JPH11111227A - 残光形蛍光ランプ - Google Patents

残光形蛍光ランプ

Info

Publication number
JPH11111227A
JPH11111227A JP26999797A JP26999797A JPH11111227A JP H11111227 A JPH11111227 A JP H11111227A JP 26999797 A JP26999797 A JP 26999797A JP 26999797 A JP26999797 A JP 26999797A JP H11111227 A JPH11111227 A JP H11111227A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
light
afterglow
emitting layer
fluorescent lamp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP26999797A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Nomura
幸二 野村
Yasuhiro Matsumoto
康宏 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Home Electronics Ltd
NEC Corp
Original Assignee
NEC Home Electronics Ltd
Nippon Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Home Electronics Ltd, Nippon Electric Co Ltd filed Critical NEC Home Electronics Ltd
Priority to JP26999797A priority Critical patent/JPH11111227A/ja
Publication of JPH11111227A publication Critical patent/JPH11111227A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】放電側に位置する第2の発光層を構成する複数
の蛍光体のうち、青色領域に発光を呈する蛍光体を特定
の蛍光体に選定することによって、消灯後の長残光機能
を損なうことなく、定常時における三波長域放射束比,
明るさを改善できる残光形蛍光ランプを提供すること。 【解決手段】ガラスバルブ1の内面に1種又は2種以上
の蛍光体よりなる第1,第2の発光層2,3を有し、か
つガラスバルブ側の第1の発光層2を長残光性を呈する
蛍光体にて、放電側の第2の発光層3を三波長域に発光
を呈する複数の蛍光体にて形成した残光形蛍光ランプに
おいて、前記第2の発光層3を構成する複数の蛍光体の
うち、青色領域に発光を呈する蛍光体をユ−ロピウム付
活アルミン酸バリウム・マグネシウム蛍光体にて構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は残光形蛍光ランプ
に関し、特にランプ消灯後10分以上を経過しても物の
識別が可能な残光を呈する残光形蛍光ランプの改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、三波長域発光形の蛍光ランプ
は、例えばガラスバルブの内面に青色領域,緑色領域,
赤色領域に発光を呈する複数の希土類蛍光体などからな
る発光層を形成して構成されている。
【0003】例えば青色領域に発光を呈する蛍光体とし
てユ−ロピウム,マンガン付活アルミン酸バリウム・マ
グネシウム蛍光体(BaMg2 Al1617:Eu,M
n)を、緑色領域に発光を呈する蛍光体としてセリウ
ム,テルビウム付活リン酸ランタン蛍光体(LaP
4 :Ce,Tb)を、赤色領域に発光を呈する蛍光体
としてユ−ロピウム付活酸化イットリウム蛍光体(Y2
3 :Eu)を混合して発光層を形成した三波長域発光
形の直管40ワットタイプの蛍光ランプでは、3300
〜3400(lm)程度の明るさが得られており、オフ
ィスはもとより大型店舗,劇場,浴場,地下街などのよ
うに広い分野で使用されている。
【0004】特に、人が多く集まる大型店舗,劇場,地
下街などにおいては、火災,地震などの災害によって停
電した場合でも、人命を第一義に考えて安全かつ迅速に
避難させる必要がある。
【0005】従って、消防法,建築基準法では、一定以
