JPH11140266A - ゴム変成スチレン系樹脂組成物 - Google Patents

ゴム変成スチレン系樹脂組成物

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JPH11140266A
JPH11140266A JP30751197A JP30751197A JPH11140266A JP H11140266 A JPH11140266 A JP H11140266A JP 30751197 A JP30751197 A JP 30751197A JP 30751197 A JP30751197 A JP 30751197A JP H11140266 A JPH11140266 A JP H11140266A
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Tohitsu Setsu
東 弼 薛
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培 華 盛
Manabu Kishimoto
本 学 岸
Koichi Ueno
野 浩 一 上
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Chi Mei Industrial Co Ltd
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Chi Mei Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性、剛性、耐熱性を低下させることな
く、成形加工性(流動性)に優れたゴム変成スチレン系
樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 下記の成分(A)〜(D)を含んでな
り、かつ成分(C)および成分(D)の合計量が成分
(A)100重量部に対し0.1〜5.2重量部である
ことを特徴とする、ゴム変成スチレン系樹脂組成物。 成分(A):ゴム変成スチレン系樹脂100重量部、 成分(B):ロジン類0.1〜10重量部、 成分(C):低分子量無水マレイン酸系共重合体0〜5
重量部、 成分(D):脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、高級脂肪酸
エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪族アルコールお
よび金属石鹸から選ばれる助剤0〜5重量部。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性、剛性お
よび耐熱性を低下させることなく、成形加工性ないし流
動性を改良した成形材料用ゴム変成スチレン系樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂は、耐衝撃性および剛性
に優れ、また、成形加工性が良好なことから、従来よ
り、自動車部品、家電部品、OA機器部品など種々の広
範囲な用途において使用されている。しかしながら、近
年、このような分野で使用されるスチレン系樹脂に対し
て、大型薄肉成形品の製造や成形サイクルの短縮が求め
られており、流動性の改良要求が高まっている。
【0003】スチレン系樹脂の流動性を改良するため
に、種々の添加剤を配合する技術が開発されている。例
えば、従来から工業的に実施されているミネラルオイル
を添加する方法では樹脂の流動性は向上するが、耐熱性
が著しく低下してしまうという問題点があるようであ
る。また、スチレン系樹脂に、多価アルコールと脂肪酸
とのエステル(特開昭61−2231045号公報、特
開昭61−275341号公報)、高級脂肪酸とその金
属塩(特開昭62−132951号公報)、高級脂肪酸
の金属塩と特定の亜リン酸エステル(特開昭62−19
0242公報)、脂肪酸アミドや脂肪族アルコールとエ
チレンビスステアリルアミド(特開昭62−25795
1号公報)、ステアリルステアレート等の高級脂肪酸と
高級アルコールとのエステル(特開平2−135219
号公報)、イソシアヌル酸エステル化合物(特開平2−
194047号公報)等を配合する技術が開発されてい
る。しかし、これらの技術も、本発明者らが知るところ
では、流動性の改良が不十分だったり、耐熱性が著しく
低下してしまったりする等の問題点があるようである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
様な従来のスチレン系樹脂が有している問題点を克服し
て、耐衝撃性、剛性および耐熱性を低下させることな
く、成形加工性ないし流動性に優れたスチレン系樹脂組
成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】〔発明の概要〕 <要旨>したがって、本発明によるゴム変成スチレン系
樹脂組成物は、下記の成分(A)〜(D)を含んでな
り、かつ成分(C)および成分(D)の合計量が成分
(A)100重量部に対し0.1〜5.2重量部である
こと、を特徴とするものである。
【0006】 成分(A):ゴム変成スチレン系樹脂100重量部、 成分(B):ロジン類0.1〜10重量部、 成分(C):低分子量無水マレイン酸系共重合体0〜5
重量部、 成分(D):脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、高級脂肪酸
エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪族アルコールお
よび金属石鹸から選ばれる助剤0〜5重量部。 <効果>本発明によれば、耐衝撃性、剛性および耐熱性
を低下させることなく、成形加工性ないし流動性に優れ
