JPH1113872A - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

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JPH1113872A
JPH1113872A JP9166129A JP16612997A JPH1113872A JP H1113872 A JPH1113872 A JP H1113872A JP 9166129 A JP9166129 A JP 9166129A JP 16612997 A JP16612997 A JP 16612997A JP H1113872 A JPH1113872 A JP H1113872A
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shift
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gear ratio
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裕之 芦沢
Kazutaka Adachi
和孝 安達
Tatsuo Ochiai
辰夫 落合
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    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/66Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings
    • F16H61/662Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings with endless flexible members
    • F16H61/66254Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings with endless flexible members controlling of shifting being influenced by a signal derived from the engine and the main coupling

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無段変速機の足放しアップシフトと、オート
アップシフトの判定を正確に行って、それぞれに対応し
た変速応答を正確に実現させる。 【解決手段】 スロットル開度TVOをt1 〜t2 間に
おいて低下させ、この低下状態を維持する足放しアップ
シフト変速時、目標プライマリ回転数Npri の時間変化
割合ΔNpri が設定値KD 未満になった状態をもって、
若しくは、最終目標変速比iP0と過渡目標変速比iPT
の間における目標変速比偏差eiP=iP0−iPTが設定値
e 以下になった状態をもって足放しアップシフトと判
別する。よって、スロットル開度TVOを低下状態に維
持するt2 〜t3 において、オートアップシフトと誤判
定することがなく、過渡目標変速比iPTの破線で示す時
系列変化から明らかなように変速制御の動特性を、足放
しアップシフト変速で要求される通りのゆるやかなもの
に制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機の変速
制御装置、特に、走行条件に応じ連続的に定めた最終目
標変速比を実現するに際して定めるべき変速制御の動特
性の決定時に用いる変速モードを確実に、しかも、正確
に判定するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無段変速機の変速制御装置としては従
来、例えば特開平8−74958号公報に記載されてい
るように、そして図7に示すごときものが知られてい
る。つまり、走行条件に応じて定めた定常的な基本変速
比と、これを所定の変速速度で実現するための過渡的な
制御目標変速比とを比較し、前者の値が後者の値以上で
あるときをダウンシフトと判別し、逆の場合をアップシ
フトと判定する。
【0003】ここでアップシフトと判定した場合、スロ
ットル開度TVOの時間変化割合|ΔTVO|が所定値
以上であると判定するか、または上記定常的な基本変速
比の時間変化割合の絶対値が所定値以上であると判定す
るとき、足放しアップシフトと判別し、スロットル開度
TVOの時間変化割合|ΔTVO|が所定値未満である
と判定すると共に、基本変速比の時間変化割合の絶対値
が所定値未満であると判定するとき、オートアップシフ
トと判定する。
