JP4681089B2 - 特別の蛍光体ブレンドを用いる蛍光ランプ - Google Patents

特別の蛍光体ブレンドを用いる蛍光ランプ Download PDF

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Description

本発明は高々5mmの内径を有する管状放電容器と、蛍光スクリーンと、水銀及び希ガスを含む封入物とが設けられた放電ランプに関するものである。
このような放電ランプはEP0562679A1から既知である。
既知の放電ランプに使用されている希ガスは通常主としてアルゴンからなる。既知の放電ランプはその小さな直径のために比較的平坦な照明装置に使用するのに極めて好適である。これは放電ランプの使用の可能性を著しく増大する。可能な用途は、例えばLCDスクリーンのバックライトとして作用する照明器具、または自動車の計器盤の照明である。他の用途は自動車のブレーキライト又は方向指示ライトを形成する照明器具である。平形照明器具は、これを取り付けるべき車両部分の種々の形状と組み合わせることができる。このような放電ランプの他の利点は定常点灯中の発光効率が比較的高い点にある。
しかし、既知の放電ランプの主な欠点は、点灯直後の放電ランプの光束が比較的低い点にある。この比較的低い光束は、点灯直後のプラズマ内に存在する水銀蒸気の量が定常点灯中の水銀蒸気の量より著しく少ないという事実により生ずる。実際上、初期光束は放電容器の内径の縮小に比例して低下することが確かめられている。ランプの初期光束は周囲温度の低下にも比例して低下する。この比較的低い初期光束は放電ランプを不適切なものとし、多くの用途に適さないものとする。
本発明の目的は、定常点灯中に比較的高い発光効率を有するとともに点灯直後も比較的高い光束を有する放電ランプを提供することにある。
本発明は、この目的のために、頭書に記載した放電ランプにおいて、希ガスが98モル%以上のネオンを含み、且つ蛍光スクリーンが第1グループ及び第2グループの蛍光物質を含み、第1グループが水銀により発生される紫外放射を可視光に変換する蛍光物質を含み、第2グループがネオンにより発生される紫外放射を可視光に変換する蛍光物質を含むことを特徴とする。
本発明放電ランプでは、点灯直後にプラズマ中に存在する水銀の量は比較的小さいため、水銀により発生される長波長紫外放射の量も比較的少ない。しかし、プラズマ中に存在するネオンが点灯直後に比較的多量の短波長紫外放射を発生する。第2グループに属する蛍光物質がネオンにより発生された紫外放射を可視光に変換する。更に、ネオンにより直接発生される赤色光も点灯直後の可視光の総量に寄与する。この結果として、この放電ランプの初期光束は比較的高い。放電ランプの点灯後、プラズマ中の水銀の量が徐々に増大して定常点灯状態になる。定常点灯中は、ほぼ長波長紫外放射のみが放電中に存在する水銀により発生され、短波長紫外放射や可視赤色光はネオンによって全く又は殆ど発生されない。
第1及び第2グループの蛍光物質は異なる蛍光物質を含むことができる。しかし、蛍光スクリーンは第1及び第2グループの両方に属する蛍光物質を含むこともできる。
蛍光スクリーンが第1及び第2蛍光層を具え、第1蛍光層が放電容器の壁面上に設けられ、第1グループに属する蛍光物質を含み、第2蛍光層が第1蛍光層上に設けられ、第2グループに属する蛍光物質を含むものとした本発明の放電ランプによれば、良好な結果が得られた。蛍光スクリーンのこのような構成の重要な利点は、第1蛍光層がネオンにより発生される紫外放射により殆ど励起されなくなる点にあり、これはこの放射が第2蛍光層により殆ど完全に吸収されるためである。この場合、ネオンにより発生される紫外放射の影響により比較的急速に劣化する蛍光物質を第1蛍光層に使用することが可能になる。これは第1グループに使用し得る蛍光物質の数を著しく増大する。実際上、第2蛍光層の層厚及び組成を適切に選択すれば、放電ランプの点灯直後に発生される光の初期光束及びカラーポイントの両方に好ましい影響を与えることができる。ネオンにより発生される短波長紫外放射は第2グループの蛍光物質内の蛍光化合物により極めて強く吸収されるため、第2蛍光層の厚さは比較的小さくすることができる。この結果として、水銀により発生された紫外放射の小部分が定常点灯状態中に第2層により吸収されるのみとなるため、この放電ランプは比較的高い発光効率を有する。好適実施例では、第2蛍光層の厚さは5μm以下にする。
