JP2000140611A - 加熱器 - Google Patents

加熱器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超臨界状態への状態変化などによる流速の増
加を防ぐことで、エロージョンの発生や熱伝達率の低下
などを防止し、さらに流体に塩類が含まれる場合でも流
速をある程度高速に保って塩類の析出によるスケールの
発生を防止できる加熱器の提供を目的とするものであ
る。 【解決手段】 流体を流路通過中に加熱する加熱器1に
おいて、流体の入口8側の流路断面積より出口9側の流
路断面積を流路断面積拡大位置12を境にして大きくす
るものである。また、加熱器1が亜臨界状態の流体を超
臨界状態まで加熱する場合、流路断面積拡大位置12を
流路に沿って流体の温度が臨界温度になる位置(水の場
合、374℃の位置)から流体の流路方向の温度変化の
勾配が急になる位置(水の場合、400℃の位置)まで
の範囲にするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば超臨界状態
の高温流体との熱交換などによって、流路通過中の流体
を加熱する加熱器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばPCB、フロンなどの難分解性の
有機物でも、374℃以上かつ220気圧以上の超臨界
状態の水中、即ち超臨界水中では迅速にかつ効率よく分
解されることを利用し、有機物を含む廃水を超臨界水酸
化によって分解・浄化する超臨界水酸化処理装置が開発
されている。かかる超臨界水酸化処理装置は、有機物を
含む被処理水を超臨界状態またはそれに近い状態まで加
圧、加熱して反応器に供給し、同時に酸素を供給しつつ
反応器内で超臨界水酸化反応を起こさせ、有機物を分解
するものである。
【0003】このような超臨界水酸化処理装置において
は、反応器に供給する被処理水を臨界温度以上に加熱す
る必要があり、一方、反応器から排出される処理水は超
臨界状態にあることから、かかる処理水の廃熱を被処理
水の加熱に利用するのが熱効率上有利である。このよう
に処理水の廃熱を被処理水の加熱に利用する方法として
は、従来、(a)臨界温度以上の処理水の一部を被処理
水に混合することで被処理水を臨界温度以上に加熱する
方法(特開平10−137775号公報参照)、(b)
図4に示すように、熱交換器15を用いて処理水と被処
理水とを熱交換し、被処理水を臨界温度以上に加熱する
方法などがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】超臨界水酸化処理装置
において反応器から排出される処理水の廃熱を被処理水
の加熱に利用する上記従来の方法には以下に示す不都合
があった。すなわち、 (1)上記(a)の方法では、超臨界状態の処理水を混
合して被処理水を臨界温度以上に加熱するためには、大
量の処理水が必要になる。そのため、予熱のための処理
水のリサイクル量が増大して新たに投入する被処理水の
割合が低下し、結果として装置の処理量が低下してしま
う。
【0005】(2)上記(b)の方法では、低温流体た
る被処理水および高温流体たる処理水ともに亜臨界状態
と超臨界状態との間の状態変化をともなう。この亜臨界
状態と超臨界状態との状態変化にともなって密度が著し
く変化し、例えば水の場合、超臨界状態の密度は亜臨界
状態の密度に比べて十分の一前後にまで低下する。一
方、(b)の方法に用いられる従来の熱交換器15は管
径(流路断面積)が一定であることから、亜臨界状態の
流速と比較して超臨界状態の流速が非常に大きくなる。
従って、亜臨界状態の流速を熱交換に適する一般的な流
速に設定すると、超臨界状態の流速が大きくなりすぎて
しまい、その結果、配管などのエロージョンの発生およ
び所定の熱交換率の達成のための管路の長大化や圧力損
失の増大を招く等の不都合があった。
【0006】(3)また(b)の方法では、上述のよう
に低温流体たる被処理水は熱交換器15内で亜臨界状態
から超臨界状態へ状態変化を起こす。超臨界状態におけ
る塩類の溶解度は亜臨界状態と比較して著しく低いの
で、被処理水の超臨界状態への状態変化にともなって塩
類を析出し、管内壁にスケールを生じ、さらには管内の
