JPH11138198A - 超臨界流体を用いた有機物酸化処理装置及び処理方法 - Google Patents

超臨界流体を用いた有機物酸化処理装置及び処理方法

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JPH11138198A
JPH11138198A JP9303951A JP30395197A JPH11138198A JP H11138198 A JPH11138198 A JP H11138198A JP 9303951 A JP9303951 A JP 9303951A JP 30395197 A JP30395197 A JP 30395197A JP H11138198 A JPH11138198 A JP H11138198A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】予熱器の小型化、および汚泥濃度が小さく多量
の水分を含む汚泥に対しても確実に酸化処理を行うこと
のできる有機物酸化処理装置及び方法を提供すること。 【解決手段】有機物を含む汚泥を水の臨界圧力以上に加
圧し供給する汚泥供給装置3、酸素を水の臨界圧力以上
に加圧し供給する酸素供給装置7、該汚泥を予熱するた
めの予熱器2、該汚泥と該酸素を混合させて酸化反応を
生じさせる反応器1、および反応生成物を含む処理水か
ら気相、固相、液相を分離するための気固液分離器11
で構成される超臨界水を用いた有機物酸化処理装置にお
いて、該反応器1を流出した温度の高い該処理水の有す
る熱エネルギーを該予熱器2の伝熱面を介して該汚泥の
予熱に用い、該予熱器2における熱回収率を向上させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超臨界状態の流体
中で有機物と酸素とを反応させて有機物を酸化処理する
装置及び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の有機物酸化処理装置では、焼却処
理が主流であった。特に有機汚泥の代表である下水汚泥
の処理方法として、従来から無害化および減容化効果の
高い焼却法が用いられている。汚泥の焼却は、一般の焼
却と同様に焼却炉を用いる方法が現在最も普及している
が、下水処理場から排出される汚泥のように水分量が9
7〜98%と高い汚泥を可燃にするためは、汚泥を焼却
炉に供する以前に濃縮、脱水処理し、汚泥中の水分量を
80%程度まで低下させる必要があった。
【0003】一方、汚泥の焼却を水の存在下で行う方法
が特表平6−511190号公報で示されている。この
方法によると、有機物、酸素、水の混合物を水の超臨界
状態(22MPa以上、374℃以上)にすることによ
り、水を溶媒として有機物が酸化されることになる。有
機物の焼却に超臨界状態の水を用いる利点としては、有
機物と酸素が同一相で均一に混合するため反応速度が速
く完全燃焼するため、一般の焼却炉に見られるような有
害ガスの発生が抑制でき、排ガス処理装置が不要になる
ことにある。また、焼却炉を用いた方法と対比すると、
高圧という不利な点はあるが、汚泥を水の存在下で酸化
できるため、汚泥中の水分量を低下させるといった前処
理が簡略化ができるという利点がある。
【0004】前記公報で開示されている超臨界水を用い
た有機物処理装置を図15に示す。有機物処理装置は有
機物供給ポンプ3,酸素供給ポンプ7、予熱器2、反応
器1、および気固液分離器11から構成される。また、
反応器1には管状反応器が使用され、連続的に有機物の
酸化が行える構成となっている。
【0005】有機物を含む流体4は、酸化剤となる酸素
8と混合後、供給ポンプ3で水の臨界圧力以上(25M
Pa)まで加圧されて予熱器2に流入し、ここで臨界温
度近くまで加熱された後、反応器1へと流入する。反応
器1ではおよそ数秒で有機物の酸化反応が終了し、反応
器1を流出する処理水6は冷却器5で冷却された後、気
固液分離器11を経て系外へと排出される。
【0006】反応器1で有機物の酸化反応を起こさせる
には、予熱器2で有機物を含む流体4を所定の温度まで
加熱する必要がある。有機物の処理量が多くなると、予
熱に要するエネルギーがかなりの量になるため、予熱は
極力有機物の酸化反応に伴って放出される反応熱を熱回
収して利用することが必要となる。前記公報では、水な
どの熱媒体17を用いて反応器1出口の処理水6から熱
交換器21を介して熱を回収し、これを予熱器2におけ
る熱源として使用し、不足する熱エネルギーは電気ヒー
タを併用することによって、予熱におけるエネルギー消
費を低く抑えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】下水汚泥のような有機
汚泥を上記装置で酸化処理する場合には、汚泥の粘度が
水に比べて非常に大きいため、汚泥の流動性が悪くな
り、予熱器の汚泥上流側における汚泥の流動状態が層流
となる。この結果、予熱器の汚泥上流側における伝熱性
能が低い値となり、汚泥を所定の温度まで昇温するには
予熱器における伝熱面積を大きくすることが必要であっ
