JPH07183005A - 高負荷蛍光ランプ - Google Patents

高負荷蛍光ランプ

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JPH07183005A
JPH07183005A JP32776193A JP32776193A JPH07183005A JP H07183005 A JPH07183005 A JP H07183005A JP 32776193 A JP32776193 A JP 32776193A JP 32776193 A JP32776193 A JP 32776193A JP H07183005 A JPH07183005 A JP H07183005A
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JP
Japan
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fluorescent lamp
oxide
phosphor
rare earth
load
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JP32776193A
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English (en)
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Koichi Okada
浩一 岡田
Osamu Sakai
修 堺
Takaharu Ichinomiya
敬治 一ノ宮
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Nichia Chemical Industries Ltd
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Nichia Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光束維持率が悪くなるため、従来不可能とさ
れていたハロリン酸カルシウム蛍光体を用い、その光束
維持率を大幅改善することで、実用可能な高負荷蛍光ラ
ンプを提供する。 【構成】 管壁負荷が500W/m2以上である蛍光層
に、蛍光体としてはハロ燐酸カルシウム蛍光体を用い、
希土類元素の酸化物、あるいは強熱により酸化物となる
希土類化合物、或いは酸化物と限定できない酸化物の前
駆体を、酸化物として該蛍光層に0.01重量%〜2重
量%添加することで、優れた光束維持率を有する高負荷
蛍光ランプを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低圧水銀蒸気放電ランプ
に関し、更に詳しくは、蛍光層にハロ燐酸カルシウム蛍
光体を有し、陽光柱放電により消費される電力が該蛍光
層の単位面積あたり500W/m2以上である高負荷蛍
光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一般照明用に蛍光ランプが多用さ
れていることは周知の事実であるが、それまでの白熱電
球に比べ大きな長所は、高効率であることが第一に挙げ
られる。また、寿命も長く、更に発熱量も少ないという
多くの長所を持っている。
【0003】白熱電球が点光源であるのに対し、蛍光ラ
ンプは直管では線光源、丸管では面光源である。そのこ
と自体蛍光ランプの欠点ではないが、白熱電球の完全な
置き換えの為には、蛍光ランプで白熱電球の形状をし
た、点光源に近いものが必要になる。その為には一定の
小さな容積の中に蛍光ランプを封じ込めることになり、
蛍光ランプの長さは小さく管径を細くすることが必要と
なる。
【0004】この目的でコンパクトな蛍光ランプを実現
する研究がなされた。これらは蛍光ランプの大きさを小
さくする為、それ以前の約300W/m2の管壁負荷を
有する通常の蛍光ランプに対し極めて高負荷である。こ