第1グループの蛍光物質が蛍光粒子内に含有され、第2グループの蛍光物質が前記蛍光粒子の表面に設けられた層を構成するものとした本発明の放電ランプにおいても、第1グループに属する蛍光物質の劣化が抑えられる。
放電ランプ内の水銀の存在のために定常点灯状態中に若干量の青色光も発生する点に注意されたい。定常点灯中に放電ランプにより発生される可視光の所望の色に応じて、この青色光は光りフィルタにより除去することができる。
第1及び第2グループの蛍光物質の両方が赤色発光化合物を含むものとすると、赤色光を発生する本発明放電ランプを得ることができる。第1及び第2グループの蛍光物質の両方の一部分を構成する1つの赤色発光化合物を選択することもできる。このような赤色発光化合物の一例は3価のユーロピウムで活性化された酸化イットリウムである。蛍光スクリーンがこのような赤色発光化合物を含む赤色発光放電ランプでは、この赤色発光化合物が放電ランプ内に存在する水銀により発生される紫外放射によっても、ネオンにより発生される紫外放射によっても励起される。このような放電ランプは、点灯直後に、プラズマ中のネオンにより直接発生される赤色光と、ネオンにより発生された紫外放射と赤色発光化合物とにより発生される赤色光とからなる赤色光を発生する。この初期光束は比較的高い。定常点灯中も、この放電ランプは赤色光を発生するが、この状態ではこの赤色光は水銀により発生される紫外放射と赤色発光化合物とにより発生される。この第1の実施例の放電ランプは点灯直後も、定常点灯中も比較的高い光束を有するため、例えば車両のブレーキライトとして作用する照明器具に使用するのに極めて好適である。赤色光を発生する本発明のこれらの放電ランプには水銀により発生される青色光を除去するフィルタを設けるのが好ましい。
本発明では、第1グループの蛍光物質が赤色発光化合物及び第1の緑色発光化合物を含み、第2グループの蛍光物質が第2の緑色発光化合物を含むものとすることにより、アンバー色光又は白色光を発生する放電ランプを得ることができる。放電ランプの蛍光スクリーンを上述したように2つの層で構成する場合、第1の層が赤色発光化合物及び第1の緑色発光化合物を具え、第2の層が第2の緑色発光化合物を具えるものとする。点灯直後に、実際上第2の層のみがネオンにより発生される紫外放射により励起され、発生する可視光は放電内のネオンにより直接発生される赤色光と、第2の層により発生される緑色光とからなる。第2の層の厚さを適切に選択すると、定常点灯中に水銀により発生される紫外放射は第2の層により殆ど吸収されない。水銀により発生されるこの紫外放射は殆ど第1の層により吸収される。この第1の層は定常点灯中にその赤色発光化合物及び第1の緑色発光化合物が緑色光と赤色光の両方を発生する。しかし、放電ランプの蛍光スクリーンが1つの蛍光層しか具えない場合には、この蛍光スクリーンは第1の緑色発光化合物としても作用する1つの緑色発光化合物のみで機能し得るものとし、このために第1及び第2グループの蛍光物質の両方に属する単一の緑色発光化合物のみを具えるものとする。この場合、点灯直後に赤色光が放電放射内のネオンにより直接発生される。赤色発光化合物として第1及び第2グループの蛍光物質の両方に属するものを選択すると、点灯直後に赤色発光化合物によっても赤色光が発生される。同時に緑色光がネオンにより発生される紫外放射と緑色発光化合物とにより発生される。定常点灯中は、水銀により発生される紫外放射と赤色発光化合物及び緑色発光化合物とにより赤色光及び緑色光が発生される。この実施例の本発明の放電ランプは、青色光を除去するフィルタを設ければ、点灯直後も定常点灯状態中もアンバー色の光を効率よく発生する。