JP2001317822A - 冷凍空調装置 - Google Patents

冷凍空調装置

Info

Publication number
JP2001317822A
JP2001317822A JP2000131886A JP2000131886A JP2001317822A JP 2001317822 A JP2001317822 A JP 2001317822A JP 2000131886 A JP2000131886 A JP 2000131886A JP 2000131886 A JP2000131886 A JP 2000131886A JP 2001317822 A JP2001317822 A JP 2001317822A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigeration
air
working medium
conditioning apparatus
refrigerant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000131886A
Other languages
English (en)
Inventor
Narihiro Sato
成広 佐藤
Yukio Watanabe
幸男 渡邊
Hideo Hirano
秀夫 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2000131886A priority Critical patent/JP2001317822A/ja
Publication of JP2001317822A publication Critical patent/JP2001317822A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハイドロフルオロカーボンを含んだ冷媒と冷
凍機油を作動媒体とし、長期間に渡って安定に動作する
冷凍圧縮機を提供する。 【解決手段】 作動媒体M中に、冷凍機油を安定化する
添加剤を内包物質とした粒径5μm以上50μm以下の
マイクロカプセル7を有した構成とする。これにより、
作動媒体Mに伴われてマイクロカプセル7が流れ、その
内包物質である添加剤が必要時に順次に放出され長期間
にわたって機能を発揮する。その際にマイクロカプセル
7は、境界潤滑領域に適宜に留まり、またキャピラリチ
ューブ等で詰まることはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイドロフルオロ
カーボンを含む冷媒と冷凍機油を作動媒体とする、冷凍
圧縮機、凝縮器、キャピラリチューブなどの膨張機構、
ならびに蒸発器を備えた冷凍空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍機、冷蔵庫、空調機などに
は、冷媒として、フッ素と塩素を含むフロン、例えばク
ロロフルオロカーボン(CFC)であるR11(トリク
ロロモノフルオロメタン)やR12(ジクロロジフルオ
ロメタン)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCF
C)であるR22(モノクロロジフルオロメタン)など
が使用されてきた。しかしながら、この種のフロン化合
物は、大気中に放出された場合に、そのほとんどが分解
されず、成層圏のオゾン層を破壊し、生体系に悪影響を
及ぼすとして、国際的に使用が規制されつつある。その
ため、これら塩素を含まない代替フロン物質の検討が広
くなされ、クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイド
ロクロロフルオロカーボン(HCFC)の代替物質とし
て、ハイドロフルオロカーボン(HFC)が使用される
ようになった。
【0003】しかしながら、ハイドロフルオロカーボン
(HFC)を冷媒として用いる冷凍サイクルでは、この
冷媒(HFC)との相溶性の観点から、ポリアルキレン
グリコール(PAG)類やエステル類などの極性を有す
る冷凍機油を用いる必要がある。そのため、冷媒(HF
C)自体も極性が高いことから、冷媒と冷凍機油からな
る作動媒体自体が非常に吸水性が高い。
【0004】このため、機器の内部に乾燥器が備えられ
ることが多いだけでなく、特開平4−122792号公
報では、冷凍機油の劣化を抑制するためにイオン交換樹
脂またはエポキシ化合物を装備した冷凍サイクルが提案
されている。
【0005】また、冷凍機油については、基油の安定性
を確保するために色々な酸・水分捕捉剤などを添加する
方法が提案されている(潤滑油100重量部にエポキシ
含有フッ素含有ポリシロキサンを添加する特開平4−3
6387号公報、2または3価のポリオールグリシジル
エーテルを含むPAG系冷凍機油の特開平4−5549