【0004】上記のような変速モードの判別結果に基づ
き、ダウンシフト、足放しアップシフト、オートアップ
シフトごとの好適な変速速度を求め、当該速度で基本変
速費への変速を進行させるための過渡的な制御目標変速
比を算出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来は上記し
たように、スロットル開度TVOの時間変化割合|ΔT
VO|が所定値以上であると判定するか、または上記定
常的な基本変速比の時間変化割合の絶対値が所定値以上
であると判定するとき、足放しアップシフトと判別する
ために、以下の誤判定を生ずる惧れがあった。図8に示
すスロットル開度TVOの時系列変化を生ずるアクセル
ペダル操作を行った場合について説明すると、スロット
ル開度TVOの時間変化割合ΔTVO、定常的な基本変
速比iP0、およびその時間変化割合ΔiP0はそれぞれ図
示のごときものものとなる。
【0006】瞬時t1 〜t2 間は、スロットル開度TV
Oの時間変化割合|ΔTVO|が所定値ΔTVO(S)
以上であるか、若しくは基本変速比iP0の時間変化割合
|ΔiP0|が所定値ΔiP0(S)以上であって、足放し
アップシフトと正確に判別することができる。しかして
瞬時t2 〜t3 間は、スロットル開度TVOの時間変化
割合|ΔTVO|が所定値ΔTVO(S)未満となり、
且つ、基本変速比iP0の時間変化割合|ΔiP0|も所定
値ΔiP0(S)未満になることから、実際には未だ足放
しアップシフト変速を継続させるべきであるにもかかわ
らず、オートアップシフトであるとの誤判定をしてしま
う。
【0007】この場合、当該誤判定に基づくオートアッ
プシフト用の変速速度となるよう過渡目標変速比iPT
1点鎖線α(iPT)で示すように決定され、足放しアッ
プシフトに対応して過渡目標変速比iPTが破線β
(iPT)で示すようなものとなる遅い変速速度を要求さ
れるにもかかわらず、変速速度が速すぎて大きな加減速
度により運転者に違和感を与える懸念がある。
【0008】請求項1に記載の第1発明は、上記のよう
なオートアップシフトと、足放しアップシフトとの間で
の誤判定を回避し得るようにした、無段変速機の変速制
御装置を提案することを目的とする。
【0009】請求項2に記載の第2発明は、オートアッ
プシフトおよび足放しアップシフトの判別に先立って、
ダウンシフトであるのか、アップシフトであるのかを確
実に判断し得るようにすることを目的とする。
【0010】請求項3に記載の第3発明は、前回の変速
モード判定結果がオートアップシフトである場合におい
て、オートアップシフトおよび足放しアップシフトの判
別を確実に行い得るようにすることを目的とする。
【0011】請求項4に記載の第4発明は、前回の変速
モード判定結果が足放しアップシフトである場合におい
て、オートアップシフトおよび足放しアップシフトの判
別を確実に行い得るようにすることを目的とする。
【0012】請求項5に記載の第5発明は、前回の変速
モード判定結果がダウンシフトである場合において、オ
ートアップシフトおよび足放しアップシフトの判別を確
実に行い得るようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明による無段変速機の変速制御装置は、走行条
件に応じて無段階に設定される最終目標変速比に向け実
変速比を変化させるための指令変速比に応じ変速制御さ
れる無段変速機において、前記最終目標変速比を所定の
動特性で実現するためのものであって、前記指令変速比
の決定資料とすべき過渡目標変速比の、前記最終目標変
速比に対する差である目標変速比偏差と、前記最終目標
変速比の時間変化割合もしくは該最終目標変速比に対応
した目標変速機入力側回転数の時間変化割合とから、前
回における変速モードの判定結果を考慮しつつ、車速の
上昇に伴うオートアップシフトか、アクセルペダルから
足を放したことに伴う足放しアップシフトかを判別し、
これらオートアップシフトおよび足放しアップシフトに
応じ、前記所定の動特性を切り換えるよう構成したこと
を特徴とするものである。
【0014】第2発明による無段変速機の変速制御装置
は、第1発明において、前記オートアップシフトおよび
足放しアップシフトの判定に先立ってダウンシフト変速
かアップシフト変速かを判定する場合、前記目標変速比
偏差が正の変速判定基準値および負の変速判定基準値間
の値から外れた方向によってダウンシフト変速かアップ
シフト変速かを判定するよう構成したことを特徴とする
ものである。
【0015】第3発明による無段変速機の変速制御装置
は、第1発明または第2発明において、前回における変
速モードの判定結果がオートアップシフトであるとき、