上のスペ−スを有し、かつ人が多く集まるなどの条件を
満たす大型店舗,劇場,地下街などには一般照明器具の
他に、誘導灯,非常灯などを設置することが義務付けら
れている。
【0006】これらの誘導灯,非常灯は、例えば正常時
は蛍光ランプを商用電源によって点灯させ、非常時(停
電時)は内蔵バッテリ−を電源として蛍光ランプないし
電球などを照度が1(Lx)以上で、かつ20〜30分
以上点灯するように構成されている。
【0007】このために、非常時に、万一、商用電源が
停電して一般照明器具などが消灯したとしても、床面の
照度は最低でも1(Lx)以上が確保されるために、安
全かつ迅速な避難が可能となるものである。
【0008】しかしながら、これらの誘導灯,非常灯
は、高価であることもあって、一般照明器具に比較する
と、その設置数は少ない。例えば通路誘導灯のように壁
面の下方に配置される場合には、混雑していると、壁面
に近い人と遠い人では通路誘導灯の視認性に有意差が生
じて避難の迅速性にも影響が現われるものである。
【0009】一方、このような誘導灯,非常灯の設置義
務のない一般家庭などでは、災害によって停電した場
合、真っ暗な中で円滑かつ迅速に避難することは容易で
はなく、子供や老人の避難が遅れる可能性がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本出願人は、
先に、ガラスバルブの内面に1種又は2種以上の蛍光体
よりなる第1,第2の発光層を備え、ガラスバルブ側の
第1の発光層を長残光性を呈するユ−ロピウム,ディス
プロシウム付活アルミン酸ストロンチウム蛍光体(Sr
4 Al1425:Eu,Dy)にて、放電側の第2の発光
層を三波長域に発光を呈する複数の蛍光体にて構成し、
かつ第1の発光層の付着量を1cm2 当たり0.2〜
8.0mgの範囲に設定した残光形蛍光ランプを提案し
た。
【0011】この提案によれば、この蛍光ランプを一般
の照明用蛍光ランプと同様に使用することによって、こ
の蛍光ランプの消灯後、かなり長い時間を経過しても、
物の識別が可能な照度が得られ、停電時における誘導灯
的な機能や常夜灯的な機能を奏するものである。
【0012】しかしながら、この残光形蛍光ランプを一
般照明用として使用した場合には、第1の発光層が長残
光性を有する蛍光体にて構成されているために、それの
明るさは発光層として第2の発光層のみを有する通常の
三波長域発光形の蛍光ランプに比較して10%程度低下
するのみならず、日本工業規格(Z9112-1990 「蛍
光ランプの光源色及び演色性による区分」)では三波長
域放射束比rt は50以上であることと規定されている
にも拘らず、50未満になってしまうという問題があ
る。
【0013】特に、この残光形蛍光ランプにおいて、第
2の発光層を構成する複数の蛍光体のうち、青色領域に
発光を呈する蛍光体をユ−ロピウム,マンガン付活アル
ミン酸バリウム・マグネシウム蛍光体(BaMg2 Al
1617:Eu,Mn・・以下、BAM:Eu,Mn蛍光
体という)にて、緑色領域に発光を呈する蛍光体をセリ
ウム,テルビウム付活リン酸ランタン蛍光体(LaPO
4 :Ce,Tb)にて、赤色領域に発光を呈する蛍光体
をユ−ロピウム付活酸化イットリウム蛍光体(Y
2 3 :Eu)にて構成した場合には、三波長域放射束
比rt は46〜48程度になってしまう。尚、この残光
形蛍光ランプの分光エネルギ−分布は図2において点線
で示す。
【0014】この原因については次のように考えられ
る。即ち、三波長域放射束比rt は日本工業規格に表示
されているように、 rt =(PB +PG +PR /PT )×100 ここで、 PB :青色領域(445〜475nm)の相対放射束 PG :緑色領域(525〜555nm)の相対放射束 PR :赤色領域(595〜625nm)の相対放射束 PT :可視領域(380〜780nm)の相対放射束 で計算されることから、青色領域,緑色領域,赤色領域
以外の相対放射束が小さくなればなるほど、三波長域放
射束比rt は大きくなる。この点、図2において点線で
示す分光エネルギ−分布特性では、上述の三波長域外の
515nm付近に発光ピ−クが現われており、これは図
3において点線で示すようにBAM:Eu,Mn蛍光体
による発光に起因するものであることがわかる。従っ
て、この発光ピ−クによって可視領域全体の相対放射束
T が大きくなる反面、三波長域の相対放射束が抑えら
れるためと考えられる。このために、三波長域外の相対
放射束を抑え、三波長域の相対放射束を高めることがで