閉塞を起こすおそれがあった。
【0007】(4)上記(3)に記載した不都合を回避
するためには、被処理水の流速をある程度高速に保つこ
とが効果的であるが、熱交換器15の低温流体の流速を
ある程度高速に保つと上記(2)に記載の不都合が発生
する。つまり、亜臨界状態から超臨界状態への状態変化
にともなって密度が非常に小さくなり、かつ、熱交換器
15は管径が一定であるため、亜臨界状態での流速を上
述のようにある程度高速に設定すると、温度が上昇して
超臨界状態に至ると流速が大きくなりすぎ、エロージョ
ンの発生、熱交換器の長大化等の不都合が生じる。
【0008】(5)上記(1)から(4)に記載した不
都合は、亜臨界状態の流体を超臨界状態まで加熱する加
熱器におけるものであるが、例えば流体が液相から気相
への状態変化を伴う加熱器の場合でも、大きな密度の変
化があり、上記(2)と同様の不都合が発生する。
【0009】本発明はこれらの不都合に鑑みてなされた
ものであり、例えば亜臨界状態から超臨界状態への状態
変化や液相から気相への状態変化などによる流速の増加
を防ぐことで、エロージョンの発生、熱交換器の長大化
および圧力損失の増大などを防止し、さらに流体に塩類
が含まれる場合でも流速をある程度高速に保って溶解度
の低下が原因の塩類の析出によるスケールの発生を防止
できる加熱器の提供を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた発明は、流体を流路通過中に加熱する加熱器
において、流体の入口側の流路断面積より出口側の流路
断面積を流路断面積拡大位置を境にして大きくしたこと
を手段とする(請求項1)。本明細書中に記載の「流
路」とは動作流体が流れる通路を意味し、「加熱器」と
は、上述のように流体を流路通過中に加熱するものであ
って、その加熱手段としては、a)例えば熱媒油、溶融
塩などの何らかの熱媒体を用いる方法、b)ヒーターや
電熱器などで直接流路(管など)を加熱する方法、c)
高温流体との熱交換による方法等、種々の方法を含むも
のである。
【0011】上述のように加熱対象の流体が亜臨界状態
から超臨界状態への状態変化や液相から気相への状態変
化を起こすと、著しい密度の低下(体積膨張)を生じ
る。そのため、加熱器を流れる流体の流速が流路途中で
激増することとなる。この手段によれば、流体の流路断
面積を途中で拡大したことから、この流路断面積拡大位
置を上記状態変化が生じる位置に合わせることで、前記
状態変化に伴った密度の低下による流速の激増を防止で
き、加熱器全域で流体が好ましい流速に保持できる。そ
のため流速の増大によるエロージョンの発生や管路の長
大化あるいは圧力損失の増大などを防止できる。従っ
て、かかる作用を効果的に発揮するには、前記流路断面
積拡大位置を流体が状態変化又は相変化を起こす位置周
辺にする必要がある(請求項2)。
【0012】上記手段における流路断面積拡大位置を流
体温度が臨界温度になる位置周辺にすることで(請求項
3)、加熱対象の流体が亜臨界状態から超臨界状態への
状態変化を伴う加熱器に最適となる。
【0013】つまり、この手段によれば、流体の流路に
沿った経路のうち流体温度が臨界温度になる位置周辺で
流体の流路断面積を拡大したことから、亜臨界状態から
超臨界状態への状態変化に伴った密度の低下による流速
の激増を防止でき、加熱器全域で流体が好ましい流速に
保持できる。そのため流速の増大によるエロージョンの
発生や管路の長大化あるいは圧力損失の増大などを防止
できる。従って、流体に塩類の不純物が含まれる場合、
上述のように超臨界への状態変化による溶解度の低下に
ともなって管内に塩類の析出によるスケールが発生する
が、これを防止するために流体の初期流速をある程度高
速に保つことが可能となる。
【0014】前記手段における流体の流路断面積拡大位
置を、流路に沿って流体温度が臨界温度になる位置以降
にするとよい(請求項4)。
【0015】上述のように塩類の溶解度は亜臨界状態か
ら超臨界状態への過渡期に急激に低下するのであるが、
当該手段によれば、流体の流路断面積拡大位置を流路に
沿って流体の温度が臨界温度になる位置以降に設定する
ことから、溶解度が急激に低下する超臨界状態への状態
変化後に流速を落とす。つまり、最も塩類の析出が発生