こで、管壁負荷とは陽光柱放電により消費される単位面
積あたり電力である。例えばドイツ国公開広報第210
9898号に約2500W/m2の管壁負荷を有する蛍
光ランプが、また、米国特許第3778662号及び3
679928号に25000W/m2の管壁負荷を有す
るランプが開示されている。
【0005】ところが、このように管壁負荷の非常に大
きな蛍光ランプ(高負荷蛍光ランプ)は製作できたが、
供給電力あたりのランプ光束(ルーメン/W)が普通の
蛍光ランプに比べかなり小さく、即ち、効率が悪く、白
熱電球の代わりに用いる利点を得ることができなかっ
た。
【0006】高負荷蛍光ランプの効率が良くない理由の
一つとして、普通の低圧水銀蒸気放電ランプ(蛍光ラン
プ)は水銀及び1種以上の希ガスが充填されており、放
電により紫外線が発生し、この紫外線の大半は254n
mで、わずかに185nmの波長の紫外線を有している
が、高負荷蛍光ランプでは、この185nmの波長の紫
外線が発生する割合が大きくなる点にある。
【0007】185nmの放射に蛍光体をさらすこと
は、非常に短時間であっても一般に蛍光物質の発光に有
害な影響を及ぼすことが知られている。特にハロ燐酸カ
ルシウム蛍光体においては、カラーセンターの生成と関
連し、多くの研究報告が知られている。
【0008】高負荷蛍光ランプの効率低下につながるも
う一つの要因として、通常の蛍光ランプに比較し、励起
された水銀原子及び水銀イオンの密度が大きくなり、こ
れらが蛍光体表面の結晶を破壊し、蛍光層を黒化し、長
期にわたりランプの光束を著しく低下させる。このよう
な蛍光体の劣化要因が高負荷蛍光ランプの実用性を大き
く妨げていた。
【0009】これに対し、特開昭54ー42874号
に、蛍光ランプの蛍光層に用いられる蛍光物質(蛍光
体)を選択することにより、高負荷蛍光ランプを実現
し、白熱電球に変わりうる高負荷蛍光ランプを提供でき
ることを開示している。
【0010】185nmの波長の紫外線の出力が通常の
蛍光ランプのそれより大きい条件化で蛍光体の劣化試験
をする、いわゆる強制劣化試験を行い、劣化の少ない蛍
光体を選択し、水銀原子及びイオンによる劣化及び黒化
に対しては、蛍光体の結晶を構成する陽イオンの電気陰
性度の値が1.4以下である蛍光体を選択することによ
り、イオン結晶が強固な蛍光体を選択することになり、
結果としてこの高負荷蛍光ランプを実現することになる
ということである。
【0011】この高負荷蛍光ランプに最適な蛍光体とし
ては、β−アルミナ構造に関係した6方晶系結晶構造を
有するアルミン酸塩蛍光体。具体的には青色蛍光体とし
て、BAM蛍光体。マグネトプランバイト構造に関係し
た6方晶系結晶構造を有するアルミン酸塩蛍光体。具体
的には緑色発光蛍光体として、CAT蛍光体。赤色発光
蛍光体の具体例として、ユーロピム付活酸化イットリウ
ム蛍光体(YOX)が実用性があることが提案されてい
る。
【0012】これら蛍光体は何れも三波長蛍光体に実用
されているものであり、それまでのハロ蛍光体に比べる
と、通常の蛍光ランプに用いても高輝度であり、劣化の
幅も小さく、優れた特性を示すことが知られていた。こ
れらの蛍光体を蛍光層に使用することにより、高負荷蛍
光ランプを実現することができた。
【0013】また、他の三波長蛍光体として知られてい
る、青色発光蛍光体として、ユーロピウム付活アルカリ
土類ハロ燐酸蛍光体(SCA)、緑色発光蛍光体とし
て、セリウム、テルビウム共付活燐酸ランタン蛍光体
(LAP)も高負荷蛍光ランプに使用することができ
た。
【0014】これら蛍光体を使用することで、優れた高
負荷蛍光ランプを得ることができるが、これら蛍光体は
何れも希土類成分を主成分とする高価な蛍光体であるた
め、高負荷蛍光ランプのコストを高くし、そのことがこ
の種のランプの普及を妨げる要因となっていた。
【0015】高負荷ランプを低価格で供給するために
は、通常の蛍光ランプにおいて多用されているハロ蛍光
体を適用できればよいが、前記したとおり、この蛍光体
は185nmの短波長の紫外線により、カラーセンター