た。また、脱水処理を行わない汚泥のように、汚泥中の
水分量が大きい場合には、予熱器を流出する汚泥の温度
を高く設定する必要があるため、熱回収によって予熱を
行うにはより高温の熱源が必要となる。熱媒体を用いて
予熱を行う方法では、熱媒体と処理水の熱交換に必要な
温度差分だけ、熱媒体の温度が処理水に対して低下する
ため、熱媒体による熱回収が不可能となり、この結果、
電気ヒータ等の外部からの熱エネルギーの供給量を多く
なるといった課題があった。
【0008】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
ので、下水汚泥に代表される粘度の高い有機汚泥を超臨
界状態の水中下で酸化処理する装置における予熱器の小
型化、および汚泥濃度が小さく多量の水分を含む汚泥に
対しても熱回収によるランニングコストの低減を図りな
がら確実に酸化処理を行うことができる超臨界流体を用
いた有機物酸化処理装置及び処理方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、反応器と、
予熱器とを備え、超臨界状態の流体中で有機物と酸素と
を反応させ、該有機物を酸化処理する装置において、該
反応器を流出した混合物処理流体と該予熱器を流動する
混合物とを該予熱器の伝熱面を介して熱交換させる構成
とする、ことによって達成される。
【0010】また上記の目的は、超臨界状態の流体中で
有機物と酸素とを反応させ、該有機物を酸化処理する装
置において、該有機物と無機物の混合物流体を流体の臨
界圧力以上に加圧し供給する混合物供給装置、該酸素を
流体の臨界圧力以上に加圧し供給する酸素供給装置、該
混合物を予熱するための予熱器、該混合物の酸化反応を
生じさせる反応器、および反応生成物を含む混合物処理
流体から気相、固相、液相を分離するための気固液分離
器で構成し、さらに該反応器を流出した混合物処理流体
と該予熱器を流動する該混合物とを該予熱器の伝熱面を
介して熱交換させて、該予熱器を流動する該混合物を加
熱する、ことによって達成される。
【0011】上記構成により、予熱器に流入する粘度の
大きい有機汚泥は、該予熱器で反応器を流出した温度の
高い処理水と熱交換を行ってその温度を上昇させること
ができるため、少ない伝熱面積で熱回収でき、また、汚
泥中の有機物濃度が低い場合でも、熱回収によるランニ
ングコストの低減ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、実施例にしたがって本発明
を詳細に説明する。
【0013】図1は本発明の実施例に係わる超臨界水を
利用した有機物酸化処理装置を示す。
【0014】下水汚泥等に代表される有機汚泥4は、汚
泥供給ポンプ3によって水の臨界圧力以上に加圧され、
酸素供給ポンプ7によって供給される酸素8と酸素注入
点15で混合した後、予熱器2に流入する。汚泥4は予
熱器2で反応器1を流出した処理水6と熱交換を行うこ
とで加熱され、その後反応器1に流入する。反応器1内
では汚泥4と酸素8によって酸化され、反応生成物とし
て生じる水、二酸化炭素、窒素、および灰分等を含む処
理水6として反応器1を流出する。処理水6は予熱器2
に流入し、汚泥4と熱交換を行うことで冷却され、冷却
器5によって更に冷却された後、気固液分離器11に流
入する。気固液分離器11では、気相18と固液相19
に分離され、圧力調整弁12、13を経て外部へと放出
される。
【0015】超臨界水を用いた有機物酸化処理装置を実
用化する上で最も重要な点は、有機物の酸化反応に伴っ
て放出される反応熱を熱回収してランニングコストの低
減を図ることである。反応器1を流出した処理水6か
ら、予熱器2に供給される汚泥4の予熱に必要な熱量が
回収できれば、外部からの熱入力を必要とせずに該有機
物酸化処理装置を自立運転することが可能となる。この
熱回収の良否は汚泥4と処理水6とを熱交換する予熱器
2の性能に依存することになるため、該有機物酸化処理
装置の実用化にあたっては予熱器2の性能向上を図るこ
とが必要となる。
【0016】一方、超臨界水を用いた有機物酸化処理装
置では、汚泥中の有機物を超臨界状態の水中で酸素と反
応させ酸化させることを特徴とするため、有機物濃度が
数%程度となる汚泥に対しても酸化処理が可能となる装
置を構成する必要がある。汚泥中の水分量が多くなると
汚泥4の熱容量が大きくなるため、汚泥4の酸化反応に
伴う温度上昇幅が小さくなる。このため、反応器1出口
の温度を設定温度まで上昇させるには、予熱器2におけ
る交換熱量を大きし、予熱器2出口における汚泥4の温
度を高くすることが必要となる。
【0017】本実施例は、予熱器2に内管と外管で構成
される二重管式の熱交換器を使用し、内管の内部を汚泥
4、内管と外管の間を処理水6が互いに対向するように
流動させて熱交換を行うことにより、処理水6の有する
熱エネルギーを効果的に熱回収するものである。予熱器
2における熱回収量は、予熱器2の伝熱性能、伝熱面積
および汚泥4と処理水6との温度差に依存し、それぞれ
の値を大きくとると熱回収量は増大することになる。そ