最終目標変速比の時間変化割合もしくは該最終目標変速
比に対応した目標変速機入力側回転数の時間変化割合
が、負の足放しアップシフト判定基準値未満であるのを
足放しアップシフトと判定し、この状態以外をオートア
ップシフトと判定するよう構成したことを特徴とするも
のである。
【0016】第4発明による無段変速機の変速制御装置
は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおいて、前回に
おける変速モードの判定結果が足放しアップシフトであ
るとき、前記目標変速比偏差が、負のオートアップシフ
ト判定基準値を越えているのをオートアップシフトと判
定し、この状態以外を足放しアップシフトと判定するよ
う構成したことを特徴とするものである。
【0017】第5発明による無段変速機の変速制御装置
は、第1発明乃至第4発明のいずれかにおいて、前回に
おける変速モードの判定結果がダウンシフトであると
き、最終目標変速比の時間変化割合もしくは該最終目標
変速比に対応した目標変速機入力側回転数の時間変化割
合が、負の足放しアップシフト判定基準値未満であるの
を足放しアップシフトと判定し、この状態以外をオート
アップシフトと判定するよう構成したことを特徴とする
ものである。
【0018】
【発明の効果】無段変速機は、最終目標変速比を所定の
動特性で実現するための過渡目標変速比に基づいて決定
された指令変速比により変速制御され、無段変速機の実
変速比が上記の動特性で最終目標変速比に向かう。ここ
で第1発明においては、最終目標変速比に対する過渡目
標変速比の差である目標変速比偏差と、最終目標変速比
の時間変化割合もしくは該最終目標変速比に対応した目
標変速機入力側回転数の時間変化割合とから、前回にお
ける変速モードの判定結果を考慮しつつ、車速の上昇に
伴うオートアップシフトか、アクセルペダルから足を放
したことに伴う足放しアップシフトかを判別し、これら
オートアップシフトおよび足放しアップシフトに応じ、
上記所定の動特性を切り換える。
【0019】ところで第1発明においては、上記のよう
な3種の情報をもとにオートアップシフトか、足放しア
ップシフトかを判定するため、両者間での誤判定を確実
に回避し得ることとなり、上記所定の動特性を変速モー
ドに確実に適応したものとなし得て、大きな加減速度が
発生するといった問題を解消することができる。
【0020】第2発明においては、前記目標変速比偏差
が正の変速判定基準値および負の変速判定基準値間の値
から外れた方向によってダウンシフト変速かアップシフ
ト変速かを判定し、これを上記オートアップシフトおよ
び足放しアップシフトの判定に先立つダウンシフト変速
かアップシフト変速かの判定に資することとしたから、
オートアップシフトおよび足放しアップシフトの判別に
先立って、ダウンシフトであるのか、アップシフトであ
るのかを確実に判断することができ、第1発明の作用効
果を助長することができる。
【0021】第3発明においては、前回における変速モ
ードの判定結果がオートアップシフトであるとき、最終
目標変速比の時間変化割合もしくは該最終目標変速比に
対応した目標変速機入力側回転数の時間変化割合が、負
の足放しアップシフト判定基準値未満であるのを足放し
アップシフトと判定し、この状態以外をオートアップシ
フトと判定するため、前回の変速モード判定結果がオー
トアップシフトである場合において、オートアップシフ
トおよび足放しアップシフトの判別を確実に行うことが
できる。
【0022】第4発明においては、前回における変速モ
ードの判定結果が足放しアップシフトであるとき、前記
目標変速比偏差が、負のオートアップシフト判定基準値
を越えているのをオートアップシフトと判定し、この状
態以外を足放しアップシフトと判定するため、前回の変
速モード判定結果が足放しアップシフトである場合にお
いて、オートアップシフトおよび足放しアップシフトの
判別を確実に行うことができる。
【0023】第5発明においては、前回における変速モ
ードの判定結果がダウンシフトであるとき、最終目標変
速比の時間変化割合もしくは該最終目標変速比に対応し
た目標変速機入力側回転数の時間変化割合が、負の足放
しアップシフト判定基準値未満であるのを足放しアップ
シフトと判定し、この状態以外をオートアップシフトと
判定するため、前回の変速モード判定結果がダウンシフ
トである場合において、オートアップシフトおよび足放
しアップシフトの判別を確実に行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になる無段変速機の変速制御装置を機能別ブロック図
により示すもので、入力側プーリであるプライマリプー
リと、出力側プーリであるセカンダリプーリとの間にV