放電ランプに青色光を除去するフィルタを設けない場合には、蛍光スクリーンの組成を適切に選択すれば、この青色光と蛍光スクリーンにより発生される赤色光及び緑色光とで白色光を形成することができる。蛍光スクリーンに存在する緑色発光化合物がネオンにより発生される紫外放射により励起されるとともに、赤色光もネオンにより直接発生されるため、この放電ランプの光束は点灯直後に比較的高い。このようなアンバー色放電ランプは点灯直後も定常点灯中も比較的高い光束を有するために、例えば車両の方向指示器として作用する照明器具に使用するのに極めて好適である。定常点灯中に白色光を発生する場合には、このような放電ランプは、例えば車両のバックライトとして作用する照明器具に使用するのに極めて好適である。このような放電ランプは自動車の計器盤照明用又は車内照明用にも極めて好適である。
3価のユーロピウムにより活性化された酸化イットリウム又は2価のマンガンにより活性化されたガドリニウム及びマグネシウムを含むペンタボラートを赤色発光化合物として使用する放電ランプにより良好な結果が得られた。3価のユーロピウムにより活性された酸化イットリウムは第1及び第2グループの蛍光物質の両方に属する。2価のマンガンにより活性化されたガドリニウム及びマグネシウムを含むペンタボラートは第1グループの蛍光物質にのみ属する。珪酸亜鉛鉱及び3価のセリウムにより活性化されたイットリウム−アルミニウムガーネット(アルミニウムの一部をガリウムと置換し得る)からなる化合物の群から選ばれる1種又は数種の化合物を緑色発光化合物として具える放電ランプによっても良好な結果が得られた。これらの緑色発光化合物は第1及び第2グループの蛍光物質の両方に属する。
本発明放電ランプの実施例を図面を参照して以下に説明する。図面において、
図1は本発明放電ランプの初期光束及び定常光束を放電ランプに供給する直流電流の関数として示し、
図2は本発明放電ランプにより発生される光のカラーポイントのドリフトを点灯後の最初の1分間に亘り時間の関数として示し、
図3は−10℃の周囲温度及び20℃の周囲温度における本発明アンバー色放電ランプの点灯直後の1分間の光束を時間の関数として示し、
図4は定常点灯中に白色光を発生する3つの放電ランプの点灯後の最初の1分間の光束を時間の関数として示し、
図5は上述の3つの放電ランプの内の2つランプのカラーポイントのドリフトを点灯後の最初の1分間に亘り時間の関数として示す。
図1に示すデータは、約40mmの長さ及び2.5mmの内径を有する管状放電容器を有する放電ランプについて測定したものである。この放電ランプにはネオン(封入圧力5mbar)及び水銀(5mg)を封入した。放電容器の壁面を3価のユーロピウムにより活性化された酸化イットリウムからなる蛍光スクリーンで被覆した。塗布量は2.5mg/cm2とした。この蛍光スクリーンはネオンにより発生される短波長紫外放射も水銀により発生される長波長紫外放射も赤色光に変換する。青色吸収フィルタも放電容器の壁面に設けた。このフィルタは495nmの半値点を有する低域通過フィルタとした。定常点灯中に水銀により発生された青色光はこのフィルタにより吸収されるため、この放電ランプにより発生される光は定常点灯中も赤色である。この放電ランプの光束を図1の垂直軸にルーメン単位でプロットした。放電ランプに供給した直流電流を水平軸にmA単位でプロットした。図1の曲線Iは−20℃の周囲温度におけるこの放電ランプの点灯直後の光束を示す。曲線IIは同一の周囲温度におけるこの放電ランプの定常点灯中の光束を示す。点灯直後の光束は定常点灯中に得られる光束よりも高いこと明かである。これは、点灯直後では極めて少量の水銀が放電内に存在するのみであるため、放電ランプの動作電圧がかなり高くなり、その結果として放電ランプが点灯直後に定常点灯状態よりも高い電力を消費するという事実により生ずる。しかし、この放電ランプの点灯直後の発光効率は定常点灯中より著しく高い。このような放電ランプにおいて封入ガスとしてネオンの代わりにアルゴン又はアルゴンとネオンの混合物を使用する場合、放電ランプの点灯直後の初期光束は定常点灯中の光束の僅か約5%である。