こで、本実施例では、図15に示すような熱媒体を利用
する従来の方法に対し、予熱器の加熱に反応器1を流出
した処理水6を直接利用するため、予熱器2における汚
泥4と処理水6の温度差を熱媒体を用いた場合に失って
いた温度分(処理水6と熱媒体17の熱交換に必要な温
度差に相当)だけ大きくとることが可能となる。この結
果、従来の方法と比較し、伝熱面積を等しくすると、予
熱器2における熱回収量を増大、また熱回収量を等しく
すると、予熱器2の伝熱面積を減少、すなわち予熱器を
小型化することが可能となる。
【0018】図2は本発明の他の実施例に係わる超臨界
水を利用した有機物酸化処理装置を示す。前記実施例と
異なるのは、予熱器2と反応器1との間に電気ヒータ2
0を設置し、さらに予熱器2に流入する処理水6の一部
をバイパスさせる流量調整弁14を設置した点にある。
【0019】反応器1における温度は、下水汚泥の場
合、反応生成物中におけるアンモニア等に代表される有
害物質の生成を抑制するため、600〜650℃の高温に設定
する必要がある。反応器1における最大到達温度は、予
熱器2出口の汚泥4の温度に有機物の酸化反応に伴って
放出される反応熱による温度上昇分を加えた温度で表さ
れるが、反応熱による温度上昇値は汚泥中の有機物濃度
と有機物の反応熱の値によって決定されることから、反
応器1における温度は流入する汚泥4の性状および予熱
器2の性能にしたがって制御する必要がある。本実施例
では、汚泥4中の有機物濃度が高い、あるいは反応熱が
大きい場合には、予熱器2における熱回収量を減少させ
るように、流量調整弁14の開度を大きくし、予熱器2
に流入する処理水6の流量を低下させるように制御す
る。また、汚泥4中の有機物濃度が低い、あるいは反応
熱が小さい場合には、予熱器2出口部(反応器1入口
部)に設置した電気ヒータ20によって、反応器1に流
入する汚泥4の温度を上昇させる。したがって、反応器
出口における温度を検出することによって、電気ヒータ
20の電気入力や流量調整弁14の開度を制御すること
で、反応器出口温度を所定の温度に設定できるため、流
入する汚泥中の有機物濃度や有機物の性状が変動した場
合でも確実に有機物の酸化処理を行うことが可能とな
る。
【0020】図3は本発明のさらに他の実施例に係わる
超臨界水を利用した有機物酸化処理装置を示す。前記実
施例と異なるのは、酸化材である酸素9の注入点15を
予熱器2と反応器1のの間に設定した点にある。
【0021】有機物濃度の低い汚泥4を酸化処理する場
合、汚泥4の熱容量が大きくなるため、酸化に伴って放
出される反応熱によって生じる反応器1における温度上
昇が小さくなる。このため、反応器1内の温度を設定温
度まで上昇させるには、予熱器2において予熱器2を流
出する汚泥4の温度を水の臨界温度以上まで加熱する必
要がある。予熱器2内の温度が水の臨界温度以上になる
と、予熱器2内で有機物の酸化に対する温度条件が達成
されることになるため、予熱器2に流入する以前に汚泥
4と酸素8とを混合した場合には、予熱器2内で有機物
の酸化反応が開始する。予熱器2で有機物の酸化反応が
生じると、予熱器2内の汚泥4の温度が上昇し、処理水
6との温度差が小さくなり処理水6からの熱回収量が少
なくなるばかりでなく、反応器1における温度上昇が小
さくなるため、電気ヒータ20による加熱が常時必要と
なる。
【0022】そこで、図3に示すように、酸素8の注入
点15を予熱器2と反応器1の間に設定し、予熱器2を
流出した汚泥4に酸素8を混合する方法を採ることによ
り、予熱器2内での有機物の酸化反応を抑制し、熱回収
によって汚泥の予熱をまかなうことができるため、電気
ヒータ等による外部からの熱入力を最小限に抑え、ラン
ニングコストの低減を図ることが可能となる。
【0023】図3に示す実施例では、供給する酸素8は
酸素供給ポンプ7の仕事量に等価な熱量だけ予熱されて
汚泥4に注入されることになるが、図4に示すように予
熱器2で熱交換を行って冷却された後の処理水6の有す
る熱エネルギーを熱交換器25を介して酸素8の予熱に
用いることにより、電気ヒータ20の入力を減少させ、
ランニングコストの低減を図ることが可能となる。
【0024】また、酸化処理の対象となる汚泥中の有機
物濃度が低下あるいは有機物の性状が変動し、熱回収量
だけでは汚泥の予熱が行えない場合には、酸素注入点1
5と反応器1との間に設置された電気ヒータ20の電気
入力によって不足する熱エネルギーを補うことによっ
て、確実に有機物の酸化処理を行うことが可能となる。
【0025】なお、酸化処理の対象として供給される汚
泥中の水分量が大きく、有機物濃度が小さい場合には、
熱回収によるランニングコストの低減を図るためには予
熱器を巨大にして、汚泥の予熱に必要な伝熱面積を大き
くする必要が生じてくる。このような場合には、汚泥を
濃縮、脱水する前処理行程を付加し、汚泥中の水分量を
減少させ、有機物濃度を増大させることによって、該有
機物酸化処理装置における予熱器の小型化およびランニ
ングコストの低減を図ることができることは言うまでも
ない。
【0026】また、処理水6が流動する配管系は水の臨