ベルトを掛け渡し、両プーリのV溝幅を変化させてこれ
らプーリに対するVベルトの巻き掛け円弧径を変更する
ことにより変速比を無段階に変化させ得る型式の無段変
速機用に構成した変速制御装置とする。
【0025】この変速制御装置は、指令変速比決定装置
10と、変速制御サーボ装置30とで構成する。前者の
指令変速比決定装置10は、車速VSPを検出する車速
センサ21からの信号、スロットル開度TVOを検出す
るスロットル開度センサ22からの信号と、上記プライ
マリプーリの回転数Npri を検出するプライマリ回転セ
ンサ23からの信号を入力され、これら入力情報をもと
に指令変速比iPCを決定し、後者の変速制御サーボ装置
30は、センサ21で検出した車速VSPから演算可能
なセカンダリプーリの回転数に対する、センサ23で検
出したプライマリプーリの回転数Npri の比として算出
し得る実変速比iPR(図2参照)が、指令変速比iPC
なるようフィードバック制御するもので、図2のB部の
相当する。
【0026】ここで指令変速比決定装置10を詳述する
に、これは、目標プライマリ回転数演算部11と、セカ
ンダリ回転数演算部12と、最終目標変速比演算部13
と、過渡目標変速比演算部14と、目標変速制御定数決
定部15と、目標変速比偏差演算部16と、変速モード
判定部17とで構成する。
【0027】目標プライマリ回転数演算部11は、図3
に例示する予め定めておいた目標プライマリ回転数マッ
プを用いて、車速VSPおよびスロットル開度TVOの
組み合わせから、現在の運転状態に適した目標プライマ
リ回転数Npri * を検索する。セカンダリ回転数演算部
12は、車速VSPに定数を掛けてセカンダリプーリの
回転数(セカンダリ回転数)Nsec を算出する。最終目
標変速比演算部13は、上記のように検索した目標プラ
イマリ回転数N pri * をセカンダリ回転数Nsec で除算
することにより最終目標変速比iP0を算出する。
【0028】過渡目標変速比・指令変速比演算部14は
先ず、目標変速制御定数決定部15において後述のごと
くに決定する時定数T0 で、つまり図2のA部に示すよ
うにラプラス演算子Sを用いた〔1/(To ・S+
1)〕の動特性で上記の最終目標変速比iP0を実現する
ための過渡目標変速比iPTをiPT=〔1/(To ・S+
1)〕iP0により演算し、次いで、図2のB部に示す変
速制御サーボ装置30(図1参照)の動特性〔1/(T
T ・S+1)〕の逆系(TT ・S+1)に、上記の過渡
目標変速比iPTを乗じて指令変速比iPCをiPC=(TT
・S+1)iPTにより求める。この場合、図2のA部に
示すように指令変速比iPCが、最終目標変速比iP0に対
してiPC=〔(TT ・S+1)/(To ・S+1)〕i
P0のように与えられることから、実変速比iPRは結局、
最終目標変速比iP0に対してiPR=〔1/(T o ・S+
1)〕iP0の動特性で制御される。よって、変速制御サ
ーボ装置30(図1参照)の動特性〔1/(TT ・S+
1)〕に影響されることなく、時定数To のみに応じた
動特性となし得て、この動特性を時定数To により任意
に設定することができる。
【0029】以下、目標変速制御定数である時定数T0
の決定方式を説明するに、目標変速比偏差演算部16
は、最終目標変速比iP0と過渡目標変速比iPTとの間に
おける目標変速比偏差eiPをeiP=iP0−iPTにより演
算する。一方、変速モード判定部17は図4のステップ
41〜47の処理によりダウンシフト変速か、アップシ
フト変速か、そしてアップシフト変速なら、それが足放
しアップシフトなのか、オートアップシフトなのかを判
定する。ステップ41,42においては、目標変速比偏
差eiPが変速判定基準値±DiP T の範囲内にあるのか、
正の変速判定基準値+DiPT 以上であるのか、負の変速
判定基準値−DiPT 未満であるのかをチェックする。ス
テップ41において目標変速比偏差eiPが変速判定基準
値±DiPT の範囲内にあれば、非変速と判定して制御を
そのまま終了することにより、目標制御定数T0 を現状
のままに維持する。ところで、ステップ41において目
標変速比偏差eiPが正の変速判定基準値+DiPT 以上で
あると判定する時、ダウンシフト変速と判別し、ステッ
プ42において目標変速比偏差eiPが負の変速判定基準
値−DiPT 未満であると判定する時、アップシフト変速
と判別する。
【0030】アップシフト変速の判別時は更に、ステッ
プ43〜47において、それが足放しアップシフトなの
か、オートアップシフトなのかを以下により判別する。
先ずステップ43において、前回の変速モード判定結果
がダウンシフトだったのか、オートアップシフトだった
