JPH1114206A - 圧縮機の製造方法及び室外機の製造方法 - Google Patents

圧縮機の製造方法及び室外機の製造方法

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JPH1114206A
JPH1114206A JP16638297A JP16638297A JPH1114206A JP H1114206 A JPH1114206 A JP H1114206A JP 16638297 A JP16638297 A JP 16638297A JP 16638297 A JP16638297 A JP 16638297A JP H1114206 A JPH1114206 A JP H1114206A
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JP
Japan
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oxygen
compressor
outdoor unit
moisture
refrigerating machine
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JP16638297A
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Inventor
Keizo Nakajima
啓造 中島
Narihiro Sato
成広 佐藤
Tetsuji Kawakami
哲司 川上
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】冷凍サイクル中には、真空ポンプなどによる排
気処理後も、水分や酸素が材料中に残存していたりある
いは冷凍機油中に溶存している場合がある。これらの酸
素、水は高温となる圧縮機中でフィルムや冷凍機油など
劣化を促進する問題がある。 【解決手段】圧縮機や室外機の管理工程中において、そ
の作動媒体出入口に、酸素や水分、特に酸素を積極的に
取り除くある特定の物質2をキャップ1と一体化して設
けることによって、予め余分な酸素、水分を取り除くこ
とが可能となり、冷凍機油や他の有機物の劣化を防ぐこ
とができ、より安定な冷凍システムを提供することが可
能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍システム、冷
凍サイクルに関するもので、詳しくは冷蔵庫や冷凍庫な
どの冷凍機器、あるいはルームエアコン、カークーラー
などの空調機器用に採用し、冷凍システム内の有機物、
特に冷凍機油や被覆フィルム材、冷媒などが酸化劣化や
加水分解することなく安定的に長期運転が可能な冷凍シ
ステム、サイクルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より冷凍空調分野で冷媒として用い
られてきたジクロロ−ジフルオロメタンやクロロ−ジフ
ルオロメタンなど、塩素原子を含有するクロロフルオロ
カーボン(CFC)やクロロフルオロカーボン(HCFC)は、成
層圏のオゾン層を破壊し、地上へ到達する有害な紫外線
量を増大させ、人類ばかりでなく地球上の生態系全体へ
の害が大きいという理由から、廃止されることになっ
た。これらCFC、HCFCの代替物質として、塩素原
子を含まないハイドロフルオロカ ーボン(HFC)が
使用されるようになった。例えばR134a(1,1,
1,2−テトラフルオロエタン)は、R12とほぼ同じ
物性を示し、オゾン破壊係数もゼロであることから注目
されているが、相溶性、熱安定性、電気絶縁性、潤滑
性、加水分解安定性等の性能が十分な潤滑油はいまだに
ない。従って、この様なHFC系冷媒を用いた冷凍機に
おいて使用可能な潤滑油の開発が重要な課題となってき
ている。
【0003】例えば、R12用の一般的な冷凍機油であ
るナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油は潤滑性の面では
良好であったが、R134aとの組み合わせにおいては
二層分離温度が高く、両層が分離しやすい。従って、R
134a用の冷凍機油として、ナフテン系鉱油、パラフ