し易い超臨界状態への過渡期は流速をある程度高速に保
ってスケールの発生を防止し、その危険性が去った後に
流速を適正な速度に低下させ、上記エロージョンの防止
等の作用を発揮することができる。
【0016】前記流体が水の場合、前記流路断面積拡大
位置は、流路に沿って流体温度が臨界温度になる位置か
ら400℃になる位置までの範囲にするのが好適である
(請求項5)。
【0017】このように流体の流路断面積拡大位置を、
流路に沿って流体温度が400℃になる位置までの範囲
に限定することで、設計上の安全率を大きくすることが
できる。以下、その理由を説明する。水の物性として臨
界点付近で比熱が大きく増加するため、加熱器内の流体
の流路に沿った温度変化率は小さくなり、かかる範囲で
の管路の長短は流体の温度に大きな影響を及ぼさない。
従って、流体温度の流路に沿った温度変化率が小さい範
囲に流路断面積拡大位置を設定することによって設計上
の厳格性を緩和することができる。仮に、流体の流路方
向の温度変化の勾配が急になる位置(換言すると、緩や
かでない位置)に流路断面積拡大位置を設けると、わず
かな位置のずれによって流体の温度が大きく変化するた
め、加熱器の設計上厳格性が要求され、その結果、わず
かな誤差のために最も塩類の析出が生じやすい臨界点直
前で流路断面積が拡大し、流速が低下して管壁へのスケ
ールの付着を促進するという悪影響をもたらしかねな
い。上記加熱器が高温流体との熱交換を加熱源とする熱
交換器である場合、流路に沿って流体温度が臨界温度に
なる位置から所定の位置までの範囲において、流体の流
路に沿った温度変化率は小さくなり、かつ、当該流体と
高温流体との温度が接近し、その結果熱交換率が低下す
る範囲が形成される。そのため、かかる範囲での管路の
長短は双方の流体の温度に大きな影響を及ぼさず、かか
る範囲に流路断面積拡大位置を設定することによって熱
交換器設計上の厳格性を緩和することができる。
【0018】以上の理由から、熱収支計算によって流体
の温度が臨界温度になる位置から流体の流路方向の温度
変化の勾配が急になる位置までの範囲に流体の流路断面
積拡大位置を設けるのが設計上安全である。動作流体が
水の場合、臨界温度は374℃であり、流体の温度が4
00℃付近から流路方向の温度変化が急に変化し始める
ことから、この手段のように流路断面積拡大位置を、流
路に沿って流体の温度が臨界温度になる位置から400
℃になる位置までの範囲にすることで、流体に水を用い
た加熱器において上述の作用が発揮できる。
【0019】さらに、上述の加熱器が超臨界流体との熱
交換により流体を加熱する熱交換器の場合、この超臨界
流体の入口側の流路断面積より出口側の流路断面積を流
路断面積縮小位置を境にして小さくし、この流路断面積
縮小位置を超臨界流体の温度が臨界温度になる位置周辺
にするとよい(請求項6)。この場合、高温流体も熱交
換器内で超臨界状態から亜臨界状態に状態変化すること
から、この手段によれば、かかる状態変化による流速の
低下を防止し、高温流体をも適正な流速に保つことがで
きる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しつつ本発
明の実施の形態を詳説する。図1は本発明の一実施形態
に係る加熱器を示す模式的断面図である。当該加熱器1
は、図4に示すような不純物を含む被処理水を分解・浄
化する超臨界水酸化処理装置の熱交換器15と同様であ
り、反応器13に供給する亜臨界状態の被処理水と反応
器13から排出された超臨界状態の処理水とを熱交換さ
せ、超臨界状態の処理水の廃熱を利用して被処理水を超
臨界状態まで加熱する熱交換器である。
【0021】当該加熱器1は、図1に示すように、大径
の外套管2の内部に小径の内管3を配設する2重管式の
熱交換器である。この内管3は1本の円管であり、所定
長さの直線部5と半円状に湾曲したベント部4とを交互
に有し、蛇行形状をなす。この蛇行形状によって熱交換
に必要な所定長さの内管3を小さいスペースに収納して
いる。一方、外套管2は、並列して設けられた複数本の
直管部6と各直管部6間に連通した連結部7とを有し、
1本の流路を形成する。この外套間2の直管部6内に内
管3の直線部5を配設する。熱交換対象の低温流体たる
