JPH10132398A - 冷凍サイクル - Google Patents

冷凍サイクル

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JPH10132398A
JPH10132398A JP28348596A JP28348596A JPH10132398A JP H10132398 A JPH10132398 A JP H10132398A JP 28348596 A JP28348596 A JP 28348596A JP 28348596 A JP28348596 A JP 28348596A JP H10132398 A JPH10132398 A JP H10132398A
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JP
Japan
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refrigerant
additive
compressor
refrigeration cycle
release mechanism
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JP28348596A
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English (en)
Inventor
Narihiro Sato
成広 佐藤
Yusuke Ozaki
祐介 尾崎
Keizo Nakajima
啓造 中島
Tetsuji Kawakami
哲司 川上
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長期間に渡って安定的に動作可能な、ハイドロ
フルオロカーボンを含む冷媒と冷凍機油とを作動媒体と
する冷凍サイクルが従来存在しない。 【解決手段】ハイドロフルオロカーボンを含む冷媒を圧
縮する冷凍圧縮機1と、冷媒を凝縮させる凝縮器2と、
冷媒を蒸発させる蒸発器4と、冷媒を膨張させる膨張手
段3とを備え、冷媒と冷凍機油とを冷凍サイクルの作動
媒体とし、冷凍圧縮機1の中には、その焼結部材に添加
剤を含浸させて構成した添加剤徐放機構が設けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイドロフルオロ
カーボンを含む冷媒とポリオールエステル冷凍機油を作
動媒体とする、冷凍圧縮機、凝縮器、キャピラリチュー
ブなどの膨張機構、ならびに蒸発器を備えた冷凍サイク
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍機、冷蔵庫、空調機などに
は、冷媒としてフッ素と塩素を含むフロン、例えばクロ
ロフルオロカーボン(CFC)であるR11(トリクロ
ロモノフルオロメタン)やR12(ジクロロジフルオロ
メタン)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCF
C)であるR22(モノクロロジフルオロメタン)など
が使用されてきた。しかしながら、この種のフロン化合
物は、大気中に放出された場合に、そのほとんどが分解
されず、成層圏のオゾン層を破壊し、生体系に悪影響を
及ぼすとして国際的に使用が規制されつつある。そのた
め、これら塩素を含まない代替フロン物質の検討が広く
なされている。
【0003】これらCFC、HCFCの代替物質とし
て、塩素原子を含まないハイドロフルオロカーボン(H
FC)が使用されるようになった。
【0004】しかしながら、これらHFCを冷媒として
用いる冷凍サイクルでは、冷媒との相溶性の観点から、
ポリアルキレングルコール(PAG)類やエステル類などの
極性を有する冷凍機油を用いる必要がある。そして冷媒
のHFCs自体も極性が高いために、冷媒と冷凍機油からな
る作動媒体自体が非常に吸水性が高い。
【0005】そこで、特開平4−122792号公報で
は、冷凍機油の劣化を抑制するためにイオン交換樹脂ま
たはエポキシ化合物を装備したした冷凍サイクルが提案
されている。
【0006】また、冷凍機油として、基油の安定性を確
保するために色々な酸・水分捕捉剤を添加する方法が提
案されている(潤滑油100重量部にエポキシ含有フッ
素含有ポリシロキサンを添加する特開平4−36387
号公報、2または3価のポリオールグリシジルエーテル
を含むPAG系冷凍機油の特開平4−55498号公
報、エステル油とアルキルベンゼンまたは鉱油とも混合
物にジまたはポリグリシジルエーテル化合物を配合した