界圧以上の高圧条件にあるため、図5に示すように、熱
媒体24を用いて処理水6の有する熱エネルギーを熱交
換器23を介して熱回収することにより、高圧条件にあ
る配管系を簡素化することができる。
【0027】図6は本発明のさらに他の実施例に係わる
超臨界水を利用した有機物酸化処理装置を示す。前記実
施例と異なるのは、反応器1を流出した処理水6をまず
予熱器2の上流側の汚泥4と熱交換させ、次に予熱器2
の下流側の汚泥4と熱交換させる点にある。
【0028】下水汚泥に代表される有機汚泥は、汚泥中
の有機物濃度が数%と小さいにも関わらず、汚泥の粘度
は同一温度における水の粘度の10〜103倍もの高い値を
示す。このため汚泥の流動性は極めて悪いものとなり、
汚泥供給のしやすさや予熱器の伝熱性能に悪影響を与え
ることになる。
【0029】予熱器2に流入する汚泥4は、予熱器2を
流れる間に処理水6との熱交換によって常温近くからそ
の温度を上昇させる。汚泥4の温度が低い予熱器2の汚
泥上流側では、汚泥4の粘度の影響により、汚泥4の流
動状態は層流となる。一方、汚泥4の温度が高くなる予
熱器2の汚泥下流側では、汚泥4の大部分を占める水の
粘度に比例して汚泥4の粘度の絶対値も小さな値となる
ため、汚泥4の粘度の影響は小さくなり、流動状態は乱
流へと遷移する。層流域での伝熱性能は乱流域の値に比
べると2桁ほど小さく、層流状態で流れる汚泥4の温度
を上昇させるには、非常に多くの伝熱面積が必要となる
ため、予熱器2の大きさは層流域での熱交換に要する伝
熱面積に支配される。
【0030】汚泥の流動状態が層流から乱流へと遷移す
る温度は、汚泥の粘度、流速および管径に依存する。汚
泥中の有機物濃度が低い場合には、水の粘度の温度依存
性にしたがい比較的低温度で層流から乱流への遷移が生
じるが、有機物濃度が高い場合には、温度が高くなって
も汚泥の粘度が大きな値に保持されるため流れの遷移は
発生しにくい。しかしながら、下水汚泥のような有機汚
泥では、汚泥に熱を加えることによって汚泥中の有機物
が熱分解し粘度が低下する現象があり、本発明者らが下
水汚泥に対して行った実験では、汚泥の粘度は加熱温度
150℃近くから低下を開始し、加熱温度250℃近くではほ
ぼ水の粘度に等しくなることを結果を得ている。したが
って、予熱器に必要な伝熱面積を小さくするためには、
予熱器に流入する汚泥をできる限り早い段階で粘度が低
下する温度まで昇温することが必要となる。
【0031】そこで、本実施例に示すように、反応器1
を流出した処理水6をまず上流側の汚泥4と熱交換さ
せ、次に予熱器2の汚泥上流側で熱交換した後の処理水
6を予熱器2の下流側の汚泥4と熱交換させる方法が有
効となる。この方法によると、予熱器2に流入する粘度
の高い汚泥4を、まず反応器1を流出した最も温度の高
い処理水6との間で熱交換させるため、熱交換に必要な
汚泥4と処理水6との間の温度差が大きくなり、汚泥上
流側での交換熱量が増大し、汚泥上流側の汚泥4の温度
上昇を早めることができる。
【0032】図7に、予熱器の長さ方向に沿った汚泥お
よび処理水の温度分布を示す。反応器を流出した処理水
を予熱器の汚泥下流側から流入させた場合を実線、処理
水をまず予熱器の汚泥上流側、次に汚泥下流側から流入
させた場合を破線で表す。予熱器に流入する汚泥、処理
水の条件が等しい場合には、処理水をまず予熱器の汚泥
上流側に導入し、汚泥の温度を早い時期に上昇させて粘
度の低下を促すことによって、所定の温度条件まで汚泥
を昇温させるために必要な予熱器長さを短くできること
がわかる。
【0033】なお、反応器を流出した処理水を流入させ
る予熱器の位置は、汚泥の粘度や流量等によって異な
り、各条件に対して予熱器の長さが最小となる流入位置
が存在する。この予熱器の最小長さは、汚泥中の有機物
濃度が高く、汚泥の粘度が大きくなる程、図1に示す実
施例のように反応器を流出した処理水を予熱器の汚泥下
流側から流入させた場合に必要な予熱器の長さに対して
小さくなるため、本実施例で示す方法は汚泥中の有機物
濃度が高く、汚泥の粘度が大きい場合に非常に効果的で
ある。
【0034】図6に示す実施例は、伝熱性能に対する汚
泥の粘度の影響が最も顕著に現れる予熱器の汚泥上流側
における交換熱量を大きくするため、熱交換に必要な温
度差を大きくしたところに特徴があるが、汚泥側の伝熱
性能そのものの値を改善する方法も効果が大きい。
【0035】図8(a)は汚泥が流動する予熱器を構成す
る二重管式熱交換器30の内管31内部にねじれテープ
32を挿入して、流動状態が層流域にある汚泥側の伝熱
性能を向上する方法を示す。ねじれテープの挿入によっ
て挿入部における圧力損失は大幅に増大するが、ねじれ
テープの設置は汚泥の流動状態が層流となる予熱器上流
側だけでよいこと、およびねじれテープの挿入によって
予熱器長さを短くすることができることから、予熱器全
体の圧力損失の増大は小さく抑えられる。
【0036】なお、ねじれテープを内管の内壁に熱的に
接するように設置すると、ねじれテープが伝熱面として
作用するため、汚泥側の伝熱面積が増大し、更に予熱器
の長さを短縮することができる。また、ねじれテープを