を生成し発光効率が低下するという欠点があり、また、
劣化も悪く使用できない。そのことは特開昭54ー42
874号に比較例として言及されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、陽光
柱放電により消費される電力が蛍光層の単位面積あたり
500W/m2以上である高負荷蛍光ランプに対し、従
来劣化が悪く使われなかったハロ燐酸カルシウム蛍光体
を用い、優れた光束維持率を有する高負荷蛍光ランプを
提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は先に希土類化
合物を蛍光体表面に付着させることにより、蛍光ランプ
の光束維持率を改善することを特開平4−142389
に提案した。この技術を高負荷蛍光ランプに適用するこ
とを鋭意研究した結果、以外にも、従来はその劣化が極
端に悪いことで使用できなかったハロ燐酸カルシウム蛍
光体を使用できることを新規に見いだした。
【0018】本発明の高負荷蛍光ランプは、動作中の陽
光柱放電により消費される電力が蛍光層の単位面積あた
り500W/m2以上である蛍光層に、蛍光体としては
ハロ燐酸カルシウム蛍光体を用い、該蛍光層に希土類元
素の酸化物、あるいは強熱により酸化物となる希土類化
合物、或いは希土類元素酸化物と限定できない酸化物の
前駆体を、前記ハロ燐酸カルシウム蛍光体に対し酸化物
として0.01重量%〜2重量%含有することで、優れ
た光束維持率を有する高負荷蛍光ランプ蛍光ランプを得
ることを特徴とする。
【0019】ここで、本発明でいう希土類元素とは、3
族元素(IUPAC−1985)のうちSc,Yの元素
及び、La,Ce,Nd,Sm,Eu,Gd,Dy,H
o,Er,Tm,Yb,Luのランタノイド元素のうち
少なくとも1種類の元素である。即ち、通常にいう希土
類元素のうち、その酸化物が光を反射する白色物質であ
るという条件を満たすものである。
【0020】強熱により酸化物となる希土類化合物と
は、例えば水酸化ランタンのように、高負荷蛍光ランプ
製造時のベーキング工程(500〜600℃)におい
て、完全に酸化ランタンとなる化合物である。
【0021】また、酸化物と限定できない酸化物の前駆
体とは、例えば塩化ランタンを用いた場合、高負荷蛍光
ランプ製造時のベーキング工程(500〜600℃)に
おいて、完全に酸化ランタンとならず、一部がLaOC
l等の形で残留すると思われる化合物を指すものであ
る。
【0022】希土類化合物の使用できる濃度範囲は、ハ
ロ燐酸カルシウム蛍光体に対して、希土類酸化物として
0.01〜2重量%の範囲にある。なぜならば、0.0
1重量%以下の濃度では、高負荷蛍光ランプの維持率の
改善に十分な効果が認められず、2重量%以上の濃度に
なると、光束維持率の改善は十分に認められるもの、高
負荷蛍光ランプの初光束の低下が大きく、実用的とはい
えないからである。
【0023】本発明の高負荷蛍光ランプは、例えば水性
塗布の場合、水溶性バインダー溶液にハロリン酸カルシ
ウム蛍光体を懸濁し、希土類酸化物として0.01〜2
重量%に相当する水溶性希土類化合物を添加して蛍光体
懸濁液を得、これをガラス管に塗布し、乾燥し、バイン
ダーを除去するためのベーキング、排気等の通常の工程
を経て製造される。水溶性希土類化合物としては硝酸
塩、塩化物、酢酸塩等が使用できる。
【0024】油性塗布の場合は、水溶性の希土類化合物
を添加すると、蛍光体懸濁液との混ざりが悪く分離する
のであまり好ましくはない。そこで、希土類化合物とし
ては、水に不溶性の水酸化ランタン、酸化ランタンなど
を粉砕し、微粒子化して用いることが好ましい。油性バ
インダー溶液としては、従来より用いられているニトロ
セルロース/酢酸ブチル溶液、エチルセルロース/キシ
レン溶液、ニトロセルロース/メチルイソブチルケトン
溶液等の何れも使用できる。
【0025】また、あらかじめ蛍光体に希土類化合物を
被覆しておき、その被覆蛍光体を油性バインダー溶液に
添加し、蛍光体懸濁液を調製することもできる。この被