冷凍機油組成物の特開平5−17792号公報、エポキ
シ含有ポリシロキサ ンを配合した潤滑油組成物の特開
平1−193393号公報、脂環式エポキシ化合物を
0.05−15重量部配合した特開平5−105896号
公報、ポリオールエステルにエポキシシ クロヘキシル
(またはペンチル)基を有する化合物を配合した冷凍機
作動流体用組成物の特開平5-209171号公報、エステル油
にグリジジエーテル型エポキシ化合物を添加した冷凍機
作動流体用組成物の特開平6−1970号公報、炭素数
1〜4のアルキル基2個で2位が置換されたエチル−グ
リシジルエーテルであるエポキシ化合物を配合した冷凍
機油の特開平6−88087号公報、基油にリモネンオ
キサイド、α−ピネンオキサイド、L−カルボンオキサ
イドからなる群より選ばれたエポキシ化合物を配合した
冷凍機油の特開平6−240279号公報、ポリエーテ
ルに芳香族モノ、ジカルボン酸グリシジルまたはエポキ
シシクロアルキル基含有化合物を添加した冷凍機油の特
開平6-240277号公報、基油に水素またはC1〜20のアルキ
ル基ならびにC4〜20 のヒドロキシアルキル基でα、β
位置が置換されたエチレンオキシドを配合した冷凍機油
の特開平6−240278号公報、エステルまたはエス
テルと鉱油または合成油との混合物にグリシジルアミン
化合物を配合した冷凍機用潤滑油の特開平6−2875
85号公報、ポリエーテル油にエポキシ化合物を添加し
た冷凍機油の特開平6−336594号公報、ポリオー
ルエステルにエポキシシクロヘキシル基またはエポキシ
シクロペンチル基を有する化合物を配合した冷凍機油の
特開平6−293893号公報、カルボジイミド化合物
を配合した冷凍機油を提案した「エステルの加水分解と
酸捕捉剤に関する研究」(日本トライボロジー学会トラ
イボロジー会議予稿集第469〜472頁、1994年)など)。
【0007】また、極圧剤に関しては、特開平5−23
0487号公報において水素含有フッ化炭化水素を冷媒
として使用する冷凍機油として含酸素化合物を主成分と
する基油に炭化水素基または酸素含有炭化水素基を有す
るリン酸トリエステルを必須成分とし、ハロゲン含有リ
ン酸トリエステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エ
ステルアミン塩を極圧剤として添加することが記載され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】イオン交換樹脂を装備
した冷凍サイクルでは、アニオン交換樹脂を使用すれば
有機酸、無機酸を捕捉することができる。しかしなが
ら、その一方で、イオン交換樹脂が塩基性のためにポリ
オールエステル油の加水分解が加速されて、酸捕捉能力
を上回る酸成分が発生するという課題があった。
【0009】一方、冷凍機油に酸・水分捕捉剤を添加し
た場合には、添加された酸・水分捕捉剤が、エステル油
の加水分解によって生成される有機酸を捕捉するので、
有機酸金属塩の生成を抑制できる。しかしながら、添加
された酸・水分捕捉剤は、酸を捕捉すると同時にその副
反応として重合反応を起こすことが多く、結果的に分子
量の大きな重合物によるキャピラリ閉塞などを招くとい
う課題があった。
【0010】また、冷凍機油に極圧剤を添加した場合に
特に過剰に添加されていると、リン系極圧剤は腐食反応
を起こしやすく、腐食反応を起こした場合著しい摩耗を
起こすという欠点があった。
【0011】本発明は、このような従来の冷凍サイクル
の課題を考慮し、長期間に渡って安定した動作を行わせ
ることができる、ハイドロフルオロカーボンを含む冷媒
と冷凍機油とを作動媒体とする冷凍サイクルを提供する
ことを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハイドロフル
オロカーボンを含む冷媒を圧縮する冷凍圧縮機と、前記
冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記冷媒を蒸発させる蒸発
器と、前記冷媒を膨張させる膨張手段と、添加剤を徐々
に放つ添加剤徐放機構とを備え、前記冷媒と冷凍機油と
を冷凍サイクルの作動媒体とする冷凍サイクルである。
【0013】本発明は、ハイドロフルオロカーボンを含
む冷媒を圧縮する冷凍圧縮機と、前記冷媒を凝縮させる
凝縮器と、前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記冷媒を
膨張させる膨張手段とを備え、前記冷媒と冷凍機油とを