管軸を中心として回転可能に支持することにより、汚泥
の流体力によって回転を発生させ、管壁に付着する汚れ
を連続的にかきとる洗浄作用を持たせることができる。
【0037】予熱器の汚泥上流側における交換熱量を大
きくするための他の実施例として、図8(b)に示すよう
に、二重管式熱交換器30の内管31の数を複数とし、
内管31の内部33を流動する汚泥4の伝熱性能を向上
させ、伝熱面積も同時に増大させる方法が有効である。
また、図8(c)に示すように内管31における流路34
の数を複数に分割することによっても、伝熱性能と伝熱
面積を大きくすることができるため、予熱器の長さを短
くすることが可能となる。
【0038】図9は本発明のさらに他の実施例に係わる
超臨界水を利用した有機物酸化処理システムを示す。本
実施例の特徴は、予熱器2で熱交換を行って温度低下し
た後の処理水6の有する熱エネルギーを熱交換器29を
介してポンプ30によって循環する熱媒体28で熱回収
し、汚泥供給ポンプ3の吸い込み側に設置した熱交換器
27を介して予熱器2に流入する汚泥4を加熱する点に
ある。
【0039】汚泥の粘度が大きいところでは、汚泥の流
れに伴う対流熱伝達が小さな値となるため、汚泥の加熱
には多くの伝熱面積が必要となる。そこで、本実施例に
示すように、予熱器2を200〜300℃で流出した処理水6
から、熱媒体28を用いて熱交換器29を介して100℃
以上の温度レベルの熱として回収し、汚泥側の圧力が大
気圧近くとなる熱交換器27を介して汚泥4を加熱す
る。この実施例により、汚泥中に含まれる水を沸騰させ
て熱伝達を行うことができるため、粘度の大きい領域に
おいても少ない伝熱面積で汚泥4の温度を上昇させるこ
とができる。この結果、予熱器2に流入する汚泥4の温
度が高くなり、予熱器2において汚泥4の粘度が低下す
る温度まで上昇させるために要する伝熱面積を少なくす
ることができるため、予熱器2の小型化あるいは熱回収
量の増大を図ることができる。また、熱交換器27を流
出する汚泥4の温度を汚泥側の圧力における水の沸点以
下の温度となるように熱媒体28の流量を制御すること
により、熱交換器27内で水の沸騰に伴って発生した気
泡を汚泥内で凝縮させて消滅せしめ、汚泥供給ポンプ3
への気泡の流入を防止することができる。
【0040】図9に示す実施例では、熱媒体28を用い
て処理水6の有する熱エネルギーを回収する方法を示し
たが、図10に示すように予熱器2を流出した処理水6
を熱交換器34に直接導入する方法も有効である。この
場合、熱交換器34をバイパスする流量を調整するバル
ブ35を設置し、このバルブ35を用いて熱交換器34
をバイパスする流量を調整することによって、流入する
汚泥4の流量や性状が変動する場合に対しても熱回収量
の制御が行えることになる。
【0041】なお、汚泥4と熱交換した後の処理水6の
有する熱エネルギーを、図9に示す実施例では熱媒体2
4と熱交換器25、図10に示す実施例では熱交換器3
6を用いて、供給酸素8の予熱に用いることにより、前
記有機物酸化処理システム全体の熱回収率を高めること
ができ、ランニングコストの低減を図ることができる。
【0042】図11は本発明のさらに他の実施例に係わ
る超臨界水を利用した有機物酸化処理装置を示す。本実
施例は、該有機物酸化処理装置の起動および洗浄に関す
るものであり、汚泥供給ポンプ3に水10を供給できる
ようにした点に特徴がある。
【0043】前記有機物酸化処理装置を起動する際に
は、まず水10のみの供給を開始し、電気ヒータ20に
電気入力を与えて水10の温度を上昇させる。電気ヒー
タ20の電気入力は予熱器2で熱回収されるため、起動
からの時間の経過に伴って該有機物酸化処理装置内の温
度は徐々に上昇していく。該有機物酸化処理装置内の温
度が所定の温度に達した後、汚泥4と酸素8の供給を開
始し、反応器1出口の温度が設定温度となるように電気
ヒータ20の電気入力を制御しながら、汚泥4および酸
素8の流量を徐々に増大させると同時に水10の流量を
減少させる。供給する水10の流量が少なくなるにした
がい、汚泥の酸化に伴う反応熱の熱回収による自立運転
が開始され、電気ヒータ20への電気入力は必要なくな
り、処理水6のバイパス弁24の開放により、反応器1
出口の温度制御が行われる。この後、汚泥4および酸素
8を必要とする処理流量まで徐々に増大させることによ
り、起動運転は完了する。
【0044】運転開始後から、予熱器2の汚泥側の伝熱
管壁面には熱分解によって生じる油等の有機物、予熱器
2の汚泥下流側や反応器1の壁面には超臨界水に対する
溶解度が低い無機塩等が付着する。この結果、予熱器
2、反応器1を流れる汚泥4に対する流動抵抗が大きく
なり、予熱器2および反応器1出入口の圧力差が増大す
る。圧力差は予熱器2および反応器1に設置した圧力セ
ンサー(図示せず)によって監視されるが、この圧力差
が所定の圧力差を上回った場合には、前記有機物酸化処
理装置の洗浄運転を開始する。
【0045】洗浄運転では、まず汚泥4と酸素8の供給
を徐々に減少させ、水10の供給を開始する。次に、汚
泥4と酸素8の供給が停止したところで、反応器1出口