きれば、三波長域放射束比rtは勿論のこと、明るさも
改善できるものである。
【0015】それ故に、本発明の目的は、放電側に位置
する第2の発光層を構成する複数の蛍光体のうち、青色
領域に発光を呈する蛍光体を特定の蛍光体に選定するこ
とによって、消灯後の長残光機能を損なうことなく、定
常時における三波長域放射束比,明るさを改善できる残
光形蛍光ランプを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、上述
の目的を達成するために、ガラスバルブの内面に1種又
は2種以上の蛍光体よりなる第1,第2の発光層を有
し、かつガラスバルブ側の第1の発光層を長残光性を呈
する蛍光体にて、放電側の第2の発光層を三波長域に発
光を呈する複数の蛍光体にて形成した残光形蛍光ランプ
において、前記第2の発光層を構成する複数の蛍光体の
うち、青色領域に発光を呈する蛍光体をユ−ロピウム付
活アルミン酸バリウム・マグネシウム蛍光体にて構成し
たことを特徴とする。
【0017】又、本発明の第2の発明は、ガラスバルブ
の内面に1種又は2種以上の蛍光体よりなる第1,第2
の発光層を有し、かつガラスバルブ側の第1の発光層を
長残光性を呈する蛍光体にて、放電側の第2の発光層を
三波長域に発光を呈する複数の蛍光体にて形成した残光
形蛍光ランプにおいて、前記第2の発光層を構成する複
数の蛍光体のうち、青色領域に発光を呈する蛍光体をユ
−ロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム蛍光
体にて、緑色領域に発光を呈する蛍光体をセリウム,テ
ルビウム付活リン酸ランタン蛍光体にて、赤色領域に発
光を呈する蛍光体をユ−ロピウム付活酸化イットリウム
蛍光体にて構成したことを特徴とする。
【0018】又、本発明の第3の発明は、前記第1の発
光層を下記化学組成式で示す長残光性を呈する蛍光体に
て構成したことを特徴とする。
【0019】(M1-P-q EuP q )O・n(Al1-m
m 2 3 ここで、 0.0001≦p≦0.5 0.0001≦q≦0.5 0.5 ≦n≦3.0 0.0001≦m≦0.5 0.0001≦p+q≦0.75 但し、組成式中のMはMg,Ca,Sr,Ba,Znか
らなる2価金属の群より選ばれた少なくとも1種であ
り、Qは共付活剤でMn,Zr,Nb,Pr,Nd,G
d,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luからな
る群より選ばれた少なくとも1種。
【0020】又、本発明の第4の発明は、前記第1の発
光層を下記化学組成式で示す長残光性を呈する蛍光体に
て構成したことを特徴とする。
【0021】(Ca1-P-q-r EuP Ndq Mnr )O・
n(Al1-m m 2 3 ・kP2 6 ここで、0.0001 ≦p≦0.5 0.00005≦q≦0.5 0.00005≦r≦0.7 0.0001 ≦p+q+r≦0.75 0.5 ≦n≦3.0 0.0001 ≦m≦0.5 0 ≦k≦0.2 1 ≦r/p≦20 さらに、本発明の第5の発明は、前記長残光性を有する
蛍光体の平均粒径を5〜15μmの範囲に、粒度分布を
3〜50μmの範囲にそれぞれ設定したことを特徴と
し、第6の発明は、前記ガラスバルブと第1の発光層と
の間にアルミナ又はマグネシアよりなる紫外線反射層を
形成したことを特徴とし、第7の発明は、前記ガラスバ
ルブと第1の発光層との間に透光性の導電性被膜を形成
したことを特徴とし、さらに、第8の発明は、前記ガラ
スバルブの外周面を透光性の保護層にて覆ったことを特
徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第1の実施例につ
いて図1〜図3を参照して説明する。同図において、1
はガラスバルブであって、その内面には下記化学組成式
で示す長残光性を呈する蛍光体(以下、第1の蛍光体と
呼称する)にて第1の発光層2が形成されている。
【0023】(M1-P-q EuP q )O・n(Al1-m
m 2 3 0.0001≦p≦0.5 0.0001≦q≦0.5 0.5 ≦n≦3.0 0.0001≦m≦0.5 0.0001≦p+q≦0.75 但し、組成式中のMはMg,Ca,Sr,Ba,Znか
らなる2価金属の群より選ばれた少なくとも1種であ
り、Qは共付活剤でMn,Zr,Nb,Pr,Nd,G
d,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luからな
る群より選ばれた少なくとも1種。