ィン系鉱油は使用することができない。また、従来から
冷凍機油として用いられているアルキルベンゼンに対し
ても、R134aは相溶性に問題があり、また充分な潤
滑性も得られない。近年、HFC用の冷凍機用の潤滑油
としてエステル系油やエーテル系油が提案され、また実
際に使用されつつある。
【0004】エステル系油は、PAGに比べ、電気絶縁
性が優れ、吸湿性もほとんど無い。しかしながらこのエ
ステル油と水素含有フッ化炭化水素からなる系は従来の
鉱油とR12からなる系に比べ、極性が高くなり、水を
含みやすい。当然ながら冷凍機には水を除去するための
ドライヤが取り付けられているが、わずかに残った水に
よりエステルの加水分解が進み、金属腐食性の酸成分を
析出する。従って、エステル油を冷凍機油として用いる
ためには、加水分解安定性に優れたものを開発する必要
がある。
【0005】また、加水分解せず、電気絶縁性にも優れ
た油としてエーテル系油などの提案もなされているが、
非常に吸水性が高い。また熱安定性に関してはエステル
系油ほど充分なものはコスト面から考えてなされていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これら新規な代替フロ
ンを冷凍システム用冷媒として用いた場合には、以上述
べたように冷媒と相溶する油を選択する必要があるが、
その場合には、従来の鉱油等に比べ、吸水性、耐水性、
耐酸化性などが充分ではなく、そのためシステム内の空
気量、水分量を制限しておく必要がある。
【0007】一方システム構成としての課題を考えてみ
ると、室内ユニットと室外ユニットを接続配管を用いて
接続して構成される冷凍サイクルにおいては、大型機、
小型機に関わらず施工を伴うものである。このように接
続配管を使って冷凍サイクルを形成するときには、サイ
クル中に残留している酸素は冷凍機油など冷凍サイクル
内物質の酸化劣化を促進するために除去する必要がある
が、真空ポンプを用いて除去したり、サイクル中にあら
かじめ充填してある冷媒で追い出すなどの方法が採られ
ている。
【0008】現状では、明確な空気量や水分量の規制基
準、裏付けとなるデータはなく、施工方法によってまち
まちであるが、新冷媒と新冷凍機油からなる組み合わせ
を用いた冷凍装置においては、システム内の材料面での
安定性確保のため、新たな基準が必要である。
【0009】水分管理に関すれば、作動媒体中の水分率
が高い場合には、冷凍サイクル中の低温部で水が凍結す
るチョーキングが考えられ、これを防止するためにドラ
イヤを装備することが有効であった(特公昭56-137062
号公報、特公昭61-168762号公報など)。
【0010】冷媒としてHFCを用いる場合には、これと
相溶性を有する冷凍機油からなる作動媒体では飽和水分
率が高いためにチョーキングは起りにくいが、極性を有
する冷凍機油が化学構造として有する炭素−酸素結合が
比較的弱いために、水分率が高いほど加水分解などの分
解を生じやすくなるので、ゼオライトなどの吸着型乾燥
剤を冷凍システムに装備する必要があると考えられてい
る。
【0011】特開平5-66075号公報では、HFC-134a冷媒
を用いたカーエアコンにおいてHFC-134aの液、ガス状態
での飽和水分量の差異を考慮して、水分除去装置を低圧
管路に配置することにより、効率よく水分除去をする方
法を開示している。また、特開平4-122792号公報では、
冷凍機油の劣化を抑制するためにイオン交換樹脂を装備
した冷凍サイクルが提案されている。
【0012】また冷凍機油に関する水分管理手法とし
て、基油の安定性を確保するために色々な酸水分捕捉剤
を添加する方法が提案されている(特開平6-1970号公
報、特開平6-88087号公報、特開平6-240279号公報、冷
凍機油の特開平6-240277号公報、特開平6-240278号公
報、特開平6-287585号公報、特開平6-336594号公報、特
開平6-293893号公報、日本トライボロジー学会トライボ
ロジー会議予稿集第469〜472頁、1994年)など)。
【0013】以上述べたようにサイクル内に既存の水分
を吸収する手段も必要であるが、従来よりもまして製造
工程における厳しい水分管理がHFC冷媒対応の機種には
必要である。そもそも冷凍サイクルの製造工程において
