JPH11139418A - 容器反転装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】容器反転時に於いて、容器に収納された物品が
落下するのを防止することのできる容器反転装置を提供
する。 【解決手段】外側コンベアと内側コンベアとで保持した
容器を上下反転するとき、容器の開口側両縁部と対応す
る形状に内側コンベアを構成する押えベルトの搬送面が
変形し、その部分に配列した支持ロールの弾性部材が弾
性に抗して径方向に変形する。且つ、弾性部材の変形に
対応する寸法だけ容器の上下縁部と押えベルトの搬送面
とが互いに近接又は圧接され、相互の間に形成される隙
間が狭くなり又は隙間の無い状態に圧接されるため、反
転時に於いて、容器に収納された果菜物が落下するのを
確実に防止することができ、反転作業が確実に行える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、果菜
物、球技用ボール、機械又は電子部品等の物品が収納さ
れた容器を反転して、その容器に収納された物品を排出
する作業に用いられる容器反転装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上述例のような容器に収納された
多数の物品を排出する装置としては、例えば、図１２に
示すように、多数の果菜物Ａ…が収納された容器Ｂを上
向きに開口した状態のまま外側コンベア７０に載置し、
外側コンベア７０により搬送される容器Ｂの方形開口面
Ｂａに対して内側コンベア７１を押圧すると共に、外側
コンベア７０と内側コンベア７１とで容器Ｂを保持した
状態のまま周回方向に搬送して、その容器Ｂを下向きに
開口した状態に上下反転させ、容器Ｂに収納された多数
の果菜物Ａ…を一挙に排出する装置がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した容器
Ｂの方形開口面Ｂａを、略半円形状に湾曲した内側コン
ベア７１の搬送面７１ａに対して押圧するので、内側コ
ンベア７１の曲率半径が小さくなるほど、容器Ｂの開口
側下縁部Ｂｃと内側コンベア７１の搬送面７１ａとの間
に形成される隙間が大きくなり、反転途中に於いて、容
器Ｂに収納された果菜物Ａが落下しやすいという問題点
を有している。

【０００４】上述した問題を解決する方法として、内側
コンベア７１の曲率半径を大きくすれば、容器Ｂの方形
開口面Ｂａに対して内側コンベア７１が略面待遇で押圧
され、容器Ｂの開口側下縁部Ｂｃと内側コンベア７１の
搬送面７１ａとの間に形成される隙間を狭くすることが
できるが、外側コンベア７０及び内側コンベア７１の周
回距離が長くなり、装置全体が大型化するため、広い設
置スペースが必要となり、レイアウトが困難になるとい
う問題点を有している。

【０００５】他の方法として、容器Ｂの押圧力を利用し
て、内側周回路に張架した幅広ベルトを扁平状態に変形
させ、容器Ｂの方形開口面Ｂａに対して幅広ベルトを面
待遇に押圧する装置（特公平８−２５１６９１６号）が
あるが、幅広ベルトに押圧される容器Ｂの個数によって
緊張具合が変動するため、反転途中に於いて、容器Ｂの
姿勢が傾いたり、その位置が幅方向に変位しやすく、安
定性が悪いという問題点を有している。

【０００６】この発明は上記問題に鑑み、容器の方形開
口面に押圧された内側搬送帯と対応する部分の弾性支持
体が変形し、その弾性支持体の変形に対応する寸法だけ
容器の開口側周縁部と内側搬送帯の搬送面とが互いに近
接又は圧接されるので、反転途中に於いて、容器に収納
した物品が落下するのを確実に防止することができ、反
転作業が確実に行える容器反転装置の提供を目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
外側搬送帯に載置された容器の方形開口面に内側搬送帯
を押圧して、該外側搬送体と内側搬送帯とで保持した容
器を略半円状の周回路に沿って周回方向に搬送しながら
上下反転する容器反転装置であって、上記内側搬送帯の
周回路上に、該内側搬送帯の周回方向に対して回転可能
に設けられ、該内側搬送帯を容器の方形開口面に対して
押圧する弾性支持体を設けた容器反転装置であることを
特徴とする。

【０００８】請求項２記載の発明は、上記請求項１記載
の構成と併せて、上記弾性支持体を、上記内側搬送帯の
周回路上に軸架した支軸の外周面に弾性体を周設して構
成した容器反転装置であることを特徴とする。

【０００９】請求項３記載の発明は、上記請求項１記載
の構成と併せて、上記弾性支持体を、上記内側搬送帯の
周回路両側部に配設した支持部材の外周部に複数本の板
状弾性体を架設して構成した容器反転装置であることを
特徴とする。