【0024】又、この第1の発光層2は下記化学組成式
で示す長残光性を呈する蛍光体(以下、第2の蛍光体と
呼称する)にて構成することもできる。
【0025】(Ca1-P-q-r EuP Ndq Mnr )O・
n(Al1-m m 2 3 ・kP2 6 ここで、0.0001 ≦p≦0.5 0.00005≦q≦0.5 0.00005≦r≦0.7 0.0001 ≦p+q+r≦0.75 0.5 ≦n≦3.0 0.0001 ≦m≦0.5 0 ≦k≦0.2 1 ≦r/p≦20 特に、第1又は第2の蛍光体の付着量は1cm2 当たり
0.2〜8.0mgの範囲に設定されており、この蛍光
体のFSSS(フィッシャ−・サブ・シ−ブ・サイザ
−)による平均粒径は例えば5〜15μmの範囲に、粒
度分布は例えば3〜50μmの範囲にそれぞれ設定され
ている。
【0026】この第1の発光層2には青色領域,緑色領
域,赤色領域の三波長域に発光を呈する複数の蛍光体を
混合した混合蛍光体よりなる第2の発光層3が積層され
ている。この第2の発光層3を構成する蛍光体は、例え
ば青色領域に発光を呈する蛍光体をユ−ロピウム付活ア
ルミン酸バリウム・マグネシウム蛍光体(BaMg2
1617:Eu・・以下、BAM:Eu蛍光体という)
と、緑色領域に発光を呈する蛍光体をセリウム,テルビ
ウム付活リン酸ランタン蛍光体と、赤色領域に発光を呈
する蛍光体をユ−ロピウム付活酸化イットリウム蛍光体
とから構成されている。
【0027】特に、青色領域に発光を呈する蛍光体に
は、図3において実線で示す分光エネルギ−分布特性を
有するBAM:Eu蛍光体が必ず使用されるが、緑色領
域,赤色領域に発光を呈する蛍光体は上記以外の蛍光体
を適宜に使用することができる。例えば緑色領域に発光
を呈する蛍光体としては、セリウム,テルビウム付活ア
ルミン酸マグネシウム蛍光体(MgAl1119:Ce,
Tb)、セリウム,テルビウム付活珪酸イットリウム蛍
光体(Y2 SiO5 :Ce,Tb)などが使用できる
し、赤色領域に発光を呈する蛍光体としては、例えばユ
−ロピウム付活バナジン酸イットリウム蛍光体(YVO
4 :Eu)、ユ−ロピウム付活リンバナジン酸イットリ
ウム蛍光体(Y(PV)O4 :Eu)などが使用でき
る。
【0028】これらの発光層2,3を形成するに当たっ
ては、第2の発光層3を形成する際の蛍光体塗布液の塗
布方向を、第1の発光層2を形成する際の蛍光体塗布液
の塗布方向に対して逆方向に設定することにより、全体
の膜厚の均一化が期待できるが、それぞれの蛍光体塗布
液の塗布方向を同一に設定することもできる。尚、4は
ガラスバルブ1の両端に配置された電極である。
【0029】この実施例によれば、第2の発光層3を構
成する複数の蛍光体のうち、青色領域に発光を呈する蛍
光体には図3において実線で示す分光エネルギ−分布特
性を有するBAM:Eu蛍光体が使用されているため
に、図2において実線で示す分光エネルギ−分布特性の
ように、波長515nm付近での発光ピ−クが効果的に
抑制されている。従って、三波長域放射束比rt を50
以上に改善できる上、明るさも10%程度増加させるこ
とができ、定常状態においても三波長域発光形の蛍光ラ
ンプと遜色なく使用できる。
【0030】又、第1の発光層2を構成する第1の蛍光
体には硼素が含まれているために、蛍光体のガラスバル
ブ1への被着強度が改善でき、製造工程において、機械
的な衝撃などが付与されても、第1の発光層2の膜落を
抑制でき、良品率の向上は勿論のこと、外観特性,残光
特性を改善できる。
【0031】特に、第1の発光層2を第2の蛍光体で構
成すれば、同蛍光体には硼素及びリン酸が含まれるため
に、第2の蛍光体のガラスバルブ1との結合性が向上
し、膜落を確実に防止できるのみならず、熱耐性の向上
により残光照度をも大幅に増加できる。
【0032】しかも、第1又は第2の蛍光体は、その平
均粒径が5〜15μmの範囲に、粒度分布が3〜50μ
mの範囲にそれぞれ設定されているために、発光層2の
膜落を上述の蛍光体の使用と相俟って効果的に防止でき
る。しかしながら、平均粒径が5μm未満になると、残
光照度が小さくなり、逆に15μmを超えると、膜落の
発生が増加するようになる。又、粒度分布において、最
小粒度が3μm未満のものが含まれると、残光照度が小
さくなり、逆に、最大粒度が50μmを超えるものが含
まれると、膜落の発生が増加するようになる。従って、
平均粒径及び粒度分布は上記範囲内に設定することが望
ましい。
【0033】さらには、第1の発光層2は、ガラスバル
ブ側に形成されており、かつそれの付着量が1cm2