たゴム変成スチレン系樹脂組成物を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】ゴム変成スチレン系樹脂組成物 (1)構成成分 <成分(A):ゴム変成スチレン系樹脂>成分(A)
は、ゴム変成スチレン系樹脂組成物である。この成分
(A)のゴム変成スチレン系樹脂は、スチレン系ポリマ
ーのマトリックス中に、ゴム状弾性体、特にスチレン系
ポリマーがグラフトしたもの、が分散されている構造を
有する樹脂であるのが普通である。この様なゴム変成ス
チレン系樹脂として知られる代表的なものとしては、ゴ
ム状弾性体(詳細後記)の存在下でスチレン系単量体
を、重合条件に付して得られたもの(以下、「Gポリマ
ー」と略記する。)、および、このGポリマーおよびス
チレン系ポリマー(以下、「Sポリマー」と略記す
る。)および場合により上記ゴム状弾性体との混合物が
ある。
【0008】Gポリマーの一つの具体例は、通常、スチ
レン系単量体またはスチレン系単量体とビニル単量体の
混合物にゴム状弾性体を溶解または混合して分散させた
ものを重合条件に付して得られるものであって、中でも
ゴム状弾性体の含有量が5〜30%、特に7〜25%、
のものが好ましい。また、上記Sポリマーは、スチレン
系単量体または必要に応じてこれと共重合可能なビニル
単量体を含有するスチレン系単量体を重合条件に付して
得られるものである。Gポリマーを製造する代表的方法
には、塊状、溶液および塊状−懸濁重合法がある。
【0009】ここで、上記スチレン系単量体としては、
スチレンまたはその核および(または)側鎖置換誘導体
(置換基は、低級アルキル、たとえばC〜C、特に
メチル、ハロゲン、特に塩素、その他)のビニル単量
体、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン等がある。共重合可能なビニル単量体として
は、例えば、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、ア
クリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸、メ
タクリル酸、無水マレイン酸、フェニルマレイミド等を
挙げることができ、これらは二種以上を併用して使用す
ることができる。
【0010】スチレン系単量体と他のビニル単量体とを
併用する場合には、一般に、他のビニル単量体の量を5
0重量%以下にする。本発明において成分(A)として
特に好ましいものは、スチレン系単量体50〜80重量
%、アクリロニトリル20〜40重量%、フェニルマレ
イミド0〜30重量%のものである。
【0011】成分(A)を得る際に用いられるゴム状弾
性体としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、スチレン・ブタジエン系共重合体、アクリロニトリ
ル・ブタジエン系共重合体、スチレン・イソプレン系共
重合体、エチレン・プロピレン系共重合体(エチレン・
プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体等)、そ
の他アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを
含有するゴム等を挙げることができ、これらは二種以上
を併用して使用することができる。これらの中ではポリ
ブタジエン、およびスチレン‐ブタジエンランダムある
いはブロック共重合体を使用することが特に好ましい。
このポリブタジエンは低シス含量でも高シス含量のもの
でもいずれでも良く、これらの混合物でも良い。また、
ポリブタジエンは、例えば、スチレン・ブタジエン系ブ
ロック共重合体等と併用することもできる。なお、ここ
で、あるいは下記で、ゴム状弾性体とは、ガラス転移温
度が0℃以下の重合体を意味する。
【0012】Gポリマーの他の具体例は、水性のエマル
ジョン状のゴム状弾性体から製造する方法によるものが
ある。その代表的な方法としては、水性のエマルジョン
状のゴム状弾性体にスチレン系単量体またはスチレン系
単量体とビニル単量体とを使用して、乳化状で重合を実
施して、ポリマーを得る方法を挙げることができる(以
下、この方法で得られたGポリマーを特に「Eポリマ
ー」と称する)。このEポリマーを製造するのに用いる
ゴム状弾性体成分としては、前記したゴム状弾性体と同
様のものを使用することができるが、通常、架橋した部
分(ゲル分)を40〜90重量%程度、特に55〜85
重量%、含むものを使用するのが好適である。この場合
に、好ましいゴム状弾性体としては、例えば、ポリブタ
ジエン、ブタジエン系共重合体(好ましくは、例えばブ
タジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・アクリロニ
トリル共重合体等)、エチレン・プロピレン系共重合体
(好ましくは、例えばエチレン・プロピレン・エチリデ
ンノルボルネン共重合体等)、アクリル酸エステル共重
合体(好ましくは、例えばアクリル酸ブチル‐アクリル
酸ジシクロペンテニル共重合体等)を挙げることができ
る。ここで用いられるポリブタジエンやブタジエン系共
重合体としては、乳化重合法で製造したものが特に好ま
しい。アクリロニトリル、ポリブタジエンおよびスチレ
ンからなるEポリマーは、ABS樹脂と呼ばれてこの種
のポリマーの代表例をなす。
【0013】通常、Eポリマーにおけるスチレン系単量
体およびビニル単量体のポリマーとゴム状弾性体との含
有割合は、両者の合計100重量部に対して、ゴム状弾
性体が5〜90重量部、好ましくは20〜90重量部、
更に好ましくは40〜85重量部(いずれも残量はスチ
レン系単量体のポリマーまたはコポリマー)、である。
この他、水性エマルジョン状のゴム状弾性体からEポリ
マーを製造する方法としては、「乳化塊状重合法」や