覆蛍光体は水性塗布、油性塗布の区別なく使用できる。
これをガラス管に塗布し、乾燥し、バインダーを除去す
るためのベーキング、排気等の通常の工程を経て製造さ
れる。
【0026】希土類化合物を蛍光体に被覆する方法とし
て、焼成、粉砕及び水洗したハロ燐酸カルシウム蛍光体
粒子に、希土類化合物水溶液を噴霧し、その後、この蛍
光体粒子を乾燥する方法がある。これにより蛍光体粒子
表面に均一に被覆させることができる。
【0027】被覆蛍光体を得るもう一つの方法として
は、水中で化学的に被覆することもできる。ハロ燐酸カ
ルシウム蛍光体粒子を水に懸濁し、これに水溶性希土類
化合物を添加し、均質に溶解しておく。次に、この懸濁
液に塩基を加えてpH調整し乾燥する。これにより、蛍
光体粒子に希土類化合物の水酸化物を均一に被覆するこ
とができる。
【0028】本発明の高負荷蛍光ランプは、上記した様
な方法で製造できるが、方法はこれらに限ったことでは
ない。希土類酸化物として0.01〜2重量%に相当す
る希土類化合物を添加することが重要である。アルミ
ナ、シリカ、硼酸カルシウムバリウムの様な硼酸塩系、
或いはピロ燐酸カルシウムの様な燐酸塩系の結着剤も併
用しても差し支えない。
【0029】
【作用】本発明において、ハロ燐酸カルシウム蛍光体へ
の添加物が希土類の酸化物のみではなく、強熱により酸
化物となる希土類化合物、あるいは酸化物と限定できな
い酸化物の前駆体でも良いのは、高負荷蛍光ランプの通
常の製造工程にはベーキング工程が含まれるためであ
る。このベーキング工程において、500〜600℃の
熱が加えられる際に酸化物となる希土類化合物であれ
ば、始めから希土類酸化物を添加した場合と同等の効果
を示すからである。
【0030】また、本発明においては、安価な高負荷蛍
光ランプを提供できることが望ましいので、希土類元素
のうちで最も安価なランタンを用いることが好ましい
が、ベーキングによって希土類酸化物に容易に変化し、
その希土類酸化物が光を反射する白色物質であるという
条件を満たすものであれば、他の希土類元素(Sc,Y
の元素及び、La,Ce,Nd,Sm,Eu,Gd,D
y,Ho,Er,Tm,Yb,Lu)を用いても差し支
えない。
【0031】ハロ燐酸カルシウム蛍光体に希土類酸化物
を添加することによる効果は、次のように作用している
為と説明できる。即ち、高負荷ランプの蛍光層のハロ燐
酸カルシウム蛍光体粒子表面に、希土類酸化物が均一に
付着していることで、励起状態の水銀原子及び水銀イオ
ンによる蛍光体表面結晶の破壊を抑制し、黒化の原因と
なる水銀の付着を少なくする効果がある。このことを確
認するため、2000時間点灯後の高負荷蛍光ランプを
割り、内部のハロ燐酸カルシウム蛍光体を剥がしとり水
銀量を分析した。その結果、希土類化合物を加えなかっ
た比較例の分析値が400ppmであったのに対し、本
発明の高負荷蛍光ランプの場合は50ppmと少なく良
好な結果を得た。
【0032】このように、本発明の高負荷蛍光ランプに
おいて、高エネルギー条件に弱いハロ燐酸カルシウム蛍
光体に対し、希土類酸化物の被膜を形成することでバリ
アーとして働き、蛍光体を保護する役割を果たしてい
る。しかも、その酸化物が白色であるため、蛍光体から
発光した可視光を吸収することはなく、その為、高負荷
蛍光ランプの光束を低下させることはない。
【0033】本発明において、希土類化合物の添加でき
る最適濃度範囲が存在するのは、ハロ燐酸カルシウム蛍
光体に対し、0.01重量%以下の濃度では、高負荷蛍
光ランプの維持率の改善に十分な効果が認められず、2
重量%以上の濃度になると、初光束の低下が大きく、実
用的とはいえないからである。それは酸化物が白色物質
であっても、完全な白色でないため、蛍光体に対する被
覆量が多くなりすぎると、ハロ燐酸カルシウム蛍光体か
らの発光をいくらか吸収するようになるからである。
【0034】
【実施例】実施例で本発明の高負荷蛍光ランプの製造方
法を図1を用い詳説するが、以下に示す実施例は、本発
明を具体化する一例を示すものであり、本発明を拘束す