8号公報、エステル油とアルキルベンゼンまたは鉱油と
の混合物にジまたはポリグリシジルエーテル化合物を配
合した冷凍機油組成物の特開平5−17792号公報、
エポキシ含有ポリシロキサンを配合した潤滑油組成物の
特開平1−193393号公報、脂環式エポキシ化合物
を0.05−15重量部配合した特開平5−10589
6号公報、ポリオールエステルにエポキシシクロヘキシ
ル(またはペンチル)基を有する化合物を配合した冷凍
機作動流体用組成物の特開平5−209171号公報、
エステル油にグリシジルエーテル型エポキシ化合物を添
加した冷凍機作動流体用組成物の特開平6−1970号
公報、炭素数1〜4のアルキル基2個で2位が置換され
たエチル−グリシジルエーテルであるエポキシ化合物を
配合した冷凍機油の特開平6−88087号公報、基油
にリモネンオキサイド、α-ピネンオキサイド、L-カル
ボンオキサイドからなる群より選ばれたエポキシ化合物
を配合した冷凍機油の特開平6−240279号公報、
ポリエーテルに芳香族モノ、ジカルボン酸グリシジルま
たはエポキシシクロアルキル基含有化合物を添加した冷
凍機油の特開平6−240277号公報、基油に水素ま
たはC1〜20のアルキル基ならびにC4〜20 のヒドロキシ
アルキル基でα、β位置が置換されたエチレンオキシド
を配合した冷凍機油の特開平6−240278号公報、
エステルまたはエステルと鉱油または合成油との混合物
にグリシジルアミン化合物を配合した冷凍機用潤滑油の
特開平6−287585号公報、ポリエーテル油にエポ
キシ化合物を添加した冷凍機油の特開平6−33659
4号公報、ポリオールエステルにエポキシシクロヘキシ
ル基またはエポキシシクロペンチル基を有する化合物を
配合した冷凍機油の特開平6−293893号公報、カ
ルボジイミド化合物を配合した冷凍機油を提案した「エ
ステルの加水分解と酸捕捉剤に関する研究」(日本トラ
イボロジー学会トライボロジー会議予稿集第469〜472
頁、1994年)など)。
【0006】極圧剤に関しては、特開平5−23048
7号公報において、水素含有フッ化炭化水素を冷媒とし
て使用する冷凍機油として、含酸素化合物を主成分とす
る基油に炭化水素基または酸素含有炭化水素基を有する
リン酸トリエステルを必須成分とし、ハロゲン含有リン
酸トリエステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エス
テルアミン塩を極圧剤として添加することが記載されて
いる。
【0007】また、このような添加剤を長期間に渡って
作用させるために、特開平10−132398号公報
に、冷凍圧縮機内の冷凍機油と接する部分に、添加剤を
内包したマイクロカプセルを配置することが記載されて
いる。具体的には、マイクロカプセルをポリイミドワニ
スに練りこんだものを圧縮機の密閉ケース内面に塗布す
ることで添加剤徐放機構を実現している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来の手法のなかで、イオン交換樹脂を装備し
た冷凍サイクルでは、アニオン交換樹脂を使用すること
で有機酸、無機酸を捕捉できるものの、アニオン交換樹
脂自体が塩基性を示すため、冷凍機油として使用された
エステル油の加水分解が加速され、樹脂の酸捕捉能力を
上回る酸成分が生成するという問題があった。
【0009】冷凍機油に酸・水分捕捉剤を添加した場合
には、エステル油の加水分解によって生成された有機酸
を捕捉し有機酸金属塩の生成を抑制できるものの、添加
された酸・水分捕捉剤が、酸を捕捉すると同時にその副
反応として重合反応を起こすことが多く、それにより生
成した分子量の大きな重合物がキャピラリ閉塞などを招
くという問題があった。
【0010】一方、冷凍機油にリン系極圧剤を過剰に添
加すると、腐食反応を起こしやすく、その場合に著しい
摩耗が発生するという欠点があった。また、コスト低減
のために乾燥器を具備しない場合には、吸湿性の高い潤
滑油の安定性向上が必要であった。
【0011】本発明は上記問題を解決するもので、ハイ
ドロフルオロカーボンを含んだ冷媒と冷凍機油を作動媒
体とし、長期間に渡って安定に動作する冷凍圧縮機を提
供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、ハイドロフルオロカーボ
ンを含んだ冷媒を圧縮する冷凍圧縮機と、前記冷媒を凝
縮させる凝縮器と、前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、前
記冷媒を膨張させる膨張手段とを備え、前記冷媒と冷凍
機油を作動媒体とする冷凍空調装置であって、前記作動
媒体中に、前記冷凍機油を安定化する添加剤を内包物質
とした粒径5μm以上50μm以下のマイクロカプセル
を有したことを特徴とする。
【0013】この構成によれば、作動媒体に伴われてマ