冷凍サイクルの作動媒体とし、冷凍圧縮機内部に添加剤
徐放機構が配置されている冷凍サイクルである。
【0014】本発明は、ハイドロフルオロカーボンを含
む冷媒を圧縮する冷凍圧縮機と、前記冷媒を凝縮させる
凝縮器と、前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記冷媒を
膨張させる膨張手段とを備え、前記冷媒と冷凍機油とを
冷凍サイクルの作動媒体とし、冷凍圧縮機内部に、有機
酸捕捉剤と/または極圧剤の徐放機構が配置されている
冷凍サイクルである。
【0015】本発明は、ハイドロフルオロカーボンを含
む冷媒を圧縮する冷凍圧縮機と、前記冷媒を凝縮させる
凝縮器と、前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記冷媒を
膨張させる膨張手段とを備え、前記冷媒と冷凍機油とを
冷凍サイクルの作動媒体とし、添加剤徐放機構が添加剤
が圧縮機内焼結部材に含浸されている冷凍サイクルであ
る。
【0016】本発明は、ハイドロフルオロカーボンを含
む冷媒を圧縮する冷凍圧縮機と、前記冷媒を凝縮させる
凝縮器と、前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記冷媒を
膨張させる膨張手段とを備え、前記冷媒と冷凍機油とを
冷凍サイクルの作動媒体とし、添加剤徐放機構が添加剤
を内包するマイクロカプセルである冷凍サイクルであ
る。
【0017】本発明は、ハイドロフルオロカーボンを含
む冷媒を圧縮する冷凍圧縮機と、前記冷媒を凝縮させる
凝縮器と、前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記冷媒を
膨張させる膨張手段とを備え、前記冷媒と冷凍機油とを
冷凍サイクルの作動媒体とし、添加剤徐放機構が添加剤
をワニス中に分散されてなる冷凍サイクルである。
【0018】本発明は、ハイドロフルオロカーボンを含
む冷媒を圧縮する冷凍圧縮機と、前記冷媒を凝縮させる
凝縮器と、前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記冷媒を
膨張させる膨張手段とを備え、前記冷媒と冷凍機油とを
冷凍サイクルの作動媒体とし、冷凍圧縮機内部に、グリ
シジルエーテル化合物またはグリシジルエステル化合物
の徐放機構が配置されている冷凍サイクルである。
【0019】本発明は、ハイドロフルオロカーボンを含
む冷媒を圧縮する冷凍圧縮機と、前記冷媒を凝縮させる
凝縮器と、前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記冷媒を
膨張させる膨張手段とを備え、前記冷媒と冷凍機油とを
冷凍サイクルの作動媒体とし、冷凍圧縮機内部に、リン
酸エステルまたは亜リン酸エステルの徐放機構が配置さ
れている冷凍サイクルである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0021】以下に説明する実施の形態は、ハイドロフ
ルオロカーボンを含む冷媒と冷凍機油とを作動媒体とす
る冷凍サイクルにおいて、添加剤を徐々に放つことの出
来る添加剤徐放機構を圧縮機内に配置することを特徴と
している。
【0022】この添加剤徐放機構としては、典型的なタ
イプとして次の(a)〜(c)の3つのタイプに分けら
れる。 (a)添加剤を圧縮機内の焼結部材に含浸させるタイプ (b)添加剤を内包するマイクロカプセルを用いるタイ
プ (c)添加剤をワニス中に分散させて圧縮機内部などに
ワニスを塗布するタイプ先ず上述した典型的なタイプに
ついて、その概要を述べる。
【0023】図1は本発明の一実施の形態である、冷凍
圧縮機、凝縮器、膨張機構、蒸発器ならびに特定の添加
剤徐放機構を備えた冷凍サイクルの全体構成図である。
【0024】冷凍サイクルは、図1に示すように冷凍圧
縮機1、凝縮器2、キャピラリ等の膨張機構3、蒸発器
4さらにこれらを連結する配管5で構成される。また、
四方弁6を有し、この回転によって作動媒体の流路を転
換し、凝縮器2と蒸発器4の機能を交換させることがで
きるものである。
【0025】本実施の形態の冷凍サイクルでは特定の構
造の添加剤徐放機構7を配置する。この添加剤徐放機構
7は、作動媒体の流路や圧縮機1内、アキュムレータ8
内部など作動媒体と接する部分であればどこに設置して
も構わない。もっとも、添加剤である酸捕捉剤や極圧剤
は高温で作用するまたは、摺動部で作用するので、添加
剤徐放機構7は圧縮機1内部に設置するのが好ましい。
【0026】その他の構成については、本実施の形態の