るものではない。
【0035】[実施例1]0.5重量%ポリエチレンオ
キサイド水溶液500gに、ハロリン酸カルシウム蛍光
体(色温度4200K;白色)510gを加え、更に、
94.3%酢酸ランタンを5.13g加える。この状態
で、ハロリン酸カルシウム蛍光体に対して、0.49重
量%に相当する希土類酸化物を添加したことになる。次
に、得られた懸濁液を図1に示す外径20mmφ、長さ
55cmのガラス管2に塗布し乾燥した。この状態で、
蛍光体の塗布量は1.5gであった。次に、580℃の
電気炉で10分間ベーキングし蛍光層4を形成し、フィ
ラメント3を装着した後、排気等の通常の工程を経て、
Ne,Ar,Krの混合ガス2Torr及び、水銀20
mgを封じ込み、口金1を取り付けて、本発明の高負荷
蛍光ランプを作製した。
【0036】この高負荷蛍光ランプを、管電流0.53
A,管電圧53.8V,管電力23.8Wの条件で作動
させた。この状態で本発明の高負荷蛍光ランプの管壁負
荷は計算により800W/m2であった。
【0037】[比較例1]比較例として、酢酸ランタン
の代わりに、ハロリン酸カルシウム蛍光体に対して、
0.9重量%に相当する酸化アルミニウムを添加する以
外、実施例1と同じ条件で製作し、同じ条件で作動さ
せ、管壁負荷800W/m2の高負荷蛍光ランプを得
た。
【0038】図2に本発明の実施例1の高負荷蛍光ラン
プと、比較例1の高負荷蛍光ランプの、光束維持率〜点
灯時間の関係(光束維持率曲線)を示した。ここで、光
束維持率とは、任意の点灯時間における光束の測定値
を、点灯0時間の光束値で除した値の百分率である。曲
線5は実施例1の高負荷蛍光ランプの場合で、曲線6は
比較例1の高負荷蛍光ランプの場合である。
【0039】図2からも明らかなように、2000時間
経過後の光束維持率は、比較例1が67%であるのに対
し、本発明の実施例1の高負荷蛍光ランプでは82%あ
り、15%も向上している。この維持率は、希土類の蛍
光体を用いた市販の高負荷蛍光ランプのそれと比べ同等
以上であった。初光束については比較例と同等であっ
た。また、点灯中の蛍光ランプの外観の変化(黒化)を
みると、比較例1では100時間を過ぎたあたりから目
立ち始めるが、本発明の実施例1の高負荷蛍光ランプで
は2000時間後においても全く変化なかった。
【0040】[実施例2]先ず、酸化ランタンを粉砕に
より微粒子化し、15重量%酸化ランタン/1重量%ニ
トロセルロース/酢酸ブチルの混合比をもつ酸化ランタ
ンスラリーを調合する。次に、1重量%ニトロセルロー
ス/酢酸ブチル溶液150gに、ハロリン酸カルシウム
蛍光体(色温度6500K;昼光色)100gを加え、
更に、上記酸化ランタンスラリーを13.3g加えて懸
濁する。この状態で、ハロリン酸カルシウム蛍光体に対
して、2.00重量%に相当する希土類酸化物を添加し
たことになる。次に、得られた有機懸濁液をガラス管に
塗布し、実施例1と同じように通常の工程を経て、本発
明の高負荷蛍光ランプを作製した。
【0041】[比較例2]比較例として、15重量%カ
ルシウム・バリウム・ボレート/1重量%ニトロセルロ
ース/酢酸ブチルの混合比をもつ結着剤スラリーを酸化
ランタンスラリーの代わりに添加する以外、実施例2と
同じ条件で製作して比較例2の高負荷蛍光ランプを製作
した。
【0042】実施例2で得られた高負荷蛍光ランプと比
較例2で得られた高負荷蛍光ランプの、それぞれの20
00時間後における光束維持率を比較すると、比較例2
では69%であったのに対して、実施例2では80%で
あり、11%向上した。
【0043】[実施例3]ハロリン酸カルシウム蛍光体
(色温度5000K;昼白色)600gに純水1000
mlを加える。塩化ランタンを純水に加えてLa濃度で
13.3重量%の塩化ランタン水溶液を調製する。この
塩化ランタン水溶液を13.5g蛍光体懸濁液に加えて
攪拌し、15%アンモニア水を滴下しpHを10にす
る。この状態で、Laイオンは主として水酸化物とな
り、蛍光体の表面に析出し蛍光体を被覆する。攪拌を止
