JP2004127633A - 蛍光ランプおよび照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高効率で発光し、かつ演色性に優れた3波長発光形の蛍光ランプを提供する。
【解決手段】蛍光ランプ10は、水銀および希ガスが封入されたバルブ50と;バルブ50の内面に形成され、253.7nmの紫外線で励起されたときの発光色度図上のy値が0.160≦y≦0.180を満たすユーロピウム・マンガン共付活バリウム・マグネシウム・ストロンチウムアルミン酸塩蛍光体を25〜65重量%、ユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体を20〜50質量%およびセリウム・テルビウム付活燐酸ランタン蛍光体を10〜40質量%の範囲で含有した蛍光体層と;前記バルブ内で放電を生じさせる一対の放電電極と;を具備している。蛍光ランプ10は、高効率で発光し、かつ平均演色評価数Raが90以上の演色性に優れた3波長発光形の蛍光ランプを提供することができる。
【選択図】図1
【解決手段】蛍光ランプ10は、水銀および希ガスが封入されたバルブ50と;バルブ50の内面に形成され、253.7nmの紫外線で励起されたときの発光色度図上のy値が0.160≦y≦0.180を満たすユーロピウム・マンガン共付活バリウム・マグネシウム・ストロンチウムアルミン酸塩蛍光体を25〜65重量%、ユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体を20〜50質量%およびセリウム・テルビウム付活燐酸ランタン蛍光体を10〜40質量%の範囲で含有した蛍光体層と;前記バルブ内で放電を生じさせる一対の放電電極と;を具備している。蛍光ランプ10は、高効率で発光し、かつ平均演色評価数Raが90以上の演色性に優れた3波長発光形の蛍光ランプを提供することができる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する利用分野】
本発明は、高い演色性を有する3波長発光形の蛍光ランプおよび膜を備えた蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一般照明用ランプの分野では発光効率の高い3波長発光形蛍光ランプが開発され、実用化されている。このランプに使用される蛍光体は、比較的狭帯域の発光スペクトル分布を有する赤色、緑色、青色の蛍光体を適当な割合で混合したものである。
【0003】
演色性を高めるために青色蛍光体にユーロピウム付活クロロ燐酸塩蛍光体を使用した蛍光ランプが知られている(例えば特許文献1参照)。この蛍光ランプの青色蛍光体は、253.7nmの紫外線で励起されたときに発光色度図上のy値が0.14≦y≦0.33を満たすように発光するものであり、この青色蛍光体を使用することで、平均演色評価数Raを87以上にすることができるというものである。
【0004】
青色蛍光体は、ユーロピウム付活クロロ燐酸塩蛍光体よりもユーロピウム付活バリウム・マグネシウムアルミン酸塩蛍光体(BAM蛍光体)の方が発光効率が高い。このBAM蛍光体を使用して演色性を高めた蛍光ランプも実用化されている(例えば特許文献2参照)。具体的には、赤色蛍光体にユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体、緑色蛍光体にセリウム・テルビウム付活燐酸ランタン蛍光体を使用し、青色蛍光体にユーロピウム・マンガン付活バリウム・マグネシウムアルミン酸塩蛍光体を使用したものである(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特許第3098266号公報
【0006】
【特許文献2】特許第3245885号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、3波長発光形の蛍光ランプの普及に伴い、更なる演色性の向上が要求されてきている。特許文献2のようにユーロピウムおよびマンガンで共付活されたBAM蛍光体を使用した蛍光ランプは、発光効率が改善されるものの、平均演色評価数Raを90以上にすることが困難であった。
【0008】
本発明は、高効率で発光し、かつ演色性に優れた3波長発光形の蛍光ランプを提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の蛍光ランプは、水銀および希ガスが封入されたバルブと;前記バルブの内面に形成され、253.7nmの紫外線で励起されたときの発光色度図上のy値が0.160≦y≦0.180を満たすユーロピウム・マンガン共付活バリウム・マグネシウム・ストロンチウムアルミン酸塩蛍光体を25〜65重量%、ユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体を20〜50質量%およびセリウム・テルビウム付活燐酸ランタン蛍光体を10〜40質量%の範囲で含有した蛍光体層と;前記バルブ内で放電を生じさせる一対の放電電極と;を具備していることを特徴とする。