【００１０】請求項４記載の発明は、上記請求項１記載
の構成と併せて、上記弾性支持体を、上記内側搬送帯の
周回路両側部に配設した受け部材の間に筒状弾性体を架
設して構成した容器反転装置であることを特徴とする。

【００１１】

【作用】請求項１記載の容器反転装置は、外側搬送帯に
載置された容器の方形開口面に内側搬送帯を押圧したと
き、容器の方形開口面に押圧された内側搬送帯の搬送面
が変形し、その部分と対応する弾性支持体が弾性に抗し
て変形（例えば、径方向）するので、弾性支持体の変形
に対応する寸法だけ容器の開口側周縁部と内側搬送帯の
搬送面とが互いに近接又は圧接され、相互の対接部分に
形成される隙間が狭くなり又は隙間の無い状態に圧接さ
れるため、反転時に於いて、例えば、果菜物、ボール、
部品等の物品が容器から落下するのを確実に防止するこ
とができる。且つ、容器に収納された物品と内側搬送帯
との当接時に生じる衝撃が弾性支持体により緩和され、
物品の商品価値が損なわれるのを防止することができ
る。

【００１２】請求項２記載の容器反転装置は、上記請求
項１記載の作用と併せて、容器の方形開口面に押圧され
た内側搬送帯と対応して弾性体が径方向に変形するの
で、弾性体の変形に対応する寸法だけ容器の開口側周縁
部と内側搬送帯の搬送面とが互いに近接又は圧接され、
反転時に於いて、容器に収納された物品が落下するのを
確実に防止することができる。且つ、容器の開口側周縁
部と対応して内側搬送帯の搬送面が凹状に変形するた
め、容器の姿勢及び位置が変位したり、物品の収納位置
が変位したりするのを防止することができ、容器の反転
作業及び物品の排出作業が安定して行える。

【００１３】請求項３記載の容器反転装置は、上記請求
項１記載の作用と併せて、容器の方形開口面に押圧され
た内側搬送帯と対応して板状弾性体が径方向に可撓変形
するので、その可撓変形に対応する寸法だけ容器の開口
側周縁部と内側搬送帯の搬送面とが互いに近接又は圧接
され、反転時に於いて、容器に収納された物品が落下す
るのを確実に阻止することができる。

【００１４】請求項４記載の容器反転装置は、上記請求
項１記載の作用と併せて、容器の方形開口面に押圧され
た内側搬送帯と対応して筒状弾性体が径方向に可撓変形
するので、その可撓変形に対応する寸法だけ容器の開口
側周縁部と内側搬送帯の搬送面とが互いに近接又は圧接
され、反転時に於いて、容器に収納された物品が落下す
るのを確実に防止することができる。

【００１５】

【発明の効果】この発明によれば、容器の方形開口面に
押圧された内側搬送帯の変形に対応して、その部分と対
応する弾性支持体（例えば、弾性体、板状弾性体、筒状
弾性体等）が変形するので、弾性支持体の変形に対応す
る寸法だけ容器の開口側周縁部と内側搬送帯の搬送面と
が互いに近接又は圧接され、相互の対接部分に形成され
る隙間が狭くなり又は隙間の無い状態に圧接されるた
め、反転途中に於いて、容器に収納された物品が落下す
るのを確実に防止することができ、物品の排出作業が安
定して行える。

【００１６】しかも、内側搬送帯との接触抵抗により弾
性支持体が従動回転するので、弾性支持体の同一周面が
変形されるのを防止することができ、周面全体が略均等
に押圧されるため、弾性支持体の緩衝性及び弾性が短期
間で低下するのを防止でき、その機能が長期間安定して
得られる。且つ、内側搬送帯の曲率半径に応じて、弾性
支持体の厚み及び弾性を変更することで、内側搬送帯の
曲率半径を小さくしても容器に収納された物品が落下し
たりせず、その周回距離を短くして、装置全体の小型化
を図ることができ、レイアウトが容易に行なえる。

【００１７】さらに、例えば、弾性体、板状弾性体、筒
状弾性体等で構成される弾性支持体の変形により、容器
の開口側周縁部に対応して内側搬送帯の搬送面が押圧さ
れるので、反転時に於いて、容器の姿勢及び位置が変位
したり、物品の収納位置が変位したりするのを防止する
ことができ、容器の反転作業及び物品の排出作業が安定
して行える。