添加剤徐放機構7を具備することを除き、冷凍サイクル
自体の構成は従来公知のものとほぼ同一である。
【0027】ここで、添加剤徐放機構7は、先に述べた
3つのタイプから選ばれたものである。以下順にそれを
説明する。
【0028】まず、上述した(a)タイプの場合につい
て説明する(図2参照)。
【0029】この場合、圧縮機1内の焼結部材に添加剤
を含浸させるものである。図2は本発明のロータリ圧縮
機の一部の断面図である。圧縮機1内では、回転軸9の
回転によりシリンダ10内のローラ11が回転して冷媒
を圧縮する。この圧縮機1の主軸受12および副軸受1
3に焼結部材が使用されている。この焼結部材は本質的
に多孔質であるため種々の材料を内部に含浸させるのは
比較的容易である。たとえば焼結部材に対して、添加剤
を含有した焼き入れ油を用いて焼き入れすることによっ
て、焼結部材内部に添加剤などを含浸させることができ
る。ここで用いる焼き入れ油は冷媒/冷凍機油に可溶で
あることが望ましく、冷凍機油そのものを用いることも
できる。この含浸した材料は徐々に冷媒・冷凍機油循環
系にでてくるので、添加剤を長時間残留させることが可
能になり結果的に有機酸金属塩などの閉塞物質の生成が
抑えられ、圧縮機の信頼性を向上することが後述する実
験結果より明らかになった。また、添加剤が作用する前
に自己劣化してしまうことを防止することもできるので
結果的に同じ添加量でも油中に予め添加しておく場合よ
りも添加剤寿命をのばすことができる。
【0030】次に上述した(b)タイプの場合について
説明する。(b)については、添加剤を内包するマイク
ロカプセルを圧縮機1内の冷凍機油と接する部分に配置
することによって実現できる。ここでマイクロカプセル
は熱により物質透過性が変化するようなものが最も好ま
しい。圧縮機1内が低温の時(輸送時や保管時など非運
転時)には油中への添加剤溶出がほとんどなく、高温に
なった時により多く添加剤を放出するような添加剤徐放
機構を実現することができるからである。この機構によ
って非運転時の添加剤自身の劣化がなくなる。このよう
な感熱性のカプセル材料としては、ガラス転移温度を制
御されたウレタン系ポリマーがあげられる。このような
マイクロカプセルは多官能イソシアネート化合物と添加
剤を高沸点オイル中に入れこれを水中で乳化分散させ、
さらに加熱して3次元架橋させることにより実現でき
る。カプセル径は特に制限はないが1μm程度がワニス
と混合しやすく好ましい。
【0031】次に上述した(c)タイプの場合について
説明する。(c)については、添加剤をワニス中に分散
させて、そのワニスを作動媒体が接する部分に塗布する
というものである。ワニスの塗布位置に特に制限はない
が圧縮機1内マグネットワイヤにワニスを塗布する場合
があり、そのワニス中に必要な添加剤を分散させるとい
うことで実現させてもよい。ワニス中に分散させた添加
剤は徐々に油中へ抽出されるので好ましい。また添加剤
のワニスへの分散性が悪い場合は、添加剤をマイクロカ
プセルで内包することによって分散性を改善することが
できる。
【0032】また、添加剤としては酸捕捉剤および極圧
剤が挙げられる。酸捕捉剤は、エステル冷凍機油が加水
分解することによって生じた有機酸と反応して冷媒およ
び冷凍機油に可溶な生成物を形成することによりスラッ
ジ生成を防止するものである。このような酸捕捉剤とし
て、グリシジルエーテル化合物またはグリシジルエステ
ル化合物が冷媒、冷凍機油との相溶性がよく好ましい。
【0033】極圧剤は、摺動部における摩耗を低減する
効果がある。極圧剤としては具体的にはリン酸エステル
や亜リン酸エステルが最適である。以下、具体的な実施
例を挙げて説明する。
【0034】
【実施例】
(実験例1〜4)まず、焼結部材である主軸受けと副軸
受けを150℃に加熱したエステル油中に24時間浸し
た。このエステル油には、あらかじめ(表1)に示すよ
うな添加剤を添加しておいた。
【0035】
【表1】
【0036】この焼結部材を用いてロータリ圧縮機を作
成した。 (実験例5〜6)(表1)に示すような材料をカプセル
内に入れる物質として、ウレタンポリマーを用いたマイ
クロカプセルを作成した。このマイクロカプセルをポリ
イミドワニスに練りこんで圧縮機密閉ケース内面に塗布
したのちロータリ圧縮機を作成した。 (信頼性試験)これら実験例1〜6のロータリ圧縮機
と、比較例として全く添加剤徐放機構をもたないロータ
リ圧縮機を用いてルームエアコンを作成し、冷房連続運
転を実施した。ここで、作成したルームエアコンにはポ
リオールエステル冷凍機油を250g、冷媒R410A