図2には、放電ランプにより発生される光のカラーポイントのy座標が垂直軸に、x座標が水平軸にプロットされている。図2に示すデータは青色光を除去するために495nmの半値点を有する低域通過フィルタが設けられた赤色放電ランプについて測定したものである。この放電ランプは図1に示すデータが得られた放電ランプと同一の長さ及び同一の直径を有している。この赤色放電ランプの封入物も図1に示すデータが得られた放電ランプの封入物と同一にした。この赤色放電ランプの壁面を25重量%のマグネシウムゲルマニウム酸塩と3価のユーロピウムにより活性化された75重量%の酸化イットリウムの混合物で被覆した。塗布量は2.5mg/cm2とした。赤色自動車信号灯の光のカラーポイントが米国S.A.E.標準に従って存在すべき色三角形の領域が図2に破線で示されている。自動車信号灯用の赤色放電ランプの光が欧州E.C.E.に従って位置すべき領域も同様に図2に示されている。更に、図2は−20℃の周囲温度において10mAの直流電流をランプ電流に供給して点灯させた直後の最初の60秒間の放電ランプのカラーポイントのドリフトを示す。図2に示す最低のx座標及び最高のy座標を有するカラーポイントは点灯直後に放電ランプにより発生された光のカラーポイントである。図示の他のカラーポイントは点灯後の2秒間隔の各瞬時に放電ランプにより発生された光のカラーポイントである。カラーポイントのx座標が増大するとともにy座標が減少すること明かである。
上述したように、3価のユーロピウムにより活性化された酸化イットリウムはネオンにより発生される紫外放射でも、水銀により発生される紫外放射でも励起される。3価のユーロピウムにより活性化された酸化イットリウムにより発生される赤色光のカラーポイントは0.643のx座標及び0.357のy座標を有する。しかし、マグネシウムゲルマニウム酸塩は水銀により発生される紫外放射によってのみ励起され、0.713のx座標及び0.287のy座標にカラーポイントを有する赤色光を発生する。点灯直後にネオンにより直接発生される赤色光のカラーポイントは0.666のx座標及び0.332のy座標を有する。放電ランプの点灯直後においては、赤色光がプラズマ中のネオンにより直接発生されるとともに、ネオンにより発生される紫外放射と3価のユーロピウムにより活性化された酸化イットリウムとにより発生される。定常点灯状態中は、赤色光がネオンにより発生される紫外放射と3価のユーロピウムにより活性化された酸化イットリウム及びマグネシウムゲルマニウム酸塩とにより発生される。マグネシウムゲルマニウム酸塩により発生される赤色光のカラーポイントは、ネオンにより直接発生される赤色光のカラーポイントと同様に、3価のユーロピウムにより活性化された酸化イットリウムにより発生される赤色光より高いx座標及び低いy座標を有する。これが、この放電ランプにより発生される赤色光が点灯直後も定常点灯中も、赤色光を3価のユーロピウムにより活性化された酸化イットリウムのみにより発生させる場合よりも高いx座標及び低いy座標を有する理由である。その結果として、図2に示す全てのカラーポイントが、自動車信号灯用の赤色放電ランプの光が欧州E.C.E.標準又は米国S.A.E.標準に従って存在すべき領域内に位置する。
図3に示すデータも約40cmの長さ及び2.5mmの内径を有する管状放電容器を有する放電ランプについて測定したものである。この放電ランプには495nmの半値点を有する低域通過フィルタを設けた。この放電ランプにはネオン(封入圧力15mbar)及び水銀(5mg)を封入した。放電容器の壁面を、3価のユーロピウムにより活性化された40重量%の酸化イットリウムと3価のセリウムにより活性化された60重量%のイットリウム−アルミニウムガーネットの混合物を含む蛍光スクリーンで被覆した。塗布量は2.5mg/cm2とした。ランプ電流は10mA DCとした。上述したように、3価のユーロピウムにより活性化された酸化イットリウムはネオンにより発生される短波長紫外放射も水銀により発生される紫外放射も赤色光に変換する。3価のセリウムにより活性化されたイットリウム−アルミニウムガーネットはネオンにより発生される短波長紫外放射も水銀により発生される紫外放射も緑色光に変換する。