【００１８】

【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は物品の一例として、多数の果菜物が収納
された容器を上下反転し、容器に収納された果菜物を排
出する作業に用いられる容器反転装置を示し、図１に於
いて、この容器反転装置１は、多数の果菜物Ａ…が収納
された容器Ｂを上向きに開口して供給用コンベア２に載
置し、供給用コンベア２上に設定した停止位置に容器Ｂ
が搬送されたとき、同位置下部に配設した容器供給機３
により容器Ｂを幅方向に搬出し、同位置側部に架設した
外側コンベア４に対して容器Ｂを移載する。外側コンベ
ア４に載置された容器Ｂの方形開口面Ｂａに内側コンベ
ア５を押圧すると共に、外側コンベア４と内側コンベア
５とで保持した容器Ｂを略半円状の周回路に沿って周回
方向に搬送し、その方形開口面Ｂａが下向きとなる状態
に上下反転（約１８０度）する。内側コンベア５の終端
側に搬送された容器Ｂを、同側上部に配設した容器回収
機６により回収方向に搬送し、容器Ｂに収納された多数
の果菜物Ａ…を分散用コンベア７に排出して、分散用コ
ンベア７に移載された果菜物Ａ…を分散しながら次工程
（図示省略）に搬送する。一方、回収側に配設した回収
用コンベア８に容器Ｂを移載して回収工程（図示省略）
に搬送する。

【００１９】上述した供給用コンベア２は、例えば、合
成樹脂製又は金属製のコンテナ、或いは、反転可能な構
造及び強度を有する段ボール箱又は木箱等の容器Ｂを送
り方向に配列した送りローラ１０…上に載置し、送りロ
ーラ１０…を送り方向に回転して搬送路上に設定した停
止位置に搬送する。送りローラ１０は、左右に架設した
取付け枠１１，１１間に、送り方向に対して容器Ｂが載
置される間隔に隔てて多数軸架され、減速機付き送り用
モータ（図示省略）により送りローラ１０…を送り方向
に回転して、送りローラ１０…上に載置された容器Ｂを
搬送路上の停止位置に搬送する。なお、同位置に搬送さ
れる容器Ｂを、例えば、ストッパ等の停止手段で搬送停
止してもよい。

【００２０】前述した容器供給機３は、供給用コンベア
２上の停止位置に搬送された容器Ｂを送りチェーン１２
…で一旦持上げ、送りチェーン１２…を送り方向に対し
て直交する方向に回転して、同位置側部（左側部）に対
して直交する方向に架設した外側コンベア４の受け板１
０…に容器Ｂを移載供給する。送りチェーン１２は、同
位置下部に配設した昇降枠１６の右側端部に軸支したス
プロケット１３と、左側端部に軸支したスプロケット１
４との間に、供給用コンベア２の送り方向に対して直交
する方向に張架している。同枠下部に固定した減速機付
き回転用モータ１５は、スプロケット１５ａ，１５ａ及
び駆動チェーン１５ｂを介して送りチェーン１２を回転
し、送りチェーン１２…間に載置された容器Ｂを後述す
る外側コンベア４の受け板２０…に移載する。且つ、同
位置下部に配設した昇降用シリンダ１７は、送りローラ
１０…上に載置された容器Ｂが持上げられる上昇位置
と、その送りローラ１０…上に載置された容器Ｂの搬送
が許容される降下位置とに、昇降枠１６に張架した送り
チェーン１２…を上下動する。なお、上述した送りチェ
ーン１２に代えて、例えば、プッシャ、ロボットアーム
等の移載手段により容器Ｂを供給してもよい。

【００２１】前述した外側コンベア４は、図２、図３に
示すように、略半円状の外側周回路上に架設した多数枚
の受け板２０…を周回方向に移動して、受け板２０…上
に載置された容器Ｂを後述する内側コンベア５の押えベ
ルト３２に対して押付けた状態のまま周回方向に搬送す
る。受け板２０は、容器Ｂの横幅よりも幅広であって、
後述する押えベルト３２と略同一又は若干幅広となる搬
送幅に形成され、外側周回路に沿って張架した左右の周
回チェーン２１，２１間に、その周回チェーン２１の全
長に対して容器Ｂが載置される間隔に隔てて多数枚架設
している。

【００２２】周回チェーン２１は、始端側周回路に軸支
したスプロケット２２，２３，２４と、終端側周回路に
軸支したスプロケット２５，２６と、スプロケット２
２，２５間と対応する搬送側周回路に架設したチェーン
ガイド２７，２８と、スプロケット２４，２６間と対応
する回帰側周回路に架設したチェーンガイド２９とに張
架している。終端側上部に配設した減速機付き回転用モ
ータ３０は、スプロケット３０ａ，３０ａ及び駆動チェ
ーン３０ｂを介して、周回チェーン２１，２１間に架設
した受け板２０…を、後述する内側コンベア５の押えベ
ルト３２と同期して、チェーンガイド２７，２８，２９
に沿って周回方向に移動させ、受け板２０…に載置され
た容器Ｂを外側周回路に沿って搬送する。