イクロカプセルが流れ、その内包物質である添加剤が必
要時に順次に放出され長期間にわたって機能を発揮する
ことになり、従来に比べて機器の信頼性を向上できる。
その際にマイクロカプセルは、粒径が5μmより小さい
と、境界潤滑領域に入っても通過してしまって内包され
た添加剤が有効に働かず、また粒径が50μmより大き
いと、膨張手段のキャピラリチューブ等で詰まることが
あるので、粒径5μm以上50μm以下とする。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
冷凍空調装置において、マイクロカプセルのカプセル膜
が水分と反応して内包物質を作動媒体中に放出する水分
感応膜であることを特徴とするものであり、この構成に
より、作動媒体が循環する冷凍サイクルに水分が混入し
てきた時のみ添加剤を作用させることができ、水分に対
する冷凍サイクルの耐久性を向上できる。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2のいずれかに記載の冷凍空調装置において、内
包物質が酸と水分の少なくとも一方を捕捉する捕捉剤で
あることを特徴とするものであり、この構成により、冷
凍サイクルに混入した水分や加水分解によって生じた酸
を捕捉剤により除去することができ、冷凍サイクルの信
頼性を向上できる。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項1記載の
冷凍空調装置において、マイクロカプセルのカプセル膜
が150℃以上で内包物質を作動媒体中に放出する温度
感応膜であることを特徴とするものであり、この構成に
より、冷凍圧縮機の摺動面などがシビアな摩擦条件とな
り温度上昇した時のみ、摺動部材の劣化温度までの温度
で、添加剤を作用させることができ、冷凍サイクルの信
頼性を向上できる。
【0017】請求項5に記載の発明は、請求項1または
請求項4のいずれかに記載の冷凍空調装置において、内
包物質が極圧剤であることを特徴とするものであり、こ
の構成により、極圧剤が冷凍機油そのものと反応するこ
とを防止して長期間に渡り安定に作用させることができ
る。
【0018】請求項6に記載の発明は、請求項1記載の
冷凍空調装置において、マイクロカプセルのカプセル膜
がポリウレタン樹脂で構成されたことを特徴とするもの
であり、この構成により、ポリウレタン樹脂が吸水した
時、あるいはガラス転移点以上に温度上昇した時のみ、
添加剤を作用させることができ、冷凍サイクルの信頼性
を向上できる。
【0019】請求項7に記載の発明は、請求項1記載の
冷凍空調装置において、マイクロカプセルのカプセル膜
がポリアミド樹脂で構成されたことを特徴とするもので
あり、この構成により、ポリアミド樹脂が吸水した時の
み添加剤を作用させることができ、冷凍サイクルの信頼
性を向上できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。本発明の一実施形態
における冷凍空調装置は、図1に示すように、冷媒とそ
れに添加された冷凍機油とを作動媒体Mとし、前記冷媒
(したがって作動媒体M)を圧縮する冷凍圧縮機1と、
前記冷媒を凝縮させる凝縮器2と、キャピラリ等を有し
前記冷媒を膨張させる膨張機構3と、前記冷媒を蒸発さ
せる蒸発器4と、これらを連結する配管5とからなる冷
凍サイクルを備えている。冷凍圧縮機1の流出入管1a
と配管5との交差部には四方弁6が設けられていて、こ
の四方弁6により、作動媒体Mの流路を転換し凝縮器2
と蒸発器4の機能を交換させることが可能である。
【0021】作動媒体M中には、酸捕捉剤や極圧剤など
の冷凍機油添加剤を内包物質としたマイクロカプセル7
が混合されている。このマイクロカプセル7は、装置の
運転開始前には、作動媒体Mの流路であれば冷凍圧縮機
1の内部やアキュムレータ(図示せず)の内部など、ど
こに設置しても構わないが、酸捕捉剤や極圧剤を高温部
や摺動部で作用させるために、図示したように、冷凍圧
縮機1の作動媒体M中、すなわち冷凍機油中に分散させ
るのが好ましい。
【0022】冷凍サイクル自体の構成は従来公知のもの
とほぼ同一であり、詳しい説明は省略するが、作動媒体
Mを実線矢印方向に流すことで暖房を行い、破線矢印方
向に流すことで冷房を行う。その際に、作動媒体Mに伴
われてマイクロカプセル7の一部が冷凍サイクルを流
れ、マイクロカプセル7中の添加剤が適当時に、たとえ
ば添加剤を最も必要としている摺動面で、作動媒体M中
に放出され、添加剤としての機能を発揮する。
【0023】マイクロカプセル7の内包物質としては、
通常は冷凍機油添加剤、すなわち酸化防止剤、酸・水分
捕捉剤、極圧添加剤、摩耗防止剤、金属不活性化剤等の
公知物質を用いることができる。これら冷凍機油添加剤
は、単独で、混合して、あるいは冷凍機油に溶かした状
態で内包することができる。ただし、混合すると反応し