【0010】
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0011】
バルブは、例えばダブルU、トリプルU、又は環状のような屈曲部を有する形状或いは直管のような形状のバルブが使用可能であるが、これらに限定されない。
【0012】
蛍光体層は、バルブの内面に直接または保護膜などを介して間接的に塗布・形成されている。蛍光体層の膜厚は、5.0〜40μmの範囲である。
【0013】
蛍光体層に使用される蛍光体の種類は、3波長発光形蛍光体であり、青色蛍光体として450nm付近に発光ピーク波長を有するユーロピウム・マンガン共付活バリウム・マグネシウム・ストロンチウムアルミン酸塩蛍光体((Ba,Sr,Eu)(Mg,Mn)Al10O17)を25〜65質量%、緑色蛍光体として540nm付近に発光ピーク波長を有するセリウム・テルビウム付活燐酸ランタン蛍光体((La,Ce,Tb)PO4)を10〜40質量%、赤色蛍光体として610nm付近に発光ピーク波長を有するユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体(Y2O3:Eu)を20〜50質量%で混合して製膜されたものである。特に、特定の色度で発光するユーロピウム・マンガン共付活バリウム・マグネシウム・ストロンチウムアルミン酸塩蛍光体を上記比率の範囲内で混合することにより、3波長発光形の蛍光ランプとして優れた発光効率および演色性を発揮する蛍光ランプとすることができた。
バルブ内面に保護膜を形成する場合には、保護膜を形成する金属酸化物微粒子として、アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)またはイットリア(Y2O3)など周知のものを用いることが可能である。
【0014】
バルブ内に封入される希ガスは、例えばアルゴンガスの単体やアルゴンにネオンやクリプトンを混合させたガスが好ましい。
【0015】
放電を生起させる一対の放電電極は、バルブ内に封装されたもののほか、バルブ外面に設けられるものであってもよい。バルブ内に封装される一対の放電電極としては、熱陰極形や冷陰極形のものが挙げられる。
【0016】
本発明者らは、青色蛍光体であるユーロピウム・マンガン共付活バリウム・マグネシウム・ストロンチウムアルミン酸塩蛍光体として、253.7nmの紫外線で励起されたときの発光色がCIE1931 色度図上のy値が0.160≦y≦0.180となるように調整されたものを使用することで、演色性が向上し、平均演色評価数Raが90以上の優れた演色性を示す蛍光ランプが得られることが分かった。すなわち、演色性を高くするためには、青色蛍光体の発光色度のy値を高くするのが効果的であり、この場合y値を0.160以上にする必要があった。このy値が0.19程度のBAM蛍光体を使用して平均演色評価数Raを高くすることが可能であるが、この場合には光束が低下して発光効率が低下してしまうため不可である。したがって、青色蛍光体の発光色度は、y値を0.180以下にする必要があった。
【0017】
請求項1によれば、色度図上のy値が0.160≦y≦0.180で発光するBAM蛍光体を青色蛍光体として使用したので、高効率で発光し、かつ平均演色評価数Raが90以上の演色性に優れた3波長発光形の蛍光ランプを提供することができる。
【0018】
請求項2は、請求項1記載の蛍光ランプにおいて、発光色の色温度が3900〜8000Kであることを特徴とする。
【0019】
蛍光ランプの発光色は、赤、青、緑の各色に発光する蛍光体の混合比率を変化させることにより、調整することができる。
【0020】
請求項2によれば、所望の色温度で発光する請求項1記載の蛍光ランプを提供することができる。
【0021】
請求項3の照明器具は、器具本体と;器具本体に配設された請求項1または2記載の蛍光ランプと;蛍光ランプへランプ電力を供給する点灯回路と;を具備していることを特徴とする照明器具。
【0022】
器具本体は天井直付形、天井吊下形または壁面取付形であって、グローブ、セード、反射笠などが取付けられるものであってもよく、蛍光ランプが露出するもの、導光板を備えたものであってもよい。
【0023】
点灯回路は、インバータを備えた高周波点灯回路の他、スタータ回路および鉄心安定器を備えた商用周波数点灯回路などである。
【0024】