【００２３】なお、実施例では、上述した外側コンベア
４をスラストコンベアで構成しているが、例えば、ベル
トコンベア、ローラコンベア、チェーンコンベア等の他
の搬送手段で構成してもよい。

【００２４】前述した内側コンベア５は、略半円状の内
側周回路上に張架した押えベルト３２を周回方向に回転
して、外側コンベア４の受け板２０…上に載置された容
器Ｂを押えベルト３２で押圧した状態のまま周回方向に
搬送する。押えベルト３２は、容器Ｂの横幅よりも幅広
であって、受け板２０と略同一又は若干幅狭となる搬送
幅に形成され、始端側周回路に軸架したガイドロール３
３と、終端側周回路に軸架したガイドロール３４と、そ
のロール３３，３４の間と対応する送り側周回路に軸架
した支持ロール３５…とに張架している。

【００２５】終端側上部に配設した減速機付き回転用モ
ータ３８は、スプロケット３８ａ，３８ａ及び駆動チェ
ーン３８ｂを介して、押えベルト３２を、上述した外側
コンベア４の受け板２０と…同期して、支持ロール３５
…に沿って周回方向に回転させ、押えベルト３２に押付
けられた容器Ｂを内側周回路に沿って搬送する。ガイド
ロール３３は、始端側下部に配設したテンション機構３
９により斜め下方に牽引され、押えベルト３２全体に対
して適度な緊張を付与している。

【００２６】支持ロール３５は、図４、図５に示すよう
に、押えベルト３２の搬送幅よりも若干長尺であって、
中空又は中実に形成した支軸３５ａの外周面全長に、例
えば、合成ゴム、軟質樹脂等の弾性体により形成したリ
ング状又パイプ状の弾性部材３６を周設（例えば、遊
嵌、被覆、焼結、接着等）している。また、支軸３５ａ
の外周面全長に対して弾性部材３６を部分的に周設して
もよい。図２にも示すように、支軸３５ａは、周回路両
側部に架設した支持板４１，４１の送り側周縁部間に、
支持板４１の送り側周縁部に沿って容器Ｂが支持される
前後間隔に隔てて軸架している。支持軸３５ａの両端部
は、支持板４１の送り側周縁部に固定した軸受４２によ
り自由回転可能に軸受され、押えベルト３２を回転した
とき、その押えベルト３２の接触抵抗により支持ロール
３５が周回方向に従動回転される。且つ、適宜位置に軸
架した支持ロール３５の両端部には、押えベルト３２が
幅方向に蛇行するのを防止するための規制リング４７を
固定している。

【００２７】なお、上述した弾性部材３６を、押えベル
ト３２の裏面側と対向して支持ロール３５を構成する支
軸３５ａの中央部外周面に周設してもよい。また、支軸
３５ａの外周面に対してリング状の弾性部材３６を自由
回転可能に遊嵌してもよい。

【００２８】弾性部材３６は、例えば、合成ゴム、軟質
樹脂等の柔軟性を有する弾性体（実施例ではウレタンゴ
ム、スポンジゴム等）によりリング状又はパイプ状に形
成され、押えベルト３２の搬送幅よりも若干幅広であっ
て、支持ロール３６の全長と略一致又は若干幅狭となる
幅に形成している。且つ、弾性部材３６の厚み及び弾性
は、略半円形状に湾曲した押えベルト３２に対して容器
Ｂの開口側両縁部Ｂｂ，Ｂｂが押付けられたとき、容器
Ｂの上下縁部Ｂｃ，Ｂｃと、押えベルト３２の搬送面３
２ａとが互いに近接又は圧接されるように設定してい
る。

【００２９】つまり、内側コンベア５を構成する押えベ
ルト３２に対して容器Ｂの両縁部Ｂｂ，Ｂｂが押圧され
たとき、容器Ｂの両縁部Ｂｂ，Ｂｂと対応する部分の弾
性部材３６が径方向に変形し、弾性部材３６の変形に対
応する寸法だけ容器Ｂの上下縁部Ｂｃ，Ｂｃと押えベル
ト３２の搬送面３２ａとが互いに近接又は圧接される。
なお、弾性部材３６の幅及び厚みを、容器Ｂの大きさ及
び形状に応じて変更してもよい。また、上述した弾性部
材３６に代えて、例えば、合成樹脂、金属等の線条体を
交絡してなる綿状の交絡体（図示省略）を用いてもよ
い。