たり0.2〜8.0mgの範囲に設定されているため
に、第2の発光層3を透過してくる紫外線によって第1
の蛍光体(又は第2の蛍光体)が効率よく励起されて発
光することになる。特に、消灯時においては、殆んどの
放射光がガラスバルブ1から直接的に外部に放射され
る。従って、第1の発光層2からの放射光は殆んど減衰
することなく外部に放射させることができ、残光照度を
高めることができ、非常時などの誘導光としても有効に
利用できる。
【0034】図4は、本発明の第2の実施例を示すもの
であって、ガラスバルブ1と第1の発光層2との間には
透光性を有する紫外線反射層5が形成されている。この
紫外線反射層5は、例えば平均粒径が0.1μm以下好
ましくは30〜50mμmのアルミナ(Al23 ),
マグネシア(MgO)などにて形成されている。 とこ
ろで、第1,第2の発光層2,3は電極4間の放電によ
って生ずる253.7nmなどの紫外線で励起されるの
であるが、放電路側に位置する蛍光体は効率よく励起さ
れるものの、放電路から遠ざかるガラスバルブ側に位置
する蛍光体の励起効率は若干低下する傾向にある。しか
しながら、この実施例によれば、第1,第2の発光層
2,3を透過した紫外線が紫外線反射層5で反射される
ために、ガラスバルブ側に位置する蛍光体はその粒子の
放電側の面及びガラスバルブ側の面の両面が透過してく
る紫外線及び紫外線反射層5で反射した紫外線によって
励起されることになる。従って、発光効率を高めること
ができる。
【0035】又、例えばアルミナによる紫外線反射層5
を形成することによって、水銀のガラスバルブ1への接
触を抑制できる関係で、ソ−ラリゼ−ションによる変色
を防止ないし低減できる。
【0036】図5は、本発明の第3の実施例を示すもの
であって、ガラスバルブ1と第1の発光層2との間には
透光性を有する導電性被膜6が形成されている。この導
電性被膜6は、例えば加熱状態のガラスバルブの内面に
塩化錫を含む溶液を吹き付けることによって形成され
る。この被膜6は例えば1〜1000KΩ程度の抵抗値
を有する。
【0037】この実施例によれば、ラピッドスタ−ト式
の点灯回路装置を備えた照明器具に適用でき、大型店
舗,劇場,地下街などのように保守の手間を省きたい所
での使用に好適する。
【0038】特に、ガラスバルブ1と導電性被膜6との
間に図4に示す紫外線反射層5を形成すれば、明るさの
改善は勿論のこと、水銀が被膜6の錫などに接触するこ
とによって生ずる変色を防止ないし低減できる。従っ
て、残光形蛍光ランプとしての外観状態を向上できる。
【0039】図6は、本発明の第4の実施例を示すもの
であって、ガラスバルブ1の外周面には保護層7が形成
されている。この保護層7は、例えばポリエチレンテレ
フタレ−ト(PET)などの樹脂材からなり、厚みは例
えば100〜150μmに設定されている。この保護層
7は、予めチュ−ブ状に構成されており、これの内部に
ガラスバルブ1を挿入した後、例えば150〜200℃
で加熱して収縮させ、ガラスバルブ1の外周面に密着さ
せることによって形成される。特に、保護層7に酸化チ
タン(TiO2 )などの紫外線吸収材を混入させれば、
保護層7の耐光性を改善できるのみならず、紫外線防止
層としても作用する。尚、この構成は図4や図5に示す
残光形蛍光ランプにも適用できる。
【0040】この実施例によれば、ガラスバルブ1の外
周面には樹脂製などの保護層7が形成されているので、
非常時に、万一、ガラスバルブ1が破損しても飛散を防
止できるのみならず、破損した状態でも物を識別できる
程度の照度が得られる。従って、円滑かつ迅速な避難が
可能となる。
【0041】その上、この蛍光ランプを照明器具より取
り外せば、懐中電灯の代替品として利用することができ
るので、避難誘導のみならず色々な面で図り知れない威
力を発揮するものと推測される。
【0042】尚、本発明は、何ら上記実施例にのみ制約
されることなく、例えば残光形蛍光ランプは、40ワッ
トタイプ以外の直管形蛍光ランプはもとより環形蛍光ラ
ンプ,コンパクト蛍光ランプなどにも適用できる。又、
第1の発光層を構成する蛍光体は、例えば一般式がMA
24 で表される化合物で、MはCa,Sr,Baか
らなる群より選択された1つ以上の金属元素からなる化
合物を母結晶にし、付活剤としてEu,Dyを使用した
長残光性を有する蛍光体を適用することもできる。さら
には、第1の発光層は長残光性を有する2種以上の蛍光
体を混合して構成することもできる。
【0043】
【実施例】次に、第1の実験例について説明する。ま
ず、平均粒径が10μmでかつ粒度分布が5〜35μm
