、図10に示す。図10から明らかなよ
うに、消灯後300秒を経過しても、残光照度は0.2
2(Lx)あり、物の識別も十分にでき、円滑な避難が
可能と推測される。尚、この蛍光ランプは2時間経過し
ても、0.05(Lx)以上の照度を維持していた。
【0053】又、この蛍光ランプは、消灯してから10
分程度まではグリ−ンが強い発光を呈していたが、10
分経過してからはブル−グリ−ンが優勢な発光色を呈
し、経過時間によって色調が変化することが認められ
た。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ガラス
バルブの内面に積層状態で形成された少なくとも第1,
第2の発光層のうち、放電路側の第2の発光層は、希土
類蛍光体などのように、一般の照明用蛍光ランプに使用
される蛍光体にて構成されているために、ランプ点灯時
に紫外線によって効率よく励起され、明るさを大幅に増
加させることができる。
【0055】又、第1の発光層は、ガラスバルブ側に形
成されているために、第2の発光層を透過してくる紫外
線によって励起されて発光することになる。一方、消灯
時においては、殆んどの放射光がガラスバルブから直接
的に外部に放射される。従って、第1の発光層からの放
射光は殆んど減衰することなく外部に放射させることが
でき、非常時などの誘導光として有効に利用できる。
【0056】特に、第1の発光層は、長残光性を有する
蛍光体の総付着量が1cm2 当たり0.2mg以上に設
定されている関係で、蛍光ランプを消灯しても長時間に
亘って物の識別が可能な程度の照度を維持できる。この
ために、消防法や建築基準法で誘導灯,非常灯の設置が
義務付けられている場所の一般照明器具や一般家庭の照
明器具に適用すれば、災害などで万一停電しても、物を
識別可能な明るさの残光が得られるために、円滑かつ迅
速な避難が可能となる。
【0057】その上、第1の発光層は、長残光性を有
し、かつ残光特性の異なる複数の蛍光体よりなる混合蛍
光体にて構成されているために、消灯してから例えば1
0分程度までは特定の蛍光体が強い発光を呈している
が、10分経過後からは他の蛍光体が優勢な発光色を呈
し、誘導用などの標識としてのみならず、消灯空間に照
明の色調が変化する幻想的な空間を演出することができ
る。従って、青色,緑色,赤色などの発光色を呈する蛍
光体などを適宜に組み合わせることによって多様な演出
が可能となる。
【0058】又、発光層を、希土類蛍光体などのように
一般の照明用蛍光ランプに使用される1種又は2種以上
の蛍光体及び長残光性を有し、かつ残光特性の異なる複
数の蛍光体を混合してなる混合蛍光体にて構成すれば、
ガラスバルブへの発光層の形成が容易となり、作業性を
改善できる。
【0059】さらに、家庭用照明器具には、常夜灯用と
して5W程度の豆球が搭載されているが、本発明蛍光ラ
ンプを使用すれば、豆球を省略でき、器具のコストを低
減できるのみならず、省電力も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す要部破断図。
【図2】異なる残光特性を有する蛍光体の残光輝度の減
衰特性図。
【図3】本発明の第2の実施例を示す要部破断図。
【図4】本発明の第3の実施例を示す要部破断図。
【図5】本発明の第4の実施例を示す縦断面図。
【図6】配光特性を示す図。
【図7】本発明の第5の実施例を示す要部破断図。
【図8】本発明の第6の実施例を示す要部破断図。
【図9】本発明の第7の実施例を示す要部破断図。
【図10】消灯後の経過時間に対する残光照度を示す
図。
【符号の説明】
1 ガラスバルブ 2 第1の発光層 2A 発光層 3 第2の発光層 4 電極 5 紫外線反射層 6 導電性被膜 7 反射層 7a 開口部 8 保護層

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスバルブの内面に主として蛍光体よ
    りなる第1,第2の発光層を有する蛍光ランプにおい
    て、前記ガラスバルブ側の第1の発光層を、長残光性を