【００３０】外側周回路の両側部には、外側コンベア４
と内側コンベア５とで保持された容器Ｂを周回方向にガ
イドするためのガイド部材４０を架設している。ガイド
部材４０は、外側周回路の始端部から終端部に至る全長
に、コンベア４，５で保持された容器Ｂの両側面に対し
て所定間隔に近接して架設され、コンベア４，５で保持
される容器Ｂの横幅に対応して間隔を拡縮調節可能に設
けている。ガイド部材４０，４０は、外側コンベア４に
より搬送される容器Ｂを、内側コンベア５の中央部搬送
面に対して容器Ｂの方形開口面Ｂａが押付けられ、上述
した押えベルト３２の両側縁部よりも内側搬送面３２ａ
に対して容器Ｂの両縁部Ｂｂ，Ｂｂが押圧される位置に
幅寄せガイドする。

【００３１】前述した容器回収機６は、内側コンベア５
の終端部に近接して斜設した保持ベルト５０，５０で反
転済みの容器Ｂを保持して、同側に斜設した支持板５
１，５１に沿って斜め上方に持上げながら回収方向に搬
送し、回収側に架設した回収用コンベア５２に移載す
る。同時に、容器Ｂに収納された果菜物Ａ…を、同側下
部に近接して架設した分散用コンベア７に対して一挙に
排出する。

【００３２】保持ベルト５０は、内側コンベア５の終端
側上部に軸支したプーリ５４と、後述する回収用コンベ
ア５２の始端側上部に軸支したプーリ５５との間に、後
述する支持板５１と平行して斜め上向きに張架され、容
器Ｂの横幅に対応して保持間隔を拡縮調節可能に設けて
いる。プーリ５５に直結した減速機付き回転用モータ５
６は、保持ベルト５０，５０を回収方向に同期回転し
て、内側コンベア５により搬送される容器Ｂを保持ベル
ト５０，５０で押圧保持すると共に、容器Ｂの両縁部Ｂ
ｂ，Ｂｂを支持板５１，５１に沿って斜め上方に持上げ
ながら回収方向に搬送し、回収側に架設した回収用コン
ベア５２に移載する。その回収用コンベア５２に載置さ
れた容器Ｂは回収工程（図示省略）に搬送供給する。支
持板５１は、内側コンベア５の終端部と、回収用コンベ
ア５２の始端部との間に斜設され、容器Ｂの両縁部Ｂ
ｂ，Ｂｂが係合される間隔であって、容器Ｂに収納され
た果菜物Ａ…が分散用コンベア７に対して排出される間
隔に隔てて架設している。

【００３３】前述した分散用コンベア７は、上述した容
器回収機６により容器Ｂを斜め上方に持上げて該容器Ｂ
に収納された果菜物Ａ…を排出するとき、容器Ｂから排
出される果菜物Ａ…を１本の分散ベルト５７で分散しな
がら送り方向に搬送し、終端側に仕分け用コンベア６１
に対して供給する。分散ベルト５７は、送り側始端部に
軸架したロール５８と、送り側終端部に軸架したロール
５９との間に張架され、終端側下部に配設した減速機付
き回転用モータ６０は、プーリ及６０ａ，６０ａび駆動
ベルト６０ｂを介して、分散ベルト５７を送り方向に回
転させ、容器Ｂから排出された果菜物Ａ…を前後及び左
右に分散しながら搬送する。なお、実施例では、１本の
分散ベルト５７で果菜物Ａ…を分散するが、例えば、複
数本のベルトを直列に配列し、前部ベルトから後部ベル
トに乗り移らせるときに果菜物Ａ…を加速搬送し、果菜
物Ａ…を前後方向に離間してもよい。

【００３４】図示実施例は上記の如く構成するものにし
て、以下、上述した容器反転装置１により多数の果菜物
Ａ…が収納された容器Ｂを反転し、容器Ｂに収納された
果菜物Ａ…を排出するときの動作を説明する。先ず、図
１に示すように、多数の果菜物Ａ…が収納された容器Ｂ
を、その方形開口面Ｂａを上向けて供給用コンベア２に
順次載置し、供給用コンベア２上に設定した停止位置に
容器Ｂを順次搬送する。停止位置に容器Ｂが搬送停止さ
れたとき、容器供給機３を構成する送りチェーン１２…
により容器Ｂを一旦持上げて、外側コンベア４を構成す
る受け板２０…に容器Ｂを移載する。