「乳化懸濁重合法」等の方法も採用する事ができる。
【0014】ここで、「乳化塊状重合法」とは、例え
ば、一般的な乳化重合法によって得られた高濃度ゴム含
有ABSラテックス中のポリマー粒子を、その形態を維
持した状態でスチレン系単量体あるいはスチレン系単量
体とビニル単量体相に移行させ、これら単量体中に重合
体粒子を均一分散させた液を連続系で塊状または溶液重
合させる方法である。
【0015】一方、「乳化懸濁重合法」とは、水にゴム
ラテックス、単量体および重合開始剤等を添加して乳化
液をつくり、そのあとに懸濁安定剤等を添加して分散体
を凝集させてこれが水に分散した懸濁液とし、これを加
熱して重合させることによって通常の懸濁重合法と類似
したビーズ状重合体を得る方法を言うものである。
【0016】上記Eポリマーは、通常、また、Gポリマ
ーの場合は必要に応じて、スチレン系ポリマーと混合し
てゴム変成スチレン系樹脂として使用される。このよう
にして得られるゴム変成スチレン系樹脂は、一般に、ゴ
ム状弾性体の含有量が3〜25重量%、好ましくは5〜
22重量%、更に好ましくは7〜20重量%で、200
℃で測定したメルトフローレート(MFR)が0.2〜
30g/10分のものを好適に使用することができる。
【0017】本発明によるゴム変成スチレン系樹脂は、
前記のGポリマーおよびEポリマーのように、ゴム成分
およびスチレン系樹脂成分の一方、通常は前者、の存在
下に後者用の単量体を重合させてスチレン系樹脂成分を
形成させることからなる方法、いわばin situ feeding
で製造することが普通であるが、これら両成分を別途製
造しておいてブレンドする方法によって製造することも
できる。また、この「in situ feeding 」によって得ら
れたゴム変成スチレン系樹脂に、そこで使用したゴム成
分および(または)スチレン系樹脂成分をブレンドして
製造することもできる。
【0018】その場合のスチレン系ポリマーは、一般
に、前記したスチレン系単量体のポリマーであるが、そ
のようなスチレン系ポリマーの好ましい例としては、
(イ)ポリスチレン、(ロ)スチレン‐ジビニルベンゼ
ン共重合体あるいは(ハ)AS系樹脂(即ちアクリロニ
トリル、スチレン、および必要に応じて添加される他の
共重合成分、例えばN‐フェニルマレイミド、α‐メチ
ルスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、
メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸、メタクリル酸等を
共重合してなる樹脂)、あるいは(ニ)MS系樹脂(即
ちメタクリル酸メチル、スチレン、および必要に応じて
添加される他の共重合成分例えばN‐フェニルマレイミ
ド、トリブロモスチレン、無水マレイン酸、メタクリル
酸等を共重合させてなる樹脂)等が挙げられ、なかでも
AS系樹脂が特に好ましい。本発明によるゴム変成スチ
レン系樹脂がゴム成分をブレンドする工程を含む方法に
よって製造することもできることは上記したところであ
るが、その場合のゴム成分の具体例は前記したGポリマ
ーについて示したゴム成分の具体例の中に見出すことが
できる。 <(B)成分:ロジン類>本発明のスチレン系樹脂組成
物を構成する成分(B)のロジン類としては、(イ)天
然ロジン、例えばガムロジン、トール油ロジン、ウッド
ロジンなど、あるいは(ロ)変成ロジン、例えば該天然
ロジンを不均化してなる不均化ロジン、水素添加してな
る水素添加ロジン、脱水素してなる脱水素化ロジンな
ど、(ハ)精製ロジン、例えば上記変成ロジンを蒸留に
よって精製したもの、あるいは(ニ)ロジンエステル、
例えば上記ロジン類とアルコール化合物(詳細後記)お
よび(または)エポキシ化合物(詳細後記)からなるも
の、が使用される。
【0019】このうちでは、天然ロジン、不均化ロジン
および水素添加ロジンが特に好ましい。これらの化合物
は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用でき
る。
【0020】成分(B)のうちロジンエステルとして
は、下記アルコール化合物および(または)エポキシ化
合物と、前記ロジン類とから構成される各種の反応生成
物が好ましい。
【0021】該アルコール化合物としては、特に限定は
なく各種公知の多価アルコールが使用できる。例えば、
(イ)飽和または不飽和の2価アルコール、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、1,2‐プロパンジオール、1,3‐プロパンジ
オール、1,3‐ブタンジオール、1,4‐ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3
‐メチル‐1,5‐ペンタンジオール、1,6‐ヘキサ
ンジオール、オクタンジオール、1,4‐ブチンジオー
ル、ジプロピレングリコール等、(ロ)ビスフェノール
Aに酸化エチレンまたは酸化プロピレンを付加して得ら
れた2価アルコール等、(ハ)3価アルコール、例えば
グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン等、(ニ)4価アルコール、例えばペンタエリス
リトール等、(ホ)酸化エチレン、酸化プロピレン、テ
トラヒドロフラン等の重合体や共重合体等のポリエーテ
ルジオール類が例示できる。この他、アルコール化合物
としては、1価アルコールも使用でき、例えばオクタノ
ール、ドデカノールがある。これらアルコール化合物は
1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0022】該エポキシ化合物としては、特に限定され
ず、各種公知のモノエポキシ化合物や多価エポキシ化合
物などが使用できる。〔I〕モノエポキシ化合物として