蛍光ランプは、照明器具本体の形状または照明器具の光学特性に合わせて取付けられ、単数または同一形状もしくは異なる形状の複数の蛍光ランプを組み合わせて器具本体に装着される。
【0025】
請求項3によれば、請求項1または2記載の蛍光ランプを備えた照明器具を提供することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の蛍光ランプの一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0027】
図1は本発明の実施形態としての環形蛍光ランプの構造を一部断面で示す正面図であり、 図2は、図1の環形蛍光ランプの発光スペクトルを示すグラフである。
【0028】
図1において、10は管径が約29mmの環形蛍光ランプであるFCL32W形の環形蛍光ランプである。ガラスバルブ50は、環外径が例えば299mmである。また、ガラスバルブ50の肉厚は、0.8〜1.5mmの範囲で形成される。
【0029】
このガラスバルブ50の内面には蛍光体層Pが保護膜を介すことなく直接被着形成されている。さらに、ガラスバルブ50の両端部には、電極を有するステム部(図示しない)が封着されている。ガラスバルブ50内には排気工程を経て所定圧の放電用ガス、すなわちアルゴンガスのような希ガスと共に水銀がステム部の排気管(図示しない)を介して封入され、その後この排気管が封止される。この封止工程まで完了した後、電極と電気的に接続された口金ピンを備えた中空円筒状の口金20がガラスバルブ50の両端部に跨るように取付けられ、これによって環形蛍光ランプ10が構成されている。
【0030】
蛍光体層Pを構成する蛍光体は、青色蛍光体として450nm付近に発光ピーク波長を有するユーロピウム・マンガン共付活バリウム・マグネシウム・ストロンチウムアルミン酸塩蛍光体((Ba,Sr,Eu)(Mg,Mn)Al10O17)を40質量%、緑色蛍光体として540nm付近に発光ピーク波長を有するセリウム・テルビウム付活燐酸ランタン蛍光体((La,Ce,Tb)PO4)を25質量%、赤色蛍光体として610nm付近に発光ピーク波長を有するユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体(Y2O3:Eu)を35質量%で混合して製膜されている。
【0031】
本実施形態で使用される青色蛍光体は、253.7nmの紫外線で励起されたときの発光色がCIE1931 色度図上のy値で表すと0.173である。この青色蛍光体を使用して色温度6700K(duv=0.0010)の蛍光ランプを実現することが可能であり、このときの平均演色評価数Raを93にすることができた。図2はこの蛍光ランプ10の発光スペクトルを表しており、横軸は波長(nm)縦軸は相対強度比(%)である。
【0032】
また、青色蛍光体はユーロピウム・マンガン共付活バリウム・マグネシウム・ストロンチウムアルミン酸塩蛍光体を使用したので、演色性を高めると同時に発光効率を向上させることが可能となる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1によれば、色度図上のy値が0.160≦y≦0.180で発光するBAM蛍光体を青色蛍光体として使用したので、高効率で発光し、かつ平均演色評価数Raが90以上の演色性に優れた3波長発光形の蛍光ランプを提供することができる。
【0034】
請求項2によれば、所望の色温度で発光する請求項1記載の蛍光ランプを提供することができる。
【0035】
請求項3によれば、請求項1または2記載の蛍光ランプを備えた照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態としての環形蛍光ランプの構造を一部断面で示す正面図。
【図2】図1の環形蛍光ランプの発光スペクトルを示すグラフ。
【符号の説明】
10…蛍光ランプ、20…口金、50…バルブ、P…蛍光体層。
【発明の属する利用分野】
本発明は、高い演色性を有する3波長発光形の蛍光ランプおよび膜を備えた蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一般照明用ランプの分野では発光効率の高い3波長発光形蛍光ランプが開発され、実用化されている。このランプに使用される蛍光体は、比較的狭帯域の発光スペクトル分布を有する赤色、緑色、青色の蛍光体を適当な割合で混合したものである。
【0003】
演色性を高めるために青色蛍光体にユーロピウム付活クロロ燐酸塩蛍光体を使用した蛍光ランプが知られている(例えば特許文献1参照)。この蛍光ランプの青色蛍光体は、253.7nmの紫外線で励起されたときに発光色度図上のy値が0.14≦y≦0.33を満たすように発光するものであり、この青色蛍光体を使用することで、平均演色評価数Raを87以上にすることができるというものである。