めしばらく放置すると、蛍光体が沈降する。この上澄み
を捨て分離乾燥し、得られたランタン被覆蛍光体を分析
したところ、ハロ燐酸カルシウム蛍光体に対し、酸化ラ
ンタン換算で0.35重量%であった。
【0044】次に、1重量%ニトロセルロース/酢酸ブ
チル溶液150gに、上記ランタン被覆蛍光体を100
gを加え懸濁する。次に、得られた有機懸濁液をガラス
管に塗布し、実施例1と同じように通常の工程を経て、
本発明の高負荷蛍光ランプを作製した。
【0045】実施例3で得られた本発明の高負荷蛍光ラ
ンプと比較例2で得られた高負荷蛍光ランプの、それぞ
れの2000時間後における光束維持率を比較すると、
比較例2では69%であったのに対して、実施例2では
79%であり、10%向上した。
【0046】ここで、実施例として希土類元素にLaの
みを選んで詳しく説明したが、他の希土類元素(Sc,
Y,Ce,Nd,Sm,Eu,Gd,Dy,Ho,E
r,Tm,Yb,Lu)についても、実施例1〜3と同
様な試験を行ったところ、Laと同程度の結果が得られ
た。
【0047】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の高負荷蛍
光ランプは、極端に劣化が悪いため従来不可能とされて
きたハロリン酸カルシウム蛍光体を用い、光束維持率を
大幅改善することにより、高負荷蛍光ランプを提供する
ことができた。その経済的効果は大きく、白熱電球の代
わりとしての、高負荷蛍光ランプの普及を促進し、省エ
ネルギーに効果があり、また、貴重な希土類元素の蛍光
体を使わない点で、省資源に効果があることは自明のこ
とである。
【0048】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高負荷蛍光ランプの概略図
【図2】 本発明の一実施例において得られた高負荷蛍
光ランプと、比較例の高負荷蛍光ランプの、ランプ点灯
時間に対する光束維持率との関係を示すグラフ図。
【符号の説明】
1・・・口金 2・・・ガラス管 3・・・電極 4・・・蛍光層 5・・・本発明の光束維持率曲線 6・・・比較例の光束維持率曲線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽光柱放電により消費される電力が蛍光
    層の単位面積あたり500W/m2以上である高負荷蛍
    光ランプにおいて、その蛍光層が以下の条件より構成さ
    れることを特徴とする高負荷蛍光ランプ。 (a)蛍光層にハロ燐酸カルシウム蛍光体を有する。 (b)蛍光層に希土類元素の酸化物、あるいは強熱によ
    り酸化物となる希土類化合物、或いは希土類元素酸化物
    と限定できない酸化物の前駆体を、前記ハロ燐酸カルシ
    ウム蛍光体に対し酸化物として0.01重量 %〜2重
    量%含有する。
  2. 【請求項2】蛍光層にランタンの酸化物、あるいは強熱
    により酸化物となるランタン化合物、或いは酸化ランタ
    ンと限定できない酸化物の前駆体を、前記ハロ燐酸カル
    シウム蛍光体に対し酸化物として0.01重量 %〜2
    重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の高負
    荷蛍光ランプ。
JP32776193A 1993-12-24 1993-12-24 高負荷蛍光ランプ Pending JPH07183005A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010037404A (ja) * 2008-08-04 2010-02-18 Nichia Corp 蛍光体及びそれを用いた蛍光ランプ
JP2011044421A (ja) * 2009-07-23 2011-03-03 Harison Toshiba Lighting Corp 紫外線放電ランプ

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