は、作動媒体が封入される以前に、数回の減圧処理、不
活性ガスによる系内置換が行われているが、特に圧縮機
などにおいてはその部品点数や組立工程の多さ、モータ
周辺材料の有機物の吸湿性などから、ある程度の水分が
組立工程完了後も存在する場合がある。
【0014】また空気量管理に関すれば、通常、圧縮機
は冷凍機油を封入後、窒素などの不活性ガスを系内に導
入後キャップをつけた状態で出荷されるが、不活性ガス
への置換が不充分であったり、冷凍機油中に溶存してい
た酸素が系内に再拡散するなどして、系内に酸素が存在
する場合がある。また施工現場で冷媒を冷凍サイクルに
ボンベから封入するような大型の空調機においては、圧
縮機が組み込まれた室外機は充分不活性ガスなどで置換
後、配管接続部となるポートに密閉キャップがなされる
が、作業工程途中で混入した及び、或いは材料が保持し
ていた酸素、水分についてはある管理基準以下には押さ
えられているが、新冷凍システム、冷凍サイクルで充分
な能力を有するかについては鋭意検討が急がれる。これ
ら作業工程中で混入した酸素は圧縮機などの比較的高温
状態になる箇所では冷凍機油との反応で、酸化劣化を生
じる可能性がある。
【0015】さらに我々は酸素と冷凍機油の反応を詳細
に検討した結果、装置内に数Torrの酸素しか存在しない
ときにでも、冷凍機油との反応で直ちに消費され、消費
された酸素が、冷凍機油自身の劣化反応と副生成物とし
て水やCO2ガスを生成していることを突き止めた。従っ
て初期水分をかなり厳しく管理しても、系内の酸素が取
り除かれない限り、劣化反応が進行する可能性がある。
また水分に関してはドライヤなどである程度以下の平衡
水分量には抑えられる可能性があることから、初期酸素
量をできる限り抑える努力を行うことが最重要であると
考えた。
【0016】本発明は上記欠点を一挙に解決するために
なされたものである。すなわち本発明は簡便な手段によ
り圧縮機中のフリースペース中の酸素濃度を低下ないし
は完全に除去させてしまい、さらに圧縮機中の冷凍機油
中に含まれている溶存酸素や、室外機配管中の酸素、さ
らには冷媒中に混入している酸素も除去させ、かつその
状態を長期間維持させることを可能にする圧縮機を提供
することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の問題点に
鑑みて、本発明者らは、冷凍空調用圧縮機中及び室外機
の配管中に残存している酸素を、簡易な方法で除去でき
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0018】本発明における圧縮機の製造方法によれ
ば、圧縮機の製造工程又は/及び管理工程において、冷
凍機油が封入された圧縮機の作動媒体出入口に、酸素吸
収剤を具備したキャップを用い管理することを特徴とす
るものである。
【0019】また本発明の室外機の製造方法によれば、
空調機の室外機の製造工程又は/及び管理工程におい
て、冷凍機油が封入された圧縮機が搭載され、冷媒が充
填される前に、作動媒体出入口となる箇所に、酸素吸収
剤を具備したキャップを用い管理することを特徴とする
ものである。
【0020】さらに本発明の室外機の製造方法によれ
ば、空調機の室外機の製造工程又は/及び管理工程にお
いて、冷凍機油が封入された圧縮機が搭載され、冷媒が
充填された後に、作動媒体出入口となる箇所に、酸素吸
収剤を具備したキャップを用い管理することを特徴とす
るものである。
【0021】さらにまた本発明における酸素吸収剤は酸
素と水分、あるいは酸素を吸収する組成物よりなること
を特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。酸素吸収剤に関しては、どの様
な組成物、またどの様な形態のものであっても構わな
い。一般的には、酸素吸収剤は、酸素を吸収する性質を
持つ組成物であり、鉄粉または鉄化合物を主剤とする無
機系のものと、アスコルビン酸塩やカテコールなどの複
合炭水化物を用いた有機系のものとがあり、現在は安定
性や酸素吸収率及びコストなどから、鉄系化合物を主剤
とするものが主流となっている。
【0023】一般に圧縮機の完成品と称するものは、冷
凍機油が封入され窒素ガスなどによって不活性ガス置換