【００３５】次に、外側コンベア４の受け板２０…に載
置された容器Ｂをガイド部材３９，３９でガイドして、
内側コンベア５を構成する押えベルト３２の両側縁部よ
りも内側であって、押えベルト３２の中央部搬送面３２
ａに対して容器Ｂが押圧される位置に幅寄せガイドす
る。

【００３６】次に、図２、図３に示すように、外側コン
ベア４の受け板２０…に載置された容器Ｂの方形開口面
Ｂａに、内側コンベア５の押えベルト３２を押圧して、
外側コンベア４と内側コンベア５とで押圧保持した容器
Ｂを周回方向に搬送すると共に、容器Ｂに押圧された押
えベルト３２を介して、内側周回路上に軸架した支持ロ
ール３５…を周回方向に従動回転する。この時、容器Ｂ
の両縁部Ｂｂ，Ｂｂに押圧された押えベルト３２の搬送
面３２ａのみが変形し、その部分と対応する支持ロール
３５の弾性部材３６が弾性に抗して径方向に変形する。
且つ、容器Ｂの両縁部Ｂｂ，Ｂｂが押圧された部分を除
いて、押えベルト３２の中央部及び両側部と対応する搬
送面３２ａには押圧力が直接付与されず、弾性部材３６
の中央部及び両端部には殆ど変形が生じないため、容器
Ｂの両縁部Ｂｂ，Ｂｂよりも内側に押えベルト３２の中
央部搬送面３２ａが食い込み、弾性部材３６の変形に対
応する寸法だけ容器Ｂの上下縁部Ｂｃ，Ｂｃと押えベル
ト３２の搬送面３２ａとが互いに近接又は圧接される。
容器Ｂの上下縁部Ｂｃ，Ｂｃと押えベルト３２の搬送面
３２ａとの間に形成される隙間が狭くなり又は隙間の無
い状態に圧接されるので、反転途中に於いて、容器Ｂに
収納された大小の果菜物Ａ…が落下するのを確実に防止
することができる。

【００３７】次に、外側コンベア４と内側コンベア５と
で押圧保持した容器Ｂを周回方向に搬送し、その方形開
口面Ｂａが下向きとなる状態に上下反転（約１８０度）
する。周回路の水平部分に容器Ｂが移動されたとき、容
器Ｂ自体の自重により押えベルト３２の搬送面３２ａが
若干変形し、容器Ｂの開口側周縁部と対応して支持ロー
ル３５の弾性部材３６が変形するため、容器Ｂの開口側
周縁部が押えベルト３２の搬送面３２ａに対して圧接さ
れ、反転終了前の容器Ｂから果菜物Ａが突出するのを防
止することができる。且つ、果菜物Ａと内側コンベア５
との当接時に生じる衝撃が弾性部材３６の弾性により緩
和され、果菜物Ａの商品価値が損なわれるのを防止する
ことができる。

【００３８】次に、上下反転された容器Ｂを内側コンベ
ア５の終端側に搬送すると共に、容器回収機６を構成す
る保持ベルト５０，５０で容器Ｂを押圧保持して、その
容器Ｂの両縁部Ｂｂ，Ｂｂを支持板５１，５１に沿って
斜め上方に持上げながら、容器Ｂに収納された果菜物Ａ
…を分散用コンベア７を構成する分散ベルト５７に排出
する。分散ベルト５７に載置された果菜物Ａ…を前後及
び左右に分散しながら送り方向に搬送して仕分け用コン
ベア６１に順次移載し、等階級別に果菜物Ａ…を仕分け
処理する。一方、保持ベルト５０，５０で保持した容器
Ｂを回収方向に搬送して、回収側に架設した回収用コン
ベア５２に移載する。回収用コンベア５２に載置された
容器Ｂは回収工程（図示省略）に搬送供給する。

【００３９】以上のように、外側コンベア４と内側コン
ベア５とで保持した容器Ｂを上下反転するとき、容器Ｂ
の両縁部Ｂｂ，Ｂｂに押圧された押えベルト３２の搬送
面３２ａが変形し、その部分に配列した支持ロール３５
の弾性部材３６が弾性に抗して径方向に変形するので、
弾性部材３６の変形に対応する寸法だけ容器Ｂの上下縁
部Ｂｃ，Ｂｃと押えベルト３２の搬送面３２ａとが互い
に近接又は圧接され、相互の対接部分に形成される隙間
が狭くなり又は隙間の無い状態に圧接されるため、反転
時に於いて、容器Ｂに収納された果菜物Ａが落下するの
を確実に防止することができ、容器Ｂの反転作業が確実
に行える。