は、例えば(イ)アルキルグリシジルエーテル、例えば
n‐ブチルグリシジルエーテル、2‐エチルヘキシルグ
リシジルエーテル等、(ロ)アリールグリシジルエーテ
ル、例えばフェニルグリシジルエーテル等、(ハ)モノ
カルボン酸グリシジルエステル、例えばバーサティック
酸グリシジルエステル等、(ニ)前記ロジン類のグリシ
ジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステル
類、(ホ)その他、スチレンオキサイド、シクロヘキセ
ンオキサイド等が挙げられる。
【0023】〔II〕ジエポキシ化合物としては、例えば
(イ)非環状脂肪族ジグリシジルエーテル類、例えばエ
チレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレング
リコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジル
エーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオ
ペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6‐ヘ
キサンジオールジグリシジルエーテルなど、(ロ)芳香
族または環状脂肪族ジグリシジルエーテル類、例えば
2,2‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)プロパンジグ
リシジルエーテル、ビス(4‐ヒドロキシフェニル)メ
タンジグリシジルエーテル、1,1‐ビス(4‐ヒドロ
キシフェニル)エタンジグリシジルエーテル、2,2‐
ビス(4‐ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジグリ
シジルエーテル、3,3′,5,5′‐テトラメチル‐
4,4′‐ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテ
ル、2,2′‐ビス(4‐(β‐ヒドロキシプロポキ
シ)フェニル)プロパンジグリシジルエーテルなど、
(ハ)環状脂肪族環状オキシラン類、例えば3,4‐エ
ポキシシクロヘキシルメチル、3,4‐エポキシシクロ
ヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオ
キサイド等、のジエポキシ化合物が挙げられる。
【0024】〔III 〕トリエポキシ化合物としては、例
えばトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、
トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリグリシジ
ルエーテルなどが挙げられる。
【0025】また、〔IV〕テトラエポキシ化合物として
は、例えば1,1,2,2‐テトラ(4‐ヒドロキシフ
ェニル)エタンテトラグリシジルエーテルなどが挙げら
れる。
【0026】〔V〕その他のポリエポキシ化合物として
は、ソルビトールポリグリシジルエーテル、フェノール
ノボラック型樹脂のポリグリシジルエーテルなどが挙げ
られる。
【0027】これらエポキシ化合物は1種単独または各
群内および(または)各群間で2種以上を組み合わせて
使用することができる。
【0028】これらの成分(B)は、そのままでも使用
可能であるが、本発明では他の成分との混合に先だっ
て、ブロッキング処理に付しておくことが好ましい。こ
のような処理に付すことによって、混練装置への供給性
が安定して、均一な樹脂組成物を作ることがより容易と
なる。
【0029】すなわち、固形状の前記天然ロジン、不均
化ロジン、水素添加ロジンの小片は加重下にブロッキン
グを起こしやすく、その場合、これを用いてスチレン系
樹脂組成物を作ろうとすると小規模の実験室規模では問
題なくても大量生産規模の場合は混練装置への供給性が
悪く、均一な樹脂組成物を作ることが困難であるが、こ
のようなブロッキング防止処理済ロジンではこの問題点
が解決される。ここで、「小片」の意味は破砕物、ペレ
ット、ビーズ、フレーク、顆粒、粉末など貯蔵や混練装
置へのフィードなどの取り扱いを行い易くした小型の大
きさのもの(小片の大きさは、片体の最大寸法が通常
2.0〜0.001cm、好ましくは1.0〜0.01
cm、である)を意味する。
【0030】ブロッキング防止処理は、具体的には、化
学物質での処理によってロジン系物質のブロッキングを
防止するもので、(イ)無機質微粒子、例えば、タル
ク、微粒子シリカ、(ロ)ポリマー微粒子、例えば、ア
クリロニトリル‐スチレン共重合体の微粉末、(ハ)滑
性物質の粉末、例えば、エチレンビスステアリン酸アミ
ド、ステアリン酸マグネシウムでロジン系物質の表面を
被覆する方法、滑性物質、例えば、ベヘン酸、エチレン
ビスステアリン酸アミドをロジン系物質と溶融混合する
方法あるいは表面に塗布する方法によって、ロジン系物
質の小片自身の耐ブロッキング性を改善する処理を包含
する。
【0031】成分(B)の添加量は、スチレン系樹脂1
00重量部を基準として0.1〜10重量部、好ましく
は0.2〜8重量部、である。添加量が0.1重量部未
満では成形加工性(流動性)を改善する効果が不十分と
なり、また10重量部を越えるときは、耐衝撃性、剛性
および耐熱性の低下が大きい。 <(C)成分:低分子量無水マレイン酸系共重合体>成
分(C)は、低分子量無水マレイン酸系共重合体であ
る。本発明では、無水マレイン酸共重合単位の含有率が
30〜65重量%、これと共重合可能な共重合単位の含
有率が35〜70重量%のコポリマーであって、重量平
均分子量が800〜25000、特に1200〜220
00、のものが好ましい。この中で特に好ましいのは無
水マレイン酸共重合単位の含有率が35〜60重量%の