【0004】
青色蛍光体は、ユーロピウム付活クロロ燐酸塩蛍光体よりもユーロピウム付活バリウム・マグネシウムアルミン酸塩蛍光体(BAM蛍光体)の方が発光効率が高い。このBAM蛍光体を使用して演色性を高めた蛍光ランプも実用化されている(例えば特許文献2参照)。具体的には、赤色蛍光体にユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体、緑色蛍光体にセリウム・テルビウム付活燐酸ランタン蛍光体を使用し、青色蛍光体にユーロピウム・マンガン付活バリウム・マグネシウムアルミン酸塩蛍光体を使用したものである(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特許第3098266号公報
【0006】
【特許文献2】特許第3245885号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、3波長発光形の蛍光ランプの普及に伴い、更なる演色性の向上が要求されてきている。特許文献2のようにユーロピウムおよびマンガンで共付活されたBAM蛍光体を使用した蛍光ランプは、発光効率が改善されるものの、平均演色評価数Raを90以上にすることが困難であった。
【0008】
本発明は、高効率で発光し、かつ演色性に優れた3波長発光形の蛍光ランプを提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の蛍光ランプは、水銀および希ガスが封入されたバルブと;前記バルブの内面に形成され、253.7nmの紫外線で励起されたときの発光色度図上のy値が0.160≦y≦0.180を満たすユーロピウム・マンガン共付活バリウム・マグネシウム・ストロンチウムアルミン酸塩蛍光体を25〜65重量%、ユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体を20〜50質量%およびセリウム・テルビウム付活燐酸ランタン蛍光体を10〜40質量%の範囲で含有した蛍光体層と;前記バルブ内で放電を生じさせる一対の放電電極と;を具備していることを特徴とする。
【0010】
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0011】
バルブは、例えばダブルU、トリプルU、又は環状のような屈曲部を有する形状或いは直管のような形状のバルブが使用可能であるが、これらに限定されない。
【0012】
蛍光体層は、バルブの内面に直接または保護膜などを介して間接的に塗布・形成されている。蛍光体層の膜厚は、5.0〜40μmの範囲である。
【0013】
蛍光体層に使用される蛍光体の種類は、3波長発光形蛍光体であり、青色蛍光体として450nm付近に発光ピーク波長を有するユーロピウム・マンガン共付活バリウム・マグネシウム・ストロンチウムアルミン酸塩蛍光体((Ba,Sr,Eu)(Mg,Mn)Al10O17)を25〜65質量%、緑色蛍光体として540nm付近に発光ピーク波長を有するセリウム・テルビウム付活燐酸ランタン蛍光体((La,Ce,Tb)PO4)を10〜40質量%、赤色蛍光体として610nm付近に発光ピーク波長を有するユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体(Y2O3:Eu)を20〜50質量%で混合して製膜されたものである。特に、特定の色度で発光するユーロピウム・マンガン共付活バリウム・マグネシウム・ストロンチウムアルミン酸塩蛍光体を上記比率の範囲内で混合することにより、3波長発光形の蛍光ランプとして優れた発光効率および演色性を発揮する蛍光ランプとすることができた。
バルブ内面に保護膜を形成する場合には、保護膜を形成する金属酸化物微粒子として、アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)またはイットリア(Y2O3)など周知のものを用いることが可能である。
【0014】
バルブ内に封入される希ガスは、例えばアルゴンガスの単体やアルゴンにネオンやクリプトンを混合させたガスが好ましい。
【0015】
放電を生起させる一対の放電電極は、バルブ内に封装されたもののほか、バルブ外面に設けられるものであってもよい。バルブ内に封装される一対の放電電極としては、熱陰極形や冷陰極形のものが挙げられる。
【0016】