従って、このランプにより発生される光は点灯直後も定常点灯中もアンバー色を有する。図3には、時間が秒単位で水平軸に、光束がルーメン単位で垂直軸にプロットされている。図3は−10℃の周囲温度及び20℃の周囲温度における点灯直後の最初の60秒間のランプの光束を示す。このような放電ランプに封入ガスとしてネオンの代わりにアルゴン又はアルゴンとネオンの混合物を使用した場合、点灯直後の初期光束は定常点灯中の光束の約5%以下である。図3は、本発明によるアンバー色ランプでは初期光束が比較的低い周囲温度でもかなり高いことを示している。
図4及び図5に示すデータは約40mmの長さ及び2.5μmの内径を有する3つの管状放電容器を有する放電ランプについて測定したものである。第1の放電ランプにはネオン(90モル%)とアルゴン(10モル%)の混合物と、水銀(5mg)を封入した。第2及び第3の放電ランプにはネオン(封入圧力15mbar)及び水銀(5mg)を封入した。第1及び第2の放電ランプの蛍光スクリーンは3価のテルビウムにより活性化された25重量%のセリウム−マグネシウムアルミン酸塩と3価のユーロピウムにより活性化された75重量%の酸化イットリウムの混合物で構成した。塗布量は2.5mg/cm2とした。第3の放電ランプの蛍光スクリーンは2つの層で構成した。ランプ容器の壁面上に設けた第1の層は第1及び第2の放電ランプの層に一致する。第2の層は式Y3-xAl2.5Ga2.512:xCe3+を有する蛍光化合物で構成した。この第2の層の塗布量は0.5μmの平均層厚にほぼ対応する0.24mg/cm2とした。これらのランプに10mAの直流を供給した。これらの3つの放電ランプの各々は定常点灯中に赤色光、青色光及び緑色光からなる白色光を発生する。赤色光は3価のユーロピウムにより活性化された酸化イットリウムにより発生される。青色光は水銀により直接発生される。緑色光は3価のテルビウムにより活性化されたセリウム−マグネシウムアルミン酸塩により発生される。図4には、光束がルーメン単位で垂直軸に、時間が秒単で水平軸にプロットされている。曲線I、II及びIIIは−20℃の周囲温度における第1、第2及び第3の放電ランプの点灯直後の光束を時間の関数として示す。第1の放電ランプの光束は点灯直後極めて低く、その後もかなり長い時間低いままであること明かである。これは、短波長紫外放射がこのランプのプラズマ中に発生しないとともに、プラズマが点灯直後にごく僅かの水銀を含むのみであるため、ごく少量の可視光が蛍光スクリーンにより発生されるだけであるという事実により生ずる。その上、赤色光が第1の放電ランプのプラズマ中のネオンにより直接発生されない。第2及び第3の放電ランプは、ネオンにより発生される短波長紫外放射による蛍光スクリーンの励起のおかげで放電直後にかなり高い光束を有する。しかし、第2の放電ランプの蛍光スクリーンに存在する2種類の蛍光化合物のうち、ネオンにより発生された短波長紫外放射により励起されるのは3価のユーロピウムにより活性化された酸化イットリウムのみである。その結果、点灯直後は殆ど赤色光のみがネオンにより直接発生されるとともに3価のユーロピウムにより活性化された酸化イットリウムにより間接的に発生される。この場合、第2の放電ランプにより発生される光の色は次第に赤色から白色に変化する。点灯直後のこの赤色光は多くの用途に極めて望ましくない。第3の放電ランプでは、点灯直後に第2の層がネオンにより発生される短波長紫外放射により励起され、緑色光を発生する。この短波長紫外放射は第2の層により強く吸収されるため、第1の層内の蛍光化合物は全く又は殆ど励起されない。従って、赤色光は点灯直後にネオンにより直接発生されるのみである。この赤色光とこの緑色光のために、第3の放電ランプにより点灯直後に発生される光の色は淡いピンクになる。この場合、この放電ランプにより発生される光の色は徐々に淡いピンクから白色に変化する。第3の放電ランプにより点灯直後に発生される光の淡いピンク色は多くの用途において第2の放電ランプより遥かに有用である。