ものである。ここで無水マレイン酸共重合単位とは、無
水マレイン酸自体の他に、その後の工程(例えば押出等
の工程)で無水マレイン酸重合体部分に転化しうるマレ
イン酸、フマール酸、マレイン酸ハーフエステル、フマ
ール酸ハーフエステルを含む概念である。本発明では、
無水マレイン酸が特に好ましい。
【0032】一方、無水マレイン酸と共重合可能なエチ
レン系単量体としては、(イ)オレフィン類、例えば、
1‐ヘキセン、1‐ノネン、1‐オクタデセン、イソブ
チレンなど、(ロ)ビニル芳香族、例えば、スチレン、
パラメチルスチレン、アルファメチルスチレン、パラク
ロルスチレンなど、および、(ハ)ビニルエーテル類、
例えば、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエー
テル、ラウリルビニルエーテルなどが好ましい。その他
の共重合可能なモノマーとしては、(イ)アクリル系の
化合物、例えばメチル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリロニトリル、N,N‐ジメチル
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドなど
(ここで、「(メタ)アクリル」ないし「(メタ)アク
リレート」は、それぞれアクリルおよびメタクリルなら
びにアクリレートおよびメタクリレートのいずれをも意
味する。)、(ロ)マレイン酸あるいはフマール酸の誘
導体、例えばジメチルフマレート、ジエチルマレエー
ト、ジベンジルフマレート、N‐フェニルマレイミド、
N‐シクロヘキシルマレイミドなどや、(ハ)その他の
化合物、例えば無水イタコン酸、ジメチルイタコネー
ト、2‐ビニルピリジン、メタクリロイルイソシアナー
ト、アジリジニルエチルメタアクリレート、ジアリルフ
タレート、ビニルスルホン酸、酢酸ビニル、N‐メチル
ピロリドンなどがある。
【0033】低分子量無水マレイン酸系共重合体(成分
(B))を添加するとゴム変成スチレン系樹脂やロジン
類、高級脂肪酸アミド、金属石鹸などの助剤が原因とな
る耐熱性の悪化を防止でき、初期着色、加熱による色相
変化が少ないので特に好ましい。このような効果は、無
水マレイン酸系共重合体中の無水マレイン酸の含有率が
30重量%未満になると大幅に失われ、また、無水マレ
イン酸の含有率が65重量%を越えると混合性が悪くな
り、改良効果が失われるとともに外観も悪くなる。無水
マレイン酸系共重合体の重量平均分子量が800未満の
場合は成形時ガスの発生や外観不良の原因となり、ま
た、25000を越えると混合性が悪くなるため、効果
が失われ、外観も悪くなる。無水マレイン酸系共重合体
(成分(B))の添加量は、スチレン系樹脂100重量
部を基準として5重量部以下、好ましくは0.1〜2.
0重量部、が用いられる。5重量部を越えるときは混合
性が悪くなるので、耐衝撃性、剛性、耐熱性の低下が大
きく、また外観を損じやすいという問題が生ずる。 <(D)成分:脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、高級脂肪
酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪族アルコール
および金属石鹸から選ばれる助剤>本発明に使用される
脂肪族炭化水素としては、常温で液状〜固体のもの、ま
た飽和または不飽和のもの(好ましくは前者)、例えば
流動パラフィン、合成パラフィン、ポリエチレンワック
ス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
【0034】本発明に使用される高級脂肪酸としては、
炭素数10〜60、好ましくは14〜50、の飽和また
は不飽和(好ましくは飽和)のもの、例えばラウリン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、12‐ヒ
ドロキシステアリン酸などが挙げられる。
【0035】本発明に使用される高級脂肪酸エステルと
しては、炭素数12から22の飽和または不飽和脂肪酸
と、炭素数4から22の1価脂肪族アルコールから得ら
れるエステル化合物であり、就中沸点が200℃以上の
ものが好ましい。その好ましい高級脂肪酸エステルの例
としてはステアリン酸ステアリル、パルミチン酸パルミ
チル、ステアリン酸パルミチル、ステアリン酸ブチル、
オレイン酸オクチル、ペンタエリスリトールテトラステ
アレート、トリメチロールプロパンジステアレートなど
が挙げられる。
【0036】本発明に使用される高級脂肪酸アミドとし
ては、高級脂肪酸が炭素数10〜30、好ましくは12
〜26の、飽和または不飽和のもの、またはそのN,N
‐低級アルキレン(C〜C程度)誘導体、例えばメ
チレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリ
ン酸アミド、エチレンビスパルミチン酸アミド、エチレ
ンビスオレイン酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリ
ン酸アミド、12‐ヒドロキシステアリン酸アミドなど
が挙げられる。
【0037】本発明に使用される高級脂肪族アルコー
ル、好ましくは1価アルコール、としては、炭素数12
〜50、好ましくは14〜40のもの、例えばパルミチ
ルアルコール、ステアリルアルコールなどが挙げられ
る。
【0038】本発明に使用される金属石鹸の金属部分と
しては、アルカリ土類金属やアルミニウム、亜鉛、カド
ミウムなどが、脂肪酸部分としては、前記の高級脂肪酸
として示したものが挙げられる。好ましい金属石鹸とし
ては、ラウリン酸バリウム、ミリスチン酸カドミウム、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、