を750g、水0.25gを充填した。3000時間運
転後、解体したところ、比較例ではオイルが変色してお
り濁りが発生していたが実施例ではすべて透明であっ
た。
【0037】また、キャピラリチューブを切断したとこ
ろ、実施例では配管内面に目立った付着物が見られない
のに対し、比較例では配管内面にスラッジ状のものが付
着していた。
【0038】すなわち本発明の実験例では、圧縮機内に
添加剤徐放機構を有しているため添加剤として酸捕捉剤
を用いた場合はエステル油の加水分解により生じた有機
酸を捕捉しているためにスラッジ発生が抑えられている
と考えられる。また、添加剤として極圧剤を用いた場合
にはベーン先端の摩耗が減少することと極圧剤による鉄
表面の不活性化作用により、スラッジの主成分である有
機酸鉄塩生成が抑えられていると考えられる。
【0039】なお、上記実施の形態では、リン酸エステ
ルやグリシジル化合物が、添加剤徐放機構として配置さ
れている場合について説明したが、これに限らず例え
ば、酸捕捉剤としてカルボジイミド基を有する化合物を
用いた添加剤徐放機構が配置されている構成でもよい。
【0040】又、上記実施の形態では、マイクロカプセ
ルがウレタン系材料である場合について説明したが、こ
れに限らず例えば、ゼラチン系カプセルや尿素ホルマリ
ン樹脂系カプセルなどであってもよい。
【0041】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明によれば、ハイドロフルオロカーボンを含む冷媒
と冷凍機油を作動媒体とする冷凍サイクルにおいて、従
来に比べてより一層長期間に渡って安定した動作を行わ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である冷凍圧縮機、凝縮
器、膨張機構、蒸発器ならびに特定の添加剤徐放機構を
圧縮機内に備えた冷凍サイクルの全体構成図である。
【図2】本発明の冷凍サイクルの一実施の形態に用いる
添加剤徐放機構を圧縮機内に設けた場合の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 冷凍圧縮機 2 凝縮器 3 膨張機構 4 蒸発器 5 配管 6 四方弁 7 添加剤徐放機構 8 アキュムレータ 9 回転軸 10 シリンダ 11 ローラ 12 主軸受 13 副軸受
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 哲司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハイドロフルオロカーボンを含む冷媒を圧
    縮する冷凍圧縮機と、 前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、 前記冷媒を蒸発させる蒸発器と、 前記冷媒を膨張させる膨張手段と、 添加剤を徐々に放つ添加剤徐放機構とを備え、 前記冷媒と冷凍機油とを冷凍サイクルの作動媒体とする
    冷凍サイクル。
  2. 【請求項2】前記添加剤徐放機構が、前記冷凍圧縮機内
    部に配置されていることを特徴とする請求項1記載の冷
    凍サイクル。
  3. 【請求項3】前記添加剤が、有機酸捕捉剤及び/または
    極圧剤であることを特徴とする請求項1記載の冷凍サイ
    クル。
  4. 【請求項4】前記添加剤徐放機構が、前記添加剤を前記
    圧縮機内の焼結部材に含浸して構成されたものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の冷凍サイクル。
  5. 【請求項5】前記添加剤徐放機構が、前記添加剤を内包
    するマイクロカプセルであることを特徴とする請求項1
    記載の冷凍サイクル。
  6. 【請求項6】前記添加剤徐放機構が、ワニス中に添加剤
    を分散してなるものであることを特徴とする請求項1記
    載の冷凍サイクル。
  7. 【請求項7】前記有機酸捕捉剤がグリシジルエーテル化
    合物またはグリシジルエステル化合物よりなることを特
    徴とする請求項3記載の冷凍サイクル。
  8. 【請求項8】前記極圧剤がリン酸エステルまたは亜リン
    酸エステルよりなることを特徴とする請求項3記載の冷
    凍サイクル。
JP28348596A 1996-10-25 1996-10-25 冷凍サイクル Pending JPH10132398A (ja)

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