てしまうような添加剤、たとえばエポキシ系の酸・水分
捕捉剤とリン酸エステル系の極圧添加剤とを単一のマイ
クロカプセルに内包するのは好ましくない。
【0024】マイクロカプセル7の粒径は、5μm以上
50μm以下とするのが最適である。5μmより小さい
粒径では、境界潤滑領域に入ってもマイクロカプセル7
が油膜を通過してしまい、内包した添加剤が有効に働か
ないため、摺動部の摩擦摩耗状態が厳しくなる。また5
0μmよりも大きい粒径では、冷凍サイクル内のキャピ
ラリチューブ等で詰まることがあり、好ましくない。
【0025】マイクロカプセル7のカプセル膜の構造に
は特に限定はないが、水分と反応して透過性が変化す
る、あるいは開口部を形成するなどして、内包物質を作
動媒体M中に放出する水分感応膜が好ましい。このよう
な水分感応膜であれば、冷凍サイクルに水分が混入した
時のみ、内包した酸・水分捕捉剤などの添加剤を放出
し、冷凍サイクル内の過剰な水分を速やかに除去するこ
とが可能になる。水分感応膜としては、加水分解しやす
いウレタン系ポリマーやアミド系ポリマーなどを用いる
ことができる。
【0026】マイクロカプセル7のカプセル膜にはま
た、150℃以上で内包物質を作動媒体M中に放出する
温度感応膜が望ましい。このような温度感応膜であれ
ば、冷凍圧縮機1内の摺動部などがシビアな摩擦摩耗状
態になって、摩擦熱が多量に発生し、温度上昇した時
に、内包した極圧剤などの添加剤を放出し、摺動面に極
圧層を形成するため、摩耗を防止することが可能にな
る。ここで150℃以上としたのは、冷凍圧縮機1の内
部温度が150℃を超えると、モータ絶縁材料のポリエ
チレンフテレタレート膜の劣化が進行するからである。
温度感応膜としては、ガラス転移温度を150℃に設定
したウレタン系ポリマーなどを用いることができる。
【0027】マイクロカプセル7は公知の方法で作成で
きる。たとえば多官能イソシアネート化合物を、内包し
ようとする添加剤とともに高沸点オイル(ポリオール)
中に入れ、これを水中で乳化分散させ、さらに加熱して
3次元架橋させることにより作成できる。 (実施例1〜4)下記の表1に示した各添加剤を内包物
質とし、芳香族ポリアミドである二塩化イソフタロイル
とフェニレンジアミンの界面重縮合反応物をカプセル膜
材料とし、粒径5〜50μmとなるように成膜条件を調
整して、実施例1〜4のマイクロカプセルを作成した。
各マイクロカプセルの粒径を顕微鏡写真により調べたと
ころ、いずれも粒径5〜50μmであることが確認され
た。各実施例のマイクロカプセルをそれぞれエステル系
冷凍機油であるヒンダードエステルオイル(粘度指数6
8)に対して5質量%入れた。
【0028】実施例1〜4のマイクロカプセルの水分に
対する反応性を次のようにして確認した。上記のように
して調製した各冷凍機油に水を1000ppm添加し、
冷凍機油ごとに、120℃で1週間のシールドチューブ
試験を行った。そして、試験後の冷凍機油中にマイクロ
カプセル内の添加剤が溶け出していることをGC−MS
(ガスクロマトグラフィー−質量分析法)を用いて確認
した。 (実施例5〜8)下記の表1に示した各添加剤を内包物
質とし、ガラス転移温度150℃のポリウレタンエラス
トマーであるポリエステルポリオールとジフェニルメタ
ンジイソシアネートを用いたポリウレタンをカプセル膜
材料とし、粒径5〜50μmとなるように成膜条件を調
整して、実施例5〜8のマイクロカプセルを作成した。
各マイクロカプセルの粒径を顕微鏡写真により調べたと
ころ、いずれも粒径5〜50μmであることが確認され
た。各実施例のマイクロカプセルをそれぞれ実施例1〜
4と同じエステル系冷凍機油に対して5質量%入れた。
【0029】実施例5〜8のマイクロカプセルの熱に対
する反応性を次のようにして確認した。上記のようにし
て調製した各冷凍機油について160℃で1週間のシー
ルドチューブ試験を行った。そして、試験後の冷凍機油
中にマイクロカプセル内の添加剤が溶け出していること
をGC−MSを用いて確認した。
【0030】
【表1】 (信頼性試験)上記したようにして調製した実験例1〜
8のマイクロカプセルを5質量%混合したポリオールエ
ステル系冷凍機油を300g、冷媒R410Aを700
g、さらに水1gをロータリ冷凍圧縮機に充填して、上
述したような冷凍空調装置(ルームエアコン)を構成し
た。ドライヤは内設しなかった。比較例として、マイク
ロカプセルに代えてリン酸トリクレジルを冷凍機油に対
して3質量%混合した冷凍空調装置を構成した。
【0031】各冷凍空調装置を3000時間冷房連続運
転し、運転後の冷凍空調装置を分解して、構成部品につ
いて解析した。その結果、比較例の冷凍空調装置では冷
凍機油が変色し濁りが発生していたが、実験例1〜8の
マイクロカプセルを用いた本発明の冷凍空調装置では冷
凍機油はすべて透明であった。また、キャピラリチュー