された状態で出荷されることが多い。この時その後の製
造工程によっても異なるが、作動媒体の出入口には圧縮
機内が密閉されるようにゴムキャップなどがなされる。
本発明においては通常の工程を踏んだ上で、ゴムキャッ
プをする際に、酸素吸収剤を具備したものを用いること
が最大の特徴である。
【0024】そもそも酸素吸収剤とは、一般に、加工食
品、農水産品、金属製品、精密部品及び繊維製品などの
品質保持方法に用いられるものである。この方法は、対
象物を通気性包材で包装された酸素吸収剤とともに、ガ
スバリアー性容器、すなわち非通気性の包材で作られた
袋、箱などに密閉し、収納密閉容器内の酸素を酸素吸収
剤により吸収させて無酸素(または低酸素濃度)状態を
作ることにより、対象物を酸素に起因する品質劣化から
守ろうとするものである。
【0025】この方法は、昭和48年に日本市場に登場し
てから、その簡便さと高い品質保持効果から、急速に普
及してきた。かかる酸素吸収剤としては、酸素を吸収す
る主剤により、有機系のもの及び無機系のものと多くの
ものが提案されてきているが、機能及び経済性の優れて
いる鉄粉系のものが主流である。
【0026】鉄粉系の酸素吸収剤としては、古くは英国
特許第553991号に示されているように、水素ガス処理さ
れた活性な鉄粉を主剤としていて、乾燥状態でも酸素を
吸収するものが提案されている。しかしながら、このよ
うな活性の高い鉄粉は、発火の危険性を有しており、実
用性に乏しいものである。
【0027】従来実用的に用いられてきた鉄粉系酸素吸
収剤は、すべて安定な鉄粉を主剤とし、例えば下記化学
式に示されるような酸素吸収反応(即ち、鉄粉の酸化反
応)を利用したもので、水及びハロゲン化金属などを必
須成分とするものである。
【0028】X− Fe + 1/2O2 + H2
→ Fe(OH)2 X− 2Fe(OH)2 + 1/2O2 + H2
→ 2Fe(OH)3→ Fe23・3H2O (ここで、X−は反応促進剤であるハロゲンイオンを表
す) このような実用的な鉄粉系酸素吸収剤においては反応の
必須成分である水をどの様に反応系へ供給するかによっ
て、通称、自己反応型と水分依存型の2つに分類され
る。
【0029】自己反応型の酸素吸収剤は、剤の中に水分
が含まれており、空気(厳密には酸素)に触れると、直
ちに酸素吸収反応を開始する。この自己反応型は、保存
対象物が水分を含んでいないか、或いは水分が少ない場
合にでも速く酸素吸収できるのが特色である。
【0030】一方水分依存型自身は、保存対象物(例え
ば、食品)と共に容器に密閉された後に、保存対象物か
ら蒸散するわずかな水分を利用して酸素を吸収する。こ
の水分依存型は、空気に触れるだけではすぐに反応しな
いので、包装工程での作業が非常によいのが特色であ
る。
【0031】本発明に用いる酸素吸収剤の形態としては
いかなるものでも良い。微粉末、粉体、ペレット状、ビ
ーズ状、棒状、ブロック状、シート状のなどどれでも良
い。その際通常の粉体の成型に使用される結合剤や滑決
剤を使用することもできる。粉末状あるいは成型してそ
のまま使用、あるいは通気性の包装材に入れて用いるな
どがあげられる。
【0032】本発明の酸素吸収剤は、酸素を除去した
り、酸素含有量を削減したりなどの用途に利用すること
が可能である。さらに詳細に説明を行えば、通常用いら
れるキャップの内面に張り付けられているような形態が
好ましい。さらには図1に示すようなキャップ1の内側
に突き出たような形状や、図2のように外側に張り出た
ような形状もある。ここで1はゴムキャップ、2は酸素
吸収剤を含む通気性を有する容器、3はキャップすべき
作動媒体出入口を示す。圧縮機内あるいは室外機内に存
在する酸素との接触面を大きくする意味では、図1のよ
うな形態が望ましいが、使用される圧縮機や室外機にお
いて形状が異なる場合があるので一概に有利であるとは
言えない。
【0033】本発明に用いられる酸素吸収剤は、酸素と
水分、あるいは酸素を吸収する組成物からなる。また当
然ながらそれ以外のガス成分例えば、炭酸ガスなどを吸
着することがあっても構わない。
【0034】酸素吸収剤を有するキャップの圧縮機への
取り付けは、圧縮機の製造工程、管理工程において、冷
凍機油が封入された後に行われる。この時、圧縮機内は