の第2の蛍光体を含む蛍光体塗布液をFL40用バルブ
の内面に流し込むことにより第1の発光層を形成すると
共に、BAM:Eu蛍光体とCe,Tb付活リン酸ラン
タン蛍光体とEu付活酸化イットリウム蛍光体とを重量
比でそれぞれ21.2%,39.7%,39.1%の割
合にて混合してなる蛍光体塗布液をFL40用バルブに
流し込むことにより第1の発光層上に第2の発光層を形
成する。尚、第1の発光層の付着量は5.0mg/cm
2 であった。
【0044】この残光形蛍光ランプを定格電圧で点灯
し、分光エネルギ−分布特性を測定したところ、図2に
おいて実線で示す結果が得られた。又、この蛍光ランプ
の三波長域放射束比rt 及び全光束を測定したところ、
三波長域放射束比rt は53であり、全光束は3350
Lmであった。尚、BAM:Eu蛍光体の代わりにBA
M:Eu,Mn蛍光体を使用した先行技術(従来例)で
は三波長域放射束比rtは47であり、全光束は301
0Lmであった。
【0045】又、この残光形蛍光ランプの中央部分から
1m離隔した地点に照度計を配置した状態において、蛍
光ランプを定格電圧で15分間連続点灯し、その後、蛍
光ランプを消灯した時の残光照度の推移を測定したとこ
ろ、図7のように従来例に比較して残光特性が改善でき
ることを示す結果が得られた。さらに、この蛍光ランプ
を100本製作し、膜落の発生率を測定したところ、発
生率は0.001%であった。尚、この測定において、
比較対象とした従来例は、第1の発光層にユ−ロピウム
付活アルミン酸ストロンチウム蛍光体(SrAl
2 4 :Eu)が使用されている。
【0046】次に、第2の実験例について説明する。第
1の実験例において、第2の蛍光体の平均粒径を3〜2
0μmの範囲で変化させたFL40蛍光ランプを製作
し、膜落状況及び残光照度の適否を測定ないし観察した
ところ、図8に示す結果が得られた。尚、膜落の測定
は、1gの重りを50cmの高さから蛍光ランプ上に1
回だけ自然落下させた時に、発光層に直径1mm以上の
膜落が発生したか否かによって行い、○印は直径1mm
以上の膜落が発生しなかったことを、×印は発生したこ
とを示している。又、残光照度の評価項目において、○
印は従来例に対して改善効果が認められたことを、×印
は改善効果が認められなかったことを示している。尚、
この実験例において、比較対象とした従来例は、第1の
発光層にユ−ロピウム付活アルミン酸ストロンチウム蛍
光体(SrAl2 4 :Eu)が使用されている。
【0047】同図より明らかなように、平均粒径が3〜
15μmの範囲では膜落の発生は認められなかったが、
平均粒径が20μmではかなりの膜落の発生が見られ、
第1の発光層のガラスバルブへの被着強度が弱いことが
わかる。一方、残光照度では平均粒径が5〜20μmの
範囲で従来例に対して改善効果が認められたが、平均粒
径が3μmでは認められなかった。この結果から、長残
光性を呈する蛍光体の平均粒径は5〜15μmの範囲が
望ましいものである。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、第2の
発光層を構成する複数の蛍光体のうち、青色領域に発光
を呈する蛍光体にはユ−ロピウム付活アルミン酸バリウ
ム・マクネシウム蛍光体が使用されているために、三波
長域外での相対的な放射エネルギ−が効果的に抑制され
る。従って、三波長域放射束比rt を日本工業規格の規
格値である50以上に改善できる上、明るさも増加させ
ることができ、定常状態においても三波長域発光形の蛍
光ランプと遜色なく使用できる。
【0049】又、第1の発光層を構成する蛍光体として
第1又は第2の蛍光体を使用すれば、同蛍光体には硼素
又は硼素及びリン酸が含まれているために、蛍光体のガ
ラスバルブへの被着強度が改善でき、製造工程におい
て、機械的な衝撃などが付与されても、第1の発光層の
膜落を抑制でき、良品率の向上は勿論のこと、外観特
性,残光特性を改善できる。
【0050】さらには、第1又は第2の蛍光体の平均粒
径を5〜15μmの範囲に、粒度分布を3〜50μmの
範囲にそれぞれ設定すれば、発光層の膜落を第1又は第
2の蛍光体の使用と相俟って効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す要部断面図。
【図2】分光エネルギ−分布図。
【図3】BAM蛍光体の分光エネルギ−分布図。
【図4】本発明の第2の実施例を示す要部断面図。
【図5】本発明の第3の実施例を示す要部断面図。
【図6】本発明の第4の実施例を示す要部断面図。