ステアリン酸アルミニウム、12‐ヒドロキシステアリ
ン酸マグネシウムなどが挙げられる。
【0039】これら本発明に使用される脂肪族炭化水
素、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミ
ド、高級脂肪族アルコール、金属石鹸の有機化合物から
選ばれる助剤は、1種単独または各群内および(また
は)各群間の2種以上を組み合わせて使用できる。助剤
の添加量は、ゴム変成スチレン系樹脂100重量部を基
準として5重量部以下、好ましくは0.1〜3.0重量
部が用いられる。これら助剤を使用しないときには、耐
衝撃性、剛性、耐熱性を低下させず成形加工性ないし流
動性を改善する効果が不十分となり、また5重量部を越
えるときは、耐衝撃性、剛性、耐熱性の低下が大きい。
助剤としては、高級脂肪酸エステル、特にペンタエリス
リトールテトラステアレート、高級脂肪酸アミド、特に
エチレンビスステアリン酸アミドが好ましい。また、耐
衝撃性、剛性、成形加工性、耐熱性のバランスを高レベ
ルで保つためには無水マレイン酸系共重合体(成分
(C))と助剤(成分(D))との合計量が、ゴム変成
スチレン系樹脂100重量部に対し、0.1〜5.2重
量部であることが必要で、0.2〜4.0重量部が好ま
しい。 <任意の配合成分>本発明のゴム変成スチレン系樹脂組
成物は、上記各構成成分の他に本発明の効果を著しく損
なわない範囲で他の成分を配合することができる。その
ような他の成分としては、着色剤、充填剤、難燃剤、難
燃助剤(三酸化アンチモンなど)、光安定剤、熱安定
剤、可塑剤、滑剤、離型剤、増粘剤、帯電防止剤、酸化
防止剤、導電剤等の添加剤がある。
【0040】着色剤としては、一般的に樹脂の着色に使
用されるアルミニウムやケイ素の酸化物等で表面処理さ
れた酸化チタン、酸化チタンが被覆されたマイカ、ジン
ククロメート、コバルトバイオレット、マンガンバイオ
レット、酸化鉄類などが挙げられる。
【0041】充填剤としては、酸化マグネシウム、炭酸
カルシウム、タルク、マイカ、アルミナなどが挙げられ
る。
【0042】難燃剤としては、樹脂に難燃性を付与する
一般的な難燃剤をその構造に規制されることなく使用す
ることができる。その中でも、ハロゲン含有有機リン化
合物、ハロゲン化エポキシ化合物、ハロゲン化フタルイ
ミド化合物、ハロゲン化トリアジン化合物、テトラブロ
モビスフェノール誘導体、ハロゲン化インダン化合物お
よびハロゲン化脂環式化合物あるいは有機リン化合物な
どが挙げられる。具体的には、例えば、ブロムエポキシ
化合物がある。
【0043】光安定剤としては、紫外線吸収剤や立体障
害アミン系耐光性安定剤を挙げることができる。紫外線
吸収剤では、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とし
て、2‐(5‐メチル‐2‐ヒドロキシフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2‐[2‐ヒドロキシ‐3,5‐ビス
(α,α‐ジメチルベンジル)フェニル]‐2H‐ベン
ゾトリアゾール、2‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐2‐
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2‐(3‐
t‐ブチル‐5‐メチル‐2‐ヒドロキシフェニル)‐
5‐クロロベンゾトリアゾール、2‐(3,5‐ジ‐t
‐ブチル‐2‐ヒドロキシフェニル)‐5‐クロロベン
ゾトリアゾール、2‐(3,5‐ジ‐t‐アミル‐2‐
ヒドロキシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2‐
(2′‐ヒドロキシ‐5′‐t‐オクチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、メチル‐3‐[3‐t‐ブチル‐5
‐(2H‐ベンゾトリアゾール‐2‐イン)‐4‐ヒド
ロキシフェニル]プロピオネート‐ポリエチレングリコ
ールとの縮合物、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾー
ル誘導体などがある。
【0044】ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、
2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ
‐4‐オクトキシベンゾフェノン、5,5′‐メチレン
ビス(2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン)
などの2‐ヒドロキシベンゾフェノン類などがある。
【0045】サリチレート系紫外線吸収剤としては、フ
ェニルサリチレートなどがある。
【0046】シアノアクリレート系紫外線吸収剤として
は、エチル‐α‐シアノ‐β,β‐ジフェニルアクリレ
ート、エチル‐2‐シアノ‐3‐メチル‐3‐(p‐メ
トキシフェニル)アクリレートなどがある。
【0047】立体障害アミン系耐光性安定剤としては、
ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジ
ル)セバケート、2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐
ピペリジルベンゾエート、1,2,3,4‐テトラキス
(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジルオキ
シカルボニル)ブタン、1,2‐ビス(2‐オキソ‐
3,3,5,5‐テトラメチルピペリジル)エタン、
1,(3,5‐ジ‐tert‐ブチル‐4‐ヒドロキシ
フェニル)‐1,1‐ビス(2,2,6,6‐テトラメ