ブを切断したところ、本発明の各冷凍空調装置では配管
内面に目立った付着物が見られないのに対し、比較例の
冷凍空調装置では配管内面にスラッジ状のものが付着し
ていた。
【0032】以上のことから、本発明の各冷凍空調装置
では、添加剤を内包したマイクロカプセルを作動媒体中
に有しているため、添加剤が酸捕捉剤であるものについ
ては、冷凍機油の加水分解で生じた有機酸が捕捉されス
ラッジ発生が抑えられたと考えられる。また、添加剤が
極圧剤であるものについては、圧縮機内部のベーン先端
の摩耗が減少することと、極圧剤による鉄部材表面の不
活性化作用とにより、スラッジの主成分である有機酸鉄
塩生成が抑えられたためと考えられる。
【0033】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、ハイドロフルオロカーボンを含んだ冷媒と冷凍
機油とからなる冷凍圧縮機の作動媒体に、冷凍機油を安
定化する添加剤を内包物質とした5μm以上50μm以
下の粒径のイクロカプセルを混合したことにより、添加
剤を必要時だけ作動媒体中に放出させて長期間にわたり
機能させることが可能になり、従来機に比べて信頼性を
向上できる。
【0034】請求項2に記載の発明によれば、水分と反
応して内包物質を作動媒体中に放出する水分感応膜をカ
プセル膜として用いたことにより、冷凍サイクルに水分
が混入してきた時のみ添加剤を作用させて長期間にわた
り機能させることが可能になり、水分に対する冷凍サイ
クルの耐久性を向上できる。
【0035】請求項3に記載の発明によれば、内包物質
が酸と水分の少なくとも一方を捕捉する捕捉剤であるた
め、冷凍サイクルに混入した水分や加水分解によって生
じた酸を捕捉剤により除去することができ、冷凍サイク
ルの信頼性を向上できる。
【0036】請求項4に記載の発明によれば、150℃
以上で内包物質を作動媒体中に放出する温度感応膜をカ
プセル膜として用いたことにより、冷凍圧縮機の摺動面
などがシビアな摩擦条件となり温度上昇した時のみ添加
剤を作用させて長期間にわたり機能させることが可能に
なり、冷凍サイクルの信頼性を向上できる。
【0037】請求項5に記載の発明によれば、内包物質
が極圧添加剤であるため、極圧添加剤が冷凍機油そのも
のと反応することを防止して長期間に渡り安定に作用さ
せることができ、機器の信頼性を向上できる。
【0038】請求項6に記載の発明によれば、ポリウレ
タン樹脂で構成されたカプセル膜を用いたことにより、
ポリウレタン樹脂が吸水した時、あるいはガラス転移点
以上に温度上昇した時のみ、添加剤を作用させて長期間
に渡り機能させることが可能になり、冷凍サイクルの信
頼性を向上できる。
【0039】請求項7に記載の発明によれば、ポリアミ
ド樹脂で構成されたカプセル膜を用いたことにより、ポ
リアミド樹脂が吸水した時のみ添加剤を作用させて長期
間に渡り機能させることが可能になり、冷凍サイクルの
信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における冷凍空調装置であ
って、作動媒体中にマイクロカプセルを有した冷凍空調
装置の全体構成を示した説明図である。
【符号の説明】
1…冷凍圧縮機 2…凝縮器 3…膨張機構 4…蒸発器 5…配管 6…四方弁 7…マイクロカプセル M…作動媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 149/18 C10M 149/18 169/04 169/04 // C10N 20:06 C10N 20:06 A 30:06 30:06 40:30 40:30 (72)発明者 平野 秀夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4H104 BB05C BB09C BB34A BH03C CE13Z EA09C EB08 EB20 LA03 PA20 QA27

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハイドロフルオロカーボンを含んだ冷媒
    を圧縮する冷凍圧縮機と、前記冷媒を凝縮させる凝縮器
    と、前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記冷媒を膨張さ
    せる膨張手段とを備え、前記冷媒と冷凍機油を作動媒体
    とする冷凍空調装置であって、 前記作動媒体中に、前記冷凍機油を安定化する添加剤を
    内包物質とした粒径5μm以上50μm以下のマイクロ
    カプセルを有したことを特徴とする冷凍空調装置。
  2. 【請求項2】 マイクロカプセルのカプセル膜が水分と
    反応して内包物質を作動媒体中に放出する水分感応膜で
    あることを特徴とする請求項1記載の冷凍空調装置。
  3. 【請求項3】 内包物質が酸と水分の少なくとも一方を