本発明者らは、青色蛍光体であるユーロピウム・マンガン共付活バリウム・マグネシウム・ストロンチウムアルミン酸塩蛍光体として、253.7nmの紫外線で励起されたときの発光色がCIE1931 色度図上のy値が0.160≦y≦0.180となるように調整されたものを使用することで、演色性が向上し、平均演色評価数Raが90以上の優れた演色性を示す蛍光ランプが得られることが分かった。すなわち、演色性を高くするためには、青色蛍光体の発光色度のy値を高くするのが効果的であり、この場合y値を0.160以上にする必要があった。このy値が0.19程度のBAM蛍光体を使用して平均演色評価数Raを高くすることが可能であるが、この場合には光束が低下して発光効率が低下してしまうため不可である。したがって、青色蛍光体の発光色度は、y値を0.180以下にする必要があった。
【0017】
請求項1によれば、色度図上のy値が0.160≦y≦0.180で発光するBAM蛍光体を青色蛍光体として使用したので、高効率で発光し、かつ平均演色評価数Raが90以上の演色性に優れた3波長発光形の蛍光ランプを提供することができる。
【0018】
請求項2は、請求項1記載の蛍光ランプにおいて、発光色の色温度が3900〜8000Kであることを特徴とする。
【0019】
蛍光ランプの発光色は、赤、青、緑の各色に発光する蛍光体の混合比率を変化させることにより、調整することができる。
【0020】
請求項2によれば、所望の色温度で発光する請求項1記載の蛍光ランプを提供することができる。
【0021】
請求項3の照明器具は、器具本体と;器具本体に配設された請求項1または2記載の蛍光ランプと;蛍光ランプへランプ電力を供給する点灯回路と;を具備していることを特徴とする照明器具。
【0022】
器具本体は天井直付形、天井吊下形または壁面取付形であって、グローブ、セード、反射笠などが取付けられるものであってもよく、蛍光ランプが露出するもの、導光板を備えたものであってもよい。
【0023】
点灯回路は、インバータを備えた高周波点灯回路の他、スタータ回路および鉄心安定器を備えた商用周波数点灯回路などである。
【0024】
蛍光ランプは、照明器具本体の形状または照明器具の光学特性に合わせて取付けられ、単数または同一形状もしくは異なる形状の複数の蛍光ランプを組み合わせて器具本体に装着される。
【0025】
請求項3によれば、請求項1または2記載の蛍光ランプを備えた照明器具を提供することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の蛍光ランプの一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0027】
図1は本発明の実施形態としての環形蛍光ランプの構造を一部断面で示す正面図であり、 図2は、図1の環形蛍光ランプの発光スペクトルを示すグラフである。
【0028】
図1において、10は管径が約29mmの環形蛍光ランプであるFCL32W形の環形蛍光ランプである。ガラスバルブ50は、環外径が例えば299mmである。また、ガラスバルブ50の肉厚は、0.8〜1.5mmの範囲で形成される。
【0029】
このガラスバルブ50の内面には蛍光体層Pが保護膜を介すことなく直接被着形成されている。さらに、ガラスバルブ50の両端部には、電極を有するステム部(図示しない)が封着されている。ガラスバルブ50内には排気工程を経て所定圧の放電用ガス、すなわちアルゴンガスのような希ガスと共に水銀がステム部の排気管(図示しない)を介して封入され、その後この排気管が封止される。この封止工程まで完了した後、電極と電気的に接続された口金ピンを備えた中空円筒状の口金20がガラスバルブ50の両端部に跨るように取付けられ、これによって環形蛍光ランプ10が構成されている。
【0030】
蛍光体層Pを構成する蛍光体は、青色蛍光体として450nm付近に発光ピーク波長を有するユーロピウム・マンガン共付活バリウム・マグネシウム・ストロンチウムアルミン酸塩蛍光体((Ba,Sr,Eu)(Mg,Mn)Al10O17)を40質量%、緑色蛍光体として540nm付近に発光ピーク波長を有するセリウム・テルビウム付活燐酸ランタン蛍光体((La,Ce,Tb)PO4)を25質量%、赤色蛍光体として610nm付近に発光ピーク波長を有するユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体(Y2O3:Eu)を35質量%で混合して製膜されている。
【0031】
本実施形態で使用される青色蛍光体は、253.7nmの紫外線で励起されたときの発光色がCIE1931 色度図上のy値で表すと0.173である。この青色蛍光体を使用して色温度6700K(duv=0.0010)の蛍光ランプを実現することが可能であり、このときの平均演色評価数Raを93にすることができた。図2はこの蛍光ランプ10の発光スペクトルを表しており、横軸は波長(nm)縦軸は相対強度比(%)である。