の処理水温度の設定値を臨界温度以下として、電気ヒー
タ20の電気入力によって温度制御を行う。超臨界水に
対して不溶となる無機塩類が付着する予熱器2および反
応器1に亜臨界状態の水を流動させることによって、伝
熱管内に付着した無機塩類を溶解して管壁から除去する
ことができる。
【0046】予熱器2の汚泥上流側に付着した油等の汚
れは、この領域に有機物に対する溶解度が大きくなる超
臨界状態の水を流動させることで除去することができ
る。図11に示す実施例では、電気ヒータ20によって
予熱器2の外管に流入する水10を臨界温度以上に調整
し予熱器2の内管を流動する水10と熱交換させる、お
よび予熱器2と汚泥供給ポンプ3との間に電気ヒータ2
2を設置して予熱器2に流入する水10を臨界温度以上
に加熱することによって、予熱器2の汚泥上流側を流動
する水10を超臨界状態とすることができる。
【0047】なお、洗浄時に予熱器2から除去され超臨
界水中に溶解した油等の有機物は、水10の温度が臨界
温度以下に冷却されるところで再び析出し壁面に付着す
る場合がある。この再付着による汚れの発生を防止する
ため、洗浄時に汚泥供給ポンプ3の吐出側にバルブ38
を調整して酸素8を供給し、超臨界状態の水中に溶解し
た有機物を酸化させる方法が有効である。
【0048】また、図12に示すように、反応器1から
流出した処理水6をまず予熱器2の汚泥上流側に流入さ
せ、その後汚泥下流側に流入させる図6に示した実施例
と同様な構成とすることにより、電気ヒータ20の電気
入力によって臨界温度以上に昇温した水10を予熱器2
の汚泥上流側の外管に流入させ、予熱器の内管を流動す
る水10と熱交換させることによって、予熱器の汚泥上
流側で超臨界状態を形成することができるため、図11
に示す電気ヒータ22が不要となる。また、図12に示
す構成では、予熱器2の汚泥上流側の外管を流出した水
10が熱交換により臨界温度を下回る温度となるように
水10の流量を調整すると、予熱器2の内管を流動する
水10を汚泥上流側で超臨界状態、汚泥下流側で亜臨界
状態に形成できるため、洗浄運転を簡略化し洗浄に要す
る時間を短縮することができる。
【0049】図13は本発明のさらに他の実施例に係わ
る超臨界水を利用した有機物酸化処理装置を示す。本実
施例は、該有機物酸化処理装置の洗浄に関するものであ
り、洗浄運転時に予熱器2および反応器1を流れる水1
0の流れ方向を反転させ、予熱器2および反応器1にブ
ラシを流動させる点に特徴がある。
【0050】洗浄運転では、まず汚泥4と酸素8の供給
を徐々に減少させながら水10の供給を開始し、次に汚
泥4と酸素8の供給が停止したところで、バルブ44を
開放してバルブ42を閉じ、その後バルブ43を開放し
てバルブ41を閉状態とすることにより、予熱器2およ
び反応器1を流れる水10の流れ方向を反転させる。反
応器1の端部47には洗浄用のブラシ(図示せず)が設
置されており、水10の流れ方向が反転することによっ
てブラシが反応器1、予熱器2の順に流動し、反応器
1、予熱器2の内壁に付着した汚れを物理的に除去す
る。
【0051】図14には反応器1の端部47に設置され
るブラシ45とそのブラシを保持するブラシホルダー4
6の詳細を示す。ブラシ45、ブラシホルダー46は水
10および汚泥4に対して不活性な材料で形成され、ブ
ラシホルダー46は水10および汚泥4が通過できるよ
うに網目状の材料から構成される。図13に示す予熱器
2の端部48にも、同様な構造のブラシホルダーが設置
され、流れの反転によって流動するブラシ45が予熱器
2を流出した後にブラシホルダーに捕獲できるようにな
っている。
【0052】バルブ41〜44の開閉により、水10の
流動方向が反転し、ブラシが反応器1の端部47から予
熱器2の端部48に移動する。ブラシの移動が確認され
た後、バルブ48を開放、バルブ43を閉止し、バルブ
42を開状態、バルブ44を閉状態に操作することによ
って、水10の流れ方向を順方向に戻す。ブラシは、予
熱器2、反応器1を通過して反応器1の端部47に設置
されたブラシホルダーに捕獲される。汚れの除去が1回
の動作で行われない場合は、これらの動作を複数回行
う。ブラシによる洗浄が完了した後、前記実施例と同様
の動作を行うことによって、洗浄運転は完了する。
【0053】なお、水10の流動方向を反転させた後、
電気ヒータ20によって予熱器2に流入する水10の状
態を超臨界状態とすることによって、熱分解によって発
生する油等の有機物の汚れが付着しやすい予熱器の内管
を洗浄することができる。この場合、バルブ37を調整
して酸素8を注入することにより、超臨界水中に溶融し
た有機物を酸化することができるため、有機物の再付着
を防止することができる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、予熱器に流入する粘度
の大きい有機汚泥は、該予熱器で反応器を流出した温度
の高い処理水と熱交換を行ってその温度を上昇させるこ
とができるため、少ない伝熱面積で熱回収が可能となる
該予熱器を備えた超臨界水を用いた有機物酸化処理装置