のか、足放しアップシフトだったのかをチェックする。
前回の変速モード判定結果がダウンシフト、若しくはオ
ートアップシフトであった場合、ステップ44におい
て、前記目標プライマリ回転数Npri * の時間変化割合
ΔNpri * が負の足放しアップシフト判定基準値KD
満であるか以上であるかをチェックし、未満である場合
ステップ45において、足放しアップシフトであると判
別し、以上である場合ステップ47においてオートアッ
プシフトであると判別する。ここで目標プライマリ回転
数Npri * が最終目標変速比iP0に対応することから、
上記目標プライマリ回転数Npri * の時間変化割合ΔN
pri * は、最終目標変速比iP0の時間変化割合に置き換
えても良いことは言うまでもない。
【0031】前回の変速モード判定結果が足放しアップ
シフトであった場合、ステップ46において、前記目標
変速比偏差eiPが負のオートアップ判定基準値Ke を越
えているのか、判定基準値Ke 以下であるのかチェック
し、判定基準値Ke を越えている場合ステップ47にお
いてオートアップシフトであると判別し、判定基準値K
e 以下である場合ステップ45において足放しアップシ
フトであると判別する。
【0032】図1における目標変速制御定数決定部15
は、図4のステップ48〜52での処理により、以下の
ごとくに目標変速制御定数である時定数T0 を決定す
る。ステップ48では、ステップ45,47での判定結
果がオートアップシフトであるのか、足放しアップシフ
トであるのかをチェックする。足放しアップシフトであ
る場合、ステップ49において、図6に例示する足放し
アップシフト用の変速制御定数マップを選択し、このマ
ップを基にステップ52において、目標変速比偏差eiP
から目標変速制御定数である時定数T0 を検索する。オ
ートアップシフトである場合も、ステップ50での同様
な対応マップの選択、および、ステップ52での検索に
より、当該オートアップシフトに適した目標変速制御定
数(時定数T0 )を決定する。
【0033】ステップ41でダウンシフト変速であると
判定するときは、ステップ51において、ダウンシフト
用の変速制御定数マップを選択し、このマップを基にス
テップ52において、目標変速比偏差eiPから目標変速
制御定数である時定数T0 を検索する。
【0034】以上のようにして変速モードごとに設定し
た変速制御の時定数T0 は過渡目標変速比・指令変速比
演算部14に供給され、この演算部14は最終目標変速
比i P0を、変速制御サーボ装置30(図1参照)の動特
性〔1/(TT ・S+1)〕に影響されることなく、上
記の時定数T0 により決まる動特性〔1/(To ・S+
1)〕で実現させ得る指令変速比iPCを、前述したよう
に演算して変速制御サーボ装置30(図1参照)に指令
することができる。
【0035】なお、前記の変速モード判定部17(図1
参照)における変速モード判定処理の状態遷移を図示す
ると図5に示すごときものとなる。ここで、条件3にお
ける車速VSP=0の条件は発進時を表し、当該発進時
はオートアップシフトしか存在しないため、オートアッ
プシフトの条件3に含めた。
【0036】上記実施の形態になる変速制御装置の変速
モード判定技術によれば、図9におけると同じアクセル
ペダル操作(足放し)でスロットル開度TVOが図7に
示すように時系列変化する場合について説明すると、従
来は図9につき前述したごとく、アクセルペダルを釈放
し終えた瞬時t2 に未だ足放しアップシフトであるにも
かかわらず、オートアップシフトであると誤判定してい
たが、この誤判定を図7から明らかなようになくすこと
ができる。図4のステップ43における前回の変速モー
ドの判定結果に応じて異なるが、ステップ44で目標プ
ライマリ回転数Npri * の時間変化割合ΔNpri * が負
の足放しアップシフト判定基準値KD 未満であると判定
するか、若しくは、ステップ46において、目標変速比
偏差eiPが負のオートアップ判定基準値K e 以下である
と判定するとき、ステップ45において足放しアップシ
フトであると判別するから、図7の場合において、アク
セルペダルを釈放し終えた瞬時t2 以後も足放しアップ
シフトと判定することができ、この正確な判定をほぼ、
変速が終了する瞬時t3 まで確実に維持することがで
き、上記の誤判定を回避することができる。従って、過
渡目標変速比iPTの破線で示す経時変化から明らかなよ
うに変速制御の動特性を確実に、足放しアップシフトに
対応したゆるやかな変速比応答にし得て、大きな加減速
度が発生するという従来の問題を解消することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になるVベルト式無段変