被処理水は内管3の入口8に供給され、出口9から排出
される。他方の高温流体たる処理水は外套管2の入口1
0に供給され、出口11から排出される。ここまでの説
明は、従来一般に使用されている2重管式熱交換器と同
様である。
【0022】当該加熱器1の特徴は、図1に示すよう
に、所定のベント部4aの略中間の流路断面積拡大位置
12を境にして、入口8から流路断面積拡大位置12ま
での管径(流路断面積)より流路断面積拡大位置12か
ら出口9までの管径を大きくする。この流路断面積拡大
位置12は低温流体たる被処理水が臨界温度(374
℃)になる位置から流路方向の温度変化の勾配が急にな
る位置、つまり被処理水の温度が400℃になる位置ま
での範囲に設定する。なおこの流路断面積拡大位置12
では、径が異なる一対の管を単に突き合わせるように管
径を急激に変化させるのではなく、所定の距離xの間で
管径をなだらかに変化させ、渦等の乱流が発生しないよ
うにする。さらに、外套管2の直管部6の管径も、内部
に配設する内管3の管径に合わせ、大径の直線部5を覆
う直管部6aの管径yを大きくし、小径の直線部5を覆
う直管部6bの管径zを小さくする。
【0023】上述の構造を有する加熱器1の機能を以下
に説明する。この加熱器1の内管3内の被処理水は、入
口8から流路断面積拡大位置12までは亜臨界状態から
超臨界状態直後までの温度範囲にあり、流路断面積拡大
位置12から出口9までは超臨界状態にある。臨界圧力
(220気圧)下における水の密度は、図2(a)に示
すように臨界温度を境にして亜臨界状態から超臨界状態
へ急激に低下するが、加熱器1は内管3のうち超臨界状
態へ状態変化後の被処理水が通過する部分、つまり流路
断面積拡大位置12から出口9までの部分の管径を大き
くするため、内管3の全域にわたって被処理水の流速を
適切な範囲にすることができる。
【0024】また、この内管3内を流れる被処理水には
塩類等の不純物が含まれており、塩類の溶解度は亜臨界
状態に比べて超臨界状態では著しく低いため、亜臨界状
態から超臨界状態への過渡期に最も塩類が析出しやす
い。かかる塩類の析出によるスケールの発生や管内の閉
塞を防止するためには、内管3のうち超臨界状態への過
渡期にある被処理水が流れる部分(入口8から流路断面
積拡大位置12まで、詳しくは流路断面積拡大位置12
の少し手前)の流速をある程度高速にする必要がある。
このように内管3の入口8の流速を高速に設定しても、
超臨界状態での密度の低下による流速の高速化が流路断
面積拡大位置12以降の管径拡大による流速の低下で相
殺でき、流速が速くなりすぎることによるエロージョン
の発生などを防止できる。
【0025】さらに、当該超臨界用加熱器は流路断面積
拡大位置12を上述のように被処理水が臨界温度(37
4℃)になる位置から400℃になる位置までの範囲に
設定する。今、図2(b)に示すように水の比熱が臨界
温度直後でピーク的に増加するため、図3に示すように
加熱器1の内管3を流れる低温流体は流路方向の温度変
化の勾配が374℃から400℃の温度範囲で緩やかに
なり、高温流体の温度と接近する。従って、流路断面積
拡大位置12が多少移動しても、熱交換率やヒートフロ
ーなどに与える影響が小さく、設計上の安全率を大きく
することができる。
【0026】また、外套管2も、覆っている内管3の直
管部5の管径の大小に従って、入口10側の前半の直管
部6aの管径を大きくし、出口側の後半の直管部6bの
管径を小さくすることから、前半の超臨界状態では流路
断面積が大きく、後半の亜臨界状態では流路断面積が小
さくなる。そのため、亜臨界状態への変化に伴う密度の
上昇による流速の低下を流路断面積の縮小による流速の
上昇で相殺し、高温流体も外套管2の全域で適切な範囲
の流速にすることができる。
【0027】本発明の加熱器は上記実施形態には限定さ
れず、例えば、液相の流体が気相になるまで加熱される
加熱器の場合にも適応でき、かかる相変態個所で管径を
拡大すると、相変態による流速の増大が解消できる。ま
た、上記実施形態の構成に関しても、内管3のベント部
4を外套管2で覆った熱交換器も可能であり、内管3の
管径拡大個所と外套管2の管径縮小個所が同一でなくて
もよい。また、高温流体が貯留槽に所定量貯留され、該
貯留槽内に低温流体用の管路が浸漬された形態の熱交換