図5には、放電ランプにより発生される光のカラーポイントのy座標が垂直軸に、x座標が水平軸にプロットされている。図5には、白色自動車信号灯のカラーポイントが米国S.A.E標準及び欧州E.C.E.標準に従って存在すべき領域も示されている。曲線II及びIIIは−20℃の周囲温度における点灯直後の最初の60秒間における第2及び第3の放電ランプのカラーポイントのドリフトを示す。2つの曲線上の最高のx座標値を有する点は関連するランプにより点灯直後に発生された光のカラーポイントである。2つの曲線上の他の点は点灯後の2秒間隔の各瞬時に関連するランプにより発生された光のカラーポイントである。第3の放電ランプの点灯直後のカラーポイントは、第2の放電ランプの点灯直後のカラーポイントよりも、白色信号灯のカラーポイントが米国S.A.E標準及び欧州E.C.E.標準に従って存在すべき領域領域からあまり大きく外れないこと明かである。また、第3の放電ランプのカラーポイントは第2の放電ランプのカラーポイントより遥かに速く白色領域に入ること明かである。

Claims (9)

  1. 最大で5mmの内径を有する管状放電容器と、蛍光スクリーンと、水銀及び希ガスを含む封入物とが設けられた放電ランプにおいて、
    前記希ガスが98モル%以上のネオンを含み、且つ前記蛍光スクリーンが第1グループ及び第2グループの蛍光物質を含み、前記第1グループが水銀により発生された紫外放射を可視光に変換する蛍光物質を含み、前記第2グループがネオンにより発生された紫外放射を可視光に変換する蛍光物質を含み、
    前記蛍光スクリーンが第1及び第2蛍光層を具え、前記第1蛍光層が放電容器の壁面上に設けられ、前記第1グループに属する蛍光物質を含み、前記第2蛍光層が第1蛍光層上に設けられ、前記第2グループに属する蛍光物質を含む、
    ことを特徴とする放電ランプ。
  2. 第2蛍光層の平均層厚は5μm以下である、
    請求項記載の放電ランプ。
  3. 最大で5mmの内径を有する管状放電容器と、蛍光スクリーンと、水銀及び希ガスを含む封入物とが設けられた放電ランプにおいて、
    前記希ガスが98モル%以上のネオンを含み、且つ前記蛍光スクリーンが第1グループ及び第2グループの蛍光物質を含み、前記第1グループが水銀により発生された紫外放射を可視光に変換する蛍光物質を含み、前記第2グループがネオンにより発生された紫外放射を可視光に変換する蛍光物質を含み、
    前記第1グループの蛍光物質が蛍光粒子内に含有され、前記第2グループの蛍光物質が前記蛍光粒子の表面に設けられた層を構成する、
    ことを特徴とする放電ランプ。
  4. 前記第1及び第2グループの蛍光物質の両方が赤色発光化合物を含む、
    請求項1ないし3の何れか1項に記載の放電ランプ。
  5. 前記蛍光スクリーンが前記第1及び第2グループの蛍光物質の両方の一部分を構成する赤色発光化合物を含む、
    請求項に記載の放電ランプ。
  6. 前記蛍光スクリーンが3価のユーロピウムで活性化された酸化イットリウムを含む、
    請求項4又は5に記載の放電ランプ。
  7. 前記第1グループの蛍光物質が赤色発光化合物及び第1の緑色発光化合物を含み、前記第2グループの蛍光物質が第2の緑色発光化合物を含む、
    請求項1、2、又は3に記載された放電ランプ。
  8. 前記赤色発光化合物は、3価のユーロピウムにより活性化された酸化イットリウム又は2価のマンガンにより活性化されたガドリニウム及びマグネシウムを含むペンタボラートからなる化合物の群から選ばれる1つの化合物を含み、前記第2の緑色発光化合物は、珪酸亜鉛鉱及び3価のセリウムにより活性化されたイットリウム−アルミニウムガーネット(アルミニウムの一部をガリウムと置換し得る)からなる化合物の群から選ばれる1種又は数種の化合物を含む、
    請求項に記載の放電ランプ。
  9. 光学フィルタが設けられている、
    請求項1ないし6のいずれか1項に記載の放電ランプ。
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