    捕捉する捕捉剤であることを特徴とする請求項1または
    請求項2のいずれかに記載の冷凍空調装置。
  4. 【請求項4】 マイクロカプセルのカプセル膜が150
    ℃以上で内包物質を作動媒体中に放出する温度感応膜で
    あることを特徴とする請求項1記載の冷凍空調装置。
  5. 【請求項5】 内包物質が極圧剤であることを特徴とす
    る請求項1または請求項4のいずれかに記載の冷凍空調
    装置。
  6. 【請求項6】 マイクロカプセルのカプセル膜がポリウ
    レタン樹脂で構成されたことを特徴とする請求項1記載
    の冷凍空調装置。
  7. 【請求項7】 マイクロカプセルのカプセル膜がポリア
    ミド樹脂で構成されたことを特徴とする請求項1記載の
    冷凍空調装置。
JP2000131886A 2000-05-01 2000-05-01 冷凍空調装置 Pending JP2001317822A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000131886A JP2001317822A (ja) 2000-05-01 2000-05-01 冷凍空調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000131886A JP2001317822A (ja) 2000-05-01 2000-05-01 冷凍空調装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001317822A true JP2001317822A (ja) 2001-11-16

Family

ID=18640695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000131886A Pending JP2001317822A (ja) 2000-05-01 2000-05-01 冷凍空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001317822A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115873649A (zh) * 2022-12-21 2023-03-31 东莞市勤振润滑科技有限公司 一种抗氧化性能好的工业润滑油及其制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115873649A (zh) * 2022-12-21 2023-03-31 东莞市勤振润滑科技有限公司 一种抗氧化性能好的工业润滑油及其制备方法
CN115873649B (zh) * 2022-12-21 2024-02-09 东莞市勤振润滑科技有限公司 一种工业润滑油及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6271639B2 (ja) 1,3,3,3−テトラ−フルオロプロペンをベースにした組成物
KR102137609B1 (ko) 냉동 장치
US11009269B2 (en) Heat cycle system
KR20200058393A (ko) 열 전달 방법, 시스템 및 구성
JP2010203759A (ja) 冷凍装置
TR201816389T4 (tr) Soğutma aparatı.
JP2011226729A (ja) 冷凍装置
WO2014144558A1 (en) Lubricant defoaming additives and compositions
JP5590023B2 (ja) 温暖化係数の低いハイドロフルオロプロペンを含む冷媒組成物
JPH0284491A (ja) 冷凍冷蔵装置用潤滑油組成物
WO2007148046A1 (en) Heat transfer compositions
JP6908042B2 (ja) 熱サイクル用作動媒体
EP1174665B1 (en) Freezer
JP2017133827A (ja) ヒートポンプ装置
CN102439381A (zh) 制冷装置
JP6021077B2 (ja) 冷凍装置
JP2001317822A (ja) 冷凍空調装置
JP2000129275A (ja) 冷凍・空調機用作動媒体組成物及び該組成物を用いた冷凍・空調装置
JP2507160B2 (ja) 冷凍装置
JP2002156164A (ja) 冷凍空調装置
JPH10132398A (ja) 冷凍サイクル
JP2021191808A (ja) 電動圧縮機及びこれを用いた冷凍空調装置
WO2022024342A1 (ja) 冷凍サイクル装置および圧縮機
JP4209601B2 (ja) 冷凍装置
JPH11256177A (ja) 冷媒循環システム