【００４０】しかも、押えベルト３２との接触抵抗によ
り支持ロール３５が従動回転するので、弾性部材３６の
同一周面が押圧変形されるのを防止することができ、弾
性部材３６の周面全体が略均等に押圧されるため、弾性
部材３６の緩衝性及び弾性が短期間で低下するのを防止
でき、その機能が長期間安定して得られる。且つ、内側
コンベア５の曲率半径に応じて、弾性部材３６の厚み及
び弾性を変更することで、内側コンベア５の曲率半径を
小さくしても容器Ｂに収納された果菜物Ａが落下したり
せず、その周回距離を短くして、装置全体の小型化を図
ることができ、レイアウトが容易に行なえる。

【００４１】さらに、支持ロール３５に周設した弾性部
材３６の変形により、容器Ｂの縁部Ｂｂ，Ｂｃに対応し
て押えベルト３２の搬送面３２ａが押圧されるので、反
転時に於いて、容器Ｂの姿勢及び位置が変位したり、果
菜物Ａの収納位置が変位したりするのを防止することが
でき、容器Ｂの反転作業及び果菜物Ａの排出作業が安定
して行える。

【００４２】加えて、周回路両側部に架設したガイド部
材４０，４０により内側コンベア５の中央部搬送面に対
して押圧される位置に容器Ｂを幅寄せガイドするので、
容器Ｂの上下面を押圧するとき、容器Ｂの姿勢が傾いた
り、その位置が幅方向に変位したりするのを確実に防止
することができ、押えベルト３２及び弾性部材３６の両
側縁部よりも内側に対して容器Ｂの両縁部Ｂｂ，Ｂｂが
正確に押圧されるため、容器Ｂの反転動作に何等支障が
無く、作業が安定して行える。

【００４３】図６、図７、図８は、支軸４８ａの外周部
に架設した受け板４８ｃ…を径方向に対して可撓可能に
設けた第２実施例の支持ロール４８を示し、支持ロール
４８は、支軸４８ａの両端部に固定した支持リング４８
ｂ，４８ｂの対向縁部間に、例えば、硬質樹脂、金属等
により可撓可能な幅及び厚さに形成した受け板４８ｃを
軸方向に平行して架設し、その受け板４８ｃを、支持リ
ング４８ｂの外周縁部に沿って円周方向に対して所定間
隔に隔てて架設している。且つ、支軸４８ａの両端部
を、支持板４１に固定した軸受４２により自由回転可能
に軸受して、押えベルト３２との接触抵抗により支持ロ
ール４８を周回方向に従動回転可能に軸架している。

【００４４】反転時に於いて、外側コンベア４と内側コ
ンベア５とで保持した容器Ｂを上下反転するとき、容器
Ｂの両縁部Ｂｂ，Ｂｂに押圧された押えベルト３２の搬
送面３２ａが変形し、その部分と対応する支持ロール４
８の受け板４８ｃが弾性に抗して径方向に可撓変形され
る。受け板４８ｃの可撓変形に対応する寸法だけ容器Ｂ
の上下縁部Ｂｃ，Ｂｃと押えベルト３２の搬送面３２ａ
とが互いに近接又は圧接され、相互の間に形成される隙
間が狭くなり又は隙間の無い状態に圧接されるので、反
転途中に於いて、容器Ｂに収納された果菜物Ａが落下す
るのを確実に防止することができ、第１実施例と同等の
作用効果を奏することができる。

【００４５】図９、図１０、図１１は、受けリング４９
ａ，４９ａ間に軸架した断面Ｃ字形の受け筒４９ｄを径
方向に対して可撓可能に設けた第３実施例の支持ロール
４９を示し、支持ロール４９は、例えば、硬質樹脂、金
属等により形成した受け筒４９ｄの側部周面を軸方向に
切り欠いて、その受け筒４９ｄを、側部周面に形成した
溝部４９ｅと対応する寸法だけ緊縮可能であって、径方
向に対して可撓可能に設けている。且つ、受け筒４９ｄ
の両端部を、受けリング４９ａに形成した凹状受け面４
９ｂに対して自由回転可能に係合し、その受けリング４
９ａに突設した支軸４９ｃを、支持板４１に固定した軸
受４２により自由回転可能に軸受して、押えベルト３２
との接触抵抗により支持ロール４９を周回方向に従動回
転可能に軸架している。