速機用の変速制御装置を示す機能別ブロック線図であ
る。
【図2】無段変速機における最終目標変速比と、過渡目
標変速比と、指令変速比と、実変速比との相関関係を示
す説明図である。
【図3】同無段変速機の目標プライマリプーリ回転数に
係わる制御特性図である。
【図4】同変速制御装置における変速モード判定部、お
よび変速制御定数決定部に係わる処理を示すフローチャ
ートである。
【図5】同変速モード判定部の状態遷移図である。
【図6】無段変速機の変速制御の動特性を決定するとき
に用いる変速制御定数を例示する特性図である。
【図7】同変速制御装置による変速モード判定処理動作
を示すタイムチャートである。
【図8】従来の無段変速機の変速制御装置を示す機能ブ
ロック図である。
【図9】同変速制御装置による変速モード判定処理動作
を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10 指令変速比決定装置 11 目標プライマリ回転数演算部 12 セカンダリ回転数演算部 13 最終目標変速比演算部 14 過渡目標変速比・指令変速比演算部 15 目標変速制御定数決定部 16 目標変速比偏差演算部 17 変速モード判定部 21 車速センサ 22 スロットル開度センサ 23 プライマリ回転センサ 30 変速制御サーボ装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16H 59:70 63:06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行条件に応じて無段階に設定される最
    終目標変速比に向け実変速比を変化させるための指令変
    速比に応じ変速制御される無段変速機において、 前記最終目標変速比を所定の動特性で実現するためのも
    のであって、前記指令変速比の決定資料とすべき過渡目
    標変速比の、前記最終目標変速比に対する差である目標
    変速比偏差と、 前記最終目標変速比の時間変化割合もしくは該最終目標
    変速比に対応した目標変速機入力側回転数の時間変化割
    合とから、 前回における変速モードの判定結果を考慮しつつ、車速
    の上昇に伴うオートアップシフトか、アクセルペダルか
    ら足を放したことに伴う足放しアップシフトかを判別
    し、 これらオートアップシフトおよび足放しアップシフトに
    応じ、前記所定の動特性を切り換えるよう構成したこと
    を特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記オートアップシ
    フトおよび足放しアップシフトの判定に先立ってダウン
    シフト変速かアップシフト変速かを判定する場合、前記
    目標変速比偏差が正の変速判定基準値および負の変速判
    定基準値間の値から外れた方向によってダウンシフト変
    速かアップシフト変速かを判定するよう構成したことを
    特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前回におけ
    る変速モードの判定結果がオートアップシフトであると
    き、最終目標変速比の時間変化割合もしくは該最終目標
    変速比に対応した目標変速機入力側回転数の時間変化割
    合が、負の足放しアップシフト判定基準値未満であるの
    を足放しアップシフトと判定し、この状態以外をオート
    アップシフトと判定するよう構成したことを特徴とする
    無段変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前回における変速モードの判定結果が足放しアップ
    シフトであるとき、前記目標変速比偏差が、負のオート
    アップシフト判定基準値を越えているのをオートアップ
    シフトと判定し、この状態以外を足放しアップシフトと
    判定するよう構成したことを特徴とする無段変速機の変
    速制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項におい
    て、前回における変速モードの判定結果がダウンシフト
    であるとき、最終目標変速比の時間変化割合もしくは該
    最終目標変速比に対応した目標変速機入力側回転数の時
    間変化割合が、負の足放しアップシフト判定基準値未満
    であるのを足放しアップシフトと判定し、この状態以外
    をオートアップシフトと判定するよう構成したことを特
    徴とする無段変速機の変速制御装置。
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