が達成できる。また、汚泥中の有機物濃度が低い場合で
も、熱回収によるランニングコストの低減が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる超臨界水を用いた有機
物酸化処理装置の系統図。
【図2】本発明の他の実施例に係わる超臨界水を用いた
有機物酸化処理装置の系統図。
【図3】本発明のさらに他の実施例に係わる超臨界水を
用いた有機物酸化処理装置の系統図。
【図4】本発明のさらに他の実施例に係わる超臨界水を
用いた有機物酸化処理装置の系統図。
【図5】本発明のさらに他の実施例に係わる超臨界水を
用いた有機物酸化処理装置の系統図。
【図6】本発明のさらに他の実施例に係わる超臨界水を
用いた有機物酸化処理装置の系統図。
【図7】予熱器における汚泥および処理水の温度分布
図。
【図8】本発明の実施例に係わる予熱器の構造図。
【図9】本発明のさらに他の実施例に係わる超臨界水を
用いた有機物酸化処理装置の系統図。
【図10】本発明のさらに他の実施例に係わる超臨界水
を用いた有機物酸化処理装置の系統図。
【図11】本発明のさらに他の実施例に係わる超臨界水
を用いた有機物酸化処理装置図。
【図12】本発明のさらに他の実施例に係わる超臨界水
を用いた有機物酸化処理装置の系統図。
【図13】本発明のさらに他の実施例に係わる超臨界水
を用いた有機物酸化処理装置の系統図。
【図14】本発明のさらに他の実施例に係わる洗浄用ブ
ラシの保持機構図。
【図15】従来の超臨界水を用いた有機物酸化処理装置
の系統図。
【符号の説明】
1…反応器、2…予熱器、3…汚泥供給、4…汚泥、6
…処理水、7…酸素供給ポンプ、8…酸素、11…気固
液分離器、12、13…背圧弁、15…酸素注入点、2
0…電気ヒータ、33…ねじれテープ、45…ブラシ、
46…ブラシホルダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 麻生 伸二 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内 (72)発明者 川尻 斎 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応器と、予熱器とを備え、超臨界状態の
    流体中で有機物と酸素とを反応させ、該有機物を酸化処
    理する装置において、 該反応器を流出した混合物処理流体と該予熱器を流動す
    る混合物とを該予熱器の伝熱面を介して熱交換させる構
    成とすることを特徴とする超臨界流体を用いた有機物酸
    化処理装置。
  2. 【請求項2】超臨界状態の流体中で有機物と酸素とを反
    応させ、該有機物を酸化処理する装置において、 該有機物と無機物の混合物流体を流体の臨界圧力以上に
    加圧し供給する混合物供給装置、該酸素を流体の臨界圧
    力以上に加圧し供給する酸素供給装置、該混合物を予熱
    するための予熱器、該混合物の酸化反応を生じさせる反
    応器、および反応生成物を含む混合物処理流体から気
    相、固相、液相を分離するための気固液分離器で構成
    し、さらに該反応器を流出した混合物処理流体と該予熱
    器を流動する該混合物とを該予熱器の伝熱面を介して熱
    交換させて、該予熱器を流動する該混合物を加熱するこ
    とを特徴とする超臨界流体を用いた有機物酸化処理装
    置。
  3. 【請求項3】該予熱器を二重管式熱交換器で構成し、該
    二重管式熱交換器の内管を有機物と無機物および流体の
    混合物、内管と外管の間を処理流体が互いに対向するよ
    うに流動させることを特徴とする請求項2に記載の超臨
    界流体を用いた有機物酸化処理装置。
  4. 【請求項4】該予熱器の有機物と無機物および流体の混
    合物上流側を流動する混合物の流路にねじれテープを設
    置することを特徴とする請求項2ないし請求項3のいず
    れかに記載の超臨界流体を用いた有機物酸化処理装置。
  5. 【請求項5】該予熱器の有機物と無機物および流体の混
    合物上流側を流動する混合物の流路を複数とすることを
    特徴とする請求項2ないし請求項4記載の超臨界流体を
    用いた有機物酸化処理装置。
  6. 【請求項6】該予熱器で有機物と無機物および流体の混
    合物との間で熱交換を行った後該予熱器を流出する混合
    物処理流体と、流体の臨界圧力以上に加圧する以前の混
    合物とを熱交換させ、該混合物中に含まれる流体を沸騰
    させて該混合物を加熱することを特徴とする請求項2な
    いし請求項5のいずれかに記載の超臨界流体を用いた有
    機物酸化処理装置。
  7. 【請求項7】有機物の酸化剤となる酸素を、該予熱器を
    流出した有機物と無機物および流体の混合物に、該混合
    物が該反応器に流入する以前に注入することを特徴とす
    る請求項2ないし請求項6のいずれかに記載の超臨界流
    体を用いた有機物酸化処理装置。
  8. 【請求項8】該反応器と該予熱器の間に設置した電気ヒ