    有し、かつ残光特性の異なる複数の蛍光体を混合してな
    る混合蛍光体にて形成したことを特徴とする蛍光ラン
    プ。
  2. 【請求項2】 前記長残光性を有する混合蛍光体の付着
    量を、1cm2 当たり少なくとも0.2mg以上に設定
    したことを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】 前記第2の発光層に、第1の発光層の蛍
    光体とは残光特性の異なる長残光性を有する蛍光体を混
    入したことを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。
  4. 【請求項4】 前記第2の発光層を1種又は2種以上の
    希土類蛍光体にて形成したことを特徴とする請求項1記
    載の蛍光ランプ。
  5. 【請求項5】 ガラスバルブの内面に主として蛍光体よ
    りなる第1,第2の発光層を有する蛍光ランプにおい
    て、前記ガラスバルブ側の第1の発光層を長残光性を有
    し、かつ残光特性の異なる複数の蛍光体を混合してなる
    混合蛍光体にて形成し、かつガラスバルブと第1の発光
    層との間に紫外線反射層を形成したことを特徴とする蛍
    光ランプ。
  6. 【請求項6】 前記紫外線反射層をアルミナ又はマグネ
    シアにて構成したことを特徴とする請求項5記載の蛍光
    ランプ。
  7. 【請求項7】 ガラスバルブの内面に主として蛍光体よ
    りなる第1,第2の発光層を有する蛍光ランプにおい
    て、前記ガラスバルブ側の第1の発光層を長残光性を有
    し、かつ残光特性の異なる複数の蛍光体を混合してなる
    混合蛍光体にて形成し、かつガラスバルブと第1の発光
    層との間に透光性の導電性被膜を形成したことを特徴と
    する蛍光ランプ。
  8. 【請求項8】 前記導電性被膜と第1の発光層との間に
    紫外線反射層を形成したことを特徴とする請求項7記載
    の蛍光ランプ。
  9. 【請求項9】 ガラスバルブの内面に主として蛍光体よ
    りなる第1,第2の発光層を有する蛍光ランプにおい
    て、前記ガラスバルブ側の第1の発光層を長残光性を有
    し、かつ残光特性の異なる複数の蛍光体を混合してなる
    混合蛍光体にて形成し、かつガラスバルブの外周面を透
    光性の保護層にて覆ったことを特徴とする蛍光ランプ。
  10. 【請求項10】 前記保護層を、樹脂製のチュ−ブにて
    構成したことを特徴とする請求項9記載の蛍光ランプ。
  11. 【請求項11】 ガラスバルブの内面に所定角度の開口
    角を以て反射層を形成し、かつ少なくとも反射層上に主
    として蛍光体よりなる発光層を形成した蛍光ランプにお
    いて、前記発光層に、長残光性を有し、かつ残光特性の
    異なる複数の蛍光体を混入・分散させたことを特徴とす
    る蛍光ランプ。
  12. 【請求項12】 前記発光層を第1,第2の発光層にて
    構成し、ガラスバルブ側の第1の発光層を長残光性を有
    し、かつ残光特性の異なる複数の蛍光体を混合してなる
    混合蛍光体にて、第2の発光層を1種又は2種以上の希
    土類蛍光体の混合蛍光体にて形成したことを特徴とする
    請求項11記載の蛍光ランプ。
  13. 【請求項13】 ガラスバルブの内面に1種又は2種以
    上の蛍光体よりなる発光層を有する蛍光ランプにおい
    て、前記発光層に、長残光性を有し、かつ残光特性の異
    なる複数の蛍光体を混入・分散させたことを特徴とする
    蛍光ランプ。
  14. 【請求項14】 前記長残光性を有する複数の蛍光体の
    混入総量を1cm2当たり少なくとも0.2mg以上に
    設定したことを特徴とする請求項13記載の蛍光ラン
    プ。
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