通常不活性ガスなどにより置換された状態であるが、本
発明の酸素吸収剤を具備したキャップを圧縮機の作動媒
体出入口に用いることで、圧縮機内の酸素を完全に大幅
に減少あるいは皆無にすることができる。用いる酸素吸
収剤の種類によっては圧縮機内の水分も吸着し、反応に
使われる場合があるが、それでも構わない。この状態で
次の製造工程、あるいは圧縮機としての商品を出荷する
ことになる。
【0035】また酸素吸収剤を有するキャップの室外機
への取り付けは、2通りの場合が考えられる。1つは、
大型の空調機のような場合で、冷媒を封入せず、不活性
ガスなどで置換したものを出荷する場合、もう1つは通
常の家庭用エアコンなどで見られる様な、室外機に冷媒
を充填した状態で出荷する場合である。共に出荷時に酸
素管理を酸素吸収剤を含んだキャップを用いて行うこと
により、前者では室外機内の不活性ガス、冷凍機油など
と共存している酸素を、後者では冷媒も含んだ状態での
混入酸素を大幅に減少あるいは皆無にすることが可能で
ある。
【0036】また本発明に用いる酸素吸収剤は製造工
程、管理工程にて使用するものであるので、これらのキ
ャップは、毎回廃棄されるような形態ではなく、その酸
素吸収剤の酸素吸収処理能力にも依存するが、複数回の
使用に耐えうるものであることが望ましい。またさらに
はそれらの処理限界値がわかるようなインジケータ的な
ものを含む形態であればさらに都合がよい。
【0037】また圧縮機、あるいは室外機の不活性ガス
置換操作をなくし、空気置換されたままの状態のもの
に、これらの酸素吸収剤を具備した製造方法、管理方法
も実施可能である。この時には系内にかなりの量の酸素
が存在するために、その酸素吸収剤の消費量は必然的に
多くなるが、置換操作の手間、コストと酸素吸収剤のコ
ストとのバランスで決まってくるものと思われる。
【0038】また冷凍サイクル、冷凍システムの完成時
には取り除かれることになるが、その時には系内の酸素
はほとんどないあるいは皆無状態であるので、長期にわ
たって劣化しにくい商品を提供できる。
【0039】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。但し、本発明は実施例に限定されるものではな
い。また今回はゴムキャップを用いたが、これに限定さ
れるものではない。 (実施例1)酸素吸収剤は、以下の条件によって調整し
た。比表面積2.0m2/gの鉄粉100重量部に対し
て、塩化ナトリウム粉末7重量部を加えよく混合して第
1成分とした。次に粒径0.5−3mmの粒状ゼオライ
ト100重量部に対して、水を25重量部加えたよく混
合したものを第2成分とした。第1成分と第2成分をそ
れぞれ1.5gずつ秤量し、透気度約5000秒/10
0mlの通気性材料である有孔ポリエチレンフィルムで
形成された5x50mmのサイズの容器中に充填し、密
封した。これを図3に示す様な圧縮機のキャップ1に張
り付け、この酸素吸収剤2を具備したキャップとして用
意した。
【0040】家庭用空調機搭載用圧縮機の製造工程にお
いて、冷凍機油として、20℃における粘度が65cP
sのエステル油を封入後、吐出側、吸引側の口を開放し
ながらアルゴン置換し、片方の口を酸素吸収剤を有する
形態のゴムキャップで密閉した後、内圧が1.2気圧に
なった地点でもう一方の口を同様に密閉した。
【0041】その後24時間経過後に圧縮機内のガス抜
き取り、及び冷凍機油の抜き取り検査を行ったところ、
圧縮機内の全容積1000mlに対して、残存酸素は
0.01ml、冷凍機油重量300mlに対して溶存酸
素量は検出限界以下(0.05vol%以下)であるこ
とがわかった。 (実施例2)上記実施例1で調整したと同様の酸素吸収
剤を用いた。また本実施例では業務用空調機に用いられ
る室外機で、商品出荷前の冷媒を封入していない状態の
ものを用意した。この時圧縮機内にはエステル系の冷凍
機油のみが封入されている。また冷凍機油及び冷媒とか
ら成る作動媒体の出入口となる部分には、アルゴンガス
を置換した後に先と同様の酸素吸収剤を有するキャップ
を取り付けた。
【0042】その後24時間経過後に室外機内のガス抜
き取り、及び圧縮機内の冷凍機油の抜き取り検査を行っ
たところ、室外機内の全容積8000mlに対して、残