    ータと該予熱器をバイパスする該処理流体の流量を調整
    する弁によって、該反応器の温度を所定の温度に制御す
    ることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれか
    に記載の超臨界流体を用いた有機物酸化処理装置。
  9. 【請求項9】該予熱器と該反応器の間に設置した電気ヒ
    ータあるいは該予熱器と該混合物供給ポンプの間に設置
    した電気ヒータを用いて、該予熱器および該反応器を流
    動する流体を亜臨界状態および超臨界状態に調整するこ
    とにより、該予熱器および該反応器に付着した該無機塩
    類および油等の有機物を除去する洗浄運転を行うことを
    特徴とする請求項2ないし請求項8のいずれかに記載の
    超臨界流体を用いた有機物酸化処理装置。
  10. 【請求項10】該超臨界状態の流体に酸素を供給して流
    体中に溶解した有機物を酸化させることを特徴とする請
    求項2ないし請求項9のいずれかに記載の超臨界流体を
    用いた有機物酸化処理装置。
  11. 【請求項11】該予熱器および該反応器における流動方
    向を反転させることによってブラシを流動させて、該反
    応器、該予熱器等に付着する無機塩および油等の有機物
    を物理的に除去することを特徴とする請求項2ないし請
    求項10のいずれかに記載の超臨界流体を用いた有機物
    酸化処理装置。
  12. 【請求項12】有機物および無機物と混合させる流体が
    水であることを特徴とする請求項2ないし請求項11の
    いずれかに記載の有機物酸化処理装置。
  13. 【請求項13】流体と混合させる有機物および無機物が
    汚泥を構成することを特徴とする請求項2ないし請求項
    12のいずれかに記載の有機物酸化処理装置。
  14. 【請求項14】超臨界状態の流体中で有機物と酸素とを
    反応させ、該有機物を酸化処理する装置において、 該有機物と無機物および水の混合物流体を流体の臨界圧
    力以上に加圧し供給する混合物供給装置、該酸素を流体
    の臨界圧力以上に加圧し供給する酸素供給装置、該混合
    物を予熱するための予熱器、該混合物の酸化反応を生じ
    させる反応器、および反応生成物を含む混合物処理流体
    を減圧する機構を有し、気相、固相、液相を分離するた
    めの気固液分離器で構成し、さらに該反応器を流出した
    混合物処理流体をまず該予熱器の混合物側上流を流動す
    る該混合物と熱交換させ、続いて該予熱器の混合物側下
    流を流動する該混合物とを熱交換させて、該予熱器を流
    動する該混合物を加熱し、該予熱器を二重管式熱交換器
    で構成し、該二重管式熱交換器の内管を有機物と無機物
    および流体の混合物、内管と外管の間を処理流体が互い
    に対向するように流動させ、有機物の酸化剤となる酸素
    を、該反応器と該予熱器の間に設置した電気ヒータと該
    予熱器をバイパスする該処理流体の流量を調整する弁に
    よって、該反応器の温度を所定の温度に制御することを
    特徴とする超臨界流体を用いた有機物酸化処理装置。
  15. 【請求項15】超臨界状態の流体中で有機物と酸素とを
    反応させ、該有機物を酸化処理する方法において、 酸素と有機物と流体とを混合した混合物を、反応生成物
    によって予熱器伝熱面を介して予熱し、予熱によって温
    度上昇した混合物を反応器で反応させ、その後、気体、
    固体及び液体を分離することを特徴とする超臨界流体を
    用いた有機物酸化処理方法。
  16. 【請求項16】超臨界状態の流体中で有機物と酸素とを
    反応させ、該有機物を酸化処理する方法において、 有機物と流体とを混合した混合物を、反応生成物によっ
    て予熱器伝熱面を介して予熱し、予熱によって温度上昇
    した混合物に酸素を混合して反応器で反応させ、その
    後、気体、固体及び液体を分離することを特徴とする超
    臨界流体を用いた有機物酸化処理方法。
  17. 【請求項17】超臨界状態の流体中で有機物と酸素とを
    反応させ、該有機物を酸化処理する方法において、 酸素と有機物とを混合した混合物を、反応生成物によっ
    て予熱器伝熱面を介して予熱し、予熱によって温度上昇
    した混合物を反応器で反応させ、その後、気体、固体及
    び液体を分離することを特徴とする超臨界流体を用いた
    有機物酸化処理方法。
  18. 【請求項18】超臨界状態の流体中で有機物と酸素とを
    反応させ、該有機物を酸化処理する方法において、 有機物を反応生成物によって予熱器伝熱面を介して予熱
    し、予熱によって温度上昇した有機物に酸素を混合して
    反応器で反応させ、その後、気体、固体及び液体を分離
    することを特徴とする超臨界流体を用いた有機物酸化処
    理方法。
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