【図7】消灯後の経過時間に対する残光照度を示す図。
【図8】第1の発光層を構成する蛍光体の平均粒径に対
する膜落及び残光照度の関係を示す図。
【符号の説明】
1 ガラスバルブ 2 第1の発光層 3 第2の発光層 5 紫外線反射層 6 導電性被膜 7 保護層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスバルブの内面に1種又は2種以上
    の蛍光体よりなる第1,第2の発光層を有し、かつガラ
    スバルブ側の第1の発光層を長残光性を呈する蛍光体に
    て、放電側の第2の発光層を三波長域に発光を呈する複
    数の蛍光体にて形成した残光形蛍光ランプにおいて、前
    記第2の発光層を構成する複数の蛍光体のうち、青色領
    域に発光を呈する蛍光体をユ−ロピウム付活アルミン酸
    バリウム・マグネシウム蛍光体にて構成したことを特徴
    とする残光形蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】 ガラスバルブの内面に1種又は2種以上
    の蛍光体よりなる第1,第2の発光層を有し、かつガラ
    スバルブ側の第1の発光層を長残光性を呈する蛍光体に
    て、放電側の第2の発光層を三波長域に発光を呈する複
    数の蛍光体にて形成した残光形蛍光ランプにおいて、前
    記第2の発光層を構成する複数の蛍光体のうち、青色領
    域に発光を呈する蛍光体をユ−ロピウム付活アルミン酸
    バリウム・マグネシウム蛍光体にて、緑色領域に発光を
    呈する蛍光体をセリウム,テルビウム付活リン酸ランタ
    ン蛍光体にて、赤色領域に発光を呈する蛍光体をユ−ロ
    ピウム付活酸化イットリウム蛍光体にて構成したことを
    特徴とする残光形蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】 前記第1の発光層を下記化学組成式で示
    す長残光性を呈する蛍光体にて構成したことを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の残光形蛍光ランプ。 (M1-P-q EuP q )O・n(Al1-m m 2 3 ここで、0.0001≦p≦0.5 0.0001≦q≦0.5 0.5 ≦n≦3.0 0.0001≦m≦0.5 0.0001≦p+q≦0.75 但し、組成式中のMはMg,Ca,Sr,Ba,Znか
    らなる2価金属の群より選ばれた少なくとも1種であ
    り、Qは共付活剤でMn,Zr,Nb,Pr,Nd,G
    d,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luからな
    る群より選ばれた少なくとも1種。
  4. 【請求項4】 前記第1の発光層を下記化学組成式で示
    す長残光性を呈する蛍光体にて構成したことを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の残光形蛍光ランプ。 (Ca1-P-q-r EuP Ndq Mnr )O・n(Al1-m
    m 2 3 ・kP2 6 ここで、0.0001 ≦p≦0.5 0.00005≦q≦0.5 0.00005≦r≦0.7 0.0001 ≦p+q+r≦0.75 0.5 ≦n≦3.0 0.0001 ≦m≦0.5 0 ≦k≦0.2 1 ≦r/p≦20
  5. 【請求項5】 前記長残光性を有する蛍光体の平均粒径
    を5〜15μmの範囲に、粒度分布を3〜50μmの範
    囲にそれぞれ設定したことを特徴とする請求項3又は4
    に記載の残光形蛍光ランプ。
  6. 【請求項6】 前記ガラスバルブと第1の発光層との間
    にアルミナ又はマグネシアよりなる紫外線反射層を形成
    したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    残光形蛍光ランプ。
  7. 【請求項7】 前記ガラスバルブと第1の発光層との間
    に透光性の導電性被膜を形成したことを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の残光形蛍光ランプ。
  8. 【請求項8】 前記ガラスバルブの外周面を透光性の保
    護層にて覆ったことを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の残光形蛍光ランプ。