存酸素は0.02ml、冷凍機油重量2000mlに対
して溶存酸素量は検出限界以下(0.05vol%以
下)であることがわかった。 (実施例3)上記実施例1で調整したと同様の酸素吸収
剤を用いた。また本実施例では家庭用空調機に用いられ
る室外機で、商品出荷前の冷媒を封入する以前のものを
用意した。この時圧縮機内にはエステル系の冷凍機油の
みが封入されている。また冷凍機油及びR407C冷媒
とから成る作動媒体の出入口となる部分には、アルゴン
ガスを置換した後に先と同様の酸素吸収剤を有するキャ
ップを取り付けた(通常は一方は3方弁になっているの
でそのうちの1カ所)。
【0043】その後24時間経過後に室外機内のガス抜
き取り、及び圧縮機内の冷凍機油の抜き取り検査を行っ
たところ、室外機内の全容積8000mlに対して、残
存酸素は0.02ml、冷凍機油重量2000mlに対
して溶存酸素量は検出限界以下(0.05vol%以
下)であることがわかった。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧縮機の製造工程又は/及び管理工程において、冷凍機
油が封入された圧縮機の作動媒体出入口に、酸素吸収剤
を具備したキャップを用い管理することによって、従来
ならばある程度残存していた空気特に酸素をほぼ皆無状
態にすることができるため、品質的に極めて安定した、
酸化劣化が生じることのない圧縮機を提供することがで
きる。
【0045】また本発明における室外機の製造方法によ
れば、同様に酸素吸収剤を具備したキャップを用いるこ
とで冷凍機油、室内機配管中、冷媒中に溶存あるいは含
まれている微量の空気、特に酸素を取り除くことができ
るため、長期的に安定な冷凍システムを提供することが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の酸素吸収剤を示す図で
ある。
【図2】本発明の一実施の形態の酸素吸収剤を示す図で
ある。
【図3】本発明の実施例における酸素吸収剤の一形態を
示す図である。
【符号の説明】 1 ゴムキャップ 2 酸素吸収剤を含む通気性を有する容器 3 キャップすべき作動媒体出入口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮機の製造工程又は/及び管理工程にお
    いて、冷凍機油が封入された圧縮機の作動媒体出入口
    に、酸素吸収剤を具備したキャップを用い管理すること
    を特徴とする圧縮機の製造方法。
  2. 【請求項2】酸素吸収剤が酸素と水分、あるいは酸素を
    吸収する組成物よりなることを特徴とする請求項1記載
    の圧縮機の製造方法。
  3. 【請求項3】空調機の室外機の製造工程又は/及び管理
    工程において、冷凍機油が封入された圧縮機が搭載さ
    れ、冷媒が充填される前に、作動媒体出入口となる箇所
    に、酸素吸収剤を具備したキャップを用い管理すること
    を特徴とする室外機の製造方法。
  4. 【請求項4】空調機の室外機の製造工程又は/及び管理
    工程において、冷凍機油が封入された圧縮機が搭載さ
    れ、冷媒が充填された後に、作動媒体出入口となる箇所
    に、酸素吸収剤を具備したキャップを用い管理すること
    を特徴とする室外機の製造方法。
  5. 【請求項5】酸素吸収剤が酸素と水分、あるいは酸素を
    吸収する組成物よりなることを特徴とする請求項3又は
    4記載の室外機の製造方法。
JP16638297A 1997-06-23 1997-06-23 圧縮機の製造方法及び室外機の製造方法 Pending JPH1114206A (ja)

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Cited By (3)

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JP2006162081A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Hitachi Ltd 冷凍サイクル装置
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