【００４６】反転時に於いて、外側コンベア４と内側コ
ンベア５とで保持した容器Ｂを上下反転するとき、容器
Ｂの両縁部Ｂｂ，Ｂｂに押圧された押えベルト３２の搬
送面３２ａが変形し、その部分と対応する支持ロール４
９の受け筒４９ｄが弾性に抗して径方向に可撓変形され
る。受け筒４９ｄの可撓変形に対応する寸法だけ容器Ｂ
の上下縁部Ｂｃ，Ｂｃと押えベルト３２の搬送面３２ａ
とが互いに近接又は圧接され、相互の間に形成される隙
間が狭くなり又は隙間の無い状態に圧接されるので、反
転途中に於いて、容器Ｂに収納された果菜物Ａが落下す
るのを確実に防止することができ、第１実施例と同等の
作用効果を奏することができる。

【００４７】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の物品は、実施例の果菜物Ａに対応
し、以下同様に、外側搬送帯は、外側コンベア４に対応
し、内側搬送帯は、内側コンベア５に対応し、弾性支持
体は、支持ロール３５及び弾性部材３６と、支持ロール
４８及び受け板４８ｃと、支持ロール４９及び受け筒４
９ｄとに対応し、弾性体は、支持ロール３５の弾性部材
３６に対応し、板状弾性体は、支持ロール４８の受け板
４８ｃに対応し、支持部材は、支持ロール４８の支持リ
ング４８ｂに対応し、筒状弾性体は、支持ロール４９の
受け筒４９ｄに対応し、受け部材は、支持ロール４９の
受けリング４９ａに対応するも、この発明は、上述の実
施例の構成のみに限定されるものではない。

【００４８】上述した実施例では、多数の果菜物Ａ…が
収納された容器Ｂを反転する容器反転装置１を説明した
が、例えば、球技用ボール、機械又は電子部品等の物品
が収納された容器を反転する作業にも適用することがで
き、実施例のような用途のみに限定されるものではな
い。

【００４９】また、容器Ｂに収納される物品の種類、硬
さ、大きさに応じて、支持ロール３５を構成する弾性部
材３６の弾性及び材質、厚さを変更してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 第１実施例の容器反転装置による容器の反転
動作を示す側面図。

【図２】 内側コンベアによる容器の押圧状態を示す平
面図。

【図３】 容器の押圧状態を示す側面図。

【図４】 支持ロールを構成する弾性部材の被覆状態を
示す斜視図。

【図５】 支持ロールを構成する弾性部材の被覆状態を
示す断面図。

【図６】 第２実施例の内側コンベアによる容器の押圧
状態を示す平面図。

【図７】 支持ロールを構成する支持板の架設状態を示
す斜視図。

【図８】 支持ロールを構成する支持板の可撓状態を示
す断面図。

【図９】 第３実施例の内側コンベアによる容器の押圧
状態を示す平面図。

【図１０】 支持ロールを構成する支持筒の架設状態を
示す斜視図。

【図１１】 支持ロールを構成する支持筒の可撓状態を
示す断面図。

【図１２】 従来例の装置による容器の反転動作を示す
側面図。

【符号の説明】

Ａ…果菜物 Ｂ…容器 Ｂａ…方形開口面 Ｂｂ，Ｂｃ…縁部 １…容器反転装置 ２…供給用コンベア ３…容器供給機 ４…外側コンベア ５…内側コンベア ６…容器回収機 ７…分散用コンベア ２０…受け板 ２１…周回チェーン ３２…押えベルト ３２ａ…搬送面 ３５…支持ロール ３５ａ…支軸 ３６…弾性部材 ４８…支持ロール ４８ａ…支軸 ４８ｂ…支持リング ４８ｃ…受け板 ４９…支持ロール ４９ａ…受けリング ４９ｂ…凹状受け部 ４９ｃ…支軸 ４９ｄ…受け筒 ４９ｅ…溝部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外側搬送帯に載置された容器の方形開口面
   に内側搬送帯を押圧して、該外側搬送体と内側搬送帯と
   で保持した容器を略半円状の周回路に沿って周回方向に
   搬送しながら上下反転する容器反転装置であって、上記
   内側搬送帯の周回路上に、該内側搬送帯の周回方向に対
   して回転可能に設けられ、該内側搬送帯を容器の方形開
   口面に対して押圧する弾性支持体を設けた容器反転装
   置。
2. 【請求項２】上記弾性支持体を、上記内側搬送帯の周回
   路上に架設した支軸の外周面に弾性体を周設して構成し
   た請求項１記載の容器反転装置。
3. 【請求項３】上記弾性支持体を、上記内側搬送帯の周回
   路両側部に配設した支持部材の外周部に複数本の板状弾
   性体を架設して構成した請求項１記載の容器反転装置。
4. 【請求項４】上記弾性支持体を、上記内側搬送帯の周回
   路両側部に配設した受け部材の間に筒状弾性体を架設し
   て構成した請求項１記載の容器反転装置。