JP26999797A 1997-10-02 1997-10-02 残光形蛍光ランプ Withdrawn JPH11111227A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26999797A JPH11111227A (ja) 1997-10-02 1997-10-02 残光形蛍光ランプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26999797A JPH11111227A (ja) 1997-10-02 1997-10-02 残光形蛍光ランプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11111227A true JPH11111227A (ja) 1999-04-23

Family

ID=17480127

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26999797A Withdrawn JPH11111227A (ja) 1997-10-02 1997-10-02 残光形蛍光ランプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11111227A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009087627A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Nec Lighting Ltd 蛍光ランプ及び照明器具
JP2009123406A (ja) * 2007-11-13 2009-06-04 Ushio Inc 外部電極型希ガス蛍光ランプ
KR100924517B1 (ko) * 2007-12-08 2009-11-02 김호기 형광램프

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009087627A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Nec Lighting Ltd 蛍光ランプ及び照明器具
JP2009123406A (ja) * 2007-11-13 2009-06-04 Ushio Inc 外部電極型希ガス蛍光ランプ
KR100924517B1 (ko) * 2007-12-08 2009-11-02 김호기 형광램프

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4016597B2 (ja) 赤色発光残光性フォトルミネッセンス蛍光体及びこの蛍光体の残光性ランプ
JP3405049B2 (ja) 残光性ランプ
EP0596548B1 (en) Low-pressure mercury discharge lamp
JP2004269845A (ja) 蛍光灯用途の青−緑蛍光体
KR100712414B1 (ko) 백열 램프
EP0229428B1 (en) Low-pressure mercury vapour discharge lamp
US5438234A (en) Fluorescent lamp
JP5568839B2 (ja) 蓄光性蛍光体、蛍光ランプ、蓄光性表示体、及び蓄光性成型品
JP2005272597A (ja) 蓄光蛍光体粉末及びその製造方法並びに残光形蛍光ランプ
EP0856871A1 (en) Fluorescent lamp
JPH11111227A (ja) 残光形蛍光ランプ
JPH11144683A (ja) 残光形ランプ
JPH1167158A (ja) 蛍光ランプ
JPH11144685A (ja) 残光形ランプ
JP2009087627A (ja) 蛍光ランプ及び照明器具
JPH0955191A (ja) 蛍光ランプ
JP3516533B2 (ja) 蛍光ランプ
JPH0955190A (ja) 蛍光ランプ
JP4681089B2 (ja) 特別の蛍光体ブレンドを用いる蛍光ランプ
JPH11144684A (ja) 残光形ランプ
JP3341532B2 (ja) 残光性ランプ
JP2001023574A (ja) 蓄光形蛍光ランプ
JPH0955189A (ja) 蛍光ランプ
JPH0982283A (ja) 蛍光ランプ
KR19980067655A (ko) 형광등

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20041207