器にも適用できる。さらに、低温流体に塩類が含まれな
い場合にも適応でき、この場合は流路断面積拡大位置1
2を低温流体が臨界温度になる位置付近に設定すればよ
い。なお、図1に示す加熱器1から排出された処理水は
クーラー14によって除熱後排出される。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の加熱器に
よれば以下の効果が発揮される。すなわち、 (1)亜臨界状態と超臨界状態の密度の違いや液体と気
体の密度の違いなどによる流速の激変を相殺して、加熱
器全域で流体が好ましい流速に保持でき、流速の増大に
よるエロージョンの発生、管路の長大化および圧力損失
の増大などを防止できる。
【0029】(2)超臨界状態への状態変化を伴う場合
においても、かかる状態変化による流速の激増を防止し
つつ、流体の初期流速をある程度高速に保つことによっ
て、超臨界状態への変態による溶解度の低下にともなっ
て塩類が析出し、管内にスケールが発生することを防止
できる。そのため、塩類や有機物などの不純物が含まれ
る被処理水を分解・浄化する超臨界水酸化処理装置に装
備され、被処理水を予熱するための熱交換器に最適であ
る。
【0030】(3)流路断面積拡大位置が多少ずれても
所定の熱伝達を行うための設計上の安全率を大きくする
ことができる。そのため、設計誤差などによって流路断
面積拡大位置での被処理水の温度が大きく変化し、最も
塩類の析出が生じやすい臨界点直前で管径が拡大され、
その結果、流速が低下して塩類の析出によるスケーリン
グが加速されるという不都合の発生を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る加熱器を示す模式的
断面図である。
【図2】(a)は水の温度(℃)と密度(kg/l)の
関係を示すグラフであり、横軸に温度、縦軸に密度を示
す。(b)は水の温度(℃)と比熱(kcal/℃)の
関係を示すグラフであり、横軸に温度、縦軸に比熱を示
す。
【図3】水のヒートフロー(kcal/h)と温度
(℃)の関係を示すグラフであり、横軸にヒートフロ
ー、縦軸に温度を示す。
【図4】熱交換器を装備した超臨界水酸化処理装置の反
応器周辺を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 加熱器 2 外套管 3 内管 4 ベント部 4a ベント部 5 直線部 6 直管部 6a 直管部 6b 直管部 7 連結部 8 入口 9 出口 10 入口 11 出口 12 流路断面積拡大位置 13 反応器 14 クーラー 15 熱交換器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体を流路通過中に加熱する加熱器にお
    いて、 流体の入口側の流路断面積より出口側の流路断面積を流
    路断面積拡大位置を境にして大きくしたことを特徴とす
    る加熱器。
  2. 【請求項2】 前記流路断面積拡大位置は、流体が状態
    変化又は相変化を起こす位置周辺にした請求項1に記載
    の加熱器。
  3. 【請求項3】 前記加熱器は、亜臨界状態の流体を超臨
    界状態まで加熱するものとし、 前記流路断面積拡大位置は、流体温度が臨界温度になる
    位置周辺にした請求項1に記載の加熱器。
  4. 【請求項4】 前記流路断面積拡大位置を、流路に沿っ
    て流体温度が臨界温度になる位置以降にした請求項3に
    記載の加熱器。
  5. 【請求項5】 前記流体を水とし、前記流路断面積拡大
    位置を流路に沿って流体温度が臨界温度になる位置から
    400℃になる位置までの範囲にした請求項3に記載の
    加熱器。
  6. 【請求項6】 請求項3から請求項5のいずれかに記載
    の加熱器における前記流体の加熱を超臨界流体との熱交
    換によるものとし、 この超臨界流体の入口側の流路断面積より出口側の流路
    断面積を流路断面積縮小位置を境にして小さくし、この
    流路断面積縮小位置を超臨界流体の温度が臨界温度にな
    る位置周辺にした加熱器。
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