チル‐4‐ピペリジルオキシカルボニル)ペンタン、ポ
リ[1‐オキシエチレン(2,2,6,6‐テトラメチ
ル‐1,4‐ピペリジル)オキシスクシニル]、ポリ
[2‐(1,1,4‐トリメチルブチルイミノ)‐4,
6‐トリアジンジイル‐(2,2,6,6‐テトラメチ
ル‐4‐ピペリジル)イミノヘキサメチレン‐(2,
2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミ
ノ]、N,N′‐ビス(3‐アミノプロピル)エチレン
ジアミン‐2,4‐ビス[N‐ブチル‐N‐(2,2,
6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)アミノ]‐6
‐クロロ‐1,3,5‐トリアジン縮合物およびこれら
のN‐メチル化合物などがある。
【0048】上記、紫外線吸収剤および立体障害アミン
系耐光性安定剤は1種もしくは2種以上の組み合わせで
使用することができる。
【0049】更に、本発明のスチレン系樹脂には、必要
に応じて各種の他のポリマー、例えば、ポリアミド、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリ[(2,6‐ジメチル
フェニレン)エーテル]、芳香族ポリカーボネート、塩
化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン、メチルメタクリレ
ート樹脂、アクリロニトリル・ブタジエンゴム等を、本
発明の効果を著しく損なわない範囲で適宜配合すること
ができる。該他のポリマーの配合量は、好ましくは、上
記必須成分およびこれら任意成分の合計量に対し2〜7
0重量%の範囲で配合することができる。 (2)ゴム変成スチレン系樹脂組成物の製造 本発明のゴム変成スチレン系樹脂組成物は、上記成分
(A)、(B)、(C)および(D)の各構成成分を同
時にまたは逐時に、あるいは連続的にまたは断続的に、
最終的に各構成成分の配合割合が上記の範囲になるよう
に配合し、ブラベンダープラストグラフ、バンバリミキ
サー、ニーダーブレンダー、ロール、一軸または二軸押
出機等の通常の混合混練機によって混合・混練すること
により製造することができる。通常は、これら押出機等
により混合・混練して、押し出された押出物を冷却しペ
レット化する方法によって得ることができる。上記混練
は、一般に180〜250℃、好ましくは200〜23
0℃の温度で行われる。なお、各配合成分の混合・混練
順序は、特に制限はない。 (3)用 途 この様にして得られた本発明のスチレン系樹脂組成物
は、耐衝撃性、剛性および耐熱性を低下させることな
く、成形加工性(流動性)に極めて優れていることか
ら、射出成形、押出成形、ブロー成形などの方法によ
り、各種の工業品、特に家電分野、OA機器分野等での
使用に期待が持たれるものである。
【0050】
【実施例】以下の実験例は、本発明を更に具体的に説明
するためのものである。したがって、本発明は、本発明
の趣旨に反しない限り以下の実験例の具体的開示内容の
みに何ら制限されるものではない。 [I]評価方法 種々のスチレン系樹脂組成物の諸性質を下記の方法によ
り測定し、評価した。 (1) 流動性: 上記手法により製造したゴム変成スチレ
ン系樹脂組成物を、東芝IS100EN射出成形機にて
シリンダー温度220℃、金型温度60℃、射出圧力6
00kg/cm2 の成形条件で、スパイラルフロー金型
(2mmt)を用いて成形し、成形樹脂の流動長によっ
て流動性を評価した。 (2) 耐衝撃性: ASTM−D256に準拠してアイゾ
ット衝撃強度を測定した(23℃、試験片厚み1/4イ
ンチ、ノッチ付き試験片)。 (3) 曲げ弾性率: ASTM−D790に準拠して測定
した。 (4) 熱変形温度: ASTM−D648に準拠して測定
した。 (5) 耐熱変色性: 上記手法により製造したゴム変成ス
チレン系樹脂組成物を、東芝IS100EN射出成形機
にてシリンダー温度270℃の成形条件で、80×10
0×2mmtのシートを成形し、シートの変色度合いを
目視評価した。
【0051】 ○:ほとんど変色無し △:多少変色 ×:変色大 [II]実験例実施例1〜5、比較例1〜5 下記成分のそれぞれを表1に示される割合で所定量混合
し、高速ミキサーでブレンドした。その後、二軸押出機
(スクリュー径:30mmφ)を用いて220℃で溶融混
練し、ペレット化してゴム変成スチレン系樹脂組成物ペ
レットを得た。
【0052】成分(A)のゴム変成スチレン系樹脂とし
て、実施例1〜4および比較例1では、乳化重合法によ
って製造したグラフトポリマー(Eポリマー)〔ポリブ
タジエンゴム含量62重量%、スチレン27.4重量
%、アクリロニトリル10.6重量%〕28重量部と、
200℃、5kgの条件で測定したメルトインデックス
が12g/10分であるスチレン‐アクリロニトリルコ
ポリマー(Sポリマー)〔スチレン72重量%、アクリ
ロニトリル28重量%〕72重量部とを押し出し機で溶
融混練して得たものを使用した。
【0053】実施例5および比較例2〜5では、前記と
同じEポリマーと、前記と同じSポリマーSとを35/
65重量比で混練して得たものを使用した。
【0054】成分(B)のロジンおよび(または)ロジ
ンエステルとしては、(B−1)ガムロジン(荒川化学
工業(株)製「ロンヂスR」)の破砕物に対して10重
量%の微粉状のエチレンビスステアリン酸アミドを十分
混合したもの、(B−2)精製ロジン(荒川化学工業
(株)製「白菊ロジン」)に対して5重量%の微粉シリ
カを十分混合したもの、(B−3)水添ロジン(荒川化
学工業(株)製「ハイペールCH」)に対して6重量%
のステアリン酸アミドを溶融混合後粉砕して粉末とした
もの、(B−4)不均化ロジン(荒川化学工業(株)製
「パインクリスタルKR85」)に対して5重量%のス