【0032】
また、青色蛍光体はユーロピウム・マンガン共付活バリウム・マグネシウム・ストロンチウムアルミン酸塩蛍光体を使用したので、演色性を高めると同時に発光効率を向上させることが可能となる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1によれば、色度図上のy値が0.160≦y≦0.180で発光するBAM蛍光体を青色蛍光体として使用したので、高効率で発光し、かつ平均演色評価数Raが90以上の演色性に優れた3波長発光形の蛍光ランプを提供することができる。
【0034】
請求項2によれば、所望の色温度で発光する請求項1記載の蛍光ランプを提供することができる。
【0035】
請求項3によれば、請求項1または2記載の蛍光ランプを備えた照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態としての環形蛍光ランプの構造を一部断面で示す正面図。
【図2】図1の環形蛍光ランプの発光スペクトルを示すグラフ。
【符号の説明】
10…蛍光ランプ、20…口金、50…バルブ、P…蛍光体層。
Claims (3)
- 水銀および希ガスが封入されたバルブと;
前記バルブの内面に形成され、253.7nmの紫外線で励起されたときの発光色度図上のy値が0.160≦y≦0.180を満たすユーロピウム・マンガン共付活バリウム・マグネシウム・ストロンチウムアルミン酸塩蛍光体を25〜65重量%、ユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体を20〜50質量%およびセリウム・テルビウム付活燐酸ランタン蛍光体を10〜40質量%の範囲で含有した蛍光体層と;
前記バルブ内で放電を生じさせる一対の放電電極と;
を具備していることを特徴とする蛍光ランプ。 - 発光色の色温度が3900〜8000Kであることを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。
- 器具本体と;
器具本体に配設された請求項1または2記載の蛍光ランプと;
蛍光ランプへランプ電力を供給する点灯回路と;
を具備していることを特徴とする照明器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002288161A JP2004127633A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 蛍光ランプおよび照明装置 |
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JP2002288161A JP2004127633A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 蛍光ランプおよび照明装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100832398B1 (ko) | 2007-07-20 | 2008-05-26 | 남승엽 | 무전극 지르코늄 자외선램프와 이를 이용한 액상 살균장치 |
US7670507B2 (en) * | 2004-04-16 | 2010-03-02 | Osram Gesellschaft Mit Beschraenkter Haftung | Phosphor composition for a low-pressure discharge lamp with high color temperature |
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2002
- 2002-09-30 JP JP2002288161A patent/JP2004127633A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7670507B2 (en) * | 2004-04-16 | 2010-03-02 | Osram Gesellschaft Mit Beschraenkter Haftung | Phosphor composition for a low-pressure discharge lamp with high color temperature |
KR100832398B1 (ko) | 2007-07-20 | 2008-05-26 | 남승엽 | 무전극 지르코늄 자외선램프와 이를 이용한 액상 살균장치 |
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