テアリン酸アルミニウム微粉末を混合したものを使用し
た。
【0055】成分(C)の低分子量無水マレイン酸系共
重合体として、無水マレイン酸‐スチレンコポリマー
(MSと略)を使用した。使用したMSは、無水マレイ
ン酸49モル%、スチレン51モル%の組成を有し、分
子量約2000の粉末品である。
【0056】成分(D)の助剤として、エチレンビスス
テアリン酸アミド(ライオンアクゾ(株)製「アーモワ
ックス」)を使用した。
【0057】得られたペレットを用いて射出成形して試
験片を作成し、前記評価方法に従って測定および評価を
行った。その結果は表1に示される通りである。
【0058】
【表1】 実施例1〜4は、比較例1に対し、耐衝撃性、剛性およ
び耐熱性の程度およびバランスが良好であるうえに、大
幅な成形加工性ないし流動性の改良されている。また、
実施例5は、比較例2〜5に対し、流動性〜耐衝撃性〜
剛性〜耐熱性のバランスにも優れている。
【0059】
【発明の効果】本発明のゴム変成スチレン系樹脂組成物
は、耐衝撃性、剛性、耐熱性を低下させることなく、成
形加工性(流動性)に優れたものであることは「発明の
概要」の項において前記したところである。
【0060】したがって、本発明による樹脂組成物は、
産業上に極めて有用な材料と言える。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年12月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】本発明に使用される高級脂肪酸エステルと
しては、炭素数12から22の飽和または不飽和脂肪酸
と、炭素数4から22の1価ないし4価の脂肪族アルコ
ールから得られるエステル化合物であり、就中沸点が2
00℃以上のものが好ましい。その好ましい高級脂肪酸
エステルの例としてはステアリン酸ステアリル、パルミ
チン酸パルミチル、ステアリン酸パルミチル、ステアリ
ン酸ブチル、オレイン酸オクチル、ペンタエリスリトー
ルテトラステアレート、トリメチロールプロパンジステ
アレートなどが挙げられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/10 C08K 5/10 5/20 5/20 //(C08L 51/04 93:04 35:06) (72)発明者 岸 本 学 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 (72)発明者 上 野 浩 一 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分(A)〜(D)を含んでなり、
    かつ成分(C)および成分(D)の合計量が成分(A)
    100重量部に対し0.1〜5.2重量部であることを
    特徴とする、ゴム変成スチレン系樹脂組成物。 成分(A):ゴム変成スチレン系樹脂100重量部、 成分(B):ロジン類0.1〜10重量部、 成分(C):低分子量無水マレイン酸系共重合体0〜5
    重量部、 成分(D):脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、高級脂肪酸
    エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪族アルコールお
    よび金属石鹸から選ばれる助剤0〜5重量部。
  2. 【請求項2】成分(B)が、(イ)天然ロジン、あるい
    は(ロ)天然ロジンを不均化、水素化もしくは脱水素化
    してなる変成ロジン、あるいは(ハ)天然ロジンまたは
    上記変成ロジンを蒸留した精製ロジン、あるいは(ニ)
    上記ロジン類とアルコール化合物および(または)エポ
    キシ化合物とからなるロジンエステルである、請求項1
    記載のゴム変成スチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】成分(B)が、(イ)天然ロジン、あるい
    は(ロ)天然ロジンを不均化してなる不均化ロジン、あ
    るいは(ハ)天然ロジンに水素添加してなる水素添加ロ
    ジンである、請求項1〜2のいずれかに記載のゴム変成
    スチレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】成分(B)が、ブロッキング防止処理に付
    したものである、請求項3に記載のゴム変成スチレン系
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】成分(D)が、高級脂肪酸エステルおよび
    (または)は高級脂肪酸アミドである、請求項1〜4の
    いずれかに記載のゴム変成スチレン系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】成分(C)が、無水マレイン酸共重合単位
    35〜60重量%およびスチレン共重合単位65〜40
    重量%からなるものであり、重量平均分子量が800〜
    25000のものである、請求項1〜5のいずれかに記
    載のゴム変成スチレン系樹脂組成物。
  7. 【請求項7】成分(A)100重量部に対して、成分
    (B)が0.2〜8.0重量部、成分(C)が0.1〜
    2.0重量部、成分(D)が0.1〜3.0重量部であ
    る、請求項1〜6のいずれかに記載のゴム変成スチレン
    系樹脂組成物。
  8. 【請求項8】成分(D)が、高級脂肪酸エステルおよび
    高級脂肪酸アミドから選ばれるものである、請求項7に
    記載のゴム変成スチレン系樹脂組成物。
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